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1962-03-15 第40回国会 衆議院 農林水産委員会 第19号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十七年三月十五日(木曜日)    午前十時三十七分開議  出席委員    委員長 野原 正勝君    理事 秋山 利恭君 理事 小山 長規君    理事 田口長治郎君 理事 丹羽 兵助君    理事 山中 貞則君 理事 足鹿  覺君    理事 石田 宥全君 理事 片島  港君       安倍晋太郎君    飯塚 定輔君       大野 市郎君    金子 岩三君       草野一郎平君    倉成  正君       小枝 一雄君    綱島 正興君       寺島隆太郎君    福永 一臣君       藤田 義光君    本名  武君       松浦 東介君    米山 恒治君       角屋堅次郎君    栗林 三郎君       東海林 稔君    中澤 茂一君       楢崎弥之助君    西宮  弘君       安井 吉典君    湯山  勇君       玉置 一徳君  出席政府委員         農林政務次官  中馬 辰猪君         農林事務官         (畜産局長)  森  茂雄君  委員外出席者         農林事務官         (畜産局参事         官)      保坂 信男君         農林事務官         (畜産局競馬監         督課長)    佐藤松壽郎君         参  考  人         (日本中央競馬         会常務理事)  石川 武平君         参  考  人         (日本中央競馬         会常務理事)  古木 隆藏君     ————————————— 三月十五日  委員玉置一徳君辞任につき、その補欠として片  山哲君が議長の指名で委員に選任された。     ————————————— 三月十四日  北見営林局寮土地を元所有者優先払下げの  請願永井勝次郎紹介)(第二三二七号)  臨時肥料需給安定法等廃止反対に関する請願  外二件(草野一郎平紹介)(等二四三四  号)  同外一件(草野一郎平紹介)(第二四七二  号)  同(堤康次郎紹介)(第二四九二号)  同(草野一郎平紹介)(第二六四三号)  昭和三十七年歴てん菜生産者価格改定に関する  請願本名武紹介)(第二四三八号)  酪農の窮状打開に関する請願外二百五十四件(  鴨田宗一紹介)(第二四九一号)  農林水産業施設災害復旧事業費国庫補助率引上  げに関する請願二階堂進紹介)(第二五〇  二号)  造林事業補助単価引上げ等に関する請願(二階  堂進紹介)(第二五〇四号)  鹿屋市上祓川町、有武町間の国有林道開設に関  する請願二階堂進紹介)(第二五〇五号)  農地及び農業用施設災害復旧費補助金の年度内  交付に関する請願二階堂進紹介)(第二五  〇六号)  農地法の一部改正に関する請願二階堂進君紹  介)(第二五〇七号)  てん菜振興に関する請願島本虎三紹介)(  第二六七〇号) は本委員会に付託された。     ————————————— 本日の会議に付した案件  連合審査会開会申し入れに関する件畜産物の価  格安定等に関する法律の一部を改正する法律案  (内閣提出第九三号)  競馬法の一部を改正する法律案内閣提出第一  〇四号)      ————◇—————
  2. 野原正勝

    野原委員長 これより会議を開きます。  この際お諮りいたします。  目下大蔵委員会において審査中の関税定率法及び関税暫定措置法の一部を改正する法律案について、大蔵委員会連合審査会開会申し入れを行ないたいと存じますが、御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 野原正勝

    野原委員長 御異議なしと認めます。よって、さように決しました。  なお、連合審査会を開会いたします場合の日時等につきましては、大蔵委員長協議の上、追って公報をもってお知らせいたします。      ————◇—————
  4. 野原正勝

    野原委員長 競馬法の一部を改正する法律案を議題といたします。  昨日に引き続き、参考人として日本中央競馬会常務理事石川武平君、同古木隆藏君が出席されております。  それでは質疑を続行いたします。玉置一徳君。
  5. 玉置一徳

    玉置委員 私は、地方競馬の存否をいかにすべきかという問題に焦点をしぼりまして、若干重複するかと思いますが、質疑をいたしたいと思います。  競馬開催されましてから相当な日時がたっておりまして、その間、軍事目的その他、いろいろな目的の重点の変遷があったわけでありますが、一般にいわれておりますように、この種のかけごとはなるべく廃止されることを希望されておるわけでありますけれども、今もってこれを続けていく理由ということにつきまして、政府当局の御答弁をいただきたいと思います。
  6. 森茂雄

    ○森(茂)政府委員 競馬は、御承知の通り近代競馬として発展して参ったのは、世界的にいって三百年、日本に輸入されてからも百年の歴史があるわけであります。外国の例におきましても、また日本の事例におきましても、馬の愛好者が互いに自分の育てた馬の能力あるいは競技技術を競うために発展してきたわけであります。馬は、世界においても、またわが国においても、農業生産あるいは運搬機関として、生産上重要な役割を占めて参りましたし、現在といえども農業生産上重要な役割を占めておるわけであります。これらの馬の能力を向上し、かつその能力を競い合うという点から、生産あるいは生活と切っても切り離せない歴史と、農村においては年間延べ四千回にも及ぶ祭典競馬等もあるわけであります。こういう意味からいいまして、農業あるいは畜産と本然的に密接な関係があるわけであります。そういう発達と、また現状におきましても、そういう祭典競馬的な意味におきまして、生産と祭りといいますか、そういう意味において深い根を根ざしておるわけであります。また、ほかの競技と比べまして、そういう意味におきまして能力を競い合うという点において違った点があるわけであります。ただ投票方法等におきまして、現在ほかの競技と統一しておる関係上、また施行方法あるいは関係者が個人的な立場でいろいろ操作する面もありまして不健全をいわれる点もあるわけであります。そういう意味からいいまして競馬存在意義というものは、農業生産娯楽畜産振興と重要な関係もありまして、深く国民の生活に根ざして参っておるものでありますから、かりに収益勝馬投票券を発売するにいたしましても、その弊害を是正されればいい娯楽だと考えまして、存続させて参りたいと考えるわけであります。
  7. 玉置一徳

    玉置委員 そこで、馬事振興に今もって非常に効果がある、畜産奨励に大いに役立っておる、こういうお話ですが、中央競馬会収得金の中で馬事振興に直接お使いになっておる費用幾らであって、具体的にどういうことをやっておるか。私なんかが見ておりますと、これは中央競馬会運営費用がほとんどであって、馬事振興というものは微々たるものであると思うのですが、そこの御説明をいただきたい。
  8. 森茂雄

    ○森(茂)政府委員 お話のように、日本中央競馬会法の二十条との関連目的から、競馬会馬事振興等に余裕があればできるだけその関係の方を助成していくという面から、中央競馬会は暦年の会計を立てておりますが、三十六年におきましては、種付所の設置、あるいは登録事業協会補助、あるいは競走馬を育成する費用、あるいは日本馬術連盟に関する補助装蹄関係に関する補助等年間約四千八百五十万円を支出したわけであります。その他市産の共進会等について一部助成をいたしておる次第であります。
  9. 玉置一徳

    玉置委員 そこで今局長の言われました、ギャンブルとしての弊害は努めて少なくしながら畜産振興に役立てさせるということですが、努めて少なくするということにはどういう手を打っておいでになるのですか。
  10. 森茂雄

    ○森(茂)政府委員 やはり競走馬に関しまして能力等観衆が判定いたしまして、そして勝馬投票券を買うわけでございますが、騎手、馬丁、その他厩舎関係等において、非常にまれな例の場合に不正行為が行なわれる、また販売方法等におきましても、相当施設が充実しておりませんと、環境上非常に不都合な事態が出る、そういうような関係、また非常にフロック的なことが多い場合に観衆がそれに誘導される、環境等におきまして昨日ものみ屋の問題がございましたが、そういう投票券だけの問題から、これは金銭に関係する問題なので、非常に弊害が出る。そういう確定につきまして不正が行なわれないように、能力のある馬がそのコンディションにおいて最高能力を発揮していく、そういう意味におきまして確率も科学的に考えられるわけでありますが、非科学的なものが出る場合を極力少なくして参ろうというわけであります。ときには薬剤、興奮剤等で事件が過去においてまれにあったこともありますので、われわれとしてはそういう点が是正されていき、ほんとうにその日のコンディションでその最高能力を発揮していくということになりますと、全くいわゆるかけかけと言いますけれども、蓋然性による確率というものが非常に公正化されていく、そういう意味において普通のかけと全く違うわけであります。そういう意味において弊害を是正していけば、単なる、かけということではなくて、自分が馬とともに走るスポーツということに発展していって、現在でも中央競馬会等においては、そういう意味で楽しまれておると思います。
  11. 玉置一徳

    玉置委員 そこで馬事振興には農業機械化その他がどんどん進んでおる今日、そう大した役割はないと思うのですが、それがあるといたしましても、片一方では郊外の空気の澄んだレクリエーションの場として、あるいは歴史的に見ても世界的に見ても、これは必要だというお話でありますが、そのかわりに弊害を努めて除去するようにやっていくのだというのが御説明の趣旨だと思うのです。思い切ってそういう弊害除去に力を尽くしていただきたいと思うのですが、その二つ目的から考え合わせましても、しばしば本委員会でも問題になりました場外馬券というようなものは、全くこの範疇から謝れてしまうのじゃないか、こういう問題はなるほど協会売り上げには相当大きな影響を持つように統計では出ておりますけれども、先ほどのそういう論点からすれば、やはりすみやかに廃止すべきが当然だと思うのですが、お答えをお願いしたいと思います。
  12. 森茂雄

    ○森(茂)政府委員 現在の場外馬券発売個所が非常に雑踏を来たしておる、かつその付近が非常に風紀的によくないという実情におきまして、私どもといたしましては、もっと明るい楽しみ場所にならなければ、これはお話通り廃止すべきだと考えまして、収益等考えまして、かりに収益は落ちようとも、健全娯楽の発展のために非常に変な雑踏がきわめて目立つという点では、ある意味では風紀上なりいろいろな雑踏なり交通上なりあるいは犯罪的なり、非常に弊害が見られるので、警察当局等も重大な関心を持っているのでございますので、そういうことが割に少ない方法でできなければ、これは思い切って廃止するということが、かえって競馬等田園風景を楽しむという意味が出てきまして、社会の非難も場外場券だけで相当違っておるという実情でございますので、私どもとしても収益の問題以上に、はかりにかけても、場合によっては収益に影響しても、そういう考えでいきたいと思います。
  13. 玉置一徳

    玉置委員 私たち、競輪に比べましてまあまあと思われる競馬の問題につきましても、どう見てもいただきかねるのは場外馬券の問題です。理論的にはどうしてもそこまでいくのがほんとうじゃないか。この問題につきまして一つ農林当局として十分にお考えをいただきたいと思います。  次に本論に入りまして、地方競馬開催の問題でございます。地方競馬開催を今もって存続されておる理由は、先ほど御説明いただきましたが、地方競馬が約五割に近い、戦災復興という理由がだんだん薄らいで参りましたので、今度は都道府県の方に努めて原則として開催を移すというようにされました理由一つ簡単にお述べいただきます。
  14. 森茂雄

