○川俣
分科員 大蔵省、なれないからそういう答弁もやむを得ないと思いますよ。しかし
経済界の
動きをかなり注目されておるのですから……。これはこういうふうにごらんになったらどうでしょうか。神田市場なり築地市場に、農産物の集荷
状態によって、大根はたくさん入るから大根の値は下がるということではなしに、野菜全体の入荷率が高ければ、それに押されて比較的品不足のものであっても価格が上がらない。入荷率が非常に農産物の価格に影響しておるということになると思う。ですから、一体築地市場にどのくらいの野菜の入荷率があったかというととが、今日の相場に非常に影響しておることは御
承知だと思う。だから品物が不足なものでも、他の野菜が大量に入荷いたしますと、品不足だから高いということにはならない。この品不足の場合は特殊点に、向けられるということで、それはある程度高くなるかもしれないけれ
ども、消費価格が高くなるだけで、委託生産者に対しての歩戻りはそう上がっておりませんことは御存じの
通りですね。入荷が少なければ、特殊地帯に売りさばかれて、消費価格は上がりますけれ
ども、それによって生産者に歩戻りはして参りません。入荷率が非常に低いときには歩戻りが非常に多いという結果になっております。従って、果実でも同様でありまして、他の果実がどのくらい入荷したかによって、わずかに入った果実も、それに相対して押されて価格が下がっていく、他に入ってなければそのものは全体として高くなる、こういう傾向を持っておる。これはあなた方のところで十分調べて知っておられるはずです。今、私ここで出すと時間がかかるでしょう、だから出さないのですが、そこで農産物の価格というものは、大蔵省で
考える価格のようにはいってないということさえ、相沢さんにわかっていただければよろしいのです。そこで、そういう観点に立って、米価も見ていただかなければならないのだ、こういう
意味なんですが、それはこじつけだときっと相沢さんは言うであろうから、もう少し米価について詳しく説明をしなければならない、こうなるんです。わかっていただければ説明しないのですが、おそらく、わからなそうな顔ですから説明しなければならない、こう思います。
ここで農業生産の相対構成の変化を見ますると、この統計では耕種と畜産に分けております。耕種の中には米、米以外の穀類、豆類、果実、野菜、こうなっておりますが、一九三六年から三八年は、農業の総合を一〇〇といたしまして、見ますると、耕種の総計では一〇三・二、畜産が九三・四であった。それがちょうど戦争の直後一九四五年から四七年を見ますると、農業総合を一〇〇として、これをさらに耕種別に見ると、総計が二七・六で、そのうち米は一二四・三、米以外の穀類が九七・一、豆類が九〇・九、果実が八三・八、野菜が二三七・二、野菜は一九四五年から七年が一番生産の上がった年でございます。それに対して畜産物はどうかというと、三六・四と一番生産の下がった年です。それを最近時の、これは統計が必ずしも当たるかどうかわかりませんが、一九五七年から五九年を見ますると、米が九五・九、米以外の穀類が九二・三、豆類が一五・三、果実が一八〇・八、野菜が一一八・九と、野菜の生産は徐々に少しずつ下がりぎみでございますが、畜産は非常に膨張いたしまして、二一二・九。これは
昭和の十一年から十三年、一九三六年から三八年を基準に見ますとそうですが、最近時の、いわゆる農業と他
産業とが均衡された年だと言われる
昭和二十五年から七年を基準にして見ますとどうなるかというと、
昭和二十六年の畜産物が一一二・五が二十八年には一四八・一、三十年には一八一・四、三十二年には二一五・四、三十四年は、これは概算だとなっておりますが二四九・三。野菜はどうかというと、二十五年から七年を基準にしておりますが、二十六年は一〇八・六、二十八年は一三二・九、三十年は一四七・八、三十二年は一六六・八、三十四年は一七三・三、三十五年になりますと、これは野菜の方がやや横ばいになってきております。それで三十四年、一九五九年だけを比べますと、畜産物は二四九・王、果実が二五〇・〇、米は一八一・一、野菜が一七三・三、農業総産出額が一七〇・四となっておりまして、米の生産は他のものと比較した場合におきましては伸び率がとまってきておる、減ってくるという傾向にある。一体今後十年間に、米の生産はどうなるであろうかということの予想も立てていかなければならない。そういう場合に、一体どの程度に価格を形成するならば、
現状のままで続くのか。他の産物よりも非常に価格に敏感なのが米でございます。徳川時代から、米が農産物のうちで一番価格に敏感なる作物でございます。ところが果樹も商品生産でありますから、敏感だと言われておりますけれ
ども、消費価格が高過ぎるというと——生産者価格も高くなれば影響を与えますけれ
ども、小売価格だけを見て、高くなったから必ずしも生産が伸びるというふうにはならないのです。ところが米、従来から生産者価格と消費者価格の間の、何といいましても一番中間経費の少ないものであります。
自由経済時代におきましても二六%程度であったのではないかと思います。そういうふうで、
統制になりますとさらに中間経費が減ってきておる。まだ縮小しなければならないと言われておりましても、一番生産者価格と消費者価格の間の、中間の経費の少ないのが米であります。それはなぜかというと、
一つは価格に非常に鋭敏な性質のものだということでございます。従って価格形成がどのようにされるかということによって、今後の米の生産額にどのように影響するかということを検討しておかなければならない問題だ、私はそう思いますけれ
ども、長官はいかがですか。