○
石山委員 原子爆弾ができ、
水爆ができ、それからその
輸送において、たとえばミサイルとか
アメリカのB72、二十五メガトンを二基ぐらい積める、こういうふうな
輸送機関も
発達をしたというので、
戦争に対する
抑止勢力というものができたというふうに世間では言っている。それと同時に、
局地戦というふうなことも考えざるを得ないのです。私はきのうも触れたのですが、どうも
自衛隊の
幹部諸公の中では、やはりどうしても小型の
核兵器を持ちたいという気分があるのではないかということです。その任務にある者としては、そういう
考え方が浮かぶということは当然だと私は考えているし、いけないとは言わぬ。ただ、ものの
考え方として、たとえばこういうふうな
水爆実験がされる、あるいは核の
大気圏内における
実験がされるというとき、われわれはショックを受けるわけでしょう。いけないじゃないかと思う。これはだれしもそう思うのです。この原則を忘れないでいろいろのことを立案、計画していただきたいということを、私はこの際特に強調したい。その立場にあれば、たとえば大砲が一門あるよりも二門ある方がいいというのは当然なんです普通の
爆薬一トンの力よりも三トンの能力のある
爆薬を使いたいというのは、これは当然のことなんです。だけれども、われわれのふだんのものの
考え方の基準というものを忘れないような工夫をしないと、お互いに不幸な思いをするのではないかと思うのです。これは
原子爆弾だから
被害が多いということじゃないでしょう。かっての一人対一人の
戦国時代等の
戦争を見てもわかるわけです。そこの
農民や
農地を荒らしたわけでしょう。
農民を
犠牲にし、
農地を荒らしてきている。火薬が使われてくると、無こうの民も傷つけるということになる。ですから、
戦争が
発達をしてき次第、どうも人類の平和というものがむしろ傷つけられ、
戦争のために
被害を受ける
犠牲の
度合いというものが広くもなったし、深くもなったというこの
現実です。ですから、
日本の
自衛隊は
日本の国を守るのだ、
海外派兵はしないのだ、これは、例の
安保条約の
審議のとき、いろいろと裏表、縦横、上下というふうに論議をされて決定されたというふうに思っております。ただ、まだはっきりしていない点は、私きのうちょっと触れた第
五条による
自衛の
義務、これは
木村篤太郎さんなどは、
自衛の
義務などという観念が
憲法調査会の中に出ればしめたものだというふうに言っておるのです。
自衛の
義務ということが
憲法調査会の意見として集約できれば、
憲法などは改正しなくても、
徴兵等の
施行令は行なわれていくだろうというふうに彼は考えているようです。これは今までの
自衛隊がカエルだか何だか知らぬけれども、今日だんだん大きくなってきて、
警察予備隊七戸五千から今日までになってきた経緯を考えると、あるいはそういう形で移行するかもしらぬという懸念をわれわれは持っております。その前の
自衛の問題でございます。特にまた私の言いたいのは、
アメリカと混淆する
共同作戦、これがやはり当面の一番の問題なのじゃないか、
自衛隊が考えなければならぬ問題ではないか。
これは「
政府の窓」二月一日号です。これをきょうテキストとして、あなたと
質疑応答したいと一応は考えているわけですが、
藤枝泉介防衛庁長官と
細川隆元という方の
対談が
文書になっているのです。これはあなたお読みになりましたか。これはおそらく否定しないでしょうね。その中で出てくる問題は、かなりいろんな話題を提供しそうなんです。今言ったようなことも、この中の一部では話し合っている面もあります。これは
あとにしますが、あなたの一番気になっているのは、
アメリカはこれから
日本にはあまり
援助をしないのではないかというのが、八ページの中段に書いてある。あなたは、
南ベトナムに重点を置いて
援助するのではないか、こう言っている。この
南ベトナムは、御
承知のように、
東西の
紛争の
中心をなしているわけです。
韓国の問題もありますよ。
韓国の問題も
あとで触れたいと思いますが、あなたは
韓国の問題はあまり話に出してないから、
ベトナムに私は限定して話をするのですが、
ベトナムに
アメリカの
援助が向けられる。そうすると、
アメリカは
日本に今まで
援助したのを差し控えて、
東西が非常にせり合っている
南ベトナムに
援助する。
南ベトナムは、
アメリカ側にとっては非常に注視されているということです。そうすると、たとえば、
仮定のことは言ってはいかぬというけれども、
仮定がなければ
戦争の話、
軍事力の話はできない。これは完全に
仮定なんだ。
仮想敵国があって初めて
自衛力の話をわれわれは論ずる。戦力の話も論ずる。十万では足りないから十七万でなければいかぬ、十万トンの船ではいかぬから十四万トンを作るというのでしょう。結局われわれは、その
想定図からいけば、どうもあそこでは
紛争が起きる、起きた場合ということになる。その場合に、この
五条の解釈があいまいであれば、
日本はその
紛争の中に自然の形で巻き込まれていくだろう。
戦争が始まれば、おそらく巻き込まれるだろう。おそらくは
戦争というものはそういう過酷なもので、むちゃくちゃな
思慮分別のないものだから、巻き込まれる。しかし、平和のうちに、問題が起きないうちにきちんとしたけじめをつけておけば、
日本の
被害は少ないだろうということです。それで、この
五条で、私の方では
戦争のことをよく覚えているから、結局は
アメリカと
共同作戦をとってやるだろうと言っている。
領海でなくても、
基地でなくても、
攻撃されなくてもやるだろうということを盛んに主張しているけれども、あなたの方では、そうではない、そうではないと言っている。だから
領空、
領海、
基地、
——軍事基地ならはっきりわかる、これは陸地だからはっきりわかる。
領空、
領海の判定の仕方はどうですかと、きのうあなたにお聞きしたら、すこぶるあいまいな、確信のない返答をしている。これは確信できるわけはないんだ。もうマッハ二の飛行機が飛んだり、それだまなんかつかまえるわけにいかぬだろうしね。こういうとき、
自衛隊としては
紛争に巻き込まれないように、どういうふうに構想をこらしているか。指揮、指令の
機関を通じて現地の部隊にどういうふうな指示を与えて
——二月よりも四月の今日は落ちついたとはいわれませんね。
南ベトナムの問題はむしろ深刻化している。底に深くもぐっている。だから、二月よりも今日の方が重要だということはおわかりだと思う。それに対して、あなたは腕をこまねいて黙って見ていたわけじゃないでしょう、あなたは
五条を力説しているんだから。あなたの前の
長官も盛んに言っておったな。こんなはこと全然
心配は何もないから、賛成しなさいと盛んに言っておった。これは
安保条約だけでないのだ。
安保条約の蒸し返して、あったけれども、当
委員会で
横路委員からも再度にわたって力説された問題なんだ。だから、私みたいな
軍事に
関係ない者も頭に残っているので、あなに聞いている、
心配になったものだから。どういうふうにこの問題に対して対処していかれるか。
紛争に巻き込まれないように対処していくか。
日米安保条約五条による理解の
度合いとともに、その
対応策をばお聞きしたい。