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1962-02-15 第40回国会 参議院 運輸委員会 第6号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十七年二月十五日(木曜日)    午前十時四十七分開会     —————————————   委員の異動 二月十四日委員大谷瑩潤君辞任につ き、その補欠として加賀山之雄君を議 長において指名した。 本日委員小酒井義男辞任につき、そ の補欠として野溝勝君を議長において 指名した。     —————————————  出席者は左の通り。    理事            金丸 冨夫君            谷口 慶吉君            大倉 精一君    委員            江藤  智君           大野木秀次郎君            天坊 裕彦君            平島 敏夫君            前田佳都男君            相澤 重明君            野溝  勝君            松浦 清一君            加賀山之雄君   国務大臣       運輸大臣 斎藤  昇君   政府委員      警察庁長官 柏村 信雄君      農林省農林      経済局長  坂村 吉正君     運輸政務次官 有馬 英治君    運輸大臣官房長 広瀬 真一君    運輸省海運局長 辻  章男君      運輸省鉄道      監督局長  岡本  悟君    運輸省観光局長 梶本 保邦君   事務局側       常任委員       会専門員 古谷 善亮君   説明員     運輸省自動車     局業務部長  向井 重郷君     —————————————   本日の会議に付した案件 ○運輸事情等に関する調査  (日本国有鉄道運営等に関する件)  (自動車行政等に関する件)  (都市交通に関する件)     —————————————   〔理事金丸冨夫委員長席に着く〕
  2. 金丸冨夫

    理事金丸冨夫君) ただいまより運輸委員会を開会いたします。  前田委員より発言を求められましたので、これを許します。
  3. 前田佳都男

    前田佳都男君 一言あいさつを申し上げます。私、運輸委員長に在任中は、たいへん皆様に御厄介になりまして、厚く御礼を申し上げます。私のふなれなために、たいへん皆様に御迷惑をかけた点をお許しを願いたいと思います。運輸委員長退任後も私なお運輸委員としてこの委員会に御厄介になりますので、相変わらずどうぞよろしく御指導のほどをお願いいたします。早くごあいさつを申し上げるはずのところ、少しく旅行いたしておりましたので、たいへんおくれましたことをおわび申し上げます。ありがとうございました。(拍手)     —————————————
  4. 金丸冨夫

    理事金丸冨夫君) まず委員の変更について御報告いたします。   昨十四日、大谷瑩潤君辞任され、加賀山之雄君が選任されました。  本日、小酒井義男君が辞任され、野溝勝君が選任されました。     —————————————
  5. 金丸冨夫

    理事金丸冨夫君) それでは運輸事情等に関する調査を議題といたします。逐次質問を許します。
  6. 野溝勝

    野溝勝君 少しこの際運輸行政の二、三の点について質問をいたしたいと思います。その前に出席政府当局者はどなたが来ていますか。
  7. 金丸冨夫

    理事金丸冨夫君) ただいま運輸大臣、それから政務次官並びに海運局長鉄道監督局長観光局長、以上が出席いたしております。
  8. 野溝勝

    野溝勝君 議事規則に基づいて、私は委員長にお願いをするんですが、私は前々から質問に対する理事者の人を要望しておるのでございますが、きょう営業関係について、その担当しておる運輸省局長、もちろん営業局長というのはないのでございますが、その方はどなたが担当するのでございますか。
  9. 金丸冨夫

    理事金丸冨夫君) 鉄道関係でございますか。
  10. 野溝勝

    野溝勝君 ええ。
  11. 金丸冨夫

    理事金丸冨夫君) 鉄監局長出席されておりますから、差しつかえないと思います。
  12. 野溝勝

    野溝勝君 では、私まず第一にお伺いしたいのは、最近輸送の問題につきまして、運輸省並び国鉄が、運輸行政輸送合理化の問題について非常に施策をされておるようでございますが、その輸送合理化に対する動きが、ややともすると、一般人に非常に経済的支障を来たして、不安の点が非常に出てきておるのでございます。こういう点について、一応この際輸送合理化に対する当局見解をお伺いしたいと思います。
  13. 岡本悟

    政府委員岡本悟君) お尋ねの点は、国鉄輸送合理化を行なうために、かえって一般利用者に迷惑をかけておる点も出ておるのではないかということではないかと拝察申し上げておりますが、たとえば貨物輸送効率化合理化をはかるために貨物取り扱い集約をやっておりますが、そういうことは、かえって一般利用者に迷惑をかけておるのではないか、こういうふうなお尋ねであろうかと存じますが、運輸省といたしましては、現在の国鉄貨物輸送体制というものが、列車のスピードから申しましても非常にのろい。そういうことから効率が悪いということは認めておるわけでございまして、スピードアップによって輸送効率を上げるということは、とりもなおさず、一般的にいいまして国民経済に対して大きく寄与する、こういう観点からやっておるのでございまして、個々利用者には、あるいは不便になることもございましょうけれども、全般的には一般経済に大きく寄与する。こういうふうに考えてやっておるものと思いまして、ある程度はこれを認めておるのでございます。ただ問題は、個々利用者に対しては十分理解を求めまして、極力摩擦のないようにやってほしいということはそのつど要望いたしております。
  14. 野溝勝

    野溝勝君 鉄監局長から、輸送合理化について貨物取扱駅の集約の問題を指摘されてお話しされたのでございますが、もちろんその問題は今回の合理化のうちの焦点になっていると思います。私は、もちろんこれは経済的に農民に対して大きな影響があるのでございますから、その点を最後にお伺いしたいと思ったのですけれども、せっかくお話が出ましたので、それに対して−−新聞などにはちょいちょい出るんですが、本委員会には、これらに対する具体的のものがまだ示されておらぬと思うのです。私は、同僚から承るところによると、その合理化内容について、たとえば、本社並びに支社別関係であるとか、あるいは線別関係であるとか、あるいは営業状況並びに決算への見通し採算見通し、こういうようなものが資料としてまだ提示されておらないのであります。私はこの際、委員長に対し、これらの資料が本委員会に提出されるようにせられんことを要望しておきます。  その大体の方針を私は聞いたのでございますけれども、一般の人には非常に有利で、特殊の人に不利というのでございますが、その特殊の人に不利とは、どこを一体考えておるのですか。
  15. 岡本悟

    政府委員岡本悟君) 貨物取扱駅の集約ということになりますと、現在国鉄営業キロは約二万キロございます。これは御承知のとおりでございますが、貨物取扱駅は約三千八百ございます。つまり五キロに一つずつ貨物取扱駅があるという結果になっております。そのために、各駅取り扱いをいたしますと、スピードが非常にのろくなる。こういうことでございますので、なるべくなら、それを集約いたしまして、つまり間引くということにするわけでございますが、間引かれた取扱駅を利用しておった方々が不利をこうむる、不便をこうむる、ということにはなるわけでございます。そのことを申し上げておるのでございます。
  16. 野溝勝

    野溝勝君 今鉄監局長が言われたとおりであると思うのです。確かにその特殊の人に不利を招くということは、間引かれた地域不利益を招くということになるということは、私もあなたと同感だと思うのです。しからば私は、その間引かれた場所が一体どんな経済状態にあるかというようなことを考慮されて、単に輸送合理化が−−もちろん国鉄輸送効率の上がることは考えなければならぬのでございますが、やはり国鉄そのものは、あるいは運輸省が監督しておる輸送事業そのものは、これはやはり一つ公共性を持っておるのですからね。公共性を持っておるものであるならば、私はそういうような点について十分な配慮をめぐらさなければならぬと思う。同時に私は、一つ輸送行政、まあ運輸行政でございますが、これをやる場合にも、国の施策とにらみ合わせて、といいますか、並行して政策をやっていかなければならぬと思うのでございますが、こういう点に対しては、運輸大臣はどういうふうにお考えになっておりますか。  農林大臣を呼ばって下さいよ。河野君を、前から通告してある。
  17. 斎藤昇

    国務大臣斎藤昇君) 貨物駅の集約の問題は、確かに野溝委員のおっしゃる問題を含んでおると思います。国鉄貨物駅の集約の問題は、私が運輸大臣に就任する前から一応方針としてとられておったわけでございまするが、まあ私はできるだけ集約のために廃止をされる駅の利用者方々了解を得てやるようにしてもらいたい、しかも駅の廃止をしても大した支障がない、道路が非常によくなった。その駅へ持ってこなくても、隣の駅へ持っていくのにそうたいした支障がないというような点をよく勘案をしてやってもらいたいと今、日はそういうことを希望して、事実そういうようにやっているわけであります。問題は、今日国鉄独立採算制になりまして、そうして採算ということを非常に強く考えておりますが、これも非常に必要なことでけっこうなことだと思います。できるだけ冗費を省いて、そうして能率的に、効率的に経営をするということは、これは最も必要なことでありますが、しかし独立採算にあまりに走り過ぎるために、いわゆる公共性を失うということがあっては困るじゃないか。これは不採算の線路の経営や、あるいは新しく着工する場合も適用する問題でありますが、私は採算がとれないところでもやるというところに国鉄の一半の使命があると、こう考えております。今日の貨物駅の廃止の問題は、一方に非常に大きな貨物輸送需要がふえて参り、そのために貨車需要も非常にふえてきて、同時にその路線を有効に活用するためには、スピードアップをするという問題も含まれてきておるわけであります。したがいまして、限られた予算、限られた路線の範囲内でどうして全国貨物輸送に対処するかという問題とからんでいるわけであります。路線が改良され、全部複線化され、そして貨車も十分あるという際には、こういう問題は人件費を除いてはたいした問題にはなるまいと思うわけでありますが、今も鉄監局長が説明いたしましたように、五キロに一つずつの貨物駅があるということでは、これは限られた貨車配車に非常に苦労をいたしまして、そのために有効に貨車を利用することができないという一面の要請がありまするので、しかし、先ほど申しまする公共的な使命というものがありまするから、この調和をはかっていかなければならぬのが現在の段階ではなかろうか。そこで、実際問題として非常に不便になるというようなところは、これは無理にやらないようにということで、一応計画を立ててみましても、これは無理だという所は、逐次その計画からはずすように指導いたしております。
  18. 野溝勝

    野溝勝君 運輸大臣斎藤さんのお答えは、大臣といたしましてまことに慎重な考え方だと思っておるのでございまして、さような考え方が私は行政主張としては正しいと思っておるのでございます。さような考えであるにかかわらず、この大臣考え方と一致しない方向にどんどん行政指導が進んでいる面があるのですが、こういう点で相当問題のあることを耳にしておりませんか。
  19. 斎藤昇

    国務大臣斎藤昇君) 私、二、三問題のあるところを聞いております。そのたびに、いつも今申しますような方向で話をいたしておりまして、地元の方々と話ができない以上は、無理に強行いたしませんと、こう国鉄当局は言っておるわけでございます。
  20. 野溝勝

    野溝勝君 私はざっくばらんに申し上げるのですが、とにかくこの輸送合理化考え方は悪いことではないと思うのです。先ほど監督局長お話しになったとおりですね。やはり合理化して能率を上げていく、そうしていわば国鉄の成績も上げていきたいというのでございますから、その考えはいいと思うのです。考えはいいと思うが、政治というものは、国民生活上逆の一つ動き、現われが出てくるという場合は、それは実施の前でございますから十分考えなければならない、再検討しなければならないと思うのです。  ただいま運輸大臣は二、三問題のあることを聞いたというのですが、これは全国的に問題が起こっているのです。たとえば全国協同組合−−農業協同組合、それから日本農民組合、この農民関係は、この輸送合理化によって非常に経済的な障害を来たしている。こういう点、各地と毛これは滞貨が出ております。それから、これはもう政党政派の問題じゃないから、各地とも貨物取扱駅が廃止になった場合には大きな政治問題になる。一年だけの問題ではない、永久の問題になるということで騒ぎ出しております。  さらに、今、委員長了解を得まして農林当局を招致いたしておりますが、いまだ見えませんか……。そこで、今、農林省経済局長が来られるそうでございますので、運輸委員同僚方々にやはり一応その意見をひとつ聞いていただくことにいたしたいと思います。私はこの問題に対し運輸当局の決断を、最後に願うことにしたいと思いますが、それと同時に、私はこの際、ひとつ運輸大臣のいるところで申し上げておきたいのですが、先般、秋田に参りましたところ、秋田の農協、農民組合では、全部一緒になって、あるいは町村当局一緒になって決議をしております。特にそれは農村地域における町村が多いのでございますが、私に陳情書を渡しまして、ぜひこれを運輸大臣運輸当局へひとつ伝達を願いたいというのでございますので、代表的なものでございますからひとつ私はここでそれを読み上げます。これは一つの例でございますから、あと、以下推して……、長野県におきましても、先般、諏訪郡川岸村において全県的な大会をやって同じような決議をしております。昭和三十六年十二月中にこれは全部行なわれましたが、私の行ったのは、十二月五日、秋田仙北田沢湖町の神代という農村地区において大会がございまして、その大会決議されたのです。「国鉄貨物集約輸送計画によって神代駅の貨物取り扱い昭和三十七年三月初旬から廃止するやに聞き及んでおります。われわれ関係者協議会を持ちまして、数次にわたり秋田鉄道管理局陳情を重ねてきたが、強硬に計画どおり実施しようとするというのであります。これが実現に伴い、地域住民に与える産業経済上の影響の大なるはもちろん、さらに主要生産物である米、大材、木炭の移出、肥料、飼料、農薬、農具、その他生産生活資材物資の移入はすべて集約先の大きな駅で扱われることになり、小さい僻地地区にある駅は廃止される現状にある、よって国鉄当局においては、かようなことにもし実施をする場合においてはわれわれ僻地地域にある住民並びに一般農民経済上の不利益が甚大なものであって、さような点についてはわれわれは断固承服することができないから、さようひとつ配慮をしてもらいたい、」こういう趣旨でございます。この中で特に仙北郡の一つの村を申し上げます。田沢湖町のうちの神代部落だけでございますが、ここの駅の取扱駅が廃止されることによって、この部落だけでも、耕作しておる面積が一千四百町歩、これに要する肥料、えさ、農薬その他木材などの取引は一千数百万円に及ぶ、こういうことなんです。これは一つの例でございますが、さらに昨十四日には、長野県の雪積地帯新潟境の上水内郡の栄村というところで農民大会が行なわれました。ここでは積雪のためにもうこの個所以外には、ほかに輸送機関というものは全然ありません。よってもしこれが廃止されるということになれば、目も当てられない悲劇なんでございます。特に山間豪雪地として鉄道輸送以外には他に方法がない。また、生産生活資材の販売、購売としては住民の負担が重くなる、したがって、山間豪雪地産業生活を破壊する、国家企業合理化方策として農民を苦しめ、ことに山間僻地住民は、この合理化のために非常な窮地に陥らしむることを承知願いたいということなんでございます。こういうように、全く今日の農村はこの輸送生活経済というものは密着しておるのでございます。  先ほど大臣並びに監督局長からもお話がございましたごとく、非常に生活資材並びに生産資材輸送が多くなりまして、各駅とも私は配車の問題で相当痛めつけられ、苦しんでおると思うのでございます。かような情勢をよく承知しておりながら、かような乱暴な輸送計画を進めるということは、考え方はいいのでございますが、あまりにも現実生活の苦しみあるいはその実情等に対しまして一方的ではないかと思うのでございます。今、大臣からお話のありましたごとく、われわれは公共事業であるだけに独立採算で苦しい点もあろうというところから、政府並びに議会におきましては、本年度において四億円の国鉄に対する利子補給をしておるわけでございます。私は、この国会における気持というものを運輸行政当局はどう考えておるのか。これは斎藤大臣の非常な努力と、まあいわば運輸行政理解に努めておる一つの現われがそういう結果にもなっておると思うのです。これは、一つの、利子補給国鉄の全般的な問題とはいいませんが、とにかく一応国家予算で出しておるわけなんです。してみれば、その公共性——独立採算をしていかなきゃならぬが、今のようなそういう一つのへんぱな経済の格差ができ、さらに農業生産支障を来たしてくるということになりますれば、私は鉱工業生産にも結果的には支障を来たしてくると思うのです。こういうような事実が、もうこれは至るところに現われておるのです。これは秋田、福島、群馬、新潟各県や北陸の富山県においても福井県におきましても、あるいはその他九州においても四国においても大会を持たれておりますから、これはおわかりのことだと思う。これほど全国民的な規模において日本国民経済の上において支障を来たすということで反対しておるものを、あえて私はこれを、まだ計画を変えないというような考え方でおるということは承知ならぬのでございまして、今、大臣から聞いてある程度の私は安心をすることもできますけれども、いま一段と大臣はこの事実に対して一体どういうふうに今後しようとするのか。あるいは私は、農業基本法という政府の一貫せる政策方針と、この農業生産上の問題とが食い違いを起こしてくるのですが、これに対して、運輸当局は一体どう責任を負うのか。こういう点を、ひとつ私はこの際聞いておきたい、かように思っております。
  21. 斎藤昇

    国務大臣斎藤昇君) 私は、先ほど申し上げましたように、国鉄使命は当面の輸送需要を満足させる必要がありますと同時に、地方産業の開発あるいは文化の向上等に役立たせるという他の使命を持っておると思います。まして現在幾らかでも地方産業に役立っているものを、それを廃止をするということで非常な障害を与えるということは、これはよくない、こう考えております。先ほど申しますように、全国の急増する需要を満たすために国鉄貨物駅の集約制度考えましたその方向は、必ずしも間違っていないと思いますが、これを強行することによって、ただいまおっしゃるような事柄の起こってくるところは、これは一応計画に入っておっても、そういう状況だということがわかれば是正すべきだと思っております。大体一日の平均扱い量六トン以下のところを対象にしてそして検討してみるというので、その検討の段階においていろいろここを廃止されてはこういう支障が起こるというところが出てきているわけであります。地方の先ほど申しました状況等によって大した影響がない、国鉄のそういう要請なら、ここはひとつしんぼうして、そして次の駅へ持っていっても今日の交通事情からよろしいというようなところ、地方了解を得られるところは基本方針に沿ってやる。地方の、なるほど地方実情を聞いてみて、これは非常に無理だというところはその計画からはずす、こういう方針で今いかしているわけでありますが、徹底をしておりませんような様子であれば、さらにその方針徹底をするように私として努力をいたしたいと思います。
  22. 野溝勝

