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1962-04-03 第40回国会 参議院 オリンピック準備促進特別委員会 第5号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十七年四月三日(火曜日)    午後二時八分開会     —————————————  出席者は左の通り。    委員長     森中 守義君    理事      永末 英一君    委員            新谷寅三郎君            津島 壽一君            西田 信一君            野本 品吉君            内村 清次君            田中  一君            千葉千代世君            千田  正君   政府委員    総理府総務長官 小平 久雄君    総理府総務副長    官       佐藤 朝生君    文部省体育局長 前田 充明君    建設政務次官  木村 守江君    建設省都市局長 前田 光嘉君    建設省道路局長 河北 正治君   事務局側    常任委員会専門    員       工楽 英司君    常任委員会専門    員       武井  篤君   参考人    東京建設局長 加藤  清君    東京都オリンピ    ック準備局長  関  晴香君    東京臨時内湾    漁業対策本部補    償部長     北  政吉君    首都高速道路公    団理事     石塚 久司君    オリンピック東    京大会組織委員    会事務次長   松沢 一鶴君     —————————————   本日の会議に付した案件 ○参考人出席要求に関する件 ○オリンピック東京大会準備促進に関  する調査     —————————————
  2. 森中守義

    委員長森中守義君) これよりオリンピック準備促進特別委員会を開会いたします。  オリンピック東京大会準備促進に関する調査を議題といたします。  この際、参考人出席要求についてお諮りいたします。  先般、決定いたしました参考人のほかに、本調査に関しまして本日首都高速道路公団理事石塚久司君に参考人として出席を求めることといたしたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 森中守義

    委員長森中守義君) 御異議ないと認め、さよう決定をいたします。     —————————————
  4. 森中守義

    委員長森中守義君) それでは、協議施設整備に関する件につきまして発言の申し出がございます。内村清次君。
  5. 内村清次

    内村清次君 小平総務長官お尋ねしたいと思うのですが、三月十六日の当委員会で、戸田漕艇場の問題につきまして、私は大蔵大臣その他大蔵省方面を中心として質問をしたわけです。その際に、長官も御承知のように、大蔵政務次官が御出席のためにどうも根本的な解決の問題ができないと、こう察知いたしておりました際に、小平総務長官のほうから、まあこの問題はよく閣議決定状況も知っておるし、閣議がすでに決定をしておる問題であるから、今後その調整にあたっては、ひとつ努力しようというような発言がなされております。たまたまそういう発言で、私はまあ質問を保留いたしたいと、こういう感じでおった際に、大蔵大臣が来られたといういきさつですね。大蔵大臣発言は、まああとで私も小平長官の御答弁次第によっては、だんだんとひとつ大蔵大臣出席してもらって、どうもまだ十分この趣旨の徹底が、あるいは当時の私たち気持をぴったりと大蔵大臣はのみこんでおられないような発言の様子でもあったんですから、その点を私はやっぱりただしてもらいたいというような感じも持っておるわけですよ。で、すでに当時は埼玉県からも来ておりますし、確聞するところによれば、埼玉県のほうは戸田決定した以上は、やはり整備上においての予算措置考えなくちゃならぬ、それには県会の承認も得なくちやならぬというような非常に切迫した時期に、三月十六日の委員会というのは開催されたわけですからして、私たちはそういう意味からいたしましても、もちろん予算の問題はございましたけれども、大蔵大臣気持をはっきりと聞きたいというのが私たちの真意だったわけです。しかし、ああいう状況になりました。三十七年度予算はもうすでに通過したという現実において、やはりこの戸田競艇場の問題が一つの大きな問題として残っているわけです。それで小平長官は、まあ最善の努力をするというような御発言もあったし、その後やはり当委員会や、衆議院オリンピック促進委員会委員長初め理事方々にもいろいろと努力されている問題でもありますが、それに対して長官はどういう努力をされ、どういう大蔵省意向であるか、どういうふうにして解決をする見通しがあるか、こういう問題につきまして、ひとつここで率直に経過を報告してもらいたいと思う。
  6. 小平久雄

    政府委員小平久雄君) ただいま先生からお話のとおり、先月の十六日の当委員会におきまして、戸田レース場周辺のいわゆる環境整備と申しますか、そういう点が問題になりまして、特に具体的に申しますならば、あそこにあります民家を立ちのいてもらうべきである、そういうお話がございまして、まあ大蔵政務次官からは、民家移転に対する被助等は困難であるというような問題が答弁をされ、また大蔵大臣も、まあ全面的に再検討ということであるならば、再検討も全然余地がないわけではないといった意味の御答弁が後にあったわけですが、基本的な問題として戸田漕艇場、これをオリンピックに使用するという問題につきましては、あるいは先生も御記憶かと思いますが、その後二、三日たってからだと思いましたが、当院の予算委員会におきまして、やはり戸田に関します質問がございまして、その際、私からも漕艇競技というものは、これはどこまでも戸田を使う、こういう閣議決定の線はくずさないつもりであるという趣旨答弁をいたしましたし、また大蔵大臣もその際答弁に立たれまして、今漕艇をやる場所自体を変更するということはいろいろ関連する問題も派生することであるから、それ自体を今変えようという考えはない旨、これは明確にその際も答弁をされております。したがって、戸田を使うこと自体につきましては、われわれといたしましてはもう何ら異論のないものと申しますか、これを変更する少なくとも現在意思はないということはもうはっきり申し上げて差しつかえないものと必得ております。ただ、そこで問題の民家移転のことでございますが、十六日に御答弁申し上げましたとおり、私といたしましては、その後続いて何とかこの問題を解決をいたしたい、特に当委員会の諸先生の御意向並びに衆議院におきまする特別委員会の御意向等からみまして、その御意向に沿い得るようにひとつ努力をいたしたい、こう考えまして、翌十七日にさっそく埼玉県の知事さん、それから関係各省にお集まりをいただきまして、いろいろその席でも検討をいたしたのであります。さらに、引き続きまして二十三日にも第二回目の会合を持ちまして、この席にも、埼玉県の知事さん初め関係各省方々にお集まりをいただいて、きわめて熱心にあらゆる角度から実はこの検討をいたしたのであります。  そこで、結論的に申しますと、二回検討をいたしましたが、今日なおあの民家移転する、そのために国の補助を出す、こういう点から申しますと、遺憾ながら、まだはっきりした結論を得られない状態にあるのであります。この点ははなはだ遺憾でございますが、事実そういうことになっております。もちろん、今後も引き続いて検討をし、何とかできるだけ両院の御意思にも沿い得るようにいたしたいと考えておりまするが、今日ただいまのところは、今申したとおりの次第に相なっておるのであります。
  7. 内村清次

    内村清次君 その後、長官において二回にわたって努力されたという点は、経過報告で私たちも了承いたします。しかし、まあその発言内容からいたしまして、どうもまだ私たちから見れば問題の核心があいまいもことしておる。これはとうてい国の補助がないとできない仕事であることは、もう私たちの今の認識では、これは絶対的なものであると私は思います。おそらく委員の各位の方々にもそういうふうな御判定があると思います。というのは、まあ小李長官も、あそこを御見学なさったんですから、よく御存じですが、問題の引っかかりは、整備の中に建物移転補償というものがある。それには当然用地費の問題も含まれておる。こういった柱が一つ立っておりますから、やはりあそこの家を移転させてもらわないと、大蔵大臣も言っておりますが、世界に誇るような、まあ誇るということでなくしても恥ずかしくないようなオリンピック競艇場としては資格がないんだということは、これはもう絶対的なものであろうと私は思う。あそこはもう移転はさせぬでもいいのだ、何か目隠しをして、植樹をやればそれでいいんだというような観点に立てば、これは別ですよ。しかし、やはりあそこの入口の問題と、移転はやらせてもらいたいという希望があれば、国の補償という問題が関係してくるし、国の金の補助というものが関係してこなくちゃできない問題ですね。それを除いては見通しというものは非常に暗いと私たちは思っておるんですが、そういう点はおそらく知事も来ていろいろ具体的なお話があって、どうするかという問題が出た以上は、そういう問題も確かにあったと思うのです。だから、もう少しやはり委員会に報告するときには、ここの委員会は、あなたもずっと第一回から御出席いただきまして、ざっくばらんに、こういうふうな問題になっておるんだというようなこともお話していただいておるんですからして、おそらく全面的な問題は、これは六億二千九百万円の費用が要るのですから、それを幾らに削っていくのだ、そうしてあそこはどうするのだというところまで話し合いをしたけれども、まだ完全な解決はなかったのだというようなことまで話してもらわないと、私たちが今後努力しようとする道というのは全然ないことになると思うのです。だからこの点だけいま少しく詳しく具体的にお話し願いたいと思う。
  8. 小平久雄

