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1962-04-05 第40回国会 参議院 運輸委員会 第20号
公式Web版
会議録情報
0
昭和三十七年四月五日(木曜日) 午前十時四十四分開会
—————————————
委員
の異動 本日
委員大野木秀次郎
君、
小酒井義男
君及び
松浦清一
君辞任につき、その補 欠として
田中茂穂
君、
大和与一
君及び
赤松常子
君を議長において指名した。
—————————————
出席者
は左の通り。
委員長
村松
久義
君 理事 金丸 冨夫君 谷口
慶吉
君
大倉
精一
君
委員
田中
茂穂
君 重宗 雄三君
鳥畠徳次郎
君 平島 敏夫君
大和
与一
君
赤松
常子
君 加賀山之雄君
国務大臣
運転大臣
斎藤
昇君
政府委員
運輸大臣官房長
広瀬 真一君
運輸省海運局長
辻 章男君 運 輸 省
自動車局長
木村
睦男
君
運輸省観光局長
梶本
保邦
君
事務局側
常任委員
会専門員
古谷
善亮
君
—————————————
本日の会議に付して案件 ○
国際観光ホテル整備法
の一部を
改正
する
法律案
(
内閣送付
、
予備審査
) ○
木船運送法
の一部を
改正
する
法律案
(
内閣送付
、
予備審査
) ○
道路運送車両法等
の一部を
改正
する
法律案
(
内閣提出
)
—————————————
村松久義
1
○
委員長
(
村松久義
君) ただいまより
委員会
を開会いたします。 まず、
委員変更
について御報告いたします。本日、
松浦清一
君が辞任され、
赤松常子
君が選任されました。
—————————————
村松久義
2
○
委員長
(
村松久義
君)
国際観光ホテル整備法
の一部を
改正
する
法律案
及び
木船運送法
の一部を
改正
する
法律案
を一括して
議題
とし、これより両案の
提案理由
の
説明
を聴取いたします。
斎藤運輸大臣
。
斎藤昇
3
○
国務大臣
(
斎藤昇
君) ただいま
議題
となりました両案について御
説明
申し上げます。 まず、
国際観光ホテル整備法
の一部を
改正
する
法律案
の
提案理由
について御
説明
申し上げます。
外国人観光旅客
を
わが国
に誘致し、もって
わが国
の
国際収支
の改善に寄与するためには、総合的な
国際観光
の
振興策
が講ぜられなければならないことはもちろんでありますが、その一環として、
外国人観光客
に対する
接遇
の充実に資するため、
登録ホテル
及び
登録旅館
の
料金
に関する
制度
を
整備
する必要があります。 今回の
改正
は、このような
趣旨
に基づき、
登録ホテル業
または
登録旅館業
を営む者に対し、
宿泊料金
その他の
業務
に関する
料金
の
運輸大臣
に対する
届出義務
を課するとともに、これが
外客接遇
上不適当であり、特に必要があると認めるときは、
運輸大臣
がその
変更
を指示することができることといたし、適正な
料金
の
確保
をはかろうとするものであります。さらに、これらの
改正
に伴い、
罰則
及び
行政処分
の適用について所要の
規定
を
整備
いたすこととしております。 以上がこの
法律案
を提案する
理由
であります。 次に、
木船運送法
の一部を
改正
する
法律
の
提案理由
につきまして御
説明
申し上げます。 最近における
経済
の発展に即応して内
航海運
が
国民経済
において占める機能の
重要性
は急激に増大しつつありますが、内
航海運
の
小型船分野
の大部分は
零細企業
であり、
輸送秩序
も確立されておらない
現状
であります。 今回の
改正
の要点の第一は、
小型船
による
輸送
に対する信頼を向上させ、不
適格者
による
小型船海運業
の
秩序撹乱
を排除するため、
登録
の
資格要件
として
小型船海運業
を遂行する上に必要な
能力
及び
資力信用
に関する
規定
を
整備
したことでございます。 第二に、最近における内
航船舶
の
鋼船化
の
傾向
にかんがみまして、五百総
トン未満
の
小型鋼船
と
木船
とを一括して規制することとしたことであります。 第三に、二十総
トン未満
の
小型船
の
活動分野
は限られた
短距離輸送
に従事しており、その
船腹量
も内
航海運
全体としては小さいので、これらの
船舶
のみによる
海運業
を
届出制
に改めたことであります。 第四に、
営業保証金
の
供託制度
につきまして、
現行法
では
現金供託
のみしか認められておらなかったのでありますが、
有価証券
をもってかえることができるように改め、従来よりも有利な資金の運用ができる道を開いたことであります。 以上がこの
法律案
を提案する
理由
であります。 何とぞ慎重に御審議の上、
すみ
やかに御賛成いただきますようお願いいたします。
村松久義
4
○
委員長
(
村松久義
君) ただいま
説明
のありました両案に対する
質疑
は後日に譲ります。
—————————————
村松久義
5
○
委員長
(
村松久義
君) 次に、
道路運送車両法等
の一部を
改正
する
法律案
を
議題
といたします。 まず、
本案
の
補足説明
を聴取いたします。
木村自動車局長
。
木村睦男
6
○
政府委員
(
木村睦男
君) 提案いたしましております
道路運送車両法等
の一部を
改正
する
法律案
につきまして、補足的に御
説明
を申し上げます。 今回提案いたしました
道路運送車両法等
の一部
改正
の
法律案
の
改正
の
内容
は、大体四点に分かれております。この
法案
は、現在ございます
道路運送車両法
の一部
改正
と、
自動車損害賠償保障法
の一部
改正
と、二つの
法律
の一部
改正
を一括して、今回の
改正法律案
の
中身
としております。 第一点は、
道路運送車両法
の一部
改正
の中で、
自動車標章表示制度
の
新設
を考えております。これについて申し上げます。現在
自動車
は、
自動車
の
検査証
の
有効期間
が切れて運行しておりましても、
街頭
の
取締まり
以外にはこれをチェックする
方法
がないのであります。しかし
自動車
は、
車両検査
の
有効期間
内で走らなければいけないということになっておりますが、この
期間
が切れても、
街頭
で発見される以外にはチェックする
方法
がない。そこで、今回この
自動車検査証
の
有効期間
がいつ終わるかという、終わる時期を
表示
いたします
検査標章——スティッカー
のようなものを
自動車
の
前面
の
ガラス
に張るという
制度
を設けまして、一見いたしまして走っておる車で、この車の
検査
の
有効期間
はいつであるということがわかるようにいたしまして、
取り締まり
の便宜をはかるようにいたしたい。同時に、その
自動車
の
使用者
に対しましても、常にその
有効期間
がいつ終わるかということを認識させまして、
検査期間
の過ぎた
自動車
が運行するということを
防止
し、もって
事故防止
に備えたいと、かように考えておるのでございます。 なお、あとで申し上げますが、
自動車損害賠償保険
に入っておりますことを
表示
する
表示
の仕方と、それから
検査期間
の有効の期日を
表示
いたしますことと
関連
を持たすことによりまして、
車両検査
の
有効期間
を示す
標章
が同時に
保険
にも入っておるということを
表示
するようにいたすように考えておりまして、あわせて無
保険
の車の走らないように、このほうの
防止
もいたそうというのが
改正
の
一つ
の点でございます。具体的に申し上げますと、ちょうど現在、車に
優良マーク
を前に張っておりますが、あの
程度
の大きさで、たとえば
車両検査
の
有効期間
が三十八年の二月まで有効だということになりますと、その
スティッカー
に2という字を入れまして、三十八年であるかどうかということは色で分けるようにいたしまして、たとえば三十八年を緑の色で表わすといたしますと、緑の
地色
に大きぐ中に2と書いてあるのを前に張って走っておりますと、この車は三十八年の二月まで
有効検査期間
をもって走っておるということがわかるということになるわけであります。なお、その三十八年の二月という
スティッカー
を見ますというと、その
期間
までは
損害賠償保険
にも同時に
加入
しておるということも表わすというふうにいたすわけでございまして、この
損害賠償保険
との
関係
は、
車両検査
の際に、たとえば三十七年の四月、今月
車両
の
検査期間
が切れまして、
検査場
に車の
検査
を受けに持って参ります。そういたしますというと、その車の有効の
検査期間
が一年間の車である。たとえば
ハイヤー
、
タクシー
のようなものでございますが、一年間であるといたしますと、きょう
検査
をいたしまして、その
検査
に合格いたしますと、来年三十八年の四月まで有効であるということになるわけでございます。そうしますと、三十八年の二月を表わす
スティッカー
を交付するのでございますが、きょう
検査
に参りましたときに、同時に三十八年の少なくとも二月までは
損害賠償保険
に入っておるという
保険契約
の
証明書
も同時に呈示するようにいたすわけでございます。現在でも
車両検査
を受けます場合には、
保険
に入っておるということを証する
契約書
を、
証明書
を呈示しなければ
検査
を受けさせないことにいたじておりますが、現在では、きょう有効な
保険
に入ってさえおればいいということになっておりますので、明日の日からは無
保険
になる場合もございます。それを今回の
改正
によりまして、きょう
検査
を受けます車が今後一年間
検査期間
があるとしますと、一年間は少なくとも
保険
に入っておるということでなければ
検査
を受けさせないというふうに
改正
するわけでございます。したがいまして、本日この
検査
をいたしまして
検査
に合格して一年間の
有効期間
を与えると同時に、その
表示
は一年間
保険
にも入っておるということに
関連
がつくわけでございます。一枚の
スティッカー
で
保険
と
検査
と両方とも有効であるということを表わすようにいたしたい、これが今回の
改正
の一応の第一点の
趣旨
でございます。ちょっとごらんいただきますと、
スティッカー
と申し上げますのは、一例を申し上げますと、こういうふうなものでございまして、たとえばこのしるしですと三十八年といたします。そうすると、ここに10と書いてありますと、これは三十八年の十月まで有効だということがすぐわかる。かりに三十九年にはこういう字の色にいたしまして、ここに10と書いてありますと、この模様で中に10と書いてありますと、この車は三十九年の十月まで有効だということがすぐわかる、こういうふうにいたしたい、かように考えております。 それから第二点は、
自動車
の
検査証
の
有効期間
の
改正
でございます。現在は
乗合バス
それから
ハイヤー
、
タクシー
、これらの
営業用
の
旅客自動車
の
自動車検査証
の
有効期間
は、
原則
として九カ月になっております。ところが、従来の
実績
を見ますというと、非常に
整備
の
能力
が向上しておりますし、それから
自動車事故
は非常に遺憾なことでありますが、ふえてはおりますが、特に
車両
の
欠陥
による
事故
は
低下
の
傾向
にあります。しかがいまして、現在の
規定
で九カ月に
原則
としてなっておりますが、一年まで
延伸
してこれを認めることもできるということになっておりますのを、この際、
整備能力