    ○森(茂)政府委員 お話通り市町村競馬開催現行競馬法政府原案のときも、当初は掲げておらなかったわけでございます。ただ非常に戦後市を中心として打撃を受けておりましたので、戦災復興上追加されたものであります。それがさらに後年におきまして、町村にも及び、地方競馬場を生んだわけであります。現状におきましては、自治省ともいろいろ相談いたしました結果、特にまた答申等で書いてありまする通り競馬収益をもって地方財政がそれに依存するんだという考え方になっては大へんなのであります。そういう意味におきまして、また極端な言葉で言いかえますると、著しく災害を受けた市町村が、災害というだけで、その収益を現在も独占しておる。そういう点からも、公平観からいっても適当でない。そういう意味において、一つ段階の高い地方公共団体に上げまして、そうして必要な帝室振興その他社会福祉関係等に、県会の議を経て各市町村への公平なる配分をはかるのが一番適当ではないか一考えたわけであります。
  15. 玉置一徳

    玉置委員 そこで地方競馬の在来のあれは、畜産振興というよりも地方自治体財政収入を主としてやっておったと思います。従ってこの財政収入の面を見ましても、私は、昭和三十四年しかありませんでしたが、市の財政報告を見てみたところ、総計収入が百六十九億円、支出が百六十七億円、差引二億円の利益になっております。六十九市ありまして総利益二億円のうち五十万円以下が三十二市で約五〇パーセントにあたる。五十万から百万までが六市で一〇%、百万から二百万が十二市で二〇%、これで八〇%であります。残り五千万から一億円というところが東京川崎の二市であります。その他はぐっと小さくなっております。従って思っておるほど——戦災の直後のあのレクリエーションの場があまりなかった時代はこれで収入はあったのだと思いますが、だんだん減っておるということも事実だと思います。従って財政の増加を期待しておった市町村も、大した効果がないんじゃないか、こう思うんですが、最近の統計でもほぼ同様な傾向をたどっておるかどうか、お答えをいただきたいと思います。
  16. 森茂雄

    ○森(茂)政府委員 今お話地方競馬益金地方財政に対する寄与の程度でございますが、現在では一般的にその割合がほんの一部の、一、二の市町村を除いては、平均的にいってきわめて低いわけでございます。お話のように基準財政需要額に対して、都道府県にあってはわずかに〇・三三%、指定市町村にあっては六・八%にすぎないわけであります。そういう意味におきまして、われわれといたしましては、むしろ一般財政というよりも、地方競馬はそれに密接に関係のある地方競馬自身が生まれてきた畜産関係あるいは一般社会公益事業等配分をしていくのが適当だと考えております。
  17. 玉置一徳

    玉置委員 そこで地方競馬全国協会というものを作って、それでもって地方にある程度分ける、そして地方馬事振興に寄与する、こういうお話ですが、いずれも収入の多いとみなされるのは、あるいは全国地方競馬協会に金を持っていかなければいかぬと思われるのは、東京川崎、名古屋、大阪というような主として大都市なんです。そこでは馬事振興といったって、馬はあまりおらないところじゃないか。これはもう完全に違う目的のものの方が勝っておるんじゃないか、こういわざるを得ないと思うんですが、いかがですか。
  18. 森茂雄

    ○森(茂)政府委員 お話通りであります。現在の使途の重要なるものは、学校建築あるいは公会堂その他土木関係事業であります。われわれといたしましては、そういう大都市に関する畜産振興に対する施設がいろいろ問題になっております。たとえば冷蔵庫の処置あるいは市場問題等、広く農村関係における畜産関係に関する流通関係について非常に財政処置関係した問題でございますので、今後はできるだけそれらの大市町村と申しますか、大都府県につきましてそういう方面に充てていただいて、ひいては一般流通関係を合理化していってもらいたい、こういうふうにまず第一に畜産振興という面で、都会にも広くいって農村に非常に重要な関係のある畜産振興もあるということで考えております。
  19. 玉置一徳

    玉置委員 先ほどお答えのありましたレクリエーションの場という問題につきましても、こういう非常に売上金の多い数カ所を除きましては、いずれも大した設備じゃないということも私たち存じておるわけです。そういうような意味におきましても地方競馬の、市町村が大した収益もないというので案外スムーズに都道府県移管ができ得るわけです。少々のあれはあるでしょうけれども。というようなときにわざわざ地方競馬移管をするよりはむしろ特殊な、将来とも施設その他を改善し得るような場所だけは選択して残してあげて、その他の大した売り上げ利益金の見込まれないような場所はいろいろな目的を変えてみたところで事実上大した収入源がないわけなんです。そうするといろいろなこれに伴う弊害とかあるいはなかなか人間わざでやってみても弊害除去というのは完全にできるわけはございません。いろんな問題が起こっておるのも、きょうまでの歴史で十分わかっておるわけであります。せっかく開催いたしておりまして、一つの事故が起これば、わずか五十万以下ぐらいのなにが多いのですから、ほとんど地方自治体のやっている意味がなくなるのではないかというように思うのです。従って特殊なこの目的に合うような形にいくところは存続するような形を示していっていいと思うのですが、その他の大部分は、大した収益源もないわけで、これからますますそういう傾向が顕著になってくるのではないか、かように思われるにつきましても、今度の改正案は思い切ってそこまでお置きなさった方がよかったのではないかと思いますが、農林当局のこれに対するお考えをいただきたいと思います。
  20. 森茂雄

    ○森(茂)政府委員 お話のような考え方が、大勢的なこだわらない立場に立ちますと、そういうわけになるわけであります。ただ、それぞれ市町村におきましても考え方が、全体百三十五のうちいろいろばらばらな考え方がございまして、最大公約数四十年の三月三十一日になったわけであります。じゃその後はどうするかということにつきましては、もしも些少な都道府県でやられまして、ほかの方に分け得るものならば、大体現在八八%は都道府県職員あるいは都道府県に委託して実行している現況にかんがみまして、むしろ財政上特別の事由があっても、話し合い都道府県がある程度見てやる、ほかの市町村よりもそういうことで都道府県がやっていくということになると考えるわけであります。
  21. 玉置一徳

    玉置委員 そこで、こういうような改正にはなっておりますけれども農林当局としては、どちらにしてもかけごとでございますし、売上金収益金が少なければ、ここに美辞麗句を並べた目的を書いてみたところで、そこに社会福祉というものをつけ加えてみたところで、ほとんどできないということも事実なんです。そうすると、そういうことは、つまり目的に書いたようなことが事実上行ない得ないような可能性の多いところは、自分廃止をしていくことを期待されるのかどうか、こういうことにつきまして一つ……。
  22. 森茂雄

    ○森(茂)政府委員 これはあくまでも公共団体の問題でございますので、私どもといたしましては、あなたの言われるような観点ではおりますけれども、相手方の意思もございますので、四十年前といえども、そういうお話がございますれば、お話のように処理して参りたいと存じます。
  23. 玉置一徳

    玉置委員 また、そういう意図に基つきまして、ここ数年来のうちに廃止をしようと思うようなところは、やはり廃止に伴う相当な費用が要ると思います。そういうことにつきまして、これは自治省関係になると思いますけれども、何らか財政的な措置をしていける用意があるかどうか、あるいはそれに対して農林当局としては自治省その他大蔵省等と御相談される用意をお持ちになるかどうかということにつきまして伺いたい。
  24. 森茂雄

    ○森(茂)政府委員 そういう場合に、お話し合いにしましても、一番焦点になるのは、それに関する職員の問題、それら等は今後開催する関係方面に吸収する、それが安定つきますれば、地方競馬の大部分は、施設は今後その場所開催して賃貸関係で利用していくか、それでなければ利用できないような施設関係につきましては、相当いい場所になっているわけであります。従来廃止したところもございますが、それ等の財産力、かつそれ等の施設は、従来の控除率で充てていくわけでございます。そのために、一時にその地価、土地というものが重要な位置になっておりますものですから、過去においてはそういう問題は起こっておりません。自治体自身で大体職員等を解決する。もしそういうえらい何とかしなければならぬ事態になりますれば、これは別問題でございますが、大勢としてそういう事態でないものですから、特にそういう規定はございませんが、もしそういう問題になりますれば、われわれ行政庁として、できるだけの処理はいたしたいと思います。
  25. 玉置一徳

    玉置委員 もう一点でありますが、私はそういうような観点から見て参りますと、今あらためて地方競馬全国協会というのですか、というものを設置されましていろいろと諸般の統括業務を見ていくということになるわけですけれども、こういう存在をこしらえること自体が、また機関としては減ることをおそれると思いますので、自発的にやめたい一思うなにを妨げる機運を作るのじゃないかということをおそれるのですが、そういうことはないと思われますか。
  26. 森茂雄

    ○森(茂)政府委員 現在では、全国施行者協議会という小さな任意協議会があるのでございます。ただ自然発生的に関東地方におきましては関東競馬組合があって、各県におきましても自治法によりまする一部事務組合があるわけでございます。これはやはり開催無いろいろな点で、全国のこの協会が掲げておりまする一部のものについては、現在そういうことで非常に経費の面から見て、それからレースの運営等からいって適当である、こういうことで、自然発生的になっておるわけであります。ただ、自然発生的になっておりますが、やはり公正問題が非常に大きな問題になっておりますので、こういう特殊機関をもってある支配力に支配されないように、公正に行なわれるようにやって参りたい。こういうことで、無理してこういうことを作るというわけじゃなく、やはり自然発生的にそういう部面もありますので、これを十分活用していく、従って現在そういう関係に従事している方々は全国協会に当然同じ任務で移行されるということで、競馬公正の点について、関係者は張り切っております。
  27. 玉置一徳

    玉置委員 私は自然発生的に相互の連絡その他の調整をされる組合はそのままでいいと思うのです。わざわざ法制的にこういうことを定めた組合を作ると、まさにやめようと思っておる全国的な不振の地方競馬の中で、わざわざそういうおもやをまた大きくこれから振興さすような組織を作るということ自体に問題があるということを申し述べておるのです。そこで売り上げが六千万円ですか、以上のところから地方競馬全国協会に持ってくるようになっておりますが、そういうことを期待でき得る地方競馬場というのは幾らほどあるのです。
  28. 森茂雄

    ○森(茂)政府委員 大都会中心として十二であります。
  29. 玉置一徳

    玉置委員 全部で幾らあるうちの十二ですか。
  30. 森茂雄

    ○森(茂)政府委員 三十八競馬場のうち十二であります。
  31. 玉置一徳

    玉置委員 わざわざこういうものを作っていただいて、十二のものこそよけいな話なんで、十二のものが出し合って三十八に配るということになるのですか。
  32. 森茂雄

