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1962-02-27 第40回国会 衆議院 予算委員会第四分科会 第8号 公式Web版

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  1. 会議録情報

    昭和三十七年二月二十七日(火曜日)     午前十時三十五分開議  出席分科員    主査 羽田武嗣郎君       今松 治郎君    上林山榮吉君       山本 猛夫君    安宅 常彦君       木原津與志君    小松  幹君       森本  靖君    山口丈太郎君  出席国務大臣         郵 政 大 臣 迫水 久常君  出席政府委員         郵政事務官         (監察局長)  田中 鎭雄君         郵政事務官         (郵政局長)  西村 尚治君         郵政事務官         (貯金局長)  荒巻伊勢雄君         郵政事務官         (簡易保険局         長)      板野  學君         郵政事務官         (電波監理局         長)      西崎 太郎君         郵政事務官         (経理局長)  佐方 信博君  分科員外出席者         大蔵事務官   青木 英世君         郵政事務官         (大臣官房電気         通信監理官)  松田 英一君         郵政事務官         (大臣官房人事         部長)     長田 裕二君         郵政事務官         (郵政局次長) 曽山 克已君         郵政事務官         (電波監理局経         理課長)    太原 幹夫君         日本電信電話公         社総裁     大橋 八郎君         日本電信電話公         社副総裁    横田 信夫君         日本電信電話公         社総務理事(         兼)技師長   米沢  滋君         日本電信電話公         社総務理事   山本 英也君         日本電信電話公         社総務理事   秋草 篤二君         日本電信電話公         社営業局長   大泉 周蔵君         日本電信電話公         社理事         (計画局長)  伊藤  誠君         日本電信電話公         社理事         (施設局長)  平山  温君         日本電信電話公         社経理局長   井田 勝造君         日本電信電話公         社資材局長   行広 清美君     ————————————— 二月二十七日  分科員山口丈太郎君及び受田新吉委員辞任に  つき、その補欠として森本靖君及び内海清君が  委員長指名分科員に選任された。 同日  分科員森本靖委員辞任につき、その補欠とし  て安宅常彦君が委員長指名分科員に選任さ  れた。 同日  分科員安宅常彦委員辞任につき、その補欠と  して山口丈太郎君が委員長指名分科員に選  任された。     ————————————— 本日の会議に付した案件  昭和三十七年度一般会計予算運輸省郵政省、  建設省及び自治省所管  昭和三十七年度特別会計予算運輸省郵政省、  建設省及び自治省所管  昭和三十七年度政府関係機関予算運輸省及び  郵政省所管      ————◇—————
  2. 羽田主査(羽田武嗣郎)

    ○羽田主査 これより会議を開きます。  昭和三十七年度一般会計予算、同特別会計予算及び同政府関係機関予算郵政省所管を議題といたします。  前日に引き続き質疑を続行いたします。  なお、分科員各位に申し上げます。かねて申し合わせ通り質疑時間は四十分となっておりますので、この申し合わせの時間を守っていただくよう特に御協力をお願いいたします。  森本靖君。
  3. 森本分科員(森本靖)

    森本分科員 四十分ということでありますけれども、若干超過をするかもしれませんので、あらかじめお断り申し上げておきます。  私は、この予算について郵政省一般会計から順次追っていきたい、こう考えておりましたけれども、時間が非常に制約されておりますので、私の考えております二、三の点にだけ質問をとどめたいと思います。  まず、郵政省一般会計におきまする内容でありますが、予算書の七百四十五ページでありますが、この郵政本省の項の中に今回新しく「電波及び放送の規律に関する法制を調査検討するため必要な経費である。」いわゆる放送関係法制等調査会というものの経費が百八万二千円上っております。この百八万二千円の放送法調査会積算根拠をまず御明示願いたいと思うわけです。
  4. 西崎政府委員(西崎太郎)

    西崎政府委員 百八万の根拠でありますが、具体的な数字をあとでお届けしますけれども、中身としましては、委員手当、これが会長が一日一回二千九百円、委員が二千五百円、この委員に対する日当が七十四万円です。それから視察旅費、これが二十九万八千円、庁費が四万一千円でございます。
  5. 森本分科員(森本靖)

    森本分科員 会長が二千九百円で委員が二千五百円というのはおそらく日当だろうと思いますが、この放送関係法制等調査会といいますか、この正式の名称は何ですか。大臣から……。
  6. 迫水国務大臣(迫水久常)

  7. 森本分科員(森本靖)

    森本分科員 そういたしますと、臨時放送関係というのは、放送法以外に電波法も含まれるのですか。
  8. 迫水国務大臣(迫水久常)

    迫水国務大臣 含まれます。
  9. 森本分科員(森本靖)

    森本分科員 そういたしますと、放送法電波法一連放送関係、あるいはまた電波放送に関する法制のすべての調査会、こう考えてよろしいわけですか。
  10. 迫水国務大臣(迫水久常)

    迫水国務大臣 放送関係が主でありますが、そういうことでございます。
  11. 森本分科員(森本靖)

    森本分科員 将来これが成立いたしましたときの会議委員の数は何名程度ですか。
  12. 西崎政府委員(西崎太郎)

    西崎政府委員 委員は十五名、専門委員十名を予定いたしております。
  13. 森本分科員(森本靖)

    森本分科員 その専門委員の十名というのは、どういう人たちですか。
  14. 西崎政府委員(西崎太郎)

    西崎政府委員 これは調査会が発足しましてから、委員の意向を十分聞きましてきめることになっておるのでございますが、関係の官庁とかあるいは放送関係学識経験者あるいは利害関係者が一部入ることもございます。
  15. 森本分科員(森本靖)

    森本分科員 それではまず先に委員を聞いてみたいと思いますが、委員が十五名ということでありまするが、大体この委員構成というものはどういう各界から選ぶ予定ですか。これは全部大臣からです。これは電波局長ではございません。少なくともこれは日本放送電波に関する将来の大綱を決定するという調査会でありますから、今度の公職選挙法審議会を見てもわかります通り大臣がよほどしっかりしてなければだめですから、すべて大臣のお答えです。
  16. 迫水国務大臣(迫水久常)

    迫水国務大臣 各界学識経験者を入れております。
  17. 森本分科員(森本靖)

    森本分科員 各界学識経験者というのは、どういうふうに分かれるわけですか。
  18. 迫水国務大臣(迫水久常)

    迫水国務大臣 財界、学会。それから政界官界は入りません。
  19. 森本分科員(森本靖)

    森本分科員 政界官界は入りませんということですが、財界学界というよりも、大体どういうところから選ぶということですか。
  20. 迫水国務大臣(迫水久常)

    迫水国務大臣 私が一切の責任を負いますから、電波局長よりお答えいたします。
  21. 西崎政府委員(西崎太郎)

    西崎政府委員 まだ具体的にきめておりません。
  22. 森本分科員(森本靖)

    森本分科員 そういう答弁をするのだったら、私は予算審議はできぬと思う。少なくとも内閣委員会に対して、郵政省設置法改正というものを出して、それを裏づけするところのいわゆる百八万二千円というものを予算に計上しておいて、まだその法律案ができたときにおける具体的な内容については全然考えておりませんというようなことでは、責任ある政府当局としての答弁にはならぬと思う。それは将来できる、できぬは別です。しかし、こうして法律案改正を出して、少なくとも予算を出す以上は、政府当局としては、こうこうこういう構想を考えておりますという答弁ができなければならぬはずだ。それができる、できないは将来の問題ですから、そのときの責任問題ですけれども、今一応の構想というものがあるはずです。それからまた、少なくともこれは日本放送界をゆるがすだけの大きな問題でありますから、日本マスコミ界にとっても重要な問題でありますので、私はそういう局長答弁はないと思う。それはけしからぬ答弁だ。
  23. 迫水国務大臣(迫水久常)

    迫水国務大臣 今財界学界と申しましたが、やや足りないと思います。言論界、それから評論家、それからこれは若干の利害関係者も入れた方がいいんじゃないかと私は思っておりますけれども、そういうようなことでございます。
  24. 森本分科員(森本靖)

    森本分科員 そういたしますと、財界学界あるいは評論家というふうなことを言われましたが、大体今の電波監理審議会構成メンバーのようなものですか。
  25. 迫水国務大臣(迫水久常)

    迫水国務大臣 私はやはりちょっと違うと思うのです。現在の電波審議会は五人でございますが、もう少し幅広く、もちろん数が多くなるわけですから幅は広くなりますが、幅広くなると思います。
  26. 森本分科員(森本靖)

    森本分科員 財界学界評論家、それ以外に何ですか。もう少し明確にならぬですか。
  27. 迫水国務大臣(迫水久常)

    迫水国務大臣 森本さんが急に言われるものですから少し答えがどぎまぎしましたが、教育界とか、それからさっき言論界は言いましたが、そういうところです。
  28. 森本分科員(森本靖)

    森本分科員 財界学界言論評論家教育界というようなことを言われましたが、これは財界を入れるということになれば、大衆代表というような意味のものは入らぬのですか。
  29. 迫水国務大臣(迫水久常)

    迫水国務大臣 聴視者代表的な者を入れることができればと考えていますけれども、そういうことも考えたいと思います。
  30. 森本分科員(森本靖)

    森本分科員 これは特に私は申し上げておきたいと思いますが、財界代表を入れるということなら、その反対の働く大衆代表というような者も少なくとも私は入れるべきであるというように考えるわけでありますが、ここではそういう点については論戦をいたしませんけれども、いずれにいたしましても、これの人選等についてはおそらく放送界の諸君は非常に注目をしておると思います。それともう一つ聞いておきたいと思いますことは、政界官界から一切入らない、こういうお話でありますが、政界からは入らぬわけですか、特別委員というような形においても国会議員は入りませんか。
  31. 迫水国務大臣(迫水久常)

    迫水国務大臣 申しわけありませんけれども、今の予定では国会議員は入らないつもりです。
  32. 森本分科員(森本靖)

    森本分科員 それで大臣としては自信がございますか。はっきり申し上げておきますけれども、今度の公職選挙法審議会ですか、あれには確か国会議員特別委員という形で入っておると思います。入っておって審議会がああいう答申をして、それがあなたの方の党と政府においてだいぶ曲げられたということで、今相当政府あるいは与党に風当たりが強いわけであります。今回のこの放送法並びに電波法調査会にしても、二年後には答申をする、こういうことになりますと、日本テレビラジオ、すべての放送に関する問題についての重要な事項答申をせられるということになってくるわけであります。そういう場合に大臣としては、こういうものをこしらえて諮問をするわけでありますから——あとで聞こうと思いましたが、おそらくその答申案事項というものを尊重して、それをそのまま国会法律案件として提案をする、こういうことになった場合、その調査会に対するいわゆる政界意見反映というものが全然なされないということについて、一体大臣はそういうことで答申案をそのまま法制化するということについての自信がおありかどうか。私は今度の公職選挙法審議会の状況を見ておって、非常にあぶないのではないかという気がするわけでありますが、どうですか。
  33. 迫水国務大臣(迫水久常)

    迫水国務大臣 この調査会郵政省諮問機関でありますので、この答申が出て参りました場合、もちろん尊重はいたしますけれども、それをそのままうのみにしなければならぬということにはならないと思います。それから、それによって法律改正案ができましたら、国会において御審議をいただくことは当然でありますので、その部分で政界の御意見反映を受けたい、こう思っております。
  34. 森本分科員(森本靖)

    森本分科員 そうすると、これは単なる参考意見を作ってもらうわけでありますか。その辺は一つ明確にしておいてもらわぬと、今度新しくできる調査会委員の人が、これは政府参考にする意見だというなら、参考的に出そう、しかし、ほんとう答申案を尊重して、日本放送界をこうこうこういうふうに改正するということになるとするならば、相当重要である、こういうことになってくるわけでありますから、大臣がそういうふうにぼかした格好でなしに、ほんとう郵政大臣諮問機関であるが、単なる参考的な意見を聞く程度にとどめるのか、それともこの答申案を尊重して、そのまま、全部が全部そのままということにはならぬだろうけれども、ある程度その答申骨子というものは法制化するという方向になるのか、その辺を明確にしておかぬと何にもならぬわけでありますから……。
  35. 迫水国務大臣(迫水久常)

    迫水国務大臣 この調査会というのは議決機関ではございませんで、あくまでも諮問機関でございます。従って、諮問機関限界でこれを大いに尊重するということになると思います。
  36. 森本分科員(森本靖)

    森本分科員 諮問機関限界でこれを尊重するというのはどういう意味ですか、もっと具体的にわかりやすく言ってもらわぬと……。
  37. 迫水国務大臣(迫水久常)

    迫水国務大臣 私は、森本さんが参考々々と言われますが、参考というのでは、何といいますか、私の頭の中にある実態と比べてみると少し権威がなさ過ぎる感じです。そうかといって、これをこの通りやるということではない。その中間ということですから、何というか、右とか左とか、参考であるかどうか、こういう質問は非常に困る。ですから、少し回りくどいですけれども、諮問機関としての本質を十分尊重する、こういうことでございます。
  38. 森本分科員(森本靖)

    森本分科員 諮問機関としてのなにを大いに尊重する。しかし、この答申案が出てきた場合は、その枝葉は別として、その答申案骨子というものはやはり郵政省としてはそれを尊重する、そうして、具体的な例を出した場合は、たとえば今の放送法日本放送協会法一般放送法と大別してやるべきが至当である、こういう答申が出た場合は、その大綱についてはやはりその通りする、こういうことになるのじゃないですか。それも全然やらないということになったら、何を聞くかわからぬですよ。これは意味をなさぬ。
  39. 迫水国務大臣(迫水久常)

    迫水国務大臣 今の御質問はやや仮定が強過ぎて、そういうような答申があった場合には二つ法律に分けるつもりだと答弁するだけの準備を私は持ちませんけれども、かりにそういう基本的な問題が答申されてきた場合には、相当高くこれを尊重することになると思います。
  40. 森本分科員(森本靖)

    森本分科員 どうも大臣の言うことがはっきりしませんが、これは放送関係法制調査会というものができて、これが実際に活動するということになると、世間はかなりこの調査会注目をすると思うのです。その調査会性格がいかなるものであるかということについては、やはり相当注目があると思う。だから、大臣としては、この調査会性格任務というものがどういうものであるかということについては、やはりここで明らかにする責任があると私は思う。大臣はふだんははっきりしておるのにかかわらず、この項については煮たやら焼いたやらわからぬような答弁になりがちでありますが、今後出てくる調査会答申については、骨子は十分に尊重していく、枝葉の問題は別だということなら、その点を明らかにしてもらわぬと、将来に問題が残るのじゃないか。今私が申し上げましたように、たとえば日本放送協会法放送法二つに分けるというようなことは、日本放送法にとっては始まって以来の大きな問題であります。そういう問題や今後の放送の自由とかいう問題について、どういう条項が出てくるかわかりませんけれども、そういう点についても大きな問題が答申される可能性があるのじゃないか。その場合に重要な骨子は尊重するということは明確にしておかないと、この調査会をせっかく百八万二千円も出してこしらえる意味がないのじゃないかと私は考えるわけです。
  41. 迫水国務大臣(迫水久常)

    迫水国務大臣 明瞭にお答えいたしますが、この調査会答申は、根本の骨子においては十分これを尊重いたします。
  42. 森本分科員(森本靖)

    森本分科員 そこで明確になったわけでありますが、この調査会任務はどういう内容になりますか。たとえば、現在の放送法、さらに電波法における放送部門法制化の問題をすべて根本的に検討する、新しくテレビあるいはラジオを今の放送界に適応するような放送法あるいは電波法としてこれをもう一ぺん根本的に再検討する、こういうことであるのか、それとも放送法の個々の問題についてこれとこれとこれを一つ審議をしてくれ、こういう形においていわゆる諮問をするのか、その問題を一つお聞きしたい。要するに、この放送関係法制調査会任務を明確にしてもらいたい、こう思うわけです。
  43. 迫水国務大臣(迫水久常)

    迫水国務大臣 私はこの調査会を運用するにつきましては、こちらからこういう格好のものはどうでしょうかという諮問をすることもあり得ると思いますけれども、最初のころは委員先生方に、現在の放送関係法制でどういうところが悪いかというようなことについてのいろいろな意見を出し合っていただきまして、それを整理して、それから大体この方向で問題を考えていこうということがきまってくると思いますから、そうしたらこの方向でやっていこう、最初に諸先生の御意見を出してもらって、それから始めていきたい、こう考えております。
  44. 森本分科員(森本靖)

    森本分科員 問題がだいぶ明確になって参りましたが、現在の放送界あり方について、さらにテレビラジオあり方について、あるいはまた当面FM放送の問題も出てこようと思いますし、またカラーテレビの将来の展望等についても出てこようと思いますが、要するに現在の放送界あり方がいいか悪いかということを十分に審議をして、そして今後放送界あり方はかようしかじかあるべきだという結論が出た場合には、その結論に応じて放送法なりあるいは電波法をそれぞれそれに適応するように改正をする案を審議する、そして現在の放送法なり電波法一つ改正案答申する、こういうことを望んでおるのですか。
  45. 迫水国務大臣(迫水久常)

    迫水国務大臣 そのつもりでおります。
  46. 森本分科員(森本靖)

    森本分科員 そうすると、要するに現在の放送界の現状で満足をしない、将来これを改正していかなければならぬというふうな点については、大臣としてはどういう点を考えておるわけですか。
  47. 迫水国務大臣(迫水久常)

    迫水国務大臣 私が今ここでその点について御答弁しますと、一つ予断を与えることになると思うのであまり言いたくないのですが、私の考え方では、調査会の諸先生に純然たる客観的なそれぞれのお立場でどう思われますかということを伺っていく、政府が一応の予断を持たない格好で始まりたいと思っておりますが、当然問題になるのは免許制度の問題だろう、こう予想しております。
  48. 森本分科員(森本靖)

    森本分科員 この期間は大体何年になっておりますか。二年だったと思いますが、その通りですか。
  49. 迫水国務大臣(迫水久常)

    迫水国務大臣 そうです。
  50. 森本分科員(森本靖)

    森本分科員 二年ということになりますとかなり長期の期間になるのでありまして、今大臣の言われたような点は、これは大体半年くらいでできるのじゃないか。そういたしますと、何としても現在の放送法あり方を検討するということが重点的な問題になってくるのじゃないか。そこで、今大臣が言われたように、免許の問題もありましょうし、また放送の中立と自由という問題における放送法の三条でありますか、こういう問題にもなってこようかと思います。さらにまた私が最初に申し上げましたように、一般放送とそれからNHK放送とが一緒くたに一つ放送法に包括せられておる、こういう点についても一般放送法日本放送協会法とに分けた方がいいのではないかというふうな意見もありますし、あるいはまた現在のNHK料金制度の問題について、あるいはまた国際放送あり方の問題についてというふうに、問題は非常に山積をしておるわけでありますが、この二年間に、現在の山積をしておる放送全部の問題について、最終的には日本放送界というものはかくあるべきである、こういう答申を最終的な姿として出すのが任務ではなかろうか、こう私は考えるわけでありますが、大臣としてもそういうふうに考えておるわけですか。
  51. 迫水国務大臣(迫水久常)

    迫水国務大臣 その通りでございます。
  52. 森本分科員(森本靖)

    森本分科員 そういたしますと、次に聞いておきたいと思いますが、この委員以外の十名の専門委員というのは、どういう役割をするわけですか。
  53. 西崎政府委員(西崎太郎)

