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小松委員 在庫率が多い、思惑輸入があったからという、これは引き締め
政策のかげんでもあるし、今鉱工業生産が少しずつ落ちているかげんもあるが、これは行きつくところまで行きつくと思うのです。おそいか早いか知らぬが、三月か五月か六月か、ただ時期を延ばすだけで、それがもしあなたが言うように、いつまでも在庫投資というもので輸入を拡大していかなければ、不況の
現象はずっと続くということになる。あなたは結局貿易の収支ということを勘案しながら、金融で抑えて、不況
政策をずっと続けるということにしかならない。結論は、これはどっちかにこうなるわけだ。そこで問題は、今輸入だけをとってみればそういう格好になるでしょう。輸入だけ見れば、それを抑えて在庫投資がまあま
あというのでいけば、やがてはこれは不況がいつまでも続くということになるが、かりに今度輸出の方をとってみた場合にはどうなるか。少なくとも過去三年間の
設備投資の実力というものは、相当なものだと思うのです…
国民総生産、GNPの中におけるところの
設備投資の比率も相当多い。一三%ぐらいだと私は思っている。GNPに示すところの
設備投資の比率も相当大きいのです。そういうことになれば出産力というものはどんどん上がってくることは間違いない。過去の三十三年のときよりももっと大きな勢いで生産過剰の態勢になってくる、供給過剰に私は持ってくると思うのです。これはもう
設備投資が過去にたくさんあったのだから、必然のコースとして遊休にしておくわけにいかぬから、やはり生産の拡大になってくると思う。そうした場合にこれをそのままそっくり輸出に持っていけば、これは確かにいいでしょう。そのころ輸出が伸び、輸入も伸びるからいいでしょう。ところが問題はここにある。あなたはことし三十六
年度補正、三十七
年度の
予算案は、まことに財源のあるだけを出し尽くした大型、放漫な
予算を作り上げた。いい悪いは別です。私はこれは大型だから悪いとか、小型だから悪いとかそういうことを言っているのじゃない。放漫な出し尽くした
予算を作ったならば、四月からすぐにその
予算は財貨サービスとして散らばってはいかないけれども、少なくとも五月、六月、七月、八月の
年度の中ごろになれば、どんどん国内需要の方に回ることは当然でしょう。いわゆる財政の
予算が回らなければ別ですよ。あるいは財政投融資が回っていかなければ別ですが、これは何ぼ抑えても——大蔵大臣に言わせれば、これは相当最初の方は手かげんするから手かげんするからと、こう雷っているけれども、手かげんすると言ったって、来年のしまいまで手かげんするわけにいかないから、いつか手を放さなければならぬ。そのときに内需がぽっと出たときに、片や生産力が生産過剰になる、片一方は手がゆるんだ、こうなった場合に、今の消費水準、少なくとも予定された二・八%、昨年は八・八%だ、合わせると一〇%消費物価は上がるのですが、そういうときに、ぼんぼん
予算が出て、そして内需を刺激して生産過剰になったときに、この生産過剰と内需とが抱き合って、国内の
一つの繁栄ができると思うのです。そうなったときに、私はいわゆる輸出に行く力は弱まると思う。だからここが泣きどころになると思う。生産過剰であるから何とかこれをせなければならぬ、だから
予算で放漫にぶつ散らかして、それで何とか吸収する、そこまではいい。そこまでは何とか均衡になるでしょう。ところがそれから先に内輪だけで食いつぶして、外に輸出ができないという態勢が出てきたときが問題である。これは過去にもあった。だからもっとひどいことを言う人は、輸出を伸ばそうと思えば国内を不況にしろという
意見まで出る。それはそういう
意見が出るのはあたりまえです。ここで問題は、片一方では輸入のカギが出てくる。そうして今度はその次に輸出の力が出ないで、内需に生産過剰が回ったときには、また再び輸入過剰の態勢になる。もしそうならないようにするならば、この
抑圧政策あるいは不況
政策あるいは
デフレ政策というものは、ずっとこうあなたが長い目で見る、その長い間、全部不況
政策で続かなければならぬ。あなたがどこまで不況
政策をやるかということは、私はそれが一番の関心事なんだ。いつあなたがこの輸出と輸入のバランスをこわすか、あるいはしんぼう強く不況
政策、
デフレ政策を続けていくか、ここが問題のところでありますが、この点について
総理のお
考えはいかがですか。