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田口(誠)
委員 時間とにらみ合わせて
質問申し上げているわけなのですが、との辺で
防衛庁設置法の
関係に入りたいと思いますけれ
ども、ちょっと緊急な問題がございますので、その方を先に
質問さしていただいて、
設置法に関するもろもろの
内容については
あとから
質問を申し上げ、また、今まで
質問を申し上げました大綱的な面について、池田総理に
お尋ねしなくてはならない面は触れておりませんので、これはそのときに譲りたいと思うのです。
それで問題は、
防衛庁の方へ直接私の方からも
実態を報告申し上げてありますし、それから昨年の
委員会で相当詳細に報告を申し上げ、また御回答もいただいておりまする日野の
射撃場の問題でございます。
〔草野
委員長代理退席、
委員長着席〕
この問題につきましては、昨年の
質問にも申し上げました
ように、旧陸軍六十八連隊がおりましたときに、日野の
射撃場のある地点は、その当時は岐阜市としては郊外でございましたので、六十八連隊から徒歩でちょうどいい地点であった。明治四十年に新設をいたしておる
ようなわけでございますが、その後岐阜市が発展をして参りまして、現在では、岐阜市の今後の大
計画を四角に囲ってみますると、中心地ということになるわけでございまして、従って、単なるイデオロギーということだけでそれの反対の
質問を申し上げたはかりでなくして、この
射撃場のあるすぐ八百メートルのところには精神病院があり、一千メートルの地点には国立結核療養所があり、こういう
ような非常に環境の悪いところにありますのと、それから
射撃場を持っております船伏山という山は、金華山の峰続きでございまして、この金華山というのは、従来はただ鳥を撃ってはならないという禁猟区でございましたけれ
ども、それが一歩前進したところの鳥獣保護区域になっておりまして、
日本では嵐山に次く小鳥の住むにいいところであり、育つにいいところだというので、保護区域になっておる。しかも、これは四囲に原始林かありまして、
日本でも有名なところであって、ここにはロープウェーあるいはドライブウエー、いろいろなそういう交通の便をよくして開発をして、全国からの観光客が来ておるという
ようなこと。それからその山の麓に流れておるのが有名なウ飼いを行ないます長良川でありまして、来月の二十五日ですか、今年も天皇、皇后がおいでになるということにもなっておりますし、
政府からも
政府の大事なお客さんをいつも回してくる。こういう
ようなことから、地理的な環境からいっても、やはり病院という
ような面からいっても、鳥獣保護区域という
ような面からいっても、あの地点はもう
射撃場としては不適当な地点であるという
考え方から、
質問を申し上げておったわけです。
たまたま昨年の一月十三日でございましたが、守山の
部隊が、射撃をやるために相当数の人数が来たわけでございますが、これを聞き込みました土地の人たち、あるいは病院の先生を初め患者が押しかけて、そして交渉の結果、結局この問題については、病院側とも、また患者自治会の方とも了解を得なければ強行はしないのだ、しかし、こういう話し合いについては、一月末を目途にやりたいという
一つの話し合いのもとに、その日は終わったわけでございます。その後、やはりどうしてもあの地点は、いろいろな面からいって、
射撃場としては不適当な地になっておるのだからというので、反対同盟ができまして、これは全国的な基地反対の連盟のカンパなんかももらって、反対の闘争が続けられておったのですが、先日も申し上げました
ように、たまたま十混から三十名の兵が来まして、そして石油をぶっかけて整地をしたという事件がありまして、非常にこれに神経をとがらしまして、患者自治会もかけつけ、また、土地の農民の人、あるいは反対同盟の人たちが抗議を行なって、引き揚げてもらったわけです。それで、さっそく私の方へ連絡がございましたので、この
実態を
防衛庁長官、
教育局長に申し上げましたら、この問題は一時岐阜県の知事があっせんをしてくれまして、そしてあっせん案も出したけれ
ども、しかし、肝心かなめの患者自治会を除外しておったために、問題が目的
通りにいかなかったので、岐阜県知事としても、やはり周囲の
関係から
防衛庁に協力をしてあっせんをするということも不適当であるという
ような
考え方も手伝って、もうあっせんの手を引いたわけなんです。こういう
ような問題があっただけに慎重を期するのだという御回答でありましたので、その旨を現地の方へ伝えておいたわけです。ところが、その後数日しまして、また二十名の
隊員が武装をしてやって参りまして、そして何かやろうとしておったんですが、それを見つけました反対同盟の人たち、あるいは病院の自治会の人たちがいろいろ抗議をいたしましたら、歩哨動作の訓練を行なうのだといって逃げを打っておったのですが、この問題につきましても、さっそくそのあくる日に、
防衛庁長官にその旨を私から申し上げたら、とにかく射撃という面については、この間話した
通り、あそこは問題になっておるだけに、一方的なそうしたことはやらないから、現地の人たちにもそういう点を伝えてほしいという誠意ある回答がございましたので、その旨を伝えておいたわけなんです。
そこで、
防衛庁の上層部としては、そういうりっぱなお
考え方を持っておられましても、現地の
部隊では、何か非常に感情的になっておりまして、
防衛庁の確保しておるところの敷地で何をやろうが勝手じゃないかという
ような暴言を、当時来ておりました武藤という責任者がそういう
ようなことを吐いておりまするし、今後、そうしたことを徐々になされておる
過程において、不意打ちに射撃訓練をやられるのではないか、試射をやられるのじゃないかというので、非常に心配しておるわけなんで、その点で、私は、なおここで明確に
一つ御
答弁をしていただきたいと思うのですが、これは前の西村
防衛庁長官と
質疑応答の
過程でお約束をいたしておりまする
ように、患者自治会等を無視して一方的な射撃は行なわないというこのお
考え方においては、
藤枝防衛庁長官もお変わりはないのかどうか、まず、これをお伺いしたいと思います。