    西崎政府委員 先ほど申し上げましたように、専門委員としましては、学識経験を有し、かつ放送関係の諸問題について専門知識を有する者のうちから最も適任と認められる者を人選したい、こういうふうに考えておるわけでありまして、結局、委員の方に専門的な知識を補充する、こういう考え方でございます。
  54. 森本分科員(森本靖)

    森本分科員 その専門委員手当は、どういう計数になっておるわけですか。
  55. 西崎政府委員(西崎太郎)

    西崎政府委員 先ほど申し上げました委員手当の中に入っておりまして、これは日当としまして千二百円予定いたしております。
  56. 森本分科員(森本靖)

    森本分科員 私は、委員手当というのが、会長日当が二千九百円、委員日当が二千五百円というのは、現在の段階においても、これだけの大きな問題を審議をしてもらうについては安過ぎる、こう思っておるわけでありますけれども、しかし郵政省は貧乏なところでありますから、この程度でごしんぼう願うといたしましても、専門委員の方が千二百円の日当で実際に——こういうえらい方は、そんな金のことでは勘定せられないと思いますけれども、委員というのは比較的大所高所から、政治的な分野にわたっても、社会的見識の広い人が審議をする。ところが専門委員というものは、あなたの今の説明では、専門的な知識を駆使をして、専門的な分野委員に知恵をかす、こういう任務だということになると、われわれが常識で考えると、専門委員というものは少なくとも十名を五名にしても常駐できるくらいの専門委員でなければ、本来これでいい専門委員としての任務が勤まらぬ、私はこう考えておるわけでありますが、この専門委員は、わずかに千二百円の日当で月何回出てきますか。
  57. 西崎政府委員(西崎太郎)

    西崎政府委員 大体二回程度予定しております。
  58. 森本分科員(森本靖)

    森本分科員 そういうおざなりの専門委員だったら、やめたらどうですか。それはもう委員と同じ形式になる。本来専門委員というものは、これは国会専門員だってそうだ、どこの審議会専門員だって、専門的に勉強して、知識を吸収をして、そして委員の方に、こういうことでございますということを参考的に説明をして、そして委員がその専門委員知識をかりて、いわゆる豊富な、該博な経験を持っていろいろ世間的、政治的に判断をする、こういうことになる。その専門委員が、日当が千二百円で、十名おったところで月二回出てくるというような専門委員だったら、これは何の役にも立たぬ。あなた方が郵政省考え方をこの法制調査会にぐっと出していくのでなしに、実際に調査会委員が自発的に審議をして、そして調査会というものが自発的にこの答申案を出そう、こういうほんとうに民主的な考え方であるとするならば、この専門委員を強化しなければ何にもならぬ。そうでなかったら、この調査会委員が全部あなたの方の電波監理局所管の人々にいろいろ聞くなり、NHKへ行って聞くなり民放に行っていろいろ聞かなければ勉強はできないわけです。ほんとう調査会委員があなた方を離れて公平な立場において郵政大臣にこの重要なる問題を答申をしようと考えるとするならば、少なくとも、十五名の調査会委員に対して十名程度常駐の専門的な委員が必要だ。しかもその常駐専門委員の下には事務局員が二、三十人おらなければ、これだけの大きな仕事はできない。おざなりに今日の民主的な機構に名をかりて体裁よく調査会というものをやって、そして郵政省考え方をその隠れみのを通じて出そうという考え方であるとするならば別であります。あなたは正直だからそういう考え方はなかろうと思いますけれども、今日お役所がやる審議会というものは、えてしてそういうことになりがちであります。私はこの専門委員というものは、全然これは役に立たぬ——ちっとは役に立つと思いますけれども、ないよりはましなくらいな程度でありまして、公平な審議はできないと思う。この辺、西崎君の方では、おそらく大蔵省あたりとも折衝せられたのではないかと思うが、あなたの方は、最初大蔵省に折衝する、査定の行なわれる前の案はどういう案だったのですか。
  59. 迫水国務大臣(迫水久常)

    迫水国務大臣 率直にお答えしますが、最初は私たちも森本さんのお考えのようなふうに、事務局も作り、さらに調査費も膨大に取って、約五千万円くらいなものをやろうかという考え方を実はしたわけです。しましたけれども、大蔵省がなかなか承知をしないだろうということは最初から考えたのでありますが、一生懸命にやってみましたけれども、やはりうまくいきませんで、まるまる削られてしまうよりは、とにかく調査会を作っておく方がいいという格好で妥協した、——これはこういうことを言っていいかどうかわからぬけれども、率直に言うとそういうことです。
  60. 森本分科員(森本靖)

    森本分科員 今の大臣の率直な答弁で、一応その間の経緯については私は了承いたしますけれども、少なくとも日本の将来の、新聞をのけた以外の、要するにテレビラジオという国際的な分野にまたがるところの重要なこの問題を審議をしようというこの調査会が、たった百八万二千円の年間予算で一体何ができるか。これは委員日当を出しておればそれでしまいである。しかもこれは、地方に優秀な学識経験者がおっても任命ができない。東京なり東京付近を中心とするところの人でなければ、これは来られない。百八万円というのは日当旅費なんです。こういうふうなことでは、ほんとうに第三者的な、公平な国民的な立場に立ってこの重要な問題を答申するということは、私は不可能だと思う。だから最初に私が聞いたように、大臣が単に参考程度にとどめるという程度調査会なら、それはそれでもよかろう。しかしほんとうに公平にこれを審議をした、そうして第三者的な立場から郵政大臣答申をするということであるとするならば、これではおそらく不可能である、私はそう思うわけであります。体裁とお義理で作ったという委員会なら別でありますけれども、本腰をかけてやる委員会とは、この予算内容から見ても、絶対に考えられぬわけでありまして、大臣、その点はおそらく遺憾の意を表されると思うけれども、今後ともこの運営については一つ十分に——実行予算の中においてやれるというわけにはいかぬのですか、現実問題として。
  61. 迫水国務大臣(迫水久常)

    迫水国務大臣 私のほうにも電波監理局というとにかく一つの組織を持っておりますので、結局この電波監理局が大いに働きまして、この委員会の事務局的役割を十分に果たしていけるように努力をしてもらうということで最大限度能率のいい運営をしたいと思います。
  62. 森本分科員(森本靖)

    森本分科員 これは他の一般会計予算をある程度使ってこれに流用するということは、実行上できぬのですか。
  63. 佐方政府委員(佐方信博)

    ○佐方政府委員 予算性格から申しますと、これは目でございますから、大蔵省の承認をとればできるわけであります。しかし、実際問題としましては、こういう非常勤の委員については人事院と相談をし、いろいろな問題がございまして、委員の制限の問題が非常にやかましいものですから、運用上は相当問題があるだろうと思います。
  64. 森本分科員(森本靖)

    森本分科員 これもこれ以上私は深く追及いたしませんけれども、これは大臣、今の質疑応答でも明らかなように、ほんとうにこの問題を公平に第三者的な立場から郵政大臣に真剣に取り組んで答申をさそうとするならば、とてもこの経費ではできない。また専門委員制度についても、おざなりになりがちである。それが少なくとも郵政省電波監理局意見を聞いてやるということになると、今度は郵政省意見相当入ってくる、こういうことになるわけでありまして、私はもしかりにこのことが実行せられるということになるとするならば、一つ実行上十分に大臣が注意をして、極力この問題がスムーズに行くように十分の御努力を願いたい、こう思うわけであります。なお、この問題についてはいずれ設置法の問題のときに十分にやりたいと思いますが、きょうは予算のたった百八万二千円というような人をばかにしたような予算を出しておるから、一応この予算面から一つ当たってみただけのことでありますので、予算面については十分に大臣としては将来御考慮を願っておきたい、こう思うわけであります。  時間があまりないようでありますので、次に、まだ一般会計でたくさんございますけれども、省略をしまして、一つ電電公社に聞いておきたいことがございます。  それは、現在名古屋と東京間における市外通話の点でありますが、この接続方法は今どうなっておりますか。
  65. 横田説明員(横田信夫)

    ○横田説明員 名古屋と東京との間の市外通話は即時で交換所を通じてやっております。
  66. 森本分科員(森本靖)

    森本分科員 それは手動ですか、自動ですか。
  67. 横田説明員(横田信夫)

    ○横田説明員 手動即時でやっております。
  68. 森本分科員(森本靖)

    森本分科員 手動即時で名古屋と東京は原則としてやっておると思いますが、一部自動即時でやっておるのはありませんか。
  69. 横田説明員(横田信夫)

    ○横田説明員 自動即時というよりも、今試行サービスといたしまして輻湊対策用市外発信電話という制度によりまして、一部の人の専用によってこういうサービスをやっておるわけであります。
  70. 森本分科員(森本靖)

    森本分科員 そういたしますと、これは主査よく聞いておいてもらいたいのですが、名古屋と東京の間は普通であれば手動の即時でやっておる。そのうちに一部専用によるところの自動即時をやっておる。こういうことになるわけですね。
  71. 横田説明員(横田信夫)

    ○横田説明員 輻湊対策用市外発信電話というものの構成といたしましては、専用の機械によって、直接利用者から、利用者の通話が名古屋発信についてできるということになっております。
  72. 森本分科員(森本靖)

    森本分科員 そういたしますと、一般の普通の電話は手動によって即時でも東京につながっておるわけですね。一部の人が結局この自動即時になっておるわけですね。大体名古屋の加入者が全部で何加入ありますか。そのうちで手動即時が何加入で、それから自動即時が何加入ありますか。
  73. 横田説明員(横田信夫)

    ○横田説明員 営業局長から詳しく申し上げます。
  74. 大泉説明員(大泉周蔵)

    ○大泉説明員 ただいまの御質問ですが、名古屋の加入はたしか十五、六万だったと思いますが、この輻湊対策用の市外発信電話という制度に入っておりますのは五十三回線でございます。
  75. 森本分科員(森本靖)

    森本分科員 だから、十六万程度名古屋に電話の加入者がある。それが全部要するに手動即時で不便をやっておる。ところがその中で五十三程度自動即時になっておる、こういうことですね。
  76. 大泉説明員(大泉周蔵)

    ○大泉説明員 この点ちょっと誤解を生ずるかもしれませんので釈明させていただきますが、輻湊対策用市外発信電話と申しますのは、現に名古屋から東京にだけやっておるのでございますけれども、これは名古屋の東京に対します。一〇三番、要するに手動即時通話が非常に輻湊して、どうしてこのサービスを維持するかということの救済策として考えられたものでございまして、輻湊対策用市外発信電話はいわゆる自動即時ではございません。と申しますのは、まず市内通話が全然できない、着信もきかない。この場合については、対東京へだけできる特殊の制度でございまして、従いまして、今の点は一般電話と違う特別の救済用の制度と御了解願います。
  77. 森本分科員(森本靖)

    森本分科員 そうすると、この五十三くらいの電話というものは、名古屋から東京へ発信するだけの電話ですか。
  78. 大泉説明員(大泉周蔵)

    ○大泉説明員 さようでございます。
  79. 森本分科員(森本靖)

    森本分科員 そうすると、この五十三の人の市外回線というものは、専用線になっておるわけですか。
  80. 大泉説明員(大泉周蔵)

    ○大泉説明員 さようでございませんので、交換機を通じまして、しぼって東京の方へ届くようになっております。
  81. 森本分科員(森本靖)

    森本分科員 交換機を通ってというのは、そうすると、いわゆる自動即時の場合は、五十二のこれに当たるところの市外専用線というのは、どの程度置いてあるわけですか。
  82. 大泉説明員(大泉周蔵)

    ○大泉説明員 現実の回線数は詳しくは存じませんが、大体二十回線程度が事実上使われておるのじゃないかと思います。
  83. 森本分科員(森本靖)

    森本分科員 わかっておる人に明確に答えてもらいたいのですが、名古屋−東京間の市外通話に使っている回線は何ぼあるか、この五十三の特殊な回線に使っておるものは何ぼあるか、これは施設局長でもだれでもはっきりわかる方からお答え願いたい。
  84. 平山説明員(平山温)

    ○平山説明員 お答え申し上げます。正確な数字を持っておりませんが、森本先生よく御存じのように、専用線でやれば五十三に対しては五十三の線があるわけでありますが、交換でありますから、もちろんそれは要らぬわけであります。今営業局長がお答え申し上げましたように、もちろん五十三回線より少ない数でございます。二十回線くらいの程度のもので交換によってやっておる、こういうことでございます。
  85. 森本分科員(森本靖)

    森本分科員 名古屋−東京間全部の市外回線。
  86. 横田説明員(横田信夫)

    ○横田説明員 今すぐ調べて、あとで御報告いたします。
  87. 森本分科員(森本靖)

    森本分科員 それからこの料金はどうなっておるのですか。
  88. 大泉説明員(大泉周蔵)

    ○大泉説明員 この名古屋発信の輻湊対策用市外発信電話につきましての料金につきましては、自動でかけることになっておりますので、これは距離別時間差法によりまして、五秒間七円という料金になっております。
  89. 森本分科員(森本靖)

    森本分科員 この自動化されておる分と、それから一般の手動即時の分の料金を比較してみて下さい。これは私はわかっておるけれども、一般の人にわかるように説明してみて下さい。
  90. 大泉説明員(大泉周蔵)

    ○大泉説明員 実はこの五秒間七円の料金は、この前、昨年御決定願いました新料金の名古屋−東京間の自動即時距離別時間差法による料金でございます。
  91. 森本分科員(森本靖)

    森本分科員 いや、私が聞いているのは、だから違ってなければ違ってないでいいのですが、十六万のうちの五十三という専用回線を使っておる人の電話の料金と、そうでない手動即時の人の料金とが違いがあるかどうかということです。
  92. 大泉説明員(大泉周蔵)

    ○大泉説明員 この点につきましては、大体均衡がとれているものと私ども考えております。
  93. 森本分科員(森本靖)

    森本分科員 均衡がとれているというのは、片一方の距離別時間差法によるところの自動即時による料金はこれこれで、現在の十六万のうちの五十三ですから、十五万九千何ぼですか、それの料金がどういうふうになっているか、こういうことです。
  94. 大泉説明員(大泉周蔵)

    ○大泉説明員 手動即時の名古屋−東京間の料金は三分間二百二十円でございまして、これは昨年の法律のときにもいろいろ御説明申し上げた記憶がございますが、何分にも料金のかけ方の体系が違いますので、非常に短い時間の場合は自動即時の方が得になり、あるいは三分間かっきりかけた場合には自動即時の方が損になるといったようなことで、全体を通じてこれが均衡のとれたものというふうに考えております。
  95. 森本分科員(森本靖)

    森本分科員 一体こういうことをやってよろしいということは、公衆電気通信法の試行の条項でやっておられるわけですか。
  96. 大泉説明員(大泉周蔵)

    ○大泉説明員 公衆電気通信法のたしか十二条の二だったと思いますが、試行サービスとして郵政大臣の御認可を受けてやることができることになっております。
  97. 森本分科員(森本靖)

    森本分科員 これは郵政大臣に聞きますが、こういうことは試行サービスとしてやっていいのですか。国民は同じ場所においては同じようなサービスを受けなければならぬ。一方の人は自動即時、距離別時間差法でありますから、話が短ければ安い。長くなったら別でありますが、こういうふうなこと、しかも手動即時と自動即時とは相当便利さが違うわけであります。しかも五十三回線で二十回線も専用線を持つということと、それからあと名古屋に十六万個ありますから、それに比例をして市外線というものを考えてみると、ものすごい便利さの開きがついているわけであります。これは試行サービスとしても行き過ぎた試行サービスじゃないですか。大臣が許可するのだから、大臣からお聞きしたい。
  98. 迫水国務大臣(迫水久常)

    迫水国務大臣 私は、電電公社の説明で、実は卒直に言いますと、この議場でそういうことをやっているということを初めて知ったのですけれども、私は、電電公社の説明を聞いておりましてもっともだと思いますのは、そういうような処置をしたのは、一般人たちに迷惑を特定の人々がよけいにかけているから、つまり特別によけい東京に電話をかける人たちが年中その回線を使っていて、ほかの人がなかなかかけられない、非常にほかの人に迷惑をかけているから、その分だけはよけて、一般の人の便宜を増進するために、それをやっているのだという説明をしておりますから、これならもっともじゃないかと私は思います。
  99. 森本分科員(森本靖)

    森本分科員 よく聞いておったらわかると言われましたが、一般の人がこれで便利を受けるのですよ。これはほとんど専用回線と同じ程度になっているわけです。だから、これは専用回線としておけばいいわけです。そして専用回線としての料金を取ればいいわけですよ。どうですか、監理官。
  100. 松田説明員(松田英一)

    ○松田説明員 確かにこの問題はいろいろ事情を考えてやってきたわけでございまして、一つには現在の名古屋−東京の即時帯をふやすことにつきましては、いろいろな点で非常に困難だ、しかも近いうちには、いわゆる距離別時間差法による自動即時という方法もとらなければならない、その間のつなぎに対して、現状では一般の電話をかける人がなかなかつながらなくて非常に迷惑しているわけだから、たくさん東京への発信を持っているものについてだけその通話を抜けば、一般の方々にもそう悪いサービスにならないでやれるのだから、直接東京に対して市外通話を申し込む方法というものを何とか考えたいということで、公社がいろいろ考えた方法でございますので、その目的とするところは、結局一般の電話の加入者に対するサービスをよくするために、特別な人について東京に直接呼び出せる方法ということでございますので、ただその方法をどういうふうにとるかということはいろいろ考えられるわけでございますけれども、結局近い将来において距離別時間差法でやりますために、特別な方法をとっておりますと、そのときにまたその方法が変わりますので、距離別時間差法の方法によって特別な料金を徴収したいというふうなことでございましたので、私どももこれは臨時的なものである、いずれ近い将来において距離別時間差法が実施されれば、それによってすべてが解決されることであるからということで、一応暫定的にそうしたわけでございます。
  101. 森本分科員(森本靖)

    森本分科員 これは将来距離別時間差法になったところで、こういうふうに輻湊しているということについては、一つも解決つかぬわけですよ。それならば、やはりかける人がよけいかければ、片がつかぬでしょう。
  102. 松田説明員(松田英一)

    ○松田説明員 実は、その点は、名古屋と東京間の回線の問題につきましては同じでございまして、回線は現状もまたそのときも別にそう困るわけではございませんで、拡充されるというふうに私ども承知しております。ただ現在は、手動即時でございますために、手動即時の方にこの市外通話を申し込んでいく、それがなかなかうまくいかなくて、サービスが悪くなるのだということでございますので、その面でサービスが楽になれば、回線の方は同じでございますけれども、現状は助かりますし、また将来自動即時になれば、その手動即時帯に申し込むということはなくなるわけでありますから、サービスはやはりよくなるというふうに考えております。
  103. 森本分科員(森本靖)

    森本分科員 時間が参りましたので、実はまだ特別会計も、それから電電公社の予算についても全然触れておりませんけれども、あとで同僚諸君が触れると思いますので、この程度でやめておきまして、いずれ機会を改めて、かりにこの予算が通っても、内容の不備な点については、逓信委員会等において十分質疑をしていきたい、こう思います。ただ今の名古屋−東京の点については、これはあなたもよく御存じだと思いますが、今言ったように、十六万もある電話の中で、いかに輻湊するとはいえ、わずか五十三口くらいの人にいわゆる自動即時をやって、その便宜をはかるということについては、これはいかに試行サービスとはいえ、行き過ぎじゃないか。現行の公衆電気通信法に照らしても違法のおそれが多分にある。それから今言った通話が非常に緩和せられるという点については、かりに現行では緩和せられたとしましても、すべてが距離別時間差法になった場合に、その点は何にもならないわけであります。この点は今の営業局長と監理官の答弁では満足できません。これは機会を改めて詳細に質問したいと思いますので、この点については特に留保しておきたい、こう思いまして、一応主査に協力しまして、質問を打ち切ります。
  104. 羽田主査(羽田武嗣郎)

