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1962-02-15 第40回国会 参議院 外務委員会 第3号 公式Web版

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  1. 航空業務に関する日本国とパキスタ (会議録情報)

    昭和三十七年二月十五日(木曜日)    午前十時十五分開会   —————————————   出席者は左の通り。    委員長     井上 清一君    理 事            青柳 秀夫君            木内 四郎君    委 員            草葉 隆円君            笹森 順造君            永野  護君            堀木 鎌三君            安井  謙君            羽生 三七君            佐藤 尚武君   国務大臣    外 務 大 臣 小坂善太郎君   政府委員    外務政務次官  川村善八郎君    運輸省航空局長 今井 栄文君   事務局側    常任委員会専門    員       結城司郎次君   —————————————   本日の会議に付した案件 ○航空業務に関する日本国とパキスタ  ンとの間の協定締結について承認  を求めるの件(内閣提出) ○航空業務に関する日本国イタリア  との間の協定締結について承認を  求めるの件(内閣提出) ○航空業務に関する日本国インドネ  シア共和国との間の協定締結につ  いて承認を求めるの件(内閣提出) ○海外技術協力事業団法案(内閣送  付、予備審査) ○国際民間航空条約改正に関する議  定書締結について承認を求めるの  件(内閣送付予備審査)   —————————————
  2. 委員長(井上清一君)(井上清一)

    委員長井上清一君) これより外務委員会を開会いたします。  本日は、まず本院先議の、航空業務に関する日本国パキスタンとの間の協定締結について承認を求めるの件、航空業務に関する日本国イタリアとの間の協定締結について承認を求めるの件、航空業務に関する日本国インドネシア共和国との間の協定締結について承認を求めるの件、以上三件、予備審査の、海外技術協力事業団法案、以上四件につきまして、便宜これを一括議題として、政府より提案理由説明を承ることにいたしたいと思います。外務大臣
  3. 国務大臣(小坂善太郎君)(小坂善太郎)

    国務大臣小坂善太郎君) ただいま議題となりました、航空業務に関する日本国パキスタンとの間の協定締結について承認を求めるの件、航空業務に関する日本国イタリアとの間の協定締結について承認を求めるの件及び航空業務に関する日本国インドネシア共和国との間の協定締結について承認を求めるの件につきまして提案理由一括説明いたします。  これら三件の民間航空協定のうち、わが国パキスタン及びわが国イタリアとの間の協定につきましては、わが国航空企業がかねてより本年夏ごろの運航開始目標としてカラチローマ等を経由する南回り欧州線の開設を計画しておりましたので、政府は、昨年パキスタン及びイタリア両国政府に対しそれぞれ協定締結交渉申し入れを行ないましたところ、両国ともこれに同意して参りました。よって、パキスタンとは昨年四月にカラチ交渉を行ないました結果、協定の案文について合意が成立いたしましたので、十月十七日に同地で協定署名を行ない、また、イタリアとは昨月十月に東京交渉を行ないました結果、本年一月三十一日に東京協定署名を了した次第であります。  次にインドネシアとの間の協定につきましては、同国の航空企業がかねてより東京乗り入れ計画を有していましたため、一昨年未先方より協定締結交渉申し入れがあり、他方わが国航空企業ジャカルタへの乗り入れ計画しておりましたので、政府はこの要請に応じ、昨年十一月からジャカルタにおいて、さらに、本年一月東京において交渉を行なった結果合意が成立たいしましたので、一月三十三日に東で京協定署名を行なった次第であります。  これら三件の協定は、いずれも、わが国相手国との間に民間航空業務を開設することを目的とし、業務開始及び運営についての手続条件を定めるとともに、それぞれの国の航空企業業務を行なうことができる路線を定めているものでありまして、さきにわが国締結した米国英国スイスタイインドベルギー等との間の航空協定と形式においても内容においてもほとんど同一であります。これらの協定締結により、わが国航空企業相手国であります。これらの協定締結により、わが国航空企業相手国であるパキスタンイタリア及びインドネシア航空企業は、それぞれ、同じ条件相互相手国領域への乗り入れを行なう権利を持つこととなるのみならず、わが国とこれら三国との間の政治上、経済上及び文化上の友好関係も一そう促進されることが期待されます。  よって、ここにこれらの協定締結について御承認を求める次第であります。何とぞ慎重御審議の上、すみやかに御承認あらんことを希望いたします。
  4. 委員長(井上清一君)(井上清一)

