○安井
委員 私は今の出庫料だとか金利の問題だとか、あるいはまた運賃の問題だとか、こまかな問題についてはもう時間もありませんし、議論をするつもりはありませんが、しかし今ここできまる経費のいかんによって、農家の実際手取りというものは違ってくるわけですね。私はそれが問題だと思うわけです。基準価格というものの問題につきまして、いつか私もこの
委員会で特に大豆等について議論をしたことがございましたけれ
ども、やはり農家の立場からすればそれは手取り価格だと
考えております。少なくとも
農民はそういうふうに理解しておると思うのです。あとから経費が多かったとか少なかったとか、そういうようなことで
政府の一方的な
査定で差し引かれるということになりますと、今までのこの御説明から言えば、おそらく基準価格を相当下回るような格好で
結論が出るのではないか、そいいうように
考えられるわけです。そうなりますと
農民は一応期待したものの額が下回ったという形になって、そういうような点から今のこの仕組みに対する不満や、少なくも不安というものがずっと現われてくるということがおそれられるわけであります。大体において今のような仕組み、
交付金とか補助金というふうな仕組みは、多くの場合はあらかじめ単価がしっかり示されて、それによって事業が行なわれておる。その後に
査定が行なわれる、そのような仕組みに普通なっていますね。たとえば学校の建築にしたって、生徒児童一人当たり何坪、その坪当たりの単価は、木造の場合は何万円で、永久構造の場合は何万円というふうに、最初から指示されるわけです。その指示というものがあって、そしてあとで建築ができてから
査定が行なわれる。そういうわけで、事前の指示というものに非常にウエートがあるものですから、そのあとの
査定というようなものにも、工事の施行者は、その
査定のいかんで若干の狂いができても、納得をするわけです。いわゆる補助金の適正化に関する法律の趣旨も、一体だけれど補助、助成が行なわれるのかということを本人がわきまえないでいて、あとで問題が起きたというのなら、これはだれだって納得しませんけれ
ども、最初からはっきりそういうものの指示が行なわれて、その使い方が間違っているということにおいて、それによって戻させられたりあるいは処罰されても、みんな納得するわけです。しかしこの場合は、根幹になるものの指示は済んだと言われますけれ
ども、それはどの
程度のものかわかりませんが、今の御説明では、出庫料の内容も金利の内容もあるいはまた運賃諸掛り等も、ほとんど未確定のままに最初の指示がなされていたというふうにしかとれないわけです。今になってそれが問題になっておるとすれば、私はそういうことではないかと思うわけです。まあ学校の建築とこの場合とを比較するのが適当かどうかわかりませんけれ
ども、いずれにしても、もう少し事前にこれらの面を明確にすべきでなかったか。それをしなかったために今混乱が起きておるのではないか、そういうふうに私は思わざるを得ないわけです。そこで、その指摘はそのままにいたしまして、今現実に起きておる問題でありますけれ
ども、それは点検中だというふうに言われておりますが、今まで一度も
農林省として、その途中において点検をしたり監督をしたりしていなかったわけですか。