の向上あるいは
車両欠陥事故
の
低下
というこの
状況
を勘案いたしまして例外である一年ということに一律に改めまして、また一方
自家用旅客自動車
はすべて現在二年ということになっておりますが、この中で
自家用
でございますが、大型の
バス
あるいは
ドライブ
・
クラブ
の車、これは
自家用車
としての扱いをやっておりますので、従来二年間の
有効期間
でございましたが、これらは実態から見ますと
営業用
と同じような働きをいたしますので、これを
自家用車並み
に
検査
の
有効期間
を扱うことは、
事故防止
の建前から考えましても、また
車両
の
走行キロ
から考えましても不適切であると考えられますので、こういう点を考慮いたしまして、
自家用車
の中でも
バス
型の車それから
ドライブ
・
クラブ
の車につきましては、現在の
有効期間
二年というのを一年間に短縮いたしたい、かようにいたしまして
検査期間
を
実情
に合うようにしていきたいというのが
改正
の第二点でございます。 それからその次が
指定自動車整備事業制度
の
新設
でございます。御
承知
のように、
自動車
の
増加
の
傾向
は毎年二割以上の非常にめざましい
増加
をいたしております。
自動車
がふえますと
車両
の
検査業務
もそれと全く比例いたしまして激増してくるのでございます。しかし、
検査
に当たります
要員等
につきましては
国家予算
の
関係
上この
自動車
の
増加
の
傾向
にマッチして補充
増加
していくということもなかなか困難であるという過去の
実情
にかんがみまして、一方において
検査要員
の
増加等
も
努力
はいたしておりますが、反面
検査そのもの
の
合理化
をはかりまして、何とかこのふえてくる車に対する
検査
というものを合理的に、しかも
業務量
の
増加
をうまく処理するようにいたしたいということで考えましたのがこの
指定自動車整備事業制度
でございます。これはどういうことであるかと申しますと、現在
自動車
の
検査
は、御
承知
のように、
陸運事務所
の
検査場
に持って参りまして、そこで
検査官
の
検査
を受け、
保安基準
に適合しておれば
検査
の
有効朝間
の
延伸
を認めてもらうことになっておりますが、今回のこの
改正
の
考え方
は、これは従来どおり続けてやりますが、さらに
民間
の
整備工場
で優秀な
整備工場
のうち、さらに
特A級
のものを選びまして、これを
指定整備工場
という
指定制度
を設けまして、この
指定
を受けました
工場
に
自動車
を持って参りまして、そこで
整備
をいたしまして、
整備
の結果その車が
保安基準
に適合したということになりますと、
保安基準
に適合しておるという
証明書
を
自動車
の
保有者
に与えるわけであります。そういたしますと、
保有者
は、その
証明書
を持ちまして、車は家に置いておってもよろしいので、その
証明書
だけを持って
陸運事務所
に行きまして、そこでその
証明書
を呈示するわけであります。
陸運事務所
ではその
証明書
に記載されてあることを見まして、
車両検査
の
有効期間
の
延伸
を認めるというふうにするわけでございまして、ここで問題になりますのは、
役所
の
検査機関
がみずから
検査
をしないで、
民間
の
整備工場
で
整備
をし、そして
保安基準
に適合しておるかどうかということを認めさして、はたして
検査
の公正あるいは
検査
の
効果
が期待できるかという疑問が起こるわけでございます。で、この点につきましては、この
整備工場
の
指定
につきまして、非常に厳重な制約を考えておるのでございます。まず現在全国に約二万三千
程度
の
整備工場
がございますが、そのうちで現在
道路運送車両法
で
優良整備工場
であるという
認定
を受けておりますものが、約九百ほどあります。これは
設備
あるいは
整備要員
、それらの点、こまかい
基準
に当てがいまして、その
基準
に合格しておるものを
優良整備工場
として
認定
いたしておるのでございますが、それらの
工場
約九百ありますうちで、さらに今回
省令
によりまして、
設備
についていろんな条件をつけます。それから、そこで
整備
をし、
保安基準
に適合するかどうかを見ます
検査担当者
の
資格
につきましても、
省令
でこまかい
規定
を作りまして、これらの
規定
に適合する
設備
と
要員
を持っておりますものを
指定整備工場
として
指定
いたしまして、そこで
整備
をし、その
要員
によって、
責任者
によって
保安基準
に適合しておるかどうかの
証明書
を発行するということで、
検査
の有効、あるいは
検査
の
効果
というものを担保いたしたい。かように考えております。したがいまして、この
指定
にあたりましての
認定
は、非常に厳重にやりますと同時に、常にそれらの
工場
につきましては、平素の監督、あるいは監査も実施いたしますし、また
整備
のやり方あるいは
保安基準
に適合しておるという
適合証
の
発行等
におきまして、いささかでも不正あるいは不適切の点がありますれば、
指定
の取り消し、あるいはその他
法律
によります制裁を加えて、こういうことのないようにしていくというふうなことも考えておりまして、これによりまして、現在
役所
の
検査場
で
検査
を受けますと同等あるいはそれ以上の
整備能力
あるいは
検査能力
というものを担保いたしたい。かように考えておるのでございます。もちろん
自動車
の
保有者
は、
検査
を受けます場合に、そういう
指定整備工場
に行きまして、今申し上げましたような
適合証
を発行してもらって
陸運事務所
に行くことも、また直接車を持って
陸運事務所
の
検査場
に入るのもこれは
任意
でございまして、自分の選ぶほうをとればよろしいというふうにいたすわけでございます。もちろん今回初めての試みでございますので、この
工場
の
指定
につきましては、相当厳重にできるだけ範囲を狭めましてスタートいたしたい、しかしてその後の様子を見ながら、万遺憾のないように進めていきたい、かように考えておるのでございます。 それからその次が、
原動機番号
に関する
規定
の
整備
でございます。現在、
自動車
の
原動機
につきましては、
一つ一つナンバー
を打ってあります。これは
自動車
が、今でも
貴重品
でございますが、非常に
価格
が高く、あるいは非常に
希少価値
の多かった時代に、盗難、その他のおそれも相当ありましたものですから、一々
自動車
の
原動機
につきまして
番号
を打っておったのでございますが、その後御
承知
のように
自動車
が非常に普及して参りましたし、また
価格
も次第に
低下
して参りまして、そこまで、こまかく規制する必要がもうほとんどないというふうに考えておりますので、この際
法律
を
改正
いたしまして、この
原動機番号
を打つということをやめたい、こういうふうに考えておるのでございまして、これによります弊害は、
現状
ではほとんど考えられませんので、
実情
に合うように
改正
をいたしたいというのが、
改正
の
一つ
のねらいでございます。 以上が
道路運送車両法
の一部
改正
の
中身
でございます。 それから次が、
自動車損害賠償保障法
の一部
改正
でございます。これは、その一点は、
損害賠償
の
保険
の
期間
と、
自動車
の
検査証
の
有効期間
の
関連性
の
強化
でございまして、先ほど
スティッカー
の場合に御
説明
申し上げましたように、現在
保険
に入っております車をチェックする
方法
といたしましては、
自動車
の
検査
あるいは
自動車
の
登録
の場合に、
保険証明書
の呈示を求めることになっておりますが、これだけでは、
車両検査
のときあるいは
登録
のとき、その瞬間に
保険
に入っておるということだけで、その後
保険期間
が切れましても、どうすることもできないというのが
実情
でございますので、その後におきましては、
街頭
の
取り締まり
の際に
保険証明書
を見て、お前は入っていないからだめだというふうに、
街頭
の
検査
でチェックする以外には
方法
がないのでございます。そこで今回、先ほど申し上げましたように
車両検査
を受けなければならない車につきましては、
車両
の
検査
の
有効期間
を
表示
する
制度
を設けましたが、その
期間
は必ず
保険
に入っておるという
証明書
を
検査
のときに呈示さすことにいたしまして、したがって、
車両検査
の
有効期間
を
表示
しておると同時に、これが
保険
に入っておる
期間
も
表示
するということを兼ねさすようにするということにいたしておるのでございます。 それから、いま一点の
改正
は、
車両検査
とは
関係
なく、
保険標章
の
表示制度
の
新設
でございます。これは現在の
自動車
につきましては、
車両
の
検査
の対象になる
自動車
と、
車両検査
が要らない車とございます。御
承知
のように
軽自動車
につきましては、
車両検査
が必要でございません。したがいまして、
軽自動車
につきましては、別に
保険
に入っておるということだけを証明する
表示制度
を考えなければいけないのでございまして、これにつきましては、
保険期間
の終期を
表示
する
保険標章
を
表示
させる
制度
を
新設
するのでございます。ここに一応見本を持っておりますが、
軽自動車
でございますので、車の形が必ずしも普通の乗用車とかなんとかいうふうに
前面
にきちんと
ガラス
がない場合もございますので、
軽自動車
につきましては
ナンバー
・
プレート
の
すみ
に、こういった
標章
をつけるように考えたわけです。たとえば、この赤字のこういう
マーク
に10と書いてありますと、これは三十八年の十月まで
保険
に入っておる。それから黄色の
地色
に青で10と書いてあれば、これはたとえば三十九年の十月まで
保険
に入っておるということを
表示
さそうとするのでございまして、中の数字が月を表わし、この
地色
によりまして三十八年、三十九年と、一年ごとにこれを変えていきたい、かように考えまして、これを
ナンバー
・
プレート
の
すみ
に張りつける。もちろん
雨風等
にあいますから、この
質等
につきましては、そういうことのために破れたりよごれたりしないように良質のものを考えておるのでございます。 それからもう一点は、この
損害賠償保険
の
契約
の
解除
の
制限
でございます。
現行法
ではこの
損害賠償保険
が
強制保険
でありますが、それにもかかわらず
契約
の
解除
につきましては別段の
規定
もございません。これは非常に
欠陥
でございまして、
任意
に本人が
契約
を
解除
できることになっておりますので、この
制度
の実効があがらないうらみがございました。そこで、そのために無
保険
の
自動車
の生まれることを
防止
いたすために、
保険契約
の
解除
につきましても
法律
上
制限
を加えまして、
任意
に自由に
解除
ができないようにいたしたい、かように考えておりますのが
改正
の
一つ
の点でございます。 最後は、これらに伴なう
罰則
の
強化
でございます。無
保険
の車に対します
罰則
を、現在は三カ月以下の
懲役
または三万円以下の
罰金
になっておりますが、これを六カ月以下の
懲役
または五万円以下の
罰金
に引き上げております。この
罰則
につきましては
法務省等
の指導を得まして、いろんな
法律
につきまして
罰則
