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宮地(茂)
政府委員 学校教育法ではただいま
山中先生がおっしゃいましたようになるほど大学には「学長、教授、助教授、
助手」というグループと「及び
事務職員」ということで、
事務職員と
助手以上の
職員をそれぞれグルーピングしております。ただ
教育公務員特例法の第二条の定義にありますように、
特例法の直接適用
対象となる
職員には
助手は入っておりません。これはいわゆる大きくそのカッコのくくり方をどの範囲でするかでございますが、
事務職員に対して、大きく分ければ、
助手から教授、助教授までは一つのいわゆる
事務職員ではないというグループに分かれると思います。ところで次に、それでは
事務職員と分けられた教授、助教授、
助手までの、
山中先生のおっしゃいますいわゆる
教育職員、これをまたどのように分類するかという観点でいきますと、
教育公務員特例法では、そのうちの直接
教育に従事しておる教授、助教授等をつかまえております。直接
教育に従事しない大学の
助手は、準用
職員として、直接
特例法の適用を受けるのではなくて準用するふうに分けておる。このように一応
法律の建前はなっております。
それでは、こういうふうなことをするから
助手の
待遇が悪くなるのではないか、また教授、助教授の定員がないから教授、助教授に当然なってしかるべき者が
助手でおるのではないかという進んでのお説でございますが、しかしそれはそういうことにはならないと思います。現実に実態を見ましても、
助手は直接学生の
教育そのもの、教えるということには従事いたしておりません。させてもおりません。ただ直接教えます教授、助教授の仕事に非常に密接な関連のある仕事はさせておりますが、
学校教育法に
規定いたしておりますように、五十八条にありますように、直接教えることはさせていません。その直接教えられる
先生の
職務を助ける仕事はさせておるわけでございます。そういうことから
職務内容が違います。従って教授、助教授の定員がないから
助手というところにはまり込んでおるのではなくて、大学では教授、助教授を必要としますが、同時にその
職務を助ける
助手としての仕事をする人を要求しておるわけでございます。しかしながら実質的には、大学の学部を卒業しあるいは大学院を卒業した
人たちが、講師、助教授になる前段階として
助手という仕事をしておる、大部分の人がそういう人であるという事態はございますが、それぞれ仕事も違いますし、また違った
職員を大学という機関は必要としておるわけでございます。
それから、そういうふうにするから、
教育公務員特例法からも適用
職員と準用
職員に分けるから
待遇がよくないという点も、これは直接結びつかないと思います。それは
助手の俸給表は御
承知のように
教育職俸給表一の適用を受ける
職員でございます。
一般の
事務職員は
行政職一とか二とかといったような俸給表の適用を受けております。従って大学では学長から
助手まではそれぞれ
教育職一の一号とか二号とか、号俸は違いますが、
教育職俸給表一の適用
職員になっておりまして、明らかに
事務職員とは違った俸給表を受けております。
以上のような観点から、まあ中には
助手を長くやっておるのは助教授の定員がない、あるいは講師の定員がないので、その講師、助教授の
先生がおやめになるまで、定員があくまで
助手をやっておるという者が絶無とは思いませんが、一応そういう者が若干はあるといたしましても、建前といたしましてはやはり
助手という
職員は必要とする、大学という一つの機構の中では必要とするポストでございますし、そこのポストでいろいろ勉強して助教授、教授になっていくという実態も、非常に弊害なく行なわれておる点もございます。そういうことから一人々々を具体的にとって考えてみますと、中には
山中先生のおっしゃるような
職員が絶無ではないかとも思いまするけれども、さらばといって
教育公務員特例法のやり方を考え直さなければいかぬとか、あるいは現在の俸給表の立て方を変えなければいかぬとかいう問題に直接結びついてくるものとは考えません。