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鳥畠徳次郎君 たいへん時間も長くなりましたので、私の
質問は最も簡単に、簡潔に御
質問を申し上げたいと思います。またお答え下さるのも簡単でけっこうでございます。
まず第一番目に
大蔵大臣と
会計検査院長に
お尋ねをいたしたいと思います。毎年
決算委員会へ出てくる不当不正の支出の問題でございますが、毎年ここ三年あるいは四年ということの比較から考えて参りますると、漸減と申しますか、毎年件数においても、また金高においても相当少なくなって減ってきておるということは非常にいい傾向であると思いますが、三十五年度のこれを見ましても、まだ相当、金高にいたしましても八億七千万円という数字に上っており、また、書類の
調査の上から見ますと、五千件をこえておるというような件数になっておる。それが実際に八億七千万円の中身から見ると、三百三十八件という、それぞれ相当膨大な金高であり、また、件数であるわけであります。予算の執行にあたっては、おそらく各省とも相当厳密な
調査なり執行をやっておられるということだけは、われわれうかがえ得るのでありますが、国民の声から言いますと、なるほど一兆五千億あるいは本年のように二兆四千五百億というような相当膨大な数字から比較いたしますと、比較的小さいように見えるのであります。これは非常に国民の、何といいますか、血税といいますか、これらの執行にあたってはもっともっと厳格にやってもらいたいという声は、もうここかしこにほうはいとして上がっておることは言うまでもないことでありますが、これらに対しまして
大蔵大臣並びに建設省は、今後これらを何とかして絶滅してしまうというようなことについて抜本的な何か執行にあたってはお考えがないかどうか、ありましたらお答えを願いたい、かように第一に
お尋ねを申し上げておきます。
次に、財政投融資計画の問題につきまして、三十五年度で八千六百億の財政投融資になっておるようでありますが、うち千五百億というものは、すなわち、輸出を盛んにする、あるいはまた中小企業金融の円滑化をはかる、あるいはまた道路、住宅というような相当重点的な
仕事に千五百億が回されておるようでありますが、このうちで公債等が、あるいはまた借入金が、民間が融資を必要とする以上にこの公債公募あるいはまた民間の借入金というようなものが、この千五百億の中に相当含まれておるということは、今日の金融難の最もひどいときに、民間の金融を圧迫しないかというような懸念が多分にあるわけでありますが、それらに対する
大蔵大臣の御所見を承りたいと思います。
次に、燃料の問題について、これまた
大蔵大臣に
お尋ねをいたしたいと思いますが、ガソリン税あるいは軽油の引取税が毎年々々大幅に引き上げられておる。そうして日本の道路行政というものの改修あるいは建設については、全くこの目的税のガソリン税によって道路の建設なり改修がまかなわれておるということは、はなはだ遺憾なことでありまして、これは全く国家財政の大きな
一つの協力なくしては、この道路の建設、改修は百年河清であろうと思います。ことに最近のように交通の問題が盛んに取り上げられ、そうしてわが国の経済成長に対して多大の
関係を持っておる点から考えたときには、ひとりガソリン税の引き上げによってのみこれらの完成をはかるということは、これは決して、わが国の経済の将来から考えても、いいことじゃないと思う。あくまでも国民全体の
責任において、またこれを利用する人たちの協力によって、初めてこれは完成するというようなふうに切りかえてもらいたいと思いますが、
大蔵大臣はこれに対してどういうようなお考えを持っておられるか、
お尋ねをいたしたいと思います。
次に、税制の問題で
お尋ねを申し上げたいと思いますが、わが国の経済は戦後、戦前と比較いたしますと、非常に経済の底が浅いということを常に言われておりますが、全く底が浅いとわれわれも思うのであります。たとえば、戦前はわが国の各会社の自己資金というものは、大体六〇%ないし七〇%までが自己資金であった。ようやく三分の一ぐらいが借入金によってまかなわれておったというような状態でありましたが、戦後十七年を経過する今日に及びましても、必ずしもさような順調な、円滑な運びになっておりません。現状から見ますと、自己資金がようやく一二、二%
しかない。七割八分、八割近いものが借入金でまかなわれておるということは、これは日本の将来の国際的なこの激甚な競争に耐えていく上におきましても、何とかこいつは戦前と見合うように自己資金をもっともっと増額するというようなことを考えなかったならば、 いつまでたっても日本の経済は底が浅いという
結論になるのじゃないかと思います。こういう点を考えましたときに、この法人税なんかの中で積立金の問題が大きな問題になってくるのではないかと思います。現在ではあらゆる積立金に対して、すべてが相当高度な課税の対象になっておる。したがって、会社を経営する者、また、ことに百万や二百万の小さい