    野溝勝君 大臣お答えはよくわかるのでございますが、実は実際この通達が出て——きょう私は通達内容をここで発表いたしませんが、大臣考えておるような通達にはなっておらぬわけなんです。ここにもつと具体的な問題がある。ですから、そういうことのために非常に不安なんでして、今日滞貨は続々と出ております。私も全国的に調査をしています。さらにそのために非常に不安で、その地方住民会合会合ばかりを持っています、各地で。これでは実に生産支障を来たすのでして、いっときも早く私は今の大臣見解をここに生かすことが必要だと思うのです。ですから今大臣答弁によりますると、画一的にやるのじゃない、だから支障のないところはやる。だからそのために誤解があるようならばさらに通達を出す、こういうお答えですから非常にそれは当を得た、当然な方針と思うのでございますが、現実にかように国民生活上の大きな障害を起こしているわけなんです、——至るところ会合をやっておる、至るところ毎日々々町村議会から農業協同組合から、農民組合から、この状態というものは容易ならぬことだと思うのです。——、ですから今の大臣考えておる見解、これを私はそういう誤解があるということならば、一日も早くそれを出してもらいたいと思います。そういう点に対する見解を聞きたいと思います。
  23. 斎藤昇

    国務大臣斎藤昇君) 先ども申しておりますように、御要望に沿うべく配慮をいたしたいと思います。
  24. 野溝勝

    野溝勝君 農林省からだれか見えましたでしょうか。
  25. 金丸冨夫

    理事金丸冨夫君) 野溝君に申し上げますが、局長関連質問でちょっと……、今すぐ見えるそうでございますが。
  26. 野溝勝

    野溝勝君 それじゃ政務次官でよろしゅうございます。後ほどでもよろしゅうございます。
  27. 金丸冨夫

    理事金丸冨夫君) すぐに見えるそうでございます。
  28. 野溝勝

    野溝勝君 それでは大臣から明確な御答弁がありましたし、さらには公共企業体としての性格の規定、仕方並びに考え方、それでさらに具体的には貨物取扱集約の問題に対する見解、こういうお答えがはっきりありましたので、私はこの問題についてはこれをもって打ち切りたいと思いますが、農林関係の諸君に申上げておきたい。運輸当局はこういう運輸行政に対して早くからかような意見運輸当局の方へ連絡をしてやっておくべきであると思うのです。この点私は農林当局にも責任があると思うのです。そういう点について農林当局にも一言私は国民の名において一つ河野君によく伝えておきたいと思いますので、今当局が来たらばその意見を出すことを委員長に御了解を願いまして、私は次に進めたいと思います。  第二の問題は、国鉄関連会社は、いわば子会社と俗に称しておりますけれども、どのくらいあるのございますか。これは営業局長のほうから……。いなければ理事というのか……。
  29. 岡本悟

    政府委員岡本悟君) お尋ね子会社というお話になりますと、実はまあ世間一般でいわれております子会社と申しますと、一定の資本を投資しておる会社であると思います。まあ相当のつまり株を持っておる会社だということになると思いますが、そういうものは現在ございません。御指摘の子会社というのは、むしろいわゆる世間でいっております外郭団体、こういうものではないかと思いますが、つまり鉄道弘済会であるとか、あるいは交通公社、そういったようなものを外郭団体というふうに世間一般で申しておりますが、そのことではございませんでしょうか。
  30. 野溝勝

    野溝勝君 国鉄公共企業体のことでございますから会社とは申されませんから、子会社ということも当たらぬかもしれませんけれども、外郭団体といえども大体は国鉄影響下にある団体でございますから、世間の見る子会社ということも、私はまあ間違っておらぬと思うのでございます。それは外郭団体という名でもけっこうです。その外郭団体はどのくらいありますか。代表的なものを一つお知らせ願いたい。
  31. 岡本悟

    政府委員岡本悟君) 私、全部今記憶いたしておりませんので、別途調べまして御提出申し上げたいと思いますが、お許しいただけますでしょうか。
  32. 野溝勝

    野溝勝君 何か私が奥歯に物がはさまったような聞き方をするように誤解されてもいかぬですが、実はいろいろな方面から意見がございますので、この際にこうした公の委員会を通して明らかにしておくことがやはり運輸省なり国鉄のためにはなると思って私は申し上げておるので、私の知っている範囲では、弘済会、日本食堂、交通公社、建設会社、清掃事業、倉庫事業−−倉庫事業は今やろうとしておるのでございますが、こういうのが代表的なものでございますけれども、こういうものは独立採算のような格好にしておるのですが、その間の国鉄外郭団体関係について私しろうとでございますから、ひとつこの際お聞かせ願いたい。
  33. 岡本悟

    政府委員岡本悟君) これはお尋ねのように独立採算でやっているかどうかというようなことではございませんで、全然別個の経営体でございます。ただ世間外郭団体と申しておりますのは、たとえば鉄道弘済会を例にあげますと、この弘済会のおもなる役員が国有鉄道の出身者である、それからまた仕事が主として国有鉄道の駅の構内であるとか、そういうことでございまして、国鉄の会計と別個に独立採算でやっているとかなんとかという程度のものではなく、全然別個のものと考えてよいかと存じます。
  34. 野溝勝

    野溝勝君 この際、農林委員会のほうへ出席中の坂村経済局長が来たということでございますので、この際私は坂村局長−−農林省代表の同君にひとつ意見質問を合わせて申し上げたい。  先ほど来運輸当局輸送合理化の問題について−−、貨物取扱駅の小さいのが廃止されるということなんでして、これの経済的に及ぼす影響が大きい。特に農業基本法なんということをやり出している中で、より一そう農民経済的な打撃を与えているこの問題に対して農林省がぼんやりしていることはおかしいと思う。だからこの席上で私はあなたよりは、農林大臣河野君に出席するように望んでおいた。きょうは農林省当局を鞭韃する意味ですから、あなたから河野君によく言うて下さい。運輸当局は、これはまだ検討中だということです。さらにもし公共企業体としての性格をあやまれることがあってはたいへんだから、そういう点については細心の注意を払い、慎重にやっていく。そこで画一的に貨物取扱駅を集約するというのじゃない。そういう希望のない所は、むりにしない。しかし、その間いろいろ誤解があるから、その誤解のないように通達を早い機会にする、こういうことになる。特に経済局長は、農村関係農民関係経済担当の局長ですから、あなたは専門局長なわけです。ですからこの点を農林大臣とよく十分相談をされて、やはり運輸大臣がさようなりっぱな考えを持っておられるのでございますから、至急農林当局のほうでも農民農村を代表する主務官庁として、運輸当局と至急折衝されて、そのような誤解を一掃し、また農民経済障害になることに対して十分連絡をとって善処を願いたい、こういう意味で一つあなたをお願いしたいのです。
  35. 坂村吉正

    政府委員(坂村吉正君) 御質問の趣旨でございますが、貨物駅の集約化という問題は、国鉄の面からみますると能率を上げる、こういう意味もあるのでございまして、数年来からそういう方向各地で一時は問題を起こしたこともございますけれども、私どももこういう問題は農産物の輸送の面からいいましても、いろいろ問題があるわけでございまするので、そういうような点で一面におきましては不便もございまするけれども、また青果物並びに魚、そういうものを輸送する場合におきましても、一面においては非常に能率が上がって輸送の時間が短縮する、そういうようなことになりますと、経済的にもまた一面においてプラスになる面もあるわけでございます。そういうような両方の面を十分いろいろ考えましてやっていかなければならぬ、こういうようなことを考えまして、もうすでに一昨年からでございますが、私のほうでも非常に関心を持って、国鉄のほうにもそういう趣旨で申し入れをいたしております。そうして具体的にいろいろ各地でそういう集約化が現実に起こります場合におきましては、方向といたしましては集約化に具体的に協力をする。こういう方向でしかも非常に大きな影響があって、農産物の輸送等についても住民に負担がかかっても困るというような場合には、十分また考え直さなければならぬという面もございますが、できるだけそういう摩擦を避けまして、そうして円滑に輸送のほうも能率を上げていってもらう、こういうような方向で協力をしておる。こういうつもりで考えておるわけでございます。
  36. 野溝勝

    野溝勝君 坂村君、君運輸大臣のほうがもっと農民理解のある答えをしておるわけですよ。そんななまくらのような答えじゃないですよ。運輸大臣のは、そういう農民障害となっておるような事実があるならば十分配慮して、さような誤解のないように一掃し、さらにそういう意見のあるところに対して、われわれとしては積極的に画一的に貨物取扱駅を廃止するがごとき印象を与えないようにしようというのです。農林当局から見てこれは、まことにけっこうな答えなんですから、非常に積極的にひとつ私のほうでも運輸当局と連絡をとって善処いたします、こういう答えを得ればそれでたくさんです。
  37. 坂村吉正

    政府委員(坂村吉正君) 運輸当局のほうにおいても、そういう農業の問題については理解を持っていろいろ処置をいたしていただいておるのでございまして、私ども十分連絡をとって、農民に迷惑をかけないように十分処置をしていきたい、こういう考えでおります。
  38. 野溝勝

    野溝勝君 それでは先ほどの質問の継続を願いたいと思います。このいわば外郭団体、われわれから見ると子会社と見ておるのでございますが、この外郭団体独立採算でやっていく、こういうことなんでございまして、しかしその独立採算をやっていくにいたしましても、国鉄の土地並びに駅構内あるいは車内、そういうものをこの企業体は利用といいますか、使用しておるのでございますが、そういう間の契約などはどういうふうになっておるのでございますか。
  39. 岡本悟

    政府委員岡本悟君) たとえば鉄道弘済会の例をあげて申し上げますと、鉄道弘済会が構内営業と称するものをやっております。つまり鉄道の駅の構内のたとえばプラットホームを利用しまして、そこに売店を営む、こういう場合には一種の使用貸借になるわけでございます。しかるべき契約で定められた使用料を納めましてそこを使って営業いたしておる、こういう格好でございます。
  40. 野溝勝

    野溝勝君 それでは私はもっと具体的にお伺いするのでございますが、こういうそれぞれの外郭団体運輸省国鉄とそれぞれの人事交流をしておるようでございますが、もちろん私はそれは仕方がないと思うんです。しかしそれがどうも人事交流をしておるだけに、ややともすると、国鉄の利益になることも、こうした方面の外郭団体に利益を多く与えるために、国鉄収入を増すということのできない場合もあると思うんです。もっと具体的に言えば−−私が言わなくても大体もうご理解できると思うんです。いろいろあるこういう事業を、いま外郭団体にさせているのではあるけれども、やはりその間に国鉄のほうへそのうちどのくらいの利益があった場合は、これを還元させるとかいうようなことについて−−、政府がやっぱり、補助金を助成もしておるんですから、公共企業体といってみたところで、これはやはり国民の財産を委託したようなものでございますから、そういう点から見ると、監督官庁の運輸当局が野放しにしておくということもどうかと思う。私は国民の財布の問題を大いに心配しておる議員であるだけに、そういう点も非常に心配せざるを得ないのでございますが、こういうようなことについて何か検討をされ、または考えておる点がありますか。今のままでいいんでございますか。
  41. 岡本悟

    政府委員岡本悟君) 御指摘の点につきましては、もうかねがねから問題になっている点でございまして、国会あるいは世間一般からもしばしば指摘を受けております。運輸当局といたしましても、この点は十分勘案いたしまして、特に鉄道会館事件以来非常にやかましくなっておりますので、国鉄の財産の貸付その他につきましては、十分の配慮を加えさせている次第でございまして、たとえば貸付料にいたしましても、世間一般並みに取らせる、国有鉄道が安い賃貸料で貸しまして、結果的には損失を受けておるということのないようにさせておる次第でございます。この点は特に昨年御承知のように、国有鉄道の運賃法の改正をお願いいたしまして、運賃値上げをいたします際にも、みずからのえりを正して国民の前にぬかずく、こういう精神でそのときに再びこういった問題についても、全面的に再検討を加えさせまして、十分注意して財産の管理も行なっておるような次第でございます。
  42. 野溝勝

    野溝勝君 斎藤大臣、私はあまりぎごちない質問はこれ以上しないですが、実際外郭団体というのは世間では国鉄がやっておると見ておるんですよ。弘済会だとかあるいは国鉄の建設会社とか、あるいは交通公社というものもやはり国鉄がやっておると見ておるんですね。見ておるのはいい、私は普通、あたりまえだと思うんです。なぜかというと、国鉄関係運輸省関係の人が入っているからそれはそれでいいんです。だからそういう点から、あの利益はどこへ入っていくのだろうというようなこともやっぱりいろいろと誤解を生んでおるわけです。ですから、そういう点は十分私は配慮されたほうがいいと思います。これは特にこういう国会ででも意見がなければ、斎藤大臣もやかましく言うには、ちょっと遠慮するだろうから、十河君に対して、野溝がうるさくていかぬ、あるいは委員からこういう点の質疑があったということになる、私はそういう意味でこの際大臣にむしろ警告を発しておきたいと思うんです。その点に対して、大臣はどういう考えをもって今後この外郭団体に折衝するか、その考えをひとつお答え願いたい。
  43. 斎藤昇

    国務大臣斎藤昇君) 局長が答えておりますように、国鉄の建物、敷地等を貸している、あるいは使用させている、あるいは、国鉄の営業というものを背景にして何か営業をやっているというような場合におきまして、今日のそういった関係会社あるいは団体等が相当収益を上げているというような場合に、今までどおりでよろしいかどうかという点を検討してみろという御意見はごもっともだと思います。御警告の次第を受けまして、よく検討いたします。
  44. 野溝勝

    野溝勝君 それでは、私はもう一点だけ質問をして私の質問を打ち切りたいと思います。  次に、日通の関係でございますが、委員長は前日通社長でございますが、日通というのは−−私はしろうとでよくわからぬのでございますが−−これは国鉄のように公共企業体にはなっておりませんが、まあいわば独占企業体なんでございます。この日通の監督というのはやはり運輸省がやっておると思うのでございますが、いかがでございますか。
  45. 岡本悟

    政府委員岡本悟君) そのとおりでございます。通運事業を営んでおりますので、運輸省が監督をいたしております。
  46. 野溝勝

    野溝勝君 そうすると、この日通というのも、国鉄と同じように子会社をたくさん持っておるんですな。たとえば太洋自動車であるとか、自動車販売業、旅行あっせん業、プロパンガス、先般の予算委員会においては永井議員から質問が出ましたが、液体燃料の会社までやっておる。こういう一つの独占企業体が、あれもこれもと、こうやるのでございます。これは法律を見るというと別に悪いということは書いてはありませんが、経済力集中排助法はなくなったけれども、独禁法というものがまだ生きておるわけなんです。それで公取委員会というものがあるんです。その精神から見ると、やはり国鉄にしても、日通にしても、あまりにどうも一般産業のほうをどんすこどんすことやっていくのでございますけれども、こんなことをしなけりゃいかぬのでしょうかな。監督官庁の運輸省に私はその明確なる御見解を聞かなければ、われわれ政治家にはちょいとわからぬのでございますが、いかがなものでございましょうか。
  47. 斎藤昇

    国務大臣斎藤昇君) 通運事業はこれは今日では独占事業ではございません。日通のほかに通運会社が今たくさんできておりまして、戦後はこれは独占企業にはなっておらぬのでございます。したがって、日本通運は、これは通運事業をやる一つの私の会社で、独占企業体ではございませんので、したがってその通運会社が、たとえば日本運送とか、そのほかの通運会社もありますが、通運会社が、通運事業の使命を十分に果たしておるという限りにおきましては、これは一私会社でありまするから、ほかの事業を兼営をいたしましても、これは何ら支障がないと、こう考えております。
  48. 野溝勝

    野溝勝君 大臣斎藤君ね。君、しろうとに答えるようなことはそれはなるべくやめてもらいたい。それは幾つも会社はあるが、何といっても代表的なものは、ほとんど九割近くまでは全くこの日通がやっておるのでして、そういう点から見ても、代表的なものであることは間違いないんですから、そういう点において、私はいわゆる法規上の独占会社とは言っておりませんけれども、大体そういう傾向にあることは間違いないんです。ですけれども、私は、先ほど来国の施策運輸行政とはどういう関連を持っておるかという質問に対して、大臣は、やはり国の施策となるべく軌を一にした方向努力したいというような答えをしておるわけだ。今日、国は中小企業に対して非常に配慮され、心配されておるわけです。今回の年末資金にしてもあるいは今回の三十七年度中小企業資金にしても、力を入れようとして努力しておるわけですよ。そういうときにだね、中小企業は今日金融の梗塞から−−これはやはり政府がやり方を間違えておったから仕方がございませんが、国際収支の赤字を招いて、まあ池田君に言わせるというと、十一月ごろはよくなるだろうと言われるのでございますけれども、何を勘定してよくなるのか、それはわかりませんが、いずれにしても、中小企業は金融梗塞のために非常に支障をきたしておるのですよ。これは私が言わぬでも、政府当局のあなたが十分御承知のことなんです。その中小企業の育成のために、政府は大いに馬力をかけようというときに、こういち中小企業のやるような仕事をどんすこ、どんすこやるということは、私はどうかと思うのです。やっていけないということはないけれども、行政指導上、大臣が私は配慮をすべきものじゃないかと思うのです。さもなければ、こういう点については総合的に検討しなけりゃならぬと思っておるのです。こういう点について一つお伺いしたい、次に私がお聞きしたいことは−−、これは委員長のいるところで、はなはだ申しわけないのですが−−、(笑声)ハイヤー会社までやろうというのだ。すでに福島県におきましては、あの磐梯吾妻コースが非常に観光客が多いところから、あすこでひとつ一もうけしようというねらいなんでしょうけれども、いかに言っても、あすこの自動車、ハイヤー会社なぞは、まあ十数社あるそうですが、いずれも零細な企業なんです。そこへもってきて、あの大資本といいますか、大企業といいますか、背景があすこへもっていってどんとやるということになりますれば、非常にあの地方のハイヤー会社というものは不安でたまらない。そこで今大さわぎを演じています。先般も内閣方面にまで運動をして、あるいは運輸省あたりも−−きょうは自動車局長出席されておると思うのでございますが、まあ猛烈なあれは反対をされておるわけだ。これじゃ食っていけないというわけです。ですから、私は日本通運が、会社の成績が悪ければともかくですよ、利益を得ておるのですからな、利益を。一億何千万という、考課表を見ると利益が出ておるのですから。それじゃまだもうけが足らないというわけで、手を出すのだと思うのだがね。これはちっとおかしいですよ。今の中小企業の重大問題のときに、そういう点について、運輸大臣も必ず耳に入っていることだと思いますけれども、先ほどの運輸大臣答弁によりますと、政府施策となるべく違わないような方針努力していきたいと思うという御意見がございましたので、そういう面については慎重に考えておるのじゃないかと思いますので、私はこのハイヤー業までをやるということに対しては、十分留意をされて、行政指導によってさような問題の起こらぬようにしてもらいたい。もし、かようなことが起こるというと、これは全国各地に問題が起こってくるのでございまして、これは単に福島県の問題ではございますが、今全国的な協議会をやって、かようなことになったのではたいへんだというわけで、今彼らは結合して、この運動をそれぞれ開始しているようでございます。こういう点については、賢明なる運輸大臣はどういうふうにお考えになっておりますか。その点をひとつお伺いしたいと思います。
  49. 斎藤昇