    ○羽田主査 安宅常彦君。
  105. 安宅分科員(安宅常彦)

    安宅分科員 郵政大臣にちょっとお伺いしたいのですが、郵政省の定員について、三十八国会で私どもが大蔵省に定員を要求したところが減らされても黙っているのかというような意味質問をしたところが、当時あなたじゃなかったのですが、事務当局の方から、われわれが要求した人員以上にことしはもらったので、非常に満足しているという答弁だったのであります。ところが、その後いろいろな世論によって、郵政事業の運営が非常に困るのではないかというような問題が起きまして、その後さらに大幅な要員を郵政省内に配置しておかなければ、郵政事業の円満な運営というものはできないという世論に変わってきて、大臣も全逓信労働組合との間にいろいろ折衝されて非常に苦労されたようでありますが、現在の定員で郵政省を円滑に運営できるという確信がありますのかどうか、それをまず第一に質問してみたいと思います。   〔主査退席、山口(丈)主査代理着席〕
  106. 迫水国務大臣(迫水久常)

    迫水国務大臣 将来物数が予想外にさらに激増いたすような事態が起きますればこれは別ですけれども、現状のところでは、現在の定員で円滑に運営ができるものと考えております。
  107. 安宅分科員(安宅常彦)

    安宅分科員 そういうふうにおっしゃいますが、全逓信労働組合との間にあなたがいろいろとお話をされたときには、正式の郵政職員としてではなく、臨時あるいは非常勤の職員または超過勤務手当を大幅に使ってやらなければ、運営ができないという話し合いに大体大まかになっておる、こういうふうに私は伺っておるのでありますが、そういうことを含めて正常な運営ができるという意味でありますかどうか、それを伺いたい。
  108. 迫水国務大臣(迫水久常)

    迫水国務大臣 最初予算要求のときには定員のほかに臨時の職員というものを相当予定をいたしまして、合わせてとこう考えておりましたのですけれども、その後大蔵省の了解もあり、行政管理庁の方の了解もあり、そしてまた雇用の関係がいろいろ変わって参りまして、雇用しやすいという立場からいいまして、今まで経費で、つまり臨時職員でまかなおうとしておったものを定員に繰り入れたものですから、定員は非常に充実して参りました。その反面経費の方は要求よりもずっと少なくはなったのでありますが、定員ばかりで郵便事業をまかなうということも実際の運用としてはむしろ工合が悪いんで、ことにある特別な期間は常時若干ずつの臨時職員を使っていた方がかえって都合がいいということもありますので、今のような体系がいいんじゃないかと思っておるわけであります。
  109. 安宅分科員(安宅常彦)

    安宅分科員 議論することになりますからそれはそれとしていいですが、たとえば、三月の末ごろになりますと、税務署の督促状がたくさん出てくる、お盆になれば中元のセールや何かでいろいろな宣伝用の郵便物が出てくる、年末になれば商取引や何かで忙しくなる、新年になれば年賀状が出る、年がら年じゅうあなたの方はいろいろ——グラフに表わしてみた場合には若干の高低はありますが、おおむね戦前とは非常に違った傾向が出ていると思うのであります。そういうときで、ある期間においては臨時を使った方がいいと思うのは、年賀郵便ぐらいなことではないかというふうに私は理解しているのですが、それ以外にある程度臨時雇でもいいという考え方があるとすれば、あなたはどういう時期をさしているのか、ちょっと具体的にお聞きしたい。
  110. 佐方政府委員(佐方信博)

    ○佐方政府委員 昨年から本年にかけましての定員関係のことについて補足的に御説明申し上げます。  御承知の通り郵政省の、ことに郵便の場合を例にとりますと、定員でない非常勤を相当たくさん使っておるということが一昨年来非常に問題になりまして、昨年約七千名の非常勤の人を定員として使うことにいたしまして大体問題は片づいたと思っておりましたが、前年度におきましてなお新しい都市の物数増加というものが相当見込まれて参りましたので、そこで定員不足という問題が起こったわけであります。これは御承知の通り、料金値上げをいたしましたときに、相当の利用減があるという計算で人間をはじいたわけであります。ところが、実際は利用減がほとんどないという形でありましたので、三十六年度におきましては四千五百人ほどの非常勤を新しく物増に見合わして使って参ったわけであります。ところが組合の方では四千五百人ではだめだ、どうしても四万人ほしいのだという話を去年の暮れ持ってきたわけでございます。そこで、私の方は、仕事をするためにほんとうに必要な人間が何人であって、あるいはまた病気をして休んだために補充する人間が一体何人なのか、それとも超過勤務を一切やめてやるのかどうかというような話を組合といたしました。そういたしましたら組合の方は、省がそういうふうな分析をしたようなやり方は組合はしていないのだ、とにかく現場の声を聞いてそれをだんだん集計してみますとやはり四万人足りないのだというので、私たちの考えておるのと組合の考えておるのとが同じ線になかなかならなかったわけであります。そこで、本年度におきましては、その四千五百名の人間は当然三十七年度においては定員にするということにいたしまして、なお三十七年度において物数増加が見込まれるわけでありますから、それの増加を見ていくということにいたしました。そういたしましてあと残りは、先生がおっしゃいましたように非常勤として何が残っていくかという問題になるわけでありますが、予算上考えましても、大きなものとしましては年末首、それからお中元の前後のものは相当やはり非常勤を使いませんと、非常にピークでございますから、これは残っていくだろう、それから病気等で休暇をとるといったときには、これは定員で置くわけにはいきませんので、(安宅分科員「どうして置けないのだ」と呼ぶ)ぽかっと休んだときに、定員でとっておくというわけにはいかないんじゃないかというので、これは性格上まだ非常勤ではなかろうかと思っております。そのほかに今まで年次休暇を相当とっておりますけれども、これはある程度計画的にとれますものですから、三十七年度におきましては、年次休暇の要員は定員にしていこう、こういうことにいたしました。あとは超勤の問題でございますが、超勤は、年末首や中元のときを除きますと、月五時間程度の平均でありまして、これは他の公社、現業と比べましてもむしろ少ないくらいの数字になっておりますので、ある程度事業の波と合わして残していかなければならないんじゃないかと考えたわけであります。従いまして、三十七年度の予算におきましては、これまでの考え以外に休暇要員を定員に組み入れること、それを予算上はっきりさせまして、年末首だとか中元以外のものはできるならば定員で見ていこうというような点で今までの体系とずいぶん変わった予算にしたつもりであります。
  111. 安宅分科員(安宅常彦)

    安宅分科員 そういう具体的な問題については、この委員会ではなくて私はやりたいと思いますから、聞いてだけおきたいと思います。  あなたの方では、現在の郵政事業の国民に対するサービスというものは、これで満足かどうかというふうなことについて、どういうふうに考えているか、ちょっと質問したいのです。どういうことかと言いますと、たとえば、戦争前において相当臨時軍事費に郵政事業というものから金を出しておきながら、大都市、中都市を含めて配達回数や何かは非常に多かったのでありますが、今日かえって回数が減っておるところが多いのであります。そういうことや、それから交通事情や世の中の文化程度がずっと進んでおるのに、旧態依然として昔のまま配達をしないですっぽかしておる地域などがたくさんあるのであります。こういうことは漸次解消していく傾向にあるのか、戦前のサービスに復活するつもりなのか、また臨時軍事費あたりに相当金をつぎ込んでおってもそういうりっぱなサービスができておったのに、今日戦前並みのサービスができないというのはどういう理由によるのか、これは大臣から一つ答えを願いたいと思います。
  112. 迫水国務大臣(迫水久常)

    迫水国務大臣 配達をしない八十五条適用地域というものは逐次解消する方向に努力をいたしております。それから配達回数で、従来三回やったところが今は二回になっているじゃないか、確かにそういう点もありますけれども、これは郵便物が戦前に比べまして非常にふえたということが主たる原因だと思います。
  113. 安宅分科員(安宅常彦)

    安宅分科員 だから、郵便物が異常にふえたら異常にふえたような施策をやるのが郵政大臣任務じゃないか。郵便物がふえたから配達回数を減らして、そうして定員がこれで足りました、全逓が言うのは根拠がわからないという態度であなた方が臨んでいるとすれば、国民大衆や実際の仕事に携わっておる郵政の職員、全逓の組合員に対して、あなた方は非常にふぬけたことを言っていることになりはせぬか。どうなんですか、そこは。
  114. 迫水国務大臣(迫水久常)

    迫水国務大臣 こういうことを言うと私はしかられるかもしれませんが、戦前の従業者の方が、今日の人よりも、総体的に観察してみますと、よく働いたということが言えるのじゃないかと思います。
  115. 安宅分科員(安宅常彦)

    安宅分科員 重大な答弁をするものですね。そういう頭でやっているのですか。おそれ入りました。戦前の人が働いて今の人は働かないということなんですね。これはどういうことかといいますと、大臣は終戦の詔書を書いたのだからよく御存じのことでしょう。今日世の中は変わったのですよ。私も郵便局におったが、昔の人は朝の九時に出ていって次の朝の八時までだ。それで月給は三十日もらうのだから、お前は十五日しか働かないのだからぜいたくだと怒られて、休暇もなければ深夜作業手当もなく、次の日の宿明けだと与えられたのを休暇だと思って働いておった。労働基準法も何にもない。こういうような労働条件だったから、その意味では働いたかもしれぬですよ。そういうことは今できないことになっておる。こういう状況を考えないで、今の人が働かないから郵便物をそう配達するわけにはいかぬということは、中小企業のおやじだって言わない。一国の郵政大臣たる者は、今の答弁を取り消してもらわぬと困る。
  116. 迫水国務大臣(迫水久常)

    迫水国務大臣 私は、労働基準法等がございまして、戦争中のようなそういう搾取的な労働をさせようというのではありません。成規の労働をすることによって現在の郵政をまかなうためには、率直にいって非常に膨大な人が要ると思います。今日の労働事情からいって、そういう膨大な人を郵政省だけで——現在においても、もうすでに郵政省の職員の募集については若干の困難を感じているようなときに、そんな大ぜいの人を一体使えるか。結局現在では昔二回に配達したところが一回に——まあ一回になっているところはないと思いますが、三回のところは二回に、四回のところは三回になる、こういうところがあるわけです。ですから、私が働いたと言ったのはそういう意味でありまして、あなたはすぐ、それをひっくり返して、現在の人は働かないと言われるから角が立つのですが、今お話しの通り先生も戦争前はよく働いたと自分でおっしゃるのですから、そういう意味で今日の労働条件というものはまことに合理的になっています。昔の労働はやや搾取的であったから、少ない人間でサービスができた。労働条件を現在のままにして、その当時と同じような比率にすれば、あるいはずっと人間を今雇わなければいかぬかもしれません。しかし、それは日本の人口問題とも関係して、そうむやみに郵政省ばかりに人は使えないわけです。そういうことから考えて、若干サービスが下がったところはやむを得ないと思います。
  117. 安宅分科員(安宅常彦)

    安宅分科員 ひどい答弁をするものですね。人なんか失業者は一ぱいいるのです。郵政省に人が集まらないのは安いから集まらないのかもしれませんが、あなたは人口問題を考えて、郵政省だけに人を集めるのは日本経済上まずいという答弁でごまかそうと思っても、私は子供じゃない。中学三年生でもない。これでも国会議員の端くれなんですから、よくもぬけぬけとそんなことを言うものだと思う。ひどいことを言う。逆を返して働かないというふうにとるから角が立つと言ったけれども、今の人より昔の人はよく働いたとあっさり言ったじゃないですか。今の全逓の労働者は働かない、こういうふうに言うのは、はなはだけしからぬ言葉だから、これは取り消してもらわなければならない。  もう一つは、反面あなたが今言われておるように、労働条件は合理的になってきて、それでやっておる。それからまた別に郵便物が極度にふえておる。だからサービスが落ちてもやむを得ないんだ、こういう考え方をもし郵政大臣みずからが持っておるとすれば、勇将のもとに弱卒なしという言葉がありますが、弱将のもとには勇卒なしで、大蔵省に行って一般会計からもらってくるときに、こてんぱんにやられて、ぐっと下がったサービスをしてもやむを得ないということを全逓から責められれば、お前の方は働かないんだと言っておる。要員なんか、全逓が四万人要るというなら、四万五千人くらい大蔵省に要求するくらいな勇気がどうして出ないのですか。
  118. 迫水国務大臣(迫水久常)

    迫水国務大臣 安宅先生にお願いいたしますが、私は現在の労働者が働かないと言ったことは一ぺんもありません。戦前の人の方が労働量が多いという意味で働いたと言ったのであります。従ってその点は誤解のないように——これは労働組合に対しても、私が今の人たちが働かない、こう言ったということなら重大問題です。私はそうは言っていないので、戦前の方が労働量が、これは制度が悪かったせいですが、非常に多かった、こういうことを言っただけの話でありますから、御了解を願いたいと思います。  定員の問題は人口問題の陰に隠れてごまかすなと言われますけれども、実際問題として今の定員を補充するだけでも、われわれはなかなか困難を感じておるのです。いわゆる完全雇用の場合には、それは金をたくさん出せばと言われますけれども、そうすれば郵便料も上げなければならぬでしょう。賃金をもしよけい出してやっていけば、独立採算はとれなくなる。そのときは、先生たちは、一般会計から補充すればいいじゃないかと言われますけれども、現在の郵政省の独立採算制という立場からいけば、そうはいかない。一般とちゃんとバランスがとれた正しい給料——われわれの方だけ人をよけい雇わなければならないから給料をよけい出す、こういうことにはならない。これは国全体の経済のバランスだと私は思っております。
  119. 安宅分科員(安宅常彦)

    安宅分科員 ということは、池田内閣の経済政策がインチキであったから、そういうことになったということをみずから白状したものであると思いますから、大臣とは論議しません。  今度はどなたでもいいですから、具体的に聞きます。郵政省の職員が研修か何かで出てくる。そうするとそのあと補充に人を使うことになっておる。それでなければ郵便局は動かないでしょう。いなかの郵便局に行ってごらんなさい。一カ月の研修にだれかが行く。そうするとあと補充は半月分しかあなたの方は令達してよこしません。しかもその給料は二百円か二百二十円だ。大臣、人が集まらない集まらないと言うが、そんな二百二十円くらいで半月くらい働いて下さいといっても、だれが集まるか。一カ月の研修やったらなぜ一カ月の予算を令達しないか。それで郵便局をやっていけという。ますます郵政省に集まる人がいないじゃないか。昔は月給取りというのは天皇陛下の公僕だとかなんとかいってよかったけれども、それでも郵政省の役人にだけはなるなという言葉があったのですよ。あなた方はまだそういうことをしておるのじゃないですか。どうなんですか。
  120. 長田説明員(長田裕二)

    ○長田説明員 研修所で訓練いたします場合のあと補充の問題でございますが、昨年七月からあと補充の率をかなり上げまして、結局非常勤職員を雇うことにして、あと補充することにしております。この補充率を従来より相当高めて参ったわけでありますが、一〇〇%あと補充をするということは、補充という面からは非常に望ましいといえば望ましい姿でございますが、差し繰ってある程度やれる範囲も絶無ではございませんので、現在のところ正確なパーセンテージはちょっと忘れましたが、昨年の七月に上げてやっておりますが、一〇〇%まではまだ届いておりません。なお非常勤の単価につきましては、これも一昨年来たびたび賃上げを行なってきている現状でございます。
  121. 安宅分科員(安宅常彦)

    安宅分科員 そんなわけのわからない答弁じゃだめだよ。人事部長は今度職員部長に昇格したんじゃないの。あなたは一〇〇%あと補充できないと今あっさり認めましたね。昨年以来非常勤の賃上げをしておる。賃上げした結果、具体的に言うと、去年私は山形県の余目郵便局に行ったら、それを言われた。一カ月の研修に対して半月分の人をよこした。その単価が二百二十円だ。あの辺は庄内百万石といわれている農村地帯です。そこへ行って田植えの手伝いをすれば、飯食った上で五百円だ。だれが郵便局に来るものか。あなたにそれを聞いておる。
  122. 長田説明員(長田裕二)

    ○長田説明員 先ほど私のお答え申し上げました点が、一般的な申し上げ方をいたしましたので、おしかりをいただいたわけでございますが、郵便関係と電気通信関係については、ほとんど一〇〇%の補充を昨年夏以来とっておるわけであります。なお単価につきましては、現在のところ非常勤の単価は全国最低、内勤で二百六十五円、外勤で二百九十円余りということになっております。
  123. 安宅分科員(安宅常彦)

    安宅分科員 内勤百六十五円、二十日分稼働で何ぼになります。あの辺のニコヨンといわれている失業労働者よりもっと低いことをあなたは認めますか。
  124. 長田説明員(長田裕二)

    ○長田説明員 ただいま申し上げましたのはきまりの中の最低でございまして、局情によりましてこれより上のことが当然多いわけでございます。
  125. 安宅分科員(安宅常彦)

    安宅分科員 その賃金は何によってきまっているんでしょうか。県内の一つの標準賃金ですか、PWをもととして賃金をやっておるのか、郵政省独自でやっておるのか、どうなんです。
  126. 長田説明員(長田裕二)

    ○長田説明員 各地の実情によりまして、あれは労働省の方の何かの資料によったはずでございますが、各地のそういう実情に応じまして、郵政省本省から郵政局に積算したものを流して、郵政局がまた局情に応じてそういうものを参考にしながら流しております。
  127. 安宅分科員(安宅常彦)

    安宅分科員 百六十五円で人間が飯を食って、郵政事業の中に働いて、何カロリーその人が摂取できるか、私はわからぬ。
  128. 長田説明員(長田裕二)

    ○長田説明員 百六十五円じゃありません。二百六十五円です。
  129. 安宅分科員(安宅常彦)

    安宅分科員 百六十五円だって二百六十五円だって大した違いはない。二百六十五円でどういうふうにやるか。郵便局に出勤して黙っておるのだったら、二百六十五円でも飯を食うて生きていけるかもしれぬけれども、あの郵袋なんかのごみっぽいものを持たせられて配達もしなければならぬ。こういう人が二百六十円くらいでやれると思って、実情を考慮しておるのか。もしそれがやれるというのだったら、やっぱり郵政官僚というのは役所のマークの通り低能児だといわれることになる。大丈夫やれると思って、あなた方はそういう人間の配置をしているんですか。
  130. 長田説明員(長田裕二)

    ○長田説明員 非常に十分な給与だと言うことはできないかと思いますが、総体の経費あるいはその他現場の管理者、雇われる人の協力等によりまして、とにかくこれによって事業を運営していっている状態であります。   〔山口(丈)主査代理退席、主査着席〕
  131. 安宅分科員(安宅常彦)

