運営者 Bitlet 姉妹サービス
使い方 FAQ このサイトについて | login

1962-06-02 第40回国会 衆議院 農林水産委員会 第43号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十七年六月二日(土曜日)    午前十時四十九分開議  出席委員    委員長 野原 正勝君    理事 山中 貞則君 理事 足鹿  覺君    理事 石田 宥全君 理事 片島  港君       飯塚 定輔君    亀岡 高夫君       小枝 一雄君    坂田 英一君       谷垣 專一君    綱島 正興君       寺島隆太郎君    内藤  隆君       中山 榮一君    藤田 義光君       本名  武君    松浦 東介君       米山 恒治君    栗林 三郎君       中澤 茂一君    楢崎弥之助君       安井 吉典君    玉置 一徳君  委員外出席者         農林政務次官  中間 辰猪君         農林事務官         (農林経済局         長)      坂村 吉正君         農林事務官         (農地局長)  庄野五一郎君         農林事務官         (食糧庁業務第         二部長)    中西 一郎君         専  門  員 岩隈  博君     ————————————— 六月二日  委員草野一郎平辞任につき、その補欠として  亀岡高夫君議長指名委員に選任された。 同日  委員亀岡高夫君辞任につき、その補欠として草  野一郎平君が議長指名委員に選任された。     ————————————— 本日の会議に付した案件  農林水産業振興に関する件      ————◇—————
  2. 野原正勝

    野原委員長 これより階議を開きます。  農林水産業振興に関する件について調査を行ないます。  質疑の通告がありますので、順次これを許します。足鹿覺君。
  3. 足鹿覺

    足鹿委員 先般の四十国会開会中の委員会におきまして、私は麦問題についてお尋ねをいたしました。政府は、ついに、転換奨励金反当二千五百円を予算に計上しておきながら、農民の期待を裏切って、これが交付を取りやめましたことは、私どもまことに遺憾千万に思うものであります。これは今回の参議院選挙を通じまして、農民にその真相を伝え、政府麦転換対策に対して農民が協力したことに対して政府熱意を持って代作の対策も立てず、かつ転換奨励金をも交付を打ち切ったことに対して、十分その真相を伝えて世論によって政府責任を追及していきたいと考えておりますが、その際関連をいたしまして、同じ麦問題であります。ビール麦の問題について、私は河野農林大臣並びに経済局長等関係当局にいろいろお尋ねをいたしました。その際、六万五千トンの麦芽輸入ビール会社筋要請をしておるということをわれわれは仄聞しておるが事実かどうか、お尋ねをいたしましたところが、それは正式には何らそういうことを聞いておらない、あるいは下の方でそういう話があるかもしれないという程度の御答弁でありました。その後国会も終わりますし、最近の事情について、麦芽問題に関連してその状況をこの際御報告願いたいと思います。
  4. 坂村吉正

    坂村説明員 お答えいたします。  先般の委員会におきましておっしゃる通りの御質問がございまして、その当時は私ども正式には麦芽輸入の問題を聞いておりませんでした。その後大蔵当局及びビール業界から正式に六万五千何百トンでございましたか、麦芽輸入申請がございましたので、実は昨年、一昨年以来いろいろの経緯がこの問題にはございまして、農林省としては、考え方は、できるだけ、ビール需要は今後もふえるのでございますから、それに応じて日本のいわゆる国内産ビール麦を大体使って、そうして外国からビール麦麦芽輸入するようなことはやめよう、こういう考え方のもとに指導して参り帳して、昨年、一町年以来、モルトの製造設備が非常に国内に足りないのでございますので、それをできるだけ増設をするようにということで勧奨いたしまして、本年の三月末までに相当の設備増設をされましたわけでございます。そういう状況でございまして、できるだけ国内産のものを使うという建前をとっておりましたものですから、六万五千トンの輸入ということは非常に意外でございましたので、その後詳細に調査をいたしまして、現実問題といたしましては、設備はできましたけれども、今ではいわゆる原料麦がない、こういうのが実態でございます。そういう状況でございまして、一方におきまして、ビール需要が今までの伸びは大体一〇%から一五、六%くらいの伸びでございます。一昨年は一七、八%でございました。昨年以来非常に急激な伸びをいたしまして、昨年以来三〇何%ずつ伸びておる。それから本年の一−三月の状態を見ますと、四〇%伸びておる。こういう状況でございまして、それに応じましてビール原料麦が非常に足りない。こういう実態でございますので、そういう状況調査をいたしまして、これは現実問題、ないものはある程度輸入をせざるを得ない、こういう結論に達しておるわけでございます。
  5. 足鹿覺