    政府委員小平久雄君) 結論を急ぎまして失礼しました。実は三月十七日に会合した際につきましては、結論的に言いますと、三つの事項を取り上げまして、これをお互いにひとついろいろと検討しようじゃないか、ということになったのであります。  その第一は、戸田漕艇場周辺、いわゆるあそこを都市公園にするという関係でございますが、これを建設省のほうで都市公園として指定をしていただくということが一点であります。  それから第二点といたしまして、当面埼玉県側といたしましては、二億八千八百万円は単独でも出してやる、こうおっしゃっておられるのでありますので、さしあたりこの資金をもちまして問題になっておりまする九十五戸の移転を着手してもらうわけには参らぬだろうか、これをひとつ埼玉側としても検討していただきたい。  第三点といたしましては、起債ワクというものを極力増加をいたしますように、これは自治省のほうにもひとつ御配慮いただこう。  大体この三点を、お互い埼玉県側においても、あるいはまた政府側ておきましても検討をしようじゃないか、こういうことに相なったのであります。さらに二十三日の会合におきましては、実はただいまの先生お話にもありましたとおり、一体この九十五戸というものを移転して、ほんとうにきれいに整理ができればこれが一番望ましいのであり、ベストであるには違いないが、しかしながら、レースそのものをやるという立場から言いますならば、あれがかりに移転ができずにおりましても差しつかえないのじゃないか、あるいはまた現在はなるほど一見しましてきわめてまあ何といいますか、非衛生的でもあるように見受けられますし、また雑然と確かにいたしておりますが、埼玉県側といたしましても、単独でやる事業においても、移転そのものはできないにしても、あの辺は相当何と言いますか、整備をすると言いますが、そういう御意向はあるようでありますので、そういうふうに埼玉県側にしてもらったならば、今見るほど見劣りというか、はなはだしい見劣りじゃなくなるのじゃないか、それでもやむを得ぬのじゃないかという実は考え方も端的に申しますと、大蔵省初めそういう考え方もあるようであります。そういうことがあるのでありますが、まあ私は先ほど申しますとおり、何とか国のほうの補助も出せるようにひとつ各省の御協力を願おう、こういう立場自治大臣等にもお話を実はいたしたのであります。  そこで、これは正式の話ではございません。ございませんが、自治大臣も、そりやできるだけのひとつ協力をしようと、こういうことで、起債はこれはまあ極力みよう。しかし、まあよく法的なことも調べてみにゃわからぬが、いわゆる特別交付税ですか、それらにも考慮の余地があるかどうか、そこらもひとつ検討をさしてみよう。こういうせっかくのお話でございましたので、実はこの二十三日に自治省にも御参加をいただいて、この検討をいたしたのであります。ところが、特別交付税にはやはり一定の基準があるそうでありまして、本件の場合、直ちにこの対象にするということはおそらくむずかしいであろう、こういうお話でございました。そこで、何とかどういう方法か、ひとつ考えられぬかというのでずいぶんあれやこれやと、実はこうしたらどうだ、ああしたらどうだということをずいぶん長時間にわたって検討をいたしたのであります。その結果、あそこが住宅でございますから、この住宅地区改良法、あれの対象にでもして何とか建設省のほうでめんどうをみてやるわけには参らぬだろうかということもお話に出まして、これをぜひ建設省のほうでもひとつ検討してみてほしいと、こういうことも話し合いの結果の一つとなったのであります。あるいはこの都市公園整備助成費として六千万円の予算が出ておるわけでありますので、このうちからまあ同じ埼玉県にありまする大宮公園整備に極力助成を、補助をつけていただいて、そのかわり埼玉県のほうでもひとつがまんして戸田のほうに出していただく、こういうことについてもぜひひとつこれは県の側においてもあるいは建設省のほうにおいてもお考え願いたい。さらに、この起債ワクについても最大限にひとつ自治省のほうで心配してやってほしい。こういったようなことについて、実は二十三日には話し合いをいたしたのであります。ただ、話しが前に戻るようでありまするが、いずれにいたしましても、たとえば住宅地区改良法によってあそこに助成をいたしましても、これは建設省一存ではいかないらしいのでありまして、結局また大蔵省関係も出てくる。こういうことで、それで大蔵省からも来ておりましたが、とにかくレースをやること自体にはあの家があるからといって、まあそう大した支障もないのじゃないかと、その移転ということについてはどうも国が金を出すということはいたしかねるといった主張が、これは終始ございまして、そういう関係もございまして、また埼玉の側においても、県民の感情等からいたしまして、主として公園を作るというほうに金をお使いになるならば、これはできますが、この住宅移転というところまではどうも埼玉県の事情として困難であるというような趣旨が、これは知事さんからもそういう趣旨お話がございました。  まあそんな関係で、先ほど申しましたように、遺憾ながらまだ結論にまで到達をいたしておらないとこう申し上げるよりほかないのであります。しかし、もちろんわれわれといたしましては、今後も引き続き何とかひとつ、せっかくここまできたんですから、目鼻をつけるように努力をいたしたいとかように考えておるのでございます。
  9. 内村清次

    内村清次君 大体趣旨は、具体的な話の内容は一応わかりましたが、しかしまだ、わかりましたけれども、もちろん結論としてまだまだ話が十分固まっておらない、今後とも努力を続け  るというところですね。まあ話の取り持ちをあなたがやられるのですから、そういった現象が起きてくるのは当然なことだと思う。が私は、いま一歩進めて、やっぱりある程度腹をきめたところ、ぎりぎりのところを描いて、そうしてまとめる人はやっぱりまとめてもらわないと、私たち委員会では、戸田競艇場見てきまして、民家全部移転せなくちゃこれはたいへんだ、これじゃ格好がつきませんよということはこれは異口同音でしょう、こちらはね。とにかく、その交渉経過を聞いてみると、大体この競技場整備、それから国立競技場として国において整備をする問題、これは幅員の九十メーターの問題ですね。それから周辺整備について、しかもその周辺地整備では、都市計画公園として国庫補助三分の一を受けて埼玉県において事業を遂行するのだと、その費用用地費建物移転補償、それから公園整備費で六億二千九百万円だ、これが最初の御計画ですね。そこで、それからどうも国のほうが三十七年度の予算を出さない、出さないからして埼玉県のほうでは県会にも予算を提出ができないという状態になっている。しかもその中で、県だけでやる予算は、大体この東大の艇庫ですね、東側及び南側民家の一部、自動車学校、それからゴール北側民家の一部、南側中央部民家計二十九棟に関係するところの用地買収ですか、及び四千九百坪の買収と、周辺道路植樹その他の整備を行なう。これを合わせて所要経費が二億八千八百万円だと、これだけは何とか埼玉県としてはしなくちゃならない。こういうことですね。ところが組織委員会要求で約三億ばかりの金が要るのだと、こういうことでしょう。でその要求事項の中には、百戸の集団住宅もひとつ移転して下さい、入り口付近の工場及び大学艇庫南側の約百戸の集団住宅を全部撤去してもらいたいという要望、それが果たせれば大体三億円ばかりの金が要るのだと、こういうのが今までのいきさつです。ところが、あなたの今の経過の中からきますと、だんだんだんだんしぼられてきておるわけですね。希望としては、その民家移転して下さい、何とかならぬか。ところが、それは埼玉県のほうでは、どうも全部移転するというようなことは困難だ、しかもそれは、それなら不良住宅地区改良、これは建設省のほうで法案が出て昨年可決をいたしました。あのほうで建設省にいく部分は考えてくれぬか、あるいは自治省のほうでは起債ワクを増大してくれぬか、特別交付税を何とかやってくれぬかと、こういう話にとどまっておるのでしょう。その話を延長していけば、これは二、三回やられましても、まあ各省のそういう特別の措置ができるかできぬかの研究、それから埼玉県の連絡だけでこれはもう結論が出て、これはこんなになりますよというような話の見通しというものは、これはもうさきに見通しはわかっておるのです。だから、やっぱり総務長官は、一体あそこの民家移転は何軒ぐらいやらせるかやらせないかですね。それから入り口の問題はどういうような形でやるかというようなはっきりした点をやっぱり組織委員会と連携をとられまして、そうしてその最終の案を土台としてやっぱり考えていただかないと、このお話というものはいつまでたっても私はきまらないと思うのです。そういったことで放置されておりますると、私たち気持と全然食い違ってきて、最後に残ったものは、もうとうとうできなかったんだ。だからして民家移転もこれは御破算だと、まあ戸田移転はこれはもう絶対的に移転をしないということになっておりまするからして、まあ見苦しい状態で、まあ周辺の美化くらいの問題で競艇をやらなくちゃならぬというふうに私たちは追い込まれていきはせないかという非常な不安な見通しがあるわけですよ。だからしてこの委員会でもですね、これくらいまではひとつぜひともやらせるのだというような、やっぱりその腹がまえを最終的に決意されまして、そうしてひとつ大蔵省なり各省あるいは埼玉県の知事あたり交渉をしていただきたいというのが、私が今日までの状況から判断いたしまして、最大限のまあ長官要望する問題です。どうですか、その点。
  10. 千田正

