○
安井委員 とにかくいろいろ今までの
開拓のおくれやあるいはまた
問題点の原因というものはたくさんあると思いますが、この
建設事業が全体的におくれているということが重大な欠陥であるというふうに
考えられます。その点、今やっと六八%
程度ということでありますが、新
方式もいいわけでありますけれども、今までかかっている地域についても今度再
検討が行なわれると思うのですが、まず
建設工事を著しく進捗させるということ、こういうことに第一の観点をお置きいただかなくてはならないと思うのです。また従来は
振興計画そのものに問題があるし、また
振興法も
予算の制約が多くて必要な工事をやれないという姿にもなっていたわけです。今までの古い
計画の中でも、経済情勢の変化でもうすでに要らなくなったような
建設工事等もあると思うのです。ですからそういうようなものは除いて、
振興法に今まで十分に
措置されていなかったような、飲料水の問題だとかあるいは電気だとか道路だとか、そういう新たな問題をも加えて全体的な
計画を立てるべきだし、また面積の問題にいたしましても
資金の問題にいたしましても、やはり今全体的な再
検討が必要な時期だと思うわけであります。そういうようなことでこれからの
標準営農類型といったような問題に
農林省はかかられるのだと思うわけであります。またそういうような立場でかかっていただかなくてはならないと思うわけです。その場合に私特に申し上げたいのは、生活環境の改善という面に
一つ十分意を用いていただきたいということです。ことしのお正月に
北海道の下川町という町の
開拓者の人たちと話をしたことがありますが、幹線道路から千メートルもその人のうちは引っ込んでいるわけです。それを私道でつないでいる。それをきっちりした道路にすればいいわけでありますけれども、それをつけるお金が十分にないので、畑の中をいまだに歩いている。雨が降ればぐちゃぐちゃになって、お祭りになっても娘たちが晴れ着を着て町に出かけることもできない。酪農をやるなんということは思いもよらないことだというようなことをこぼす人もおりました。あるいはまた水がなくていまだに川の水を飲んでいるという
農家もありました。まあわき水を利用して水道を引くというようなことも
考えられてもいいけれども、しかしそれだけの十分な金はないし、またある人はいまだに自分のうちには電灯がつかないのだということを言いました。
開拓地は六〇%
補助でつくわけでありますけれども、
北海道は九万円ですか、何としてもそれじゃとてもつかない。つかないということになりますと、四〇%の自己負担の上にさらにまた単価不足の分も本人がかぶらなくてはいけない、そういうようなことではとても今までの大きな負債の上に
資金措置はつかない、こういうような話も聞きました。これが戦後十数年たった現在の
開拓地の人々の話であるわけです。ですから今後の新しい
営農計画の立て方の中にも、生活環境の改善の問題にもっともっと力を入れられてよいのではないかと思うわけです。その点
一つ政府のお
考えを伺います。