    足鹿委員 ビール需要が増大をしたことは、私どももよくわかるわけでありますが、問題は一般麦作転換政府奨励をしておる中にあって、特に小麦ビール麦については転換奨励金の対象にもする旨を行政指導方針にも明らかにし、通達を流して今日に至ったことは御記憶に新たであろうと思うのです。その後数年前からビール需要が増大することに並行いたしまして、農業協同組合方面においてもこれを正規の共販体制に積み上げていくという方向がきまり、先年来その取引問題を通じて紛争が起き、当委員会においてもしばしばこの問題については熱心に論議検討が行なわれたのであります。聞くところによりますと、いまだに昨年産のものについても系統共販に乗ったものについては農業団体に対し全麦連に対する、麦購連に対する取り扱いと同一の取り扱いをしないで、指導諸費等についても支払いをしておらない。はなはだしきに至っては昨年のまきつけ当時には穂麦の配給にすらも差別をつけ、その支障を来たすような取り扱いすらもした。これは私、具体的な事実をあげて昨年も追求をいたしました。その後この問題は解決すべく農林省としても関心を払い、若干の対策を講じておるということも言っておりました。ところがその後いまだにこの問題の解決がしておらない。本来ならば、ビール会社需要激増に応じて施設を拡充されることは企業の自由でありますから、あえてとやかく申し上げるものではありませんが、それにふさわしい国内産ビール麦増産体制をはばむような、自分たちの言いなりになるというと語弊がありますが、直系の麦購連系統のものを通じないものに対してしかも二百万俵以上の系統共販に乗せる力を持っておる農協の本流に対して差別を行い、国内増産体制に著しい支障を来たしておる。それを未解決のままにしておいて、六万五千トンからの言うなりの麦芽輸入政府はお認めになるのでありますか。その一点を明らかにしていただきたい。要するにこれからビール需要はますます増大することは必至でありましょう。私は最近農村を歩いてみて、麦作が著しく不良であるということを痛感をいたしました。労力不足の点もありましょうし、政府が麦に対する指導熱意を失ったこともありましょうし、全くお話になりません。これはただ単に政府作況報告等を見て、私どもはそうであったかという程度で済ますことのできない状態にあることを憂えておるのでありますが、一方において需要激増しつつあるビール麦に対して、今後は国内増産体制支障になるようなことはそのままほったらかしておいて、輸入に依存していくという方針をおとりになるのかどうか、これは私は重大な問題だろうと思うのです。きょうは農林大臣おいでにならないようでありますが、国会開会中に党を代表して私ども麦芽輸入の問題について、農林大臣要請をいたしました。その際に、それはちらっと聞いておるけれども、六万五千トンの要請額全量自分考える気はない、しかし従来の実績程度は足らないというならば、これは一応考慮してみなければならぬ点もあるかもしらぬが、まだ正式には何も聞いておらないと、はっきり要請額に対しては応ずる御意向のない旨を明らかにされました。大臣おいでにならないようでありますが、政務次官はこの問題について、どのように大臣とお打ち合わせになっておりますか。あなたのお考えがないならば、大臣とお打ち合わせの上、ここで御答弁願いたい。
  6. 坂村吉正

    坂村説明員 おっしゃる通り、この前大臣が六万五千トンという要求がありますけれども要求通りにいかに足りなくても認めるつもりはないということはお話しの通りであります。私どもは、それは要求でございますから、実情を十分調査いたしまして、どうしても足りない分についてはこれは輸入しよう、こういうことで考えているわけでございます。それと同時に、一面におきましては、先ほどおっしゃいますようにビール表需要がどんどんふえて参りますのに、国内増産体制そのものが必ずしも今まで十分であったとは考えられないのでありますので 三十八年産といいますか、今年のまきつけの麦からは中央におきましてもビール需要員を十分調べまして、需要量に応ずるようなそういう生産計画中央で立てまして、そしてそれを県の方にも指導をして参りまして、そうしてその分についての全量ビール会社が買い取る、こういう中央での話をきちんとつけまして、そしてそういう態勢のもとに生産指導して参りたい、こういう工合考えているわけでございます。  またもう一つの問題の、麦購連農業協同組合との問題でございますけれども、これは先年来いろいろ問題がございまして、同じ農業団体内部の問題でございまするので、積極的に農林省としてどうこうという入り込んだ指導はいたしませんでございましたけれども農業協同組合系統共販という筋もございますので、そういう線で大体話し合いを各団体間で進めて参りまして、今の団体では、大体麦購連農業協同組合経済の全販連、そういう間の取り扱いルートが大体はっきりと実質的にきまりましたので、最終的にこれを協議といいますか、確認をする、こういう段階になっております。大筋を申し上げますと、ビール会社は従来のように契約は、これは単位の農業協同組合なりあるいはビール麦耕作組合なりそういうものと特約栽培をいたします。その特約栽培につきまして、技術指導は従来の実績がございますので、麦購連系統のものが指導に当たる。しかし販売ルート販売取り扱いについては、経済連系統が大体中心になって当たっていこうということで大筋はきめたのでございますが、ただ県に麦購連経済連、それから中央会、こういうものを主体にいたしまして協議会を作りまして、その協議会でその県その県の事情に応じてそういう点を扱っていく、こういうような大筋の線で話がついております。そういう状況になりましたものですから、ビール麦を今後増産をいたしましても、おそらくその販売ルートあるいは技術指導ルート等においては、農民増産意欲を阻害するような事態はあるまいと思っております。そういう状況でございますので、輸入数量はこれは何も言う通りには許可はいたしませんけれども査定いたしまして、必要最小限度のものを許可する、こういうように考えておるわけでございます。
  7. 足鹿覺