    千田正君 関連して。今内村委員お尋ねと関連しまして、ひとつ同時に答えていただきたいと思います。  総務長官は今度のオリンピックの問題の総元締めという意味において私はお尋ねするのですが、先ほどから内村委員が今までの経過を述べられて御質問になっておると思う。同時に根本の問題として、オリンピックそのもの日本東京都において主催すると、こういうことになったのに対して、政府の根本的な考えですね。私が池田総理質問したときは、全力をあげて恥ずかしくないところのオリンピックとして、日本のいわゆる国威の発揚でもあるし、あるいは国際的にも恥ずかしくない競技をやってもらいたいと、こういう御答弁があったのです。そういうことからこう延べて考えてみまするというと、今のお話のように、レースだけをやるのが目的じゃないのですよ。ただこれだけの幅員があって、これだけの長さがあって、そこでボートを漕げばいいというものじゃなくて、やはりそこの環境です。やはりこれが日本の最高の競技場でやるのだという、国際的な観念においても日本としては恥ずかしくないだけの設備をして当然やられるべきであると私は思うのだし、また総理はそう言っておるのだから、おそらく総務長官もそういうお考えだろうと思う。そういうお考えのもとであったならば、今内村君の質問に対しては十分それに沿うた誠意ある御答弁をいただかなくちゃならないと思う。ことに、それは建設省はどうだ、自治省はどうだ、埼玉県はどうだという問題じゃなくて、国としての政府としてはどういうふうに考えるのだと、これはもう万全を期して、日本の恥とならないような、国際的な競技であるからりっぱなものとしてやろうと、こういう考えでお考えになっておるならば、お答えもまたおのずからそれに即したお答えが出てくるはずである。私は今の内村君のお尋ねに対しまして、同時に私の、このほんとう政府が腹を据えてやっておるのかどうか、今のように三億がどうだ、二億がどうだというような、まるで切りさいなんだような予算では、とうてい日本で世界的なオリンピックが開かれるというような、そういうのに対処する政府方針とは受けとれない。だから政府方針としては、ほんとうに恥ずかしくないものをやるというお考えであれば、それに対処した御方針をあわせて御答弁をいただきたいと思います。
  11. 小平久雄

    政府委員小平久雄君) まず全般的な政府方針から御答弁申し上げようと思いますが、池田総理がどういう表現で御答弁になりましたか、私はその点承知を実はいたさないのでありますが、政府といたしまして、あくまでもオリンピックというものを成功させようという気持は、私は一貫して堅持しておるところだと、さように承知いたしております。ただ一面何と申しましても、相当多額の経費を要することでございますから、いわゆる国力相応とでも申しますか、そういうことで、特に競技施設等につきましては、これはもう組織委員会のほうの御要望に沿うて、できるだけそれを生かして予算化もいたしていこう、こういう考えはもちろんでありますが、しかし一面またなるべく、いわゆる何と申しますか、関連の事業と申しますか、これは必要のものはやむを得ませんが、まずまずがまんできるものは一つがまんをしてもらって、そしていわゆる最小の費用目的達成に遺憾なきようにやっていこう、こういう気持もあることも私は事実だと、かように考えております。そういう点から、いわゆる率直に申せば便乗的なものは極力排除いたしていこう、こういう立場から大蔵当局におかれても予算査定等に当たられておることもこれは私は事実だと考えております。全般的には以上申し上げましたような心がまえで政府としてはオリンピックに臨んでおる、かように承知をいたしておるのであります。  そこで、この戸田の問題でございますが、これも私率直に申しまして、実は前回の当委員会において大蔵大臣も申されておりましたが、とにかくコース自体、あるいは直接レースに要する施設というものは政府としてやろう、それから環境整備と申しますか、そのことは地方でやると、こういう約束でと申しますか、建前で始めたことなんだから、その筋を通して、そうやってもらうべきである。したがって、環境整備のほうには大蔵省としては金は出せない、こういうことをしょっちゅう申されております。今日でもなお大蔵省はその建前を堅持をいたしておることは御承知のとおりであります。しかしまた埼玉側に聞きますというと、埼玉県としては、政府が三分の一の補助をしてくれるならばこの環境整備をやろう、初めからそう言っておったんだと、まあこう言われるのでありまして、実はその点につきましては、いずれが真実であるのか、実は私もその点はあまりよくタッチをしませんでした、その問題については。したがって、私の承知しているのは、閣議できまりました、要するに戸田を使うということ、その使用については経費その他をとにかく検討してやるんだ、こういつたきわめて抽象的ではありますが、そういう決定の線に従って私は進めていくはかなかろうと考えておるのでありますが、しかし話のいきさつが、今申すとおり大蔵当局の理解しておるところと埼玉側の最初からの言い分と申しますか、要望といいますか、それとがどうも食い違っておるところに、この問題のなかなか簡単に実は結論を得られない大きな原因があるんじゃないかと、私はさように考えておるのであります。ですから、過般の二回に及ぶ会合におきましても、いまさらそれをどうであった、こうであったといってもいたし方ないから、前向きの姿勢で何とか国のほうの援助を出すようにして、さきに申しますとおり、両院の諸先生の御意見に沿い得るように、それを目標にして私は及ばずながら努力して参りましたし、今後もいたしたいと考えておるのでありますが、根本はやはり今申すとおり、どうも最初の出発点が両者の理解が違うものですから、どうしてもこの意見の一致にまだいき得ないでいると、こういうところでございます。  だが、内村先生お話に、あすこにある家のうち何戸移転するかというようなことを見きわめをつけてまとめるべきだ、こういう御趣旨の御発言と拝聴いたしましたが、この点につきましては、私今申しますとおり、なるべく両院の御意見でありますから、全部を移転できることを目標にして、従来は少なくも私は努力をいたして参ったのであります。そのうち何戸移転すればいいといったようなことでなく私は進んで参ったわけであります。この点は先般組織委員会におきましても中間的な報告がございまして、委員の皆さんの御意見等もございましたが、組織委員会としては、とにかく全部移転してほしいと、こういう強い御要望もありますので、ですから、いわば中間をとるというか、あのうち何戸かは移転し、何戸かは残してもやむを得ぬといったような点については、まだ組織委員会とも話し合いはいたしておりませんが、まだそこにいくには若干早いのではないかといっては語弊があるかもしれませんが、一応の目標としてはとにかく全部やる、皆さんの両院の御希望に沿い得る道は何とかしてないものかと、そういうことで今探索いたしておる、こういう段階でございます。
  12. 内村清次

    内村清次君 あなたはちょっと私の発言を誤解していらっしゃるんですよ。あなたが最後に言われましたように、組織委員会も百三十戸の民家移転してもらわぬと、国際競艇としては、どこの国でもこんな競艇場付近にあんな雑然たる不衛生なところに民家があるというようなことはありません。ぜひとも取り除いて下さいということでしょう。私どもも現地を視察しまして、それはそのとおりだ、同時にあの民家のあの競技場入り口の工場のところも、やはりこれはきれいに移転していただいたほうがよくはないかという点までつけ加えて、そうして私たちは大体大よその意見の決定をしておるわけなんです。しかし、問題はこれは残っているんでしょう。今まであなたが二回折衝された現地との折衝の過程において、やはりこの移転の問題というのが今大きな問題として残っているんでしょう。残っているから、それが今あなたが最後に言われたように、全部移転をするようなことで話をつけてもらえればそれでけっこうですよ。そういった競技場としての全部の外観、内実ともにできた最終案をあなたが胸に描いて、そうしてその上に立って交渉して下さいというのが私の結論的な意見ですよ。が、しかし、どうもその点で知事のほうも何かこう全部の移転はどうのこうのと言うらしいし、またあなたの大筋としての便乗々々とこう言っておられるのだけれども、便乗経費はなるたけ節約をするというような御方針だと言っておるけれども、私はこの点は便乗ではないと思う。これは日本の将来に向かっても、日本の国民として、ああいう湿地帯に住居をかまえるというようなことはこれは不適当だから、そういう点も考え合わせて、そしてその移転という問題もお考え下さい。たとえばオリンピックが済んでも、そういう問題は日本国民としての環境整備というものも含めて、文化的な生活というものを考えて、この際考えて下さいということを言っておりますから、決して私は便乗じゃないと思うということです。あるいは膨大な施設をやって、それはそれでオリンピックが済むと一緒に取りこわしてしまうというような施設の問題だというなら私は言いませんよ。しかし、そういう基本的な、将来永続性あるところの施設についての国の出し方がわずか二億や三億の問題で解決をするとするならば、この際やはり私は大きな基本方針に従って、ひとつりっぱなオリンピックというものを遂行しつつ、あと国のために施設を残すか、あるいはまたそういったその恩恵をやはり国民に浴させる。このための税金の使用は、これは決して国民から非難されるものじゃございませんというのが私たち気持です。ですからして、そのワクを、最終のワク考え交渉して下さいというのが今の結論ですよ。何も私は今組織委員会とお話し合いをしていただいて、あの一部を取り除いてあとはもうしないというような結論を早く出しなさいというようなことを要望しておるわけじゃない。ないが、どうもこの問題で引っかかっておるようだから、組織委員会方々は一体どういうようなお考えを持っておられるか、最終的なこれは責任がありますからして、そういうことも考えておられることだし、また政府側としても総務長官は窓口としてやはり最終案をよくお話し合いになって、そしてその道にこの委員会の各委員方々もひとつ、そういう案が決定をすれば、それに立って私たち努力をする余地をやはり持たせていただかないと、私のほうとあなたの交渉の実態というものがいつも食い違っていて、今回も、やったけれども、各省の意見はどうもそれは出すことにはなりませんとか、あるいはまた何回やってみても、埼玉県のほうはそれはちょっと国が出してもらわなければ困りますというような会議の持ち方では、私たちはとうていもうがまんができませんよということをあなたに言ったわけです。だから、そういったやはり大きな誤解はひとつ取り除いていただきまして、あなたの最終案でほんとうにやることができるならば、千田君が今言われましたようなことでやることができるならば、ひとつその線に向かって努力して下さいというのが私の再度の要望です。
  13. 小平久雄

