○内田
委員 関連して。今、田口君がお尋ねになっている三年間の
段階的の
実施のことにつきまして、今度の法律の構成で
一つ手抜かりがあるのではないかとも思われる点をお尋ねしたいのです。
それは、三年
実施でありますけれ
ども、重傷の傷痍軍人につきましては、法律では本年から完全
実施になっております。そうすると、これは、傷痍軍人を優遇すること、もとよりけっこうでありまして、たとえば遺族の扶助料のように
段階的の
実施に傷痍軍人を引き戻せということではありませんが、遺族の扶助料についても、私は、さらにこれを
段階実施のあり方として改善する道はないかと思う点があります。たとえば三年
実施といいますけれ
ども、老齢者については、たとえば七十才以上の受給者については、来年の七月ですか、十月ですか、全額
実施していく、二年
実施という
方法をとっておられるのでありますから、老齢者については、この三年
実施が
かなり縮まっている面があります。ところが、未亡人については、ことしの十月から半額
実施、来年は一年間を通じて半額
実施で、再来年の途中から全額
実施ということになっておりますから、未亡人であられる遺族扶助料の受給者は、全額
実施までには
かなり待たなければならぬ。そこで、未亡人については来年から全額
実施にするようなことを、来年またこの一部改正法を出されてやったらどうか。おそらく田口君のお気持も、またわが党の
委員のお気持も、そこにあるのじゃないかと思いますが、なぜ一体未亡人については傷痍軍人と同じような扱いをしてはならぬのか。これは、遺族扶助料の受給者がおそらく百五、六十万人でありましょうか、そのうち、未亡人の
方々はおそらく三十万人くらいだろうと思います。老人はもちろん老い先が長くないから、なるべく早く優遇する趣旨はわかりますが、未亡人については、現在ほんとうに生活上、峠に差しかかっておる。なぜならば、お子さん方が、すでに終戦後十七年
たちまして、だんだん二十才に近づいてきまして、子女加給がもらえなくなってきておる人が非常に多くなっておるのであります。でありますから、今度の恩給法による処遇是正で、確かに三六%上がるのはあるけれ
ども、人によっては子女加給が落ちているという点がずいぶん出ておる。そういう点からもっと考えてやっていいのではないかという点、それから年令的には、これはあなたの方がお調べになっておられます遺族の平均年令が四十九才くらいだと承っておりますが、いわば更年期にもなるわけで、いろいろな社会的の苦痛も加わっておる、また、さきの子女加給に関連して、子女の結婚とか、入学とか、その方面で一番お金の要る、ちょうどきわどい、むずかしいところに差しかかってきておるから、今度の改正を百尺竿頭一歩を進めて、ここでさらに修正できれば一番いいがそれは不可能でありましょう。私はいろいろな事情を知っておりますが、せめて来年の途中から、未亡人についてはさらに繰り上げ増額、完全
実施という方向で考えられないものかどうかということをお尋ねいたしたい。