    足鹿委員 指導麦購連販売協議会を作って系統共販一緒にやるという話でありますが、これは農協内部のことはと簡単におっしゃいますけれども、事実内部のことではそうでありましょう。しかし麦購連というものがある県は数県にすぎないですよ。たとえば私どもの県は、長い間ビール麦の最も優秀な産地として内外ともに認められておるところでありますが、麦購連なんてありません。これは現在の系統共販一本やりで、私もかつてはそれに関与もいたしておったことがあります。そういうものはありません。あるところとないところがある。全国一律にあるのは現在の系統農協です。それが大体契約栽培という、従来これは系統農会当時からのいきさつなり歴史があって、主としてこれは系統農会がやっておって、当時の産業組合はあまりこれにタッチしていない。そういうところから、この新しい段階になっても、その流れが強いところや、いろいろな従来の実績等から、一部にそういう麦購連というものが産地にあるわけであります。ですから、この問題はただ単に農協内部の問題だ、おれらは知らぬというわけには参りません。あなた方は現に農協の合併を強力に指導をし、それを促進をしておられるような段階でもあり、総合農協に対しての考え方専門農協に対するところの考え方等、いずれも具体的にわれわれは意見も申し上げ、方針も伺いたいと思っておりますが、そう簡単に内部の問題だとおっしゃることはわれわれは了承するわけには参りません。その点はもっとお考えになって、国内においてすでに二十万町歩以上を減反をした麦が、小麦に一部いっているということは事実であります。が、それにかわるべきビール麦増産体制というものはできておりません。従って他のものへこれが転作をいたしますから、需給のバランスが破れて、あるものについては価格が下がり、あるいはてん菜糖等に転換しようと思っても、まだその問題が解決をしない、政府方針が確立しないから、事実においては休閑地その他になって耕地が荒れておる。十分裏作可能な地帯でも麦も作らない、若干の牧草を作って放任しておる。こういう事態が、明らかにもう農村には出ているわけであります。そういう面からも総合的な麦対策というものを立てて、その一環としてビール麦問題を、あなた方が一つ方針を樹立して農業団体の協力を求めて、そして国内の、自給体制を確立していかれる責任があると私は思うのであります。それを申し上げているわけであります。従って表購連系統農協とのいざこざ、従来の紛争問題はきれいにこの際片をつけない限りは、そして国内自給体制について確としたもののない限り、外国産の麦芽輸入するということに対しては、あなた方はそれを一つのきめ手として考えても、この際多年のこの問題を解決していくあなた方に責任熱意を感じられない限り、問題は、足らなくなれば外国から買えばいい、こういうことであってはならぬと私は思うのであります。こういう機会を除いてこの問題の解決する時期はないではありませんか。だからあなた方が積極的に乗り出していくべきではないか、そういうふうに思うのでありますが、これは大臣おいでになりませんのでいたし方ありませんけれども中馬政務次官、従来からの経緯をよく御存じのはずでありますがいかがでありましょうか。少なくとも国務大臣として御解決になる御意思があるかどうか、かわって御答弁を願いたい。
  8. 坂村吉正