    政府委員小平久雄君) あるいは私の答弁が若干適当でなかったかとも思いますが、先ほど千田先生の御質問お答えいたしましたのは、全般的な方針について申し上げたのでありまして、決してここの民家移転ということが別段便乗的なものだと、私がさように考えておるわけでは決してないのであります。でありますからこそ、私は全般の移転ということができますように、何とかならぬものかというので及ばずながら努力をいたしておるわけであります。  そこで、もちろんいつまでもこれはじんぜんと最終的な考え方というものを延ばしておくわけには参りません。工期の関係もございます。ただ、約半月たったわけでございますが、少なくともその間においては、再三申し上げますように、もちろん両院の諸先生の御意見がなるべく実現できるように、こういう方向で今までやって参ったのであります。この点は先生も御理解いただいていることと思いますが、埼玉側が、かりに単独でやるといたしましても、そうせざるを得ないという立場になりましても、その入り口のところの工場の一部ですか、それから自動車の練習所、それから東大の艇庫のところの南から東にかけてあります十三戸ほどの住宅というものは、これは移転をしてもらう。埼玉側はそう申されているわけでありますし、さらに残ります九十五戸の住宅周辺には植樹等をいたして、あるいはまた下水の設備等もいたして、決して見苦しいことのないようにはなさる。埼玉側としてはそういう説明をして下さっているわけであります。ですから、問題は残ります九十五戸の民家をどうするかという、こういう関題にしぼられるわけであります。この点は、先ほど来申しているような考え方でさらに努力をするつもりでありますが、これもいつまでもただそういう目標で努力しているということで、漫然と日がたってしまってできなくなったというようなことでは、これはもちろんいけないことだと、かように考えておりますから、さらに関係者とももちろん引き続いていろいろと検討もいたすし、努力もいたして参りたい、かように考えている次第であります。
  14. 千田正

    千田正君 角度をかえて今度は聞きたいのですが、建設省にお伺いしたい。  東京都の人口は、このとおりマンモス人口にどんどんふえていく。世界のどこの都市においても、キャピタルにおいては一応の公園というようなものが必要とされ、またいろいろな面において都民のレクリェーションあるいはその他が必要であるから、どこの国でも一応の公園というような緑地帯の形態があるわけです。そこで今の東京からいいますと、やはりそういう緑地帯というような問題は、もう東京都ではなかなかむずかしくなるのではないか。そうなれば、近県である埼玉とか、神奈川とかあるいは千葉とか、そういうところに都民の健康のための場所を将来は求めなければならないのじゃないか。そういうふうに考えられた場合、首都の建設としての公園、あるいは都民の健康のための緑地帯、あるいは火災等の場合におけるところの避難というような、いろいろの面から総合してのそういう緑地帯が必要なんじゃないか。そういう点から私は一言聞いておきたいと思うのですが、そういう点においては、十分にもう一千万以上にふくれ上がった都民の憩いの場所として、あるいはレクリェーションの場所としての公園というようなものの設置に対しては、十分考えておられるかどうか、この点はどうですか。
  15. 木村守江

    政府委員(木村守江君) 首都全体としてのただいまの御質問でありまするが、御説ごもっともでありまして、私どももこのマンモス的な膨大化していく都市に対しましては、東京都内に適当な緑地帯を作ることはなかなか至難でありますので、なるべく東京の近傍にかような土地を作っていくのが妥当だと考えております。  なお、三十九年のオリンピック開催に関しまして、戸田漕艇場の問題につきましては、御承知のように私ども建設省といたしましては、どうしても戸田漕艇場整備いたしたいというような観点から、総経費事業費として六億を計上いたしまして、そのうち本年、三十七年度として九千万円ほど要求いたした次第であります。しかしながら、予算の折衝の過程におきまして、ただいま総務長官から言われましたようないろいろな考え方の違いによりまして、予算に計上することができなかった状態に立ち至っております。しかし皆さん方も御承知のように、また私どももその実際の状態を見ておりまするような格好でありまして、何としても漕艇場として適当な場所を、環境を作って参りたいというようなことに努力をいたして参ってきておるのでありますが、どうしても埼玉県だけでは九十五戸に余るところの家の移転も不可能でありまして、国の助成を増す以外に方法がないのじゃないかというような点から、この問題は今日もなおあきらめるようなことなく努力して参りたい。特に総務長官等に御協力を賜わりまして、あの戸田漕艇場周辺整備等をいたしまして、りっぱな漕艇場を作って参りたいというような考え方を持っておるのであります。  なお、この移転の問題につきまして、不良住宅地区改良法を適用してこれをやったらどうかというようなことでありまするが、この問題につきましては、埼玉県といたしましても同意いたしませんし、また、御承知のように、不良住宅地区改良法の基準に該当していない地区でありますので、これを適用するわけには参りません。したがって、まあ唯一の道は、国の援助以外に方法がないのじゃないかというような考え方を持っておる次第であります。
  16. 千田正

    千田正君 今木村次官からもお話がありましたが、これは小平長官も御存じだろうし、大村次官も御存じだろうが、およそオリンピックをやった各国を歩いてみて、われわれが非常にうらやましく思うのは、ただオリンピックのためのレースにだけこの競技場を提供しているのではないのであって選手の村にしましても、あるいは競技場にしましても、オリンピックが済んでからもその国のスポーツのために、あるいは国民のレクリエーションのために、あらゆる角度において、一石二鳥どころではない、一石三鳥にも役立てておるのでありまして、だから、先ほどの長官のおっしゃった、どうもレースだけならここがいいというようなお考え政府の首脳部がお持ちになれば、これはだいぶ国際的感覚から相当ずれた考え方だと、われわれはそう思わざるを得ないのであって、こういう際にこそ文化の水準を高めて、国際間においても十分に日本の権威を発揚するような方向に持っていかなければいかぬのじゃないか。だから今問題は、九十五戸を移転しても、移転させられたほうも喜ぶような土地に移転する方法を考えられましょうし、また残ったあそこにもただ一回のボートレースで終わったというのでなく、将来は東京都のレクリエーションの場所、あるいは緑地帯として、何も埼玉県だからどうとか、東京都だからどうとか、そんなセクショナリズムなことを考える必要はなく、大きく日本の国民のために、あるいは東京都民、あるいは埼玉の県民のため、あらゆる観点から考えて、それを将来もずっと残して有効に使うことこそオリンピックの最終目的じゃないかと私は思うのです。レースだけやれるならばどこでもいいという私は問題ではないと思うのです。そういう意味からいいましても、今度おそらく漕艇に関してはオリンピックの本部からも適当であるかどうかということを査定に来ると思います。かりにその査定に来た場合、あそこは、コースはけっこうだけれども、どうも環境がおもしろくないから変えてほしいというようなことを申し入れられた場合においては、どこかまた予定するところがあるのかどうか、その点はどうなんですか。第二の段階として、技術的においては、コースだけならいいが、どうも環境がおもしろくない、国際的な漕艇をやるには必ずしも適当じゃないんじゃないか、もう一回考えて、どこかほかにないかというような話があった場合、第二の候補地として十分に考えられている点があるかどうか、その点どうなんですか。
  17. 小平久雄

    政府委員小平久雄君) これは、先ほど申し上げましたが、政府としては、漕艇戸田でやる、こういう建前は変えないという考え方で進んでいるわけでございます。ただ、今千田先生お話しのように、コースそのものはいいが、どうも環境がこれじゃ悪いから変えろという話があったらばどうなるのか、こういう御趣旨と思いますが、その点は、これは津島先生も御出席でありますが、組織委員会が何と申しましても第一次の責任でございますから、今政府がそのときにどうするとかこうするとかいうことは、今私どもが申し上げる段階ではないんじゃないかと、さように考えます。
  18. 千田正

    千田正君 私は、おそらく問題はそういうところまでこなければ解決できないんじゃないか。それで、組織委員会のほうの方は、津島会長さんのほかにどなたかお見えになっておられますか。——どなたかお見えになっておりますれば、あすこは漕艇のコースとしては、既定の幅員にしろ、水深にしろ、それから距離にしろ、漕艇においては別に差しつかえないのだが、環境が問題になってくると思うんです。そういう場合に、あすこが、早く言えば、各国から出されているところの代表も下見にこられ、査定あるいは調査方々がお見えになると思いますが、そういう場合に、感心しない、どうも適当じゃないというようなあるいは発言があるかもしれません。そういう場合に、それにかわるべきものがあるかどうか、そういう点どうなんですか。その点は十分御研究になっておられると思いますが。
  19. 松沢一鶴