    国務大臣斎藤昇君) 先ほどのお尋ねは、日通は独占企業だという前提のように思いましたから、私はああいうように答弁をいたしましたが、今のお話を伺いますると、これは大企業が中小企業を圧迫をしているというようなことについてどうかということは、私は考えなきゃならぬ問題だと思います。日通がどうだこうだという問題じゃございません。政府方針といたしましては、中小企業の育成ということを考えているわけでありまするから、したがって、これが日通であろうとなかろうと、ほかの大企業につきましても中小企業を圧迫していくということに対処する方針は立てておるわけであります。私のほうの所管をしておりまする、今おあげになりましたハイヤー、タクシーというようなものも、現在の中小企業を形態としてやっていっておりまするものが、これが脅威を受けないようにやはりやらしていくという必要があると私はそう思っております。しかしながら、そういった中小企業のないところで、資本を持ってくるところがないというような、必要があればそれは大企業を背景にした資本でやるという場合もあり得ると思いますけれども、現在の状況がすでに満足な状況にいっているというところに大資本を導入してくる必要は私はないと思っております。日通がどうとかこうとかいうわけじゃございません。ほかの大会社であっても私は同じことだと、そういう方針で自動車の営業の免許はいたしておるわけであります。
  50. 野溝勝

    野溝勝君 運輸大臣はなかなか政治家的発言をされておるが、私もその気持はわかるが、今の答弁において私は大体わかりました。単に、私は今言うとおり、福島の問題だけ出したのですが、ほかでも同じことがでて参ると思うのです。日通という企業といいますか−−、一つの従来の本業ですね−−、運輸行政、自動車も、増車も運輸行政ですが、やはり本来の仕事を重点にやられたほうが、日通の歴史のためにも、また国民のためにも私はいいと思うので、さような意見を申し上げた。今の大臣の御答弁によりますると、いずれそこの地域で解決できるような情勢のあるところは、無理に大企業の侵入は政府施策に基づいて、それを許さないと、なるべくそういう点はやめてもらうようにしていくと、こういうお考えはけっこうなことだと思います。で、福島の現実の問題となると、福島県におきましてはすでに仙台陸運局に対しまして新免の要請をしたわけなんです。陳情といいましょうか、要求をしたわけなんです。しかしその新免に対しましては、今それ以上必要ないといって二台しか、それ以上全然許さない状態なんです。そうしておいて一方に−−まあこれは日通にかかわらず、いろんな大企業が−−そして一方に小さい業者を押えておいて、そして一方のほうにおいては何台くらいふやすと、これは台数が十台であるか二十台であるか。一方新免のほうの小さい業者を押えておいて、それでそういうようなことをやるということでは、まことに私は心外であるし、かつまた理論が合わないのであります。そういう点から見ましても、われわれは十分この際運輸行政の衝に当たられておる大臣初めその他の当局は慎重にされて、今のように中小企業を不安ならしめないようにしてもらわねばならない。今でさえも金融梗塞でへとへとしておる際でございますから……。ただいまの大臣答弁でよくわかりましたので、その方針に向かって私は善処されることを特に大臣に希望しておくものでございますから、その点に対する大臣答弁をいただきますれば、私はこれで質問を打ち切りたいと思います。大臣の所見を最後にお伺いしたい。
  51. 斎藤昇

    国務大臣斎藤昇君) ただいま申し上げましたとおりのことで御了承をいただけたと承知いたしております。  さらにもう少し詳しく申し上げますと、ある場所で、ハイヤー、タクシーの新免が出た。そういう場合に、その地元の業者の方々は、私らにはこれ以上伸ばすに必要な資力がない。したがって出てきてもらってもけっこうですということであれば、そうしてその必要があると思えば免許をいたします。  しかし地元のほうでその必要がなく、あるいは自分たちはさらに増車を要求しておるというような事態の際に陸運当局調査をいたしまして、そうしてそのとおりであると見れば新免は許さない、こういうようにいたして参りたい、こう思っております。  大体先ほどの答弁で御了承になっておると思いますが……。
  52. 野溝勝

    野溝勝君 ちょっと私不明確の点があるのですが、何ですか、それは既存業者、それは小さい業者ですが、−−そういう業者が増車を申請している中で、需要に対し、それ以上必要を認めないというような事実がある場合、そういう大企業の新免はもちろん許さない、既存業者の増車を考えていく、こういうふうに解釈してよろしいか。
  53. 斎藤昇

    国務大臣斎藤昇君) 現状で需要を十分まかなっておるという現状であれば、新免は許さない。  それから現状でなお足りない、その際に既存の業者が増車をいたしたいというような場合には、できるだけ考慮いたしたい。大企業がその中へ入ってきて撹乱するようなことはできるだけ避けたい。
  54. 野溝勝

    野溝勝君 非常に明確な答弁で満足しました。委員長ありがとうございました。
  55. 金丸冨夫

    理事金丸冨夫君) 野溝君の質疑は終わりました。相澤君。
  56. 相澤重明

    ○相澤重明君 お許しをいただきまして、私は踏切事故対策について運輸大臣並びに鉄監局長質問を通告しておきましたので、御答弁いただきますが、政府国民あるいは国会の要望に基づいて、踏切道改良促進法に基づき踏切道の保安設備に関する省令を昨年の十二月二十五日に出したわけでございますが、これに基づいて一体どういう具体的に作業が進んでいるかということが、非常な重要な問題だと私は思うのです。  そこでまず第一に、最初に一つ局長のほうから例をあげてもらいたいのです。三十五年度に国鉄と私鉄の立体交差が行なわれたのは幾つか、三十六年度は幾つか、継続のものは幾つになっておる。三十七年についてはどのくらいやるつもりであるか。これを最初に答弁してもらいたい。
  57. 岡本悟

    政府委員岡本悟君) 実績を申し上げますと、三十四年度におきましては二十六カ所三十五年度におきましては三十二カ所、大体年間二十五カ所程度を立体交差化して参っております。三十六年度におきましては約七十カ所に上る工事を見込んでおりますが、実績はまだはっきりいたしておりません。  それから、三十七年度は、御承知のように踏切道改良促進法に基づく建設運輸共同省令ができ上がりましたのでその基準に基づきまして現在建設省と私のほうで具体的な個所の指定の作業を進めておりまして、それを近々発表できる段階に立ち至っております。  したがいまして、その指定が終わりますと、三十七年度にどのくらいやるかということがはっきりいたすわけでございますが、現在のところでは、御承知のようにこの立体交差化工事は、毛のによりましては年度にまたがるものもございます。そこで、あるいは二年にわたるものも出て参るかと存じますが、三十七年度着工希望のものは、国鉄は大体七十カ所それから私鉄は二十二カ所、こういうことでございますが、目下のところ建設省と協議いたしております。いましばらくお待ちいただきたいと思います。
  58. 相澤重明

    ○相澤重明君 運輸大臣お答えをいただきたいのですが、この立体交差を進めるということは至上命令ともいうべき今の交通事故をなくする重大な任務だと思う。そういうことでこの法律も時限立法になるし、運輸、建設の共同省令も出された。時宜を得ておることはまことにけっこうなことであります。しかし、国鉄にしても私鉄にしても、これを推進するのには、作った上におけるあるいは関連の建造物等を考えた場合に、固定資産税というものがこれはまた容易なものでは私はないと思う。こういう税の軽減というようなものを、運輸省は一方においてはやれやれといって勧めても、作ったあげくどうも金がかかり過ぎちゃって、あるいはその税金の対象が多くなって困ると、こういうような意見があるのに対して、どういう措置を考えておるのか。これは運輸大臣はどうですか、固定資産税の問題。
  59. 岡本悟

    政府委員岡本悟君) 事務的な問題でございますので、一応過程を申し上げまして、後ほど政策にわたることがございましたら、また大臣のほうからお答えいただくことにいたします。  仰せのように、立体交差にいたしましても、あるいは踏切保安施設の整備にいたしましても、相当の経費がかかるわけでございます。そこで、運輸省といたしましては、この助成策をいろいろ考えまして、すでに御承知と思いますが、来年度予算におきまして踏切保安施設の整備につきましては約二千二百万円の補助金を計上いたして、ただいま御審議願っております。それから税の軽減の点でございますが、これも地方税法の一部改正で御審議を願っておりますが、踏切保安設備につきましては免税の措置をとるようにいたしておりますし、また、立体交差の施設につきましては固定資産税を免除するということにいたしております。なお、この立体交差につきましては、私鉄は相当の負担をすることに相なっておりますが、相当大きな額でございますので、政府資金を開発銀行を通じて融資することに相なっておりまして、目下のところこれが約八億円ばかりに相なるかと考えております。さような次第で、できるだけの援助、助成の措置を講じておるつもりでございます。
  60. 相澤重明

    ○相澤重明君 それでは特に三十七年度の指定作業が進まないと、実際にどのくらいの予算というものは具体的には出てこないと思うのですが、とにかく私としては、せっかく国民の要望にこたえてこうした時限立法なり共同省令ができ、作業を進めておるのですから、一日も早くこれが準備が進むように、そうしてこの場合に国鉄にしろあるいは私鉄にしても、作ったものに過酷な税対象いわゆる固定資産が取られることのないということを、今も御説明いただいたのでありますが、ぜひその趣旨を生かしてもらいたい。そういうことによって交通事故を、早くみんなのものにして守っていくということが一番大事だと思う。  それから二つ目にお尋ねをしておきたいのは、立体交差が進められるといっても、これは全国的に見たらまことに微々たるものですね。そこで、立体交差のできない踏切道についてはどうするのか。つまり、一種、二種、三種、それぞれあっても、できるだけ人命を尊重するという建前でいけば、やはり踏切道の保安設備を促進するということが建前である。原則からいえば、人を置いて遮断機を置いて人命、財産を守る、これが原則だと私は思う。そういう面で、今の保安設備については、国鉄はどのくらいの経費を三十七年度に見込んでおるのか、それから私鉄の場合はどのくらいの設備費を見込んでおるのか、との点を御発表いただきたい。
  61. 岡本悟

    政府委員岡本悟君) 確かに仰せのとおりでございまして、運輸省といたしましても、立体交差化しないまでも、やはり平面交差の事故の問題は社会的にも非常に重要な問題になっておりますので、できるだけ平面交差におきましても保安設備を設けるように指導をいたしております。踏切道改良促進法もできましたので、その法律に基づく保安施設整備の基準を運輸省令ですでにきめております。それに基づきまして現在具体的に設備をすべき個所を指定いたしつつございまして、近々のうちに官報で告示する予定に相なっております。この基準によりますと、三十六年度以降五カ年間において、目下の踏切についてみますと、国鉄において三千五百、それから私鉄において二千四百程度のものは早急に保安設備を整備するか、ないしは、すでにしてありましたものをいわゆる格上げと申しまして、第三種の警報機を設置しておったものを第一種の遮断機を置く設備に変えるとか、そういうふうなことをする必要があると考えております。第一次指定におきましては、このうち、国鉄千百四十六カ所、それから私鉄七百九十三カ所、この程度をまず指定いたしまして早急に整備に着手さしたい、かように考えております。  金額は、今ここにデータを持ち合わしておりませんので、後ほどお答え申し上げたいと思います。
  62. 相澤重明

    ○相澤重明君 では次に、今の保安設備を第一次として国あるいは私鉄の場合のが述べられましたが、これは特に私が一番おそれておるのは、運賃値上げの問題とも関連をするわけですが、私鉄運賃の値上げが、昨年以来閣議の中でもいろいろ御討論されておったと思うんですね。運賃値上げをやろうというような時期には、そういう問題もできるだけひとつ地域住民のサービスをしようじゃないかということも出てくる。ところが、この法律が五カ年という時限立法である。だから、ぐずぐずしておれば、あるいはやる気ではあるけれども、資材が間に合わないということになってしまえば、それで終わりだ、こういうようなことになっては、私は、せっかくこの法律を作った意味もなくなってしまうと思う。こういう点で、まあ私鉄運賃の値上げの問題をきょうは特に私は話をするつもりではないのだけれども、運輸大臣も当面の責任者として、運賃値上げについては画一的にやる考えではないと思うのだけれども、私鉄運賃値上げの問題についてはどう考えておるのか、この際ひとつお答えをいただきたいと思うのです。
  63. 斎藤昇

    国務大臣斎藤昇君) ただいま御質問の趣旨がよくわからなかったのでございますが、こういう立体交差やあるいは保安設備等もやらせなければならぬ、そうかといって、今の状態ではなかなか投資もむずかしかろう、したがって、こういうことも勘案して運賃値上げをやっぱりやったほうがいいのじゃないかという御意見も半分くらいおありだというように私も考えます。私も、そういうような意味をもちまして、なるべく早く結論を出したい、こう思っております。
  64. 相澤重明

    ○相澤重明君 それから具体的にひとつ……。私は特にいろいろな私鉄の条件、国鉄の条件というものを、常に、請願を受けたり、あるいは私自身も現地を見ておるわけでありますが、そこでひとつこういう事実について運輸大臣にもとくと知ってもらい、またこの法律に基づく考えを促進をしてもらいたいと思うのです。それは小田急線の問題でありますが、近ごろ小田急線については踏切道閉鎖という問題がたくさん出てきておる。これはもちろん私ども運輸の専門家の立場からいけば、軌道上に踏切がないことが一番よろしい。それで、ある場合にも、立体交差をするのが一番よろしい。これはもう基本原則です。基本原則であるけれども、私鉄を導入する場合には、地域住民のやはりサービスということで、最も要望にこたえる方法というものも、これは取っておるわけです。ですから、今度のその一つの例を見れば、国鉄の東海道新幹線についても、地域住民の要望というものを、県、市の要望を入れて、実によく道路、河山橋梁等は作ってあるわけです。これでこそ初めて、たとえば、陸上を通す鉄道についても地域の協力が得られると思うのです。一たんレールを敷いてしまえば、あとはどうなってもいいというのは、こういうのは、先ほど野溝委員から、貨物輸送の問題についても話があったけれども、それであっては私はいかぬと思うのです。そこで、現在、小田急線の踏切の閉鎖という問題で、地方住民から非常にに強い意見が出ている。いったい運輸省というのは、私鉄については全然監督権というものはないのだろうか、こういうような話まで出ている。たまたま昨年末の共同省令が出た。はあはあ、これはいよいよ政府も、踏切の事故が多くなったし、あるいはこういうことについて関心を持って積極的にやる気がまえになってきたなと、こういう非常な期待を持っておるところなんです。  そこで、私は一つの例を申し上げますと、小田急の江ノ島線というのがある。江ノ島線の鶴間の第三号踏切というのがある。ここは昭和三十六年の十月八日に三人の死傷事故が起きております。これは、おとなが自転車に小さい子供を二人乗せて、そして踏切を渡ろうとして実は電車に触れて、そのうちの小さい子供が一人即死をして、あとの子供とおとなは重傷。今、その事故が起きたので、非常にこの地域の町民の人たちが何とかして踏切を、小田急に、この無人踏切を、警報を設備するなり、あるいは遮断機をつけるなり、立体交差をするなり、ひとつそういう政府方針に、できるだけ世論に即応するようにやってもらいたい。こういう話を進めておったときに、ことしの昭和三十七年の一月二十三日の日に、同じ場所で御婦人一人即死をしてしまった。つまりこの私鉄で、地域住民の人たら、このそばには中学校と幼稚園がある、どうしても学校の途上、そとを通らなければいかぬ、こういうようなことで非常に地域の人が心配をして、何とかそういう設備をしてもらいたいということを再三にわたって折衝したけれども、なかなかやる気がない。それで、やるのならば隣にあるところの第二号踏切とかという、現在やはり必要な踏切を閉鎖をしてしまう、そういうことを条件としなければ踏切はとても施設をすることができない。あるいは同じ小田急の踏切で、秦野、一カ所一メーターかそこら、工場のそばの踏切を拡張するのに、そのそばの−−そばといっても大へん離れておりますが、その踏切道まで閉鎖をしてしまう、バラ線を張ってしまう、農民が、あるいは通学に、そこを通ることもできない。こういう全く私鉄の独占的な、縦横気ままなやり方というものは、地域住民も非常に憤慨しておるわけです。これはこの法律の趣旨と全く逆行するものなのです。そこで、地域住民の人たちも再三徹夜で会議を毎晩やりながら、何か私が踏切問題をきょう運輸委員会で取り上げる、こう言って、前に−−もう四、五日前になりますか−−申し込んでおいたら、昨晩小田急のほうでは地域住民と何か話をしたそうです。そして警報設備をするとか何とか言っておるが、とても運輸省がやかましくて、そう簡単にできるものじゃない、それで設備に金もかかるし、信号設備というものもなかなかそう一ぺんにできるものじゃない、こういうことで、やることには、一応話は−−住民に、やるようにいたしますけれども、そう簡単にできるものじゃない、こう全く開き直った態度をとっておる。しかも、今私の申し上げたように、二回も連続して死傷事故の起きる、しかももう目の前に中学校、幼稚園がある、こういって、もう数年来の地域住民の要望にもかかわらず、今日までほおっておく、しかもまた、そういう法律や関係の省令ができておるにもかかわらず、なおかつそういう勝手なことを言っておる、こういうようなことは、これは私は監督上重大な問題だと思う。そこで、この省令に基づく二号、三号について、実際に五年の時限立法という建前からいけば、これはもうやりますといって返事をしただけでそのままにされたのでは、これはたいへんなことになると私は思う。そこで、そういうものについてはどうするのか、こういう点について、ひとつ大臣なり監督局長の御意見を聞かせてもらいたい。
  65. 岡本悟