    坂村説明員 おっしゃる通り、今までビール麦の積極的な生産体制というものはそれほど確実に農林省で立っていたと思わないのであります。その点はおっしゃる通り不十分だったと思うのであります。しかしこの機会農林省におきましても積極的に生産計画を立てて、国内自給体制を作っていく、こういうことでことしの秋のまきつけから始めていく、こういうことに一応踏み切っておるわけであります。それから国内の、販売体制につきましては、おっしゃる通りこれは今までいざこざがございましたけれども、これも大体すっきりと片がつく見通しがついたということを先ほど申し上げたわけでございます。これはもちろん県の事情事情によって、麦耕地というものがあるようなところもないようなところもございます。しかしそのいずれにいたしましても、麦耕地というようなものがあれば、従来の関係もございますから、あるいはそういうところが技術指導中心になるかもしれませんし、ないところはもちろん経済連なりあるいは中央会なり何なり、そういうようなところで技術指導するお考えもあるかもしれませんが、それはおのおの県内ビール麦のための協議会を作って、大体そこを中心にして取り扱いについても、それから技術指導についても進めていこう、こういう態勢が大体固まって参ったわけでございまして、その意味からすれば麦耕連のあるところないところ、そういう事情々々に応じた態勢が一応ケリがついたわけでございまして、これは非常にこの際すっきりとしたのではないかというふうに考えておるわけでございます。どうぞ御了承願います。
  9. 足鹿覺

    足鹿委員 そういうこまかい話はこれは局長から伺うのはけっこうなんですが、麦の転換方針をあなた方が打ち出されて、現に二十数万町歩減反が実現しておるのです。そのうち幾分かは小麦なり、ビール麦なりに移っておるということを私も認めますが、この際ビール需要激増に伴う国内自給体制を確立していく積極的な意図対策があるのかどうか。その一環としてこの問題を根本的に解決していかれるかどうかということを聞いておるのですよ。だからこれは経済局長の御答弁もさることながら、足らないところをあなたが中馬さんにかわって補足して下さい。
  10. 中西一郎

    中西説明員 河野大臣ビール麦についての国内自給体制については強い熱意を持っておりますから、ただいま局長答弁いたしました線と同様に、積極的に国内自給体制の確立に努めたいと考えております。
  11. 足鹿覺

    足鹿委員 そこでこの問題に直接つながる当面しておる麦芽輸入問題に対してはどうしようというのですか。実情調査検討して施設に見合うもので絶対やむを得ぬ数量というものはどういうデータに基づいて検討しておるのですか。大体結論に達したと世間では言っておるのですよ。
  12. 坂村吉正

    坂村説明員 現在のビール会社施設麦芽手持ち原料麦手持ち、そういうようなものの現状を調べて、ことしの需要に対しましてどれだけのものがあればいいのか、こういうことを調査いたしまして、その結果相当足りない数量が出るのでございますが、しかし現実に三十七年産麦もある程度無理をすれば食えないことはないだろう、こういうことも考えまして三十七年産の麦もある程度食う、こういう態勢を工場にもとらせまして、そういう考え方の上で査定をいたしまして割当をしていく、こういう結論でございます。
  13. 足鹿覺

    足鹿委員 輸入申請に対して査定をするというわけですね。その点については大蔵省とすでに打ち合わせが済んでおるのですか。この前伺ったときには、大蔵省全量でも認めたいのだ、たくさん入れてたくさんビールを作って酒税の増徴をはかる、こういう立場で大蔵省は幾らでも入れることは歓迎だ。しかし今私が述べたような観点からしたときにはそうも相ならぬ、そこで話し合いということになっておると聞いておる。もう話し合いがついて、世間では全申請数量を入れるのではなかろうか、もう農林省大蔵省の意向なり、ヒール会社の要望に沿って全面的にそれを認められるのではないかという話がありますから、それではるる申し上げたように話にならぬのではないか。ですから言葉のあやではなしに、いつごろどういう査定に基づいてどうだということを、少なくともこの国会を通じて明らかにできたら明らかにしてもらいたい。
  14. 坂村吉正

    坂村説明員 先ほど申し上げましたそういう指導をいたしまして、そういうデータに基づいて農林省輸入申請数量査定いたしましてこれを許可する、こういう考え方でございます。大蔵省農林省のそういう国内増産体制をこれから推進していくという問題、ビール需要についても農林省で大体見ておりますから、そういうことに絶対文句は申させないつもりでおります。話はついております。
  15. 足鹿覺

    足鹿委員 その話のついておるのはどういう話がついておるのですか。いつごろ何ぼ査定に基づいてきめるのですか。世間の誤解を解くためにも明らかにされたらどうですか、できないのですか。
  16. 坂村吉正

    坂村説明員 もうきょうあすにも出そうと思いますけれども、絶対に輸入申請通りというような数字は、私の方としては認める意図はございません。この点については大蔵省意見は申しておりません。
  17. 足鹿覺