    安宅分科員 去年から物価が上がって、納豆が十円のものが十五円になった。五割上がった。政府は五%しか物価は上がっていないと言うけれども、貧乏人の方は食うもの、着るもの、飲むもの、どうしても必要なものは最高五割、三割、二割上がっておるんです。そういうときになおかつ今後も現在の方針でやるというふうに考えて、予算書を出してきたと思うのでありますが、そのおつもりで変える必要はないとあなたの方では考えておるのか。よけいな文句は要らぬ。簡単に答えて下さい。
  132. 佐方政府委員(佐方信博)

    ○佐方政府委員 今人事部長の話は最低の話をいたしましたけれども、昨年の予算におきましては、賃金単価として大体三百五十円から三百七十円くらいになっております。従って、都会地の非常に給与が高いところで非常勤は五百円程度、安いところで今の二百六十円という平均になっておるわけであります。来年度予算におきましては、郵便の外勤等の単価は今までより上げまして、四百五十円程度にしております。これを地域にどう流すかということは、これからきめることでございますけれども、今年度よりも賃金単価は上げていく予算を出しております。
  133. 安宅分科員(安宅常彦)

    安宅分科員 どういう配分をするかわからぬが、単価として四百円くらい取っているというが、いなかだからというのでなめて、二百五十円ときめたら、私は承知しないから、そこだけはっきりしておいて下さいよ。  それでこれはやめますが、次に問題を変えまして、先ほど八十五条の適用地域のことをちょっと申し上げましたが、このことについて質問したいのであります。郵便規則の八十五条には「特に交通困難であるため周年」——周年とは一年のことですよ。「周年又は一定期間内通常の方法により郵便物を配達することができない地域にあてた郵便物は、当該地域にあてた郵便物の交付事務を取り扱う郵便局に二月間留め置き、受取人の出局をまって交付する。」まことにもっていばりくさった文章であります。この文明の発達した世の中に、一年間配達できない地域あるいは一定期間配達できない地域でも、二カ月間郵便局に留め置くぞ、それで来なければ、配達せぬでよろしい。こんなばかな話は世の中にないと思うのであります。それで三項には、もよりの場所を指定した人間は、もよりの場所を指定後、自己にあてた配便物を第一項の郵便局の長に請求することができる。請求しないものは一年間郵便物の配達はならぬという文章です。そういうことをしておくような現在の日本の経済なり文化なりというものは、明治の初めじゃあるまいし、こんなもんだとあなたの方は思っているんですか。
  134. 曽山説明員(曽山克已)

    ○曽山説明員 ただいまの郵便規則八十五条でございますが、この根拠法規になっております郵便法五十六条というのがございまして、これで省令の定めるところによりまして、郵便物の差し出し、配達、運送その他必要なことをすることになっております。それを受けましてこの八十五条というのが規則できめられておるわけでありますが、今御指摘のありましたように、この条文が不適当であるかどうかということは、私ども必ずしもそう考えておりませんので、先ほど大臣からもお話がありましたように、郵政事業は、国民から徴収いたしますところの郵便料金、その料金ができるだけ低廉で、あまねくサービスを供給するというところに眼目があるのでございます。なるべくサービスを供給するという点につきましては、先生御指摘のように、こういうところにお住まいの方は供与を受けないということになりますが、翻ってこういうところに配達物を持ちまして毎日々々配達するということになりますと、全般的に郵便料金も高額になる。その辺のことを勘案して、ここに書いてございますように、若干配達を受ける方々に協力していただく、非常にへんぴなところにお住まいの方は郵便局まで取りにきていただく、あるいは一定の場所を指定して——お互い合意でこういう場合には指定しておりますが、そこまで取りにきていただくということによりまして、全般的に私どもの携わっております郵便事業のいわゆる企業性と公共性の調和をはかっておる。そういうところにこの八十五条の趣旨がございますので、御了承願いたいと思います。
  135. 安宅分科員(安宅常彦)

    安宅分科員 独立採算制、独立採算性とすぐそれを武器にするけれども、大体郵便法というものは、戦前から国民が平等に利益を享受できるものとして、平等に税の負担をして、平等にその恩恵をこうむるのが、郵便事業の本質ですよ。だから、もうかるからとか、もうからないからやらないとか、そういうものはほんとうに二の二の次たという考え方であなた方が事業をやってもらわないと、とんでもないことになるのです。それだったら、民間の会社にでも払い下げてしまった方がいいのじゃないですか。そういう独立採算制、独立採算制ということをあんまり言うと、またそこで私に食いつかれますよ。  それで、私は具体的に今度は言いますが、これは電信電話公社の諸君も、郵政省がいじめられているなと思ってにこにこしないでいただきたいのです。電報であります。この電報が、特別配達の指定も受けない、そうしてそういう不便な、郵便規則の八十五条適用地、電報局も知らないところに電報が行くというときは、もう郵便と同じ取り扱いになる。そうしたら、電報は一年間かかっても届かないことになるのですよ。郵政省、そういうことはどうです。
  136. 曽山説明員(曽山克已)

    ○曽山説明員 先ほど八十五条の性格を、先生も御存じでございますけれども、若干申し上げたわけでございますが、なお、それの対処策といたしまして、私ども、こういった地域がやはり全国に数千あるわけでございます。もっとも、その数千全部にそういう御要望もないわけでございますけれども、その中で約四百所くらいにつきましては、どうしても私ども早く、先ほどお話にございました配達の便宜の供与をいたしたいと思いまして、逐次そういう方向に進みつつあるわけでございます。具体的に申しますと、三十七年度御審議を願っております予算におきましても、大体日に通数にいたしまして二十通くらいのところにつきましても、配達をするような予算を一応御要求してあるわけでございます。  なお、電報の問題でございますが、御承知のように、速達は郵便局の所在地から四キロ以上こえては配達いたしませんで、普通の郵便になるわけでございますが、電報につきましては、別紙配達地域というのがございまして、一応あまねくおおわれているわけでございます。従って、非常に遠いところにつきましても、たとえばはしけを利用するとか、あるいは非常に山岳を踏み分けていくような場合は、実費さえ徴収すればこれを配達するということになっておりますので、その点につきましては御懸念がないと思います。
  137. 安宅分科員(安宅常彦)

    安宅分科員 こういうこともあるのです。具体的に申し上げましょうか。郵便だったら三日で届く、電報でやったら、特別配達の指定を受けなくても、郵便と一緒になっていったらあしたは届くだろう、こういうことで指定に「マツ」をつけないでやった。ところが、八十五条適用地だかどうだか、電報局も知らぬ。そのままやったら、電報がそのまま宙ぶらりんになるということだってあるじゃありませんか。そういうことを私は言っているのですよ。そういうことについて不便を感じたことはないでしょうか。電電公社の方、どなたかおりませんか。
  138. 横田説明員(横田信夫)

    ○横田説明員 ただいまの点につきましては、そう多くある問題じゃないものでございますから、今件数を覚えておりませんが、なお調べてみることにいたします。
  139. 安宅分科員(安宅常彦)

    安宅分科員 つまり、理屈としてはあり得るということですね。−そうすると、日本の通信事業というものが、郵政、電通おしなべて、こういうところを放置しておいて、そうして今度は、第三次五カ年計画がどうの、一兆七千五百億だなんという、はでなことをやっておりますが、こういうようなことについてもう少し一こういう辺地に暮らしておる人は、非常に経済条件も恵まれないし、生活条件も非常に低い人であります。こういうところにこういう文化的な事業があまねく恩恵がいくような、そういうことについて、もう少し血も涙もあるような施策をとってもらわなければ困ると思うのです。現実に私はそういうことをある利用者から言われたから、言っておるのです。こういうことをそのまま続けておるということは、はなはだもって不届きだと思うのでありまして、少なくとも考えてもらわなければならない。ところが、ここであなたは、逐次ことしは、日に通数二十通くらいの郵便物のあるところは解消したいと言っているのでありますが、今は郵便部数が大へんふえておるのでありますから、ほとんどのところはそういう傾向になっておるのです。ところが、こういう基準に合ったとしても、開拓地等、非常に距離が遠いから、あるいはまた、もう一つの重要なことは、その郵便局長が困るのは、定員を一人もらわなければこれは配達できないのだと言っているのです。定員さえもらえれば、私の方では配達しますと言っているのですよ。そうして郵便地図なんか見れば山の中になっておる。いつ郵便地図というのは作るのか、私は事業を離れてからちょっと忘れてしまいましたが、そういうものでも、新しい団地ができたり、あるいは開拓地ができたり、開拓道路のりっぱなものができておるのに、もとのまま、旧態依然として山間僻地でそま人一人がおるような、そういう感覚で、そうしてそういう開拓地は高原酪農とか何かをやっておる。ところがそういうふうに進んでおっても、郵便物がこない。どうしてこないのかと言ったら、定員がもらえませんからだめですと言っているのですよ。どうなんです。
  140. 曽山説明員(曽山克已)

    ○曽山説明員 ただいまの御質問につきましては、私ども先ほど申しましたように、逐次八十五条適用地の解消をはかっておることはお認め願えると思いますが、なお、その方法といたしまして、今先生の例にあげられました、そま人一人住んでおるところまでということになりますると、大へんなことになりますので、そういう場合には、そういう方にも御協力いただきまして、ちょうど郵便局とその地域の中間くらいのところに受け箱でも作ってもらうということで、御協力願っておるわけでございます。また、そういう場合には、定員というわけにはなかなか参りませんので、これは先生御承知だと思いますが、大ていこういった八十五条適用地なんかの所在いたしますところは、請負集配というのがあります。つまり、請負集配人が駐在いたしまして、局に出てこないで、請負人と直配達人とがある一定のところで郵便物を交換をいたしまして、そこから配達するということでございます。そういったことで、請負集配地区の拡充につきましも、この三十七年度の予算にも取ってございます。従って、将来といたしましては、決してそういうところを公共性を無視してそのままで済ませておこうというわけではございませんで、やはり郵便事業の使命にかんがみまして、逐次そういうところにも恩恵を施していこうという工合に考えております。先ほどの繰り返しになりますが、申し上げましたように、諸外国におきましてはやはりこういったところが非常に多うございます。そういう場合には、公道にまで受け箱を出してもらう、いわば受け箱配達と申しておりますが、そういった制度も非常に普遍的でございますので、わが国の場合にもそういう工合にやっていただこうと思っておるわけであります。
  141. 安宅分科員(安宅常彦)

    安宅分科員 あなたはアメリカの方式や何かということをすぐに言うだろうと思って、それは答弁の中にあるだろうと思って、私は待ちかまえておった。ところが、私が言うのは、そま人一人という私の言葉をあなたはあげ足をとって、そこだけを一生懸命に言っておるけれども、開拓地がなかった、今度できた、非常に産業的にもそこはぐんぐん伸びておる、こういうところさえも、距離が遠いのと、もう一つ、あなたの方で定員をふやさないので、そこでだめだという理由で、郵便局長がなかなかうんと言わないところがたくさんあるんですよということを言っておるのです。だから、ことし、日に二十通以上のところは何とかしたいといっても、二十通あっても、定員が足りないから、やれという命令があればやるけれども、結局やろうとすれば今度は人が足りなくなるので、非常勤を雇うとか、それから請負配達の人をやるとか——駐在の人なんかかわいそうじゃありませんか。あなた、普通の郵便局の配達さんと同じ仕事をしておって、月給は上がらないし、全逓が要求してやっと服ぐらいもらえるようになったけれども、私は一体どうなるんでしょうと涙ながらにおるのですよ。そういうことではいけないから、そういうところも正規の定員を大蔵省に要求するような、そういう度胸を郵政官僚は持ちなさいということを私は言っておるのであります。このような速度で八十五条適用地を解消するということは、おそいじゃありませんか。もっとやりたいという気がありますかどうか、そこだけを聞いておきましょう。
  142. 曽山説明員(曽山克已)

    ○曽山説明員 その点につきましては、私ども、毎年の予算要求の際に、常に大蔵省に対しましても、今申しました請負配達地区の拡充ということにつきましての予算を精力的にやっておるつもりでございます。なお、今後におきましても、そういう工合にいたして参りたいと思います。
  143. 安宅分科員(安宅常彦)

    安宅分科員 もう一つ、仙台の郵政局の係の人に伺ってみたら、あなたの指導方針が、その受け箱ということだけが頭にあるのだからでしょうな、だから八十五条適用地というのは、減少するどころか、だんだんふえていくような趨勢にあるのでございますが、申しわけありませんが、そういう陳情というものはなかなか受け付けられない、こういうことを言っておるのですよ。あなたは減らしたいと言っても、実際の係の方は、八十五条適用地というのはふえるのである、こういうように言っているのです。しょっちゅう大蔵省に負けてばかりいて、もう今度も負けた、前にも負けてばかりいたりすると困る。下の方ではふえていくのじゃないかと心配しているのに、あなたは逐次減らすと言っておる。実際に減りますか。
  144. 曽山説明員(曽山克已)

    ○曽山説明員 毎年そういった八十五条適用地の調査をいたしておりますが、なおやはり人家が少しずつでも辺地にできて参るということになりますると、八十五条適用地はふえるということになるわけでございます。ただその中でも、先ほども申しましたように、決して上げ足ではございませんで、そま人一人といったところでは、これはなかなか手に負えませんので、そういう場合には御協力を願って、郵便局とその住んでおられる住家との間の適当な地域に受け箱を設けて処理していただく、あるいはどこかに受け箱を出していただく、そこまでは郵便線路を延ばして配達するということを、どうしてもせざるを得ないのであります。
  145. 安宅分科員(安宅常彦)

    安宅分科員 ふえるかふえないか言ってくれよ。
  146. 曽山説明員(曽山克已)

    ○曽山説明員 ちょっと私の言葉が足りませんでしたが、現在の地域の中にそういった人家の偏在がふえていくということもございますが、適用地自体はそうふえていくということにはならぬわけでございます。
  147. 安宅分科員(安宅常彦)

    安宅分科員 減らそうとしているとあなたはさっき言ったでしょう。そうふえていかぬというのはおかしいのじゃないのですか。どっちなんです。
  148. 曽山説明員(曽山克已)

    ○曽山説明員 仙台の郵政局ではあるいはそう申したかもしれませんが、私どもの調査によりますと、やはり八十五条適用地の中でも、逐次この人家の偏在がふえていくようなことがございますが、そういうところにつきましても線路を延ばしまして手当をいたす方針をとっておりますので、先生の御指摘のようにふえていくということはないと私は存じております。
  149. 安宅分科員(安宅常彦)

    安宅分科員 それでは今度は電電公社の副総裁にお伺いしたいのですが、きのう松井さんから警察の電話料のことで質問があったようです。あれは私ども非常に苦々しく思っておったのでありますが、そればかりでなくて、四半期ごとに予算が配賦になるでしょう。そのために予算が来ないときはずっとまた納期がおくれているのもあるんですよ。あなたの方で今までかんべんしてやった以外に、そういうのはどういうふうに処理するんですか。予算書に大体書いてあるんですが、あれはあんなやり方でいいんですか。
  150. 大泉説明員(大泉周蔵)

    ○大泉説明員 官庁の予算関係の料金のおくれ等につきましては、関係の電話局におきまして十分打ち合わせをいたしまして、そういうことのないように努力いたしまして、一時そういうこともあったようでございますが、最近にはそのような事例はほとんどなくなっておるように承知いたしております。
  151. 安宅分科員(安宅常彦)

    安宅分科員 警察だけではなくて、諸官庁も困っておるんですね。食糧事務所なんというところも非常に困っておるようです。予算が来ないというので、電話をかけられない、すぐとめられてしまうから。そういうところがあるんです。警察の方だけは何ぼおくれても、あなたの方では黙っている。あれはどうなんですか。普通私なんかが滞納したら、何日目になったら通話停止することになっておるか、言って下さい。
  152. 大泉説明員(大泉周蔵)

    ○大泉説明員 実は通話停止は何日で必ずやるということではないので、一応の基準はございますが、しかし、今官庁の方と、納める意思は十分にあるが予算上いろいろな都合があるというところにつきましては、十分お話し合いをしまして、今後絶対にこのような滞納にならないようにということをよくお話し合いをして、事実に即した処置をいたしておるのでございまして、この点につきましては決して不平等というような扱いをしておるのではございませんで、実情に即した扱い方をしております。
  153. 安宅分科員(安宅常彦)

    安宅分科員 私だって納める意思は十分にあるんですよ。金がないから納められない。そうすると、あなたはばちんと穴ぼこにふたをしてしまう。警察だって同じじゃないか。どうなんだい。納める意思はこっちだってあるんだぜ。こういうのが不平等じゃないんですか。
  154. 大泉説明員(大泉周蔵)

    ○大泉説明員 申し上げましたのは、どのお話かよくわからないのでございますけれども、要するに警察だけほったらかしているというのではなくて、また警察がいつもおくれておるわけでもございませんので、これは官庁の予算でいろいろの納める時期についてずれが生ずるものにつきましては、個別によくお話し合いをしまして、たとえば地方の出先等で予算の送付がおくれるもの等につきましては、その本元の方に御連絡を願って、そういうようなことのないように手配をして、しかもそれが出ればなくなっている、こう申し上げましたので、警察につきましてはおくれておる事例は今のところないと承知しております。
  155. 安宅分科員(安宅常彦)

    安宅分科員 ないなんて。ありますよ。うそばかり言って……。電電公社から出たんだぜ。そんなうそばかり言うなよ。そんなこと言うなら——今百歩譲ってないと言ってもいいんですが、実際にはあるんですがね。今まで分割納入していて、あなたの方で、二十八年度以降使用料金が上がったから警察が払えないというので、その点話があってずっと延ばしてやっている。私が金繰りが悪くて払えなくなったから、そのときもそういうことをしてくれるのですか。それはどうなんです。
  156. 大泉説明員(大泉周蔵)

    ○大泉説明員 昨日お話のありましたのは、実は特殊の事例でございまして、昨日大臣からも御答弁がございましたように、われわれといたしましては、これは電話料金改定時期の特殊の事例でございましたので、特殊の取り扱い方法を考えたわけでございますが、これは非常な例外の問題でございまして、一般論として申し上げるわけにはいかないと思います。
  157. 安宅分科員(安宅常彦)

    安宅分科員 あなたの方の法律には利子付で取ることになっておる。利子をつけて、利子を取っておるのですか、警察の現に延滞しておるものの利子は。
  158. 井田説明員(井田勝造)

    ○井田説明員 利子は取っておりません。
  159. 安宅分科員(安宅常彦)

    安宅分科員 だめだ、そんなこと。具体的にあなたの方ではそういうところをやっておって、大衆に対しては少しでも滞納があると血も涙もなくぱっしりとめる。こういうことは改めてもらわなければならない。そうしておいて、警察だけは何年間もほっぽっておいて、利子も取ってない。法律違反じゃないですか。そういうことをやっておったら不届きだと思う。  さらに聞きますが、日本国とアメリカ合衆国との間の相互協力及び安全保障条約第六条に基づく施設、これに対する料金は警察の料金の何分の一くらいになっておるのですか。
  160. 大泉説明員(大泉周蔵)

    ○大泉説明員 第六条とおっしゃいますと、私どもちょっと条文を承知しておりませんが……。
  161. 安宅分科員(安宅常彦)

    安宅分科員 連合軍の専用回線だよ。
  162. 大泉説明員(大泉周蔵)

    ○大泉説明員 連合軍の専用回線は、日本一般の官庁と同じ料金になっております。
  163. 安宅分科員(安宅常彦)

    安宅分科員 その使用回線の延長にして、大体日本の電信電話の施設の何%を今駐留軍は使用しているのでしょう。
  164. 大泉説明員(大泉周蔵)

