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1962-02-13 第40回国会 衆議院 内閣委員会 第6号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十七年二月十三日(火曜日)     午前十時四十五分開議  出席委員    委員長 中島 茂喜君    理事 伊能繁次郎君 理事 草野一郎平君    理事 堀内 一雄君 理事 石山 權作君    理事 山内  広君       内海 安吉君    大森 玉木君       金子 一平君    亀岡 高夫君       久野 忠治君    田澤 吉郎君       辻  寛一君    藤原 節夫君       前田 正男君    飛鳥田一雄君       緒方 孝男君    田口 誠治君       西村 関一君  出席国務大臣         運 輸 大 臣 齋藤  昇君         国 務 大 臣 藤枝 泉介君  出席政府委員         内閣官房長官  大平 正芳君         総理府総務長官 小平 久雄君         防衛庁参事官         (長官官房長) 加藤 陽三君         調達庁長官   林  一夫君         外務政務次官  川村善八郎君         外務事務官         (大臣官房長) 湯川 盛夫君         外務事務官         (国際連合局         長)      高橋  覺君  委員外出席者         外務事務官         (大臣官房総務         参事官)    安川  壯君         外務事務官         (大臣官房人事         課長)     魚本藤吉郎君         外務事務官         (大臣官房文書         課長)     高瀬 直智君         外務事務官         (経済局参事         官)      和田 周作君         外務事務官         (経済局経済協         力部参事官)  鶴見 清彦君         外務事務官         (国際連合局参         事官)     根本  驥君         通商産業事務官         (通商局振興部         長)      生駒  勇君     ————————————— 二月九日  委員大森玉木辞任につき、その補欠として高  碕達之助君が議長指名委員に選任された。 同月十三日  委員石田博英君、小川半次君、高碕達之助君及  び保科善四郎辞任につき、その補欠として田  澤吉郎君、久野忠治君、大森玉木君及び亀岡高  夫君議長指名委員に選任された。 同日  委員大森玉木君、亀岡高夫君久野忠治君及び  田澤吉郎辞任につき、その補欠として高碕達  之助君、保科善四郎君、小川半次君及び石田博  英君が議長指名委員に選任された。     ————————————— 二月八日  恩給法等の一部を改正する法律案内閣提出第  七四号) 同月十日  総理府設置法等の一部を改正する法律案内閣  提出第八〇号) 同月十二日  臨時司法制度調査会設置法案内閣提出第八六  号)  防衛庁設置法等の一部を改正する法律案内閣  提出第八七号)  運輸省設置法の一部を改正する法律案内閣提  出第九〇号) は本委員会に付託された。     ————————————— 本日の会議に付した案件  在外公館名称及び位置を定める法律の一部を  改正する法律案内閣提出第二〇号)  在外公館に勤務する外務公務員給与に関する  法律の一部を改正する法律案内閣提出第四五  号)  外務省設置法の一部を改正する法律案内閣提  出第五〇号)  恩給法等の一部を改正する法律案内閣提出第  七四号)  総理府設置法等の一部を改正する法律案内閣  提出第八〇号)  臨時司法制度調査会設置法案内閣提出第八六  号)  防衛庁設置法等の一部を改正する法律案内閣  提出第八七号)  運輸省設置法の一部を改正する法律案内閣提  出第九〇号)      ————◇—————
  2. 中島茂喜

    中島委員長 これより会議を開きます。  まず、防衛庁設置法等の一部を改正する法律案議題とし、政府より提案理由説明を求めます。防衛庁長官藤枝泉介君。
  3. 藤枝泉介

