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横路委員 河野農林大臣の今の
答弁は、当時のお考えとは全く変わっているわけです。あなたは当時対米債権四千七百万ドルの問題についても、通産省の
資料を十分
承知の上で二十八年七月のこの
国会で
質問をしているわけです。だからあなたは、今佐藤通産大臣が私に
答弁しましたように、
日本側としては何ら算定すべき金額もない、援助物資、商業物資のその仕訳もつかない、だから、三十四年三月以前のものについては、これを債務の対象にすべきではないというのがあなたの考えであったわけです。その点が、今、
池田内閣の閣僚としてこれに賛成されたことは、当時のあなたのここにおける
発言とは全く違うわけです。
次に私は、この点は
総理にもぜひお聞きをいただきたいと思う。一九五〇年における
アメリカの第八十一
国会の下院の歳出
委員会、ドッジ氏が提案したステートメントの中で、次のように言っています。対日援助の主要な援助物資であった食糧、綿花はいずれも過剰物資であり、食品金融会社によってすでに買い上げられているが、これは現行方法によって買い上げなければならないものである、その限りでは、現在も将来も
政府支出の増加を意味しない、こう言っておるわけです。
先ほど佐藤通産大臣から、
日本側には何ら数字がない、金額が示されていないという
お話がございました。そこで私は、推定の金一額について、一々計算をしてみました。計算をしてみました結果、いわゆる
昭和二十四年三月以前の小麦につきまして、通産省がはじいたトン当たりの
価格を、年度一年前のそれぞれの
日本側が算定した数量に、全部計算を合わせてみました。そうしてその合わせた計算に基づきまして、
日本側が計算しているものと、当時私の手元に出されておりますところの通産省から出した当時の貿易資金特別会計時代における援助物資該当物資の国際
価格について、これは出されたあなた方の
資料に基づいて、私は
一つずつ計算をしてみたわけです。その結果、二十年から二十四年三月までの、あなたたちのはじいたものの数量にかけてみると、実に驚くべき、小麦だけで、あなたたちの計算は二億一千六百三十九万八千二十九ドルであるけれども、これを国際
価格――国際
価格といっても、IMFで出しているこの国際
価格で計算すると、驚くべし、二十四年三月までに
アメリカ小麦が六千六百六十三万八千百七十八ドル不当の利得です。二億一千六百三十九万ドルのうち、あなたたちが示した計算によると、実に
アメリカは六千六百六十三万八千ドル不当利得をしているわけです。それだけ
日本は高く買わされているわけです。この点を私たちはあなたに指摘をしなければなりません。たとえば石炭について、通産省が私のところに出している
資料に基づいて計算をすれば、
アメリカ側の計算は、
昭和二十二年の石炭については一九四九年の
アメリカ価格で計算すればどういうことになるかというと、実にトン当たり
アメリカ港渡しで十九ドルです。先ほど私が言いましたのも、全部これは運賃は別ですよ、別の計算ですから……。ところが
アメリカの国際
価格によると、石炭はその当時トン当たり九ドル六十九セント、
昭和二十三年のいわゆる援助物資によるところの
アメリカの石炭は、トン当り、正味だけで実に十ドル高いものを買わされているわけです。これはあなたの方で示されましたそれぞれの数量、金額に基づいて私は全部はじいたのです。こういうふうに、小麦については、わずか二十年から二十四年三月までのもので、三億一千万ドルで、その三分の一に匹敵するような約六千七百万ドルが不当利得、石炭については、トン当たり九ドルのものが十九ドルになっている。これが、この二十四年以前のいわゆる援助物資と称するものの
アメリカ価格です。ドッジがステートメントの中で言っておるように、食糧、綿花についてはすでに買い上げたものだ、
アメリカとしてはそれ以上支出は少しも増さないんだ、そういうものを、
アメリカとしてはこういう不当な利潤を
日本で上げて、しかも運賃は大体四倍ないし六倍とっている。これでもって二十四年三月までのものをはじいて、それが八億四千万ドルあるとか八億六千万ドルあるとかいうことは、明らかに、通産省にしろ外務省にしろ、
日本国民の立場に立った場合、もしもこれが援助物資だとしても、この
価格は不当である。私はあなたの方の計算に基づいて全部計算したんだ。これは明らかに二十四年三月までにおける不当な
アメリカの利潤です。だから、この
国会で問題になっているように三重払いではないのです。二重払いなんです。二重払いどころではないですよ。この点についてはどうですか。私はここに全部計算したのですよ。