の横の公平を期する点から、こういった
罰則
の
内容
の
改正
をいたしたのでございます。 なお御参考までに申し上げますと、
損害賠償保険
につきましては、
強制保険
でありますが、これが施行されて七年ほどたっておりますが、現在の
加入
の
状況
は大体八割
加入
いたしておりまして、二割は未
加入
のまま走っておるという
状況
でございます。なお、これを四輪、
三輪自動車
、それから
軽自動車
に分けて見ますというと、四輪、三輪の
車両検査登録
を要する車につきましては、約九割は入っておりますが、
軽自動車
が七割弱ということで、
軽自動車
の
加入率
が一番低いのでございます。非常に遺憾なことでございますので、今回こういう
保険期間
を
表示
する
標章制度
を実施することにいたしまして、百パーセントの
加入
を実施いたしたい、かように考えまして今回の
改正
を企図したわけでございます。 簡単でございますが、一応補足的に
法案
全体にわたりまして
説明
いたしました。
村松久義
7
○
委員長
(
村松久義
君) ではこれより
本案
に対する
質疑
を行ないます。順次御発言を願います。
大倉精一
8
○
大倉精一
君 いろいろ
説明
を受けましたが、今度
民間
に
検査
を委譲するという根本的な
理由
は何ですか。
局長
に……。
木村睦男
9
○
政府委員
(
木村睦男
君)
民間
に
車両検査
の
実務
を一部委託しようという
考え方
の根本的な
趣旨
は何かということでございますが、先ほどもちょっと触れましたように、車の
増加
の趨勢が非常に大きい。これに対しまして
陸運事務所
におきまして
検査
をやっております
実情
をずっと考えてみますというと、やはり
業務量
の非常な
増加
に伴いまして、それを処理するだけの十分の
予算定員
が、在来の
実績
に顧みまして必ずしも
確保
されていないという
状況
でございます。われわれといたしましては、常にこれが
確保
には
努力
をいたしておりますが、
実績
がかような
状況
でございますので、このほうの
努力
を続けますと同時に、反面、
車両
の
検査
の
実務
につきまして、何かこれを
合理化
する、あるいは現在非常に負担の多い
検査官
の
仕事量
を、何とか合理的にさばく
方法
はないだろうかということを考えたわけでございまして、したがいまして、そういう観点から、いろいろ
方法
としては考えられるわけでございますが、その
一つ
といたしまして、ただいま
改正
を企図いたしておりますように、性能のきわめて高い、また
一定基準
以上の
技術者
を持っておる
整備工場
で
整備
をし、そしてそこで
保安基準
に適合しておるという
認定
をさすことによりまして、
検査官
の
車検場
におきます
車両検査
の
実務
を一部省略いたすことによって、
業務量
を合理的にさばいていきたい、かように考えて今回の
改正
に踏み切ったわけでございまして、
検査権限そのもの
は、これらの
民間工場
に委譲するわけでは毛頭ございませんので、
検査権限そのもの
は依然として官が持っておるのでございまして、ただ、
保安基準
に適合しておるかどうかということに対する
証明書
を発行さすという段階までの
仕事
を
民間
の
整備工場
を活用してやるというのが根本的なねらいでございます。
大倉精一
10
○
大倉精一
君 そうしますと、まあ一口に言うならば、車はどんどんふえるが
役所
の
整備能力
というものはこれに追っつかない、こういうことであるから、
民間
の機能を活用したい、こういうことだと思うのですね。そういう現象がいつごろから起こっておりましたか。今初めてじゃないのですね。車の
増加
率というのは非常に大きいということは、もう二、三年前から始まっております。まあ予算もこれに伴っていない、こういう現象は相当前から起こっておると思いますが、いつごろから起こっておりますか。
木村睦男
11
○
政府委員
(
木村睦男
君)
車両
数の
増加
の
傾向
は御
承知
のように相当以前から一年ごとに二割
程度
の
増加
になっております。それに対しまして
検査要員
の
増加
は、毎年要求をいたしてきておるのでございますが、それに追っつかない。この
傾向
をたとえば七年前の昭和三十年と三十七年度の今回の予算との七年間の比較を見ますというと、
車両
数の
増加
は昭和三十年を一〇〇といたしますと、三十七年が三四四になっております。これに対しまして
検査要員
の
増加
は昭和三十年を一〇〇といたしますと二二四・三四%の増。車のほうは二四四%の増、こういうふうな非常にアンバランスにつってきておりますが、これは毎年車のふえ方が多いので、毎年
検査要員
の
増加
に
努力
いたしておりますが、十分でなかったということが積もり積もってこういう
現状
になっておるのが
実情
であります。
大倉精一
12
○
大倉精一
君 そうしますと、相当前から
車両
の
増加
に
要員
ですか、
能力
の
増加
が伴っていない、そういうギャップはどういう工合に補っておられますか。町の中を走る車は相当
整備
等監督もされ、きちんと
検査
もされておったと思うのですが、
能力
の足りない部分はどうやって補っておられたのですか。
木村睦男
13
○
政府委員
(
木村睦男
君) この点につきましては、
要員
が十分に
確保
できませんために、一部は機械の能率化ということで、全国の
自動車
の
検査場
につきまして相当
程度
機械の増備をやって参っておりますし、それから、一方
自動車
の性能がどんどん向上して参っておりますために、具体的に一両の車に対してやります
検査
の手数がある
程度
簡略化できる面もだんだん出て参りましたので、これらの点でもって人員の十分でない点を埋め合わせをしておったわけでございます。
大倉精一
14
○
大倉精一
君 そんな
程度
で埋め合わせができておるなら、
検査
の機械化なんというものは、これはどんどんやれば埋め合わせできるように考えられるし、また、
自動車
の性能もますますよくなってくるので、それでもって埋め合わせができるようにわれわれしろうと考えに思うのですが……。ですから、こういうことをやらなければならぬということなら、もっと早くやっておかなければならぬという気がするのです。ですから、どうもそういうことから想定いたしますというと、今までは
整備
不良の車が走っておったというふうにも考えられぬこともないと思うのですが、その辺の事情はどうしようか。
木村睦男
15
○
政府委員
(
木村睦男
君)
検査要員
は、今申し上げましたように車の数に比較して非常に少ないのでございますが、そのために
整備
不良の車が町を走るということはないように、相当
検査
員もそのために苦労はして参っておりますし、それから、先ほど申し上げましたような機械の
整備
あるいは
検査
制度
の簡略化等によってやっておりますが、
事故
率の
中身
でもわかりますように、
車両
欠陥
の
事故
は減っておるということも勘案いたしまして、このために特に
整備
不良の車が町を走り、
事故
を起こしているという事実はないように考えております。 なお、今後ともこのように一部
民間工場
を活用いたしましても、なおそれで
現状
を頂点といたしまして
役所
でやります
検査
の
仕事
が、決して減るというわけではありませんので、ウナギ登りに上がってきますカーブが多少横に寝るという
程度
の
効果
しか現在では期待できませんが、今後とも、こういった点につきましては、さらに
整備
不良の車が町を走らないように、
検査官
に対しましては十分われわれは指導してやって参りたい、かように考えております。
大倉精一
16
○
大倉精一
君 これは従来相当そういう点に手抜かりがあったと思うのですが、つまり、
車両
の
増加
あるいは現有
車両
と
検査能力
との間に相当開きがあったと思うのです。そういう場合に、やはり現在まででも
民間工場
を相当活用しておったと思うのですが、そういう点はいかがですか。
木村睦男
17
○
政府委員
(
木村睦男
君) 従来ともこの問題につきましてはわれわれ頭を痛めておったわけでございますが、何しろ終戦後十年余になりましてようやく
民間工場
もりっぱなものが数ふえてきて、そういう意味の確信も得るに至りましたので、
民間工場
の活用ということも決意をいたしたわけでございますが、必要性は在来から感じておったわけでございます。で、現在まででも、たとえば新たに車を作りましてこれを使用いたすという場合には、その車につきまして一定の型式を
指定
いたしますと、その
指定
を受けた車を使う場合には、一々
検査
を受けなくてもいいというふうな簡略な
方法
は講じておったわけでございます。たとえば、三十七年型の何々という車を今度新車として出すという場合には、その型の車は全部同じ型でございますので、それを代表的に
一つ
だけ事前に十分
検査
いたしまして、そうしてよろしいということになれば、型式を
指定
いたしまして、この車を新たに使う場合には、一々車を持ってこなくてもよろしいというふうにして、一部
合理化
をやっておったわけでございます。もちろんこれは当初のときでございまして、継続
検査
はもちろん必要でございますが、第一回目の
検査
は、そういうことで一部簡略化をやってきた、こういうことを現在もやっております。
大倉精一
18
○
大倉精一
君 私の聞いておるところによると、やはりそういうような
能力
の不足を、今度の
法律
改正
のように、
民間工場
において
車両検査
の作業を一部まかせておるといいますか、依頼をしてやっておったという、そういうこともあるのじゃないですか。いい、悪いということは別にしまして。ですから、そういうことを今度は
法律
でもってきちんとして、
工場
をしてそういうやみ
検査
といっちゃ語弊があるかもしれませんけれども、そういうことのないように、
法律
でもってきちんと正常化しようという、こういうねらいがあるのじゃないですか。
木村睦男
19
○
政府委員
(
木村睦男
君) 従来
車両
の保安度を
低下
させないという考慮をいたしまして、同時に、試験的に一部お話のようなことをやった事実がございます。今回は、この
改正
が通りましてこれが実施になりますと、そういう事柄もこの中に含められますので、この点につきましても、きちんとした、
民間
に一部
検査
の実施事務をやらすということが
制度
的にも明確になってくるという点は確かにございます。
大倉精一
20
○
大倉精一
君 まあこれからもあることですけれども、こういう点はやっぱりはっきりしないというと、どこまでが正当ルートであるか、どこまでがやみルートであるかという、非常に不明瞭なものがあると思うのです。その点はひとつ十分今後も注意をしてもらわなければならぬと思う。 それから、こういう点についての警察との
関係
といいますか、協力といいますか、そういう点も非常に必要だと思うのです。たとえば現在の道路交通法の第六十三条によるところの「警察官は、前条の
整備
不良
車両
に該当すると認められる
車両
が運転されているときは、当該
車両
を停止させ、並びに当該
車両
の運転者に対し、
自動車検査証
その他政令で定める書類の提示を求め」云々とありますけれども、これは実際なかなかできぬと思うのです、実際問題として。警察官が、
車両
整備
が不良だと認める車といいますが、これはなかなか実際にできないと思うのですね。こういう点についての運輸省との協力といいますか、協議といいますか、そういうことはおやりになっているのですか。