    ○森(茂)政府委員 騎手調教師審判員その他の養成、免許等をやることを統一してやりまして、公正な競馬運営に資するわけでございますが、そういうことで、せっかくもう一方、今お話の一回開催金額六千万円以上のものについて〇・四%からスライディングで一一%までの交付金を吸い上げること、二つの問題がありますので、二つの機能を合わせて特殊機関として設立しようというわけでございます。
  33. 玉置一徳

    玉置委員 今までの質問で、競馬開催目的が徐々に変わってきておる。従って馬事振興というものについても十分お考え願わなければならないけれども一般レクリエーションというような問題が相当重要なウエートを占めてきておる。従ってこれについて将来どういうように競馬場を整備しておいきになるのか。そういう整備の足らない地方競馬というのはどのくらいあって、どういう一ころまで持っていこう一思っておるか、その財源はどこだというように、一つお見通しをお答えいただきたいと思います。
  34. 森茂雄

    ○森(茂)政府委員 やはり競馬場の整備は売り上げのうちの経費の方で充当していく。大体現在、その十三の競馬場等について言いますれば、八、九分通りは充実しておりますが、非常に観衆がふえて参っております。なお雑踏にならぬように、かつ衛生上あるいは休憩所その他レクリエーション施設等を充実して参る点におきまして、府県の開催における経費の面から充当して参るようにさせたいと思います。
  35. 玉置一徳

    玉置委員 そうしますとレクリエーションの場としても必要だ、従ってこういうことの整備充実をこれから心得ていくということになるわけですが、先ほど申しましたように公認のかけごとの場である。そういう性質を持っておる。公認のギャンブルですから、場外馬券廃止するというようなことにつきましては十分一つ考えをいただきたいということと、地方競馬のあり方として一つの大きな柱であった財政収入は、先ほど統計で申し上げました通り、五〇%以下は三十四年度のあれで見ますとわずかに五十万円以下である。ものすごい収益を上げておるのは大都市のみであって、馬事振興というような意味のなにが、地域的にはほとんど抜けてしまうのではないかということも考えられますので、そういうところの施設はますます充実されてあれされることは、いいと思いますけれども一般の不振の地方競馬都道府県に移してみたところで不振は同じであります。いかに名目にりっぱな目的を掲げてみても、それは実現不可能である。従ってこういうところのは廃止されることを期待する方がいいのじゃないかというように質疑をいたしましたところが、お考え方としては大体私の考えておる通りであるという御表明をいただきましたので、一つそういう方向に向かって十分のお手配をいただくことを希望いたしまして、私の質疑を終わりたいと存じます。
  36. 中澤茂一

    ○中澤委員 関連して。いろいろまだ重大な問題があとに残っておるが、それはまた大臣が来てから総括締めくくりで大臣に伺うことにして、厩舎制度というものが一体今のままでいいのかどうか。きのう稲富君が若干触れましたが、厩舎制度そのものを一体どうするのか。これは畜産局長とそれから競馬会の方々は、私の見るところでは、非常にレクリエーシーョン的に国民のあれとしてけっこうなことだ、現在の社会ではそういうふうにも考えられる。その中で縁の下の力持ちというか、厩舎制度そのものに抜本的なメスを入れないと、これは非常にその問題が将来大きく発展するのではないか。特に昨年だか、一日国営競馬を延期したのですが、これは厩舎制度の封建性の中に問題がある。それを近代的競馬にするためにはどうするかということで、競馬会参考人の皆さんなり、局長はどう考えるか、それを一つ
  37. 石川武平

    石川参考人 ただいまお話のありました厩舎制度の問題につきましては、お述べになりました通り、旧時代的なものと、ある面においては近代的なものとがごっちゃにまざっておる、総体的に申しますれば、きわめて古い面がまだたくさん残っておるということでございまして、この問題をすっきりさせるということが、お話通り競馬の公正な開催ということに直接つながる問題でありますので、私どもといたしましてこの問題に力のほとんど七、八割方を費やしておるという状況でございます。しかしなら、お述べになりました通り、きわめて複雑な、また長い沿革を持っており、因襲とでもいうべきものも多々あると思うのであります。そういう面について、ただ理論一点張りで一刀両断に片づけるというようなわけには参らないので、はなはだ遺憾でありますけれども逐次問題をほぐしていきたい。賞金の問題もこの前お話がありましたが、こういう問題に  つきましても、また厩舎関係者の馬丁あるいは騎手、そういう人たちの最低の生活を少なくとも保障するというようなこと、あるいは厚生施設なり、生活環境を整備していくというような問題も、私どもも常日ごろ考えておることでありまして、そういう点を基盤といたしまして、逐次調教師と馬丁との関係あるいは調教師騎手との関係というものを、理屈上の問題で割り切ることもさることながら、実際の問題として解決するように持って参りたい。こういう観点から、賞金の分配等につきましても今後いろいろな改正を加え、取り扱い方も逐次全面的に改めて参りたい、かように考えておる次第でございますので、一つ長い目でごらんいただきまして、さよう御了承いただきたいと思います。
  38. 森茂雄

    ○森(茂)政府委員 今まで相当投票方面についての御意見がございましたが、中央競馬会等を監督して参る行政庁といたしましては、現在の厩舎あるいはその長であります調教師、特に馬丁との関係につきましては、慣習法的な面、あるいは賞金等につきましても歩合制がありまして、進上金が馬丁に五%というふうな慣習的な面もございますが、それと契約関係とが、近代的な法律関係で見ますと複雑怪奇な状況になっておるわけであります。怪奇と申しますとちょっと言い過ぎかもしれませんが、法律的に見ますと、この前の中山大障害の一日繰り延べというようような問題等につきまして、労使双方の交渉におきまして使用者側が使用者側的な立場で活動できない、常に中央競馬会の財源等も考えての自主的な行動ができないという点に大きな関心を持っておるわけであります。その意味におきまして、これは早く思い切って関係の意見——あるいは必要であれは臨時的にでも協議会等も設けまして、現在の労働法関係と経済関係とが一致して直ちに適用できるような関係に至急確立する必要があると存ずる次第であります。
  39. 中澤茂一

    ○中澤委員 結局、このごろは監視制度がきびしなったから、国営には少なくとも八百長というものは大体ないと思うのです。しかし、私も競馬が好きだから、地方競馬はあまり行きませんが、国営競馬に行きますけれども地方競馬においては今の制度の中からいってまだ相当八百長的もなのが出てくるのです。だから、少なくとも、地方競馬は別として、国営競馬だけは、もっと国営という形で、末端まではっきりと公営という方式を割り切っていかなければならぬと思うのです。今の世の中に、川俣理論ではないが、大体馬丁という言葉を残しておくこと自体がもう問題なんです。小学校の小使さんだって、昔は小使といったが、今は校使というちゃんと民主的に人格を重んじた名前にみなつけかえておるのです。昔から車夫と馬丁のたぐいということをよく言いますが、馬丁という言葉自体を残しておくところに私は問題があると思うのです。何も馬丁という名前を至急に変えたからといったって、あの封建的な調教師騎手と馬丁とそれから厩舎、この四つの段階の中にどういう公営方式を持ち込んでいくかということを根本的に考えないと、これは決して明朗なレクリエーションにはならないのです。だから、少なくとも大きなアウトラインとしてはどういう方向へ、厩舎から馬丁までの四段階の関連を、もっと明朗な公営化の形に持ち込んでいくかということを、これはむしろ監督官庁が少々は無理な点があっても一ただ因襲だ、長い間の歴史だ、慣習だでもって、私は競馬会ではなかなかメスは入らぬと思う。やはり監督官庁が相当強い意思を持って、こういう方向にいくのだということが明らかに出ないと、この封建性の払拭というものはできないと思う。だから、それについては今あなたにすぐ答弁しろといっても、一つの方向はなかなか出ないだろうが、しかしどういう方向でいくかぐらいは考えておいてもいいのじゃないか。また考えておられるのじゃないか。もっと明朗な公営化の体制にこの厩舎制度全体を持っていく、そういうことについて御両者の御意見を、方向だけでも一つ示してもらいたい。
  40. 石川武平

    石川参考人 厩舎制度の明朗化の問題でありますが、先ほど来決して言いのがれをする気持はありませんけれども、理屈で固めてどんぴしゃり一割り切るということは、実は非常に困難が伴うのでありまして、ただ目標といたしましては、一口に申しますれば近代化一でも申しますか、ともかく調教師が馬丁に支払うべきものは払うのだ、それから馬主は調教師に預託料として適正なものを払っていくのだ、騎手が乗ったら、その騎手がだれであっても、適当な、きめられた歩合は払うのだという、馬主から馬丁に至るまでの一つの経済的なつながりというものをともかくも明確化していく、こういうことであろうと思うのであります。それが、現在のところといたしましては、中央競馬会として、これに直接ではありませんが、多少馬丁の給与等について関与しておる面があるわけでありますが、だからといって、これは直接厩舎に競馬会というものが、つながっていっているかどうかということになりますと、現在の段階といたしましてはなお十分に具体的に措置を研究していかなければ見出せないという点もあるのであります。さような意味において逐次整備をいたして参りたいと存じますので、さよう御了承をいただきたいと思います。
  41. 森茂雄

    ○森(茂)政府委員 馬主は調教師の使用人になっておるわけでございますが、先ほど申し上げました通り、労使間の紛争が生じた場合におきまして、調教師が普通の使用者のような立場で、過去におきましては責任を持てないというような事態が間々あったわけでございます。そういう意味におきまして、中央競馬会においても、馬主を採用する場合に、いろいろ手続上やや関係があるような組織になっておるわけであります。そういう意味において、中央競馬会対馬主は、現在までの状況としてはやはり財政面の問題、特に労使間の紛争としてベースの問題、あるいは休養日の問題、待遇等の問題につきまして、相当中央競馬会が実質的に措置しておる状況であります。そういう意味からいいましても、今後の馬主の安定上の問題からいいましても、やはり中央競馬会が積極的に馬主の最低線を保証するということでいかなければならないと私は個人的に思っております。ただ、そういうことにつきまして、どういう法律関係、どういう制度関係、契約関係にいたすか、現在までの単なる慣習だけでは各方面において待遇上、地位上あるいは運営上適当でないと考えておりますので、御意見のほど、十分私どもは早く特別の措置をすることが必要であるということを痛感いたしておるわけであります。
  42. 中澤茂一

