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河野国務大臣 業界の
諸君が、去年
政府と
政府と約束をして、その約束ははっきりわかっておる、それをあれだけ魚をとってしまって、そしてその
業界の
意見を尊重しなければいかぬといって、それを尊重して、またよけいとられたらどうなりますか。それを尊重して、その根拠に立ってソ連と
交渉して、ソ連が信用しますか。立場を変えたらどういうことになるか。去年あれだけかたく
両国政府が約束して、これでいくのですよ、これでいって下さい、こういって
業界に申し上げて、そうしたら
業界が一万よけいとってしまいました。またことしも
業界の言うことを聞かなければきまりませんという態度で私がソ連に出かけていって、そういう根拠でソ連と
交渉したら、その結果がどういうことになりましょうか。ソ連が、ああそうか、よく
業界の言うことを聞いてきた、相談に乗ってやろうと言うでしょうか。少しは、外交ですから、やはりその辺については、かけ引きという言葉がいいか惑いか知りませんけれども、日本の
政府の立場というものも
考えていかなければならぬと私は思うんです。従って、最終的にはきめておりません。しかし一応
政府としての
考えはこういうことを
考えておりますということを申し上げるには、あまり早くから申し上げたのでは、
交渉にも入らぬうちから
——なぜ去年から言わなかったかとおっしゃるけれども、それはそうはいきません。だから
専門家会議が済んで、大体ソ連の空気もこっちの空気も見て、この辺のところまでまず
政府の腹を言うて、それを根拠に出ていかなければならぬじゃなかろうかという意味で私は相当慎重にしている。先ほども何か私が思いつきかなんかで言うたような御発言でしたが、全部事務当局の立てた案で、私は何ら示唆しておりません。この案については、
水産庁長官が専門家の
意見を十分聞いて、そうしてやったわけです。私はそれを見て、ああけっこうだ、うまくやりなさい、こう言ってやってきた。責任は私がとります。従って、今申し上げた
通りでございますが、なぜ
業界の言うことをもっと聞かなかったかというけれども、
業界の言うことを聞いたようなことを言ってソ連に行ったら、ソ連の方は、そんな
業界のことを聞いたんでは話にならぬと言うでしょう。聞かずに行ったような顔をして行かなければ話にならぬでしょう。去年失敗したのですから、
業界の人もそれだけの責任をとってくれなければと私は思う。従って、最終的にはまた
最終案ではございません。まだこれからさき高碕君がソ連と
交渉する
段階において、去年は一応七万、しかしことしは御
承知の
通り不漁年でございますから、七万トンにきまれば非常にけっこうでございますけれども、それは
お互いに
交渉して、幾らかはまだ減らすような話もしなければならぬ場合もあるのじゃなかろうか、こう思います。私は少なくとも、こちらが減らすことは相手も減らすことだ、こちらだけ減らすということはない、相手が減らすという以上はこっちも減らさなければならぬ、こう思うのです。従って、そういうような点を勘案しつつ今後の
交渉を十分にしてもらおう、そうして最終的に
結論を得たら、それに対して民間の方もことしは厳に御協力を願うというふうにいたさなければいかぬと思っておるのでございます。