    政府委員岡本悟君) お尋ねの鶴間第三号の踏切で、仰せのように二件最近死傷事故が起きておることは承知いたしております。そこで、私のほうでいろいろ調べましたところ、小田急といたしましては本年の四月に保安施設の設備をするように計画を立てておりますので、間もなくできることと存じております。そういうことで、この第三号の踏切に関する限りは、地元関係者の御要望におこたえできるのではないか、かように考えております。なお、この付近にはたくさん踏切がございまして、今度省令で公布いたしました基準に照らしまして指定しなければならぬ個所もあるかと存じますが、十分配慮いたしまして万全を期したいと存じます。ただ、今お言葉の中にありましたが、踏切の廃止といいますか、踏切道のその問題は、かつてこの踏切関係の立法政策一つとして小さい踏切がたくさんあるのは非常に保安施設を整備するほうから申しましてもどうかと思われる点もございますので、なるべくならば地元関係者の御了解を得て集約いたしまして、集約した個所の設備を極力すると、こういうことがいいんじゃないかというふうに考えたこともあったぐらいでございまして、現に警察庁のほうでは道路交通法に基づきまして、第七条でございますか、通行の禁止あるいは制限を、そういう踏切道についてはやっておられるようなことも承っておりますが、そういうことでございまして、当該踏切を閉鎖することによりまして多少の不便はございましても、大局的には地域住民の福祉になるという場合もあるかと存ずるのでございまして、その点は、またそういうことをお願いするような場合がございましたら、そういうことも考え得る余地があるということで御一考をわずらわしたいと、かように考えております。
  66. 相澤重明

    ○相澤重明君 監督局長のいっておるのは一般論だよ。私の言っておるのは−−私はだから専門家の立場から言えば、軌道上に踏切を多く置くのはよくないことだと、そういうことを先ほど言っているわけだ。だからよくないことだけれども、その、まずレールを敷くときの条件ね、地域にできるだけ土地を安く提供して下さい、鉄道を敷きますよと、それにはいろいろなサービスをしますよと、こう言って敷いた歴史的な過程を考えていって、敷いてしまった後には、もうあれはうちのほうの、どうも考えてみたらよくないから閉鎖をしますということでは、地域住民が協力ができるかと、こう言っておるんだ、それで、今の場合には、鉄道と軌道等の占有状況考えていけば、ますます部市交通の激しくなる現実から考えれば、やはり踏切道については立体交差を第一の条件とする、これは私は文化都市としてあるべき姿だと思う。だからこそ法律もそういうふうに世論としてできてくるわけだ。私はだから原則としては、これは踏切は立体交差にすべきである。ただ残念ながら予算関係とか、あるいは作業の関係等によって一ぺんにそらできるものではない。したがって、その立体交差ができない所は、どうして人命、財産を守ってやるかというのが交通業に携わる者、あるいはそれを監督する者の、運輸省としての一番重要な問題ではないか。だから今小田急の場合に、たとえば秦野でもって一カ所一メートルかそこいらを、現在の踏切道を拡幅するのに、他の踏切を閉鎖をしてしまって、いわゆるバラ線を張って通せんぼをしてしまった。これもすぐそばにあるならいいけれども、かなり遠くにあるやつを閉鎖してしまった。こういうようなことがあり、しかも今度は今の鶴間の第三踏切の問題から第二踏切の問題が出てきた。これは許せない。そういう私鉄の勝手なことは許せないから、そういう点については、やはり地域住民と十分相談をして、そして事故のないようなことを指導すると同時に、やはりできるだけ保安設備をして事故をなくするようにしていく、これが私はやはり運輸省の、監督者としてとるべき態度だと思う。かって中村三之丞運輸大臣のときに、私は大臣に改善命令を出さしたことがある。それは相模鉄道について、相模鉄道が運賃値上げをやったときに、横浜駅のあの共同乗り入れ、あそこの混雑でもって事故を起こした。東急と相模鉄道と国鉄と、それで私は相模鉄道については遺憾の点が多い。したがって、この内容については、これは運輸大臣がよく調査をして、せっかく運賃値上げは認めても、内容が改善されなければ運賃値上げを認めることは相ならぬといって、当時の運輸大臣中村三之丞氏に改善命令を出さしたことがある。それでよくなった。相模鉄道は非常によくなりました。だから今度も斎藤運輸大臣が時機を見て小田急のような線路は一度見てもらいたい。僕もお供していいと思う。よくなければ改善命令を出してもいいと思う。そのくらいの考えがなければほんとうの統制はできるものではない。統制といっては語弊があるかもしれないけれども、監督行政というものは言うべくしてむずかしい問題だ。しかし、それはやらなければ、そういう人命、財産を守ってやることはできないのです。こういう点で私は小田急の現在の踏切道に対するところの本社の考え方というものがどうもずさんなように思える。したがって、小田急の社長にこの点は全般について運輸省がよくただして、たとえば運賃値上げの問題があっても、そういう内容を十分検討し改善しなければ、これは認めるわけにいかない、こういうことを固くやってもらいたいと思うのですがどうですか。これは運輸大臣から答えてもらいたい。
  67. 斎藤昇

    国務大臣斎藤昇君) 御趣旨の点はごもっともと思います。できるだけその線に沿って考えたいと思います。
  68. 相澤重明

    ○相澤重明君 そこで、私はその点については大臣の善処の答えがありましたから、それについて了承いたします。  そこで、この通勤通学の問題でありますが、この踏切道の問題とどうしても関連をするわけですが、現在時差出勤というものを行なっておるところが多分あるわけですが、これは今後も継続をさせるつもりで運輸省はおるのか、それともできるだけこういう時差出勤というものはなくするという方向でいくのか、一つ基本的態度というものを御説明いただきたい。
  69. 斎藤昇

    国務大臣斎藤昇君) 時差出勤は、これは何というか、窮余の策でございます。決していいあれとは考えておりません。したがいまして、交通輸送の緩和をはかるべく輸送力の増強に努めまして、できるだけ早い機会にこういうことをなくするようにいたしたいと考えております。
  70. 相澤重明

    ○相澤重明君 踏切道関係については、あとの予算関係が残されているだけですから、以上で終わります。  それで昼食の時間になってまことに恐縮なんですが、あと一つ二つで終わりたいのですが、お許しいただきたいのですが、自動車局の関係で……。  自動車業について、特にあとで専門的な立場では各委員の皆さんから御相談があるようでありますから、また運輸大臣からもお話があると思いまするから、それは抜きにしまして、ハイタクの問題についてであります。昨年以来ハイヤー、タクシーの新免、あるいは増車等については、特に東京の場合は駅待ちハイヤーというものも認可されて、だいぶ好評のようであります。しかし、これで自動車というものが一体利用者の満足いく状態にあるかというと、なかなそういっていない。そこで、この東京都についてこれから新免あるいは増車、こういうものについて行なう方針であるのかないのか、これが第一点。  それから行なう場合に、いわゆる法人と個人という場合がある。個人タクシーについても同様に考えているのかどうか、この二つの点について最初お答えいただきたい。
  71. 向井重郷

    説明員(向井重郷君) お答え申し上げます。東京都のハイタクにつきましては、大体昨年度末をもって増車を一応完了しておるわけであります。今後の情勢につきましては、今仰せのありました駅待ちタクシーその他の実績というようなものを十分に見まして、しかも昨年の末からやりました増車の稼働状況というようなものも十分勘案をした上で、再び東京の自動車運送協議会とよく御相談を申し上げて増車の措置をやることになるのではないかという程度であります。これは自動車運送協議会のほうに十分御相談を申し上げて、その御調査の結果というものを尊重して増車をきめることになっておりますので、おそらく今年中には何らかの結論が出るものと私どもは考えておるわけでございます。  それから、またそういうような場合には既存業者の増車ということはもちろんいたさなければならないことでございますが、個人タクシーにつきましても、やはり在来と同様にこれを免許していくべきであろうと私どもは考えておる次第でございます。
  72. 相澤重明

    ○相澤重明君 次に、神奈川のように、東京都とは条件を若干異にしておるような場合についてはどういうふうにお考えになっておりますか。
  73. 向井重郷

    説明員(向井重郷君) 神奈川県につきましては、自動車運送協議会というものは現在ないわけでございます。しかしながら、東京とほとんで隣接している区域でございますので、東京のほうに準じて逐次必要がある場合には横浜、川崎、あるいは横須賀というような地区について同様の考えでもって処置していきたい。個人タクシーについても全く同様の考え方をとっているわけでございます。
  74. 相澤重明

    ○相澤重明君 そこで、私から特に運輸省の幹部の諸君にひとつはっきり確認をしておきたいんだが、もちろんこの運送事業を営む事業者、ハイタク業者の意向というものをわれわれは無視するということはないと思うのでありまするが、運輸省は監督行政を持っておるわけでありますから、単に協会の決定が運輸省を拘束する、運輸大臣は審議会の答申を実施をしなければならぬ、こういう性格のものであっては私はならぬと思う。特に一番問題になるのは、増車の場合、あるいはこの新免の場合、地域については特に新免の場合は既存の業者というものは新免の業者々なるべく出さないようにする。これが従来の方針です。だから公聴会に行っても、みんな既存の業者は反対をする。よくても悪くても反対をする。しかし運輸省運輸省としての立場で、さっきも野溝委員質問のときに運輸大臣が答えたように、運輸省の立場でこればやらなければいけないときにはやる、こういうきぜんたる態度をとってきたわけです。特に、地方、都道府県における陸運事務所のあり方について、私はこの六年間というもの、いつもしっかりしなければいかぬぞ、こういうことを当委員会で言ってきた。それは何かといえば、業界と陸運事務所というものは一つ棟におる。しかも陸運事務所の予算が少ないために、あるいは陸運事務所の職員の身分保障というものがはっきりしないために、どうしても業界に依存をすることが多い。こういうことで、われわれとしては運輸省予算で陸運事務所の施設も、それから職員もできるだけ運輸省の職員、こういう従来の方針をとってきているわけです。しかし、残念ながらそれは職員の身分保障の問題についていまだに決定しない。決定しないが、最近、施設関係については予算も着々できて、あるいはまた職員も若干の増員ができて、整備はよくなってはきつつあるけれども、まだ全般的によくない。よくないから結局自動車事業協会のその棟におって、そうして自動車事業協会のお茶をもらって飲むとか、あるいはお茶菓子を食うとか、そうして、いや実は今度の免許について、おれのほうでこういうふうにものをきめるから、それまでお前たちのほうでやっちゃいかぬ、こういう話まで飛び出してくる。そういうことを聞いていますか。業務部長、どう思っておるか。
  75. 向井重郷

    説明員(向井重郷君) 陸運事務所の問題につきましていろいろと御配慮にあずかっておることはまことにありがたいところでございます。御承知のとおり陸運事務所につきましては、現在すっきりとした姿になっておらないわけでございます。これの改善につきましては、私どもも年末悲願として努力を重ねておるところでございますが、諸種の事情からいまだに実現を見ない。まことに残念に存じておる次第でございます。  なお、陸運事務所の庁舎等につきましては、非常な御支援をいただきまして、ことしは六カ所ばかり新設その他について予算的な措置を講ずることができたわけでございます。なお、この方針を逐次全国的に進めて参りたいと思うわけでございます。  ただ、在来陸運事務所につきましては、何かといろいろな関係からして、陸運協会というような公益法人の建物を借りまして、そうしてそこにおるというようなケースが全国的に若干いまだに残っているわけでございます。こういう場合に、今先生の言われましたような事例が起こるわけでありますが、そういう疑惑を生ずるということだけでも、同じ庁舎におるということはまことにもって工合の悪いことでございますので、私どもはできるだけこれを早く分離して、独自の庁舎というもので、先生の言われましたような、在来からこれは方針としては独自の見解でやるということはあたりまえのことでございます。そういうことを形式的にもはっきり分けるように今後努めて参りたいと思うわけでございます。  なお、増車その他の措置の場合に、業界の案ができないうちは当方で増車その他の措置をいたさないというようなことは、これはないわけで、業界のほうではもとより自分の既存の業界の利益を守るということから、いろいろな案を出しては参りましょう。また、新免に対する反対もございましょう。また業界内部において配分案を作ることもございましょうが、私どもはあくまでもハイヤー、タクシーの地域的な配置というようなことでありますとか、それからまたは関係行政官庁と連絡をいたしまして、事故がきわめて多い業者でありますとか、あるいはまた非常に運行制度、労務管理その他の劣悪なる会社というものは、常々監査しておりますから、そういうところには増車の措置はしないという方針で臨んでいるわけでございまして、先生の言われましたような心配は実際上はない。しかし、常々そういう疑惑を受けるということも一つは家主から事務所を借りているというようなことが大きな原因になっていると思いますので、今後とも十分そういうようなことについての改善については力を尽くして参りたい、こう考えておるわけであります。
  76. 相澤重明

    ○相澤重明君 そこで、お考えは、そのとおりであってほしいし、また、そうなくてはならない。前の国友局長のときにもそういう点ははっきり私から申し上げて、運輸省としての立場はその筋を通してきている。今度の木村局長になってからも、方針が変われば別でありましょうが、おそらく斎藤運輸大臣運輸大臣に就任されてから運輸省方針として変わるはずはないと思う。しかし現実に私が業界の人たちの話を聞けば、神奈川県には鎌倉地区がある。運輸大臣、よく聞いてもらいたい。この鎌倉地区では鎌倉と大船地区一つの業界の地域になっている。鎌倉は御承知のとおり別荘地、大船は工場地帯、これはだれが見てもわかる。鎌倉は現在実際水揚げがよくないから、増車はほしくない。今まで増車をやろうという会議をやらなかった。大船地区の業者の諸君は、工場がどんどんできてくるから、利用率が非常に多い。そこで、年末年始の繁忙時は臨時増車までしてやったことがあり、非常に利用率が多い。こういう所では、臨時増車をさらに正規の増車にするようにということで、関係の業者が全部それを出した。ところがこの業界というものは、一つ地域にあって鎌倉のほうが業者が多いから、既設の業者が、冗談じゃない、そんなことを勝手にできるものではない、これは第一、陸運事務所がそんなことを、われわれの言うことをきめないうちに、陸運事務所がそんなことを勝手にやるわけはないし、運輸省もそんなことをやるわけがない、われわれ業界の意向に従って割当増車はきめるのだ、こういう話を公然としたというのだ、しかも、これは私は確認をしておらぬから言えませんが、運輸省の役人の、ある課長グループがそういうことを言ったという、もしそうだとすれば、たいへんなことですよ。もしそういうことであっては、今言ったような、いわゆる運輸省行政監督なんていうものは、指導ができるものではない、業者の鼻息だけをうかがっているようになっちゃう。私は同じ飯を食った者として、そういうことを言うわけじゃないのだけれども、多少やはり従来運輸委員会で主張したように、行政指導というものはぴしっとして、そして業界には協力を求める。これが私は筋であろうと思う。そういうことをしないで、もしやるというようなことになれば、これは錯覚もはなはだしいのであって、こういう行政をやるということになったら、これは斎藤運輸大臣が就任してから後の政策の変更ということになるわけだから、これは運輸大臣に聞いておかなければいかぬ。こういうことで、特に踏切関係の問題もあったから、あなたに特においでをいただいたわけです。ひとつ運輸大臣、その所信を話して下さい、政策転換をしたかしないか。
  77. 斎藤昇

    国務大臣斎藤昇君) 私は地方における増車等の問題は、これは業界の意見というよりも、むしろ地方住民需要者の方々の御意向を尊重してやるべきだとこう考えております。したがって、需要者の方が非常に不便をしている、これでは足らぬじゃないか、こういう声があれば、できるだけその声に即応するようにいたしたい。が、東京のように非常に自動車が混雑しをしている、あるいは今運転手が足らぬというような所は別でありますが、原則としては、私はそういうふうに考えております。業界が自分たちの利益を守るために住民に不便をかけているというようなことは、行政上あってはならぬ、こう考えております。
  78. 相澤重明

    ○相澤重明君 これはぜひひとつ……。  それから業務部長は、きつい行政指導をやってもらいたいのは、ロック・アウトをするような業者、つまり事業所閉鎖、事業所閉鎖を自分のほうからするような業者には免許を取り消す、従来、私の主張しておったことなんです。それから争議を長引かせるような経営者、無能力な経営者は、これは増車を認めない。やはり幾ら認可をしたって、車を走らせないようなものは車は必要ない、そういうことで労使は話し合いをして、そしてサービスができるようにしていくのが、タクシー業の、サービス業のあり方だと思うので、そういうことをやってもらいたい。  それからその次に、最後一つ指導として聞いておきたいのは、運転手の引き抜きということが近ごろたいへん問題になってきた。これは私は業界の新聞も持ってきている、業界でもだいぶやっているのですが、これは北海道の問題を初めとして、ずいぶん、天坊さんなど専門家がいるけれども、これはやはり困っていることだと思うのだな。一方においては、何とかして今の神風トラックや、神風タクシーというものの汚名を返上して、そして住民のサービスに報いたい、こう言っておるにもかかわらず、やはり事故は依然としてふえる。したがって、よい運転手をできるだけ自分の会社へ集めたい。話に聞けば、支度金十万円出す、二十万円出すという話が、近ごろ、はやってきている。こういうようなことで、業者間において運転手の引き抜きをやる、競争をやる、これだからせっかくもらっている免許、もらっている台数が遊んじゃっているわけです、そうですね。そういう監査をやったことがありますか。これは、一体そういう事実がどういうふうになっておるかということをやったことがありますか。新聞にこれだけでかでかと出ておる。業界でも自粛しようじゃないかと言っておる。あるいは現地ではそういうことでもう非常に困っておる。こういうことに対して、監督行政運輸省は監査をやったことはありますか。
  79. 向井重郷

    説明員(向井重郷君) まず前段の長期争議等の問題でありますが、これにつきましては、在来、増車の場合には考えているわけであります。そういうところについては、やはり通常の成績からはじいた、しかるべき増車台数よりも、それに応じて減車をして割当をしていくという関係になっておりますので、仰せのとおり実現されておるものと存じております。  次に、運転手の引き抜き等でございますが、要はハイタク事業というものの運営の仕方にある問題でございます。私どもは新規免許をいたします際に、あるいはまた増車をいたします際に、厳重な検査、監査に基づいてやっているわけであります。したがいまして、会社の経理内容というものはもとより、その車庫の状況あるいは運転手の宿泊所の関係、休憩室の関係というようなものは、これをつぶさに検査をしているわけでございます。したがいまして、ただいま御質問のありましたそういうような監査をしたことがあるかということにつきましては、私ども、しばしば監査をやっておりますし、また、昨今の事例でも、あるいは先生御承知と思うのでございますが、監査の結果、きわめて程度の悪いものにつきましては、相当厳しい営業の停止を課している事実があるわけであります。
  80. 相澤重明

