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川俣委員 局長の熱意はよくわかるのです。その方針でやられることはよく理解できるのですが、そのことがどれだけ実行性を持ってくるかというところに私は危惧を持っておるのです。私
どもは三十六条を作ったときも大いに熱意を持って作ったのだが、実際はあったのとなかったのとそう違いのないような、わずかな
畜産振興対策の予算よりとられていないというところに大きな不満があるわけです。それと同じように、
地方競馬で意図することは非常にりっぱであって、私は文句のつけようがないほどりっぱだと思っている。ところが実際これを活用するところの都道府県がどれだけ熱意を持って
畜産奨励のためにやってくれるか、
地方競馬協会で吸い上げてきたやつは全体的に使われるでしょうから、これは問題ないと思うのです。だけれ
ども、都道府県は
地方の
競馬の収益金をもって畜産の振興、社会福祉増進のための事業の財源に充て、これらの事業の
発展に寄与するということを
法律に明記して——確かにこれは明記されておるわけであります。これは必要なんです。これには文句はない。せっかく作った
法律だけれ
ども、明記しても一体どれだけ実行の面に現われてくるか。国だというと、大蔵省が財源がないということになると、
競馬の益金はありがたくちょうだいして、ほかのことに肩がわりしてしまうということをときどきやりかねないのです。相沢さんも今見えておるようですが、ときどきそういうことをやりかねないのです。私
どもはそうじゃない。こういうことでわざわざ
競馬をやる、それは何の
目的でやるかというと、
畜産奨励だと一応言わなければならない。そうでなければ
競馬なんか必要でない、こうなりますから・それでは、必要だということになりますと、
畜産奨励だといわざるを得ないのです。そうでなければ
競輪やオート
レースと何にも違いはないのですから。
歴史的な非常な強味を持っているのは何かというと、やはり
畜産奨励という御旗をかついでいるところにおそらく力を持っているのではないですか。ところが、その
畜産奨励に役立たせないようでは
意味がないのではないか。どんなに
法律に明記いたしましても、実行者がどれだけの熱意を持ってやってくれるかということについては、
農林省はなかなか手が届かないのではないかという心配をしておるわけであります。ですから、法規を作ったことについては反対じゃない。これをどう実行させるかということについて十分の用意がなければならない、こう思うわけであります。
そこでさらにお聞きしたいのですが、時間もございませんのでおきたいのですが、こういう僥幸心をあおるような、社会環境を悪くするようなおそれの出る
競馬でございまするから、いろいろ監督を厳重にするということは、当然のことだと思います。野放図にはできない当然のことだと思います。そこで今度でも罰則
規定を強化されるのだそうでございますが、この罰則
規定をさらに、役員ばかりでなくて、職員に対しましてもあるいは馬丁に対しましても罰則を強化しているというのでございますが、これは畜産局として聞いてほしいのだけれ
ども、この罰則の
規定が、
日本にありますいろいろな
法律の罰則の
規定と比較してみて、懲役の義務を負わしておる罰則を負わしておることは当然だと思います。ところが、懲役と罰金とを併用しているわけではありませんが、懲役または罰金と、こうなっておりますね、その罰金の額です。
競馬法によりますと、五年が五十万円、三年が三十万円あるいは三年が二十万円というのがありますけれ
ども、ほかと比較してみましてこれは中庸だといえないこともありません。しかしながら、事財産に関することだといたしますと、罰則
規定はさらに懲役または罰金の、その罰金の率は高いと思います。たとえば、大蔵省の相沢さん来ておいでになりますが、所得税法だの法人税では、五年以下の懲役または五百万円の罰金、三年以下の懲役または三百万円の罰金ということになっております。こういうスキャンダルみたいなことの問題についての罰金は、懲役は非常に役立つけれ
ども、三十万、五十万という金額は大した痛痒を
感じないという傾きがあるのではないか。そこで所得税法でも法人税法でも、懲役を課することよりも罰金としての金額を高めておかないと、財産上免れるというものがあるといけないということで、罰金を高めておるようです。ただし肥料取り締まりであるとか農薬取り締まりということになりますと、懲役三年で罰金が十万円とかいうことになっておりますが、これは財産土の利益を縛るということが罰則の対象になるものでありますから、もう少し罰金の率を高めておく必要があるのではないかと思うが、この点についての
見解を伺いたい。