○
川俣委員 私、いろいろな国語学者に、わざわざ尋ねて意見を聞いたのです。日本語としてはそう読み切れない、こう言う。日本語として読み切れないものを
法律用語にしておくことは正しくないと思うのです。一、二の人でも、別な解釈をする人があるかと思ったら、聞いた限りにおきましては、ほとんどみんなそうは読めないと言う。ただ法制局で尋ねたところ、こういうふうに無理に解釈するよりほかないでしょう——これは読み方じゃない、そう解釈するよりやむを得ないでしょう。こういうできたものですから、そう解釈するほかやむを得ないでしょうという表現です。いい表現だとは何人も言わない。ですから、今度
改正されようという意図のときには、やはりこういう点をも含めておやりになった方がよろしいのではなかろうか。
政府原案ですけれども、今からでも、わかりやすいように表現することはちっとも差しつかえないのじゃないか、むしろその方が堂々たる態度ではないかと思います。
次に、具体的にまた問題を進めます。
そこで、安定基準価格というのが、一体標準価格なのか、平均価格なのか、生産費価格なのか、これがやはり問題になってくると思うのです。そうでなければ、その額を下って——価格が低落することを防ぐという前提になるその額、何から下って低落するのかといえば、乳製品を除いた原料乳及び指定食肉は、安定基準価格から下らないようにしよう、乳製品は下位価格から下らないようにしよう、こういう
説明なわけですね、あなたの
説明は。そこで、その安定基準価格というのは、四項に触れて、これらの再生産を確保することを旨としてきめるという、これが原則ですね。「これらの生産条件及び需給
事情その他の経済
事情を考慮し、」——これは考慮しなければならない。基準は、これらの再生産を確保することを旨とするというんですから。これが主です。ウエートが一番大きいことです。そうすると、安定基準価格というのは、再生産を確保するに足る価格でなければならない、それを下ってはならないと、こう読ましたいのだと思います。しかし、従来
行政が発動する場合には、やはりある基準価格の幅を持って、それから上になればどう、下ればどうというのが、従来の
行政措置としてとられてきた方法だと思うわけです。それを、十分その意を尽くさなかったために、国会で修正して、こういうかなり無理なというか、
行政上なかなかやりにくい——もっと安定度を高めようというやり方をしたのだと思うのです、当時の
考え方は。ところがこれによって、安定度を高めるということにはならないで、むしろ不安定な要素を非常に置いておるんではないか。この言葉は、乳製品の場合と食肉の場合と非常に違うのです、同列にしておりますけれども。原乳の場合と食肉の場合とは非常に異なるのです。原乳の場合は、生産費というものは比較的算出しやすい。また中間経費というものも算出しやすい。そこで販売価格といいますか、これもまた算出しやすいという傾向をとっておる。食肉の場合には、生産費は非常にとりにくい。しかも中間経費に至っては、統計的に見ても、このくらい動く中間経費というものはないです。また地域的に見ても、牛乳も地域差がありますけれども、食肉に至っては、地域井というか、県の中においてすら非常に差があるのですね。これはどうしてできてくるのですか。非常に価格がまちまちなんです。たとえば豚肉の場合、東北の青森、岩手、宮城、秋田、山形の月別価格を生体十キロ当たりで見まして、三十五年の四月は、青森が二千六円、岩手が千八百八十五円、宮城が千七百五十二円、秋田が千七百一円、山形が二千四百十三円。これほどの開きがある 生体十キロですよ。同じ東北なら東北という地域は、大体似ているのではないか。従ってこれだけの違いは、県内においても違うということです。山形県境、宮城県境、そういう境によっても違うということになる。これほどの差のあるものを、基準価格と申しますか、あなたの方でいえば基準価格という表現でしょうが、一体そういう表現で安定価格を算出できるかどうか私は非常に疑問だと思うのです安定基準価格が異なっておるじゃないか、従ってこれは集荷地でとれないから中央卸売市場の価格できめる、こういうのですけれども、この価格がまた二百四十円ときめられまして、現在表向きはそうですけれども、取引は二百二十六円か八円になっておる。もとをたどっていくと、輸送費はまた別ですよ。こういう事態のものについて安定帯なんというりっぱな文句を打つだけの基準価格ができるかできないか、これはこういうことでない別な価格の安定制度を
考えなければならないところへ、現実にあなた方の
考えは否定されておるじゃないか、どんなに豚の価格を下げようといたしましても小売価格は下がらない、小売価格が下がれば需要が拡大して参りますから、値が上がってくるはずなんです。小売価格が下がらなければ、需要の状態が牛と豚と同じ率だとしますれば、豚の需要の拡大にはならない、消費拡大にはならない、従って需要が拡大しない限り価格が低落してくる、こういう結果になるのじゃないか。とても役所あたりの細腕では、豚の基準価格をきめれば、あるいは安定基準価格をきめれば、それができるのだというような
考え方だけで審議会に臨んでも名案は得られないというふうに思うのですが、この点についての御意見はいかがですか。