    委員長井上清一君) ちょっと速記をとめて。   〔速記中止
  5. 委員長(井上清一君)(井上清一)

    委員長井上清一君) 速記をつけて。川村政務次官
  6. 政府委員(川村善八郎君)(川村善八郎)

    政府委員川村善八郎君) 次に、海外技術協力事業団法案につきまして、その提案理由を御説明いたします。  わが国対外技術協力は、技術研修員の受け入れ、専門家派遣海外技術協力センター説置運営、公共的な開発計画に関する基礎的調査実施等、さまざまな形でアジア地域を初めとする開発途上にある諸地域に対して実施して参ったのであります。  この技術協力の第一義的な目的は、一言で申し上げますれば、開発途上にある諸国経済的社会的発展に資するため、知識及び技能を伝達または提供することにあるのでありしまて、この目的から国の行なう技術協力はすべて無償供与の形でなされ、これら諸国経済発展、ひいてはわが国経済交流を促進して参いった次第であります。  最近においては、特に開発途上にある諸国に対する経済協力が、世界経済発展国際政治の安定のために不可欠のものであることが、世界的にも強く認識され、一九六〇年代は開発援助の時代であるとまで言われております。その中でも、開発途上にある諸国一般的技術水準の向上と開発計画に関する基礎的調査が、これら諸国に対する資本協力の効果を上げるために不可欠であることが再認識され、技術協力重要性が国際的にもその比重をとみに増大しております。従来わが国コロンボプラン地域等中心として行なっておりました技術協力は、昨年のコロンボ計画協議委員会においても非常に高くその成果を評価されており、今後ともわが国技術が、これら開発途上にある諸国経済的発展に寄与することが国際的にも期待されている次第であります。  このような諸般の情勢からいたしまして、技術協力わが国の重要な施策の一環として今後ともなお一そう拡充強化して参らねばならないと考えるものであります。  このような見地から、アジア地域その他の開発途上にある諸地域に対する条約その他の国際約束に基づく技術協力実施に必要な業務を効率的に行なわせるため、この法律に基づく特殊法人としての「海外技術協力事業団」を設置することといたしたい所存であります。  次に法律案内容につきまして、その概要を御説明いたします。  第一章総則におきましては、海外技術協力事業団目的法人格、事務所、資本金等について規定いたしておりますが、事業団資本金につきましては、当初これを二億円とし、政府間ベース技術協力という事業の性格からいたしまして政府がその全額を出資することとし、政府は、必要と認めるときは、予算の範囲内で、事業団追加出資をすることができることといたしております。  第二章役員及び職員におきましては、事業団に、役員として、会長一人、理事長一人、理事四人以内及び監事二人以内並びに非常勤の理事四人以内を置くこと、会長理事長及び監事は、外務大臣が任命し、理事会長外務大臣認可を受けて任命すること、その他役員の任期、欠格条項、解任、兼職禁止職員任命等について規定いたしております。  第三章運営審議会におきましては、事業団に、会長の諮問に応じ、事業団業務運営に関する重要事項審議する運営審議会を置くこと、運営審議会は、事業団業務の適正な運営に必要な学識経験のある者のうちから、外務大臣認可を受けて会長が任命する委員十五人以内で組織すること等を規定いたしております。  第四章業務におきましては、事業団は、アジア等地域からの技術研修員に対する技術研修を行なうこと、アジア等地域専門家派遣して技術協力を行なうこと、アジア等地域設置される技術協力センターに必要な人員の派遣機械設備調達等その設置及び運営に必要な業務を行なうこと、アジア等地域における公共的な開発計画に関し基礎的調査を行なうことを国の委託業務として行なうほか、技術研修員のための研修施設及び宿泊施設設置運営、これらの附帯業務並びにその他事業団目的を達成するため必要な業務として、外務大臣認可を受けた業務を行なうこと等を規定いたしております。  第五章財務及び会計におきましては、事業団事業年度事業計画資金計画及び収支予算、財務諸表、短期借入金余裕金運用等について規定いたしております。  第六章監督におきましては、事業団は、外務大臣監督すること、その他外務大臣監督権限について規定いたしております。  以上のほか、本事業団業務運営につきましては、関係各省協力がぜひとも必要でありますので、大蔵大臣その他の関係大臣との協議を規定し、さらに事業団に対する交付金交付及び必要な罰則について第七章雑則、第八章罰則の各章において規定いたしております。なお、附則におきましては、事業団設立手続社団法人アジア協会からの引き継ぎ、税法上の特例措置等について必要な規定を定めております。  以上が、この法律案提案理由及びその概要であります。  何とぞ御審議の上、すみやかに御賛成あらんことをお願いいたします。
  7. 委員長(井上清一君)(井上清一)