木村睦男
21
○
政府委員
(
木村睦男
君) 本来、車の
整備
は、一定の
期間
を設けて
車両検査
制度
でやっておりますが、これは一応最小限度の車の保安の担保でございまして、一般的には、車を持って運転する者が、みずから常に
整備
の充実を期することが建前でございます。そこで
街頭
取り締まり
等におきまして、
車両
欠陥
の車が発見された場合には、今お示しのような道路交通法によって指摘を受けるわけでございますから、この点につきましては、従来とも警察と密接に連絡ができておりまして、警察でそれを発見いたしますというと、
陸運事務所
のほうにその通告がございます。なお、その車は警察から
整備
不良というレッテルを張られまして、
整備工場
に入りまして
整備
いたして、そうしてその結果
検査場
に持って参りまして
整備
されておるかどうかという確認を得て再び運行するというふうにいたしておりますので、その点の連絡は、十分にできておりますが、今後ともさらにこれは一そう密接にいたすつもりであります。なお、今回の
法律
の提案に際しましても、警察と事前に十分連絡をとりまして了解に基づいて提案いたしたような次第でございます。
大倉精一
22
○
大倉精一
君 この点は十分に連携をとってもらいたいと思うのですけれども、運輸省のほうから見て六十三条というのは、実際問題として警察官にそういう
能力
が、実行力が可能であるかどうかという問題があると思うのです。たとえば一斉
検査
の場合に、たまたま車をとめて調べた場合に、
検査
不良、
整備
不良のものがあるということを発見するのであって、走っている車を
整備
不良だからストップを命じてやるということは、実際問題として実行不能だと思いますが、そういう実例はありますか。
木村睦男
23
○
政府委員
(
木村睦男
君) 道路上で走っておる車をとめまして
整備
欠陥
を指摘されるという場合、もちろん警察官でございますので、専門的な、技術的な経験並びに力はそう持っていないと思います。そこで、路上で発見されますのはこまかい、非常に詳細な
整備
欠陥
のほうではありませんで、たとえば
自動車
の前照灯がこわれたとか、あるいは
ナンバー
を照らします後の灯火が消えているとか、あるいは偶然の機会でブレーキの十分きいていない車とか、そうした一見して明瞭にわかるような点について、
車両
欠陥
を指摘され、そうしてそのレッテルを張られておるというのが
実情
でございます。
大倉精一
24
○
大倉精一
君 これは参考のためにお尋ねしたいんですけれども、この点は非常に道路交通法六十三条というものは空文にひとしいのじゃないかという気がしていたんでお尋ねしたんですが、実際問題として、警察官が走っている車を
整備
不良と認めてストップを命ずるというようなことはないと私は思うのです。テールランプが切れているとか、あるいはヘッドライトが片方消えているとか、そんなことならわかると思うけれども、まあその他にはほとんどないと思うのですが、これは参考のためにお伺いしたのです。 それから今度のこの
法律
の実施によって運輸省のほうでみずから
車両
の
検査
整備
ということに対しまして熱意を欠くようなことがあったのでは大へんだと私は思うんですね。つまり
民間
のほうにおんぶして、そうして政府のほうで運輸省のほうで
車両
の
整備
ということが非常に軽視され、あるいは熱意がなくなるということになると、これは本末転倒するんですがね。あくまでもこれはやはり運輸省が主体となってやり、
民間
のほうは補助的なものであるという工合いにわれわれは考えるのです、その点はいかがですか。
木村睦男
25
○
政府委員
(
木村睦男
君) その点につきましては、先生の御指摘のとおりにわれわれも考えておりまして、こういう
民間
整備能力
の活用によりまして、運輸省自体が
車両検査
に対する情熱を失い、あるいはこれを軽視するというような考えは毛頭持っておりません。先ほど申し上げましたように、こういう
制度
で一部活用いたしましても、なお運輸省としての
業務量
としては今後とも大いにふえてくるわけでございまして、できるだけこれを合理的に処理していこうという
考え方
からスタートしたわけでございますので、もちろん
民間工場
を活用します場合にも、すべて責任は運輸省自体が全責任を持つわけでございます。また運輸省、つまり
陸運事務所
の
検査場
におきまする事実上の
検査
行為そのものも決して減ることはございませんし、また、
検査
が車の保安、ひいては
事故防止
に非常に大きな意義を持っております点をより一そう重要視いたして、さらに今後
検査
につきましては情熱を持って処理いたしたい、かよう決意をいたしている次第でございます。
大倉精一
26
○
大倉精一
君 現在交通
事故
が非常に頻発して、国民の中からも交通
事故
を追放しようという運動の起こっているというときに、この
車両
整備
検査
ということは非常に大きな意義があると私は思うのですが、御答弁によれば、情熱を失わない、責任は運輸省が持つのだと、こうおっしゃるけれども、どうも予算面から調べてみますと、車はどんどんふえているのだが、予算はふえていないですね。たとえば
自動車
登録
検査
に必要な経費、これを見ましても、三十五年度は一億三千二百四十万七千円、三十六年度はぐっと減りまして一億三百七十七万二千円、これは三千万円減っておりますね。三十七年度、本年度はわずかに一億七百万円でもって四百万円ふえているにすぎない。それから
車両検査
施設
整備
に必要な経費を見ましても、三十五年度は九千五百万円、三十六年度はわずかにふえて九千九百万円、本年度は一億一千四百万にふえておりますけれども、
車両
はどんどんふえてきておりますけれども、三十五年度からずっと予算面を見てみますと逆に減っている面もある。こうなると、この付近からすでに
民間
に少しおんぶしようというような意図があったのじゃありませんか。今度この
法律
ができますと、これまたそういう
傾向
があるということになると、これは大へんなことになるんですがね、この点いかがですか。
木村睦男
27
○
政府委員
(
木村睦男
君)
車両検査
それから
登録
を含めまして、
検査
登録
関係
の現場の
仕事
の予算でございますが、予算額そのものは毎年ふえてはおります。たとえば今年度三十七年度で要求いたしておりますのは、先般通過いたしました予算によりますと、
車両検査登録
両方含めまして八億九千九百万円、それに対しまして三十六年度は八億二百万、それから三十五年度が六億八千七百万円というふうに、漸増はいたしております。ただ、御指摘のように車の
増加
の趨勢、
業務量
そのものの
増加
に対しまして、この予算のふえ方はそれと並行はいたしておりませんが、多少ずつはふえて参っているというのが
実情
でございます。
大倉精一
28
○
大倉精一
君 要するに、多少という表現よりできないというふえ方なんですね。が、しかし、さっきおっしゃったように車は昭和三十年を一〇〇とすれば、三十七年は三四四、
要員
はわずかに二二四、予算もわずかながらふえているという、わずかながらという
程度
なんです。これでもって先ほどおっしゃったように熱意はさめないという、これはそう口では言えるのだけれども、実際その裏づけが私は非常に疑問だと思うのですね。そういう点については、これは
運輸大臣
現在の交通事情からいって、大蔵省が渋いかもしれませんけれども、大いに
運輸大臣
がんばって、陸運局
関係
の予算というものはもっと大幅に
増加
をするという、こういうことがこの際必要ではないかと思うのですが、いかがですか。
斎藤昇
29
○
国務大臣
(
斎藤昇
君) おっしゃいましたように、私は
自動車
関係
の行政費はこれで十分とは思っておりません。今後もさらに一そう力を入れまして、運輸
関係
のこういった
仕事
に従事しております者が、あまりに労働過多にならないようにいたしますと同時に、事務に欠けることのないようにいたしたいと、かように考えておるのであります。ただ、先ほどから
局長
からも
説明
しておりましたとおりでございますが、この
自動車
の
登録
、ことに車体
検査
というようなものについては、事務の確実安全というものは、どこまでも
確保
をして参らなければなりませんが、これらの
整備
あるいは修理といったような事柄についても、一般の修理
能力
あるいは一般の人たちの知識というものが、だんだん向上して参ってきております。
自動車
が日本に初めてきだした当時と今日とは非常に違っておると私は考えております。ことに
バス
あるいはトラック事業等をやっておられる大規模な事業者等におかれては、みずからあるいは
整備工場
を持たれ、あるいは特定の
整備工場
において、自分の責任で車体の安全をはかっていくということが相当行なわれてきておりまするし、私はこれをますます助長していくべきであると、かように考えます。全部
役所
に持ってきて、車体
検査
を一々してもらわなければならぬということよりも、まず自分でやっていく。そしてそれを
役所
が必要な限度においてチェックをする。チェツクの仕方も、できるだけ簡便で、しかも安全性が保たれるという行き方にすることは、日本の私は科学技術あるいは機械等に関する知識等が
民間
に普及して参りますれば、そのほうに移行していくというのが当然であると、こう考えておりまするし、それを助長をいたして参りたい。 ただ、今までにきめられておりまする車体
検査
というものは、ある一定の
期間
にみずから車体
検査
を施実をしなさいというだけで済めるような時代に早くなるといいと思っておりまするが、しかしそういった
整備能力
を持たないような
工場
も、まだ今日相当多いわけでありまするから、なかなかそうは参りませんが、将来の姿は、そういうふうにやっていくべきであろう。こうしますことは、
役所
の手数をただ省くということだけでなしに、また
自動車
を持っている人たちの手数も省くわけでありまするから、りっぱな
整備工場
で、りっぱに
整備
されたということであれば、その車を、わざわざまた車体
検査場
まで持っていって、もう一ぺん
検査
をしてもらうということでなくても、車体の安全が
確保
されていくという時代が早くくることが望ましい。これを助長していきたい。これは
役所
の事務を省きますとともに、
民間
の手間も省くということであり、そういうような方向で、全般の行政を指導して参りたいと思います。しかし、
現状
に即しまして、必要な安全の
確保
あるいは職員の労務の過剰にならないということのための予算は、今後も一そう
努力
をして
確保
をして参りたい、かように存じます。
大倉精一
30
○
大倉精一
君 口ではいろいろ、こう言えるけれども、全般を見ておりますというと、一般の
傾向
が、たとえば日鉄法の
改正
もそうなんですけれども、交通が非常に急速に非常事態のような様相を呈しておる中で、交通
関係
に対する費用というものを十分に出さずに、これを
民間
のほうに肩がわりさせよう、こういう
傾向
が私は出てきておると思うのです。これは私は非常に危険だと思うのです。それを私は言っているのです。 日鉄法の
改正
も、本来、国鉄でやらなきゃならぬものを、国鉄に対して政府がめんどうを見ないから、だから
民間
の資本を投入するなんていう、あるいは活用するなんていう名目のもとに、
民間
の合併会社を作ろうという、これは交通
関係
の方面に費用を十分出さないということです。今度の場合もそうだと思うのです。ですから