    ○中澤委員 私の言うのはそういうおざなりの問題を言っているのじゃない。一つの方向としては、もっと根本的にメスを入れなければならぬ、すなわち、今の賞金制度で全部ある程度までまかなっていくというこのあり方に一度手を入れていただかなければだめだという考えなんです。そういうことをしないと、今あなたのおっしゃったように、支払いを間違いなくやるとか、そういうことを言っても、馬主によるともうぎりぎり一ぱいの一頭か二頭持っていて、そうして賞金をもらえばさっと持っていってしまうというような、座金の未払いさえ払わないそういう馬主さえあるのです。そういう馬主さえある中で、賞金制度そのものだけでこの縁の下の力持ちをやっておる調教師あるいは騎手、馬丁というものを根本的に今の体制の中でやったってそれは結局不可能だということなんです。私が言うのは、賞金制度でそこまでまかなうことが正しいのか正しくないのか、公営という建前を貫くなら、少なくともそこに根本的なメスを入れないで、ただ今の支払いだけを遅延しないようにやるとか、そういうことをやったってそれはだめです。だから、そういう根本的なものを監督官庁としては一体どう明朗なものに切りかえていくかという考え方、それを考えなければいかぬ。今すぐといっても無理かもしらぬが、そのくらいなことはだいぶトラブルを起こした競馬なんですから、あの当時からこの制度そのものの中でこの封建性にメスを入れなければいかぬくらいなことは、畜産局としては、私は当然考えておるべき筋合いだと思うのですが、どうですか。
  43. 森茂雄

    ○森(茂)政府委員 中央競馬会におきましても、そういう問題を非常に重大視いたしまして、行政官庁に対して特別にそれに専念する努力をするということで相談に参っておりますので、そういう体制を整えさせまして、極力努力して参りたいと存じております。
  44. 石川武平

    石川参考人 御説明申し上げる方になって申しわけないのでありますが、サラブレッドは馬の最高の芸術品であるという言葉もあるくらいでありますけれども、そういう芸術品を作り上げる調教師なりあるいはこれに愛情を持って当たる馬丁の労働、これは理屈と申しますか、そういうもので割り切ることが非常にむずかしいという点があると思うのであります。これは単なる一例でありますが、とにかくこのような調教師と雇われておる馬丁というものの関係を、やはりそういう関係において問題をすっきりしていくという面がどうしても必要だというふうに考えておるわけでありまして、これを抜本的に片、つけるには、いろいろ意見もあると思うのでありますけれども実情に即しました考え方に立って、地についた措置を講じて参りたいことを日ごろ念願いたしております。
  45. 中澤茂一

    ○中澤委員 愛情とかそういうことはあるでしょう、特殊技能、技術者というか、そういうことは確かにある。あるが、それはもう過去のものですよ。そういうことを今お考えになっておること自体が、ほんとうにこれを明朗化する基本的な考え方がないことを現わしている。愛情でつながっておる面を私否定するわけじゃないが、そういうものでつながっておるから、今の体制で雇用関係さえあれすればいいじゃないかという考え方ではこれはどうにもならぬ。やはり根本的に公営を馬丁まで貫くべきだ。そうかといって、馬主にも好き好きがあって、おれは保田厩舎がいい、おれは尾形厩舎がいいといって馬主はみんな好き好きでもってやるのです。その点厩舎の特殊技術というものもあるでしょうが、その点は第二として、とにかく今の賞金制度で一貫してまかなっていくこの考え方は改めなければいかぬ一思う。だから賞金制度でまかなうという考え方の上に立てば、今の封建性というものは絶対にくずれない。そこで私は公営化の趣旨をもっと貫かなければいかぬという考え方なんです。だから場合によれば、調教師と馬丁との雇用関係なんか今あること自体、公営化の線を貫くことはおかしいと思う。調教師は一定の免許試験を国がやるべきであって、国が免許を与えてそして調教師というものは、競馬会との関係においての関係で、馬丁というものは学校でいえばむしろ小使のようなもので、国がある程度見ていくべきだ。それは競馬会との雇用関係で見ていくべきである。競馬会は厄介なものだから、なるだけおれはいやだ、いやだといっておるわけです。それで今言うような関係で、雇用関係や行金支払いさえ適当にやればいいじゃないかという考え方が出てくる。競馬会に根本的な考え方をあれしろといったって無理なんだから、競馬会競馬会で、競馬会騎手調教師、厩舎——これは因襲があるから競馬会も手を入れろといったってなかなか入らない。だからやはり行政官庁が相当強腰で、競馬会が抵抗してもこういう方向で貫くという考え方でないとこれは私は改善できないと思うのです。だから、今の賞金制度そのものでどの程度までいくか。現在は御承知のように頭から下まで、馬丁までずっと賞金制度でいく。それではやはりこの制度自体の明朗化ということはあり得ないと私は見ているのであります。だからかつて昭和二十九年でしたか、稻富君が親方になって、その前にいろいろ問題があって、馬丁、騎手からわれわれ社会党がうんと陳情を受けたわけです。そこで、これではあまりひどいじゃないかということで実は労働組合を作ったことがある、騎手、馬丁その他、ぜひ出てくれといって私らも発会式に稻富君と出たことがある。実際あの連中の話を聞いてみるとそれはひどいのです。だから、そういうものを公営の線で明朗化するということなら、もう少し根本的に考えを改めなければ明朗化されないと思う。今後この事態をこのままほうっておいたら、私は公営競馬開催に大きな支障が出てくると思うのです。それは期日をきめた開催日から連中が一週間ストライキでもやれば、それで完全に一週間の競馬というものはできなくなるのですからね。だから、それには競馬法改正とからんで速急にメスを入れなければだめだ。そういう事態が出てきますよ。この前は一日くらいで話がまとまったけれども、ああいう身分の不安定な状態においては、今後は一週間なら一週間の長期ストをやるという態勢も出てくる一思う。だからそういう点については根本的にやるという考え方があるのかないのか。今具体的にどうするということは、これは競馬会と当局もよく話し合いすればいいことですが、根本的にこの封建性にメスを入れて、完全な公営化の明朗な体制にするという御意志が畜産局長にあるのかないのか、これを一つ明らかにしていただきたい。
  46. 森茂雄

    ○森(茂)政府委員 いろいろな関係がありまして、あなたの言われた一つのことにつきましても、かりにそういう結論を得た場合におきましても、それを実施するにはやはり十分な了解と納得とを得つつ実行して参らなければなかなか結論というか、実施がむずかしいのじゃないか。やはり御警告の通り大きなレースをねらってそういう行動が行なわれることは予測されます。われわれといたしましても、そういうことのないように決意はありますが、なるかならないかは皆様方の御納得と御協力によるもの一思うのです。
  47. 中澤茂一

    ○中澤委員 畜産振興へ益金を使うということでこの前の競馬法改正のときにも附帯決議までつけてだいぶ議論したわけです。私はもちろん益金を畜産振興に使うということ自体はいいと思うのです。しかしあれだけの膨大な益金を出すなら、まず施設の改善も大事でしょう、施設も近代化していかなければいかぬが、この封建性の中へ益金をスズメの涙ほど入れてやることによって公営化の線が貫けるのです。そういう面において、調教師や馬丁、騎手生活安定というものを国の責任においてある程度見ていくのだという体制の中から益金をさくなら、私はその方がよほど効果があると思うのです。あの人たちはああいう不安定な身分状態に置いて、まごまごすれば、ヨタ馬を預かっておれば一銭も収入がないというような状態に置いて、益金だけは畜産振興の方に回すのだといってもそれではちょっと納得しかねるのです。事実あの内幕をわれわれ知っている者の立場からすれば。だからそういう点においては、ほんとうにこの競馬法改正をやるなら、もっと競馬法改正の中で公営化の線を馬丁まで貫いていく、こういう態度で法改正に臨むべきだと思う。これはあなたも就任したばかりであまり競馬法を知らぬから、あなたにあまり詰めてもしょうがないのですが、そういう点をいま一度速急に再検討してもらわなければいかぬ。この前の競馬法改正のときにも利害関係者の馬主を排除するということでだいぶ議論をしてやったところが、今度みんな変名を使っておる、あれから以後は。たとえば河野一郎さんは馬を持っておる。しかし馬主は河野一郎とは書いてない。かかあの名前にしたり人の名前を借りたり、みんな変名を使って登録をしているのです。これだって私はおかしいと思うのです。あの競馬法改正の当時の議論は、要するに、結局利害関係がある者はこの際排除しなければいかぬという議論なんです。それでは馬主というものは、利害関係のある者はもう一切オミットしなければいかぬということで、そういう者の登録は許さないという議論だったのです。ところがその後見ておると、持ち馬も、だれが持っておるというのは、裏はみんなわかっているわけです。ところが表は河野一郎という名前は馬主には出ておりません。そういうような何か間の非常に割り切れないものがあるのです。だからこの前問題になったような、日本で初めての言葉が出るわけです。雌の種馬だってあるのだ、そういうことをやって外貨違反をやって河野氏が競馬輸入をした、これはこの前農林委員会で大問題になった。(「大臣を呼んでくればいいじゃないか」と呼ぶ者あり)総括にはまた大臣に聞かなければならぬと思うが、大体そういう馬主自体の中から不明朗な体制がある。だからそういうものに一つ根本的にメスを入れて、しかも馬主なんというものは中には不良馬主もおるが、大体金があって道楽にやっている馬主が多いのですから、そういうものはいいとしても、いま少し——何かわれわれにわからないもやもやしたもの、私の言っている厩舎制度以外にも、いずれこの法案が上がるときは大臣も出てくるだろうから、まだ問題点の重大な点、質問事項は残っておるわけなんです。あなたや競馬会に聞いても、あなた方自体がわからぬのだから、ちっともわけがわからぬのです。だから、そういう点において厩舎制度というものを公営化の線を貫いて、今の賞金制度で全部末端までまかなうという制度は再考慮する。そこによく検討のメスを加えないとちっとも明朗化の形になってこないと私は思う。だからそういう点について根本的に——今のあなたの答弁は、何も競馬会に気がねする必要はないのです。監督官庁だから。そのためにあなた方は国家権力を背景に持っておるのだから、競馬会なんか少々過去の因襲にとらわれて、いや何だかんだと言っても、そんなことはだめだ、これはどこまでも公営化を貫くのだ、だから監督官庁の言うことを聞けというだけの決意が畜産局長にあるかないかを一つ答弁しておいてもらえばいいのであって、ただ競馬会の意見を聞く——聞くのは否定すのじゃない。聞くのはいいのです。基本的な態度としてはこの不明朗なものを一挙にメスを加えてやるのだという腹がまえを持たなければ、とてもこれは手が入りません。だから、そういう決意をあなたに聞きたい。相談するのはいいが、やります。少なくとも近いうちにこの厩舎制度に根本的なメスを加えます、そういうあなたの決意を聞きたいのです。
  48. 森茂雄