    参考人(松沢一鶴君) この点につきましては、すでに国際漕艇協会のほうからも一ぺん見にきておりまして、そうして各地見た上で、競技場としては戸田でよろしい、ただし、この回りの敷地の狭いこと等については指摘されたところでございますけれども、一応われわれ組織委員会でここを競技場として使うということについては、一応用意をいたしております。そうして、さらに他の候補地を探すとなりますというと、これは単に水があるから競技ができるということじゃなくて、このためにいろいろな宿泊施設とか、その他のものを持っていくことが、またたいへんな準備が要るということになりまして、費用の点からも必ずしも他にこれを求めることが有利ではなくなって参ります。したがって、私どもといたしましては、戸田を候補地として、水路の上を競技に適するようにするばかりでなくて、競技は必ずしも水の上だけでできるものではございませんで、この回り等も十分使わなければなりませんので、特にスタート及びゴールの周辺が非常に狭い、環境が悪いばかりでなくて、非常に狭いというような不利な点がありますので、その意味からもこの住宅地の撤去ということをお願いしているわけであります。もちろんこれが取れれば環境の上からも申し分ない結果になるのでありまして、ただわれわれのほうは、単に環境のみから申しているよりも、むしろ競技上の必要からお願いしているというのが実情でございます。
  20. 千田正

    千田正君 今組織委員会のほうからのお話もありましたとおり、競技の上からも多少狭い。それから早くいえば万全を期した競技場ではない。あの周辺あるいは入り口等、スタートあるいはゴールという点を相当に整備しなければならないということになってくるというと、当然あそこの住宅の撤去、そういう問題が起きてくると思いますが、これはここで論議をしていても私は始まらぬと思いますので、もう時期はどんどん迫ってくる、しかも、オリンピックをやる日はもう年が決定しておるのでありますから、今からそういう計画を始めなければならぬ。そういう点からいいまして、私は単に競技ばかりでなくて、将来もそれを有効に使うのだ、国民のためにもそのほうがはるかにいいことだとするならば、政府としましても十分にオリンピックの開催の意義と、将来の国民の保健上からいいましても、この問題の解決に特段の力を用いていただきたい。その点について小平長官並びに各省の責任者から十分なる御協力をお願いいたしまして、これ以上私は質問しませんが、特段の力を出していただきたい。その点だけお願いをしておきます。
  21. 内村清次

    内村清次君 小事長官、私きょうの委員会の最後に、私の発言として、まだこれから問題はあるのですが、申し上げておきたいことは、委員会が発足しましてから、大きなワシントン・ハイツの問題があり、調布の水耕農園の問題があり、一つ一つ促進委員会はやはり政府と協議をしつつ、問題を解決してきておるのです。あとはやっぱり資金の問題があるし、道路の整備の問題があるし、まだやっぱり残された問題はたくさんある。ところが、これはやはりじんぜんと日を送っておっては困るのですから、やはり一つ一つ大きな問題は片づけていかなければならぬのです。だから戸田競艇場の問題も、千田委員の心配されておりまするように、今回の予算委員会の中でも、あるいはそのほかに候補地がありはしないか、こういう問題がやっぱり自然と出てくる何があるのですよ。あるのだから、私も最初はこの委員会で言いましたように、どうもこれはちょっとおかしいじゃないか、あんなところに。こう思ってほかにも候補地がありそうなものだという考え方を持った一人です、これはもう率直に告白いたしますが。しかし、閣議決定がもうなされた、これはもう変更はできません、あなたは速記録にも明らかのように言っていらっしゃる。また組織委員会の責任の方々に聞いても、もう戸田決定したのだ。たまたま私はあるところで国際競艇の会長にも会いました。これは戸田に行ったのちにちょっとあるところで偶然に会ったのです、これは電車の中で。あの人に、ほかに候補地はありませんか、あるいは前にあった候補地をまた再考する考え方はありませんか、こう言ったら、やっぱり前のちらちらしたところの候補地も今からはもうだめです。こういうような発言です。そうなってくると、やはりこれは戸田を何とかひとつ整備しなければならない。ところが、大蔵大臣がこの前の委員会で最後に発言したのは、国民の税金であるからして便乗的なものに出す、何でもかんでも陳情さえすれば出すというようなことではいかない、こういうことです。そして、もし前に戻って、白紙の状態に返せという御意見があれば、白紙の問題にも返しますと、こういう発言を速記録に残しておるのです。それで私も心配したんですよ、実際は。大臣があの発言をする以上は、どうも今までのいきさつをよく御存じでないのじゃないだろうか、私たちが当初考えたような、心を飜したような問題をよく御存じではないのではないだろうか。だからぜひきょうは来ていただいて、その点からひとつ十分了解をしてもらって、そしてあとの窓口のごあっせんに十分こたえてもらいたいという気持で、私も出席要求委員長を通じて頼んだのですけれども、大蔵大臣はかぜのために来られないというような今返事がきておりますから、この上大蔵大臣をいろいろ呼んでもらおうとは私は思いませんが、だからあなたに責任が重大になってくると思いますけれども、ぜひともこの次の委員会までにははっきりした点をひとつまとめてきて、ここに報告していただきたい。そうでないと、次々と問題が先に進んで参りません。まだ大きな問題が残っておるのですよ。道路の整備、資金の問題、いろいろな問題がまだ残っておりますから、どうかひとつこの次の委員会までにはこの問題をはっきりときめてきていただきまして、御報告願いますということを私は強く、ほんとうに強く要望いたしておきます。
  22. 小平久雄

    政府委員小平久雄君) 先生の非常な御心配と、また御要望よく私もわかるのでありまして、全く同じ気持で私も及ばずながら努力を今後ともいたすつもりでおります。ただ問題が何分にも相当こじれたといいますか、そういう関係になっておりますので、次回の委員会が何日になる御予定か存じませんが、なるべく早急にひとつはっきりした見通しを立てたいと考えておるところでございます。
  23. 森中守義

    委員長森中守義君) ちょっと速記をとめて。   〔速記中止〕
  24. 森中守義

    委員長森中守義君) 速記を起こして。  それでは、次に道路、街路等の整備に関する件に入ります。  まず、建設省から提出されました資料について説明を聴取いたしますが、この件につきましては、さきに概括的に説明が行なわれておりますので、できるだけ要点をつかんで、簡略に御説明を願いたいと思います。
  25. 前田光嘉

    政府委員前田光嘉君) お手元に「オリンピック関係道路の整備計画及びその進捗状況について」という資料を配付してございます。これによりまして御説明申し上げます。  オリンピック関連道路としてわれわれのほうで扱っておりますものは、ここに書いてございますように、一つは国の直轄または補助として事業を実施するのがございます。これは二十三路線きめておりまして、総延長八十三・八キロになりますが、全体の事業費で、この現在の道路五カ年計画に計上しております額は、八百八十一億五千万円でございます。そのうち昭和三十六年度に百七十八億九千百三十二万八千円支出いたしまして、この結果二〇・三%の事業の進捗をいたしております。さらに昭和三十七年度の予算におきましては、事業費といたしまして三百二十六億六千七百四十万円、そのほかに国庫債務負担といたしまして六十億円という事業を見込んでおりますので、合計いたしますと、昭和三十七年度には四三・九%の事業が進捗できる見込みでございます。残りました額は昭和三十八年度以降になりますが、合計で三百十五億九千二十七万二千円でございますので、全体から見ますと、三五・八%の進捗率で、この程度の事業でございますと、やまは三十七年度、三十八年度及び三十九年度の初期におきまして事業が大体順調に完了できるという見通し予算でございます。  その次に、首都高速道路公団が行なっておりますところの首都高速道路のうちのオリンピック関係あるものとして実施しておりますが五路線、延長で四十四・二キロございます。そのうち全体事業費が六百四十四億六千九百万円でございますが、これは昭和三十五年度までに三十七億五千百万円実施をし、昭和三十六年度——先年度には百四億九千三百万円実施いたしました。これで一六・三%でございます。昭和三十七年度には百五十五億五千九百万円の事業を実施し、二百・一%の事業を終わる。で、昭和三十八年度以降に三百四十六億六千六百万円、五三・八%残ります。首都高速道路は立ち上がりの関係及び工事の進捗が一般の街路事業と若干おくれておりますが、目下のところこの進捗率で、特にオリンピック関係の多い一号線及び四号線につきましては、間に合わせるというつもりで、しかもその見通しを立てまして、現在工事に鋭意努力しているところでございます。  このほかに、実は国の補助を受けないで、東京都が単独事業としておやりになっておる事業が、その下に書いてございますように、六路線、延長十一・一キロメートルでございます。そのほかにさらに自転車のロード・レースの路線といたしまして四路線、延長七・八キロメートルがありまして、合計で三十三路線になりますが、それをやることになっております。  その次のぺ−ジは、今申し上げました全体の資料の内訳でございます。このうちおもなものを申し上げますと、まず一番大きな路線でございますが、環状七号線——大田区の南千束から板橋に参りますものでございますが、これが一番上の段の数字にございますように、延長十九キロでございまして、総事業費百八十三億、昭和三十六年度には事業費が五十一億と、国庫債務負担を十五億つけましたので、合計六十六億の事業ができました。昭和三十七年——ことしの三月三十一日現在の契約が六十六億済みました。このうち支出義務が六十四億ありましたので、本年度の進捗率は三六・四%。これを三十七年度予算決定しました額が事業費で七十四億、国庫債務負担が十八億、合計九十二億つけておりますので、この環状七号線につきましては、三十七年度末には七八・三%できるという見通しを立てております。  次の放射四号線、青山通りでございますが、これにつきましても、全体事業費百六十九億のうちで昭和三十七年度の終わりには九二・三%と、特にこの二路線には重点を置きまして事業を実施しておるわけでございます。  以下、各路線につきまして同様の数字をあげております。一番下をごらん願いたいと思いますが、これらを総合計いたしますと、国の直轄または補助による事業につきましては、昭和三十七年度の終わりには六九%進捗いたします。あと三十八年度以降には約三〇%が残りますので、その程度ならば十分消化できるという見通しをつけております。  その次のぺ−ジには、首都高速道路に関連する分でございまして、上のほうは首都高速道路事業を実施いたします場合に、高速道路の下になるところの一般街路の線でございますが、この街路を広げまして、その上に、あるいはそれに並行いたしまして首都高速道路を作ります、いわゆる関連道路でございますが、これにつきましては、一号線、二号線、三号線、四号線、それぞれ関連街路がございまして、その進捗状況が、一番右にございますように、四八%の進捗ができます。  次に直轄事業といたしまして、祝田橋、これは皇居のところにある橋でございますが、それと笹目橋、これは戸田ボート場に行く橋でございますが、この橋がそれぞれ本年度の終わりで六六%及び五八%の進捗で、オリンピックまでに間に合わせるという予定で進捗をいたしております。  首都高速道路につきましては、一番最後の表にございますように、一号、二号、三号、四号、八号、これらを関連首部高速道路として整備いたしておりますが、三十七年度の終わりには合計四六・二%という進捗率をもちまして事業を実施したいと、こう思いまして、目下事業努力をしておる状況でございます。  以上、簡単でございますが、説明を終わります。
  26. 森中守義

