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足鹿分科員 そのせんさくをあえて申し上げませんが、その民間人が問題になったわけであります。当時の新聞記事等を総合判断をしてみますと、私が申し上げた点はそう間違っておらないと思います。あなた方が傍受しておられる正規なものと、その引き揚げに従事をした
地方住民の話を私
どもは聞いておるのでありまして、その点はあえてこれ以上申し上げません。
そこで、現在美保
飛行場の
滑走路延長をめぐって
施設の拡充が
計画されておる。行く行くは86Dあるいは104戦闘機の配備等に進むであろうと
地方住民はおそれておる次第であります。とにかく、ことしの
予算あるいは国庫負担外義務負担、それから繰越明許、継続、これらを総括して美保
飛行場に計上されておる
金額は、その費目別に何ほどでありますか。それだけはここで明らかにしておいていただきたい。
それから、二千四百メートルの
滑走路を
延長する場合、両側及び前方に着陸帯を、二千四百の場合は現行
航空法の規定によって百二十メートルずつ両側に着陸帯を作る。前方にもそのものを作る。後方にも作る。後方は陸地に続いておりますから、三方にそういうものができる。こういうことになるわけでありますが、これを計算してみますと、二千四百メートルに百二十メールを三方へやりますと、大体二千五百メートル前後になろうと思います。これを町歩に直しますと、六十町歩から六十五町歩という膨大な島を
一つ形成するわけであります。それはここにありますように、
長官は現地をごらんになったかどうか知りませんが、ちょうど山陰の
住民が多年の念願として、
昭和三十八年にはいよいよ中海の干拓が実施の
段階になる。国費九十六億と伝えられておるのでありますが、すでに実
施設計は本年の春の末ごろには完了の
段階に至っておるとわれわれは仄聞しております。その一番大事なところに、これが出てくるのであります。といたしますと、いわゆる潮流を阻害するのみならず、そのような六十町歩前後の大きないわば島を作るわけでありますから、その結果は、この
周辺からくみ上げる土砂あるいは埋め立てに要する砂れきあるいは岩石その他の収集、そういう
関係も出てきまして、大きな問題になろうかと思います。のみならず、現在の土木技術の上から考えてみましても、われわれしろうとでありますが、遊水面の計算に大きな変化が起きてき、従って、いざ一朝高潮あるいは洪水等の場合においては、その遊水量に変化がきますならば、それでなくても非常に地下水の高い、そして海水面との差の少ない低地帯でありますから、これは重大な
事態が予測されるわけであります。従って、もしそれをやるとするならば、中海干拓の一部をその面から削除して、遊水量に異動を来たさないような
事態が考えられる。そのことは中海干拓に大きな支障を与える。鳥取県側は干拓によって受ける面積は百町歩前後にすぎません。ほとんど島根が
中心となり、米子湾の一部に独自の干拓が関連して行なわれる。といたしますと、先ほど冒頭に述べました
基地周辺の
開発投資、
環境の
整備等に
長官は努力する
方針でいろいろと
関係者と連絡をしてやるとおっしゃいますが、事実において、
飛行場によって致命的な打撃を受けるのは鳥取県側ではありません。同時に島根の千桁
計画に関連する問題としましても、重大な支障が起きることは、火を見るよりも明らかと言わねばなりません。こういう情勢をわれわれが考えましたときに、美保の
飛行場は、われわれは憲法上の
立場からもあらゆる
立場からも、断じて認めるものではございません。その
立場は一歩別な問題としても、
地方住民の夢を破り、そしてこの山陰におけるただ
一つの多年の念願が今や成就のせとぎわのときに、あなた方が恣意的なこのような
計画をいまだに放棄しないでいるということは、非常に認識の足らざる点である。そうして口には高度成長、低
開発地域との調整を言いながら、
一つ一つ事実に反するやり方を依然としてやられておる。そこに私は大きな問題を
指摘して、適地でないのみならず、このような甚大な被害を与え、そして中海干拓には致命的な大きな
障害をもたらすであろうこの美保
基地の
拡張計画の撤回を私
どもは主張してやまないものであります。思想的、あるいは主義、主張の
立場を越えて、
地方住民が今のように反対しておるのは、私が申し上げるまでもないのであります。決して私
どもの一部の意見や、あるいは一部の人々の宣伝によって
地方住民が立ち上がっておるのではない。そのことを十分あなた方は認識される必要があると思うのでありますが、その点についてさらに
長官が十分反省をされ、現実を認識されて、この
計画を中止されんことを私は特にこの機会に申し上げたい。毎
国会このことはいつも申し上げておりますが、おやめになるまでは私はこの問題を徹底的にやるつもりであります。決して
一つの思想的な
立場に立った意見で申し上げておるのではない。
地方住民のほんとうの心の中から出てくる声を私はあなたによく聞いてもらって、今のような公式にも非公式にも、私
どもから言うならば陋劣とさえ思われるようなあらゆる懐柔政策等を打ち切られて、
地方住民の意思を尊重されんことを特にこの機会に申し上げまして、私の時間もだいぶ過ぎたようでありますので、質問をこの程度で打ち切りたいと思います。