    足鹿委員 それではその数量はよろしい。言う意思がないようなら無理に言わなくても、どうせ決定されるのでしょうから、それはそれとして、さっき言ったように協議会を作って系統共販の分と麦耕運の分との調整をやるのだという話で、完全に了解点に達したという話をされたのですが、了解点に達していないという情報をわれわれは得ておるのです。たとえば指導費、私どもの県のように系統共販一本のところで麦耕連のないところは問題ないです。ところがそうでない両者があるところは協議会の必要も出てくるでしょうし、従って指導費の問題も出てくると思うのですが、それは麦耕連に対して支払われると同額の指導費等交付をする、こういうふうに明確に話がついて、あなた方はそういう内容を知った上で、ここで今完全に話がついたという御答弁になっておるのですか。私どもが聞いておるのとはちょっと違うのですが。
  18. 坂村吉正

    坂村説明員 この問題は私の方も全販連からもビール酒造組合系統からも両方から完全に話の一致ができております。書いたものでいただいておりますからこれは間違いないと思います。ですから麦耕連のないような県におきましては、経済連ビール麦指導担当者を置いて耕作等について指導をやる、それについては指導費を出すのだ、こういうことははっきりいたしておるというふうに報告を受けております。
  19. 足鹿覺

    足鹿委員 ではその点は一応了承いたしますが、両者のあるところはどうなんですか。坂村さん、今一番問題になるのはそれなんじゃないですか。両者が今までの経緯上おもしろくない雰囲気も一時はあったでしょう。まだそれも残っておることでしょう。それを差別をつけないで、指導費を初めその他すべての取り扱いは等差をつけないという、そういう点は事実上解決しないと国内増産体制というものにやはりひびがくるのではないか、支障になるのではないか、私はこういうことを言っておるのですよ。
  20. 坂村吉正

    坂村説明員 おっしゃる通り両者がやっているところが今までもいざこざを起こしておるわけでございますので、そういう問題は協議会で大体話し合いの上片づく、こういうことになるのじゃないかと思っております。あるいは協議会において、指導麦耕連系統がやるとか、あるいは経済連一緒になって指導をやるとか、こういうようなことでおのおの分野をきめまして仕事をする、こういうことになろうと思います。その解決のために協議会各州ごとに作りまして、そこで県内仕事分野をきめていこう、それに対して指導料とかそういうものを協議会を通じて一本で払っていこう、こういう話し合いがついております。
  21. 足鹿覺

    足鹿委員 あとに質問者もあるようですから、最後にもう一点。  全販が取り扱っておる系統共販ビール麦取り扱いについて、事前に契約栽培の形式は進んでおるのですか。その点についてまだ十分了解点に達しないままに栽培を進めてきた、そして収穫ができた、その後の本年産の収穫されたビール麦全量取引の問題については、会社筋とは完全に話し合いは済んでおるのですか。あなた方が少なくともあっせんをされ、あるいは指導をされて、そういう点で意見一致を見、今まで今までとして、本年産ビール麦全量完全買い上げの問題は片がついておりますか。その問題がまたごたごたをするということでは、これはまた蒸し返しになると思うのです。一方では麦芽輸入が進められていくということになりますと、この問題をいつまでも国会等でやはり取り上げざるを得ないことになると思うのです。この点を、最後に、重要な問題でありますからはっきりしていただきたい。まだその点で十分とは言えないならば、今後やるならやる、こういう点を明確にしていただきたいと思います。
  22. 坂村吉正

    坂村説明員 具体的な本年産麦契約関係はどういう工合になっておりますか私も詳細には存じませんけれども、ことしはとにかく全量買おう、こういうことで、数量は覚えておりませんが、五百五十万俵ですか、これは絶対に買う、こういうようなことで話はついておるようであります。  それから先ほど申し上げました、話し合いの中で、単協契約をいたします場合には、県の協議会が大体世話をする、特約栽培世話をする、こういうようなことになるのでありまして、ですから協議会の方で、麦耕運中心になって世話をしますか、あるいは経済連中心になって世話をしますか、それは県々の実情によって違うと思いますが、協議会特約栽培世話をしよう、あっせんをしよう、こういうような内容でございます。ただいま申し上げましたいろいろの申し合わせは、三十七年産の麦から原則として実施しよう、こういう話し合いになっておるようであります。本年も大体スムーズに動くのではないかというふうに考えております。特に現状では麦が足りないという状況でございます。ですから輸入量をだぶつかせるような否定はいたしません。そういう状況ですから、全量を買うという態勢ができるのじゃないかと思います。
  23. 足鹿覺