    委員長森中守義君) 本件につきまして御質疑のおありの方は順次御発言を願います。
  27. 田中一

    ○田中一君 このオリンピック関連街路網図、この図面について説明してくれませんか。
  28. 前田光嘉

    政府委員前田光嘉君) それではこの図面によりまして、先ほど私が申し上げました資料のうちの表の各路線ごとの対比をごらんいただきながら御説明したいと思います。   〔委員長退席、内村清次君着席〕  このガリ版の資料の二枚目の各路線別の資料のうちの環状七号線という線でございますが、これはこの図面で申しますと、左のほうにまっすぐに下から上にいっておる、まるの中に七と書いてある数字で表示してありますのが環状七号線でございます。羽田の飛行場の少し上のほうから始まっておりまして、ずっと赤く塗り、途中でできたところを黒くしてございますが、板橋のほうに行っております。これが環状七号線でございまして、黒い部分はすでに今日までに完成した分でございまして、目下先ほど申し上げました数字によりまして赤い部分を特に用地買収に重点を置きながら仕事を進めておるわけでございます。その次の放射四号線でございますが、四号線は、これは永田町から世田谷へ行きます。いわゆる青山通り、国会の議長公邸の前を通りまして、青山御所の横を通り、明治神宮の外苑前を通り、渋谷を通り、駒沢方面に行く道でございます。これにつきましでも、特に重点を置きまして用地買収、これは相当用地買収が最近進んできまして、お通り願ってごらんいただきますように、相当家の移転が進みつつございます。その次の放射二十二号線と申しますのはマル二十二と書いたところでございまして、東横線と国電との立体交差の場所でございます。その次は環状四号線でございます。これは港区の広尾町から渋谷の千駄ケ谷に至る路線でございます。マル四と書いてある路線でございます。その次の環状三号線は、やはりマル三と書いてございますが、新宿の四谷三丁目から港区青山北町に至る路線でございます。  その次の環状六号線は、これは渋谷区の代々木初台のところの事業でございます。その次に補助百五十三号線と申しますのは、築地のほうに参りまして、築地から晴海のほうに行きます路線でございます。それからその次の補助十二号、十九号と申しますのは、いわゆる昭和通りの通りでございまして、この通りを立体交差その他によりまして整備をしたいと思ってこれを実施しておるところでございます。それからその次の放射二十三号線といいますのは、これはワシントン・ハイツの中を通ります穏田から富ケ谷まで参ります道路の整備でございます。  補助五十一号線は世田谷の一丁目から四丁目まで、馬事公苑のところの道路の整備でございます。それからその次の放射七号線は練馬区の中村橋から練馬区の谷原町まで行く道路でございます。放射五号線は新宿の跨線橋、現在仕事をいたしておりますが、跨線橋の事業でございます。それから環状八号線は、世田谷の調布大塚町から玉川瀬田町に至りますまでの、放射七号線の外側の路線でございます。放射三号線は、等々力のところのマル三と書いた路線でございます。それから補助百三十四号と申しますのは、笹目橋へ至りますところの道路でございます。それから羽田空港線、これは産業道路から羽田に入る入口の道路で、これはほとんど通っております。それから東京川越線というのがございますが、これは埼玉県のほうの笹目橋に行く途中の道路でございます。  以上が国で補助いたしておりますところの路線でございまして、図面は小さくて非常に見にくいことと存じますが、おつき合わせ願ってごらんいただきたいと思います。
  29. 田中一

    ○田中一君 そうすると、この赤い線が未完成区域なんですね。赤で塗っているところが。
  30. 前田光嘉

    政府委員前田光嘉君) さようでございます。
  31. 田中一

    ○田中一君 用地の折衝などはどうなっておるのですか。一つの例を、たとえば放射二十三号線はどうなっておりますか。東京都の人は来ているのでしょう。
  32. 前田光嘉

    政府委員前田光嘉君) 放射二十三号線は、三十七年度からの事業になっておりますので、目下計画検討しているところでございます。
  33. 田中一

    ○田中一君 そうすると、そういうものは全然交渉はしていないのですね。
  34. 加藤清

    参考人(加藤清君) ただいまお尋ねの問題でありますが、内々関係方面と折衝をいたしております。で、根本的には御承知のとおり場所がワシントン・ハイツの中でありますので、その関係の手続を完了した上で、正式にはこの測量工事にかかるわけでありますが、その前提の折衝といたしまして、調達庁その他関係方面と測量について目下話し合いを進めておりまして、大体その測量することについては了解を得ております。しかし、根本的には、やはりはっきり調達庁との手続の完了を待って実際の工事に取りかかるということで、大体、場所が御承知のようなああいうところでありますので、手続が済み次第工事そのものは非常に短期間にできる見込みであります。
  35. 田中一

    ○田中一君 高速道路一号線のうち、この青線は、これは計画線で、どの辺までできておるのですか。
  36. 石塚久司

    参考人石塚久司君) 一号線につきましては、芝浦海岸通り三丁目付近で、つまり水産大学から兜町を経まして、本町三丁目まで、これは全面的に工事にかかっております。
  37. 田中一

    ○田中一君 水産大学といっても、今図面で説明して下さいよ。どこに水産大学があるかわからぬじゃないですか。
  38. 石塚久司

    参考人石塚久司君) 一号線につきましては、本町とございますが、これは日本橋本町でございます。一番上ですね。この本町、これが三丁目でございますが、この付近から下りまして、これは築地川、楓川でございますが、それから芝浦海岸通をずっと経まして、品川付近ですが、品川の付近に16と書いてあります番号がございますが、都道十六号でございますが、15、16と書いてございます、この付近まで全面的に着手いたしております。それから、これは今年度、この大部分は本年一ぱい、三十七年一ぱい——十二月までに完成の予定でございます。それから先は、実は海に入りますので、漁業補償関係で、ただいま手待ちをしておるということでございます。ただ、できます関係の設計その他あるいは請負者の一部につきましては、もう指名も終えまして、漁業補償解決すれば、直ちに着手するという態勢に入っております。
  39. 田中一

    ○田中一君 そこで手待ちをしておるのは、何か裁判でもやっているのですか。中央委員会にでもかけておるのですか。
  40. 石塚久司

    参考人石塚久司君) これは東京都が漁業補償関係につきましては全面的に折衝をしていただいておりますので、ただいま漁業補償関係については、本年度一ぱいといいますか、三十六年度一ぱいにおきまして、何とか解決していただくということで進んで参っておりますが、三十七年度に入りまして、ただいま具体的折衝の段階でございます。したがいまして、私どもとしては、漁業補償解決いたさなくても、工事の着手だけはさせてもらいたいということで、ただいまお願いをしておるのでありまして、東京都もそのつもりで地元の漁業組合連合会その他に働きかけてやっていただいておりますので、これは遠からず解決するものと私どもは期待しておる次第でございます。
  41. 田中一

