○金丸冨夫君 私は自由民主党を代表いたしまして、本案に賛成の
意見を表明いたします。
この
モーターボートあるいは
競輪その他のことが射倖心を非常にそそる。その結果、非常に
社会悪の温床となるというような御議論、またその善悪、これがいいものか悪いものか、その道徳的というか、そういうものの判定につきましては、私
ども今反対された
委員の
方々のお言葉にもなるほどと思うことがないではないのであります。しかしながら、この世の中、社会というものは、やはり生きておるのでありまして、生きておるものが
生活しておる社会というものの間には、何も聖人君子だけが社会を形作っておるのではないのであって、勢い悪と見なすべき、あるいはまたそういう好ましからざる状況も現われてくると思います。しかし、これを除々に善導して、そうしてりっぱな社会にするというのが私は政治だろうと思う。ところで、この問題について、ただいま
大臣が
お答えになりました
趣旨から考え、また、
公営競技調査会の
答申を見ましても、あるいは
競技自身がかわり
財源がない限りとか、あるいはまた、やるについては
政府の監督を非常に厳にしろとか、いろいろの制限というものをつけておるということは、結局、一面においてそういう
意味も含まれておるけれ
ども、直ちにもってこれを最大の罪悪だという工合に見てもいないということに私はうなづかれるわけであります。ところで、実際の問題として、これをただいま
廃止するかしないかという問題になって、何年間も時限立法でもって長引いて参りましたが、この長引いたという
理由をわれわれよく考えなくちゃならない。なるほど一思いに殺してしまうのも行き方でございましょう。しかし、これが長く何回も一年々々移ってきたというところに
存続の若干のやはり
意味があったと思う。これは
健全娯楽に切りかえていくようにわれわれが非常に努力をするならば、やはりそこにいくことは望みがないではないということが
一つと、それからもう
一つは大きい
財源の問題だろうと思う。およそ三つありましたが、第一はそれ、第二は私は
財源の問題だろうと思う。三十五年の二百九十四億というものの内訳を見ましても、その約七割五分の二百二十一億というものが払い戻しになっておりまして、それから十二億というものが
交付金、それから二億七千万円、これがやはり
交付金でありまして、そのほかに
施行者、すなわち一応自治団体の収入が十六億になっておりますし、そのほかに入場税その他雑収を加えますというと、
地方団体の
財源というものが二十四億というようなことに相なるでありましょう。そうするというと、そういうものは、これはわれわれの税金ですべて片づけろといえばそれまででありますけれ
ども、現実に予算を組みますときに、なかなかこの使途のような
項目にこれを取るということは非常に困難性が事実伴っておるということも考えなくちゃならぬ。
またもう
一つは、約二万名の者がおる。これを全部やめてしまうということになりますれば、今は非常に産業界は生産向上のときでありますから心配は要らないというものの、この路頭に迷う従業員
関係約二万名の処置をしなければならぬという問題がある。炭鉱
関係において五万名を処置するについて、非常にわれわれの血の出るようなやはり
財源を使ってやっておる。こういうようなものでも、性質のいかんにかかわらず、現実に失職するということはこれは明らかであります。こういうところから考え思い合わせますというと、やはりこの
財源を国として十分にできて、そういう方面には税金をもって手当ができるというときになるまでは、これはやはり
存続して、一方、やり方をよく指導し、監督して、
弊害のできるだけ少ない
方向に持っていくということが最も妥当なものだろうと私は考えます。したがって、本案に賛成するゆえんであります。