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上村委員 私がなぜそういう点を
お尋ねするかといいますと、
訴願前置主義というものを原則的に取りやめる、こういうわけですね。これはなるほど御
説明にもなりますし、いずれ御提出される予定の
行政不服審査法、こういうものとにらみ合わせて考えないと、私の
質問もきわめてこまかい点に入れませんものでありますから、実はきょうは概略的な
お尋ねをいたしておるわけであります。
実は、なるほど
訴願前置主義というものは、もちろん
訴願法自体がきわめて古い、また
民主国家といたしましてはきわめて古過ぎるような理論体系になっている、こういうふうに思いますから、これは何とかメスを入れなければならない。こう思うが、ある
意味においては早期に
解決していくということにはなりはしないかというねらいですね、こういうことは
行政不服審査法の方にその
要請は取り入れられておるのではなかろうかと思うので、この分についてはこの程度で
質問を打ち切っておきたいと思います。
次に、少しくこまかい点を一点だけ
お尋ねいたしておきたいと思いますが、
行政事件訴訟法の第三条第五項によりますと、不作為の違法確認の
訴えの
規定がございます。この不作為の違法確認の
訴えの場合、これに関連しまして、この不作為の違法を確認するに際しては、これは判決をする際に、作為義務を前提といたしておるのじゃないかと思います。そうすると給付判決、給付の
訴えというものは、今度の
行政事件訴訟法としましては、一体どういうふうに考えられておるか。あるいは不作為の違法確認の
訴えで、ある一定の不作為の行為の違法が確認されたといたしました際に、それは
行政庁に対しまして一定の作為義務というものは確認するけれ
ども、一定の給付行為を命ずるような
関係は一体どうなのか。これは本案の作成についてもきわめて議論の多かったところであろうと思いますが、実際上ここで問題がきわめて起きてくるだろうと私は思うのであります。この点につきまして
一つ御
説明を賜わりたいと思うわけであります。不作為の違法確認の
訴えというのが第三条第五項にございます。これが不作為の違法確認が判決で確認されたといたします。その場合に、
行政庁に対しまして、不作為の違法なんでありますから、作為をするということを前提としておるだろう、だからその作為の義務だけを確認する、要するにその
行政庁に対する拘束力ですね、どの範囲まで拘束するのか、あるいは給付行為までもやらせる
意味なのか。これは
訴訟として
現実にきわめて起きてくるところであろうし、問題はきわめて多くなってくるであろう。その際に、あらためて給付の
訴訟を起こさなければならないのか、あるいはその給付の
訴訟は、この
行政事件訴訟法の体系としてはどこに所属すべきものか、ということだけをちょっと
お尋ねいたしておきたいと思います。