    ○田中一君 そうすると、北品川付近から羽田までが本年度一ぱいにできるというのですか。
  42. 石塚久司

    参考人石塚久司君) いや、これはオリンピックまでの予定線でございまして、北品川、いわゆる芝浦海岸通三丁目付近ですが、先ほど申しました地図で、付近までは、これはやっておるわけですが、それから、今年度から工事を着手いたしまして、オリンピックまでに完成するという区画でございます。
  43. 田中一

    ○田中一君 羽田のほうから仕事はかかっておらないのですか。片方から追い込んでいるのですか。
  44. 石塚久司

    参考人石塚久司君) この区間は、実は大体全面的に海にかかっておりますので、いわゆる埋め立てのための漁業補償解決しませんと、実は工事に着手できないというようなところでございます。  それで、ここにワクがいろいろございますが、これは埋め立て予定地でございまして、このうちでできておりますのが、平和島の一部と勝島、いわゆる競馬場の地域でございます。この競馬場の地域、ちょうどマル十八と書いてございますが、これは都道十八号線のマル十八でございます。放射十八号でございますが、この付近は陸上でございますので、実は昨年度、一部工事に着手しております、陸上分につきましては。
  45. 田中一

    ○田中一君 それから高速道路二号線は、どういう状態ですか。
  46. 石塚久司

    参考人石塚久司君) 二号線につきまして申し上げますが、二号線につきましては、二号線は起点が汐留の付近、これはちょうど一号線とダブリますが、それから入りまして、浜崎橋というところで分岐いたしまして、古川に乗りまして五反田方面に至るのが二号線でございます。この二号線につきましては、実は汐留付近の工事、これはまあ本年度で完成の予定でございます。ただ、浜崎橋から——ちょうど分岐部分が浜崎橋でございますが、浜崎橋からちょうど古川に乗りまして五反田に参る線でございます。この線につきましては、地元との折衝で、実は地元協議会というものを作りまして、東京都が中心で線形構造その他について、自来二年にわたりまして折衝を続けましたが、昨年の八月、一応反対同盟は解散いたしまして、地元と具体的協議に入るということになりまして、昨年八月以降、具体的な交渉に入りました、しかし、その間におきましても、線形構造等についてのいろいろな問題点がございまして、今日まで延びて参りましたが、最近におきましては、地元も原案どおりでおおむねよろしいということで、いわゆる測量のための立ち入りというものにつきましても了解を得まして、ほとんど全面的に測量に入りまして完了しておる部分もございます。ただ、さらに、具体的な補償価紙の問題につきましては、ただいま折衝中でございまして、これもまあ、だいぶ地元が協力的でございますので、三十七年度におきましては、大体八割程度の用地買収は完了したいということで努力中でございます。
  47. 田中一

    ○田中一君 この放射四号線と、渋谷の駅を乗り越える三階になる高架道路は、これはどこがやるのですか。放射四号線の神泉、上通から……。
  48. 石塚久司

    参考人石塚久司君) 渋谷駅の上通から参ります通りが、先ほど問題になりました東京都の放射二十二号線というのがございます。この放射二十二号線の上に高速道路がずっと乗って参るということになるわけでございまして、ちょうどここで青く塗ってある部分が放射二十二号線でございます。一部、白く塗っております高樹町から六本木付近まででございますが、これは白く塗ってございますが、この青く塗っておりますのが、渋谷から高樹町付近までの線でございます。これは実は先ほどの公共事業でございますが、いわゆる関連街路といたしまして、私どもが東京都から委託を受けるという道路でございます。ただ、立体交差につきましては、東京都が国鉄との関係で直接契約いたしまして、ただいま工事中でございます。で、上にかかります高速道路は、私どものほうで仕事をやるわけでございますが、そのために、本年度、下部工事と一緒に基礎工事は同事施工をいたす関係上、その点だけは昨年度、一部工事に着手しております。
  49. 田中一

    ○田中一君 高速道路三号線というのは、上通りから、青く塗ってある分から、高速道路が全部高架の道路ですか。立体交差になっておるんですか。その下に二十二号線があるわけですか。
  50. 石塚久司

    参考人石塚久司君) ただいまの三号線の下が放射二十二号でございます。したがいまして、ちょうど国会の近くまで、この放射二十二号がちょうど環状一号線というものと交わるところまでが、放射二十二号で参っておるわけでございます。
  51. 田中一

    ○田中一君 白く塗ってあるところは。
  52. 前田光嘉

    政府委員前田光嘉君) 白く塗ってございますのは、関連街路といたしまして実施いたしますが、オリンピックまでには高速道路としては実施する予定でない意味でございます。
  53. 田中一

    ○田中一君 そうすると、この青く塗ってあるところのとまりはどこになるんです。どの辺になるんです。
  54. 石塚久司

    参考人石塚久司君) 高樹町付近です。ちょうど渋谷の駅から電車通りに出るまでが、この青く塗ってある部分です。高樹町付近です。
  55. 田中一

    ○田中一君 高樹町にランプウエーができるんですか。
  56. 石塚久司

    参考人石塚久司君) これは、場合によりましては仮ランプで処置したいというふうに思っております。
  57. 田中一

    ○田中一君 それから環状七号線ですがね。この大森から入ってくる黒く塗ってあるところは、全部完成した部分ですか。赤く塗ってある部分が未完成ですね。
  58. 石塚久司

    参考人石塚久司君) さようでございます。
  59. 田中一

    ○田中一君 三十七年度にはどこをやるんです。
  60. 前田光嘉

    政府委員前田光嘉君) 全線にわたって、用地買収及び工事をやっていくつもりでございます。
  61. 田中一

    ○田中一君 そうすると、環状七号線は大体八〇%近く、三十七年度ででき上がるというわけですね。
  62. 前田光嘉

    政府委員前田光嘉君) その予定をいたしております。
  63. 田中一

    ○田中一君 放射四号線は大体今年度で大部分できるわけですね。
  64. 前田光嘉

    政府委員前田光嘉君) さようでございます。
  65. 田中一

    ○田中一君 これは補助工事ですね。直轄工事というのはどれです。
  66. 前田光嘉

    政府委員前田光嘉君) 直轄工事は、祝田橋の立体交差と、それと埼玉県に行きます笹目橋と、この二つでございます。あとは全部補助事業で、都が国の補助を受けて実施をする事業でございます。
  67. 田中一

    ○田中一君 祝田橋と笹目橋はいつかかるんです。三十七年度ですか。
  68. 河北正治

    政府委員(河北正治君) 祝田橋と笹目橋は三十七年度から着工する予定でございます。
  69. 田中一

    ○田中一君 そこで、三十七年度にこれだけの仕事ができれば相当なことになると思うけれども、せんだってもどこかの別の委員会で話したように、大体公共建造物がいつも仕事のじゃまをしているんです。これは常にそうです。せんだっても放射四号線で、区役所の支所のあるあの辺はあのままになっておる。たとえば、宮内庁が持っておる東宮御所の——まあこれは東宮御所のものかどうかしらぬけれども、あの部分に仕事はもうとっくにやっていいと思う。ところがあれをやらない。それから、さっき言った青山四丁目の、もっと五丁目に近いところに郵便局があります、南町郵便局というのが。これは近所は全部下がっております、五、六メートル。ところが、郵便局はでんとして全然動かない。そういうものこそ、こういう事業には率先して協力するような姿を見せるというようなことで、いち早く自分のほうから進んでやっていいわけです、予算をつければいいのですから。そういうところが全線にわたってたくさん見受けられるのじゃないですか。と言うのは、放射四号線の青山七丁目辺でも、とにかく前後が完成しているにもかかわらず、十坪ばかりの特定郵便局が最後まで頑張っている。一年半ばかり頑張っている。そのためにあすこは交通難だ。ようやくことしの一月になってそれが撤去されて裏のほうに入った。常に公共建造物、ことに警察、区関係、郵便関係というのはじゃまをする傾向にあるのですが、どうですか。そういうところは全線にわたって用地買収なり何なりやる場合、都並びに首都高速度道路公団ではそういう問題にぶつかりませんか。
  70. 加藤清

    参考人(加藤清君) ただいま御指摘のうち、この青山御所の関係につきましてちょっと御報告申し上げますが、実はあの部分につきましては、昨年来宮内庁といろいろと折衝いたしまして、非常に宮内庁御当局におかれましてもこの事業協力的でありますが、ただ現在まだああいう手つかずの状態になっておりますのは、あすこの沿道の樹木を移設する関係がありまして、木の種類によりまして移設の時期がありますので、下準備をそれぞれいたしまして、その時期が参りましたら直ちにあの樹木を移設いたしまして、工事に取りかかると、こういうことになりまして、一切話がついておりますので、おそらくこの四月になりまして移設の時期が参りましたあとで、できるものは片っ端からひとつ移設をしていただきまして、工事にかかりたい。あすこを一お通りになっておわかりになるかと思いますが、あの樹木につきましては全部根回りをそれぞれ堀りまして、わらでくるみまして、同時に木の幹につきましてもそれぞれわらで包みまして一切の移設の準備をいたしておりますので、この点につきましてはそういうことで話し合いが一切ついておりますので、近く着工する運びになるかと思います。  それから、その他の公共物につきましても、御指摘のような事情もままあるやに見受けられますが、最近におきましては、非常に公共建造物につきましても協力をいただいておりまして、現在特に公共建造物で私どもが手を焼いておるというふうなことはまず皆無の状態でありますので、この点もひとつ御報告を申し上げておきます。
  71. 田中一