    委員長井上清一君) ただいま説明を聴取いたしましたうち、本院先議条約三件と、先般提案理由説明を聴取いたしております国際民間航空条約改正に関する議定書締結について承認を求めるの件(予備審査)を、この際あわせ一括議題といたしまして、航空条約四件につきまして、補足説明政府当局から聴取いたしたいと存じます。
  8. 政府委員(今井栄文君)(今井栄文)

    政府委員今井栄文君) 航空局長でございますが、ただいまの委員長の御指示によりまして、条約四件につきましての補足説明をいたしたいと思います。  まず第一に、日本航空の現在の国際線運営状況、それからさらにまた日本中心といたします今般の条約関係にも関連があるのでございますが、各国キャリア活動状況というふうなものからお話しをいたしたいと思います。  御承知のように、日本航空は現在太平洋並び東南アジア方面につきまして国際線運営いたしておるわけでございますが、昨年の本委員会におきましてその概況につきましては御説明いたしましたので、多少重複する面があるかとも思いますが、その後の状況進展等もございますので、概略につき.まして簡単に話を進めていきたいと思います。  日本航空は現在DC8、大型ジェット機を四機保有いたしまして、主として太平洋運航いたしておりますが、さらに、中型の最新鋭ジェットでございますコンベア脚、これをさらに三機入手いたしまして、主として東南アジア方面に就航さしております。したがいまして、日本航空の現在の国際線は、従来のプロペラ機にかわりまして、大体におきましてジェット化を完了したというふうに言っても差しつかえないのではないかと思います。  それからさらに、昨年の三月申し上げましたように、近く北回りヨーロッパ線をいよいよ開始するというふうな御説明をいたしたのでございますが、すでに昨年の六月以降、東京からアンカレッジを経由いたしましてロンドン、パリに現在週二便の運航をたしております。そういうふうな状況でございまして、さらにまた、本年のできる限り早い時期に南回りヨーロッパ線をも開始するということで現在着々と準備を進めております。今般の航空協定につきましては、この日本航空南回り欧州線を開設するために必要な協定になるわけでございます。  やや詳しく日航国際線状況を御説明しますと、現在太平洋線につきましては、ホノルルを経由いたします中部太平洋におきまして、サンフランシスコ並びにロスアンゼルスを終点といたします便を週七便行なっておりまして、それから北回りヨーロッパ線につきましては、先ほど御説明いたしましたように二便、それからさらに東南アジアにつきましては、タイではバンコック、あるいは香港、シンガポールというふうなところに対しまして、現在週八便の運航をいたしております。これに、東京並びに福岡から沖繩に出ている便を合わせますと、現在日本航空国際線の便数は合計で二十四便になるわけでございます。  次に、日本中心とるする国際線各国航空会社活動状況を申し上げますと、まず何と言っても一番有力なキャリア米国キャリアでございまして、現在パン・アメリカンがアメリカ西部海岸から東京に参ります便、さらにまた、大西洋を経由してインド洋を通りまして逆に東京に入ってくる便というふうなものを全部合わせまして、現在週十三便を運航いたしております。さらにまた、ノースウエスト、主としてこれはアメリカ太平洋の間、並びに日本から沖繩あるいは京城というふうなところに就航いたしておるのでございます。このノースウエストが現在十五便を運航いたしております。それ以外に大きいところはイギリスのBOACが現在南回りヨーロッパ線東京に週七便入ってきております。さらにまた、米国を経由いたしまして東京から香港へ三便入れておりますので、計十便、こういうふうな状況でございます。それ以外に、香港会社であるキャセイ・パシフィックであるとか、あるいはカナダのナショナル・キャリアであるカナディアン・パシフィック、あるいは豪州カンタス、それから中国のキャリアでございますCAT、それからオランダのKLM、あるいはフランスエールフランス、それからスカジナヴイア三国の共同運営会社であるSAS、それからまたスイスエアインド航空、あるいは昨年の二月から運航開始いたしましたドイツのルフトハンザ、それからまたブラジルのレアルと、こういうふうな会社、全部で十五会社でございますが、これが大体におきまして一週間に七十七便を東京に入れておる状況でございます。