    足鹿委員 政務次官に今の点を確認していただきたいと思うのですが、契約したものについても、あるいは昨年の秋の契約事情が明確でないものについても、全量買い上げの契約を結ぶ、その取引の条件等は何ら麦耕運等との等差をつけない、そういうふうにいくことは間違いなかろう、こういうことでございますが、ないとは断言されないようであります。当事者でないからやむを得ないと思いますが、少なくともまたこの問題についていざこざが起きて、次の機会にこの問題をわれわれが取り上げざるを得ないようになったときには、これは政府責任として私どもは今後も追及する必要が出てくると思うのであります。従って、もうこの程度でこの問題はこの機会解決をしてもらいたい。麦が足らなくて去年の倍も輸入したい、麦芽を買いたいと言っておるんだから……。にもかかわらず、国内のものについてはいまだに麦耕運のものと系統共販のものについていざこざを呼ぶような会社の態度というものは、私どもは公正な立場から見ても反省を要すると思うのであります。麦がほしくてしょうがないではありませんか。しかもたくさんの外貨をこの際収支のおもしろくないときに、去年の倍量も要求するなどということは、国内の問題に対して誠意を披瀝せずして潜越ではないかといわざるを得ない。この問題については、農林省全体の責任として、少なくともこの次の農林委員会等でこういう問題についてとやかく議論をしなければならなくならないように、全量買い上げ、これに関する取引条件等は完全に解決をつけるために全力をあげて努力する、こういう点についての明確な御言明を承りたい。
  24. 中西一郎

    中西説明員 足鹿先生の御質問、御要求は当然のことでありますから、農林省におきましても当然責任を持って将来ごたごたが起こらないように、明確に解決をいたしたいと考えております。
  25. 野原正勝

    野原委員長 次に、大豆・菜種価格の問題について安井君から質疑をいたしたいとの申し出がありますので、これを許します。安井吉典君。
  26. 安井吉典

    ○安井委員 時間が十分ないようでございますが、ごく簡単に、菜種の交付金、さらに大豆の交付金の問題につきまして若干お尋ねをいたしたいと思います。  三十六年産菜種の交付金が今なお未交付になっている状態にあるようでございますが、どういう事情からそうなっておるか、それにつきましてお聞かせをいただきたいと思います。
  27. 中西一郎

    中西説明員 三十六年産菜種の交付金でございますが、われわれの当初の予定としましては、四月中には少なくとも交付金の手続を終えたいということで作業を始めたわけでございます。ところで、御承知の通り、制度が始まったばかりであるということもありまして、集荷数景あるいは販売数量、それから流通経費、それぞれの項目につきまして標準的な計算をするという建前ではございますけれども、初めのことでありますので、実態を把握した上でないと標準的計算の基礎が確定できないという点がありましたので、それぞれの末端の農業協同組合につきまして資料を求めて、それを集計するという作業をやったわけでございます。その間計算違いもありましたので、食糧事務所の方を通じて別途役所の側として資料を吸い上げまして、役所の中で、系統農協がやる共同計算のやり直しをやってみるということもあります。そういうようなことでいろいろおくれたのでありますが、農業協同組合の方からの実績報告書が上がったのが四月の十六日でございます。それと食糧庁の方と突き合わせをしまして、これは大体終わりました。あと問題として残っておりますのは保管料と運賃、金利であります。特に運送経費と金利の関係について若干まだ突き合わせが終わっておりませんが、われわれとしましては大蔵省にいずれ提出する必要もありますので、現在のところとりあえず並行的に話を進めて、団体側と政府の方で並行的に進めるということで、できるだけ早く結末が出るように努力いたしておる次第でございます。現在のところでは概略三億三千万円台の交付金額になるのではないかと思っておりますが、計算のしようによっては三億三千万円を少し切れる計算も出ております。そういう点も至急確定いたしまして交付金が出るようにいたしたい。繰り返して申しますと、運送経費と金利の関係での突き合わせが少し残っておるということであります。
  28. 安井吉典

    ○安井委員 ただいまの御答弁では、初めてのことで実績把握に時間がかかって、特に流通経費の点検に日数がかかっているというふうなお答えでございますが、しかし昭和三十七年度産の新物も、もう六月ですから出回りが始まっているというふうな事態において、去年のものがいまだに農家の手元に入らないということは、これは農民の立場からも非常な不安があるし、やはり問題だと思うわけであります。今その流通経費の問題をあらためて点検しているというふうなお答えでありますけれども、私どもの目から見れば、大体において基準価格を告示するときにそういうようなものは十分考慮されて、事前にきめて指示されるというふうな筋合いのものではなかったかと思うわけであります。最初の場合だからそれがなかなかうまくいかなかったと言われますけれども、しかしこういうようなものはあとになって必ずどさくさの問題を生じがちなわけでありますから、最初から基準価格なるものがきめられていたときに、告示されたときに明らかにされるということでなければ、農家の手取りの内容というものが確定しないわけであります。今になってそういうふうなことではおかしいと思うわけでありますが、事前にそういうふうな運びをなぜしなかったか。その点もう少しお話をいただきたいと思います。
  29. 中西一郎

