○清井
説明員 ただいま御
指摘がございましたような点は
数字的にはその
通りでございます。私、農林公布に参りましてから約三年たっておるのでございますが、毎年問題になって私
ども苦心をいたしております問題は、ただいま先生が御
指摘になった問題でございます。
農林漁業金融公庫は、申すまでもなく、
政府機関でございます。貸付の
対象が農林漁業でございますので、
政府機関であるという性格と農林漁業を貸付の
対象とするという
関係から申しますと、当然これは漸次利子を安くする、あるいは条件を緩和していくというふうに、農林漁業の
経営の
実態に即応するように
融資条件を適正ならしめていくということが、私
どもに与えられた使命であると
考えております。
従って、そういう観点から申しますと、だんだんだんだんと公庫の仕付の平均利率というものが下がってくる、高利で貸付をする部分が減って参りまして低利で貸付する部分がふえて参るということは、これは私は当然だと思うのであります。ことに
近代化資金ができまして、公庫で貸し付けるよりもっと高い利率である七分五厘の
共同利用施設が全部
近代化資金に参りましたので、そういう
関係からいたしましても公庫の平均利率が非常に下がって参ったのでありますが、これは当然だと思います。
しかし
金融機関の立場として申し上げますと、政策的には当然でありましてもやはり
金融機関であります以上、私
どもといたしましては、この
金利の低下
傾向に即応いたしまして、公庫自体の健全性と申しますか、公庫自体の運用の健全性というものを責任を持って
考えなければならぬ立場にあるわけでございます。そこで私
どもといたしましては、公庫が設立されて以来まだ九年目でございますが、貸付
対象が非常に長期のものに貸し付けておりますために、いわゆる償還金へ充てられるものかまだ二百億
程度でございます。ところが貸付は、御
承知の
通り来年度は七百十億ということに予定されておるわけでございます。七百十億の中に二百億
程度の貸付金の回収でございますので、どうしても差額は
政府からの出資及び借入金に依存せざるを得ないという現状でございます。これがある
程度時期がたちますと回収金がふえて参りますから、やがては自立して、
政府からの出資なり
借り入れがなくても公庫が貸付し得る
段階になると思いますけれ
ども、これはまだちょっと間があると思います。そこで現在といたしましては出資と借入金に依存する。そういった場合におきましても、ただいまの公庫の貸付の
状況から申しますれば、どうしてもいわゆる出資というものに多きを依存しなければならぬという建前になるわけでございます。借入金の方は、申すまでもなく、年六分五厘で
借り入れをいたしておりまして、平均の貸付率は五分五厘でございます。約一分近い逆ざやになるわけでございますので、どうしても公庫自体の運営を
考えますれば、なるべく出
資金をよけいいただきまして、借入金に依存する部分をなるべく少なくするということにならざるを得ないわけであります。そういうことで、私
どもも常に
政府にその実行方を陳情いたしますし、また
政府におかれましても十分その点を考慮に入れまして予算の編成に努力をしていただいておるわけでございます。幸いことしは昨年度に比べますと割合に平均比率もよくなりました。出資の方の比率が
借り入れの方の比率に比べまして非常によくなりました。ただし今までの累計がありますので、今までの金額を累計いたしますとまだまたでございますが、最近におきます出資と
借り入れの比率は向上しておるとはっきり申し上げられると思います。ただ、今までの比率が十分でありませんので、総計いたしました累計といたしますと、まだまだその域に達していないという現状であります。私
どもといたしましては、公庫の
金融機関である性格上、今後
金利がある
程度下がっていくことはやむを得ないことだと思います。また条件が
相当緩和されていくこともやむを得ないことだと思います。そのことによって公序の政策
金融としての効果が上げられまして、農林水産業が幾分でも進歩向上することがあれば公庫の使命が果たせるということでございますから、私はそこはその
方向でやっていっていいと思います。ただ運用のためにはどうしても、出
資金なり借入金なりの
関係でできるだけ出
資金の比率を多くするなり、あるいは将来回収金がふえて自己
融資ができるようなところまで早く持っていきたいということで私
どもは努力しなければならぬことだと思っております。幸いただいまのところ毎年度の利益が出ておりまして、償却準備
資金も四十億をこしておるような
状況でございますので、ただいますぐにどうこうという問題ではありませんけれ
ども、公庫自体の
傾向といたしましては、なるべくこれは
金利というかいわゆる
政府の出資と
借り入れの割合等を通じまして、公庫自体の採算をよくしていくことに努力しなければならぬものだと思います。今後も私
どもそれに努力していきたいと思います。
貸付の方の
実態につきましては、私は、支店を九つも持っておりますが、さらに各
金融機関を下請機関にいたしますので、今後貸付金額がふえますにつれまして借入者の便益を
考えて努力していくつもりでございます。ただ公庫自体の運用の問題につきましては、私
どもといたしましてはこの点を千分
考えまして、
政府にも努力していただいておりますが、私
どもも常に公庫の
実情を是正いたしましてますます公庫自体の財政の健全化ということについて今後努力を進めて参らなければならない、こういうふうに
考えておる次第でございます。