こういうふうに非常に各国キャリアも、東京という極東の大きなポイントを中心といたしまして相当盛んな活動を続けておるわけでございますが、最近の国際航空についての問題点というものについて簡単に御説明いたしますと、先ほども申し上げましたように、日航もすでに国際線においてはジェット化を完了するというふうな傾向にございますが、それ以外の国におきましても、ほとんど従来のプロペラ機ジェットに置きかえられるという状況でございまして、ICAOの推算によりますと、これはこの前の委員会でも御説明いたしたのでありますが、昭和三十三年には十二機の大型ジェット航空会社に引き渡され、それから昭和三十四年にはそれが百三十機に増加する、それから三十五年には三百機にふえ、昨年、昭和三十六年につきましては、それは六百機になるであろうというふうに言われておったのでございますが、そのようなICAO推定にほとんど合うような趨勢でジェット化は非常に進んでおるように私どもは感じます。こういうふうなジェット化に伴いまして、非常にスピードが早くなったこと、つまり航空機高速化が実現いたしまして、しかもその収容力は非常に大きくなり、従来のプロペラ機のほとんど二倍に匹敵するような収容力を持ってきておるということから、各国際路線におけるキャリア競争は非常に激化いたしておりまして、各国キャリアとも経営上非常な苦心を重ねつつあるというのが現状でございます。そして日本航空が今後、昨年始めました北回り欧州線と合わして南回りヨーロッパ線を始めるというふうな状況になりますと、さらにこの各国キャリアとの競争激化関係上、これに耐えていかなければならないという点で私どもとしても相当この面を考えて、健全な経営がし得るような措置を考究していかなければならないということになると思います。こういうふうな各国キャリアの非常な競争激化傾向につれまして、最近、先般この前の委員会でも御説明いたしましたように、各国航空会社の間に共同運営的な傾向が現われてきておるということでごいます。御承知のように、日本航空エールフランスタイ・アツプいたしまして、一つ共同運営体である西欧のエアユニオンつまりフランスドイツ、イタリー、ベルギーというふうな四国の形成するエア・ユニオン間接的に加盟しておるような形で欧州線経営開始しておるわけであります。これ以外は、たとえば英国系BOACインド航空豪州カンタス等相互に提携協力してその運営をいたしております。また欧州でも、スカンジナヴィア・エアラインとそれからスイスエアとが共同運営をする。それからまた最近は東欧諸国におきましても一つ共同運営的な考え方が出てきておるというふうな状況でございまして、機材が非常に高価になり、しかもその整備その他につきまして非常に経費がかかるというふうな関係からいたしまして、資材の共同購入であるとか、あるいはメンテナンスの施設共同購入であるとかいうふうな形で、共同経営あるいはまたその運賃その他についてのプールあるいはジョイント・サービスというような形で、各国の間に一つ共同運営的な傾向が見えてきておることが指摘されるのであります。  それからまた、最近の傾向といたしまして、だんだん航空機における貨物輸送の需要が比較的大きくなりつつあるということでございまして、わが国航空貨物につきましても、昔いわゆる高速船が運んでおりましたような高価な雑貨関係でありますとか、あるいはまた生糸というふうなものにつきましては、むしろ最近は航空貨物としてこれが登場しつつあるというふうな状況になっております。したがいまして、ジェット化によりまして不要になりました従来のプロペラ機というふうなものが逐次貨物専用機に改修されまして、貨物専用機として各国がそれを飛ばすというふうな状況になってきつつあります。  以上述べましたのが大体日本航空あるいはまた日本中心とする各国キャリア活動状況でございますが、その次に、これらの活動の舞台になるべき東京国際空港は一体どういうふうな状況であるかというふうな点について簡単に御説明いたしたいと思います。国際空港は、御承知のように、現在、千六百メーターの、主として国内線が使っております滑走路と、それから二千七百メーターの、いわゆるAラン、ウエーと称しておりますが、メーン、ラン・ウエーと二つ持っておりますが、御承知のように、この二千七百メーターAラン・ウエーも、大型ジェットが完全な装備で離着陸するのには不十分でございます。したがいまして、現在羽田を使っております各国航空機は、ある程度重量制限をいたしまして羽田滑走路を使用しておるという状況でございます。