    ○相澤重明君 それからその次に、運輸大臣、駐留軍に勤めておる要員ですねこの人たちが今年全国で約五百名余にわたり実は首切りというものが通達されておる。御承知のように政府の中にはこれらの失業対策についての特別委員会を従来から設置しておるわけです。——おったですね。そしてこれらの人たちの職業のできるだけのあっせん、訓練、こういうことをする。その中で駐留軍要員の持つ技能を十分に生かすためには、ハイタクあるいは機械土木等の事業に従事させる。あるいは新免が出た場合にはそれについてはできるだけ考慮する。こういう方針がとられておったと思う。この方針については、この失業対策については、従来と今日も変わりがないかどうか。こういう点について大臣の御意見をひとつ聞かしてもらいたい。
  81. 斎藤昇

    国務大臣斎藤昇君) 従来と方針には変わりはございません。ただ、最近経済の伸びに従って相当他の方面に行かれる人が多くって、そういう要望は少なくなってはいると思いますけれども、しかし、方針には変わりはございません。現にそういうようなことを加味して新免を許可をいたしておる例も相当あるわけであります。  なお、先ほど向井業務部長の答弁につきまして、誤解があるといけませんから申し上げておきますが、労働争議につきましては、これは労使の自主的な立場において解決をしていただくという方針をとっておりますから、したがって、労働争議をやったからあるいは労働争議について雇い主側のほうが当然許されている行為をやっているにもかかわらず、そういう理由で自動車の免許を取り消すとか停止するとかということは、これは私は労働争議に介入することだと思いますから、そういう方針は厳にいたしませんから御了承願います。
  82. 相澤重明

    ○相澤重明君 労働争議の問題で、僕が免許を取り消すとか取り消さないということを言っておるのではない。労働争議の問題については、さっき申し上げたように、労使は話し合いでできるだけ住民のサービスをするように、そういうように車は動かすようにしなければならぬ、こういうことを言っておるわけですね。その点は今の私の最初に言ったロック・アウト、つまり事業所閉鎖をするというのは、まだその争議までいかない段階に、その経営者自身がその事業を放棄するような場合が間々ある。そういうものはもういかぬ。そんなものはもう経営の能力さえないのだ。だから、そういうものは免許を取り消してもいいんだというくらいの制裁をしなければ、事実上役に立たぬ。これは従来から運輸委員会で何回も言ってきたことです。しかし、今の労働争議の問題についてば、これはお互いの見解もありますし、今、大臣も言うとおり、私もあえて介入するつもりはない。争議が長引いてはいけないから、これは労働省にしても運輸省にしても、できるだけ勧告をするなり、あるいは労働委員会であっせんをするんですから、そういう機関を経てやることについて、われわれはそれを十分利用する、こういう建前は違っておりませんけれども、しかし、運輸省という行政の監督上の立場にある省としては、やはり何といっても、持たしておるものを使わないで放棄しておくということについては、これはやはり処置をしなければならぬ、あるいはできるだけ早くするようにしていくというのが原則で、建前である、こういうことを主張したわけです。  今のお話の第二の駐留軍要員の問題でありますが、五百余名が今年度正月早々米軍の予算削減ということで首を切られた。また米軍によれば、これからもいわゆるそういう面が出てくるやに聞いておるわけです。そして具体的には、私のところでは、横須賀で、海軍ベースで、すでにそういうドライバーの人たちが集まって、とても今ほかに転職するといってもなかなかたいへんだ、こういうことで、あそこには東郷平八郎が乗った旗艦三笠というものが今保存されているから、そういう名前を作って、三笠交通とか何とかいうものを作る、こういう話で、いずれは提出してくると思いますが、これは、私は別に無条件で通せということを言っているのではなくて、それは適法のもとに監査をされて、免許に値すれば免許してもらう、こういうことでありますが、とにかくそういう駐留軍要員の必要なものについては、申請事案については十分考慮してほしい、こういうことを申し上げて終わりにしたいんだが、ひとつ大臣の駐留軍要員の特別対策委員会に対するお考えは変わらないか、こういうことについて再度ひとつお考えをお聞きして終わりたいと思います。
  83. 斎藤昇

    国務大臣斎藤昇君) 基本的には変わっておりません。
  84. 金丸冨夫

    理事金丸冨夫君) 相澤君の質問は終わりました。
  85. 大倉精一

    ○大倉精一君 関連してこの際お伺いしておきたいのですけれども、、きょうは免許行政のことについて相当突っ込んだ質問もあり、答弁もございました。私はかねがね考えておるのですが、はたして免許行政のやり方自体が、このままでいいか悪いかということについて、非常に疑問を持っているわけです。おそらく、新免の申請なり増車の事案が出るたんびに、行政担当官としては処理がお困りだろうと思う。具体的に法律を見ましても、どれを免許し、どれを却下するかということは非常にむずかしいと思う。かつて木暮運輸大臣のときには、抽せんにでもしようかというようなお話もあったのですが、この際、やはり免許の基準なり、あるいは行政のあり方というものについて、根本的に検討をされる御意思はないかどうか。それでないというと、きわめてこれが、いわゆる利権の根源になってみたり、あるいは政治的な混乱の面になってきたり、こういうことがずっと続くわけです。免許行政についての大臣の根本的なお考えについて、ありましたならばお聞かせ願いたいと思います。
  86. 斎藤昇

    国務大臣斎藤昇君) おっしゃいますように、所によりましては、今おっしゃったようなことを考えなければならぬのじゃないかというような気持を持っております。免許事業につきましては、一定の免許基準がございます。その免許基準にすべて合格をしている−−すべてじゃない、合格をした者の数がなお免許数よりも多いというような場合には、これは抽せんが、一番公平じゃないだろうかと私も考えておりますので、検討いたしたいと思います。
  87. 大倉精一

    ○大倉精一君 これは関連ですから……。いつかこれは御検討、御研究を願いたいと思うのですけれども、これは、先ほどの大臣答弁の中からみましても、なかなか現実はそうはいかないのです。いわゆる需要供給がうまくいっている所は差しつかえないのだというお話もありましたが、今の現実は、需要供給がうまくいっている所でも免許される場合もあるし、あるいはそうでない場合に免許されない場合もあるというような事例もあることでありますので、この際、ちょうどいい機会でありますので、免許行政についてはひとつ十分に御検討願いたいということを要望しておきます。  警察庁長官おいでになりますか。
  88. 金丸冨夫

    理事金丸冨夫君) 見えております。出席されております。
  89. 大倉精一

    ○大倉精一君 十三日の夕刊に、突如として「都内の交通規制本ぎまり」という一面トップの見出しで報道されましたが、私はなぜ突如と言いますかというと、今月の六日の日の当委員会におきまして、警察庁の保安局長の木村政府委員並びに富永説明員等から、いろいろ検討しておって、まだ結論はついていない、車種別の規制をやらなければならぬと思うのだが、車種といってもいろいろあり、自家用車もあれば営業車もあり、あるいは大型もあれば小型もあり、乗用車もあればトラックもあるというような説明でありまして、私は、検討中であり研究中であるという工合に承知しておる。と同時に、御承知のように、この委員会におきまして、車種別規制をやる場合においては、経済の上にも国民生活の上にも、あるいは目的であるところの交通の緩和の上においても非常に大きな影響がある、こういう観点から、われわれとしても運輸委員という立場から、当委員会において慎重に審議をし、かつ調査をしておる際に、突如としてこういうものが発表され、これを見て、私は意外に思ったのですが、この構想−−構想じゃない、本ぎまりになった案について、まず長官からひとつ説明を伺いたいと思う。
  90. 柏村信雄

    政府委員(柏村信雄君) 新聞紙に報道されました案は、警察庁におきまして、現下の東京都の交通事情にかんがみまして、このまま放置しておいては麻痺状態が非常に深刻になるということから、何らかの対策を講じなければならないということで、長く研究をいたしておったわけでございます。昨年におきましては、主要三十八路線につきまして右折禁止の措置を大幅に実施をいたしまして、ある程度流れについての円滑化を期するということをいたしたわけでありまするが、とうていこれだけではできない。うまく参らない。したがって、車種別規制ということに踏み切らざるを得ないという考え方のもとに研究を続けてきておったわけでございまして、新聞に報ぜられましたような案、これは詳細申し上げる必要がありますれば、あらためて申し上げますが、そういうものを一応警察庁の案として作りまして、これを関係官庁あるいは関係業者というものに示しまして、いろいろ意見を聴取いたしておる段階でございます。内容について申し上げることが必要であれば申し上げます。
  91. 大倉精一

    ○大倉精一君 その内容につきましては、新聞報道そのとおりにこちらは承知をしておりまするが、そうしますると、これは一応の案であって、この案を関係者並びに関係各省に示して意見を聴取して、必要があればまた訂正をする、こういう余裕のある案ですか。
  92. 柏村信雄

    政府委員(柏村信雄君) 警視庁としては、さらに発表されました案よりも進んだ案といいますか、第二段のかまえというものも考えつつあるわけでございます。したがいまして、今回のものは警視庁の考え方としては最小限度の考え方ということでございますので、もちろん意見を聞きまして、どうしても警視庁の考えておったことが誤まりであり、新たなる意見に従うべきであるという場合には、これは訂正することもあり得ると思いまするけれども、私の今まで聞いております範囲では、必要最小限度の規制措置、しかもこれは警察の規制だけによって目的を達し得るものではなくて、同時に、自主的ないろいろな調整をお願いしなきゃならぬ、そういう効果もあわせ考えつつ立案したものでございますので、まだ確定した案ではございませんけれども、意見を聞いた上で修正する余地というものは非常に少ないのではないかというふうに考えておるわけでございます。
  93. 大倉精一

    ○大倉精一君 非常に少ないのじゃなくて、私は余地がないように読みとれるのです。そこで、私の聞いておるところによれば、というお言葉がありましたが、長官は、この案について責任を持ってこれは答弁をされ、あるいは意見をここで言われる立場にあるのですか、どうなんですか。
  94. 柏村信雄

    政府委員(柏村信雄君) 私は政府委員として私の答弁については責任を持つわけであります。ただ、案を作ったのは警視庁であります。実施するのも東京都公安委員会であります。しかし、私はその案を聞いて、私もこれはやむを得ない、案であろうというように了承いたしておるわけでございますから、その限りにおいて私の答弁について私として十分責任を持つつもりでございます。
  95. 大倉精一

    ○大倉精一君 この点については、閣僚懇談会あるいは閣議の決定もありまするので、運輸大臣等も御出席になっておりますから、大臣のほうからもお答え願いたいと思うのですけれども、警察庁並びに警視庁においては、この問題については、先ほども申しましたように、当委員会において目下非常に重大な関心を持って慎重審議をしておる、さらに東京商工会議所等におきましても、何かきょうの三時からこの問題を討議をされるというような、民間側においても非常に重大な関心を持って検討されておる最中である。さらにまた加えて、国会における野党第一党である社会党においてもこの問題に対して特別委員会を設けて検討し始めておる。こういう段階のときに、まあ私の印象からするならば、警視庁が独走的にこれを発表したというそういう印象を受けるのです。それでお伺いしたいのは、こういう案をきめられ、発表されるについてどういう手続を踏まれたか、どういう道筋を踏まれたかということをお伺いしたい。
  96. 柏村信雄

    政府委員(柏村信雄君) 警視庁としてはまだ正規に公安委員会に−−御説明はもちろんして御了承は得ておるわけでございますけれども−−先ほど申しましたように確定案としての決裁は得ていないというふうに聞いておるわけでございます。事前に警視庁部内においてまとめました案について、私どものほうにも相談があり、さらに関係閣僚懇談会にもお諮りして、これは警視総監が出まして御説明を申し上げて御了承を得て、そうしてそれに並行して関係機関あるいは関係業者というものにこれを示して意見を聴取したという状況であります。
  97. 大倉精一

    ○大倉精一君 そうしますと、部内の手続、ないしは政治的な手続、あるいは行政的な手続といいますか、そういう手続を踏んで案を確定して、この案を関係方面の民間に流して説明をして、協力を求める、こういう行き方ですか。その案を決定するまでに、これらたくさんの人が、たくさんな利害関係があり、関心を持っておるのですが、案を決定するまでにどういう方面から、どういう要領で意見を聞いたのですか。あるいは協議をしたりしたか、その段階があったらいきさつを御説明願いたい。
  98. 斎藤昇

    国務大臣斎藤昇君) 私は交通閣僚懇談会の一員といたしまして、私の了解している限りの点を申し上げておきたいと思います。東京都心における交通混雑緩和のために時間別、車種別の制限をする必要があるという意見が出ております。私は運輸の面から見て協力できる限りのことは協力しなければなるまいと思う、しかしながら、具体的な案がなくては、いいとか悪いとかは言えないじゃないか、具体的な案をまず見せてもらって、その案によって検討していきたい、早く出していただきたいということを私は警察当局に申しておりました。先般、幾日でしたか、新聞に出ておりましたが、きょうはその説明があるということでありましたが、その前に私は内閣委員会に呼び出されましたので……。とにかくこの案によってさらに十分検討した上で、これがいいか、また変更するか、十分関係の方面でまず検討してほしいということだけは、これは言っておったわけでございますから、したがって、あの案を交通閣僚懇談会において了承したということではないのです。あの案をまず基礎の案として、そうしてこれでやればどんな支障を来たすか、その支障を踏み越えてやるかやらぬか、この案に変更を加える余地はないかということの検討はまだ残されている、残されているということよりも、これから先の話ですから御了承を願いたいと思います。
  99. 大倉精一

    ○大倉精一君 若干長官の答弁と食い違っていると思いますが……。大臣の話によれば、閣議の正式な了解も得ていない、また閣僚懇談会の了解も得ていない、こういう案の説明を受けて、こういう案があるということを承知しているだけで、これから検討するのだという大臣の御答弁だと思うのであります。  そこで私は、形式的にはそういうことになるだろうと思うのでありますが、従来の例からいって、一たん行政官庁できめたことは、これはこんりんざい直したためしがないのです。しかもこれは、私は非常に不満に思うのは、われわれ運輸委員会は、なめられたのです。われわれこういうふうに一生懸命この案について、大型トラックの規制も、私のこの前の発言も全面的には否定しておりませんが、これもやむを得ないが、そのほかに方法があるのじゃないかということを審議している最中なんです。それを、あたかもこの案しかないというような、そういう独走的なことについて疑問があったから、長官を呼んで真相を伺っているのです。そこで業界のほうで−−業界といいますか、この路線トラックの昼間都内乗り入れ禁止ということになりますと、非常に大きな問題が出てくるのであります。中小業者は死活の問題が出てくると思います。そういう点についての了解工作といいますか、そういう点はどうですか。警視庁のほうでは一方的にやれ、やらなければこれはお前のほうが今まで何もやらずにいたのだから悪い、こういうように押しつけていくのか、あるいは、そういう業界の意見を率直に聞いて、何か案があるのかということを聞くのか。商工会議所もきょう検討いたしますよ。しかし検討しても、もうきまったあとでは何にもならない。そういうような一般民間の動き、業界の動き、それに対しては警視庁は一体どう考えていうのですか。
  100. 柏村信雄

    政府委員(柏村信雄君) 元来、交通規制そのものにつきましては、各都道府県の公安委員会の権限にゆだねられているわけでございます。したがいまして、こういう種類のものが、必ず閣議の決定であるとか、あるいは各省の協議がすっかりととのった上でなければ実施できないというものではないと、本質的にはそういうふうに考えます。しかしながら、東京都の混雑を緩和する一方途として、各方面に多大の関連を持つことになりまする規制でございまするから、警視庁としても、これまでも公式、非公式にいろいろと意見を徴しておったようでございます。しかしながら、これが関係各省あるいは関係業者すっかりが納得して、これならよろしゅうございますという案ができた上で案を出すというようなことは、これは現在の情勢からいって私は不可能に近いというものではないかと思います。したがいまして、相当慎重に検討し、各方面の意見も非公式でありましょうけれども聞きながら、警視庁として最大の知恵をしぼって作った案でございまして、その方法におきましては、すでに閣僚懇談会等でも意見も出されており、また世論等におきましても、そういう声が相当強くなっておるということで……。しかしながら、非常に思い切った案で最初発足することはできないということから、ある方面から見ればきわめて微温的と思われるかもしれないような案でございまするけれども、ここにひとつ踏み切らざるを得ないということで、四月ごろからこれを実施するということで一応の案を示すということにしたわけでございまして、しかも、これを抜き打ち的にいつから実施するということで、決定として出したわけではございません。ただ、先ほど申し上げましたように、そういうふうに慎重に警視庁としても技術的にも検討した結果でございまするので、しかも、非常に規制としては、これはいろいろ関係の方から見れば大問題ではございましょうけれども、規制の実態としては、決して大規模なものではないわけでございますので、警視庁が本格的に確定案をきめるについて、この案をどの程度修正できるかということについては、先ほど申し上げましたように、非常に余地は少ないのではないかというふうに考えておる次第でございます。
  101. 大倉精一

    ○大倉精一君 非常に高い姿勢のものを受け取るんですが、きわめて微温的だということもあり、あるいは実態上やむを得ないということもありましたけれども、はたしてこれが微温的かどうかということですね。しかも、第一段はきわめてゆるい手段であって、第二段、第三段を考えておるんだという御答弁ですね。新聞にもそう書いてある。ますますもってたいへんだと思うんですよ。私も考えておることがあるんですけれども、、私自身の自分の案が必ずしもいいという結論に達していない。あなたが、この案以外にないという独断的というと過ぎるかもしれませんけれども、これは一方的にそういうことに結論づけられるということは非常に危険じゃないか。現に私は新聞なり何なりでいろいろ承知しておりますところによると、運輸省考え方あるいは方針と、あるいは警察庁あたりの方針とは違っておるようにも伺っておる。ですから、そういう面をさらに慎重に練らなければ……。一ぺんやったものを、もう一ぺんやり直すということはできないんです。たとえば、この前の委員会におきましても、あるいは参考人の意見によりましても、貨物自動車というものは、これはパンだ。パンを切る前にレジャー・カーを切るべきではないかという意見もあるのですが、私は非常に傾聴すべきだと思うんです。現にきょうも、朝スピード違反をやったから、先生何とかしてくれと学生が車に乗ってきましたが、何かしらん都会では、車を買って車を動かすということの一つの妙な雰囲気ができておる。そういうものを規制をせずに、あるいはまた路上駐車なり、あるいは自家用車の車庫ということに対しても何ら規制もしない。そういうこともたくさん考える余地があると思うんです。これ以外にないということは、少しあなたのほうの独走じゃないかと思う。であるからして、みんなが慎重に検討してやっておることなんです。私は、公安委員会がこれをやれるんだという高い姿勢ですけれども、やれるでしょう、確かに。任務としてはやれますけれども、これは公安委員会がやれるかもしれませんが、トラック事業なりハイタク事業なりバス事業というものは、これは公益事業ですよ。国家が免許する事業なんです。公益事業として必要であるといって公益活動を国家がやらしておるわけですよ。そういうものに対して、公安委員会に権限があるからといって、勝手にこれを制限するということについては、私は運用上非常に疑問があると思う。特にあなたのほうが公安委員会に権限があるとして差し出した、これはあなた方が案を出すということに非常に社会的に大きな責任があるのですよ。今私はあなた方に責任をとれとは一言いませんけれども、私はこの際これに固執することなく、さらに耳を傾けて外国等の例をよく御検討願って、本末を誤らないような措置をこの際やるべきだと思うのです。やってみたところが、経済的にあるいは国民生活に、あまり犠牲ばかり大きくて交通緩和の実効が案外伴わなかった。したがって、なまぬるだからこいつをもう一ぺんやろう、この次これもやろうと、こうなってきた場合、東京都の流通経済はどうなるか。これはだれでも心配するわけです。そこで、この案をお作りになってこれを規制され、さらに第二段を規制された場合に、東京都内の流通経済に及ぼす影響、どんな影響があると思いますか。あらゆる影響があるとずっと並べて一ぺん言って下さい。
  102. 柏村信雄