傾向
として、私は非常に必配をするのです。西ドイツやアメリカ等におきましても、
民間
に委託をしておるという
制度
はあるようでありますけれども、外国がそうだからといって、日本もそれでいいというわけにいかぬと思う。私はその点は、あとからまた質問したいと思うのですけれども、まあ、はなはだ日本人として日本のことを言うのは遺憾ですけれども、交通規則さえ満足に守られていない、たとえば駅において、上る階段と下る階段が分かれておっても、そういうのは、まるきり無視をされておるというような、そういう状態のもとに、外国がこうだから、日本もこうだということは私は通用しないと思います。 そういうことから、いわゆる交通
関係
に対するお金を削って、これを
民間
のほうに肩がわりさせようという、こういう
傾向
は、大臣これは大いに警戒しなければならぬと思うのですが、これは政府として、どういうお考えを持っておられるかお話を伺いたい。
斎藤昇
31
○
国務大臣
(
斎藤昇
君) その点はまことにごもっともで、重要なことだと存じます。ただ、このたびの車体
検査
の
合理化
の問題は、私は
合理化
であって、政府の予算が十分伴わないからとか、あるいは国のほうの手数がかかって困るからということではなくて、先ほど申しますように、これは全くの
合理化
だ、こう考えております。私は予算が十分あっても、もっともっとやって、場合によれば、人を減らしてもいいというところまでいくことを私は望んでおるわけです。これは
民間
に肩がわりするという意味でなしに、先ほど申しますように、大きなトラックを経営しておられる人たち、あるいは
バス
、を経営しておられる方たち、こういう人たちは、もうみずから
整備
をしている。あるいは自分の特定の
整備
会社で、十分
整備
をさすことが、これがほんとうにあるべき姿であろうと思うわけであります。 したがって、車の
整備
の不十分であるというこにとついては、車の所有者あるいは運行者、これらの人たちに責任を負わせるということが私は必要だと、こう考えます。しかし責任だけを負わしても、それの遂行が十分できないといけませんから、チェックするだけのことは必要でありますから、
整備
指定
工場
は十分チェックさせると同時に、その
整備工場
における
整備
が、いつも
役所
の車体
検査場
において合格し得るようなやり方をいつもやっているかという査察指導、あるいは
検査
ということが、これは私はたいへん必要だと考えますが、そういうような
考え方
に立っておりますので、決して国費の節減という意味からではなくて、車体
整備
の
合理化
、こういうように私は理解をし、またそういうつもりで指導いたしておるわけであります。
大倉精一
32
○
大倉精一
君 まあそういうことも、理想としては必ずしも私は否定はいたしませんけれども、しかし順を追っていかなければならないと思うのですね。たとえば、これは大臣御存じかどうかわかりませんけれども、
陸運事務所
あたりの予算というものは、先ほども
車両
と人員の割合を言われたようでありますが、あまりふえておりませんよ、そこで一体何をやっておるかというと、べらぼうな免許事案の調査につましきても、これは人が足りませんよ。あるいは日常の車検
登録
にいたしましても人が足りません、足りませんから、
陸運事務所
には、これは
民間
の業者からお手伝いに行っておりますよ。私は数年前に、この
委員会
で指摘したことがあります。お
役所
が、自分の予算が足りないからといって、
民間
の業者から人間を常駐させて、お
役所
の
仕事
をやらせておるということは、まことに権威のないことなんですよ。今度横浜でも、
陸運事務所
の建物が建ったようですが、地方に行きますと、
陸運事務所
の建物はなくて、
民間
の建物に門借りしているところがたくさんある。これは
自動車
がどんどんふえて、
自動車
の時代にたった今日において、お
役所
がこれに対する費用というものをどんどん出さない、こういう点が私は、いかにいろいろ言われても、
役所
の怠慢と言っても差しつかえないと思うのです。特にそういう
傾向
がある、こういうふうに思うのですが、
陸運事務所
の例を申し上げましたが、これは大臣、御存じかどうかわかりませんけれども大いにひとつ調査してもらいたい。地方ではいつも弱りまして、
陸運事務所
とか、あるいは気象とかなんとかというところのお
役所
の予算は非常に弱いのです。この際交通というものが重点的な問題になるならばやはりこれは予算の裏づけがなければならない。どっかで池田総理大臣は、私が今最も重点的に考えているのは、物価の問題と交通の問題だとおっしゃる。言うことは言える。総理大臣が交通の問題を重点的に考えているなら予算はどうするか、その担当するお
役所
の予算はさっぱりふえていない、こういう
現状
ですね。これはひとつ
運輸大臣
、この際、大いに改革をしてもらう必要があると思うのですが、そういう
努力
を願いたいと思うのですが、いかがですか。
斎藤昇
33
○
国務大臣
(
斎藤昇
君) おっしゃるとおり、今後一そう、
努力
をいたしたいと思います。本年の予算要求につきましても、
陸運事務所
の予算、それから気象庁の予算これらは重点項目の
一つ
として大蔵省に強く要望いたしたのでありますが、今後一そう、強く
努力
して参りたいと思います。
大倉精一
34
○
大倉精一
君 その点は、今後政府において
努力
をされるということを期待して、次の問題に移りたいと思います。今度の
制度
で優良
工場
の中で、
一つ
の
基準
をきめて厳重に審査をして
指定
をする、こうおっしゃるのですけれども、ここに
指定
基準
案というものがあるのですけれども、これは技術員は一級は何名、二級は何名、小型一級は何名、工員は一級五十名、二級二十名、小型一級十八名、
整備
士、一級十七名、二級七名云々と、こういう表があるのですけれども、こういう
指定
基準
に合っておるものは
指定
をされるのですか。されないということになれば、されないという
理由
、その線の引き方が非常にむずかしいと思うのですが、その点はいかがですか。
木村睦男
35
○
政府委員
(
木村睦男
君) 現在考えております
指定
工場
は、お話しのように、現在優良
自動車
整備
事業者としての
認定
を受けておりますもののうちで、さらに
検査
用の機械器具等、この
指定
のために必要な
設備
を持っておるものを、これは
省令
で、その
基準
を作るわけでございますが、その
基準
に示された
設備
を持っておるものを、そのうちから
指定
することにいたしておりますが、何にいたしましても、最初の試みでもございすので、この機会に技術的な
基準
にさえ合っておれば全部を
指定
するということは避けるつもりでございます。スタート当初にあたりましては、全国、地域的にも考えなきゃなりませんし、それからやはり試験的な意味合いもありますので、できるだけ最初は、かりにこの技術的な
基準
に適合しておりましても、その中でさらにしぼって
指定
していきたい。なお、この
指定
の
基準
には、こういった機械
設備
の技術的な
基準
のほかに、そこで
整備
業務
に当たります責任の技術員というものの
資格
をさらにしほることにいたしておりますので、この技術員の
資格
等につきましても、これは機械の
整備
よりも、さらに、何と申しますか、人の問題でございますので、そういう点もよほど最初は慎重に考える必要がある、かように考えますので、全般的にはきわめて小範囲にしぼって、そこからスタートしたい、かように考えております。
大倉精一
36
○
大倉精一
君 そうしますと、
省令
で定める
基準
以外に
基準
があるということになるんですね。
省令
で定める
基準
というのは、今言ったように、一応の人員なり機械なりというものを数字的に、あるいは規模的に
省令
で一応線を引く、それを全部
指定
するわけではないということになると、そのほかの
基準
というものは、どういうものがありますか。
木村睦男
37
○
政府委員
(
木村睦男
君)
省令
で作ります
基準
以外に
基準
があるわけではございません。
省令
で作ります機械
設備
、それから
検査
員の、技術員、の
資格
、これだけで
省令
でしぼりまして、そしてそれにあてがいまして、この
基準
にかなっておるものは一応
指定
し得るわけでございますが、今申し上げましたような当初の試みでもありますので、そのうちから——そのうちでも、やはりおのずから多少の差はあると思います。その中で特に優秀だと思われるようなものを、特に、全般的にそこの
工場
の管理の組織等もよく見まして、上位にあるもののうちからしぼって
指定
していきたいと考えておりますので、別に
省令
以外に別の
基準
を、自由裁量の
基準
を持っておるという意味ではございません。
大倉精一
38
○
大倉精一
君 そこで、私はこの
指定
工場
制度
になりますというと、
指定
されるか、されないかということは、業者にとっては非常に死活の問題にもなりかねないという重大問題が出てくると思うのです。ですから、この一応
基準
が示されれば、業者は万難を排して、その
基準
を整えるための
努力
をするだろうと思う、人員にいたしましても、機械にいたしましても、そういう場合に
努力
をして
基準
を整えたが、
指定
されなかったとなってくるというと、これまた、いろんな物議をかもしてくる、そういう混乱が起こりはしないかと私は心配するのですが、ですから、たとえば
自動車
の免許にしましても、トラックの免許にしましても、いろんな混乱が起こっておるのです。
基準
はあるんだが、
資格
はあるんだが、免許はしてもらえないということをいろいろ苦情もあり、出てくるのです。同じことを今度
工場
で、
工場
の場合は、今現に事業をやっておるのですから、これが
基準
があるにもかかわらず、
指定
工場
にならないということになると、相当深刻な問題が出てくると思うのですが、そういう影響については、どういう工合にお考えになりますか。
木村睦男
39
○
政府委員
(
木村睦男
君)
指定
をします対象は、申し上げますように、現在優良
自動車
整備工場
の
認定
を受けております約九百ばかりの中で、精鋭をすぐることになるのです。したがって、現在優良の
認定
を受けております
工場
は、かなり相当な規模を持ってすでに十分事業をやっておる
工場
でございますので、今回
指定制度
ができまして、これらの優良
工場
の中で
指定
を受けようとして
設備
の増強等もいたすと思いますが、それが結果的に
指定
を受けなかったということによりまして、その
工場
の存立にかかわるというような問題は起きないと、かように考えております。またそのために非常な混乱が生じるというふうには考えておりません。
大倉精一
40
○
大倉精一
君 私の聞くところによりますというと、いよいよこの
法律
ができ、そういう
制度
ができるということで、
工場
によっては必要な人員の引き抜き合戦が始まっておるということも聞いておるのです。これは非常に困るというのです。ですから、たとえば、この
基準
の工員五十名に対して
整備
士が十七名要るという、こうなれば、これを優良
工場
なり何なりから引き抜いてくる、ちょうど
タクシー
の運転手の引き抜き合戦と同様な現象が今起こっておるということを聞いておるのですが、そういうところに混乱の徴候があると思うのですが、いかがですか。
木村睦男
41
○
政府委員
(
木村睦男
君) 現在の優良