で、これに対しまして、私どもとしては、この羽田空港重要性を十分認識いたしまして、昭和三十四年の四月より新しく約二十数万坪の——二十四、五万坪の海面の埋め立て開始いたしまして、昭和三十六年の九月に埋め立てを一切完了いたしたわけでございます。したがいまして、この埋立地を利用いたしまして、昭和三十七年度から三千メーター滑走路を一基新たに新設するということで、現在計画をいたしております。これが完成いたしました際には、従来の二千七百メーター滑走路もあわせて三千メーターまで延長することも可能になって参りますので、昭和三十八年度中あるいはまた昭和三十八年の半ばごろにおきましては、滑走路の面につきましては、三千メーター大型ジェット全備重量による離着陸の可能な大型滑走路を二本、それからまた国内線用のこれにクロスする千六百メーター滑走路を一基と、つまり三本の滑走路を完成することになるわけでございます。それからまた、それ以外に、飛行機の駐留するいわゆるバースと申しておりますが、こういったものも現在約二十バースございますが、これも約三十バース以上にふやす。それからまた、自動車駐車施設等につきましても、大体千二、三百台の自動車が常時駐車できるような駐車場を設ける。それからまた、現在の狭隘なターミナルビルディングにつきましては、現在の規模を約三倍にするということで、もうすでに工事に着手しかかっておるわけでございますが、オリンピックの年までには、ターミナルビルディングの増築も完全に完了する計画でおります。これによりまして、特に重要なのは、税関、検疫、入国管理というふうな施設能力が大幅に拡大されまして、現在まあ大体プロペラ機を対象にいたしまして、約百人の乗客に対して二時間近くかかるというふうな入国関係手続時間が、大体二百人のお客が同時におりても一時間以内にこれを全部クリアレするということが設備の面で可能になってくるわけでございます。で、こういうふうに東京国際空港につきましては、一応オリンピック開催の年を目標にいたしまして施設整備拡充を進めておりますが、これが今後の日本中心とする国際線運営というものに対しても、もちろんそれが本来の私ども目標でございまして、こういった面につきましても、今後私どもの通常の計算によれば、大体十年ぐらいは羽田空港も使い得るのではないかというふうな感じがいたしておるわけでございます。  で、御参考までに最近の旅客の大体の羽田における発着関係等について簡単に数字を申し上げますと、現在大体国際線におきましては、羽田に入ります、入って着陸しさらにまた出て行くというのも一回に数えまして、離着陸の回数にいたしますと、国際線では、昭和三十六年度の統計、これは推定を入れるわけでございますが、一年間に約一万二千機というものが国際線だけで離着陸する。これは一ヵ月に直すと約千機でございまして、したがって一日に大体三十五機程度のものが離陸または着陸するということになっております。  で、一日の定期旅客の数は、国際線では大体羽田に参りまた出て行く人たちの数が千四百人程度でございます。で、これを従来の大体どの程度でふえてくるかという数字で申し上げますと、国際線旅客の入出国増加割合は、昭和三十三年を起点にいたしまして、昭和三十三年には出国入国を合わせまして約二十五万人でございましたものが、昭和三十四年には三十二万人以上となり、二九%増加し、昭和三十五年には四十万人以上というふうな数字となりまして、二四%前年よりふえておる。それからまた三十六年にはさらにこれが二七%ふえて五十一万人というふうにふえておる。これはICAOの従来の統計によりましても、航空旅客伸びというものが大体一五%というふうに年々の伸びを一応推定しておりますが、この東京中心にいたします旅客増加比率というものは、このICAO統計よりははるかに上回っておる状況でございます。  大体羽田空港は以上のような状況でございますが、さらにまた大阪国際空港につきましても、地元の拡張についての話し合いがつきまして、いよいよ三十七年度から本格的に用地買収が可能となりましたので、数年後におきましては、約三千メーター程度滑走路を保有する一級の国際空港になるということを私どもは想定いたしております。ここも、できますれば、東南アジア方面等に対する有力な国際空港として十分使用し得るのではないかというふうに考えております。非常に簡単でございましたが、補足説明を終わりたいと思います。
  9. 委員長(井上清一君)(井上清一)

    委員長井上清一君) それでは、本日はこれにて散会をいたします。    午前十時五十分散会    ————————