○猪俣
委員 一点だけお尋ねいたしますが、この昭和女子大学の
理事者の態度につきましては、学生、先生、こもごも詳細な訴えをわれわれにしているわけでありまして、実にその実態は驚きに絶えた学校が今日存在する、私どもは実に驚いているわけであります。一例を言えば、ドイツのナチスは最も愛国団体であって、ヒトラーは尊敬すべき人物だというようなことを放言しておる。そうして今志賀君が指摘しましたような、これは保守反動の教育をするのだということを揚言するとともに、先生を採用する際にはそれを約束させるそうであります。
そこで中野という教師が退職せしめられておりますが、全然その
理由がわからぬというので、今法務省の
人権擁護局へ訴えているわけであります。これは法務省の
人権擁護局長が出席されましたら詳細にお尋ねするつもりでありましたが、きょうは出席がありませんので、後日に留保いたしておきます。
文部省の方々がお見えになっておられるそうでありますので、お尋ねしたいことは、一体こういう学校等、私立学校に対する文部省の監督権はどういう範囲になっておるのでしょうか。今申しましたような国会で質問が出ました際に、文部省は積極的にこの昭和女子大学の教育の内容等を
調査することができるのかどうか、またできるとするならば一
調査する意思があるかどうか。
私はついでに申し上げますが、民主主義は共産主義の温床だということをこの学校の
理事者は堂々と生徒に訓示しているそうであります。これは一体教育基本法に違反せざるものなりやいなや。ヒトラーを賞賛し、民主主義は共産主義の温床だと言うようなことが、この日本国憲法の支配下における現在の学校にあるということは、実に驚きに絶えたことであるが、かような教育がされておるのに対して、文部省はいかなる指導監督権があるのであるか。もちろんこれは抽象論であって、さようなことを学校がやっておるかどうかは、学生、教師の訴えだけであります。これは今法務省の
人権擁護局で取り調べ中でありますから、局長の国会に出席とともに私どもは事実を明らかにしてほしいと思うわけでありますが、文部省はこれと並行いたしまして、どういうような
調査権があるのであるか、監督権があるのであるか、その原則を示していただきたい。