整備
事業者は、それぞれの
基準
にきめられました技術員、工員、あるいは
整備
士を抱えておるわけでございまして、かりにこの中で
指定
を受けます
工場
につきましては、現在持っております、たとえば十七名なら十七名の
整備
士の中で、今度の
指定
を受けるに必要な
資格
の
整備
士を作るということにいたしまして、
資格
を備えるという結果になりますので、他から引き抜いて持ってきてやるということも、まずそのために非常に混乱が起きるというふうには考えられませんし、また、これが実施につきましては、こういった
整備
事業者の全体の団体であります
自動車
整備
振興会というのがございますので、この会を通じまして、そういう無益な不当競争等をやらないように、十分事前の行政指導はいたして参りたい、かように考えております。
大倉精一
42
○
大倉精一
君 これは私が、ある
工場
について調査をしたのですけれども、たしか
認定
工場
協議会というものがあって、その場でも話題になったそうですが、この人員の引き抜き合戦というものは、できるだけ自粛したい。自粛したいと思うけれども、自然現象として、この
制度
ができるという前提としてやむを得ない、仕方がない。なんとかして、これを
防止
したい。こういう声を私は聞いておるのですけれども、そういう点について、
実情
の認識と、これに対する指導を、どういう工合におやりになっていくのか、これをひとつお聞きしたいと思うのです。
木村睦男
43
○
政府委員
(
木村睦男
君) まだ実施前の問題でございますので、お話のような点が表面化しておるということは、実は、私どもこれは存じておりませんが、御指摘のようなおそれはあるのではないかとも思います。したがいまして、そういうことのないように、こういった会を通じまして、十分指導をいたしたいと思っておりますし、また、そう大して大きな混乱を起こすような騒ぎにはならないであろうというふうに実は考えておるのであります。
大倉精一
44
○
大倉精一
君 これは大きな問題にならなければ幸いですけれども、特に、この実施前であるからという、そういう答弁ですけれども、実施前であるから、そういう現象が起こると思うのです。これは
タクシー
業界、トラック業界のトラック運転手の引き抜きの弊害と同様に、この事実については十分に調査を頼って、そういう弊害の起こらないように、両々相まって、ひとつ御指導を願いたいと思います。 それからもう
一つ
は
指定
工場
の
認定
——
指定
工場
を
指定
する場合に、地域的問題があると思います。ここも、たとえばある地域にも数社
指定
をするという工合に仮定すれば、そこで必然的に競争が起こってくる。これは普通の事業の競争とは違って、別の意味の弊害が起こってくるのではないか。つまりお客に対する過剰サービスの弊害が起こってくるのではないか、こういう点を心配するのです。 たとえば、私も機械を見てきました。その測定機械を見てきましたけれども、これは、たとえば八十なら八十、百なら百という目盛りが出るだけであって、これを人間がメモするだけです。出勤者のタイム・レコーダーのようにがちゃんとやれば機械が記録してくれるわけではないのですから、七十と出ても九十と書くのは自由です。そういうことからすれば、私は過当競争ということになれば、非常な競争ということになれば、そういうことになれば、そういう過剰サービスが出てきて、そこに
一つ
の弊害が出てきはしないか。したがって、地域的な競争という面も考慮しながら
指定
しなければならないと思うのですけれども、こういう点については、お考えはどうですか。
木村睦男
45
○
政府委員
(
木村睦男
君) 御指摘のように地域的な点も十分考えなければなりません。同時に過剰サービスと申しますか、そういうことによって保安度が
低下
する結果になるというふうなことがあっては非常に遺憾でございますので、その点は、
指定
いたしました
工場
につきましては、平素の監督、指導も十分いたしますし、それからかりにそういうふうな過剰サービスというようなことで保安度を下げるという弊が起こりました場合には、
指定
の取り消しその他厳重な行政政処分もやるつもりでおります。また地域的に一業者以上の数業者の優良
工場
が
指定
を受けました場合に、客のほうは自由に選定できるわけでございますので、
一つ
の地域内に
指定
工場
がありますと、その最寄りの者は、そこに行かなければならないというようなこともございませんで、その点はお客の自由選択になっております。 いずれにいたしましても、そういうことによりまして保安度が下がる、あるいは
整備
そのものにいろいろ問題が起こるというふうなことはないことを大いに期待しておりますが、一応監督する立場といたしましては、そういうこともあり得るということで、十分に遺漏のない監督をいたしたい、かように考えております。
大倉精一
46
○
大倉精一
君 まあ遺漏のない監督と言われるのですけれども、実際はどうやってやるかということを、実はこの前から疑問を持っている。人数も少ないし、それから
工場
に監督に行っても、たとえば記録が七十と出たのを九十にメモして書いても証拠がないわけですね。そういうものの監督は、一体どうやってやるのか。しかも
工場
につきっきりではございませんから、そういう点が心配なんです。同時に
指定
工場
がりっぱなものであれば、そういうやみはやらないということになれば、町
工場
といいますか、そういう所にいわゆる不良業者と言っては失礼ですけれども、何とか便宜をはかってもらいたいというようなことで町
工場
において、ひとつ適当にやる。たとえばダンプカー、砂利トラックのごときは、ほんとうに目にあまるようなものを持ってくる。持ってくるが、
整備
すれば高いから、まあ最小限度にひとつやっておいてくれ、こういうことで、最小限度も、これまた割り引きして何とか頼む、こうなってくる。そこにもってきて、町
工場
はそれをやるのだが、なかなかお金を払ってくれない、こういうものが、
指定
工場
以外にどんどん行ってしまう。これが、町の中にはんらんしてくる。でありますから、この
事故防止
の見地から申しましても、
指定
工場
で、きちんと
整備
されたものが
事故
を起こさなくても、そういうものがどんどん
事故
を起こしてくれば、やはり町の中の
事故
というものは減らないという結果になってくる。そういう点も出てくるのですね。 ですから、かりに
指定
工場
を厳重におやりになっても、私、なかなかそれはやれないと思うのですけれども、おやりになっても、今度はそういう方面に弊害が起ってくるのではないか、こう思うのですね。これは老婆心であるかもしれませんが、やはり為政者としては、そういう点まで関心をもって気をつけなければならぬのです。そういう現象までね。そういう現象については、そういう心配はありませんか。
木村睦男
47
○
政府委員
(
木村睦男
君)
指定
工場
以外の
工場
へ車を持って行って
整備
をするということは、
現状
でもそれが行なわれておりまして、そして
整備
の結果を
検査場
に持って参って
検査
を受けるわけでございますが、
指定制度
ができましても、
指定
以外の
整備工場
で
整備
をいたしましても、そこではその結果に対する
保安基準
に適合しているかどうかということの
認定
ができませんので、そういう場合でも、
保安基準
に適合しているかどうかということの
指定
を受けるためには、やはりその車をもって直接
陸運事務所
の
検査場
に来て
検査
を受けるということが必要でございすし、また
指定
の
整備工場
に行きましてさらに
整備
し、そこで
保安基準
に合っているかどうかということを見てもらわなければ
検査
には合格しないということになっておりますので、その点は、
指定制度
のできるできないにかかわらず事情は同じであるわけでございます。 なお、
指定
工場
につきましては監督に遺憾なきを期したいというふうに考えておりますが、具体的な
方法
といたしましては随時立ち入りの監査をやりますし、それから
指定
工場
につきましては記録を常につけさせるようにいたしまして、その記録を見て調べる。それからときには、そういう所で
整備
をし、そこで
適合証
をもらって
検査期間
の延長を認められているような車につきましては、抜き取り的に、そういう車について直接
陸運事務所
の
検査場
に持ってきて抽出的に調べてみるというふうなことも実施するつもりでおります。
大倉精一
48
○
大倉精一
君 そうしますとあれですか、
指定
工場
で
検査
を受けた車を随時、その車の持主に、あなたは
陸運事務所
の
検査場
に行きなさい、こういうことを注文されるわけですか。
木村睦男
49
○
政府委員
(
木村睦男
君) これは
指定
工場
の
業務
が公正に行なわれているかどうかということをこちらでチェックするためにやることでございます。常にそういうふうなことをやって二重の手数をかけるということはいたしません。こういうことをやりますのは、ごくわずかでございますし、また当然
指定
されて、そこで
整備
をし、
検査
の
実務
をやっておるうちに、おのずとあそこの
指定
工場
はどうだとか、いろいろな風評も出て参る、そういうふうな場合に、こういった抜き打ち的な
検査
の
方法
をやることによりまして、十分監督をいたしたいと、かように考えております。
大倉精一
50
○
大倉精一
君 これは私は、非常にこまかいことを聞きましたけれども、そういう心配があると思いますから、そういう点については、せっかくこの
制度
ができて、かえって悪くなったということのないように、ひとつ十分に気をつけてもらいたいと思う。さらにまた、非
指定
工場
、これがいわゆる下請
工場
的な性格になるということもあるのですね。それで非
指定
工場
で
整備
を受けたものは、一々
車検場
へ持っていかなければ
検査
を受けられませんけれども、これが
指定
工場
と
契約
するなり何なりして、
指定
工場
から
証明書
をもらうという場合もあるだろう、あるいは
指定
工場
が
能力
が回り切れぬ、とてもそれはさばき切れぬ、こういうときに、町
工場
へ出していく場合もあると思うのです。そういいう場合に、
指定
工場
と町
工場
との
関係
が出てくる、こうなって参りますというと、さっき申しましたように、やはり相手は、今度はお客さんですから、
役所
と違いまして営利事業ですからお客さんですから、お客さんがそんな固いことを言わぬでしてくれということを言えば、そういうこともあり得ないことはないと私は思うのですね、
民間
では。この弊害を大いに気をつけてもらわなければならぬと思うのです。 現にさっき申しましたように、ダンプカーのごときはこんなことを言ってはなんですけれども、
工場
あたりで聞きますと、町
工場
あたりでは、さっき申しましたように、合格をする最低の
整備
をしてもらいたいと、最低でやってもらって、そいつをまた値切るのですね。で、そいつを大目に見て出してくれ、こういうことでやるらしい。でありますから、そういう弊害は、
民間
の営利というところへ食い入ってきて、入ってくるのではないか、こういうことを懸念いたしますので、そういう点を十分研究なすって監督してもらいたいと思う。これは私はこれ以上申しませんけれども、十分監督してやってもらいたいと私は思う。それから、非常に激しく使用する
車両
ですね、これについては車検の切りかえあたりは、特に考える必要があるのじゃないかと思うのです。たとえばダンプカー、砂利トラックあるいはその他の車にいたしましても、非常に激しく使用するものがある。ですから、