    ○森(茂)政府委員 先生のお話を伺っておりまして、私、内部は十分にはまだ承知しておりませんが、非常に期待してやらなければならないような大きな問題があるということをちらっと聞いても感ずるわけであります。私どもといたしましては、皆さん方の権威と、私たちの国家権力を預っておる権威を害しないように、十分国会の御意見を尊重してやって参りたいと思います。
  49. 野原正勝

    野原委員長 片島港君。
  50. 片島港

    ○片島委員 森畜産局長お話を聞いておりますと、どうも答弁に一本柱が抜けておるような感じがするのですが、あなた、一年じゅう今競馬をやっておるのですが、ちょいちょいごらんになりますか。それともう一つは、行くにして、畜産局長という立場上見るのか、それとも好きで行かれるのか、最初にそれをお伺いします。
  51. 森茂雄

    ○森(茂)政府委員 畜産局長としても競馬場に参りましたし、畜産局長前にも競馬場に行ったことはございます。
  52. 片島港

    ○片島委員 この競馬法というのは、競馬に関する基本的な憲法であろうと思うのですが、こういう大事な競馬法で、この法律目的というものが書いてないのです。一番最初から「日本中央競馬会、都道府県又は左の各号に掲げる市町村は、この法律により、競馬を行うことができる。」と書いてあります。法律目的というものがない法律は非常に珍しいのです。競馬目的をお尋ねしても、どうもはっきりしない。中央競馬会法の第一条には載っておりますが、これも私は河野大臣が見えてもう一回聞き直さなければいかぬと思う。この競馬法に、中央競馬会法じゃない地方競馬会法もあるべきだと思いますが、競馬をやるというのはどういう目的か、これには書いてありません。健全娯楽としてファンを楽しませるためか、あるいは速い馬を一つ作ろう、いい馬を作ろう、こういう、馬をよくするためにやっておるのか、それとも一金もうけのためにやっておるのか、それはみんなだということになれば、順序はどういうことになるか。
  53. 森茂雄

    ○森(茂)政府委員 競馬法自体は刑法百八十七条の例外規定でございまして、従って第一条に、「行うことができる。」ということであります。競馬それ自体目的ということになりますと、現状では畜産振興並びに娯楽であります。この競馬法は第一条で刑法の百八十七条の例外規定であり、競馬法自体は公正なる競馬を行なわしめるための指導並びに取り締まり規定でございます。
  54. 片島港

    ○片島委員 そうすると、一番最初に馬をよくする、まあ速い馬を作ろう、自動車よりも飛行機よりも速い馬を作ろう。今非常に交通機関が発達して早くなったのですが、馬がなんぼ早く走っても追いつかぬものが多いのですけれども、しかもこの競馬に出る馬というのは数が非常に知れておるわけなんです。ほかの一般競馬あたりは、これはそんなに走る必要もありませんし、牽引力が強かった方がよほどいい。馬の改良ということは、これはほとんど国民から考えた場合に意味ないと私は思うのです。やはり何ですか、速い馬を作ろうというのですか。それは何か非常に国民経済なり、あるいは何かに非常に大きな貢献でもするのですか。三百数十億、四百億もファンから売り上げをとるわけですが……。
  55. 森茂雄

    ○森(茂)政府委員 競馬法は、公正な競馬をやらし、かつそれによって畜産の振興、国民娯楽の提供等を行なうことを目的としておるわけでございますが、競馬自身の目的はどうかということになりますと、長い歴史を持って、国際的にもあるいは農業生産面からいっても農耕馬の改良、技術の発達、登録事業等の発達等はすべて現在における畜産振興の基礎をなしたものであります。現在全国六十二、三万頭に飼育頭数が減少しておりますけれども、依然として北海道、東北、九州地方では大きな役割をいたしておるわけであります。そういう意味におきまして優秀馬の改良等に競馬施行自身が非常に貢献しておりますし、現在そういう獣医師関係あるいは改良関係についても大いに貢献しておるわけであります。こういう意味におきまして、自身は大衆の娯楽ばかりではなく、そういう畜産振興等にも貢献していますし、今後その収益等畜産振興に充てるということで存在意義が十分あると思うのであります。
  56. 片島港

    ○片島委員 そうすると速くていい競馬馬ができれば、農耕馬なんかの能率が上がるというのですか。荷物を運んだり農耕をやったりする馬が反射作用で……。
  57. 森茂雄

    ○森(茂)政府委員 いい血統の馬を作る場合の生産技術は、やはり乳牛その他の家畜等における生産技術を十分発展させた——元来、馬の飼育というものは、日本においても牛よりも古く行なわれまして、そういう発達というものは非常に貢献があるわけであります。ただ早く走るということそれ自体は、それは馬のサラブレッドの本能でございまして、それ自体、そのこと自身の現象は、畜産振興とは直接すぐと、こういうふうには関係がございません。
  58. 片島港

    ○片島委員 それでは売上金畜産振興などに使われて、それによって間接的によくなっておる、そういうことですか。
  59. 森茂雄

    ○森(茂)政府委員 外国等の発展の歴史を見ましても、日本の例を見ましても、英国等におきましても、やはり発展してきた過程におきまして収益金の五分の一は畜産振興の予算に充てております。アメリカ等におきましても農業基金、老年基金や4Hクラブの活動費にもあげておりますが、農業基金等にも充てておるわけであります。フランス等では農業共進会が主催しまして、畜産振興に特別に充当しておるわけであります。わが国におきましても馬匹組合あるいは馬匹組合連合会等で地方競馬開催し、現在でも勝馬投票券を発行せずに、祭典競争等、農村で四千件一年に行なわれておる現状であります。こういう意味から言いまして、馬は農民に育てられ、農民に生産され、そうして農村に育って運搬機関となり、あるいは農耕に役立っておるわけでありますが、それと競馬との関係は、生産手段のものをよくしていく、こういう面で重大な関係があるわけでございます。
  60. 片島港

    ○片島委員 農林省の畜産局は、競馬をやらぬでも乳牛とか馬とか、畜産については振興するための政策を行なわなければならぬのじゃないですか。昨日この三十六条によって四分の三というものを畜産振興のために使う。それをやらぬでも——あれも非常にあいまいで、もう一回大臣に聞かなきゃいかぬのですが、やらぬでも、あなたの方では畜産振興をやらなければいかぬのです。競馬会であげた金を使ってやるのが畜産局の仕事ですか。畜産局としては、そうでなくても畜産振興をやらなければならぬでしょう。私はそれで一番大きな問題として取り上げるというのは、今度重勝式なんかを廃止しよう、連勝式についても限定、規制するといった、この省令案ではまだはっきりしたことは出ておりません。戦前は、この控除率売上金の一二%くらいだった。戦時中になって、やむを得ないからというので一八%にしたかと思うのですが、現在は二五%です。ファンは、もうほとんどだれも連勝式しか買わぬのですよ。三十六年度では、連勝式は九八・九三%、重勝式はおそらく〇・〇何%くらいだと思うのです。あと全部含めて一・一%しかないわけです。しかし二五%天引きされておる連勝式をどうして買うかというと——一時差し引く控除率が一二%くらいだった。その場合には、それでもけっこう楽しかったのです。そうすれば簡単なレースでも配分が多いのですからけっこう楽しめる。ところが、二五%もとるということになれば、相当山をかけなければならぬ。何もあなたの方は、大蔵省に予算をもらうときに、競馬で少しよけい売り上げをやっておかぬともらえない、だから二五%にして少しでもかせがせて、大蔵省に納めて、見返りを少しもらおう、そんなに金もうけの材料にしないでいいじゃないですか。一%くらいならけっこう楽しめるのです。しかも、昭和二十三年ころでありますか、このころは四十四億円そこそこだったが、もうすでに四百億にもなんなんとする。十倍にもなる。そんなにふえたのですが、それでは諸掛りが全部その割でふえたかというと、そうはなっておらぬ。売り上げが多くなればなるほどふえない。何でもそうですが、昔から薄利多売といっておりまして、たくさん売ったときは、利は少なくてもやっていける。多売だけはやっておりますが、薄利にはなかなか持っていかない。控除率を少し下げるというような考えをお持ちになったことはないですか。あなたも見に行かれるそうだが、当たるか当たらぬかは聞いてみないけれども、非常に控除率が多いということになると、身上をつぶしてでも大きなのにかけなければいかぬということになるのです。二五%なんというのは、戦前から見て高いとお思いになりませんか。
  61. 森茂雄

    ○森(茂)政府委員 お話通り、戦前の過去の例を見ますれば、最高三五%までになったこともありますけれども、それはほんの一時でございまして、一五から一八、最近では二五ということであります。控除率の問題も、公営競技調査会等でいろいろ論議になりましたが、結論といたしましては、控除率の引き下げは、かえってかけの奨励になるのではないかということが、有力な結論になったわけであります。私どもとしましては、娯楽の面等を考えますれば、控除率の問題は必ずしも安いというふうには考えておりません。外国の例を見ましても、英国においては一一%、フランス等においては一四%、米国でも一五%で、高い例はデンマークの三六%とソ連、スエーデンの三〇%という現状であります。それからいいましても、非常に発達しておりますところは、割に収益は少なくても、努力して畜産振興に回している現状でございますが、一応大方の方々の御意見の結論といたしましては、もっと控除率を減らして、そして払い戻し金をふやすという意見よりも、むしろ控除率現状でいく方がいい、控除率を減らすのはかけの奨励になるのではないかということが、その結論であったわけでございます。
  62. 片島港

    ○片島委員 それは逆じゃないでしょうか。ファンは控除率が高くても行くのですよ。どうしても行かずにはおれないから行くわけです。行けば、どうしても高いのにかけないともらうのが少ない。当たるも八卦当たらぬも八卦だ、こういうことで行く。ところが、控除率を下げれば、その分がみな払い戻しされるわけです。そうすると、率が安くてもけっこう楽しめる。そうでしょう。一二%と二五%では一三%よけい返ってくるわけですからね。そういうことが、調査会で出ておりますか。
  63. 森茂雄

    ○森(茂)政府委員 この問題は非常に議論の分かれるところでございまして、そういう結果として率を幾らというふうな結論を——引き下げ論もありましたし、現状論もあって、私は大勢を申し上げたので、あなたのような御意見も私聞いておりまして、全然適当でないというふうには私自身は考えておりませんが、結論としては、現在大勢として、控除率の問題については、現状にとどめるということでありましたので、こういうふうにしたわけであります。
  64. 片島港

    ○片島委員 開催回数の問題も、これは大臣にお伺いしたいのですが、大臣がそういうことにきめておれば、そうなると思うのですが、年四回と主文で書いておって、やれない場合には、ほかの競馬場でふやしてやってよろしいとただし書きがついている。しかも、ただし書きの「天災地変その他やむを得ない事由」というのは、天災地変またはそれに類したようなことでないでしょうか。その他の理由というのは、あらゆる理屈をつけてやっていいでしょうか。それとも新潟とか宮崎あたりは、やるつもりがあって、何かその他のやむを得ない事情があるのですか。
  65. 森茂雄