一つの法人会社といいますか、これらがわずかの積立金でも作って、いわゆる自己資金を高める、そうして経営を安定させるというようなことを考えましても、わずかな積立金をするというと、とたんにそれが税の対象になってくるということで、積立金よりかもっと税金の額が高くなってくるというような結果になっておるのでありまして、そういう点から考えますと、今後日本のこの法人会社に対しては、もっと積立金また社内留保、これらに対してはもっともっと真剣に取っ組んでもらって、もう少し負担を軽減させ、そうして自己資金を多くするというような、戦前の日本の会社形態に引き戻すというか、急速にその策を講じなければならぬと思いますが、これにつきまして
大蔵大臣の御所見を承りたいと思います。
次に
お尋ねいたしますが、最近の日本の経済の成長から考えまして、
しかも所得倍増、また経済の成長というような点からいろいろ考慮するときに、何と申しますか、
運輸省所管のいわゆる
運輸関係に対する
大蔵省の見解が、戦前と今日とあまり変わらない。と申し上げるのは、輸送は何といってもすべての産業や経済の原動力である、モーターの役をやっているにもかかわらず、常にこの輸送行政は軽んじられておるということがいろいろの場面に出てきておるのであります。ことに最近の、この
東京都は言うまでもありませんが、全国的に交通規制という問題や、あるいはまた
運輸省
関係は特別、許可、認可というようなことでまああまり機械化するということのできない役所であろうと思います。全部が原始的な、人が
仕事をするというようなことになっておるようでありますが、この人の問題、また予算の問題、それらから考えましたときに、大体たとえて申し上げるならば、
昭和三十五年度に
運輸省の、ことに陸運行政の中で四百人ほどの人員の
要求をしたときに、ようやく百十一名
しか大蔵省は認めてない。ほとんど四分の一で、四分の三までカットされておる。
昭和三十六年度になりますというと、五百十何名からの
要求をしておるのに、ようやく九十二名
しか増員をしておらない。三十七年度に至っては、二百五十五名のうち、ようやく七十二名
しか増員を認められていないというようなことは、私はいたずらに人を多くするということが必ずしも能率が向上するということは言い得ないと思います。
しかしながら、何といっても
仕事によっては簡素化する、合理化する、機械化するということができ得る
仕事もありますが、役所によっては、どうしたって人間が
仕事をしなかったならば能率が上がらないというようなことから、それがひいては民間との
関係上、
運輸省におきましては、御承知のとおり、全部許可、免許の
仕事であります。したがいまして、人員が不足のために、一カ年もあるいは二年も経過しても、まだ書類の
調査にもかからないというような、非常に怠慢といいますか、よく調べてみると、結局人の問題がいつも不足する、少ないということで非常に処理がおくれておるというようなことは、日本の現在の交通、また陸運行政、また激甚な国際海運というような、いろいろな方面から総合的に考えたときに、やはりこれに対して相当大きなウエートをかけて、そうして予算もできるだけ大幅に増額する。また人も、いたずらに増員することは私は決してお勧めいたしません。場合によっては配置転換をやるとか、いろいろの方法があろうと思いますが、これはここ何年かの足跡を見ますと、全然今日の陸運行政の発展というような方面から考えたら、この点についてはほとんど特別の考慮が払われていないということは、これまたはなはだ遺憾なことであります。こういう点につきまして、
大蔵大臣はどういうようなお考えを持っておられますか、これは大きな
一つの社会問題であり、日本の経済成長発展という点から、ぜひこれら抜本的な施策をやるべきものである、かように考えております。
それからもう
一つ、さっきガソリン税また軽油引取税の問題に言及いたしましたが、今後もこのガソリン税をどんどん高く引き上げるということは、それだけコストが高くなるということで、一面には物価をどんどん抑制しながらも、こういうふうに経費がいたずらに高くなるということは、やがては運賃なり、あるいは料金なり、そういうものにどんどんと転嫁しなかったならば事業の経営は成り立たないということでありますから、私はこのガソリン税の引き下げを考えておられるかどうかをこの際承りたい、かように考えております。
もう
一つ、
政府の中小企業金融、商工中金また国民金融公庫という、この
政府の三金庫が、昨年の十一月ごろから年末資金あるいはまた三月の危機突破というようなことで相当心配はしていただいておることはよくわかっておるのでありますが、われわれの民間から見ると、大体昨年の十一月あるいは十二月に振り出した手形が、ことしの五月あるいは六月ごろがちょうどそのサイトが近づいておるのでありますが、十二月の年末資金というか、ちょうど今度の手形が期日になるという四月あるいは六月という、この辺において相当金融危機が来るのではないかというように中小企業者は非常に心配しておりますが、この三金庫に対して、これから第四・四半期の金融についてはどういうふうに考えておられますか。この点を率直にひとつお聞かせを願いたいと思います。
一応以上、御
質問申し上げるわけであります。
官房長官お帰りになるようでありましたら、
運輸行政に対して、きょう
総理がお出ましでありましたら、この見解を
お尋ねしたい、かように考えておりましたが、
官房長官からこの点だけ、
運輸行政に対していかなる今後お考えを持っておられるか、お伺いいたしたいと思います。