    ○大泉説明員 詳しい資料は手元にちょっとすぐ見つかりませんが、実は、市外回線ではわずかに数百回線でございまして、何%というような大きなものじゃございません。
  165. 安宅分科員(安宅常彦)

    安宅分科員 そうしますと、アメリカ軍は日本一般官庁と同じ。警察はずっと安い。安い日本の国の警察が延滞をしておる。そうして一般のやつはもっと高い。こういうようなことは私そのままにしておけない一つの大きな理由になるのですから、延滞金も取らないで、適当に今まで談合して、そうして延納を認めておくというようなことは、直ちにやめてもらわなければならないと思うんです。そういうことをやっておきながら、たとえば農村公衆電話というようなことになりますと、これは八十五条みたいなところでありますが、そういうところに、あなたの方では、第三次五カ年計画で農村公衆電話をさらに拡張するような方針をとっておられるようでありますが、普通加入区域内と、特別加入区域内と、それから全然区域外、そういうところで非常に料金の差があるわけです。特別加入区域につけた農村公衆電話はほかのところより千円高い。そのために、二十戸なら二十戸のある部落に電話をつけてもらった、これはありがたいけれども、貧農な村だからその維持費に困って、あるところでは文教上の予算に電話の料金を入れて、教育予算の中から出してやっておるというふうな村まで出てきているのです。それほどそういう開拓地や何かにおる人の経済力は低いのであります。こういうところの人から普通加入区域内にある電話よりも千円高く取っておるというのは、これはどうももうける方からいえばそういう理屈は成り立つと思うのでありますが、公共性のあるこの電信電話事業の中でこのようなことは直ちに廃止した方がいいのではないかと私は思うのであります。その見解を副総裁から一つ……。
  166. 大泉説明員(大泉周蔵)

    ○大泉説明員 副総裁からというお話でございますが、実は昨日の御質問とも関連がございますので申し上げますが、実は加入区域外のそういうものをどういう料金にするかということと公衆電話とは関連しておるのでございます。私たちも、何も金がどうのこうのということよりも、全体が公平にということで今のような制度になっておるのでございまして、実を申しますと区域外の公衆電話と申しますのは、受託者が電話をかける方から毎回十五円を取って、それは全部手数料としてその人に差し上げることになっておるのでございます。でありますからその料金を取らずに分教場の予算にするなどということを申されるのは、どうも地元でむしろ何か別の措置を講じられておるんじゃないかと思います。この公衆電話の制度といたしましては、今申しました通り十五円の手数料、公衆電話料は全部お取りいただいて、そのかわりに一般の定額使用料と区域外の付加使用料は公社に支払っていただくという形になっておるのでございます。それで、これは実は一般の加入者でございますと、区域外は区域外の使用料というものが、百メートル五十円でございますから二キロもあれば千百円というものが当然加わるのであります。そのほかに公衆電話には設備のときの架設料が二十万円かかりますが、これは全然免除しておるわけでございます。
  167. 安宅分科員(安宅常彦)

    安宅分科員 そんなことはあたりまえの話さ、あんた。そのためにあなたの方では無電話部落を解消するという名目でやったんで、これは私はえらいと思っている。何も文句を言っておるのじゃないのです。免除するのはあたりまえじゃないですか。免除もしないのなら電話をとるのはだれもいない。ただ、二十戸なら二十戸のところに電話をもらった、たいへんありがたい、しかし電話をかける人というのが案外少ないところでは維持困難になっておる。従って、非常にこまかい話でありますが第三次五カ年計画の中を見ますと、二十戸以下くらいの部落全部にそういう農村公衆電話をつけようという計画はないようであります。そうしますと大へんおかしなことになってきませんか。普通の電話と農村公衆電話とちょっと離れたところにあって——あなたは公平の原理みたいなことを言いましたが、もっと小さな部落単位にまで農村公衆電話をおろすということになれば、料金の徴収の仕方によってごちゃごちゃになりますし、逆に変な工合になりませんか。
  168. 大泉説明員(大泉周蔵)

    ○大泉説明員 実際をごらん願いますと、普通の制度通りおやりになっていただくと決しておかしくはないのでございまして、このように小さいところでは一日四度、少し大きいところでも一日六度の通話がありますれば、もう受託者の方は必ず公社に出す金よりもよけいの金をお納めになるのでございます。その通話度数というものは、一般の普通の加入者についておる、つまりその人だけがお使いになる通話度数の平均から見ましても大体半分程度なのでございます。農村あたりはあるいは使用度数が割合少ないかもしれませんが、私たちは二十戸以上の部落のところにつけると申しておるのでございまして、実は有線放送の方の通話度数、地域団体加入の通話度数その他いろいろなものと比べてみましても、大体一日に五度、六度という通話も全然ないということはあまり想像できないのでございますが、ただ実は私たちときどき耳にいたしますのに、せっかく公衆電話をつけたけれども非常に使いにくい、悪くいえば、個人的というと非常に悪いのですが、何となく使いにくくて、従って使用度数が少ないという例も間々あるかに聞いておりますので、いろいろ御質問もございますので、私たちも詳しく実態を調査いたしまして、そしてせっかくの電話を皆さんに十分御利用願って、従って、それによって経済的負担についてもそれだけそのような重さを感じないようにしていただくように努めてみたい、こう考えておるわけであります。
  169. 安宅分科員(安宅常彦)

    安宅分科員 一回十五円の手数料を取ると言われるが、十五円のところに通話すればまた十五円取られる、三十円になるという意味ですか、そこのところはどうなんですか。
  170. 大泉説明員(大泉周蔵)

    ○大泉説明員 これは市内通話でございまして、市内通話は加入区域内ですと十円であります。区域外でございますと十五円でございます。これは全額でございます。市外通話料の場合は一般の市外通話料に十円よけい加わっておると思いますが、そのうちから手数料三円ずつを差し上げる、こういうことになっておるわけでございます。
  171. 安宅分科員(安宅常彦)

    安宅分科員 そういうことになりますと、今度は使う者の立場になって考えれば、公社に納める金だけが頭にきて、村の人々は、こんなに不便なのに普通の電話よりもよけい金をとられるのはおかしいじゃないかというので、ぽんとただかけていったり何かする場合もあるわけですね。そういうことで、村でも非常に困っておるところもあるのです。それからもう一つはあなたの言った使いつらいということ、これは何かというと、この電話たった一つに対していろいろな力が加わって、昔の大地主のうちの奥の間あたりについているものがある。だからだんな様どうぞ電話をお貸し願いたいと頭を三べんぐらい下げなければその農村公衆電話は使えないのですよ。そういううちにつけるときに何だかんだと言うやつが一ぱいいるのです。そういうことを何とかしなければならないと私は今痛切に感じておるのです。たとえば公衆電話をつけるなら、軒先のところに電話室をちゃんと設けてやらなければならないということをあなたの方では指導しているのですか。
  172. 大泉説明員(大泉周蔵)

    ○大泉説明員 そのような指導はしておると思うのでございますが、しかし、先生のおっしゃいましたような事例もあるやに仄聞いたしますので、私たちの方もできるだけ実態を詳しく調べまして、今おっしゃいましたような点があって、これによって負担の問題等もいろいろ議論になるようでございますと申しわけございませんので、できるだけ改善に力を注ぎたいと考えておる次第でございます。
  173. 安宅分科員(安宅常彦)

    安宅分科員 これはどういうことから原因がきているかと申しますと、私も国会議員ですが、国会議員の連中の中にもこっぱくさいのが相当いるのだ、それからもう一つは村長だとか町長なんというものは、自分の選挙に有利なふうにするために、新聞記事なんかごらんなさいよ。今度無電話部落に何とか市長の努力によって電話ができたなんという新聞記事がぱあっと出るのですね。そういうふうに常識的に規定づけられているのです。あなたのところには今度電話をつけてあげますよということになる。電電公社が電話をつけるときに回線の打ち合わせや何かに行かなければならないから、係の者が町長のところに行きますよ。そして土地収用法を適用してまで電柱立てては困るという者が出てくるから、円満に解決するために町役場なんかに了解を求めに行く。そうすると大体情報がわかる、どこに取り付けようとしているか。そうすればあそこの部落だったらあそこのうちがよかろうというので、町長が自分のボスのところにちゃんとつけてしまう。りっぱな店があっても、しょっちゅう出入りするうちですからその辺でいいと思っても、ちゃんと町なんかの密約があって、昔の門がまえのすばらしいうちにつけてしまう。電話をかけにいきたいと思ってもだんなに借金があるとしたらとってもいけない、こういうところまであるのです。そういうことになって、電電公社がその公衆電話を無電話部落解消のためにやっているのではなくて、町長がつけてくれるのだと思って、そうしてやっているところがあるのです。現に私が一回、この部落電話がないというので、そうか、じゃあ手続してあげましょうというのでやった。そうしたら町の総務課長という男が私の方の地元の局長のところにきて、あれは部落の人が安宅が来たから電話がかかったと言っているが、それではおれの立場が困るから、もう一つ農村公衆電話を町の世話によってつけて下さいというようなばかなことを言ってきた男があるのです。そういうように電話一つにあやしげな政治的要素が加わっているために、村の人々は電話をつけてもらっても何ら恩恵をこうむらない、こういうところがあるのですから、そういうことについてはあなたの方で一つ相当綿密な調査をやって適正な措置をとってもらいたい、こういうふうに思っておるのです。  先ほど脱線しまして……。料金のことで、何かあなたの説明では入った収入の中から手数料は市内通話三円ですか、市外通話十円ですか、十五円ですか、そういうふうになっておるのでそこのところは損がないはずだ、こういうふうに言っておられるのでありますが、今度はこういうことがあるのです。その町では電話をつけるその場合に、たった一つじゃなくてつないでいきたい、こういうような部落もたくさんあるから現実に五つぐらいぶら下がっているところがあります。若干の金がかかるから今度は本電話は無料だけれども、なるほどそれではいかぬからというので、村の方から補助金を半額くらい出して、そうしてひもをつけてやっているというところがある。そうすると、その収入などというものは部落の管理、村の管理になってしまっている。それはあなたの方はそう言っても、報償金をもらっている手前もあるから、結局何もならないんで、私らに対しては恩恵がない。あんな千円もほかの電話よりも維持費が高い電話は要らない、こういう評判が今非常に立っているのです。だからその千円くらいはあなたの方で、大電電公社なんだから、取らないでまけてやってもいいんじゃないかと私は言っているんですが、どうなんです。
  174. 大泉説明員(大泉周蔵)

    ○大泉説明員 今おっしゃいました点は、むしろせっかく取られましてさらにその上にというふうなことになるような気がいたしまして、私たち公平という観念からなかなかうなずきかねるのであります。今申されました公衆電話がついた、そこで共同的に一般の電話をつける。その場合一般使用料を支払って、度数料も公衆電話は十五円だから使う人がないというような御議論のようですが、その点につきまして、ただ千円をまけてしまえば同じことになりまするので、いわばその場だけの議論でございまして、村の方でその全部についていろいろ管理されているのならば、一般のほかのところで、公衆電話一つのところだけは問題なしにいっている、それをお考え願いまして、その点については特に先生にそれをおっしゃっていただかない方がむしろ公平の観念にかなうのじゃないかと思うのでございます。
  175. 安宅分科員(安宅常彦)

    安宅分科員 それじゃあなたはある程度の度数があれば、通話数があれば損はしないはずだ、こうおっしゃっているけれども、それ以下のところはたくさんあるということは私ども知っているんですね。あるんですよ。実際に千七百五十円なら千七百五十円、千四百円なら千四百円、その局の規模によって違いますが、千円だけよけいについているから、それを負担できないほどの小単位の部落があって、そこに農村公衆電話がついておるのが、だんだんあなたの方で個数を減らしていくに従って、そういう傾向が出てきているのです。それはあなたの方では絶対にないとおっしゃるんですか。
  176. 大泉説明員(大泉周蔵)

    ○大泉説明員 その点につきまして、たとえば十一級局といった非常に小さい局におきましても、一般の加入の場合、利用度数は七度も八度もあるのでございます。今度の農村公衆電話の場合の十一級局は三・六度というのは収支が合うわけであります。それより低いといいますと、一般加入の電話より利用度数が低いですから、これは先ほど先生もお話しになりましたように、どっかにしまい込んでしまうんじゃないかという心配もありますが、そういう点につきまして、そういう人たちまで料金を取るということはむしろ問題があるんじゃないかと思います。そのような少ないところにおきましては、先生のおっしゃるようにもっと近いところに出したらどうか、これはいろいろ指導いたしまして、そのようなことのないようにいたしていきたい。そうしませんと、使用度数があまり少ないことになりましては、個人加入と公衆電話の差はどこかという一般の問題が生じて参ります。よく調べてみまして善処させていただきたいと思います。
  177. 安宅分科員(安宅常彦)

    安宅分科員 そんなあっさり言うけれども、これは大がい山の部落についているんだから、そんなにあるものじゃないですよ。そういう部落もありますし、ない部落もある。こういうところではせっかく電話をつけてもらってありがたいけれども、とにかく千円も高いのじゃ困るというので、部落じゃ負担し切れない、こういうようになっておるところが現実にはあるのです。これは頭を下げて電話を借りにいかなければならないから、通話度数が少ないのか私にはわかりません。しかし、現実に二十戸以上なり三十戸以上の部落はつけるという基準があった。今度は全部落におろしてくるという、今度の計画では基準はどうするのですか。
  178. 大泉説明員(大泉周蔵)

    ○大泉説明員 そのような御意見もございますので、いろいろ考えておるのでありますが、ただいま考えておりますのは、たとえば今までは公共施設を中心に半径一キロの範囲内に一つという基準で、その中に部落が三つあっても四つあっても一つということになっておるわけであります。第三次ということになりますと、おのおのの部落も二十戸以上の部落があるだろう、そういうところにはやはりつけた方がほんとうはいいんじゃないかということで、先生のおっしゃった点も考慮に入れてよく実態を調査するつもりでありますが、今のところはそのような構想を頭に描いておるわけであります。
  179. 安宅分科員(安宅常彦)

    安宅分科員 えらいこまかいことになってしまいましたが、現実にやってごらんなさい。じゃ、私はあとであなたの方にこういうところはこういう部落もあると、具体的に持っていきますよ。平均値を見てそんなことはないはずだと思っておるかしらぬけれども、現実にそういう部落では困っておるところがあるのです。新しく農村公衆電話を計画して電話局の人が行ったところが、かけるのはただだけれども、それはけっこうな話だが、維持費が千何百円もとられるのじゃとっても負担し切れませんから要りませんというところさえも出てきているという現象を、一つ具体的に私はあとであなたに持っていきますから、それは今度の計画のときによほど考えてやってもらわなければ困ると思います。いずれにしても私が言うのはそういうことだから、料金の公平という意味から、かえってそういう議論をすると、あなたは損じゃないかという意味答弁をしたけれども、そうではなくて、そういう経済に恵まれないところに何もけちけちしないで、千円くらい取らなくてもいいじゃないかと私は言っている。そういうことについては、あなたは首を何回振っても私は何回も言いますから、これは考えてもらわなければ困るのです。  以上で終わります。
  180. 羽田主査(羽田武嗣郎)

    ○羽田主査 午前の会議はこの程度にとどめ、本会議散会まで休憩いたします。    午後零時三十七分休憩      ————◇—————    午後二時五十分開議
  181. 羽田主査(羽田武嗣郎)

    ○羽田主査 休憩前に引き続き会議を開きます。  質疑を続行いたします。小松幹君。
  182. 小松分科員(小松幹)

    ○小松分科員 郵政大臣にお尋ねします。  例年年賀はがきをたくさん出しておりまして、四円と五円とを出しておりますが、四円と五円を出せば、四円の方に飛びつくのは大衆の心理としてあたりまえのことなんです。ところが、その四円の方があまりにも少ないので、国民の上をすっとなでて通る程度で、実際は大衆というのはほとんど五円のを使っておるというのが多いのですが、もう少し四円のをふやすことはできないのか。その辺の実情、発行の枚数とか、そういうようなものについて詳しく説明を願いたいと思います。
  183. 迫水国務大臣(迫水久常)

    迫水国務大臣 最初に郵務局長から実情を御報告しまして、あとで……。
  184. 西村政府委員(西村尚治)

    ○西村政府委員 先回発行いたしました年賀はがきの総数は八億七千万枚でございますが、その内訳といたしまして、五円、すなわち寄付金のつきましたはがきが六億四千万枚、寄付金のつかない四円のはがきが二億三千万枚を発行いたしております。
  185. 迫水国務大臣(迫水久常)

    迫水国務大臣 ただいまの小松さんの御質問は、四円をふやすことはどうかということでございました。全体の数量、年賀はがきの総数というものは、大体需要を勘案しまして、郵政審議会諮問をしてきめるという手はずになっておるようでありますが、今お話しの通り、四円と五円と二つあれば、四円の方にくるのはあたりまえで、四円というのがほとんど大衆の手に渡らないんじゃないかという印象を私も実は持っております。そこで、年賀はがきは四円というのですから、全部四円にしてしまったらという感じもするのですけれども、そうすれば、寄付金を当てにしている社会福祉団体というものに対してサービスすることができなくなりますし、といって、年賀はがき全体の数量を増すということは、需要を超過して五円が売れ残るということになるでしょうから、これもうまくない。全部五円にしてしまったらという考え方もできないではありませんけれども、年賀はがきというものは四円というように法律できまっております以上、四円のはがきを一枚も売らないということもおかしなことだ、この問題は根本的に一ぺん考え直してみなければならぬ問題とは思いますけれども、本年のところはその段取りに至りませんでした。本年末に売り出す年賀はがきにつきましては、郵政審議会に相談してまた枚数をいずれきめるわけでございますけれども、そう非常にたくさん四円の方の分をふやすわけにはいかないんじゃないかというような感じがいたしております。
  186. 小松分科員(小松幹)

    ○小松分科員 五円のが六億四千万枚ですか、そうなると、このお年玉はがきの一円の社会事業への寄付金は……。
  187. 西村政府委員(西村尚治)

    ○西村政府委員 六億四千万円です。ただその中で、事務費とか手数料とかを若干差し引きますから、ちょっと減ります。
  188. 小松分科員(小松幹)

    ○小松分科員 その六億四千万のうちで、一体どれだけ差し引いて、どれだけ渡すのですか。
  189. 西村政府委員(西村尚治)

    ○西村政府委員 これは金を末端の郵便局で受け入れまして、それを募金管理会というのがありますが、この寄付金を保管しあるいはその使途を明確に監査するために、そちらに募金基金を集めますための為替料とか、募金管理会の人々の事務費とか、そういったようなことで、年々集まりました寄付金の二分の範囲内でそちらに事務費としてあるいは経費として充当いたしております。それを差し引きましたものが寄付金ということで、社会福祉団体その他に寄付されることになるわけでございます。
  190. 小松分科員(小松幹)

    ○小松分科員 二分の差引というと、実際社会事業に渡るのは総トータルで幾らになりますか。
  191. 西村政府委員(西村尚治)

    ○西村政府委員 そのほかに実は火事とか水害その他の事故によりまして——六億四千万枚のうちで売るわけにいかなかったというようなものも若干ございますので、今ちょっと明確な数字の資料を持ち合わしておりませんけれども、約五億九千万円程度になろうかと思います。
  192. 小松分科員(小松幹)