    ○田中一君 石塚君、どうです。
  72. 石塚久司

    参考人石塚久司君) 私どもといたしましても、いろいろ問題はございましたが、仕事の重要性を認識していただきまして、何とか話し合いがつきまして、見通しがついて参っております。一例を申しますれば、皇居周辺の環状道路につきましては、文化財保護委員会との関係におきましていろいろ問題がございましたが、ともかく工期に間に合うように話し合いがつきましたし、国会関係におきましても、国会周辺の道路につきましては、格段の御協力をいただきまして、大体オリンピックまでには間に合うという段階に来ております。ただいま懸案でございます事項といたしましては、自然教育園のところを通る高速道路につきましては文部省と話し合いをしておりますが、なかなかこれはいろいろな立場で問題が残っております。この問題が一つ。それと、あとは埋め立て関係でなかなか問題が解決しないという二点だけにしぼられて参りましたので、この問題さえ解決をいたしますれば、何とか間に合わして参りたいというふうに考えております。
  73. 田中一

    ○田中一君 高速道路の各四つの路線は、大体計画どおりに順調に進んでいるのですか。おくれているのですか。どっちです。
  74. 石塚久司

    参考人石塚久司君) まあ若干おくれましたが、しかし、オリンピックまでには、一号、四号につきましては何とか予定どおり参るというふうに考えております。ただ、二号線につきましてはいま一点問題がございますのと、地元協議にひまどりましたので、これから大いに馬力をかけなければ間に合わぬというふうに考えております。三号線関係につきましてもそういう問題が若干残っておりますが、これもなるべく早くやりたいというふうに考えております。
  75. 田中一

    ○田中一君 白金の自然教育園ですね、あれはどういうことが問題になっているのですか。実際のただ文化財保護委員会があれは困るのだというのか、何か技術的にそれを促進するような施策をすればいいといっているのか、あの路線が困るのだと……、どういう理由なんですか。
  76. 石塚久司

    参考人石塚久司君) 従来はあそこを通ること自体、自然教育園を通ることが困るのだということでございましたが、しかし話し合いの途中におきまして、できるだけ文化的なもの、史跡的なものは避けて、構造その他においていろいろ協議中でございまして、まあ問題となりますのは野烏がいなくなるというような問題、あるいは土塁が一部なくなる、あるいは池の水がなくなる、あるいは樹木が一部枯れるであろうというようないろいろな心配がありまして、反対しておるわけでございますが、この点につきましてはできるだけそういうことの少ない措置でやることで具体的な交渉をただいまやっておりまして、だいぶ協力していただくような段階には来ておるのですが、根本的にはやはりほかを回れれば何とかしていただきたいという主張は捨てておりません。
  77. 田中一

    ○田中一君 そうすると道路の整備に関しては何も心配ないと、こう言うのですね、皆さんが。
  78. 加藤清

    参考人(加藤清君) ちょうどいい機会でありまするし、ただいま全然心配ないのかというお尋ねもありましたので、この機会に一言だけ私どもの実情と今後のお願いをかねてのひとつお願いをいたしたいと思います。  ただいま申し上げましたように、根本的にはおかげをもちまして、ひところのような道路整備についての地元の強い抵抗と申しますか、反対というふうなことはなくなりまして、全線にわたってほとんど具体的な補償額の問題についての協議と、こういうことにしぼられております。御承知のとおり私どもといたしましては、前年度予定より非常に、特にこの放射四号関係の仕事が進捗いたしまして、国のほうにもお願いをいたしまして、昨年末に約六十億の追加をお願いいたしたのでありますが、その際国のほうとのいろいろな事情がありまして、契約が調印できたにもかかわらず、むしろ金がないために支払いに事欠いて、そのために非常に関係住民に御迷惑をおかけしたというふうな事態も昨年末からことしの初めにかけまして起きたような状態であります。そこで私どもといたしましては新年度を迎えまして、できれば私どもの一般的な方針といたしましては今年末までに、おそくとも来年の三月末までに一切の用地買収と物件の移転を完了いたしたいと、こういうことで、新年度の予算につきましてもいろいろ国のほうにお願いをいたしたのでありますが、御承知のとおり国のほうの方針といたしまして、残された事業量につきまして、三十七年度と三十八年度で大体折半、五——五というふうな同じ比率で事業を執行するというふうな大体国の方針になったわけでありますが、私どもといたしましては、できれば今年度におきまして十のうち七割程度を実施いたしまして、あと三十八年度から九年度にかけまして三割程度と、こういうペースで参りませんと、やはり来たるべきオリンピックに心配になりますので、その辺の事情もいろいろお願いいたしたのでありますが、とにかくこれでひとつやってみろ、もし事業がより進捗して必要になれば、国としても十分予算については、考えるということで一応今年度の予算はきまったわけでございます。  そこで私どものお願いといたしましては、今年度におきましても、私どもといたしましては、予定の計画に従いまして事業を進渉いたしまして、もし予定より進みまして、予算が足りなくなった場合におきましては、ぜひ国のほうにおいても、また当委員会においてもこの点をひとつ特別の御配慮をいただきたい。これが一番実は気になっている問題でございまして、そのほかには特に御心配をかけるようなことはまずなかろうかと考えております。結局、予算の一点だけでありまして仕事が進んだが、どうも予算がなくて支払いに事欠くというようなことになりましては、まことに私どもとして残念に思いますので、その一点だけを特に当委員会におきましても今後何かと御高配をいただければ、たいへんにありがたく、しあわせに存じます。
  79. 田中一

    ○田中一君 小平総務長官、この実施担当をしている東京都から今のようなうれしい話があったんですけれども、建設省予算を組んで——どうにもならないと思うが、ことしも災害があれば予備費等はなかなか勝手に出せるとは思いませんが、どういう心がまえでおりますか。
  80. 小平久雄

    政府委員小平久雄君) ただいま東京都のほうから予算編成の際の、多分建設省じゃなかろうかと思いますが、話し合いいきさつの話がございましたが、工事が非常に進みまして、予算がどうしても足らないというような事態が起きましたならば、ただいまのお話いきさつ等もあることでございますから、われわれオリンピック事業を推進するという立場からいたしましても、十分考慮して善処いたしたいと思います。
  81. 田中一

    ○田中一君 木村君、どうですか。
  82. 木村守江

    政府委員(木村守江君) 御承知のように、本年度の予算は大体三百二十六億円計上されております。そのほかに国庫債務負担行為として使える金が六十億ありまして、この両方を使いますなれば大体において間に合うんじゃないかというような考え方を持っているわけであります。しかし、ただいま加藤局長が言われましたように、これをもってしてもなお用地買収等の支払いができない、そのために道路の整備がおくれるというような事態に当面いたしました場合には、また何らかの方法を考慮しなければいかないというような考え方を持っている次第であります。
  83. 田中一

    ○田中一君 それではもう全然心配はないというのなら安心しておきます。  そこで補償費の問題ですが、直轄でやっている橋の二つはこれはいいと思う。高速道路公団と東京都とは補償基準は同じですか。首都高速道路公団のほうは新しい、新しいといいますか、自分独自の補償基準を設けている、おそらくそれと違っているものを東京都は持っているはずです。そこで補償基準というものは同じで扱っているか、あるいはどちらが重くてどちらが軽いということはありませんか。そういう点はどうなっておりますか、話し合いをしておるのですか。
  84. 加藤清

    参考人(加藤清君) 実は、ただいまの問題につきましては私どもといたしましても、同じく公共事業をやるものといたしまして、一番懸念をいたしておる問題であります。そこで公団ができまして、高速道路及び関連街路につきましては公団のほうにお願いをいたしまして、事業を実施することになりましたので、この補償基準につきましては御承知のとおり、東京都におきましても一つの統一した補償基準があります。公団としては公団のお立場において、やはり補償基準をお定めになっておりますが、その補償基準をお定めになる場合、東京都のほうからも実は参画いたしまして、あらかじめ両者の間で、相互に食い違っては困るということで、十分都のほうの意見も意思も取り入れて、公団としての補償基準をたしかお作りになっていただいておると思います。そういう意味におきましては、両者の間において根本的な補償の食い違いということはありません。ただ実際問題といたしまして、多少実施にあたっての、地元との折衝の過程なりあるいは経過におきまして、わずかなことで問題が解決する場合におきましては、公団は公団の立場で、あるいは都は都の立場におきまして、多少の裁量と申しますか、そういう点はいたしますが、根本的な補償基準の考え方といたしましては、両者の間に一おいては別段食い違いはありません。
  85. 田中一

    ○田中一君 けっこうです。
  86. 内村清次

    委員長代理(内村清次君) それでは次会はあとで理事会におきまして決定をいたしまして御報告申し上げます。  参考人方々には、御多用中のところ長時間御出席をいただきましてありがとうございました。  それでは本日はこの程度にいたしまして、これにて散会をいたします。    午後四時十二分散会