    政府委員(柏村信雄君) 私先ほども申し上げましたように、警察の今度の規制によってのみ非常な効果を期待するということはできない、むしろ自主的な統制と申しますか、調整と申しますか、そういうことが並行して、あるいは先に進んで行なわれるということになっていかなければならないと思いまするし、また、先ほどお話がありましたような駐車の禁止措置であるとか、その他道路の拡幅であるとか、いろいろな行政的措置というものが並行してもちろんとられていかなければならぬと思うのでありまして、今度の警視庁の措置だけで非常な効果が期待されるということにはならないかとも思いまするが、これと相待って、各施策を推進していくということを考えておるわけでございます。  また第二段、第三段の規制措置ということのお話がございましたが、警視庁としては、その民間の自主的な協力態勢というものに多く期待いたしておるわけでございまして、そういうものの効果、成果がどの程度に出てくるかということと見合いつつ第二段を考えるかどうか、実施していくかどうかというふうな考えを持っておるわけでございます。  また、今度の考え方の基本になりましたのは、確かに業界において影響はあると思いますけれども、現在動いている車というものを削減していく、車の量を減らそうということ、これは警察の仕事ではございませんし、警察としては現在流れている車を時間帯によってできるだけ円滑に流すようにする。しかも夜の運行になずむものを夜に回していくということから始めておるわけでございまして、そういう意味で、一方においては不公平であるという感じ、一方においては手ぬるい−というと高姿勢とおっしゃいますけれども、そういう感覚を持つ方もあると思うのです。そういうふうな感じの方があるかもしれませんが、警視庁としては、相談し、よく話し合って、夜の運行になじむものについて、ひとつ御協力を願うということを考えておるわけでございます。
  103. 大倉精一

    ○大倉精一君 私お伺いしたのは、こういう車種別のいわゆる原案のような規制をやった場合に、東京都の経済並びに都民の生活に対して、どういう影響がくるだろうか、あるいはまた、その他何といいますか、交通事情万般に対してどんな影響があるだろうかということでお尋ねをしたのですけれども、あなたは、これは警察行政ばかりじゃなくて、一般の人の協力がなければいけない、協力があって初めてこれは実を結ぶのだという御説明、ごもっともなことだと思うのですよ。しかし、よく中身をじっと聞いておると、たくさんの困難が出てくるが、この困難は、まあひとつがまんしてくれ、その協力がなければいかぬ、こういう意味だろうと思うのですよ。そうなると、そのがまんのしようがあるだろうと思うのですよ。がまんできることと、がまんできないことがある。あるいはまた夜間に回そう、夜間に回そうとおっしゃいますけれども、これは営業車に関する限りは商売ですから、あなたのほうから精神訓話しなくても、これは昼間走れない、商売にならないということでは、夜間のすいておるときに走ろうとするのはあたりまえなんです。統計を見ますと、大体夜間に回っておるトラックは、六〇%は夜間に回っておるそうです、実質的には。そうしなければ商売できない。残りの四〇%は夜間に回ろうと思っても回れないから、昼間にのこのこ走っておる。これは規制されたら、たいへんなことになる。私がこう申しますと、業界のほうはたいへんだろうといろお言葉がありましたけれども、私は決して業界に肩を持つわけじゃありません。  これを、やったら、一体東京都の経済はどうなるのか、東京都の都民生活はどうなるのか、輸送事情はどうなるのかということを心配して申し上げておる。私が冒頭に申し上げておるように、国家が公益事業として免許しておるゆえんのものは、これがないというと、東京都民は困るのだ、しかるに野放しにしておっては公益のためにいけないのだということで、そういう事業活動なんです。そこらのだ菓子屋さんとは違うわけです。これも公安委員会がやるからといったら、いろいろな弊害が起きる、それは協力してがまんしてくれ、これだけでは、私は解決できないと思うのです。でありまするから、私が望むことは、がまんをしてくれ、がまんをしてくれは、それでいいのだけれども、しかしどこをどうがまんをするのか、これをこうすれば、こういう現象が起こるが、むずかしいが、ひとつがまんしてくれぬか、こういうことをざっくばらんにいうのならば、関係方面と御相談なさって、御意見を聞いて、その結果最大公約数をまとめてやる、これが順序だと思う。みんな寄ってきてけっこう、けっこうと、これでやるのならいいのです。  でありますから、私は日ト協の要望書の問題を拝見しましたけれども、日ト協にも、結果的にこのほかにも、いろいろなこれがあるのじゃないか、あれがあるのじゃないかという意見も出しておられるのです。そういうことであり、さらにこれは、まあ議会政治の運営の根本に触れるかもしれませんけれども、野党第一党である社会党が、これはたいへんだ、都市交通特別委員会を作ろうということで作った矢先に、われわれ社会党はこれは反対だと決議して国会にいったらどうなるのですか。国会運営が政党政治である以上は、一野党第一党も、そういうものを作って関心を持っておるのならば、それは警視庁のほうも、十分関心を持ってもらわなければならぬと思うのですよ。与党ばかりではない。その点からいって突如として、全く突如として十三日に、こういうものをぱっと発表されるということは、この前二月六日の委員会で、ここで発言されたことはまあそれをつくろう答弁としか受け取れないのですよ。どうですか。今案がきまっていない、車種別とは何だといえば、車種別とは乗用車もあり、トラックもあり・あるいは営業車もあり、自家用車あり、大型もあり、小型もありということで、これは答弁に何らなっていないという答弁だった。これは突如としてきまってくるのですから、今あなたの御答弁を聞いておりますと、非常に自信満々というより、むしろこれ以外にないのだ、これに協力しなければ、お前たちは悪いのだという言い方なんです。これは私は、こういう外国の例は知りませんけれども、最近読んだ本によりまするというと、アメリカにおける都市交通政策の重点は、乗用車、自動車よりも、地下鉄なりあるいはバスという大衆交通機関に都市交通政策の重点が移行しておるという話を聞いております。にもかかわらず、日本においては一千万人の人口を擁して、ニューヨークなんかと違って、わずかに一〇%の道路面積しかないのですよ。その一〇%の道路面積しかない東京都において、今学生が乗り回すような自家用車や、あるいは有閑マダムが乗り回すような自家用車の増加を放っておいて、そして都民活動のトラックは、外国ではパンといわれておりますけれども、それを優先して制限するということは、これは少し国際的に見ても逆行しておるんじゃないかと思うのですね。私はもう少し考慮してもらいたいと思うのです。  そこで、そういう点で今たまたま乗用車、自家用車の制限ということを触れましたけれども、そういう点について御検討なさったことがありますか。
  104. 柏村信雄

    政府委員(柏村信雄君) 自家用乗用車については、ただいまお話のように有閑マダムが乗っておる、あるいは学生が乗っている、まあ最近は花嫁にいくには運転ができなければいかぬ、自動車を持っていくというようなこと、これは私どもからして、決して歓迎すべきことではございませんけれども、こういうものは警察としての規制の対象外でございます。車をそのどういう目的で乗っているかということまで調べて、一々規制するということは、できるわけでもございませんし、またそういう用途別に規制する法的根拠も非常に薄弱であろうと思うわけでございます。  したがいまして、乗用車について規制するということは、現在のところ警察としては考えておらぬわけでございまして、先ほど申し上げましたように、今動いている車は、動くようにする、しかしながらこれだけ混雑するのであるから、夜間に回ってもらえるものは、できるだけ夜間に回ってもらおうということを考えておるわけでございまして、何でも犠牲をしいるというような意味ではなくして、その犠牲が、他のものと比べて比較的少ないというようなものについて実施をしていくという基本的な考え方で進んでおるわけでございまして、先ほど……
  105. 大倉精一

    ○大倉精一君 これは重大な問題だと思うのですよ。なるほど有閑マダムや学生が自家用車を乗り回しておるが、そういうものを規制するのは私どもの任務じゃないとおっしゃる。私が聞いておるのは、そういうものを検討されたことがあるかということを聞いておるのですよ。いやしくも都市交通というものを、あなたは交通緩和をするということを検討されておる限りにおいては、必ずこれにやはり関心を持っておられるはずです。しからば、やはりこれも規制しなければならないというならば、自分の権限がなければ、そういうものを建議しなければならんでしょう。閣僚懇談会は何のためにあるか。警察庁はこれがいいんだということで独走しており、運輸省はこれでいいんだということで進んでおる。建設省はこれだ、これは運輸大臣にきょうは質問いたしませんけれども、運輸大臣予算委員会においては、都心に駐車場を作れば車が集中してくるから、そういうものは考えておりませんという答弁があったようにラジオか新聞で読みましたけれども、建設省は都心に駐車場を広げるのだ、作るんだということになってくる。そうなると、全くあなたのほうの案というものは、乗用車の問題におれの権限じゃないから、どこかでやってくれ、おれのほうの権限はこれだから、やれるものからやっていくと、こうなってくると、総合政策というものは一体どうなってくる、そう考えませんか。  つまり自家用車の問題は、あなたのほうの権限ではありません。ありませんけれども、都市交通の問題を考える場合、当然これは考慮に入れておく問題であって、自家用車の面に問題があるとするならば、これは関係方面に対して建議をするなり協議を求めるなり、それをおやりにならなければならないと思うのですが、それはいかがですか。
  106. 柏村信雄

    政府委員(柏村信雄君) 交通関係の総合施策というものについて、私非常に大きな責任の上でお話するということはどうかと思いまするけれども、乗用車の問題についても考えていないわけではございません。ただ、私どもが調べた結果では、日本全体として見ると、決して人口当たりの車の数が多いわけではない。欧米各国と比べて多いわけではない。しかしながら、それが大都市に集中しているということのために混雑が起こっている。したがって、これに対しては、たとえば産業都市を地方に分散して、そういうものを、車も大都市集中ということを少なくしていくとか。あるいはこれはとっぴな意見かもしれませんけれども、大都市付近における自家用乗用車の持ち方について、何らかの規制措置を考えるというようなことも一つの方策だとも思うのでございますが、そういう点は、全体が都市交通を円滑にするという方向において、各省がそれぞれの権限にに基づいて、私は実施されていくべきものであろうというふうに思うのです。またそういうことについて御相談になるのが閣僚懇談会であるかと私は思うのでございます。
  107. 大倉精一

    ○大倉精一君 きょうは別に長官を責めるとか何とかというのじゃなくて、運輸委員の人々においても、盛んにこういう議論をやっておりますから、きょうは特に聞いてもらいたいと思って言っているのです。この前の委員会には、通産省の方も来てもらいましたが、自動車メーカーの状況を見ますというと、どんどん増産計画ですね。作らんかな、売らんかなですね。マス・セール時代を作るのだと言って、それに対して、通産省はやっている。先方は車を規制すると言っている。通産省の答弁を聞いておりますと、自由化に備えて、自動車のコストを下げるには、たくさん作らなければならぬから作るのだと言っている。ところが、自動車のコストを下げるといっても、大衆には何の関係もないのです。八十万円が五十万円になっても、われわれは買えませんよ、そんなものは。そういうものの犠牲になったら、一体どうなるのですか。そういうことをあなたのほうで総合的に考えて、こういう案を出さなければ、私は納得できないと思うのです。それは通産省のやることだ、それは運輸省のやることだ、あるいは今のお話のように、何も一人当たりの自動車の所有台数は、諸外国に比べて日本はそう多くないとおっしゃるが、それでは道路の面積はどうなんです。一体一千万人の人口を持って一〇%の道路面積しか持っていない国が、どこにありますか。そんな小さい入れものに、野放図に乗用車の増加をまかしておいて、そして今のお話ですと、道路の建設をするとおっしゃるが、いくら道路を建設しても、現在のような自動車行政であったら、自動車の増加に追っつきませんよ、道路が。  そういうことを検討しながらやっていかなければ、さらにまた都市の分散というようなことをあなたはおっしゃるけれども、それは先のことであって、今どうするかということなんですよ。それには、まあ運輸委員会の意向としては、自家用車のほうを先に考慮すべきではないかという意向が強いのです、決定じゃありませんよ。人間の乗るほうを先に規制すべきじゃないか規制の方法はいろいろあるでしょう。これを言ったら、木村さんだったか、名案があったら教えて下さいと、この前に答弁があった。そんな簡単に名案は持ち合わせませんよ。持ち合わせませんけれども、ニューヨークなり、ロンドンなりでもって、すでにやっている。きょうも聞きますというと、交通公社のほうで在外駐在の事務所長会議を三日間おやりになったそうですけれども、われわれ会議が終わったら、この方々から直接に外国における、ことにアメリカにおける郊外駐車の制度の実態について聞いてみたいと思っているのです。そういう制度を、あなた方は、もっと御検討なさってから、こういう案をお出しにならぬと、何も四月からやらなければならぬというのではない、五月からでもかまわないのですよ。少しぐらいおくれてもいいのですよ。まあそれは建設省等の関係もあるでしょうし、そこは十分閣僚懇談会もあることですからおやりになって、私はもっとおくれてもいいと思うのですよ。  どうなんですか、そういう総合的なものを、もう一度閣僚懇談会に持ち出して御検討になる御気持はありませんか。
  108. 柏村信雄

    政府委員(柏村信雄君) 先ほどお話のあったように、諸外国において、地下鉄であるとか、バスであるとかいうものを重点的に発展させていくということ、これは私確かに東京などにおいて、特に痛切に感ぜられるところだと思うのです。そういうふうにしていけば、乗用車を利用する者も減ってくる可能性は出てくるわけでございます。非常に緩慢な運行しかできないというようなことでなしに、快適に乗れるような地下鉄なりバスなりというものが発達すれば、自然そちらに客がふえていくということは考えられるわけでありまするが、ただいまお話のように、道路の拡幅等が困難であると同様に、やはり相当時間をかけなければならない。とても年内に間に合うような問題ではない。しかもこのままで東京都の交通が何らの規制なしに進められる、また何らの自主的な犠牲なしに進められるということでありますれば、おそらくことしの下半期においては、非常な麻痺渋滞状態ということに相なると思うのでありまして、そういう面から、まずできるものから、やはり進めていく必要があるんではないかという考え方で警視庁が今度の案を考えたわけであります。  しかもこれについて、いろいろ意見を伺っておるわけでありますから、これにかわるような非常な名案というものがありますれば、それはそれを取り入れるのにやぶさかではないと思ったのですが、先ほど申し上げましたように、私の見通しとしましては、非常にそういう余地が少ないのではないかということを申し上げたわけであります。
  109. 天坊裕彦

    ○天坊裕彦君 今大倉君の、その質問の一番大事なところは、この案が、今お話のように十分自信を持っておこしらえになった。それは十分わかるけれども、やはり案なので、もう少し今のお話のように、あちこちの御意見をお聞きになって、なるほどそれももっともだということがあれば変えるのだというお答えであるかないかが、一番大事なことだと思う。今おっしゃったが、やっぱり一番いい案だと思うと、それもけっこうです。しかし、いろいろ権利義務に関連する問題もあるし、都市計画に関する問題も皆さんがお考えになっているよりも深刻な問題が出てこぬとも限らぬ。その点においていろいろ意見が出た場合には、それは考え直す余地があるのだ、これはそうおっしゃっているはずだと思うのです。そうでなければ私はおかしいと思うのですよ、どうですか。
  110. 柏村信雄

    政府委員(柏村信雄君) 形の上におきましても、都公安委員会の決裁を経て公示をしたわけではございません、まだ。したがって、変更する余地が全然ないわけではございませんけれども、見通しとしては、これにかわる名案というものが、そう出てこないのではないか。したがって、これはやはり四月ごろから実施して、それに皆さんの御協力を願って、そしてさらに第二段、第三段という大幅の規制などはしないでもうまくいくような成果を、自主的な犠牲と申しますか、調整で期待できるならば、それが最上であるし、しからざる場合におきましては、またさらに第二段の規制に踏み込まざるを得ないというふうな情勢ではないかということを、私はまあ率直に、今、私の感じておることを申し上げたわけであります。
  111. 天坊裕彦

    ○天坊裕彦君 今お話のつけたしの、率直におっしゃる点が、まあ結局受け取り方によっては、これよりほかにいい案はないではないかという自信のほどを伺えてけっこうですけれども、やっぱりもう少し練っていただきたい。その問題については、みんなやっぱり意見があるのだ。それから今お話の自家用車の問題についても、今反発されている御議論は、どっちがいいかは別問題ですけれども、やっぱりあとの率直な御意見のほうは、あなたが黙っておいでになってもそのとおりなんで、私は、案として出しておるので、いい案があれば考え直します、またさっき運輸大臣がおっしゃいましたように、できるだけいい案にするということでいいのじゃないですかね。それでいいじゃないですか。
  112. 柏村信雄