    ○小松分科員 五億九千万円の金は、現実にどういうところへどういうルートで渡っていくのか、それをちょっと。
  193. 西村政府委員(西村尚治)

    ○西村政府委員 これは実は中央共同募金会を通じまして、各府県の社会福祉団体にいく分もございますし、それから日本赤十字社にいく分もございます。その他がんセンターとかいったようなところにいくものもございます。これは全部郵政審議会諮問をいたしましてきめることになるのでありますが、三十五年度の配分の状況を申し上げますと、中央共同募金会に三億一千万円でございます。それから日本赤十字社に八千四百三十五万円、結核予防会に二千万円、南方同胞援護会に三千五百万円、日本対ガン協会に一千万円、兵庫県がんセンターに五千万円、ガン研究会に四千三百万円、以上小計五億五千二百三十五万円でございますが、そのほかに非常災害関係としまして六十三万九千円支出しております。合計いたしまして、総額で五億五千二百九十八万九千円というものを寄付金として出しております。
  194. 小松分科員(小松幹)

    ○小松分科員 そこで、中央共同募金会にいった三億一千万円、これは三億が四億になることもあるかもしれませが、年々いきますが、例年それぞれのところで事務費というものがずいぶん削られてくるわけですね。まあがんセンターとか、あるいは日赤とかいうところに落としたのは、一応そのものが、すべてが完全に消化されていくと思いますけれども、この募金事務関係に入ったのは、最初二分か三分天引きして事務費が出て、そして募金委員会に入ると、またそこで事務費的なものが出て、実際末端にいくと非常に削減率が大きくなるわけなんです。それも一つの操作上の問題だと思っていますけれども……。  これから大臣にお尋ねしたいんですが、三十五年度が五億、ことしで六億四千万、たかだか六億か七億の金をこのはがきにわざわざつけて、そういうことをしなくして、ことしあたりは自然増収が三千億も四千億も出るというときに、一般会計予算だったら二兆四千億という膨大な予算を組むときに、このくらいな社会保障費が一般会計で組めないわけはないわけです。こういう制度の上に乗っかって、使い道は、ほんとうはそれはそれでいいと思う。私はどぶに捨てたとは言わない。しかし、政治の上から考えたときに、年賀はがきの一円の中につけ加えて、それも二百億とか五百億とかいう財源の種ならば、種が大きい場合はそれはやむを得ないと思うけれども、現在の自然増収のあのような——こういう実際の国家財政の中で五億か六億の金を、しかも社会保障に使う金を、年賀はがきにわざわざつけねばならないという論拠が私は薄弱だと思う。これはもうどうしても財政が逼迫してどうにもやりきれぬ、そこでしょうがないから国民を説得をして、お年玉年賀はがきに一円でもつけて国民の協力を仰ぐという、ほんとうの寄付的な気持が横溢するならば、それでもいい。ところが、今や年中行事の問題としてしか考えられない。こういう年中行事的な年賀はがきに一円だけくっつけて、五億か六億の金を社会保障に回す。私はそういうことは必要ないと思う。五億、六億の金ならば、一般会計からもっと——十億くらい出してもいいと思う。ここにあるがんセンターあるいは日赤あるいは結核対策費なんというのは、お年玉はがきの一円にわざわざ食いつく必要はないと思う。これは財政の運用のやり方いかんにかかわる。この辺のところを大臣どうお考えでありますか、ちょっとふに落ちない点ですが……。
  195. 迫水国務大臣(迫水久常)

    迫水国務大臣 小松さんの御説は、私そういう方向から考えますれば、確かに一つの見識だと思いますが、しかし、こういう制度が現在あるんでして、その制度をやめなければならぬという理屈も、私はなかなか立たないんじゃないかと実は思います。せっかくこういうことで国民全般が協力して、この機会にその寄付金でまかなわれているという幾つかの施設が、たとい五億でも六億でもあるわけでして、これを国庫負担でこれだけの財政を援助するということになりますれば、国庫から財政支出をするということになりますれば、また全然別な観点からこの問題が論ぜられてきて、これを国から出せということには私はなかなかならないんじゃないか、こう思います。全然初めてスタートするときでしたら別ですけれども、現在ある制度として存在する以上、これをやめなければ一やめた方がいいという議論も成り立たないんじゃないか、私はそう思います。
  196. 小松分科員(小松幹)

    ○小松分科員 私は実際はこれはやめていいと思うのです。五億、六億の金ならば、二兆四千億の中で操作はもう簡単なものです。できますよ。それが結局国民に寄付行為を迫る一つの要素にしかなっていない。国民は、年賀はがきの寄付だけではない、いわゆる税外負担という寄付行為がたくさんある。PTA寄付もくれば、あるいは高校対策の費用の寄付がくる、あるいは、体育館を建設すればその寄付がくる、税外負担というのがずいぶん多い。それであるのに、また税外負担である年賀お年玉はがきにわざわざこういうものをつけて出すということは、私は論拠が薄弱だ。しかも四円と五円がある。みんな五円にするならば、それは一応差別はないとするけれども、大衆は四円のが買えない、零細な大衆はほとんど五円のしか買えない。こうなると、零細な大衆が四円のを買い出す。二億三千万枚のものだけは一応その寄付行為からのがれることができる。しかし、あとの零細な大衆が六億四千万枚というものを寄付行為をしいられるというようなこと、私はこれはあまりおもしろくない。年賀はがきというものは、ほんとう郵政省が一年に一回のお年玉としてサービスをしようとするならば、四円にしてしまう、それの方が私は正しい筋だと思う。それ以上の一円の社会保障の寄付金というものは、これはそういうはがきにくっつけた無理やりの寄付金でなくして、はっきり国家財政の中から社会保障——これをどれ一つ見ても、募金委員会あるいは日赤、結核、ガン治療センター、これらは国家の補助金の中に、あるいは交付金の中に入れても矛盾もしなければ、おかしくもない、筋もみな通るわけだ。だから、五億とか六億の金をわざわざ年賀はがきにくっつける必要はない。正式に一般会計から落とすべきだ。そうして、ほがらかに郵政業務というものを一本にしぼって、あっちこっちに義理立てたような、そういう寄付行為の出前をせなくてもいいのじゃないか。そういう法律的な、あるいはそういう制度が今あるから、ことしは仕方がなかったから、それはいいでしょう、ことしはとやかく言いません。しかし、法律なりそういう規則があれば、それは改正すればいいのであって、少なくとも年賀はがきというものは四円に統一してしまう方がいい。そしてその分ははっきり国が一般会計から見て十分見れる、かように考えるわけです。特に八億七千万枚の基準のとり方、それがはたしてどこから基準がきているのか、八億のうちでどうして二億三千万枚を四円にして、六億四千万枚を五円にしたのか、いわゆる比率のとり方は何を基準にしたのか、そこなんです。むしろ逆に四円を六億四千万枚やって、五円の方を二億三千万枚にやってもいいのじゃないですか。その数のとり方、これは郵務局長にお尋ねします。
  197. 西村政府委員(西村尚治)

    ○西村政府委員 年々のお年玉つき年賀はがきの発行枚数をきめますにあたりましては、過去の数年間の発行枚数といいますか、差し出されました年賀はがきの枚数からデータを勘案いたしましてきめておるわけでございますが、年賀はがきというものは、お年玉つき以外の私製はがきとか、封書によるものとか、そういうものと合わせまして年賀郵便物として出ますものは年々五%から六%ずつふえてきておる傾向にございます。そういった過去の傾向線から見ますと、昭和三十五年度の実数が十五億六千九百万枚出ておるのであります。それに対しまして、過去のそういう傾向線を勘案いたしまして、昭和三十六年度と申しますか、三十七年の正月になるわけですが、今年度でございますね、今年度は十一億四千万枚程度のものが出回るであろうという想定を一応立てたわけでございます。十一億四千万枚のうちで、官製はがきによるものが何パーセント、私製はがきによるものが何パーセント、それから書状によるものが何パーセント、これも過去の傾向線によってとりまして、そしてその官製はがきによるもののうちから、お年玉のつかないいわゆる普通の官製はがき、これが新年度は五千万枚くらい出るはずだというまた想定をつけまして、それを差し引きました残りをお年玉のついた官製はがきというふうな見当をつけたわけでございます。そのつけました見当のものが八億六千八百万枚に実は相なるわけでございます。それに対しまして、他方、地方郵政局の方で、この管内では幾ら出る見込みかということをとりまして、各郵政局から出ました資料を積み重ねましたものと両者あわせて勘案いたしまして、新年度の発行枚数は八億七千万枚というふうな結論を出したのであります。  さらに、この八億七千万枚の内訳につきまして、五円はがきを幾らにし、四円はがきを幾らにするかという点につきましては、これも従来の実績というものを実は大きく見たわけでありますが、従来の実績、特に昨年度の実績が、五円はがきは六億三千万枚であります。それから四円はがきは二億二千万枚だったわけであります。トータルいたしまして、昨年度は八億五千万枚、これに対しまして三十七年度は八億七千万枚で二千万枚の増でありますので、その二千万枚というものを、このうちの半分一千万枚を五円はがき、残りの一千万枚を四円はがきというふうに割り振りまして、結局五円を六億四千万枚、四円を二億三千万枚というふうに発行することにしたわけでございます。
  198. 小松分科員(小松幹)

    ○小松分科員 その実績たるや、まことに根拠のない実績で、去年の実績といっても、これはあなた、全部四円にすれば、八億枚が全部四円の実績になりますよ。実績は売り出さないから実績が出ないのであって、そんな去年売り出さぬでおって、それで実績だから、それに一千万枚加えたから実績に一千万枚オーバーしたというのは、からくりであって、実際はそれはもう全く根拠のない、いわゆる寄付割当行為をあなたたちがしているだけの話なんです。実はお年玉のお金が、ことしがんセンターに何ぼやらなければならぬ、結核に何ぼやらなければならぬ、逆算をしてきて、五円はがきはこれくらいにしなければならぬ。しかし四円を切るわけにはいかぬから、四円の数を少しふやしたぞということを世間に知らせなければならぬという、まことにからくりとごまかしで大衆を欺瞞したところのやり方だと私は思うのです。実績なんといったって、これはあなた、ことしから八億みな四円にすれば、来年の実績は全部四円の実績になりますよ。だから、そういう実績なんということは全く意味のないことなんです。  だから、寄付行為からきておる、逆算からきておる問題であって、これはあなたたちももう少し本質的に考え直すということが必要ではないか。そういう割当の技術をどうするかということになれば、今言ったからくりも作るでしょう。それはあなたの方だってだれだって、すぐ何ぼ金ががんセンターに要るから五円のを何ぼにしなければならないということは、目の子算で出きますよ。そういうことが政治であってはならない。これは事務官の人に言っても仕方がない。大臣に言うべきだと私は思うのです。これから先はそういうからくりによって四円をきめたり五円をきめたり、それで実績数を一千万枚オーバーしたとか何とかいうことは、それはもう意味ないと思うのです。やはりお年玉ならば四円に統一して、郵政業務をわだかまりのないもっとすっきりしたものにして、それだけの五億なり六億なりの社会保障は、郵政大臣の政治力をもって一般会計から落とさせる。これの方が筋が通ると思うので、この点を強く申し上げておきたいと思います。  これは来年からの問題になると思う。そうでなければ、国民を四円と五円の年賀はがきに引き分けて、どうも買う方も実際困ったものです。私たちも実際困る。困るが、私たちはどうにかこうにか四円のを無理をしてでも頼み込んでもらっております。けれども、大衆の二十枚、五十枚買うようなものは、全然四円というものは手に入らぬで、朝から郵便局にがんばっておっても、途中でばんと打ち切られて、もう四円は打ち切りですよ。きょうは何人しか売らないということにしておるから、それを窓口で五人しか売りませんよと言ったらあとで文句が出るから、わざわざ並べさせて、きょうはこれまでというので、全く末端というのは芝居をしておるようなものです。年賀はがきに限って、こういう芝居みたようなことをやるのはやめてもらいたい。これは零細なる国民のほんとうの気持だと思うのです。その点は一つ——私は社会保障はしなくてもいいと言っておるわけではないのです。金の出し場所をもう少し政治力をもって解決すれば、年賀のはがきからこんなからくりをして、国民に差別を作って、あたふた年末の忙しいときに、はがきを買うのに飛び回らせなくてもいいじゃないか、こういうことを特に言っておきたいわけであります。  その次に、これは大蔵省も——主計官来ておりますか。
  199. 羽田主査(羽田武嗣郎)

    ○羽田主査 今、見えます。
  200. 小松分科員(小松幹)

    ○小松分科員 それでは大蔵省の主計官が来るまで……。郵政大臣、最近電電公社の関係で、電電公社の余裕金が相当ある。昨年の十二月末で三百五、六十億の余裕金が出ておる。これを運用するのに、何だか利回りのいい市中預託の方に回したいという意向があるということですが、これは本音ですか。
  201. 迫水国務大臣(迫水久常)

    迫水国務大臣 率直に申し上げますが、郵政省といいますか、電電公社の方の立場から私はものを考えておるのですが、電電公社というものは独立採算の公社でありまして、しかも、建設等に非常にお金が要る。ですから、持っておる資産もできるだけ有利に運用して、そういうことで収入を少しでもふやした方が、電電公社の事業の拡大ということには便宜であろうと考えまして、国庫に預託をいたしておきますよりも市中銀行に預託をした方が、利回りもいいし、それからまたいろいろ金融の便宜等もついて、公社として独立採算の一つの企業体としては、その方が合理的だと私は考えまして、そういう制度ができる方がいいと実は思っておるのです。  そういうことで大蔵省に話をいたしておるのですが、一方、大蔵省の方は、国庫預託制度というものを一つ持っておりまして、それにまっこう正面からぶつかるものですから、なかなかそのことについての踏み切りが大蔵省はつかないようです。電電公社がかりにそういう格好になりますと、国鉄も同じようなことが出てきましょうし、場合によっては専売公社も——専売公社は私は本質的に少し違うと思いますが、専売公社でもと、こういう話になってくると、大蔵省としては非常に困るのじゃないかと思うのです。そういうことで、今大蔵省は非常に抵抗を示しておりますが、私としては電電公社の立場から考えて、そういうことの方がいいという考え方のもとに今交渉をいたしておりますが、成否のほどは私もちょっと今ここで申し上げられません。
  202. 小松分科員(小松幹)

    ○小松分科員 郵政大臣は、電電公社の立場でものを言っておる、こう言っておるのですが、これは郵政大臣、あなたも大蔵省におった大蔵省のはえ抜きの人ですからね。今あなたも例を出しましたけれども、公共企業体なりあるいは公社、こういうものが事業体として収入を持つ。そういうものが余裕金として持っておるものを市中預託すれば——最近は、普通の税金のあれでも全部国庫に直接納めないで、市中銀行の預託制度をとれ、こういう論拠がたくさん出てきております。これは郵政省だけではないわけです。各方面からそういうのが出てきておる。これは、その省自体はそれでいいかもしれぬ。とかく各省というお役人仕事を考えておると、少し何か金の余裕ができますと、その余裕で何か手前みその仕事をしようと考える。これは官僚の考え方です。共済の積立金が多くなると——これは電電公社でも電通共済でもそうでしょう。郵政の共済資金なんというのは、実際は金がだぶついている。しかしこれは、何も国庫に引き揚げるわけじゃないから、それは手前でやればいいけれども、各省がみんなそういうことをやれば、私は国家運営というものは実際行き詰まると思うのです。利子が何ぼか、それは市中預託をすれば六分何厘くらいなるにだろうし、国庫にそのまま入れれば二分八厘くらいにしかならぬ。ですから、利子の点から見ると、途中でさや取りをしたいような気持になるでしょう。実際農協などが系統金融を持って、そして農中に集める金が、どうも農中に系統金融を集めていったのでは、おれらはさや取りができぬじゃないか、だから、どこか途中で系統金融をはずして、どこかに預託をしてさや取りをしたいという気持があるというように、この金利制度というものは、今こうした格好になっておれば——各省というのはみんな、金が足らなければ、盛んに本省から、どうしてくれ、こうしてくれといって大蔵省にねじ込んでいる。金が余るとちょっと独立して、そして何か仕事をしようか、こういう考え方に常に立ちたがるものなんです。そういう意味から考えた場合に、私は何も大蔵省に味方するわけじゃないけれども、電電公社は法律的な要素を持って電電公債を発行して、無理に電話債券を押しつけて買わせて、そして独占企業として成長しておる。今日電電公社は、少なくとも電話電信に関する限り独占企業だと私は思う。そういう国家的な背景を持った電気通信の独占企業が、余裕金ができたからそれで何か事業をしょう、こういう考え方は、私はこれは間違っておるのじゃないかと思う。そんな余裕ができるなら、なぜ債券をもう少し下げない。もう少し切り詰めて、十五万円もするような債券を売りつけぬで、十三万円に下げてもいいじゃないか、そういうことを素朴に考えるわけです。技術的には別にして、そんなに余裕があって、どこかほかのとこへ途中で預託をして利子のさや取りをしようというくらいならば、もとをもう少し下げて、大衆収奪というものからもう少し切り詰めたことをやるべきじゃないか、これは私は率直に言える。だから、余裕金が三百億できたから、それを途中でどこか高金利の方に預託をするという考え方は、これは大蔵省だから考えぬというわけじゃなくて、国の財政運用の面から考えた場合には、郵政省考え方は、郵政省自体ではまことしやかに考えられる問題だが、国の財政運用の点から考えると、それはむちゃじゃないか、無理ではないけれども、どうも筋違いな邪心を起こしているのではないかという気もするわけなんです。その点はどうなんですか、あなたも大蔵省におった方なんだから……。
  203. 迫水国務大臣(迫水久常)

    迫水国務大臣 余裕金ができたら料金を下げればいいじゃないかという理屈には実はならないのです。これは、電電公社は、収入、支出の差額というものは、建設勘定に充ててどんどん新しい建設を進めておりますから、建設勘定に支払うまでの間、現金としてしばらくの間金が残っておるわけです。その残っておる金が、——今三百億は私はないんじゃないかと思いますが、常時若干の金がある。多いときは三百億くらいあるかもしれませんが、それを有利に運用して、企業体の収入にして、そうして事業拡大の資金に使う、別に今小松さんがおっしゃったように、ちょっとわきでもって商売をしようというのでなしに、企業体自身の収入なんだから、私は電電公社の立場から見れば、国庫預託制度でない方がいいと思うのです。国庫預託制度というふうになると、要するに国庫金という政府の使う税金と一緒に預かるわけでありますから……。これは税金でなくて、企業体の収入なんですから……。各省がそういうことをやることになると言うが、予算で縛られている各省は、別に余裕金を持つこともありませんし、かりにそこに余裕金があって収入を取ったって、それは国庫に帰属するだけであって、予算にない以上は、その金を使えるわけはございませんから、公共企業体という全然独立採算の企業体という見地から見れば、どうも私は国庫預託よりも市中預託を認めた方がいいと思うのです。しかし、今小松さんのように、ちょっと私は趣旨がまだよくわかりませんけれども、財政を乱す。——大蔵省も抽象的にはそう言うわけですけれども、これを国庫預託にしておかなければならないということは、国庫金が何となしに不足している場合に、こういうような収入もみんな入れておくというならともかく、現在は、御承知のように、自然増収が非常に多くて、国庫金に不足を生ずることはまあないのですから、いいんじゃないかなと思っておるのが現在の私の感じです。
  204. 小松分科員(小松幹)

