○
政府委員(
杠文吉君) 私、
原子力局長でございます。
お
手元にお配りしております
資料によって御
説明申し上げたいと思います。
まず、私
どもの
関係のほうといたしましては、何といっても一番大きいのは
原子力研究所関係でございますが、これは五十二ページに
日本原子力研究所というのがございます。この
日本原子力研究所におきましては、現在は、すなわち三十七年の二月現在で、
資本金が約二百二十一億入っておるわけでございます。人につきましても千三百四十七名というふうになっております。そこでは御存じのとおりに
JRR−1から
JRR−4というような炉が
設置されるということになっております。その
一つ一つの炉につきましては、四十七ページのほうの折り込みのほうをごらんいただきますと、上のほうから
原子力研究所JRR−1というのが
日本で一番初めに
臨界に達しまして、一番右のほうに三十二年八月と書いてございますが、
臨界に達したところの現在から申しますと、五十キロワット出すというような
基礎訓練用の炉でございます。非常に小型の炉ということが言えると思います。
その次は
JRR−2、なわち
日本原子力研究所炉の二号という意味でございますが、これは皆さんもすでに御
承知でございましょうが、CP−5型というものでございまして、一万キロワットの定格の
出力を持っている炉でございますが、現在は三千キロワットでもって運転いたしております。近く燃料の装荷をいたしますと、一万キロワットまでの運転はできるという見込みを持っております。
その次が
JRR−3、すなわちこれは
国産一
号炉と書いてありますように
日本の純然たる
国産品ということになっておりまして、これが一万キロワットの
出力の炉でございまして、ここに
予定は本年の六月と善いてありますが、六月から七月の間に、おそらく七月のころにわたって
臨界に達するものだと考えられております。現在炉そものはでき上がっております。
それから次に
日本原子力研究所炉の四号、すなわちスイミング・プール型でございまして、これは三千キロワットの
最大出力を出す
原子力線の
研究等を行なおうと、その
遮蔽等を行なうというための炉でございまして、
目下基礎工事と申しますか、そういう基礎的な
工事を取りかかろうとしておるのであります。
その次のJPDR、これも同じく
原子力研究所に現在建設中のものでございまして、これは
電気を出す炉でございます。
電気の
出力は二万二千五百キロワットでございまして、これがおそらくは
日本において初めて原子力によるところの発電をすることに相なるだろうと思います。と申しますのは、
臨界が本年の十一月になっておりますが、十一月から十二月のころに
臨界に達するものと思いますので、これは発電いたしますから、初めての発電炉になろうかと思います。これは
日本原子力研究所の炉でございますが、ここの炉の一覧表のついでをもちまして、あと原電の発電炉、すなわち原子力発電株式会社の発覚炉が現在東海村に建設中のものでございます。それに立教の
研究炉、これは
臨界に昨年達しました。近畿
大学の
研究炉、これも
臨界に昨年達しました。それから五島育英会の
研究炉、日立の
研究炉、日立の
研究炉も昨年
臨界に達しました。それから東芝の
研究炉は今月中に、
臨界に間もなく達する見込みでございます。そういうふうなことになっておりまして、この東大
研究炉と書いてございますが、これはミスプリントで恐縮でございますが、京都
大学でございます。関西の
研究炉と言われております京都
大学の
研究炉でございます。これは現在
原子力委員会において安全審査中でございます。
以上が、大体
日本における炉の
設置状況でございまして、
日本原子力研究所は、そのうち
JRR−4四基とそれに発電炉一基、五基を持っているということになります。したがいまして、炉を使うところのいろいろの
原子力関係の
試験研究をしているというのが
日本原子力研究所の事業内容でございます。
その次には、五十四ページ、原子燃料公社でございます。原子燃料公社は御
承知のとおりに、人形峠を
中心といたしましてウラン鉱の探鉱に当たっておる、ウラン鉱を探しておるわけでございますが、ここの三十六年度末の
資本金は五十三億六千万円と、中ほどに書いてございますが、なるはずでございます。
人員は五百二十六名ということでございます。そのほか、山形県あるいは岡山県——これは人形峠は岡山県と鳥取県の境目でございますが、岡山県等におきましてそれぞれ探鉱をやっております。それからまた東海
研究所の隣に、すなわち東海村の
原子力研究所の隣に製練所を持っておりまして、原子燃料公社が製練所を持っておりまして、そこで本年は金属ウラン約十五トンを製錬する
予定でおります。これは人形峠の鉱石も、もちろんその一部になりますが、これはほんのわずかでございまして、ただいまのところは、大部分は外国からのイエロー・ケーキという形のものを持ってきまして、それから製練をしていくという
仕事をやっております。もっぱらもう原子燃料の
研究、あるいは今の探鉱、あるいはイエロー・ケーキを輸入して製練をやっておるというようなところでございます。
それから次には、五十五ページに、放射線医学総合
研究所、これは御案内のとおりに千葉県にございますが、放射線医学
関係のいろいろな
研究をやっておりまして、
日本でここにしかないというような、いろいろな施設等をやっております。ここの人間は二百九十五名、中どほに書いてございますが、二百九十五名。そして三十二年の七月発足しまして、三十六年度までに約二十五億円を支出してあるという、これは国立の
試験研究機関、すなわち私のほうの
試験研究機関でございます。
それからそのほかには、五十七ページに放射能対策というのがございますが、これは御存じのとおりに、昨年の九月ソ連が核爆発の実験を再開いたしまして、その十月三十一日には放射能対策本部というものを内閣に設けられまして、その
庶務関係はすべて
原子力局が取り行なって、今日に至っているわけでございます。この
関係で大部分の府県に対しまして、すなわち二十四都道府県に対しまして
調査網を張っておりまして、そこでいろいろなデーター、すなわち野菜、水等を取りまして、その中に放射能がどのように入ってきているのか、放射能降下物がどう入ってきているかというようなことを検査いたしております。そして、その分折の結果を過去五回にわたりまして—原則としては毎月一回の割りで発表しております。現在のところは、さほど心配する
状況にはないということは申し上げることができようかと思います。そのほか
民間あるいは国立の
研究機関等に対しましていろいろ
研究の委託、あるいは
補助等をいたしておりまして、原子力の
研究にあるいは
調査等につきましては、すべて
原子力局が一括して
予算を取って、これをそれぞれ必要な個所に配分しておるというのが現状でございます。
非常に簡単で恐縮でございましたけれ
ども、以上でもって
原子力局の所掌の概要について御
説明申し上げました。