    政府委員(柏村信雄君) 確かにいい案があれば、それを取り入れるにやぶさかでないということは申し上げておきます。
  113. 大倉精一

    ○大倉精一君 それでいい案があればということですがね、これは当然これよりいい案があれば、それにこしたことはないのですけれども、運輸大臣も先ほど、閣僚懇談会でも相談ずるということだから、私はその点に期待を持っているのですが、これにかわる案があるかないかということであれば、私はないとは言えない、方針としてないとは言えない。私は前からはっきり言っておるように、規制の第一番は、やっぱりレジャー・カーだ。これは方針がまるで違うでしょう。あなたのほうは荷物を持っていくパンだとおっしゃる。私のほうは、そうではない。あのレジャー・カー及びこれに準ずるもの、不必要な人間の乗るものは都心に入れないという方針、その方法はいろいろ研究しなければならぬでしょう、これは案があります、ありますが、こういうものに基づいて、われわれも審議をし、そういう案もあるということを前提として審議をし、商工会議所においても審議をしておるのです。  ですから、私はここで何べん言ってもきりがありませんから、運輸大臣に二、三お尋ねしますけれども、参考のために私がある専門家から、こうなったら、一体どうなるのだという現象を聞いた記録がここにありますから、あとで読んで下さい、項目でもいいんですがね。「交通規制の及ぼす影響」として、「東京都内を運行している全車両は約七十万両であり、そのうち営業路線車は約千三百両である。このうちすでに六〇%程度は夜間運行に切りかえられているので、昼間運行車はわずかに五百両程度である。今回特にこのような僅少なものを規制の対象として通行禁止の措置をした理由は何か、理解に苦しむものである。かりに夜間運行に切りかえが可能であるとの理由によるものでありとするならば、これは全く実情を無視したものといえる。  たとえば、1、都内に発着する路線貨物の三〇%程度は一トン以上の口物であり、これは路線車で、そのまま集貨、配達が行なわれているのであって、それを今回の措置によれば、昼間都区内通行不可能なため、別途集配車を増備せざるを得ない結果となり、増施設、増車、増員を余儀なくせられ、これがため増支出はコスト高を招来し、やがては公共料金の値上げの段階にまで発展するおそれがある。なお、現今では施設費の調達はきわめて困難な経済情勢にあり、運転手の獲得もまた困難な事情になっている。  2、従来二十四時間フルに利用していた路線施設のホームは、昼間十二時間のみの使用を余儀なくせられるため、さらに広大な設備を別途に新設する必要が生じてくる。  3、通行禁止のため駐車時間の延長が考えられ、集配車増備のための車庫もしくは駐車場を新しく設ける必要が生ずる。  4、夜間荷役が増加するので、経費高となり、また夜間作業員の獲得が困難である。  5、至近距離(千葉、埼玉、神奈川等)も夜間運行となるので、コスト高となる。  6、近距離(静岡、栃木、群馬、茨城等)は5項に加えて、途中積みおろしのための夜間作業員を必要とするので、さらにコスト高となる。  7、受荷主側に荷受の体制がほとんどないため相当の困難が予想される。  8、三百五十キロ以上の地区については翌日配達が不可能となり、大半が翌々日の配達となる。  以上の実情から貨物の速達は期しがたく、小型集配車の急増によって都内交通事情はさらに悪化することも懸念されるので、都内に発着する物資の円満な流通は、今回の措置以前と比較してよくなるとは考えられない。諸種の増支出によるコスト高は運賃料金の値上げをも余儀なきに至らしめ、国民経済生活にも影響し、物価政策上も悪循環を繰り返すおそれも出てくる。さらに長距離便についてはスピードがおそくなることと運賃料金の値上がりとによって、その利用度は薄くなり、やがては業者の生存すらおびやかす結果となることは明らかである。」と。  こういうようなことが書いてあるのです。こういうような非常な弊害が出てくるのです。これは業者でなくて、これを通じて東京都の経済なり、都民の生活に非常に大きな影響が出てくるのですよ。そういうあれがあるのです。あなたの言をかりるならば、そこを協力せいというのですね。協力できることと、できないことがあるということを御認識願いたい。  そこで長官に対しては、私の今まで申し上げたことでもって、大体意を尽しておると思うのですけれども、大臣にひとつお伺いしたいのですけれども、交通関係閣僚懇談会というものの性格は、一体どうなんでしょうか。実は閣僚懇談会の責任者なり何なり代表者をひとつ呼んでくれといったらだれが来るかわからぬといったようなことがある。それはどうなんですか。
  114. 斎藤昇

    国務大臣斎藤昇君) 閣僚懇談会の性格は、関係各省に分れております行政を、できるだけ思想統一をして、そうして同じ方向でこの交通混雑の緩和、あるいは事故防止等に協力してやっていこう、各省各庁のなわ張り争いで、やるべきことがおくれておるというようなことがあっては相ならぬ、お互いに知恵をしぼってお互いに協力していこう、こういうことでございます。閣僚懇談会は、直接関係を持っておりまする大臣と、それから直接関係を持っておられない、いわゆる三木国務大臣と、川島国務大臣は、これは行政管理庁という意味で、本来、関係各省間の、そういうことの調節をする役割も持っておられますからお入りになられて、そうして三木国務大臣を取りまとめ役といいますか、座長といいますか、という形でやっておるわけでございます。
  115. 大倉精一

    ○大倉精一君 そこでお伺いするのですけれども、閣僚懇談会において、都市交通に関して、車両規制については、いろいろ規制しなければならぬというお考えはあったのだろうと思うのだが、先ほど柏村長官もおっしゃったように、乗用車に関しては規制をしていかなければならぬという御発言があったけれども、乗用車の規制ということについて、閣僚懇談会で、何か話題になったことがあるかないか……。
  116. 斎藤昇

    国務大臣斎藤昇君) 話題になったことがございます。乗用車については、何か考えがないだろうかというふうな話がございました。いつか申し上げました大型車は何とか自粛をしてもらえないかとか、その範を示すという意味から、官庁用の大型車をできるだけ中小型に、国産車に切りかえていくという方向が望ましいということで、各関係官庁の大型車の数を調べてみようということになったわけであります。まだ結論が出ておりませんが、今直ちに全部中小型にかえるということは、予算の点にも支障を来たすというような声も出ておりますが、しかし逐次、そういう方向にやっていこうということ、また、できるだけ大型車はあっても乗らないというようにやっていこうという方向になっていくだろうと思います。  それから一般につきましては、これは私は、まあ都心部の路面に駐車をすることをできるだけ厳禁をしてもらいたい、これは大型乗用車だけではございませんが、道が非常に広いからといって、その道を通行すること自身に支障がなくても、都心へ持っていって乗用車をとめておけるということは、都心に乗用車を持ち込む原因になる。まず路面の駐車を厳重に取り締まり、あるいは駐車禁止区域をもっと広げてもらいたいということを私は申し出ております。  それから先ほどお話がありました、路外の駐車場の設置、駐車場法の改正は、限られた商業地域についての路外の駐車場の設置の義務あるいは助成等の規定でありましたが、これをもっと広めるということが、今度の改正の案であります。私は、この案に賛成であるということは−−都心以外のところに設置義務を負わせる、あるいは助成をしていくというわけでありますから、これは賛成だ、しかし、都心の中で、今後これはもっと道が広くなって、もう少し交通事情がよくなるということであれば別だが、現在の状態で千代田区とかあるいは銀座かいわいとかというところに、乗用車の大駐車場をむやみやたらに設けるということは、かえって乗用車を持ち込む原因になるのじゃないか。この点をよほど検討をしてもらいたい、私はこう言っておるわけであります。  先般予算委員会で、ある委員から、衆議院のほうでありましたが、駐車をする場所がないから、町をぐるぐる主人をおろして、そして回っているという車があるとおっしゃいました。これは私も実情を知っておりますが、これは数は、そう多くはないだろうと思います。それから今後ふえていく乗用車は、私はオーナー・ドライバーの車がふえていくだろうと思います。運転手を雇うていくという乗用車のふえ方よりも、オーナー・ドライバーの乗用車が、日本の今後の趨勢としてはふえていくだろう、こういうように考えておりますし、大都会の車も、非常に混雑をしてきておるところでは、今まで有料駐車場等も奨励して作らしておったというところも、駐車場の設置禁止ということをやっておるという現状にかんがみまして、私は東京の都心も同様ではなかろうか、そういうような間接的な方法によって、乗用車を都心へ持っていっても置く場所がない。かえって不便だ、こういうことで、都心に近づくところへ駐車をさしていくというようないき方を、将来のいき方としてはとってもらいたいということを申しておるわけであります。
  117. 大倉精一

    ○大倉精一君 まあ乗用車の問題のお話が出たというのですけれども、官庁の大型車は遠慮するといって見たところが実際あれは幅をはかって見たら、私は車の名前はよく知りませんけれども、プリンスですか、何かをはかってみますと、これくらい違うのです。大して違いません、あんなものは。  それよりも運輸大臣のお考えとして、方法は検討しなければなりませんが、まずもって規制順序としてやはり不必要な不急不要といいますかね、そういう自家用車の都心乗り入れを規制すべきじゃないか。この私の考えについて、大臣はどうですか。それをやってみて、それの効果を一体どれくらい期待できるか、これは四月からやれとか何とか、そんな長い準備期間は要らぬのです。それは来週からやれといえば、やれるのですから、たとえば方法によってはですよ。これによって期待するものは、どのくらいあるか、なおかついかぬときは、今度はじゃ営業用トラックとか、いろいろ順序があると思います。順序の一番初めは、私はやはり不急不要の自家用車の都心乗り入れを制限をするということだと思うのですけれども、大臣いかがですか、その考えについては。
  118. 斎藤昇

    国務大臣斎藤昇君) 私は今日の交通の状況、それは麻痺寸前といえば麻痺寸前の場所もございますが、乗用者は一切都心乗り入れ禁止……。
  119. 大倉精一

    ○大倉精一君 一切じゃないですよ。
  120. 斎藤昇

    国務大臣斎藤昇君) ……ということは、どうだろうかと思います。そうしますと、乗用車のうち、その種別を限る。この限り方が非常にむずかしい。強制的にやるということはやはり……、間接的な方法で逐次自粛を求めてやっていくこと以外にないのじゃないだろうかという感じがしております。いまひとつ、将来乗用車を増させないために、車庫の設置義務を設けたらという議論が出ております。私は申し落しましたが。しかし、この点も乗用車を持つ場合、車庫を持つだけの資力のある者でなければ持てないというようにすることは、かえってどうであるかという感じがするわけであります。都心に持っていっても、乗用車をとめておけないということになれば、そうすれば常時駐車をさせるというような場所を、これは何も車庫というものでなくても、大きな家であれば庭でもよろしいでしょう、露天でも。これは道路以外であれば、これは私は差しつかえない。  むしろそういったほうの規制をやって、間接的に制限をするという道がいいんじゃないかと、こういう意見を私としては持つのであります。
  121. 大倉精一

    ○大倉精一君 私は技術的にはわかりませんけれども、どうやって規制したらいいかということは、これはなかなかむずかしいと思うのです。この方針として大臣みずからが駐車場を作って、こうやってということを考えなくても、運輸省のお役人さんに、どうも不急不用の車がじゃましておるように思うから、これの都心乗り入れを制限しなければならないから、その方法を検討せよとお言いになれば、これはお役人が検討すると思う、運輸省のほうで。そういうことをやって、これを懇談会に持ち出して、こういうことをやれば、こういう程度の交通規制ができる。これについては、今言ったように幸い会おうと思っているのですけれども、交通公社の在外駐在事務所長会議が三日間開かれておる。ロンドンあるいはニューヨーク等における外国の乗用車の規制についての実情、どういう方法でやっているかということについても私は聞いてみたいと思うのです。そういうことをあなたみずからが聞かなくても、事務所の人に聞いて研究しておけ、こう言って、案を作らして、そうして警視庁の案もある、運輸省の案もある、そういうものを懇談会に持ち出してどうしようか、こうやってもらわないと困る。それで今度は並行しまして、自動車を作るメーカーのほうのこともあるだろう。そんなことをやったら、メーカーが反対してくるだろう。だから、そういうものをいろいろ案を出させて、それによって検討をしておかないと、私は一方的になると思う。  特に、今あなたがおっしゃったように、乗用車の車庫を作るような資力のある者でなければ、乗用車を持てないということはどうだろうかとおっしゃるけれども、将来みんな持っていいと思うけれども、それには東京都の道路の整備もでき、それから東京都の近代的な整備ができてからやってもらえばいいのであって、そういう考え方で、一向差しつかえないと思うのですが、これはどうでしょうか、大臣運輸大臣としての立場から、運輸省の立場からそういう問題について、一ぺん運輸省の諸君に案を作らしてみたらどうですか、これを懇談会に持ち出したらどうですか。
  122. 斎藤昇

    国務大臣斎藤昇君) 事務当局のほうにも、いい方法はないかといって、その検討を命じているのであります。まだいい案が出て参りません。警察庁その他においても頭をしぼっておるわけであります。
  123. 加賀山之雄

    加賀山之雄君 関連。実は、きのうも私は予算委員会で、この問題に触れたのですが、これについての根本的な解決策は、これは当然進められなければならぬが、ともかく応急の問題として、今日は麻痺程度で済んでいるが、これを放置しておいたら麻痺どころじゃなくて、私はほんとうに詰まって、先ほど柏村長官は、一次であとはやらぬようにしたいというお話があったが、そんなことはとうていできない。これは二次、三次とさらに強い規制をしなければならぬことは、私は自明の理だと思うのです。  そこで私は、大型とか貨物ばかりに目を向けるだけでは、これは解決しないので、しかも、これはマイナスが非常に大きい。これは大倉委員が言われるとおり、全く私は同感です。これはちょっと入れものが小さいのだから、道路の拡幅や、住宅問題はすぐに解決しないのだから、とりあえずやるべきことは、なんとしても乗用車、あるいは非常な趨勢でふえていると思われる小型の自家乗用車、これは非常に多いと思う。これは自動車局長も見えておるようだが、自家用車は、これはもうほとんど野放し、つまり営業と違って免許とかということは要らないので、まあいわば放っておけば、どんどんふえる一方、こういうふうに考えてよろしいと思いますが、どうですか。
  124. 向井重郷

    説明員(向井重郷君) 自家用車の問題でございますが……
  125. 加賀山之雄

    加賀山之雄君 貨物、小型の自家用自動車も含めて……。
  126. 向井重郷

    説明員(向井重郷君) 自家用車につきましては、使用いたします場合に、別に使用のための許可とか、そういったものが一切ございません。車両の登録と、それから検査に合格すれば、自由に使っていいわけであります。  ただ、自家用の中で、自家用のトラックにつきましては、ひところ非常に営業類似のもぐり営業がありましたために、これを取り締まる必要上、自家用のトラックにつきましては、その使用の届け出ということをやらしております。使用の届け出でございます。その使用の届け出をやらしておりまして、それの付属書類として、使用者の名前とか、どういう目的で使うとか、あるいは車庫常置場所はどこか、ということを付属書類として書かすようにいたしております。  これが自家用に関します現状でございます。
  127. 加賀山之雄

    加賀山之雄君 つまり自動車の生産は、これはどんどん自由化対策なんかでふやしていく。とにかく便利なものだということで、いかなる商社も個人も、とにかくレジャーの自動車はさておいて、事業上ふえていく小型貨物というか、四輪、三輪、特に最近では四輪の競争が激しいが、小型四輪の増加趨勢というものは、これは大へんなものだろうと思う。これに対して、いわば届け出という今自動車局長お話があったが、いわば野放図です。ここに私は大きな解決のかぎがあると思う。  私は、この自動車交通の複雑さを見て、特に都内を走るときは、すれ違う自動車を注意深く見て、これは統計とまでいきませんが、とにかく非常に多いことは事実ですね。で、輻湊の非常に大きな部分は、小型の自動車です。何々会社の何々といった標示をしたもので、空で走っているものもあるし、少し積んで走っているものもある、これが走り回っている。これが数の上から、交通の輻湊の原因になっている。これは数字を見ても、小型車の増加趨勢というものは、これはもう極度に多いのですから明らかだと思う。  そこで私は、乗用車の場合は、自家用車について、これはやはり社会的な責任を加重しなければいかぬ。先ほど駐車場の設置をやるべきだというお話もあったけれども、私は社会的責任を加重しないと、一方、自動車を買え買えとあおるわけですから、しかも、ちょっと運転を習えば、 マダムも運転できるということで、婦人の運転者の運転する車も非常にふえておる。これは運転技術はもちろん十分じゃない。これらのことも、また混雑の原因の一部になっている。それから小型自動車でいうと、これが非常にふえて−−ふえたばかりでなく、走り回るばかりでなくて、路面を非常に勝手に使って、いわゆる路面駐車をして、荷役をして、そこに放置してある。自動車がようやくすれ違える程度の道路、そこに放置してある。数はもう数知れずある。こういうものについては、つまりもっと取り締まりを厳重にして、荷役をやる場合に、これは出先でやる場合は別として、自分の店先でやるような場合は、その荷役をやる設備、つまり早く−−外国なんかでよくあるわけですが、ちょっと地下室へ荷物が入れられるような設備をして交通のじゃまをしないようにしている。そういった責任を加重しないと、この小型車、自家用車あるいは乗用車の増加は食いとめられない。これは何も食いとめるのが主じゃないので、自動車産業からいっても、使用がふえて便利になっていくことは望むべきことなんですが、今の東京なり大都市の道路なり、今の実情としては、これ以上ふやしたら大へんですよ。  これを押える方法を今考える。これが、私はどうもポイントのような気がするので、大型車やそれから貨物自動車、一般貨物自動車、営業用の自動車なりに目をつけられると、これはかえって産業なり台所方面なり、国鉄産業面なりに対するロスが非常に大きなものになるような気がしますが、この自家用自動車、それから自家用の小型貨物自動車、こういうものについての規制のお考えがあるかないか。閣僚懇談会等では、私はそういう問題をひとつ取り上げて、十分に考えを立てるように、対策を立てるように命じていただきたいと思うのだが、どうですか。これは斎藤運輸大臣ひとつ、どういうふうにお考えになるか。
  128. 斎藤昇

    国務大臣斎藤昇君) 今日の当面の問題といたしましては、おっしゃるとおりと考えますし、ことに大型のトラックが非常に行動が不自由だということから、むしろ大型のトラックをやめて、小型で荷物を運ぶというような傾向がどんどんふえて参るという意味からいっても、小型がふえて参る。ことに日本産業、特に東京の産業がこれだけふえてくれば、やはり運搬をするという仕事がふえてくるのは当然なんですから、そこで、これを規制をすれば、産業の伸びが東京ではとまるということにまあなるわけです。ただ十分な、一ぱいの荷物を積まない小型車を各人がたくさん持っているということはあれでありましょうから、場合によれば、同じ系統の会社等においては、むしろ一つ輸送会社を作って効率的に車を回す。そうすれば、車の走行キロが減るということにもなるわけですから、そんな指導もできないかということを言っているわけです。  なお、今後さらに検討いたしますが、今これといった案を持っておりませんので、さらに検討を加えたいと思います。
  129. 谷口慶吉