    ○小松分科員 これは国庫金の不足があるなしにかかわらず、こういう中間預託を認めていくならば、これは一つの穴がふえたのと同じで、実際は各方面に中間預託をさせろという意見はたくさんあるわけなんですよ。これは郵政省だけじゃない。だから、郵政省は自分だけだ、ほかのところはそんなことはないのだと思っておるかもしれないけれども、市中預託をしてくれという意見は方々から出ているわけなんです。だから、こういうことを安易に認めるということは、私は財政の一つの流れとして、国庫が——アメリカみたいに各州ができておればそれでもいいですけれども、一応大蔵省で国庫余裕金なりそういうものを全部計算してはじいて一そうしてそれの使い方については、私たちも異議があるわけなんです。簡易保険を集めたり、あるいは郵便貯金を集めたりしたのを、全部運用部資金にして、しかもそれが大衆に回らないで大資本に回るという意見も私たちは持っています。持っていますけれども、それはそれから先の問題であって、実際途中であまりこの市中預託というものを認めていくということは、国の財政の運用上から考えて、私は、それならば、大蔵省が言っているように、いわゆる政府保証債とか、債券を持たせるとか、そういうものでまかなっていくような、一つの筋をやはり通しておかなければならないんじゃないか、こういうふうに考えるのですが、これは大蔵省が来れば、大蔵省の意見も聞きたいと思いますが……。
  205. 羽田主査(羽田武嗣郎)

    ○羽田主査 大蔵省は見えています。
  206. 小松分科員(小松幹)

    ○小松分科員 それでは、大蔵省はどういう考えなんですか。
  207. 青木説明員(青木英世)

    ○青木説明員 私、ただいま入って参りましたところで、あまりはっきりと御意見を伺っていないのでございますけれども、私どもの考えからいたしますと、電電公社、これは専売あるいは国鉄と同じような一つの公共企業体であるわけでございます。そして料金その他につきまして、国会なりあるいは内閣のいろいろの拘束を受けておる国家的の色彩の非常に強い機関であるわけでございます。このような見地からいたしまして、従前から、電電公社に生じました余裕金は、国庫預託するという建前をとっておるわけでありますが、今後ともさような考え方でいきたいと考えておるわけであります。
  208. 小松分科員(小松幹)

    ○小松分科員 その理由を……。
  209. 青木説明員(青木英世)

    ○青木説明員 その理由といたしましては、一つは、国家が全体としての一般会計なり、あるいは特別会計なり、あるいは政府関係機関、こういうものの余裕金を集めまして、片方で不足するような資金に対しましては、余っておるところの資金を使うというように、かれこれこれを融通することができるという点が、一つあるわけでございます。それから第二点といたしましては、統一的な金融政策を行なうというような観点からいたしまして、このような電電公社その他の公社の資金も、一元的に国庫に預託させるということが適当であろうかと思います。それから第三点といたしましては、ただいまお話があったわけでございますが、電電公社のみでなくて、電電公社につきまして国庫預託金の制度を廃止するということになりますと、勢いこれが他に影響を及ぼして、国庫制度全体として大きな問題にぶつかるのじゃなかろうかと考えておるわけでございます。
  210. 小松分科員(小松幹)

    ○小松分科員 私、大蔵省が今あげた理由そのものをすべてどうということよりも、やはり国家財政というものが一応ああいう形で運用されておれば、市中預託というものを電電公社だけ余裕があるから認めていくということは、これは運用上あやまちを犯さんならぬ。もしそれを大蔵省が認めるならば、私は、すべての国庫金は一応その預託制度の中に投入して、そうして銀行に入って、国庫金取り扱いの銀行に入れば、銀行が一応そこで一つのさや取りをしてもいい。ある期間、一カ月なら一カ月、二カ月なら二カ月のさやを見て取るというならば、これはこういうルートにもなってくる。今特に、銀行方面ではそれを非常に言っているのです。とにかく国庫金を一応市中銀行が預かる。預かったものをそのまま、何か子供のお使いみたいなことで日銀へ持っていかなければならぬ、こんなばかな話があるか。途中で一回くらい使わせろという意見もあるのです。そういうことが、すべてに私は影響してくると思うのです。こういう意味で、やはり預託制度というものは、中央集権的といえば語弊もあるかもしれぬけれども、もう少し考えた方がいいんじゃないか、こういうように考えるのです。同時に、今度は、郵政省の方として一体それを——一応さや取りをして、利子も高いからいい。ところが、何か別な、債券の売買証券会社みたいなのをこしらえようかという考えがある。その構想がおありなんでしょうか。その点についてちょっとお伺いします。
  211. 迫水国務大臣(迫水久常)

    迫水国務大臣 電電が加入者に強制的に持たしております加入者債券というものが、値段が非常に下がっているわけです。この値段の下がっていることについては、その価格を維持せよという附帯決議もいただいております。そこで、それをどうすればとめ得るのかといえば、やはり下がった部分を買わなきゃならぬ。それで、電電債券が下がったときに買うのに、市中の証券会社等の資金だけで買いささえる、それは幾ら大蔵省が強力に指導してくれてもなかなか大へんで、隔靴掻痒の感がある。だから、電電公社の持っている余裕金の一部をもって、その債券を下がったときに買う。上がればそこでまた徐々に放出する。そうして証券会社等を使って、一ぺん買ったものを今度はお得意様にずっとはめ込んでいく。こういうようなことをしていったら、値段の低落を防止し得るのじゃないか、こういう仕組みを一つ考えよう。けさの日本経済新聞に出ている、資本金十億円で、電電公社が株主になって、何か証券会社を作ると書いてあるのは、私は必ずしもその構想には一どういうわけでここに出てきましたか。こういう構想があるわけではないと思います。
  212. 小松分科員(小松幹)

    ○小松分科員 強制的に買わせた電電公社の債券が、債券としての流通の機構が整っていないために安い。十五万円の債券が十一万円か十二万円にしか売れない。こういうことで何とかしたいということ、その気持は私はそれなりにいいと思う。また、それも悪いことでないし、正しいことだと思う。ただ、それをするために、債券を発行したものが再び債券の売買業者みたようなひもをつけるということが、はたしてできるか。もちろん直接に電電公社がその売買をやるわけじゃないから、一つの身がわり会社というもの、何とか証券会社をこしらえてやるのでしょうが、そういう機構というものが、はたして流通機構の上にというか、この債券の流通機構というものは、そんなに簡単なものじゃないと思うのです。それは買うのは買いましょう。かりにですね、電電公社でなくて、電電公社のひものついた子会社の証券会社が、買うことは買うと思うのです。けれども、さて買って持っているわけにはいかぬし、それを買い取り機関というか、そういういわゆる売買機関によって売らなければならぬ。操作流通していかなければならぬ。さあ、それがはたしてどの程度可能なりやという問題なんです。これの解明を、もう少し郵政省の、大臣でなかったら、その担当者に一つしてもらいたい。
  213. 迫水国務大臣(迫水久常)

    迫水国務大臣 これはまだ確定している考え方ではないので、ここで御説明をするのがいいかどうかわかりませんけれども、小松さんの御質問ですから……。  私は、こういうふうにすればいいんじゃないかなと、頭の中に持っております私案というもの、そういうようなものを申し上げたいと思いますが、私は、若干のしかるべき証券会社、それに一つの特別な電電債だけというか、電電債を主として扱う別個の証券会社を共同して作らせて、それに電電公社の余裕金の中から若干の金をこの証券会社に融資して、そうしてその証券会社が、その金を使うことによって、安いときには買う。それで、証券会社というものは、大体証券を売るのが商売であります。買うのが商売でなくて、売るのが商売なんでありますから、お得意さんの筋をやはり心得ておりますから、そこで、その買ったものに対して、それを自然に投資家にはめ込んでいくという能力は持っている。その能力を利用してはめ込ませて、そして回転していったら、債券の価格の維持というものはできるのじゃないか。実はそう思って、電電公社が身がわりの子会社を作って、その身がわりの子会社を、電電公社の役人と申しますか、それでやっていってもとてもだめだ、こう思うのです。大蔵省の考え方も、証券会社を一つ督励してそういうことをやらせるというのですけれども、私の考え方と違うところは、証券会社の自己資金でやるとしても、大したことはできない。そこで、若干電電公社の方の余裕金をその証券会社に使わせる。それには幾つもの証券会社に分けるのは大へんですから、そういう専門の会社を作ってもらったらどうか。こんなことを実は考えて、せっかく附帯決議をおつけいただいたのに、一向政府も、電電公社も、何もしていませんから、国会の御期待に沿いたいというのが、今の構想です。
  214. 小松分科員(小松幹)

    ○小松分科員 郵政大臣のような人が証券会社にすわれば、そういう良心的なことはしばらくの間はできるかもしれませんが、現在の公社債投信は、いわゆる公社債の起債市場の拡大もできていない。流通機構も実際は行き詰まっておる。これはもっと抜本的な問題なんです。単に電電公社の問題だけにとどまらない。株価というものは、投機によってずいぶん上がったり下がったりしておりますけれども、去年から発足した公社債投信市場というものは、行き詰まっておる。起債としても、流通機構というものも行き詰まってきておる。そのときに新しい証券会社、しかも電電公社の債券だけを扱って下さいという証券会社に、かりに郵政省なり電電公社が金を出して、そうして電電公社の債券を売りさばく、あるいは買い取りをして下さいといっても、それは株式市場なりあるいはこういう起債市場というものをほんとうに考えたならば、ナンセンスに近いのじゃないか。機関投資家が買い取るやつは、とにかく買い取りますよ。かりに十一万円のものは十二万円で買い取るけれども、それから先の問題として、機関投資家がそれを待ってましたといってほんとうに買ってくれるか。しかもほかの機関投資家は、一体どういう形でその電電債というものを、この大きなマンモス債券市場の中に放出していくかという問題がひっかかってくると思うのです。そうなると、結局私は市場価値として、それはきわめて——そのもくろみは確かにいいと思うけれども、そのもくろみは全く子供じみたもくろみで、そういうことが簡単にできて、起債市場がうまくいくならば、今日、公社債投信などはもっとスムーズにいくはずなんです。ほんとうだったら、コールが高ければ、あるいは株式の投機的なものが過熱してくれば、金があればもうかる方にどんどん金が動いていくということは、自然の定理でしょう。だから、そうした電電公社の良心的な債券の買い取りや、あるいは売り込みに狂奔していくだけの熱意も出ないだろうし、ただお義理で幾分は——さっきのお年玉はがきの四円と同じで、ほんとうは五円のを売りたいんだけれども、お義理で四円のを売らなければならぬというように、いわゆるお義理で電電公社の債券というものを扱って、大部分は別な方向に動いていく。そうでなくては、この買取機関というものは、しまいには相場がどうなってくかるわからぬ中で、経常費がなくなる。それを今の既設の証券会社にまかせておいたならば、経常費というものはそうないかもしれぬけれども、別個のものをこしらえていけば、経常費に食われて、その経常費だけでも、しりぬぐいに大へんだと思うのです。結局、買い取ってそれを売りさばく、その機関の流通というものは並み大ていのことではない。こう考えると、こういう構想は、相当考えた末であろうと思うけれども、私はあまり賛成できないし、こういうことをやって、はたして電電公社の債券のつり上がりが——当座第一回くらいはうまくいくかもしれない。そういうことができればもっけの幸でしょうが、これはできないと思うのです。これは公社債投信が去年の一月に発足したでしょう。そうして同じことをやった。最初の三カ月くらいは、うまく起債市場もできてきたが、もう経済の波が一波来ると、だだだっと落ちて、一年たたないうちに、もう起債市場というものがどうにもこうにもならなくなって、行き詰まってきておる。だから、証券会社の手持ちのコンクリートになってマークされておるところの債券を、何とか買いオペレーションでやらなければならない、いわゆる証券買いオペということも出てきたということは、結局は流通機構というものがスムーズにいかない結果からきておる。この理想は、最初はうまいことが出るでしょう。しかし、やがてはそれが行き詰ってくると思います。そういう意味で、電電債の買取機関を別個にこしらえていくという考え方は、あまりに小乗的である。その意図はわかる。わかるけれども、大きな荒波に対処していくのには、あまりにも良心的、小乗的過ぎるのじゃないか、こういう気がするのでありますが、これは大蔵省と郵政省の両者の御意見を承りたい。
  215. 青木説明員(青木英世)

    ○青木説明員 その問題につきましては、現在電電公社と議論を煮詰めておる段階であるわけですが、私どもの考え方を一応申し上げますと、まず、電電債券の価格一般の騰貴あるいは下落ということですが、現在四十円を割っておるというような状況にあるわけです。これらのものは、一般的な金融情勢のいかんによって影響されることが、かなり大きいのじゃないかと考えております。また、今後の問題といたしましても、これまた第三次五カ年計画あるいは第四次五カ年計画ということで、たくさんの電話を架設する。それに伴いまして電電債券もたくさん市場に出るわけでありますが、こういうものの価格を根本的に維持するというのは、今お話のありましたような証券会社を作るということで、はたして維持できるかどうか、大へんむずかしい問題ではなかろうかと思っておるわけであります。  なお、電電債券の価格を維持しようというような御趣旨の国会の附帯決議があるわけでありますが、これらにつきましては、現在買い入れ償却というようなことも予算上講じておりますが、そういう制度によってある程度達成できるのじゃないかと考えております。
  216. 迫水国務大臣(迫水久常)

    迫水国務大臣 だんだん小松さんの御説を承りました。私は、ここで議論をすべき場所ではないと思いますが、一ぺん機会を得てあらためて小松さんの御説を承ってみたい点が多々あります。要するに、電電債の価格を維持したらよかろうという国会の附帯決議があるわけですから、何とかそれを実現しなければならない。また、実際加入者にはずいぶん気の毒なわけですから、努力していろいろ乏しい知恵をしぼっておるわけでありますが、金融情勢全般からいって、そんなことをしてみたってだめだよと言われてしまえば、もう処置はない、こういうことになってしまうので、何かこういうふうにやったらよかろうという御案があったら、どうぞお教えを願いたいと思います。
  217. 小松分科員(小松幹)

    ○小松分科員 私が最初に申し上げたように、電電債の市場価値というのか、流通価値がないわけですよ。そのものの価値はあっても、流通価値がないから、その点についてあなたの方で考えていることはいいけれども、今ちらはら出されているところの案は、どうも小乗的で、結局は意味がなくなる、こういう見通しを持っている。じゃ、あなたの方にいい案があったら教えてくれ、こういうことになると、私として別にこれでございという名案はございません。しかし、とにかく今出されているあの案は、私はきわめて——郵政省側としては、まあ満足とは思わないけれども、最小限この案でどうだろうかという案かもしれませんけれども、日本経済の債券市場、証券界というものの実際の動きを、もう少し本格的に政府自身が考え直さねばならぬのじゃないか。これは、電電債だけで解決のつくものじゃないと思うのです。もう少し本質的に、今後事業債などの起債というものを一体どうしていくか、それからその流通機構というものをどういうようにやっていくか——今などは非常に流通機構がよくない。そのために起債が完璧にいかない。特に資金が圧迫されてくると、関連企業のいわゆる動きからすると、どうもそういうところには手が出ない。そういうことで、全部のそういう債券市場というものが行き詰っているんだ。こういう点をもう少し抜本的に考えなければ、電電債だけで物事を処理しようというお考えになれば、これはなかなか道が開けぬのじゃないか。郵政省だから、ほかのことを考える前に、おれのところで最小限に考えたんだと言えばそれでいいと思いますけれども、それでも今ちらほら出ている案では、これはもうお役人仕事に終って——郵政省のお役人さんをそこの大将に送り込むポケットにはなると思うのです。国際電電あたりのように、みんな郵政省から一人送り込むとか、電電公社の方から一人送り込むとか、そういう人事はけ口のポケットにはなっても、本質的な解決にはならぬと考えるわけなんです。だから、これは大蔵省とももう少し話して、よく考え直した方がいいんじゃないか。それでなければ、こういう案でいくということは、私は賛成できない。  特にまた、電電公社がそういう債券を扱うような会社に投資ができるものかどうか。どういう形で投資をしようというのか。公社制度というものは、公社自身が何か投資ができるのかどうか。その辺は私も法律的にはよくわかりませんが、そういう点はどうなんですか。
  218. 迫水国務大臣(迫水久常)

    迫水国務大臣 大蔵省が根本的に社債市場の問題を全部考えてくれれば、われわれの方も心配が要らないわけです。しかし、大蔵省がなかなか考えられないで、現状のような状態、しかも、われわれの方とては附帯決議はつけられているし、実際加入者はかわいそうだ、こういうところで、一つ大きな波には流されるかもしれないけれども、せめてここだけはと、こういうのが今の考え方でして、私、今小松さんが発言してわかったのですけれども、何かわれわれが郵政省や電電公社の古手をはめる穴を作るためにやっている、そういう考え方は毛頭実はないんでして、そういうことから出発しての御議論でなく、一つお願いしたいと思います。  投融資の問題は、現在の公社ではできません。従って、もしそういう構想が認められるようなことになれば、この議会で法律改正をお願いしなければならぬ、こういうことになります。
  219. 小松分科員(小松幹)

    ○小松分科員 法律改正してまで、そういう公社が電電公社という性格を持って投資をしていくということになれば、事は相当問題がある。だから、現状そういう派生的なことを考えないで、もう少し別な考え方一つもう一回考え直すべきじゃないか。それを無理押しに、しゃにむに——どの程度大蔵省と話が進んでいるか、それはわかりませんけれども、郵政大臣の政治力で無理やりに大蔵省を説得してというふうに聞こえますが、大蔵省も大蔵省で筋を通してというところになって一その点はわかりませんが、私なりに考えた場合に、それはそういうことでもっと完璧にできれば、あなたがおっしゃるようなことによって、そして電電債のあれが大衆のために役に立つようになれば幸いですけれども、実際はそうではなくして、派生的な一ほかのところに金は出したわ、実際はまじめに郵政省当局なり、電電公社の考えなり、意図通りにやれば、結局は運用の妙味がなくなって、しまいには赤字になる。されば、それを補っていくのには、電電公社から次々に追い討ちをかけた出資をしなければならぬ。そうやらせないためには、当初の目的からはずれて、思い切った別個の証券市場の買いあさり、あるいはほんとうの証券界の切った張ったの生きた中にいかなければならぬという結果になる。それはすべての、たとえば信用組合にしても、農業協同組合にしても、協同精神によってやらなければならぬ。その協同精神によってやっておれば、しまいにその信用組合はどうにも運用ができなくなる。結局、企業として成り立っていくことが先決か、協同組合の精神にのっとって大衆のために生きるのが先決かという問題にみなぶち当たる。それは農協にしてもみなそうです。最初の振り出しがそういう振り出しで出たものは、当初しばらくの間は当初の精神でということでやっていくけれども、しまいには、それでは身の振り方をどうするかと開き直ってしまう。実際のところ、あなたの言うような協同精神にのっとってやれば、おれのところは赤字の連続じゃないか、赤字を補てんしてくれればやりましょう。赤字を補てんしてくれなければ、おれの思う通りにやるよりしようがない。これは常に農協系統の言い分です。信用組合あたりはすべて——あるいは労働金庫でもそうです。労働金庫では、零細な労働者の資金を集めて——当初は非常に零細な気持で、とにかく労働金庫というのは運用の資金は最小限でいいのでありますから、労働者の金を集めて、労働者にほんとうにサービスするのだということで発足した労働金庫すらも、今日、労働金庫が普通の銀行と少しも変わらなくなって、むしろ普通の銀行よりも利子をよけいとって、はね返りが大きくなる場合もあるわけです。これでは当初の目的がはずれてきておる。その金庫などの機関を運営するためには、結局はどっちかになってくる。そういううまいことを言うて、おれに電電公社の債券のお恵みだけやらせれば、赤字になるじゃないか。それで、お前の方からもう少し資金を投資してくれということになる。そんなことを言ったって、毎月々々できるじゃないか。お前の方は独立採算制でやってくれということになれば、当初の見込みは薄れてしまう。こういういろいろのものがあるわけであります。そういう面からすれば、電電債の声やよし、その意図やまことに悪いとは言わぬけれども、証券市場、債券市場の中に、そういうささやかな郵政大臣の希望がはたして具体的にどう生かされるかということを考えたときに、これはどうもたよりない構想だと見るから、あなたも内閣の一員でありますから、池田内閣は、責任をもって公社債発行の起債市場ももちろんであるが、流通機構を抜本的に改正する、そのために金融制度をもう少し考え直そうじゃないかという大きな見地で、内閣自体が政治的に動くということが先決であろうと考えるわけです。これから先は私の愚鈍な意見かもしれませんが、そういうような感じを持っているわけです。  もう時間過ぎましたか。
  220. 羽田主査(羽田武嗣郎)