    藤枝国務大臣 ただいま議題となりました防衛庁設置法の一部を改正する法律案提案理由及びその内容概要について御説明申し上げます。  まず、防衛庁設置法改正について御説明いたします。  第一に、現下情勢にかんがみ、引き続き国力国情に応じて防衛力整備するため、さきに決定した第二次防衛力整備計画にのっとり防衛力内容充実に努めることとし、昭和三十七年度において定員としては防衛庁職員を二千七百六十八人増加しようとするものであります。その増員二千七百六十八人のうち、千九百十四人が自衛官で、残りの八百五十四人が自衛官以外の職員であります。自衛官増加は、海上自衛隊及び航空自衛隊におけるものでありまして、海上自衛隊における増員は、千百九十四人で、艦艇及び航空機の増加に伴い必要とされる人員の配置に伴うもの及び既設部隊内容充実等のために充てるものであります。また、航空自衛隊における増員は、七百二十人で、飛行機の新編、補給部門の拡充及び既設部隊内容充実等のために充てるものであります。  第二に、最近における自衛隊及び駐留軍施設に関する問題の重要性及び相互関連性にかんがみ、自衛隊及び駐留軍施設の取得、管理及びこれに関連する事務を一元的に処理する機構を整備するため、防衛庁参事官一人を増員するとともに、防衛庁本庁建設本部調達庁とを統合し、新たに防衛施設庁設置することといたしました。新設される防衛施設庁は、従来の防衛庁本庁建設本部及び調達庁業務のほか、従来各自衛隊で行なってきた漁業補償等実施業務を行なうことをその任務とすることといたしておりまして、防御施設庁定員は、その発足に際しては建設木部定員調達庁定員合計でありますが、昭和三十九年度末までに二百人を計画的に減員し、昭和四十年四月一日以降三千三百八十七人にしようとするものであります。  防衛施設庁には、長官のほか次長及び技術審議官を置くこととし、内部部局としましては、総務部施設部建設部及び労務部の四部を置くことといたしました。また、地方支分部局としましては、札幌、仙台、東京、横浜、名古屋、大阪、呉及び福岡に防衛施設局を置くこととし、さらにこれらの所掌事務の一部を分掌させるため、支局その他の機関を置くことといたしております。防衛施設庁職員は、労務部に勤務する職員等直接自衛隊任務遂行関連を持たない者を除きまして、すべて隊員として特別職に属するものとし、その身分取り扱いについては自衛隊法の定めるところによることといたしました。  次に自衛隊法改正について御説明いたします。  第一に、前に述べましたような理由により、防衛施設庁設置することといたしましたので、防衛施設庁のうち自衛隊任務遂行と直接関連を持ちますものは、これを自衛隊の中に含ませることとし、これに勤務する職員はすべて隊員とし、これらの隊員任免等につきましては、防衛施設庁長官またはその委任を受けた者が行なうこととするとともに、自衛隊内における人事管理統一性を確保するため、隊員人事管理基準防衛庁長官が定める旨を明定いたしました。なお、防衛施設庁隊員懲戒処分等に対する審査請求につきましては、他の隊員と同様、直接防衛庁長官に対して審査請求し、公正審査会の審理を受け得るようにいたしております。  第二に、航空自衛隊においては、整備補給通信等術科教育を四つの術科学校実施しておりますが、今回、従来航空管制業務についての教育訓練を行なって参りました管制教育団学校に改組するとともに、これらの各術科学校管理するため術科教育本部を新設し、術科教育の体系を整備することといたしました。  第三に、予備自衛官の員数を二千人増加し、一万九千人に改めるとともに、訓練招集命令を受けた予備自衛官についての訓練招集命令の取消しまたは変更の条件を緩和することとしました。  第四に、自衛隊訓練のため水面を使用する必要がある場合には、一定の区域及び期間を定めて漁船の操業の制限または禁止を行なうことができることとなっておりますが、試験研究のためにもこれらの措置をとり得るよう規定整備をはかっております。  第五に、第七航空団司令部所在地変更等に関する規定を設けております。  なお、防衛施設庁設置の日は、この法律の公布の日から起算して十月をこえない範囲内において政令で定めることとするとともに、その際建設木部及び調達庁職員である者は、別段の辞令を発せられない限り、防衛施設庁職員となることとする等所要経過措置に関する規定を設けております。  以上、法律案内容を御説明申し上げましたが、何とぞ慎重御審議の上、すみやかに御賛成下さるようお願いいたします。      ————◇—————
  4. 中島茂喜

  5. 大平正芳

    大平政府委員 ただいま議題となりました臨時司法制度調査会設置法案について、その提案理由及び概要を御説明いたします。  近時、訴訟事件の数がとみに増加し、その内容もきわめて複雑となってきたことに伴い、裁判官等の格段の努力にもかかわらず、訴訟遅延の現象はようやく著しく、今や看過することができない状態にまで立ち至っているのであります。しかるに、裁判官を志望する者の数は近時漸減の傾向にあり、必要最少限度裁判官の数の確保すら困難な実情にあるのであります。従って、このような状態を放置するにおいては、訴訟遅延の解消は望むべくもなく、わが国の司法制度は、この面において、きわめて憂慮すべき状態にあると言っても過言ではないのであります。そこで、かかる事態を打開するためには、その根本的な問題である裁判官任用制度給与制度等に徹底的な再検討を加え、抜本的な対策を早急に樹立することが焦眉の急務であると考えられるのであります。  政府は、数年来、この問題に関し、種々の検討を続けてきたのでありますが、事は司法制度根本にかかわる問題であり、ひいては国政の基本に関する問題でもあることにかんがみ、その対策の樹立にあたっては、まず各界の英知を集めてこの問題の検討に万全を期する必要があると考えますので、この際、臨時に、内閣に、そのための調査審議機関として臨時司法制度調査会設置しようとするものであります。この法律案は、右の調査会設置に必要な事項を定めているものでありまして、以下その要点を申し上げます。  臨時司法制度調査会は、司法制度運営の適正を確保するため、主として、裁判官任用制度及び給与制度、これと密接不可分関係にある検察官任用制度及び給与制度並びに法曹一元の制度に関する緊急に必要な基本的かつ総合的な施策について調査審議することを目的とするものであります。その委員には、国会議員裁判官検察官、弁護士及び学識経験のある者合計二十人以内を任命することとし、必要に応じて専門委員を置くことができることとするとともに、調査会事務を処理させるため、調査会事務局を置くこととしております。なお、この調査会設置の趣旨にかんがみ、この法律は、施行の日から二年を経過した日にその効力を失うこととしております。  以上が、臨時司法制度調査会設置法案提案理由及びその概要であります。何とぞ慎重御審議の上、すみやかに御可決下さいますようお願いいたします。      ————◇—————
  6. 中島茂喜

