○森永
説明員
中小企業金融公庫の貸し出しの手続でございますが、よく、どうも期間が長くかかり過ぎるというおしかりを受けまして、私どもも非常に恐縮をいたしておるわけであります。
ただいま
お話もございましたが、
金額が比較的かさむということもございましょうが、それより、やはり長期
資金である関係で、しかもその償還につきましては、金繰りで償還するということではなくて、利益金の中から償還できるものを貸すという建前でいたしております関係上、普通の取引先のあるような金融機関で運転
資金を貸すように、右から左というわけにも参らないわけでございまして、その間、その企業の実態につきまして審査をし、また企業診断もやらなければならぬというような面もございまして、若干の日数がかかるのはやむを得ないのでございますが、それにいたしましても、あまり長くかかりましては皆様にも御不便をおかけするわけでございますので、できるだけその期間を短縮したいということで、鋭意努力をいたしておるわけでございます。
ただいま申し上げましたような融資の性格から申し上げまして、二ヵ月か三カ月くらいの日数はかかる、また、そのくらいのうちにはぜひ貸し出さなければならぬと思うのでありますが、それよりも長く時間がかかっておる例が御指摘の通り間々ございます。
ただ、私参りましてから、人員の充実にも努力し、また職員の能率向上も鋭意はかりました結果、三十六年九月現在で、たしか直前の三、四十件について、実際の所要期間を前
年度と比較してみましたところ、二、三割方の短縮にはなっておる、その程度の能率向上にはなっておるような結果が出ております。もちろん、これではまだ不十分でございますので、今後も十分能率の改善に努力すると同時に、人員の充実をはかっていかなければならないと思います。御承知のように、公庫創設八年間を経過いたしたわけでございますが、公庫で採用いたしました新卒の職員諸君もだんだん熟練いたして参りまして、これからは能率も上がる一方になるわけでございますが、それと同時に、毎年新しい卒業生の補充に努力いたしまして、人員の面、能率向上の面、その面で鋭意努力を重ねて参りたいと思います。また、書類その他の面の問題も、事案の性質によりまして、あるものはできるだけ簡単な調書で済ませられるようにというようなことで、しかも、今日では、その簡単な調書の方を、全体の中でよけい、七、八〇%はその簡単な調書で済ますようにというような指導をいたしておるわけでございます。このようないろいろな面で努力を重ねまして、御期待に沿うように努力をいたして参りたいと思っております。
ただ、もう
一つ事情がございますのは、
資金量の問題でございます。私どもの公庫の直接貸付は、三十六
年度で大体二百五十億、そうしますと月間二十億でございますが、実は昨年末現在で百二、三十億の申し込みがあるわけでございます。その
資金量の面から時間がかかる、早く出そうにも金がないという問題もありますことを、当面としては御了承い
ただきたいと思います。
以上は面接貸付について申し上げたのでございますが、代理貸付は、御承知のように、全国に七百くらいの代理店がございます。その店舗は五、六千あるわけでございますが、ここでは迅速簡便に中小企業の皆様方の
資金需要に応ずるようにということで、今後も代理貸しを活用していかなければならぬと思っておりますが、そこで起こっております現象は、これまた
資金量が不十分でございまして、大体三ヵ月くらいしないと自分の
資金を払い出してもらえる番が来ない。当面、そういう非常に膨大な
資金需要に直面いたしまして、
資金量の面からもそういう制約があるような実情でございます。この点もあわせて御了承い
ただきたいと思います。
いずれにいたしましても、鋭意手続を簡素化し、能率を向上し、陣容の整備に努めまして、今後できるだけ期間の短縮をはかって参りたいと存じておる次第でございます。