    中西説明員 お話の通り現に三十七年産大豆、菜種が出回り始めております。また組合の方では前年度の営業年度での決算時期が済んだというようなことでおくれたことは、はなはだ遺憾であります。来週一ぱいくらいには結論を出したいというように思っておるわけです。手数料その他の流通経費につきましての根幹にかかわる部分といいますかは、われわれの方で事前に指示をいたしたわけです。その後問題になりましたのは、やや微細でございますが、手数料等の関係では数百万円に達するわけです。例を申しますと、農家から出荷されましたものを今度は組合から駅まで持っていく場合の駅出し賃、これが非常にさまざまな実態でございます。その辺の実態を正確にある程度つかまえておきたい。これはあらかじめわかるという性質でなしに、町村によって距離が違いますので、その距離の関係での計算を実態に合わせてやり直しておるわけであります。大体作業としては完了いたしております。それからなお出庫料であります。これは出庫料を払っている協同組合もあり、あるいは払っていない、自分仕事をしている組合もあり、組合によりましては手数料の中から出しているというような例もありまして、これも一律にはどうもむずかしい。この辺で合わせて大体二百万円くらいの突き合わせがまだ済んでおりません。金利につきましては概算払いの全販県連における滞留日数と申しますか、送金日数についての点が残っております。いずれもあらかじめきめ得なかった点についての問題が残っておる次第でございます。
  30. 安井吉典

    ○安井委員 私は今の出庫料だとか金利の問題だとか、あるいはまた運賃の問題だとか、こまかな問題についてはもう時間もありませんし、議論をするつもりはありませんが、しかし今ここできまる経費のいかんによって、農家の実際手取りというものは違ってくるわけですね。私はそれが問題だと思うわけです。基準価格というものの問題につきまして、いつか私もこの委員会で特に大豆等について議論をしたことがございましたけれども、やはり農家の立場からすればそれは手取り価格だと考えております。少なくとも農民はそういうふうに理解しておると思うのです。あとから経費が多かったとか少なかったとか、そういうようなことで政府の一方的な査定で差し引かれるということになりますと、今までのこの御説明から言えば、おそらく基準価格を相当下回るような格好で結論が出るのではないか、そいいうように考えられるわけです。そうなりますと農民は一応期待したものの額が下回ったという形になって、そういうような点から今のこの仕組みに対する不満や、少なくも不安というものがずっと現われてくるということがおそれられるわけであります。大体において今のような仕組み、交付金とか補助金というふうな仕組みは、多くの場合はあらかじめ単価がしっかり示されて、それによって事業が行なわれておる。その後に査定が行なわれる、そのような仕組みに普通なっていますね。たとえば学校の建築にしたって、生徒児童一人当たり何坪、その坪当たりの単価は、木造の場合は何万円で、永久構造の場合は何万円というふうに、最初から指示されるわけです。その指示というものがあって、そしてあとで建築ができてから査定が行なわれる。そういうわけで、事前の指示というものに非常にウエートがあるものですから、そのあとの査定というようなものにも、工事の施行者は、その査定のいかんで若干の狂いができても、納得をするわけです。いわゆる補助金の適正化に関する法律の趣旨も、一体だけれど補助、助成が行なわれるのかということを本人がわきまえないでいて、あとで問題が起きたというのなら、これはだれだって納得しませんけれども、最初からはっきりそういうものの指示が行なわれて、その使い方が間違っているということにおいて、それによって戻させられたりあるいは処罰されても、みんな納得するわけです。しかしこの場合は、根幹になるものの指示は済んだと言われますけれども、それはどの程度のものかわかりませんが、今の御説明では、出庫料の内容も金利の内容もあるいはまた運賃諸掛り等も、ほとんど未確定のままに最初の指示がなされていたというふうにしかとれないわけです。今になってそれが問題になっておるとすれば、私はそういうことではないかと思うわけです。まあ学校の建築とこの場合とを比較するのが適当かどうかわかりませんけれども、いずれにしても、もう少し事前にこれらの面を明確にすべきでなかったか。それをしなかったために今混乱が起きておるのではないか、そういうふうに私は思わざるを得ないわけです。そこで、その指摘はそのままにいたしまして、今現実に起きておる問題でありますけれども、それは点検中だというふうに言われておりますが、今まで一度も農林省として、その途中において点検をしたり監督をしたりしていなかったわけですか。
  31. 中西一郎