    ○羽田主査 もう三十分過ぎています。
  221. 小松分科員(小松幹)

    ○小松分科員 それでは以上のことを申し上げまして、私の意見を終わります。
  222. 羽田主査(羽田武嗣郎)

    ○羽田主査 山口丈太郎君。
  223. 山口(丈)分科員(山口丈太郎)

    ○山口(丈)分科員 もう同僚から非常にたくさんの質問がありましたから、私は、ごくかいつまんで簡単に御質問を申し上げますので、簡単にお答えを願いたいと思います。  まず、この予算説明書の中を見ますると、本年は特に郵便貯金の増強策を講ぜられて、五十万円まで預金限度を引き上げる、こういうことで、私は非常にけっこうだと思うのです。ところが、その目的を果たすためには、財界も、一般市銀の預金の金利をこの際引き上げる時期にきておるということを、たしか政府の方に陳情するということが伝えられておるのですけれども、政府事業としても、現在の郵便貯金金利をいま少し引き上げないというと、なかなかこの目標を達成することはできないのではないか。これは幾ら超過してもいいのですから、それだけ資金運用部資金は増加するものだと私は思うのですが、そういう郵便貯金金利の引き上げをなさる考えがあるかないか、一つ聞かしてもらいたいと思います。
  224. 迫水国務大臣(迫水久常)

    迫水国務大臣 私は、金利の問題は一つの体系的に考えなければならぬ問題で、郵便貯金を集めるために、郵便貯金の利子だけについてこれを引き上げるということはすべきじゃない、こう考えておりますので、当面郵便貯金の金利の引き上げをする考えはございません。
  225. 山口(丈)分科員(山口丈太郎)

    ○山口(丈)分科員 もちろん経済すべてが一つの体系になっているのですから、官営事業だけがそういう処置はできないと思いますけれども、しかし、現実として、今日金融の引き締めの余波等によって、あるいはこれが投機的な方向に流れるとすれば、市銀を問わず、各銀行に対する預託金の集まりも非常に悪い。従って、銀行資金も枯渇するような状態になる。従って、どうしてもこの際、公定歩合も引き上げられたことでありますから、公定歩合を引き上げておいて金利を上げないというのは、どうも国民は納得いかない。いわんや好意的に預金をしよう、進んで預金をされる、その預金熱というものを非常にさますことになる。これは従って早急に再検討をして、それらの預金者の熱意にこたえるように努力をしてもらいたい、このように考えますので、その点は一つ検討を願いたいと思います。  それから次に私がお尋ねいたしたいのは、先ほどからの大臣の御答弁を聞いておりますと、これは郵政大臣だけではなくて、国有鉄道にも言えることなんですが、電電公社にしましても、あるいは国有鉄道にしましても、こういった公共事業というものは、これは私は独立採算制を無視せよというのではありません。けれども、その独立採算制にこだわるの余り、いわゆる非常に繁忙な地域、そして片方では非常に閑散な地域——政府でもその閑散な地域と繁忙な地域の生活の格差をなくするように努力せられておることは、私賛成でありますが、しかし、実際の事業を見てみますと、あまりにも閑散な方に対しての均霑された政策がとられない。これは電電公社にしましても、国有鉄道にしましても、あまりにも政府が独立採算制を強く要求するものですから、従って、そういった閑散地域については、勢い、電話にいたしましても、あるいは鉄道の諸施設にいたしましても、非常な冷遇を受ける、こういうことに私はなると思う。この独立採算制と同時に、それらの均霑した政策をとって、閑散地域の人々にも文化その他進んだ施設の恩恵に浴させるように努力すべきではないか。そのためには、独立採算制に若干の支障があるということがあっても、それが私は公共事業としての性格で、国が行なうといいますと語弊があるか知りませんが、少なくとも、電話にしましても、鉄道にしましても、今日では、国民全体の感情としては、国がやっておるのだ、こういうように思っておるのでありますから、従って、私はもう少しそういった点に留意をすべきではないかと思うのですけれども、いかがでしょう。
  226. 迫水国務大臣(迫水久常)

    迫水国務大臣 郵便なり電信なりが、もうけ仕事ではないということは事実です。ただ、独立採算制でやっていくという建前になっているということであって、決してもうけ仕事にやるのだということでありませんから、もうけが少ないところについてもできるだけの施設をして、今山口さんのおっしゃいました均霑といいますか、普遍的にサービスを適用していくということについては、十分従来も努力してきましたし、今後ともその線に沿うて努力するつもりでおります。
  227. 山口(丈)分科員(山口丈太郎)

    ○山口(丈)分科員 そこで電電公社にお尋ねいたしますが、この説明書の中で、建設資金総額は二千百二億円、この財源は、自己資金が千二百六十三億円、外部資金が八百三十九億円、こういうように説明されております。この自己資金と外部資金との内訳をちょっと御説明願いたい。
  228. 井田説明員(井田勝造)

    ○井田説明員 お答えいたします。  自己資金の千二百六十三億の内訳は、減価償却引当金六百五十三億、それから損益勘定よりの受け入れが五百十六億、それから債券発行の差損償却引当金が七十三億、資産充当が二十一億、以上で千二百六十三億に相なります。それから外部資金の内訳でございますが、加入者債券が六百二十八億、設備料等が七十九億、受益者債券が二億、公募債が五十八億、外債が七十二億、これで八百三十九億円に相なります。
  229. 山口(丈)分科員(山口丈太郎)

    ○山口(丈)分科員 そこで、加入をもう少し容易にするために、いわゆる加入者債券というのですか、これはたしか今十万円ですが、地域によっては違うと思いますが、どうなっておりますか。
  230. 井田説明員(井田勝造)

    ○井田説明員 東京、大阪等では十五万円の債券を引き受けていただいております。いなか等におきましては二万円であります。
  231. 山口(丈)分科員(山口丈太郎)

    ○山口(丈)分科員 都市においては、商売をしているとかなんとかということになれば、これは私はいいと思いますけれども、しかし、一般家庭ではその債券の負担に耐えられない、引きたいけれどもどうもその債券負担額が大きくて負担し切れない、加入はなかなかむずかしい、こういうような声を聞くのですが、これを引き下げる用意はありませんか。
  232. 大泉説明員(大泉周蔵)

    ○大泉説明員 この点につきましては、実は一昨年拡充法が通りましたときにもいろいろ御議論があったように記憶いたすのでありますが、電話をつける種類、申込者の種類によっていろいろ債券額を変えるということは非常にむずかしい。と申しますのは、電話は現在財産権として譲渡が認められておるという状態の中において差をつけるということは、非常にむずかしい状態ということになりまして、譲渡制限とか、いろいろ本質にもかかわる問題があるということで、それは非常に困難だ。しかし、住宅加入者等が入りやすくするように何か方法はないかということで、実は共同加入の債券というものを非常に引き下げる。たとえば東京都で単独加入は十五万円の場合は、これは共同加入では五万円とするというような工合に考慮されまして、ほかの小さい都市におきましてはそれの比例でもっと安くなっているというようなことでやっております。
  233. 山口(丈)分科員(山口丈太郎)

    ○山口(丈)分科員 そうしますと、御存じになるかどうか知りませんけれども、商業用の電話と一般家庭の電話とでは架設する順位も違い、営業用の電話の維持費というのですか、基本料金というのですか、それと一般家庭の基本料金とではたしか区別がついているわけです。そういうように区別がつくのなら、これは私は架設するときでもそういうことができるのではないかと思う。もし架設した後に直ちに利権譲渡などによって電話の使用種類といいますか、何といいますか、それを変更する場合には届出させてその差額を負担させるとか、そういういろいろな手が打てると思うのですけれども、いかがでしょうか。
  234. 大泉説明員(大泉周蔵)

    ○大泉説明員 この点につきまして、そのような具体的に使う状況を見て、一々その譲渡の際にさらに債券の差額と申しますか、新たに債券を発行して引き受けていただく、あるいはそれでは業務用のものから住宅の方に譲渡した場合に、その債券はどうするのか、なかなかむずかしい問題でございまして、そのような電話の使い方として、単独加入として使うときには、やはりそれだけの使用価値もあるわけでございますし、そのようなわずらわしい、いわば電話の流通性に対して制限を加えるということは、実際問題としても困難ではないかという考え方で、その考え方は取りやめたわけであります。
  235. 山口(丈)分科員(山口丈太郎)

    ○山口(丈)分科員 それがいけないんです。とにかく安易なことばかりを考えてやるということは不親切だと思うのです。ですから、やはりそれはもっと親切な気持で対処してもらいたいと思うのです。それでないと非常に無理をし、あるいは借金をしてでも必要な一般家庭は引くんですから、それは非常に苦しんでいるということになりますから、それじゃ困る。私はもう少し温情のあることをやってもらいたいと思います。ぜひ一つ検討をしてもらいたいと思います。  それから次にお尋ねしたいのは、同じ建設費の中でありますけれども、町村合併に伴う電話サービス改善五十一億円、農村漁村電話普及特別対策六十六億円となっておりますが、これの内容はどういうことになりますか。
  236. 井田説明員(井田勝造)

    ○井田説明員 まず町村合併関係について申し上げますると、電話局統合が三百十二局でございます。それから市外通話サービス改善によりますものが、市外回線のキロ程が三万一千九百キロ、以上で所要資金が五十一億円と相なっております。  次に、農山漁村関係でありますが、まず公衆電話を設置する、これが八千五百個でございまして、それからこの公衆電話と相呼応いたしますところの共同の加入電話、これが四千五百個であります。それから地域団体加入電話、これが二百カ所、以上をもちまして六十五億と相なっております。
  237. 山口(丈)分科員(山口丈太郎)

    ○山口(丈)分科員 そこできのうの質問で問題になりましたが、町村合併促進法については、大臣おいでですから申し上げますが、この町村合併促進法は時限立法ですから、期間内にやった場合にはいろいろな特典があるわけですね。ところが実際にはちっとも特典が実行されない。どういうふうになっておるのかというような意見が非常に強いわけです。私のところを例にとるのはあまりいかぬのですけれども、私のところは戸数にしてたった千三百四、五十戸です。そこに集配局が二局、それから無集配局が一局、こういうようにあるわけです。ところがその無集配局も合わせて三局の電話交換局として委託されているわけですね。それでその局の区域ごとに区域外からする市外電話で料金を非常に多く取られているわけです。一日も早くこの通話区域だけでも、局舎の統合等は、そういう大きなことはできないとしても、料金の通話区域の統一くらいは山口さんできるのじゃないですか。どうもこれだけ負担を多くされては、そして時間がかかってはかないません、こういう声が非常に多いのです。こういう点は非常にたくさんあるわけですけれども、今聞きますと三百十二局の統合の費用と言われておりますが、いろいろな人的配置やその他の関係で非常にむずかしいのではないか。従って、まず順序を立てて通話区域を指定して変更していく、こういうようになさってはどうかと思うのですけれども、いかがでしょう。
  238. 大泉説明員(大泉周蔵)

    ○大泉説明員 この合併町村に対します電話の施設につきましては、実は町村合併促進法ができましたときに、電電公社としてはこれに協力するために四キロ以内のところが合併ができたら、六キロ以内も合併をできるだけやろうじゃないか。それ以上のところは合併は困難だから即時通話にしようじゃないか。それは当初は十五キロまでというのを全部やろうじゃないかということで、第二次五カ年計画を改定して非常に幅広く進めておるわけでございます。  そこで今申されました、それについてはいろいろ設備も人もかかるだろうから、とりあえず料金だけは何とかならぬものだろうかという御質問でございますが、これは御承知の通り、電話の通話がたくさん通りますにはそれに即応する電話回線が必要なのでございます。二つの局の間を市内通話といたしますと、通話数が非常にふえまして、回線をふやさない限り通話は不能になるわけでございます。現在は市外電話の場合は待時通話と申しまして、電話が輻湊するときには順番に待っていただく方式が行なわれて、だんだん回線をふやして即時通話にしておるのでございますが、今も申しましたように回線をふやさずに料金を変えますと、通話が非常に輻湊する。その場合に順番を待っていただかなければならぬ。それにつきましては、待時通話とか特急とか至急とかいう制度を設けまして、順序を立てておるのであります。それをそういう制度にしないで、市内通話にして回線をそのままにしておきますならば、通話は非常な混乱を起こす。そのような混乱を起こすということは、電話の担当機関たる電電公社としては望ましくないので、それで先ほど申しましたような基準を立てまして、逐次全国で進めておりまして、第二次五カ年計画の終わります来年度では、ほとんど大部分が完了するのではないかという工合に考えております。  さて六キロ以上をどうするかというようなことになりますと、これは町村にも非常に大きいのも小さいのもございますし、また私たちのところには、同一市町村でない、自分の方は隣接町村だけれども、経済圏としては一つなのだからぜひ合併してくれといったような御要望も非常にたくさん出ております。あるいは同一市町村内でも加入区域内のところ、区域外の特別負担のかかるところ、いろいろございまして、そういうような点について合理的解決を迫られておるわけでございまして、そういうようないろいろな問題を公平に納得のいくように進めていくためには、やはり今申しましたような基準で逐次やっていく以外に方法はないのではないかと考えております。
  239. 迫水国務大臣(迫水久常)

    迫水国務大臣 実は、昨日井出さんからも同趣旨の御質問がありまして、私は常識的に何かもっとものような気がしたものですから、電電公社と夕ベずいぶん長い間、できないかということを検討いたしました。その結果、ただいま大泉営業局長が申しましたように、技術的に施設的に、なまじっかそういう料金の統合をしたら、かえってそのところの通話が混乱して、皆さんに御迷惑をかけることになるのだという説明を聞きまして、私はそれじゃできるだけ早く施設の拡充をして、そういう方向に進んでもらいたいということを強く希望しまして、早急に今すぐ料金の統一ということをしてほしいという気持を、いわゆる引っ込め、ざるを得ない状態に実はなったわけでございます。
  240. 山口(丈)分科員(山口丈太郎)

    ○山口(丈)分科員 私は、技術上のことはあまり詳しく知りませんが、なるほど線路の統合、増設はもちろん必要になってくるでありましょう。しかし、お尋ねいたしますが、本年は非常な努力を払われておるようでありますが、今の御答弁によりますと、本年と三十八年度中には何とかこれの統合について目鼻がつくような御答弁ですが、そういうことになりますか。
  241. 伊藤説明員(伊藤誠)

    ○伊藤説明員 ただいまお答え申し上げましたように、第二次五カ年計画期間中、来年度の三十七年までで今考えております方針、すなわち六キロまでは統合いたしまして、六キロ以上につきましては、即時通話にいたしたいという計画を進めて参っているのでございますが、大部分のものは三十七年度中に完了すると思うのでございます。ただ若干地元の反対なども多うございますし、あるいは統合することに対します反対などもございますし、あるいはまた三十八年度に局舎ができ上がるということによりまして、同時にやる方がよろしいということもございまして、そういう関係から若干残りますが、大部分のものは三十七年度で完了いたす予定でございます。
  242. 山口(丈)分科員(山口丈太郎)

    ○山口(丈)分科員 これは何かむずかしいことを言っておりましたが、私は忘れましたが、電話局が三局に分散しておるものを一つにすると非常に人手が少なくなる、それじゃ困るから、そういうことでなくて、料金は統一するが、各局ごとの現在の施設はそのままにしてほしいのだ、何かむずかしい統合方式があると言っておりましたが、私は手っとり早くいらとそういう方が早いのではないかと思うのですが、いかがでしょう。
  243. 大泉説明員(大泉周蔵)

    ○大泉説明員 今申されたのは私の方では従局合併と申しておりますが、その方式は距離が遠い場合には経済的なんですが、距離が近い場合にはかえって不経済になる、非常に複雑になるというので、これもやはり一定の基準を設けてそのような措置を、全部集めてしまう場合と、従局合併の場合と分けて考えているわけであります。手っとり早いと申しましても、そのままの局では進むわけでございませんので、今の従局合併で申しますと、やはり市外線路をふやし、交換台もふやさないとうまくいかない場合が多いのでございます。
  244. 山口(丈)分科員(山口丈太郎)

    ○山口(丈)分科員 私はこれで質問を終わりますが、今申し上げたように、せっかくこの町村合併促進法によって、実は経済的にもあるいは地方の実情から見ても、法律できまったんだから統合しようじゃないかというので、非常に無理な統合も実はやっているわけですけれども、その統合することによってこれこれこれだけの優遇措置が講ぜられるのだ、そこで多少は気に入らないけれども合併しようじゃないか、こういうようなことで合併をしたところが非常に多いわけです。ところが最近になってその合併した地域が、あるいは分町するとか分村するとか、血なまぐさい争いをやっておるところもあるわけです。それはなぜかといいますと、合併はしたけれども、その実際の施策というものが伴ってこないものですから、こういうことではわれわれは困るじゃないか、君らは町村合併でだましたんだ、こういうような極端な議論が出て非常に困っているところが多いわけです。ですからせめてこの電話の統廃合だけでも一つ早急に実現をしてもらいたい。学校の統廃合問題でもしかりでありますけれども、こういった公共施設につきましては特段の御協力をいただくようにお願いをして、私の質問を終わりたいと思います。
  245. 羽田主査(羽田武嗣郎)

    ○羽田主査 ほかに御質疑はございませんか。——質疑がなければ郵政省所管に対する質疑は終了いたしました。     —————————————
  246. 羽田主査(羽田武嗣郎)

    ○羽田主査 この際お諮りいたします。  本分科会所管昭和三十七年度一般会計予算中、運輸省所管郵政省所管建設省所管及び自治省所管昭和三十七年度特別会計予算中、運輸省所管郵政省所管建設省所管及び自治省所管昭和三十七年度政府関係機関予算中、運輸省所管及び郵政省所管についての討論、採択は、前例により予算委員会に譲ることといたしたいと存じますが、御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  247. 羽田主査(羽田武嗣郎)

    ○羽田主査 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。  これにて本分科会の議事は全部終了いたしました。  分科員各位の御協力により、円満に議事を進行することができましたことを厚くお礼申し上げます。  これにて散会いたします。    午後四時二十九分散会