走行キロ
あたりで押えて、特例を設けるか何かという
方法
がないものだろうかということを考えておるのですけれども、今のダンプカーあたりは、ブレーキのきかないものが相当あるらしい。町の中でも、ときどき新聞で見るように、交差点でとまっておる車のうしろから追突する、これなんかブレーキがきかぬ証拠なんです。これなんかが町中をどんどん走っておる。これらあたりは、車を酷使するためだと思うのですけれども、そういう点についての何らかの配慮ができないものかどうか、ひとつお考えを承っておきたいと思います。
木村睦男
51
○
政府委員
(
木村睦男
君)
車両検査
制度
につきましては、やはりある
程度
画一的に考えまして、しかも最小限度の保安度の担保ということで
検査
制度
というものを考えておりまして、
現状
は、先ほども申し上げましたように、
営業用
の車につきましては、一年という
期間
にいたしております。で、もちろん
営業用
の車の中でも、非常に
走行キロ
の多い車、また激しく使う車、いろいろございますが、それらにつきまして
車両検査
の
制度
の面におきまして差異を設けるということは、あるいは
実情
に合った
方法
かとも考えますけれども、こまかい仕分けになりますと非常に複雑化して参ります。それで、そもそも
車両
につきましては、運転する人自体の生命に
関係
のあることでございますので、みずから常に
整備
に
努力
してもらいたいということがまず前提で
車両検査
制度
というものを考えておりますので、御指摘の点につきましては、
実情
としてはわかるのでございますが、
検査
制度
として、こまかくそういう区別をつけることは、
実情
に、はたして合うかどうかというふうな点も十分考えなければいけない、かように考えておりますが、なお、一般的に臨時に
検査
を命ずるということもできますので、特にそういうふうな車について、その必要があれば臨時の
検査
をいたすという措置は、
現行法
においてもとられることになっておりますので、それを場合によりましては活用していきたい、かように存じます。
大倉精一
52
○
大倉精一
君 その点は今、どうこうせいというわけじゃありませんが、十分にそれを検討されて、必要であれば、何らかの措置を講ずるようにやってもらいたいと思うわけです。 さらにまた、ちょっと聞いたところによりまするというと、
工場
別に、車種別に
指定
するとか、あるいはメーカー別に
指定
するという話もちらっと聞いたのですけれども、たとえばこの
工場
では「日産」を
指定
するとか、あるいはこの
工場
にはトラック、乗用車の大型を
指定
するとかというような話を聞いて、いろいろ疑心暗鬼を生んでいるようですけれども、そういう点についてはいかがなんですか。
木村睦男
53
○
政府委員
(
木村睦男
君) そういうふうな差別的に
指定
する、あるいは
検査
に際しまして車種別に、そういうふうなことをするというふうなことの考えございません。
大倉精一
54
○
大倉精一
君 もう
一つ
、ちょっ気とになることなんですけれども、たとえば今度、都市交通の規制がいよいよ発表されまして、長ものとか、大型車というものが、これが十一時から一時まで以外は通行できないとか、こうなってきたわけなんですけれども、そういうようなものの
整備
や、何か、その時間内に持っていかなければならぬ、あるいは夜間持っていかなければならぬ、こういうことに相なるわけなんですけれども、これは差しつかえないのですか。
木村睦男
55
○
政府委員
(
木村睦男
君) 交通規制の対象になります車につきましても、一日中全然通れないというふうな場合は、あるいは非常に不便があるかとも思いますけれども、一年に一回の
検査
でございますし、それからその
検査
の切れる、
有効期間
の切れる時日はあらかじめわかるわけでございますから、現在のような規制のもとにおきましては、別にそのことが、そういった車の
車両検査
に不自由や不便を与えるというようなことはないと思っております。
大倉精一
56
○
大倉精一
君 まあこの辺で質問はやめますけれども、私はこれは反対じゃありませんが、気になったことを順序不同に並べて質問申し上げたのですけれども、こういう質問申し上げた点について、しょせんはわれわれしろうとの考えることですから、専門家の
考え方
では、あんなつまらぬことをと、お考えになるかもしれませんけれども、質問した中で、関心をもたなければならぬ、あるいは検討しなければならぬということがありまするならば、大いに
一つ
検討してもらって、そういう心配がないように、ひとつ善処をしてもらいたいと思います。 質問、終わります。
金丸冨夫
57
○金丸冨夫君 ただいま
大倉
委員
が、だいぶん詳細にわたりまして、みな要所を御質問なさいましたので、私はごく簡単なところを二、三お伺いしたいと思うのですが、
検査
自体を今度
指定
工場
でやらせるということになるやり方は、これは非常に私どもは、かような
自動車
の
増加
態勢にある現下においては、まことに緊要なことであろうと思っているわけでありますが、ひとつ、先ほど
指定
の際に、いろいろと厳格に
整備
をすべきであるという、
大倉
委員
の御意見も、また一理あるのでありますが、実際、
検査
を受けるほうから考えていきますと、やはりかような
制度
ができました以上は、それが
検査
の
内容
、実質が
低下
しない限り、やはり多いほうがいいんじゃないか。かように考えるのです。つまり、今非常に
自動車
の
検査
に困っておる。今まで非常に数がふえたが、これは一体どうしておったというような先ほどの御質問もありましたけれども、それは結局、待ち時間というか、時間待ち、また日にち待ちというようなことが非常に多かった。それが所有者に対しては、今まで非常に不便であった。さりとてこれを、十分、右から左に
検査
が施行せられるような態勢もお
役所
の都合でできなかったというのでありまするから、今回かような
指定
工場
で現実に
車両
の
検査
というようなものを、また
車両
の修繕というようなものをずっとやっておるところで、こういう
検査
をするということは、非常に私は時宜に適したやり方だと思います。ただ、
使用者
側としては、できるだけやはり、そういう
工場
をりっぱに
整備
して、官署のほうで
検査
する以上、りっぱな
検査
をするものをたくさん設けることが便利であろうかと、かように考えておるわけです。いろいろと調査あるいは監督、指導というようなところには、十分の力を尽くされるということを言明されておりますので、これはもちろん、われわれはそれを信頼したいと思いますが、ただしかし、新しい
制度
でありまするから、これに対する
経済
的負担というようなものについては、大いに考えなければならぬと思うのです。 従来政府が取っておりまする
検査
料、年間六億前後であると私記憶しているのですが、これは
登録
とか、今度は書面審理だけになる場合がございまするが、それらの収支は一体どうなるのか。私の聞きたいのは、結局、同じ
検査
料その他の
料金
は払うが、さらに
工場
で、これに伴っての余分のプラスを出すようなことになるのじゃないかということであれば、
使用者
としては、非常にこの
制度
自体が、それだけ
経済
的負担が多くなるという結果になっては好ましくないと思うのですが、この点はどうでしょうか。
法律
できまっておる現在の
料金
そのままでいくとして、新しいこの
制度
に対しては、まず
証明書
を出すとしても、
証明書
の紙なんかは、一体国が持つのか、あるいは
工場
が出すのか。それは
使用者
の負担になるのか。これだって相当なものになるだろうし、したがって、今、定まった
検査
料というものをそのまま、やはりこのとおりであるとすれば、新しい
制度
については、その分の幾分を
指定
工場
に交付するというようなことが、当然考えられておるだろうと思いますが、その辺のところをひとつお伺いしたいと思います。
木村睦男
58
○
政府委員
(
木村睦男
君) 御質問の第一点の、車の
使用者
の立場からいうと、こういった
指定
工場
が多いほど便利であるというお話でございますが、それはそのとおりだと思います。しかし、ただ運輸省といたしまして、初めての試みでありますし、この
指定
整備
業者において
整備
したものに対する保安度の
確保
ということにつきまして、全責任をもって実施するわけでございますので、一応
設備
あるいは人員についての詳細な
省令
の
基準
にあてがって、ふるいにかけて優秀なものをしぼるわけでございますけれども、あとは、自後の監督が主でございますから、したがいまして、当初にスタートいたしますときには、そういう点も考えまして、できるだけ安全度を考えまして、小範囲にしぼっていきたい。で、
実績
を見まして逐次幅を広げていきたい。かように考えておるのでございます。 なお、
経済
的な負担の問題でございますが、これは
指定整備工場
に行きまして、ただ
保安基準
に合っておるかどうかを見るというだけではございませんで、その車の
整備
を必ずいたす、こういうことになっておりますので、本来の
整備
事業としての
整備
業務
が——
整備
サービスがあるわけでございますから、その点におきまして、事業者のほうとしても十分商売になるわけでございます。なお、
役所
の
検査場
に車を持っていかないで、いわば書面審理だけであるから、
役所
に払う
検査
手数料というものについて考慮があってしかるべきではないかというお話でございますが、お説のとおりでございまして、この
検査
手数料は、現在
法律
で定められておりますが、現在でも、先ほどちょっと申しました型式の
指定
を受けました車で
検査
を省略する場合には、やはり
検査
手数料は半額になっております。 したがいまして、根本的に現在、
検査
手数料というものにつきまして検討をいたしておりますので、全般的な検討を行ないますと同時に、御指摘の点につきましても、車を持って
検査場
に来て受ける場合とは差をつけなければいかぬというふうに考えまして、全般的な検討の中で、それを考えていきたい、かように考えております。
金丸冨夫
59
○金丸冨夫君 ただいまの第一点の問題の、
指定
工場
の大体のお見込みは、どういうことでしょうか。お話には二万三千のうちに優良が九百ばかりある。だからこれをさらにしぼって出したいということですが、大体お見込みは、どのくらいの数字を予想されておるわけですか。
木村睦男
60
○
政府委員
(
木村睦男
君) 現在の優良
整備
事業者が約九百くらいありますが、さらにこの
指定
を受けますためには、技術員の
資格
も要りますし、それからいろんなテストの機械も、さらに増備しなければいけませんので、一体この九百の
整備
事業者の中で、どのくらいが
指定
を受けに申請をして参りますかによって数がきまるわけでございまして、現在どのくらい
指定
の申請をするであろうかということは、まだ
実情
がつかめておりませんので、その点が、もう少しはっきりいたしませんと、何とも申し上げかねると思いますが、現在九百くらいあれば、全国的に見まして、その半分あるいはそれ以上の
程度
は
指定
してやってみたい、かように考えてておりますが、これは
現状
におけるただ単なる私の頭の中の考えだけでございます。
金丸冨夫
61
○金丸冨夫君 そして、地域的の問題も、先ほどお話がありましたが、今
陸運事務所