    中西説明員 全体として百五十万表をこえるものであり、協同組合としては三千の数をこえるものの関係する仕事であります。それぞれの県の食糧事務所の末端を使いまして、問題をチェックしておきまして、あとで集計がきるだけの用意はそれで全部いたしております。そこで、それを積み上げての検討をしたわけであります。先ほど申し上げましたように、庫出料あるいは金利、運賃、こういうものはすべて料率表もありますし、借り入れの決定した金利もありますので、明確に指示をいたしております。ただ問題になりますのは、われわれとしては国費をよけいに出さないということだけでございます。農民が期待している手取りを割るということは毛頭考えておりません。流通経費をよけいに農業団体に出す必要はない、そこはできるだけ実態に即して正確にやって参りたいというだけであります。そういう意味合いであり、かつ、金額もあとわずかな突き合わせしか残っていないわけです。早急に作業は終わるものと考えております。
  32. 安井吉典

    ○安井委員 今の御説明によりますと、まあ来週一ぱいに結論を出すということ、それから突き合わせばもうほんのわずかの作業が残っておるだけだということ、それから農民の期待した手取りを割ることはないということ、そういうような点のお答えがあったわけでありますが、今ここまできた以上、今のやつをあと戻りさせるわけにはいかないだろうと思うのですけれども、これはこれからのあとの問題にもなっていくわけなんで、一年もあとになって、新物が出回るという時期に、前年の交付がないというようなことでは、これは醜態だと思うわけです。ですから、あらかじめ基準価格を明確に示し、諸経費も事前に十分に検討した上で示していく、そういうようなことで、交付事務が円滑に将来とも進むべきだと思いますが、その点いかがですか。
  33. 中西一郎

    中西説明員 お話の通りでございます。ことしいろいろ苦労を組合の方にもかけ、役所の方も初めての仕事でいろいろ苦労が多かったのですが、これをもとにすることによって、今後は早く仕事ができる、そういう標準的な計算ができるようになるというふうに考えているわけであります。
  34. 安井吉典

    ○安井委員 なお、大豆について、三十六年産のものに対する概算金の指示が、これもまだないそうですね。それも問題でそれよりも、大豆の問題については、例の作り加工の経費その他をどういうふうにするかという、もっと基本的な問題が残っておるわけでございますけれども、それはまた別な機会にすることにいたしまして、その概算金の問題だけは、これもやはり急がれることではないかと思います。これもこの示し方によってあとで問題を生ずるおそれがあるわけですし、また、流通経費の問題も、今のうちに明らかにしておかないと、これも同様に問題を将来大きくしていくことになるだろうと思います。この点いかがですか。
  35. 中西一郎

    中西説明員 実際に渡すべき概算金が幾らであるかというところまでは私の方としては関与することは避けたいと思っております。ただ流通経費を計算します場合に、概算金いかんによって金利の計算が変わって参ります。そういう意味では、どういうふうな概算金の額について金利を見るかという点は、お話のようにまだきめていないわけですが、通常の今までの共販体制の中で行なわれておったベース、おおむね三千円見当の概算金ならばというふうに現在では考えております。
  36. 安井吉典

    ○安井委員 その場合に、流通経費の問題も早急におきめになって発表される、そういうおつもりですか。
  37. 中西一郎

    中西説明員 これも若干の調査の積み上げがあります。と申しますのは、昨年三十五年産大豆についてやりましたが、それは全部北海道産だけでございまして、今度は少し事情も違ってくるんじゃないかということもありますので、若干の調査をいたしますが、御趣旨のような取りきめは進めるつもりでございます。
  38. 安井吉典

    ○安井委員 いずれにしても、大豆、菜種ともに、あらかじめ当初告示がなされたその場合においての取りきめというものが不明確であったために、あとになって問題を生じているというのが現在の事態だと思います。当面起きている、たとえば菜種の問題等について早急に結論を出させるし、農民の手取りを割らない方向で結論を出すというふうなことでございますが、将来においてもこういうふうなトラブルが起きないようにお進めになる必要があると思います。農林省大蔵省もずいぶんたくさん仕事があるわけですから、あとになってこういうふうなくだらないと言ったら語弊がありますけれども、こういうようなところにスタミナを費やさないで、やることが一ぱいおありと思いますので、告示の際におきまして、たとえば銘柄の問題なんかもはっきりするとか、あるいはまたこの流通経費の問題もあらかじめ明らかにする、そういうようなことで問題の派生を防いでいただきたい、こういうふうな方向でお進めいただきますことを希望いたしまして、私の質問を終わります。
  39. 野原正勝

    野原委員長 本日はこれにて散会いたします。    午前十一時五十一分散会