    ○森(茂)政府委員 経済的にもあるいは開催場のことからいっても、相当無理をしてやらなければとてもできないという場合でございまして、お話通り天災その他の事由とありますので、都合によりというのと全く違うわけでございます。
  66. 片島港

    ○片島委員 それでは、ただし書きにわざわざ天災地変ということを書かぬでもいいわけです。やむを得ない理由があった場合には、とこう書いておけばいい。天災地変その他というのは、先に大きな例示を置いて、これに類した、これに似たり寄ったりの理由ということに解釈しなければ、わざわざ天災地変ということを書く必要はないじゃないですか。
  67. 森茂雄

    ○森(茂)政府委員 天災地変は、非常にひどい例でございまして、その他やむを得ないというのは、少なくともそれに準じた意味合いからやむを得ないという、常識的な、国語的に判断をせざるを得ないと思います。
  68. 片島港

    ○片島委員 前は、一、二月と七、八月休みがあったわけです。最近は年がら年じゅうやっているわけです。それでファンも奔命に疲れるわけです。行かなければいいじゃないかといわれても、なければ行かぬけれども、あれば行く。なければほっとするのですよ。あれば行かなければならぬから疲れるのですよ。馬も大へんでしょうし、人間も大へんですし、財布も大へんです。それを金もうけして、国庫納付金で大蔵省に金を納めたりなんかせんならぬ。きのう、委員会じゃ言えぬから、役員の手当など、こそっとほかの人に聞いたのです。そういうことは、数が知れているからいいですけれども、あそこでうんとかせいで納める、そんな義理はあなたたちはないはずです。もっとファンのことも考えないと大へんですよ。こういうことをやるとえてして八百長も起こりがちになるのです。ですからやはり一、二月とか七、八月かせがなければいかぬ、かせがなければいかぬといってかせぐ必要はないのですから、百分の十、それからあと剰余金の半分を出せばいいわけなんです。少なければ出さぬでもいい、なかったときは出さぬでもいい。これはもっと回数を制限する考えはないのですか。
  69. 森茂雄

    ○森(茂)政府委員 答申の趣旨としても、現状以上にふやさない、ということは少なくとも現状か、現状以下にするということでありますので、私どもといたしましては、極力健全な運営をはかって、そして娯楽面では楽しめる競馬に持っていきたいと思います。そういう意味において、疲れ切っちゃったり金がなくなっちゃったりということにならないように、開催回数というものは適正にきめて参りたいと思っているわけであります。
  70. 片島港

    ○片島委員 その他の事由なんというところでへ理屈をつけて広く解釈をしないでほしい。もう宮崎や新潟は中央競馬はやらぬのですからね。あれは取り消すということになると、回数がふやせないものだから、肩がわりに——ちゃんと中央競馬場として指定しておって、やらぬことは初めからわかっておる。初めからやらぬことはわかっておって、その分をまたやる。その分をこっちでやるという。こちらだけで、府中や中山でやっておるのです。ああいうのを取り消せばその他の事由がなくなるし、そういうところはないですから、競馬場としてはやれぬということになる。回数を減らそうと思うなら、ああいうのはもう中央競馬で取り消せばいいのです。どうですか。
  71. 森茂雄

    ○森(茂)政府委員 きょうの御意見も伺いまして、現在育成場には使っておりますが、御意見も伺いまして、できるだけ施設がある以上やって参りたいと存ずるわけでございます。どうしても、地元の方でもやらない方がいいというような御意見でありますれば、そういうふうな扱いにいたしたい、こう考えております。
  72. 片島港

    ○片島委員 それから、これは参考人の方にも聞きたいのですが、競馬ファンをどういうふうに考えておられるのか。私はいつ行っても、少し早目に行けば、いいところにすわれます。しかし大へんなことでしょう。それが何億という剰余金もありしておりますが、さっぱりファンに対するサービスというものが考えられておらぬ。最近中山は、不十分であるけれどもトータライザーなんかつけてやっている。府中の方はまだ施工中とかなんとか聞きましたが、しかも中山だって非常に不十分だ。一般のファンはもう一日じゅうスタンドで立ち見をしておる。それはまだ立ち見でもいいのですが、それがダービーとか天皇賞とかなんとかいうことになったらこれは大へんなことで、馬券を賞って中に入っておったって、背の高いのが前におったら、うしろの者は何も見えやせぬ。人の背中を見ておるだけだ。何億も金をもうけておってから、ファンのことを考えなければ——馬主や何か、まあ馬主というのは知れておる。ですから、さっき中澤君が言いましたように、あれは道楽で飼っておる者も相当おりますから、馬主は、それで一もうけしてやろうと思うのはあまりいない。大事なのは数百億円出しておるファンです。相撲を見に行ったって、そんなところないですよ。ああいう人の背中を見ておって金を出すなんという競技は、私はいまだかつて見たことがない。こういう設備の点でファンのことををもう少しこれは真剣に考えられなければならぬと思うのです。どうですか。ファンが大事なんです。ほかの、あすこに行かない、ファンでない国民は、そんなものは関係ないから何とも考えてはおりません。
  73. 石川武平

    石川参考人 ファンのサービスと申しますか、そういうような点についてただいまだんだんお話がありました。現在の、年々月々回数を追うごとに増加してくるファンについては、現在までのところ極力施設等を拡充いたしまして私どもやって参ったのでありますが、今やそれもまた飽和状態に達しておる。普通の日ならばともかくとして、大レースのある日等においては、お話通り非常な混雑をいたしておるのであります。私どもの方はまことに申しわけない一思っておるのでありますが、ただこの問題も、今後いろいろ競馬法改正等もありますし、今後の問題としてはどうなるかということも多少変わってくるかと思いますけれども、こういう状態の中で上昇線をたどって参りますと、競馬場全体の規模と申しますか、ただ特別席をのばすとか、窓口を二十か三十ふやすとかいうようなこそくな手段では参らない。もちろん、先ほどお述べになりましたトータライザーの設備とか、そういう点は東京においても実施の運びに至っておりますが、そういう機械化というようなものも考え、かつ競馬場自体の全体としての規模を大きくするというような問題について考えなければとうてい処理できないということで、これまた非常な努力を払っているわけでありますが、何せ、御承知のごとく、土地の獲得というような問題につきましてもなかなかの隘路もありまするし、決して弁解を申すわけではありませんが、今後大切なお客様に対するサービスを徹底いたしていくということについては、これは私どもの使命でありまするので、常日ごろそのような考え方で努力をいたしておりますので、さよう御了承いただきたいと思います。
  74. 片島港

    ○片島委員 いろいろ理屈は前から聞きましたけれども、私は、競馬はファンのためにあるものだと思うのです。馬主のためじゃないし、自動車や飛行機より速い馬を作るというわけではないから、あれはファンを楽しませるためです。だから、ファンを一番最初に考えなければいかぬ。金を出しているのはファンです。あなたたちをまかなっているのもファンです。これは監督官庁としてもう少し真剣に考えて一丁さい。  運営審議会の名簿を出していただきたいと思うのですが、運営審議会の委員になっている人の前歴を書いて——運営審議会というのは、一年に何回くらい開いて、どういうことをやっておりますか。
  75. 石川武平

    石川参考人 運営審議会は、競馬運営の基本的事項、重要なる事項について審議をせられることになっておりまして、理事長の諮問によってやるということでありますが、事業計画あるいは予算、それから決算、これは大体年間定例二回でありますが、そのほかにもなお経理規定の改正でありますとか、重要な事項が起こりました場合にはそのつど開催いたしております。現在は三回ないし四回程度開催いたしております。
  76. 片島港

    ○片島委員 二回くらい形式的に開くならばどうでもいいですが、しかし、基本方針をここで決定するというなら一ここに法律では、委員は馬主、馬の生産者、調教師及び騎手代表、最後に学識経験者となっておりますが、それは馬主の利害関係者というものは一人出してもいいでしょう。馬の生産者もそれはいいだろうと思いますが、ファンの代表が入っておりますか。ファンが数百億円金を出しているんだから……。金を出す代表は出さぬでおいて、自分たちの古手官僚やそんな者ばかりが学識経験者でござるといって、畜産局長なんかやった者ばかりおったのではたまらぬですよ。それよりも詳しい、畜産局長よりももっと競馬のことには詳しい熱心なファンがたくさんおりますよ、競馬狂というのもおるんですから。やはりファンの代表をこの中に入れるべきだと思う。これは大臣が代表というものを任命すると思うのですが、畜産局長どうですか。
  77. 森茂雄

    ○森(茂)政府委員 広い意味で新聞記者の松本さんという方が入っております。
  78. 片島港

    ○片島委員 広い意味が一人入っているだけですか。そういうことだからいかぬのです。ああいう人たちはいいところに行ってすわれるから……。やはり一般のファンの中で非常に熱心な人たちがおるんですから、熱心なだけで人の前に行ってものをよう言わぬようなのはあれですけれども、実際相当しっかりした者がおるわけですから、運営審議会の委員にファンをやはり入れるべきであると思うのですが、どうですか。あれは何人だったですか。もっとファン代表の委員の数をここに増して、ファンの委員の要望を常に競馬施行にあたって取り入れていく、こういう気持はないですか。
  79. 森茂雄

    ○森(茂)政府委員 現在運営審議会は二十人の定員であります。十九人充員しておる現状でございます。
  80. 片島港

    ○片島委員 ただいま畜産局長ではどうもはっきり御意見は言えぬと思うので、私は大臣が見えてから、大臣にこういう根本的な問題についてはあらためてお聞きしたいと思います。きょうはこれで私の質問を終わります。
  81. 野原正勝