ですか、そういう管下でもってやっているのが、一体、全国に何カ所あるわけですか。
陸運事務所
で今
検査
しておるでしょう、その個所は。
木村睦男
62
○
政府委員
(
木村睦男
君) 現在、
陸運事務所
でやっておりますのは、直轄に
設備
を持ちまして
車検場
を持っておるところもございますし、これは全国で五十九ほどございます。そのほか出張
車検場
と申しまして、
検査官
が出向きまして
検査
をいたしておりますが、これらを入れますというと、約全国で三百カ所くらいになろうかと思います。
金丸冨夫
63
○金丸冨夫君 その出向いて
検査
をするというのは、たとえばただいまの今度
指定
工場
にしようとされるような、そういう業者の
工場
に
検査
員が行って、それを立会って見るというようなことになるわけですか。
木村睦男
64
○
政府委員
(
木村睦男
君) その点ではそうではございませんで、現在
検査官
が出向いて
検査
をしておりますのは、その地方の、たとえば交通安全協会とか、そういうところが、みずから
車両検査
の
設備
を持ちまして、そこへ出向いてやるわけでございまして、その施設を
役所
として借り上げまして、家賃を払って借りて使用しておる場合もございます。そういうところでございますので、今度考えております
指定
を受ける
民間
の
工場
等を使っておるということではございません。全然違うわけであります。
金丸冨夫
65
○金丸冨夫君 そうするというと、結局、ただいまの
方法
によるのが三百、それに直接五十九カ所あるということになれば、やはり三百六十ばかりになって、今回の予定がかりに四百五十、まあ五百としましても、約倍以上になるということになるわけですね。
木村睦男
66
○
政府委員
(
木村睦男
君) そういうことでございます。
金丸冨夫
67
○金丸冨夫君 私はこういうものについて、もちろん
検査
自体が疎漏になってはいかぬし、またいろいろとこのために
事故
が起こるとか、あるいは
車両
自体の非常に安全度が
低下
するようなことになってはたいへんでありまするから、あえてこれを急にふやせということは申しませんが、全体において、かようにふえておりまする情勢から考えて、今一番
使用者
が困っておるのは、やはり
検査
に行っても、一日や二日ではなかなか日取りがとれないとか、あるいはまた、きょういいからということで出向いて行っても、あしたになるとかいうようなことが、非常に苦痛であるという声を常に聞いておりますので、この点はひとつ、新しい
制度
ができました以上、これをよく厳重に監督して、そうしてほんとうにりっぱな
検査
をすると同時に、
使用者
に対して迷惑のかからないようにやっていくようにひとつお願いしたいと思います。 それからもう
一つ
、問題を変えまして、この
保険
のほうの問題ですが、これは自家
保険
の
制度
は、今回これはやはり変わらないというふうに
承知
をしていいですか。
木村睦男
68
○
政府委員
(
木村睦男
君) そのとおりでございます。
金丸冨夫
69
○金丸冨夫君 これは自家
保険
には自家
保険
証というものを出すわけですが、これはお
役所
が出すわけですか。
木村睦男
70
○
政府委員
(
木村睦男
君) さようでございます。
金丸冨夫
71
○金丸冨夫君 この
軽自動車
というのですね、
軽自動車
についての
保険
ができるからというのですが、
軽自動車
というと、どういう定義になるのでしょうか。
木村睦男
72
○
政府委員
(
木村睦男
君)
軽自動車
の定義でございますが、
道路運送車両法
の施行規則にございますけれども、非常に技術的なものでございますが要約して申し上げますと、
自動車
の構造、それから
原動機
、それと
自動車
の長さ、幅、高さ、これらにつきまして、それぞれ
制限
がございまして、たとえば
軽自動車
で二輪
自動車
というのがございますが、二輪
自動車
について申し上げますというと、
自動車
の大きさが、たとえば長さが二メートル五〇、幅が一メートル三〇、高さが二メートルで、そうして総排気量がたとえば「〇・一二五リットル以下」のもの、ここに技術的にこまかく書いてありますが、あとで………。
金丸冨夫
73
○金丸冨夫君 そんなに詳しいことを聞くわけではないのですが、ここに
軽自動車
は二百二万一千百九十一台あると、こう載っておりますね、そのほかに
原動機
付自転車が二、三百万台という……。
原動機
付自転車の最近のあれはどうなんです。
木村睦男
74
○
政府委員
(
木村睦男
君)
原動機
付自転車というのは、いわゆる
自動車
ではございません。ただ
事故防止
の建前から
保険
の問題やいろいろ出て参りました場合に、今の
自動車
損害賠償
の
保険
は、
強制保険
は
自動車
だけである、そうすると、よく
事故
を起こして害を起こすのは
原動機
付自転車が多いのじゃないか、これを
自動車
保険
の対象になぜしないかという話が出るわけであります。そういう場合に
原動機
付自転車が問題になるのでございまして、
原動機
付自転車は、
自動車
ではないわけであります。
金丸冨夫
75
○金丸冨夫君 それから少ししろうとらしい質問かもしれませんが、
有効期間
は乗用
バス
、
営業用
旅客自動車
とか
自家用
バス
及び
ドライブ
・
クラブ
の
自動車
とかいうような場合には、一年に延ばすというようなことになるのですが、これは
自家用
のトラック
関係
はどうなんですか。
木村睦男
76
○
政府委員
(
木村睦男
君)
自家用
のトラックは一年でございます。
金丸冨夫
77
○金丸冨夫君 もう一年になっている……。
木村睦男
78
○
政府委員
(
木村睦男
君) 二年になっておりますのは乗用の、
自家用
の車だけでございます。現在は、そうなっております。そのままでございます。
金丸冨夫
79
○金丸冨夫君 私は、よろしゅうございます。
村松久義
80
○
委員長
(
村松久義
君) ちょっと速記をとめて。 〔速記中止〕
村松久義
81
○
委員長
(
村松久義
君) 速記をつけて。 この際、
委員
の
変更
について御報告いたします。 本日、
小酒井義男
君及び大野木秀次郎君が辞任され、
大和与一
君及び
田中茂穂
君が選任されました。
—————————————
村松久義
82
○
委員長
(
村松久義
君) ほかに御
質疑
はございませんか。——ないようでございますから、
質疑
は終局し討論に入ります。 御意見のある方は、賛否を明らかにしてお述べを願います。
大倉精一
83
○
大倉精一
君 私は日本社会党を代表して、若干の意見を付して本
法案
に賛成をいたします。 まず第一番に、最近池田総理もみずから、目下の重要な私の関心は物価の問題と交通問題である、こういうような発言をなすっておるように現下の日本の交通問題は、きわめて深刻な様相を呈しております。なかんずく本
法案
に
関連
のある交通
事故防止
の問題につきましては、すでに社会問題ともなってきております。 この際、私は政府に対しまして、第一に要望をしたいことは、こういう重大なる交通問題に対しまして、政府は必ずしも熱意を持っておるという工合には認めがたい点があると思います。特に陸運局
関係
におきましては、予算の裏づけというものは非常に寥々たるものでありまして、この事実は、私が指摘するまでもないと思います。特に最近におきまして、先般の日鉄法の
改正
にも見られるように、ともすれば予算の不足ということから、本来、国家みずからが行なうべき
仕事
を
民間
に肩がわりをさせようとする、こういう
傾向
が現われるということは、はなはだ私は遺憾に思います。こういう点につきましては、政府は厳重に反省すべきであると存じます。 第二番目には、
工場
を
指定
するにあたりましては、
基準
を定め、方針を確立をして、一般に周知せしめて、無用の混乱と不明朗な事態を起こさないように、厳に注意をしなければならぬと思います。 第三番目には、
指定
工場
制度
を実施するにあたりましては、非
指定
になった既存
工場
が打撃を受けるということ、こういうことのないように、十分に政治的な配慮が行なわれなければならぬと思います。 その次には、
工場
の
指定
にあたりましては、地域的な配慮が必要であると思います。その
理由
は、
指定
工場
が不当に不必要な競争をするということがありまするというと、営利事業という本質からいきまして、あるいは過剰サービスという点から、この
指定
工場
の機能を健全に発揮することができないということを恐れるわけであります。したがって過当な競争にならないように
指定
工場
の地域的な、あるいはその他の問題を特に配慮する必要があると思いますので、この点は、特にひとつ当局においても、御配慮をしてもらわなければならぬと思っております。 それから最後には、監督を厳重にするという御答弁がありましたが、これは非常に重大な問題でありまするが、しかしながらことはさように簡単ではないと思います。この監督は技術的にも非常に困難な面があると思いますけれども、この点につきましては遺憾のないように、この
制度
を実施されましてから、
車両
の
整備
、
検査
に
欠陥
が生ずるというようなことのないように、あるいはまた不明朗な空気を助長するというようなことのないように厳重に注意してもらいたい。 その他、私が質問の中で申し上げましたことを十分に検討されて、本
制度
の万全を期してもらうように要望いたしまして賛成をいたします。
金丸冨夫
84
○金丸冨夫君 私、自由民主党を代表いたしまして、
本案
に賛成をいたす次第であります。
本案
の主要点は、第一は
自動車検査証
の周期を明示すること、また同時に最近の
自動車
の
増加
及び
事故
の頻発の
現状
にかんがみまして、
自動車
保険
制度
を徹底しようという
趣旨
、この二つは、まことに時宜に適したものであって、特に
軽自動車
について
保険
に
加入
するものが非常に割合が少ない
現状
でありまするので、本
制度
を徹底して、すべて
事故
、災害の場合における責任を明らかにするというようなことは、まことに時宜に適したものである、かように考えます。 また、第三の点といたしまして、
指定
自動車
整備
事業の新
制度
を設定して、そして
増加
する
自動車
の
検査
を厳格にやっていこうという
制度
でありまして、これも事実、国のみで行なうということよりも、実際この
検査
の
実情
から考えて、まことに徹底をさし得る
制度
だと賛意を表するものであります。ただ、新しい
制度
でありまするから、この認可、あるいはまた今後の監督等については、政府におかれましても万遺憾なきを期していただきたい、かように考えます。 以上をもちまして、賛成の意を表します。
村松久義
85
○
委員長
(
村松久義
君) ほかに御発言なければ、討論を終局し、採決を行ないます。
本案
に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
村松久義
86
○
委員長
(
村松久義
君) 全会一致と認めます。よって
本案
は、可決すべきものと決定いたしました。 報告書の作成については、
委員長
に御一任願います。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
村松久義
87
○
委員長
(
村松久義
君) 御異議ないと認めます。 暫時、休憩いたします。 午後零時四十九分休憩 〔休憩後開会に至らなかった〕