    ○谷口慶吉君 これは大臣あるいは長官に承りたいのですけれども、東京都内で一つだけ、どうしても私割り切れないものがあるのですけれども、と申しますのは、路上に東京都が有料駐車場を置いているでしょう、パーキング・メーター、あれを丸の内あたりは両側に置かしてある所があります。もし御承知でなかったら見に行ってもいいと思います。あれを見てみまして、そして道路が、交通が非常に混乱するからということで、今度は都の公安委員会では一方交通にした。あれは駐車がなかったら、一方交通にする必要はさらにないじゃないかと思われるところが非常に多いのですよ。  あれを見ていて私しみじみ感じますのは、まさに東京都のやり口、あれはばくちのテラ銭かせぎですよ。そのばくちを何で許さなければならないのか。もし東京都に良識あるならば、ああいうばかげたことは私はなすべきじゃないと思う。繰り返し申し上げますが、あれはばくちのテラ銭かせぎですよ。ああいうことが一方に行なわれていて、そして重大な交通麻痺の問題が討議されるということにも私は問題があるような気がする。  これはどうなんですか。規制はできないのですか、こういうのは。
  130. 斎藤昇

    国務大臣斎藤昇君) 路上の駐車場は、これは道路管理者がやっているわけでございます。建設大臣お話によりますると、かつての路上有料駐車場も逐次減らしつつある、やめつつあるというように説明を聞いておりますが、具体的の点につきましては、ありましたら、また私のほうからも申し伝えておきたいと思います。
  131. 相澤重明

    ○相澤重明君 私、まあきょう初めて出て来て、いろいろ意見を聞いておったのですが、臨時都市交通閣僚懇談会の、先ほど大臣から話もあったが、これは定例閣議のあとは随時やはり開くというのがお考えですか。
  132. 斎藤昇

    国務大臣斎藤昇君) 毎週火曜日の定例閣議のあとでは、必ず定例的にやろうという話をいたしております。それ以外に必要あれば何どきでもやるということになっておりまするし、臨時にやった場合もございます。
  133. 相澤重明

    ○相澤重明君 そこで柏村長官の先ほどのこの規制に対する案、これにかわるべきよい案があればというお話であるが、実際的に、なかなかいい案が出てこないのでと、こう言うのでありますが、実は私、きのうきょうと横浜から通っておりますが、実は非常にうまくやったなという印象を持っているわけです。通って来るときに、実に交通区分がはっきりして−−これはいよいよ四月から規制をされるから、その予行演習でパトロールを若干やったから、それもきいておるかもしれぬが、とにかく非常に道路は交錯しておらない。スムースに通行ができる。従来私が横浜から国会まで来ると、五反田で大体少ないときに十分、多いときに三十分ぐらいあそこでとめられる、それから国会にくるのですから、一時間半から一時間四十分ぐらいかかる。それが今では一時間から一時間二十分かければ国会に入れる。こういうことからみて、これはだいぶ新聞でぱっと出したので、警察庁がやりたいといったものだから、非常によくなったという印象を私は持っておるのです。  しかしこの反面、今度はいろいろお話を聞いてみる、あるいは新聞を見ると、この都心乗り入れの問題については、やはり根本的な対策というものが欠けておりはしないか。こういう配慮というものは、実施を前にすることでありますから、やはり閣僚懇談会等に、十分そういう関係者意見を織り込んで、それでこの実施をすべきであって、それをしないというとせっかくの−−一時は、そういう国民的な世論、あるいはムードができても、それは日がたつと、ぱっとなくなってしまう、こういうおそれがある。ですから、ぜひ私は都心乗り入れの問題については徹底をしてもらいたいし、やる場合には、今の都民の生活をやはり無視はできない。こういうところで、先ほどから各委員から出ている運輸専門の立場においては、私どもは規制をする場合には、単にトラックだけでは問題が解決しない。こういう点ははっきりしておるのです。ですから、こういう点について、特に余暇を楽しむ人たらにとっては、若干酷かもしれぬけれども、やはりこういうものは規制の第一にすべき問題ではないだろうか。そして生活にあるいは産業に重要なものについては、これは何としてもやはり入れなければ、これはできないわけなんですから、そういう問題を十分−−今大臣お話を聞けば、定例閣議のあとは閣僚懇談会が持たれるというなら、そういう中で関係方面の意見をとり入れて、何回もこれを討議して、先ほどの大倉委員お話ではないけれども、四月から実施ということは、たとえばそれが十日や半月延びても、私はよいものができることはけっこうだと思う。将来にわたって日本産業なり、あるいは東京都のいわゆる交通緩和ができるということが、国民みなの期待をすることであるから、私はぜひそれを実施してもらいたい。  そういうことで各方面の意見というものを持ち寄って、都の公安委員会そのものもお考えはあるでしょう、しかし安井自治大臣もそういう閣僚の一人でもあるし、十分あなた方も意見を伝えて、そしてよいものを私は作ってもらいたい。あとに憂いを残さないようにしてもらいたいと思うのです。  ですから、やはりこの自家用車の不急不要の規制ということに当面なると思いますが、あまり産業生活の問題に直接重要でないものについては、なるべくやはり第一に規制をしていく、そういう中でやってもらいたいという気持を持っておるわけですが、ひとつこれは、よくわからないので、一日の今都心に乗り入れておるトラックと乗用車を区分をして何台くらいになっておりますか。ちょっと教えてほしいんですが……。
  134. 柏村信雄

    政府委員(柏村信雄君) これは昨年の十一月調査のものでございますが、貨物が昼間千九十一−−貨物のうちの路線トラックが千九十一、それから大型トラックが約二万、その他のトラックが四万三千、合計して六万四千余入っております。それから夜間におきまして入ってくるものでございますが、貨物について路線が千二百ほど、それから大型トラックが四千八百、それからその他のトラックが七千余でございます。大体一万三千。  合計しますると、東京に入ってくるものが路線トラックで二千三百、大型トラックが約二万五千、それからその他のトラックが五万、全体で七万七千五百、こんな数字になっております。  それから都心部から出ていくもの−−都から出ていくものでございますが、同じ貨物についてまず申し上げますと、昼間に出ていくものが路線トラック千六百、大型トラックが一万九千八百、その他のトラックが約四万七千、合計六万八千。それから夜間に出ていきますものが路線トラックが千百、それから大型トラックが四千四百、その他のトラックが六千八百、こういうことでございます。  合計いたしますると路線トラックが二千七百、大型トラックが二万四千、その他のトラックが五万三千、全体で八万くらい。  乗用車で入ってきますその乗用車のうちバスが二千八百、それからハイヤー・タクシーが四千九百、その他の乗用車が二万九千九百で約三万、それから二輪車が一万七千、それから夜間に入ってきますものがバスは約八百、ハイヤー・タクシーが七千、その他の乗用車が八千七百、二輪車が三千八百。  出て行きますものについて申しますと、昼間はバスが約三千、それからハイヤー・タクシーが四千九百、その他の乗用車が二万八千、二輪車が一万七千八百。それから夜間に出て行きますのがバスは七百五十、ハイヤー・タクシーが七千四百、その他の乗用車が約一万、それから二輪車が約三千というようなことです。この夜間と申しますのは午後八時から翌日の午前八時まで、こういうふうにしての計算です。  今のは、全部ではございませんで、この調査は、警視庁で交通量の調査をいたした都内の主要十三路線、そういうものについての調査でございますから、全体数は、もっとふえるわけでございます。
  135. 相澤重明

    ○相澤重明君 そうしますと、大ざっぱにいって、乗用車あるいはトラックで、大体三十万両前後ですか。
  136. 柏村信雄

    政府委員(柏村信雄君) 貨物、乗用車を合わせて、上り下り全部合わせますと、約三十万です。
  137. 相澤重明

    ○相澤重明君 そこで、これは統計上の問題は、あとでまたお話を聞くとしても、いずれにしても、先ほどから長官自身もお話のように、やはり現在の路線乗り入れの問題が規制の対象になっておると思うのでありますが、この乗用車関係等を見ると、やはりレジャー・カー等については、あまり対象にお考えになっておらなかったようでありますが、かなりやはりこの中でも、大きなウエートを持っておるということは、これは指摘できると思うのですね。  ですから、さらにその上に、貿易自由化の方向でくれば、メーカーとしては、だんだん売らんかな、買わせんかなというPRも含んで、増車も必至になってくると思う。そういうことで、先ほどの自動車局長の言うように、自家用車としては、買った品物を間違いなく運転ができるということになれば、これは認めるということになりますと、むしろ、それが非常に大きな支障を来たすのではないか、こういう面もありますので、先ほどのお話のように、ぜひこの問題もひとつ、検討の重要な問題として私は加えていただきたい。そして、よいものを作ってほしいと思う。  以上、私の質問でありますが、いずれ、あとで道交法の問題が出てくると思いますが、そのときには、そのときでやることにして、一つだけこれは聞かせるだけ聞かしておいて下さい。長官からひとつ聞かしてもらいたいけれども、このうち、警察庁で、あるいは警視庁が違反として取り締まり件数というのは、一日どのくらい、それから罰金を取った者はどれくらい、何件くらい、罰金の額はどれくらい、一日。月平均、もしわかったら、どれくらいになっておるか。昨年の三十六年の集計ができておれば、三十六年の集計まで−−まだ無理かな、三十五年かな−−三十五年でも三十六年でもわかっておったら、一年間の罰金の額、それだけでけっこうです。私はあとは申しません。
  138. 柏村信雄

    政府委員(柏村信雄君) 今お話のものは、ちょっと今、資料を手元に持っておりませんので、後刻……。
  139. 相澤重明

    ○相澤重明君 では、あとで配って下さい。できれば長官に資料を配っていただくことにして、それは三十四年度くらいからがいいと思う。三十四年から、ひとつ取り締まり件数、一日どれくらい違反件数があったか、それから、そのうち、罰金がどれくらいあったか、それから年間の件数と金額、そういうものをひとつ三十四、五。六年度を、できたら資料で配付して下さい。
  140. 大倉精一

    ○大倉精一君 だいぶ時間がたちましたから、もう私もやめますが、最後に要望してやめたいと思うのですけれども、まず、自家用車の規制の問題については、閣僚懇談会でも話題になって、さらにまた、大臣も、これに対して関心を持っておいでになるということは、いろいろ先ほどの答弁からしてわかりました。  なおかつ、自家用車の規制の問題については、運輸省担当部門において、具体的に駐車場をどうするとか、あるいは路上駐車をどうするとかいう技術的な問題もありますので、そういうものについては、ひとつ担当部門において十分案を作っていただきたい。これをひとつ閣僚懇談会に持ち込んで、運輸大臣としての立場から、ひとつ遺憾のないような案をできるように努力してもらいたいと思います。  さらにまた、通産省関係のメーカーの関係もあり、あるいはその他の関係もありますので、名実ともに総合的に閣僚懇談会で、運輸大臣として、ひとつ努力を願いたいと思います。  それから、運輸省当局にお願いするのですけれども、きょうは明確な長官から回答を得られませんでしたけれども、もし、かりに、今の警視庁の案を実施されるとするならば、どういう現象が起こるかということ、これをひとつ検討してもらいたい。たとえば、われわれしろうと考えからいきましても、夜間に東京都内に入るということになれば、夜間に入れる距離に車は全部集まっていなければならない。待機していなければならない。それで、どこへ待機するか。そんな大きな場所はないはずで、しかも、東京、大阪においてやるということになれば、東京、大阪路線は、一体どういうことになるか。相当大きな問題だと思います。その他、万般の現象が起こってくると思うのでありますが、それを運輸省として、運輸調整の面から、あるいは輸送経済の面から起こり得る現象、さらにまた、労働問題も含まれますけれども、大体これをずっと並べて、われわれにわかるように検討しておいてもらいたいと思う。  これを要望いたしまして、この問題はさらに当委員会としても掘り下げて検討することを、ここで確認してもらって、本日の質問を終わります。
  141. 加賀山之雄

    加賀山之雄君 私も最後に要望だけ申し上げたいのだが、これをひとつ御検討願いたいと思います。  交通閣僚懇談会を中心にして、ひとつ柏村さんや木村さんのほうで御検討願いたいことは、一つは、タクシーの駐車制をとらせることがいいか悪いか、交通問題の解決の一助になりはしないかということを検討していただきたい。  それから、これから許可する、今までは非常に車が検査に通ればいいし、運転免許も割合に簡単にとれた、自家用車については。今後のもの、さかのぼればなおいいのですが、都心まで入るものと、都心まで入らないものと分けて、都心まで入れないという免許、都心まで入るものについては、特に免許を厳重にする、これは事務上非常に手数がかかると思いますが、そういうことができるかどうか。  それから、これは自家用小型貨物自動車、これは一考を要すると思うのですが、たとえば大型トラック……。ターミナルなんかを作って、郊外で、ターミナルまで入れないということになってくると、小型がなお町をはんらんすることは、火を見るよりも明らかだと思う。その場合に、小型を考えていかなければならない。私は、ことに、先ほど申しました何々商社が持つ小型乗用車も兼ねられるような小型荷物車のようなものは、これを非常に便宜に使っておる、こういうものについては、先ほど申し上げましたように、自家用の荷おろし場あるいは荷おろし施設というものが、路面交通をじゃましないでできるかどうかというようなことを、免許の一つの条件にしてもらう、そういうことができるかどうか。  それから、私どもの経験からしますというと、ひき逃げなんかでもそうなんですが、路面を非常にそういう車が行儀悪く使っておる。警視庁のほうでは、非常にスピード違反を厳重に取り締まられる。これはもっともですが、私は、路面の行儀の悪い使い方、これは非常に路面交通をじゃましておる例に、道の狭いところは、もちろん方々でぶつかりますので、こういうものに対する罰金をもっと強化する、こういうものはアメリカでもやっているようだが、その罰金で道路をよくするとか、あるいはそういう経費にも充てているそうでありますが、そういうものの取り締まりを、もう少し厳重にできるかどうか、こういう点の御検討を私はお願いしたいと思うのです。
  142. 金丸冨夫

    理事金丸冨夫君) ちょっと私、各委員に申し上げますが、この交通規制の問題は、御承知のように運輸関係としては最も重大な問題でございますので、きょうこれまで長く御討議願ったにもかかわらず、まだ入り口にも行っていないというような状況でもありますので、それについて非常に煩を避けるために、規制の問題でございますから、たとえば自動車の増加数とか、そういうもののがっちりした数字を、もしお持ち合わせがまだないようならば、運輸当局なり、あるいはまた警察当局のほうに、あらかじめ今後の研究のために提出をされるものがあるとすれば、お申し出になったほうがいいんじゃないかと思います。あとまた御質問のときに、一々ごめんどうをかけるのは煩にたえないと思うのです。  いかがでしょうか、その点お諮りいたします。
  143. 大倉精一

    ○大倉精一君 今の、私が前に要求をした、いわゆる警察のこの案を実施した場合におけるところの現象という中には、どのくらいの交通緩和の効果の期待ができるかということも含んでいるので、それも今お願いしたいと思うのです。  それから今委員長のおっしゃったことも、そういうふうにするのも、ひとつお願いしたい。それからもう一つは、先ほどから私申しておりましたように、諸外国におけるたとえばロンドン、ニューヨーク等における都市交通政策状態、特に自家用乗用車の郊外駐車規制の実施要領について御検討願い、資料として御提出願うならばけっこうだと思うのですけれども、あるいはこういう参考書とか、そういうものでもけっこうでございますけれども、こういう点について、ぜひ資料をお出し願いたいと思います。
  144. 金丸冨夫

    理事金丸冨夫君) 自動車局長、いかがでしょうか。結局、規制の問題で非常に、最近の数字をごらんにならずにいろいろ議論しておっても話にならぬ。結局、今度規制するので、十分に規制ができるような、増加数とか、そういう点のことも、まだ一向お話は伺っておりませんし、今後出ると思いますが、三、四年前からと最近の増加数量、各車種別の。そういうものをひとつ出していただけますか。
  145. 向井重郷

    説明員(向井重郷君) お話資料は準備いたしまして、御提出いたしたいと思います。ごく最近の資料に基づきまして、数年間の車種別の増加傾向、これは東京二十三区、それから東京都全体、あとは各府県別にとっておりますので、ありますから、必要だと私が判断いたしますのを、お許しいただければ判断いたしまして、資料を整えたいと思います。
  146. 金丸冨夫

    理事金丸冨夫君) できますれば東京、大阪ですね。大阪が大体同様の状況になっておるだろうと思いますので、これは引き続き問題になると思うのですが……。
  147. 相澤重明

    ○相澤重明君 だから、さっきちょっと長官に僕は話したけれども、数字に若干の違いがあるんだ、僕ら今まで調べたところによると。そとで警察庁の去年の十月か。これが、きわめて最近のは多いんですよ。ですから、これは三十万台なんていうのは昔の話なんだ、実際は。だから、数字を的確に資料をひとつ作っていただいて、それといま一つは、通産省が外車輸入等も今計画しておるでしょう、外車輸入、それから国内の各社の生産目標もあるわけです。そういうものを一応やっぱり入れなければ、規制をするなんて、現在だけを頭に置いたってだめなんだ。そういうことをして、やはりほんとうに都心乗り入れについての、全体が、なるほどこういうふうにやってみれば最もよいというのを出してもらうように、運輸省あたりで、関係省と話をすれば出てくるんだから、そういう資料をまとめて出してもらいたい。警察庁のほうは、今言った実績の上から、過去のものをひとつ出してもらいたい。こういう点をひとつ資料としてお願いします。
  148. 金丸冨夫

    理事金丸冨夫君) 相澤君の御意見資料、どちらで出していただけますか。
  149. 向井重郷

    説明員(向井重郷君) もう一度おっしゃっていただきたいんです。
  150. 金丸冨夫

    理事金丸冨夫君) 製造両数予定。
  151. 向井重郷

    説明員(向井重郷君) 生産につきましては、通産のほうで全部資料を握っておりますので、通産のほうから出していただくように……。
  152. 金丸冨夫

    理事金丸冨夫君) それでは本日の交通規制の問題については、この程度で打ち切りまして、また後日御苦労願うことにいたしまして、本日は、これで打ち切りたいと思います。  先ほど大倉君より交通規制に関する参考資料を会議録に掲載されたい旨の申し出がございましたが、お申し出どおりに会議録に掲載して差しつかえございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  153. 金丸冨夫

    理事金丸冨夫君) 御異議ないと認めます。さよう取り計らいをいたします。  本日は、これをもって散会いたします。    午後二時三十五分散会      —————・—————