    野原委員長 丹羽兵助君。
  82. 丹羽兵助

    ○丹羽(兵)委員 私は一点だけお尋ねしたいと思います。先ほど片島君の御黄門にもあり、またどなたかからも御質問がありましたが、場外売場の問題について承りたい。先ほどの御質問のときに畜産局長から相当御答弁をいただいたのでしょうけれども、もう少し聞きたいと思うのです。まことに残念なことに私は競馬も競輪も行ったことがないのです。しいていえば昔の招魂祭に競馬を見たくらいで、その私が質問するのですから、きわめて危険なことかと思いますけれども、もし間違っておれば御訂正を願いたいと思うでのす。  今度の公営競技調査会の答申にも、いろいろと公党競技競馬・競輪についての答申がなされております。また商工委員会の方では競輪についての改正法案が出ておる。そこで競馬法目的についてどの人もどの人もお尋ねがある。私は、答申の中に書かれてありますように、こういう公営競技社会的に好ましくない現象を起こしておることも少なくない、また多くの批判を受けておる、けれども反面、関連産業の助長、社会福祉事業、スポーツの振興、特に地方団体の財政維持、これに貢献しておる。これはまあ局長も認めておいでになる。私は競輪のことも競馬のことも今申し上げたようによく知りませんが、場外売場全体の売上高は相当額を占めておると思う。そうなりますと、馬の走るよさ、スリルを今お話し願ったように見に行く人もありましょうが、競馬場競技場へ行かずに地方の町のまん中の場外売場で買っておる人がある。馬の走るよさなんというものは全然考えない、そしてスリルも感じずにただ射幸心、ばくちをやろうというようなつもりで札を買う人が多い。中には自分の馬に対する一つ考えから買われる人もありましょうが、一体場外で買う人は競技を見ようとか言わずにただ射幸心で相当な札を買うわけなんですね。今も片島さんのお尋ねがあったのですが、局長さんは現地へ、競馬場へおいでになったことがあるというお話ですけれども、一体あの町のまん中で札を売っておりまする光景を局長はごらんになったかどうかということなんです。私は今申し上げたことは相当違わないと思う。全然馬に関心もなければ、畜産の振興に理解もなければ、ただサボってばくちをやる——ばくちと言っては悪いけれども札を買いに行く、こういうようなことでございますから、今日公営競技によって身上をなくす——私の方では身上と言いますけれども、相当な富を失って、家族全体が暗い生活をしておる、そういうのは相当範囲に場外売場で買って、大きな金を、今度は何とかならないか、何とか今度は取り戻せないか、それでだんだんと深みへ入っていっておると思う。こういう点を、公営競技なんかがもとで、あまり買い過ぎて泥沼に深入りをし過ぎて犯罪を起こした、そういう者はほんとう競技場へ行って馬を見つつそういうことになったのか、あるいは場外で興ってそういうことに入ったのが多いのか、犯罪事例から考えて御検討なさったことがあるかどうか、こういうことを一つ聞いておきたいと思うのです。  それからもう一点は、先ほど片島さんのお尋ねにもありましたように、地方財政の金もうけと言った方がいいかもしれません、金もうけからいきますならば、それはああいうものがなければ金もうけにならぬと思うのです。だからこれは大事なことでありましょう。金もうけという点からいけば非常に大事なことでございましょうが、社会罪悪を起こすもとになっておる、こういうような場外売場を、一つ競馬に関しては、競輪なんかと違いますから、事競馬に関しては思い切って廃止をして、先ほど局長さんのおっしゃいましたように真に競馬法にある振興ですが、こういうような点を浮き出していきたい、思い切って一つやってみたい、これくらいの御決心がないものかと思う。私はほんとうに見ておりませんけれども、競輪だって競馬だって見る者にしてみれば楽しみがあるのですから、やめる必要はこれはないかとも思うのですが、場外売場は犯罪と社会の批判を受けるもとになっておる。こういうときに、競輪と同じようなことをやっておらずに、畜産ぐらいは違うのだということを、一つすっきり銭もうけなんということを離れてやられる、踏み切っていくという考えを持ってほしいと思うのです。こんなことを局長さんは簡単に蓄えぬかもしれませんけれども、もしあなたの御決意のほどを承らしていただければ大へんけっこうだと思います。その三点だけお伺いいたします。
  83. 森茂雄

    ○森(茂)政府委員 競馬のために身上をつぶした例ということでございますが、競馬に限らず、競馬だけで身上をつぶしたか競輪と競馬で身上をつぶしたかは知りませんが、全般的な公営競技を通じてそれに熱中したために身上をつぶした例は聞いております。ただ場外馬券の例でございますが、場外馬券につきましては、特別な用があって競体場に楽しみにしていたのが行けない人がレースに参加できるという意味で勤労態勢をそこなわないとか、あるいは一時私設馬券が非常に横行いたしましたが、私設馬券の防止の面から相当効果があるとかというような、場外馬券のいろいろないい面を言う方もございまけれども、いずれにいたしましても、場外馬券現状場所なり雑踏等の関係から、せっかく田園風景において自分の馬についてスポーツ的に楽しむという競馬のいい面が、一時場外馬券の方の現象の事例で非常に損をしておる、悪い面を非常に強調されておるという面が多い点でございます。私といたしましては、ああいう雑踏を継続していく限りむしろこれはやめるべきである。かりに場外にいたしましても、もっと芝生の広い、記録の充実した、かつテレビ等の放送でやや競馬場に行ったのに近い状況において、楽しくお茶を飲みながら味わえるという場所が提供できるならば別であります。私といたしましては、ああいう雑踏状況が続く限り、競馬の利点が、逆に悪い面について非常に社会的に批判されておるという一つの問題でございますので、充実した施設でない限りやめる  べきだと思っております。
  84. 丹羽兵助

    ○丹羽(兵)委員 ただいま局長お話を承りまして、私と考え方はほとんど一致したと意を強うしておりますが、現在の場外馬券というものは局長考えていらっしゃるようなことはほとんどないのです。大衆がレースに加わるということは、札を買うということでレースに加わることも考えられましょうけれども、大衆娯楽というのは全然考えられない。ただ一人で札をたくさん買って血相を変えて当たるか当たらないか、ただ射幸心で、その当たる当たらぬということに一生懸命になって、たといレースに加わらなくても、お茶を飲みつつテレビでもながめて、ゆったりとして自分の買った馬の成績を見るというゆとりがあるとか、大衆の娯楽性というものは全然どこへ行ったって見られない。しかし、今認めていらっしゃいますように、これが批判の中心になっておるのですから、少なくとも今後も場外馬券制度を認めていかれるということならば、今お話のあるように、もう少し説明のできるような施設をもっていかれるように進めていただきたいと強く要望して質問を終わらしていただきたいと思います。
  85. 野原正勝

    野原委員長 参考人各位には連日当委員会に御出席下さいましてまことにありがとうございました。お引き取りをいただいてけっこうです。      ————◇—————
  86. 野原正勝

    野原委員長 次に、畜産物の価格安定等に関する法律の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行ないます。倉成正君。
  87. 倉成正

    ○倉成委員 畜産物の価格安定等に関する法律の一部を改正する法律案について質疑を行ないたいと思います。  まず、大臣の説明にありましたように、畜産部門が国民生活水準の向上と農産物の需要の変化に伴って、今後非常に重要な部門に入ったわけでありますけれども、その環境の中で畜産物の価格安定法が昨年制定されまして、農民はこれに対して非常な期待を持っておるわけであります。今次の改正において、私は法律の内容についてと、この畜産物価格安定法の運用の二点についてお伺いをしたいと思います。  そこでまず、法律改正について、条文について質疑に入りたいと思いますけれども、今次の改正におきまして政府は、従来の畜産物価格安定法の内容といたします畜産物の価格安定と乳業者の経営に必要な資金の調達を円滑にするほかに、畜産の振興に資するための事業に助成の道を開く、ということになっておるわけでありますが、第一条を受けまして第三十八条の第六号に、学校給食の事業とそれから畜産物の流通の合理化ないし保管事業、あるいは畜産の経営もしくは技術の指導事業その他市産の振興に資するための事業で農林省令で定めるものに経費を補助し、また当該事業に出資することということになっておるわけであります。法律的に見ましてまず一点としてお伺いしたい点は、帝室振興事業団は政府の出資団体であり、この政府の出資団体である畜産振興事業団が助成の対象とする団体は一体どういうものであるか。もっと具体的に申しますと、従来学校給食の事業は都道府県でやっております。そういたしますと従来通りに学校給食の事業を都道府県でやらせるということになりますと、畜産振興事業団が都道府県補助をするという格好になりますと、いわゆる行政法上いう上級機関が下級機関補助をするならわかるのでありますが、あるいは同位機関にするのもわかるのでありますけれども、いわゆる畜産振興事業団という下級機関地方公共団体、行政法上いう上級機関補助をするという格好になって、きわめておかしいものになってくると思うのであります。この点をどういうふうに解釈をしておられるか、お伺いをしてみたい一思います。
  88. 森茂雄

    ○森(茂)政府委員 事業団は、政府の出資機関でございますが、政府機関であっても政府自身とは違うわけであります。そこで、従来は国の予算をもって、都道府県を通じまして、学校給食をやった工場に一合三円七十銭の補助をしたわけであります。今回は、団を使いまして、都道府県に学校給食の事業補助を委託いたしまして、現在は都道府県が中小企業等の学校給食をやった事業者に補助しておりますが、その事業を都道府県に委託いたしまして今回はやるというわけで、事業団が都道府県補助することはやめまして、ただ実質的に学校に関する負担関係は同様になります。
  89. 倉成正

    ○倉成委員 従来国が都道府県補助しておったのを今度は委託事業に切りかえる、これは行政法上のいろいろな問題点があって、自治省その他とお打ち合わせの結果と思うのでありますが、そういたしますと、補助事業が委託事業になった場合に、行政法上どういう差異が出てくるかということを一つ伺いたいと思います。
  90. 森茂雄

    ○森(茂)政府委員 行政法上の差異は、委託事務の執行について都道府県が事業団の委託を受けているということでございますので、かわって補助するということで、国から都道府県都道府県から相手方ということで、今までの立場が、国から出る補助金が間接に都道府県を通って補助されたものが、事業団から、たとい都道府県に委託するにしても、直接相手方に補助されるという関係になります。
  91. 倉成正

    ○倉成委員 実はただいまの御答弁では明確でないわけです。もう少し率直に申しますと、事業主体が従来は都道府県になっておったけれども、今度は委託事業ということになりますと、学校給食の事業は事業団が事業主体になるのが行政法上の効果だろうと私は思うのですが、いかがでしょうか。
  92. 森茂雄

    ○森(茂)政府委員 その通りでございます。
  93. 倉成正

    ○倉成委員 ただいまの点は、今後の運営の点、この学校給食の事業がいかに行なわれたかという点について、従来は都道府県が責任を持っておったけれども、事業団が責任を持ってやるという意味において非常に重要な意味を持つと私は思いますので、これらの点についての御検討はもう一度しっかりやっておいていただきたいと思います。  次の問題としまして、この事業団で今度追加されました業務につきましては、国の事業と競合する部門が実際問題として出てくるのではないか。もちろんこの事業団の事業の活動は、事業団の出資金あるいは交付金、こういうものによって制約を受けてくるわけでありますから、まずこの活動できる根源であります交付金についてお伺いしてみたいと思います。  そこで、交付金については、この法律改正案によりますと、第五十四条の二で、「政府は、予算の範囲内で、第三十八条第一項第六号の業務に必要な経費の財源に充てるため交付金交付することができる。」となっておりますが、三十七年度予算において、この交付金の額は、この法律の条文に基づいてどうなっておるかということを伺いたい。
  94. 森茂雄

    ○森(茂)政府委員 第五十四条の二の規定によりまして、「政府は、予算の範囲内で、」ということでございますので、この法律の規定によりまして、昭和三十七年度の交付金の額は、十億円であります。
  95. 倉成正

    ○倉成委員 私はこの競馬法改正の論議の際に、中央競馬会の国庫納付金の問題に触れたことがございますが、この国軍納付金の額と今度の五十四条の二の交付金、これとの関係はいかになっておるか、伺いたいと思います。
  96. 森茂雄

    ○森(茂)政府委員 地方競馬交付金は、地域的な畜産振興に充てる——主として都道府県の御意見も伺いまして充てるということでございます。事業団の交付金は、全国的な規模で畜産振興に必要な事業に充てよう、こういうことで、考え方としては、全地域的と地方的ということで区分けをいたしておるわけであります。具体的な事業としては、ここに掲げられたような事業で予算上措置しにくいという事業について自動的に十億の金を支出して、そして補助あるいは助成、出資等をいたしまして畜産振興に充てようということでございます。
  97. 倉成正

    ○倉成委員 ただいまの御答弁は私の質問の趣旨と少し違うわけです。中央競馬会の国庫納付金の額とこの五十四条の二による交付金の額とはどういう有機的な関連があるか、またこの中央競馬会法その他の法律の条文に照らして、この畜産振興事業団あるいは畜産物価格安定法との関係はどうなっておるかというその有機的な関連を、具体的な数字も含めてお答えをいただきたいと思います。
  98. 森茂雄

    ○森(茂)政府委員 中央競馬会法第三十六条と畜産物の価格安定等に関する法律の今回の改正条文と、条文的には直接明文をもって関連はいたしておりません。ただ予算措置をする場合におきまして、交付金等を重要な因子といたしまして、私どもはこの予算を確保するということの考え方でございます。
  99. 倉成正

    ○倉成委員 具体的な数字を、国庫納付金の額が幾らであり、今回の事業団に対する交付金幾らであって、その内容についてどういうふうになっておるか……。
  100. 森茂雄

    ○森(茂)政府委員 国庫納付金の予定歳入見積額は、三十七年度は三十四億であります。大体考え方といたしましては、三十六条の規定で、予算の定むるところによりということで概定でいたしまして、その概定金額の相当部分を、その条項に基づきまして本法において予算の範囲内でということで予算措置をせんとするものであります。
  101. 倉成正

    ○倉成委員 担当畜産局長としては、この中央競馬会法の条文——もちろんこれについてこまかい細部の規定はございませんけれども、この制定の趣旨、それからこの交付金を今後継続的に確保していくという意味において、確かにおっしゃった通りに明文的な関連規定はございません。しかし、少なくとも有機的な関連がなければならない。またそうあるのが望ましいという意味において質問をしておるわけでありますから、もう少しその経過なり、あるいは実際の交付金がきまったいきさつについて御説明をしていただきたいと思うわけです。
  102. 森茂雄

    ○森(茂)政府委員 日本中央競馬会法の制定にあたりまして三十六条の規定が明文化されまして、特に実質的にその予算を確保するということで、われわれといたしましては競馬会法の通過以来、毎年畜産振興費の確保に努力して参っておるわけであります。ただ、直接的にそういう一般会計に入ってしまうものですから、空文論も起こっておるわけであります。その意味におきまして、約三十四億の——当時、予算折衝中は約三十億でございましたが、三十億前後のものの少なくとも半額は毎年その額を予定いたしまして、予算折衝の態度といたしましては約半額は毎年畜産振興事業団に確保してもらいたい、そういうことであります。従いましてそういう方針で私ども考えておりますので、財政当局と十分努力して、その確保に毎年努力していく義務が、本年度から、行政官的には折衝過程からいいまして発生しておるというふうに心得ております。
  103. 倉成正

    ○倉成委員 大蔵省との折衝過程において、大蔵省は取り込みますとなかなか出したがらないわけでありますから、こういう経過になったことはよくわかるわけでありますが、この十億の額というのは、来年度以降どうなるかということが非常に重要な問題ではないか。と申しますのは、少なくとも畜産振興の事業、あるいは学校給食の事業というものは思いつき的に、一時的にやるべきものではなくして、計画的に、継続的にやっていかなければならない。そういう意味においてこの点を申し上げておるわけでありますが、来年度以降の交付金の額は一体どういうふうになる見込みか、これによって、今後この改正の問題点をいろいろ論議する場合の大きな要素になると思いますから、お伺いをしたいと思います。
  104. 森茂雄

    ○森(茂)政府委員 農林省といたしまして、折衝過程におきましては国庫納付金の約半額十五億を、五億を出資にし、十億を交付金にするということで折衝いたした経緯がございます。われわれといたしましては、毎年国庫納付金の歳入見積額等を見計らいまして、できるだけ明年度も引き続いて同額以上努力いたしたいと存じます。
  105. 倉成正

    ○倉成委員 少なくとも十億を下らない額を毎年交付金として確保する、こういうお答えでございますね。
  106. 森茂雄

    ○森(茂)政府委員 本年度十億で、その他の関係等で事業団の資本の充実もはかりましたので、少なくとも今申し上げた程度は予算折衝によってわれわれとしては今後とも努力いたしたいと思います。
  107. 倉成正

    ○倉成委員 局長、もう少し自信を持って答えていただいてけっこうと思うのです。少なくとも今後いろいろな問題が出て参ります場合に、いろいろな事業の問題を検討する場合においても、その財源がやはり一番大きな問題になりますから、これらの点については、これを絶対下らない、ますます拡大していくという気持でやっていただく必要があるし、われわれとしてもこの畜産振興事業団を有効に働かせるためにはこれでは足りないと思っておるわけですから、この点をまず頭に置いていただきたいと思います。そこで、この畜産振興事業団が行なう業務の中で、学校給食の問題は少し問題が複雑でありますからあとに譲るとして、畜産の振興に関する事業と、国の現在やっております畜産振興の事業との関連。これは抽象的にはいろいろお答えがあるかと思いますが、少し具体的に、畜産局がいかなる事業を末端でやっておられ、今度畜産振興事業団がどういう事業を補完的に行なわれるかということを、一つはっきりお答えをいただきたいと思います。
  108. 森茂雄

    ○森(茂)政府委員 畜産局が現在予算措置としてやっておりますのは、主として都道府県行政を通じまして、末端まで家畜改良あるいはクーラーステーションの設置、流通施設の改善等について努力して編成をいたしておるわけであります。今回の交付金制度は、その運用益あるいは交付金をくずして、出資補助等都道府県を通ぜず直接全国的な施設あるいは国の予算措置でとりにくい人件費の充実、公益的に活動する私的団体の人件費の技術指導者の費用等、国の予算では編成しにくい事項について助成補助をいたしたいと考えておるわけであります。
  109. 倉成正

    ○倉成委員 あとでもう少し御勉強になってお答えいただきたいと思うのですが、非常に抽象的でございます。現在畜産局のやっておられる事業の大宗は、家畜増殖あるいは家畜衛生というのが末端で非常に大きくなっている。それから技術指導あるいは飼料対策という大きな骨幹があるわけですが、国が非常にやりにくいからこの事業団でこうやる——具体的に、体どういうものがあるかということ。また国の事業との関連ということ。これは今後非常に大事な問題になると思いますのでお伺いしておるのでありますから、いま一応、今おわかりでしたら、お答えをいただきたいと思います。
  110. 森茂雄

    ○森(茂)政府委員 御質問の筋が国の予算と交付金の助成との関係でございますが、大体国の予算は、お話通り、私も先ほど申し上げた通り、府県の行政とマッチして、国と都道府県が一体となって畜産の振興をはかっておるわけであります。その意味におきまして、家畜改良あるいは衛生事業その他構造改善、主産地形成等についても、都道府県を通じてやっておる事業であります。今回の事業団の行なう補助助成事業は、例示的にあげますれば、農業団体が主とした事業体になった場合の冷蔵虚の設備に対する事業体の出資、それから食肉等の規格検査施設団体に対する出資、それから畜産物の農業団体の技術指導員の設置補助、今後ますます家畜栄養上の効率的な飼料を提供していくという意味におきましての飼料の展示センター等でありまして、本年度の運用といたしましては、具体的には以上冷蔵庫等の施設をやるための事業に関する出資事業、食肉等の規格検査施設団体に対する出資、農業団体の技術指導員の設置に対する補助、飼料の展示センターに対する補助等であります。
  111. 倉成正

    ○倉成委員 ただいまの御答弁では、必ずしも国がやれない事業とも思えない部分もあるわけですね。飼料の展示をやるとか、あるいは規格を作るというものは、これは国がやれないから事業団でやるのが適当だと必ずしも考えられないというわけでありますから、これは交付金の額そのものにもよってくると思います。そこで、九億のうちのどれだけをこの振興卒業に回し、どれだけを学校給食の事業に回すことになっておりますか、伺いたい。
  112. 森茂雄

    ○森(茂)政府委員 学校給食事業に対する毎年度の予算執行状況からいいまして、その年その年の市乳の需給関係から予算額と実行額とは著しく差があるわけであります。本年の実績といたしましては約四億前後程度の実績であったわけであります。予算に組みましたのは九億でございますので、五億返還になるわけでございます。私どもといたしましては、学校給食につきましての現状の見通しといたしましては、昭和三十七年度では二学期前には学校給食をするような市乳の需給状況にはないと考えるのでございますので、現在のところでは二学期以降ということになりますと、四、五億程度あれば相当である、今後の需給関係から見ますると相当市乳なり乳製品の需要の伸びが多いものでありますので、それで消化される部面が多いから、今後秋筋等にあたりましても、今後の見通し等によっては、さらにそれ以下になる場合もあると存ずるわけであります。従いまして学校給食に関する予定する金額は、現在のところ二学期以降でありまして、考え方としては最高限度六億というふうに考えておりますが、現在市乳の供給状況からいいますと、それ以下になるというふうにも考えております。
  113. 倉成正

    ○倉成委員 学校給食の問題は本質的な問題がありますが、今町間がないようでありますから省略いたしますけれども、その他の事業、これが国の事業とどういう関連があるか、国の事業でやれないからやるのであるか、あるいはもう少し違った角度から、畜産全般の振興の立場から予算がある程度とれるならさらにプラスして多々ますます弁ずでいくのか、という考え方、これをもう少し畜産局でなさることが大事じゃないかと思いますから、きょうはこのくらいにして、次の機会にもう少し深く質問したいと思います。
  114. 野原正勝

    野原委員長 次会は明十六日午前十時開会することとし、本日はこれにて散会いたします。    午後一時四分散会