    中島委員長 次に、運輸省設置法の一部を改正する法律案議題とし、政府より提案理由説明を求めます。運輸大臣齋藤昇君。
  7. 齋藤昇

    齋藤国務大臣 ただいま議題となりました運輸省設置法の一部を改正する法律案提案理由につきまして御説明申し上げます。  今回の改正の第一点は、本省付属機関として港湾技術研究所を新設することであります。  最近、技術的にきわめて高度化している港湾工事の能率的な遂行をはかるためには、港湾技術に関する研究調査試験設計業務を一貫して総合的に行なう必要がありますので、運輸技術研究所港湾関係部門を母体とし、これに港湾局調査設計室を統合して港湾技術研究所を設けることといたしたのであります。  次に、改正の第二点は、本省付属機関として、館山海員学校を設けることであります。  海員学校は、現在、全国に九校が設けられ、年間千数百名の海員の養成を行なっておりますが、船腹量増加とともに、海員学校卒業者の需要が増大しつつありますので、館山市に海員学校を設けることといたしたのであります。  改正の第三点は、本省付属機関として、海運企業整備計画審議会を設けることであります。  これは、海運業企業基盤強化をはかる目的で、個々の海運会社整備計画審議するための諮問機関として設けるものであります。  改正の第四点は、日勤車審議会廃止に伴う規定整理を行なうことであります。  自動車審議会は、自動車に関する施策に関する重要事項調査審議するため昭和三十五年七月に設けられたもので、その存続期限は本年三月三十一日までとされております。同審議会は、発足以来三十数回にわたる審議を重ね、近くその審議を終える運びとなりましたので、このたび同審議会廃止に伴う所要規定整理をいたすこととしたのであります。  改正の第五点は、航空交通管制木部所在地変更であります。同本部は、都下久留米町に庁舎を新設中でありましたが、近くその建設を終え、移転を開始することとなりましたので、所在地を改めることとしたのであります。  改正の第六点は、気象庁研修所名称気象学校に改めることであります。  気象庁研修所は、気象庁職員に対して、気象業務に従事するため必要な教育及び訓練を行なう機関でありますが、その教育内容は、短期大学と同程度のものでありますので、実態に即するよう名称を改めることといたしたのであります。  このほか、事務の円滑な処理をはかるため、運輸省常勤職員定員を、昭和三十七年度において千三百三十八人増加し、三万二千百五十九人に改めることといたしております。  以上が、この法律案提案する理由であります。何とぞ慎重御審議の上、すみやかに御賛成いただきますようお願い申し上げます。      ————◇—————
  8. 中島茂喜

    中島委員長 次に、恩給法等の一部を改正する法律案及び総理府設置法等の一部を改正する法律案一括議題とし、政府より提案理由説明を求めます。総理府総務長官小平久雄君。
  9. 小平久雄

    小平政府委員 ただいま議題となりました恩給法等の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由及び概要を御説明申し上げます。  この法律案による措置の第一点は、恩給年額の改訂であります。  現在、旧軍人および昭和二十八年以前退職の文官並びにこれらの遺族年金たる恩給は、原則として公務員のいわゆる一万五千円ベース給与俸給基準として算定されているのでありますが、その後における公務員給与の引き上げ、生活水準上昇等を考慮し、公務傷病者公務死没者遺族に重点を置きつつ、恩給年額につきまして、次のような改善措置を講じようとするものであります。  まず、一般退職者及びその遺族恩給年額につきましては、公務員のいわゆる二万円ベース給与俸給基準として算定した額、すなわち、二十%前後増額した額に引き上げることとし、また、公務傷病者及び公務死没者遺族恩給年額につきましては、原則として公務員のいわゆる二万四千円ベース俸給基準として算定した額、すなわち、三六%前後増額した額に引き上げようとするものであります。  右の措置昭和三十七年十月から実施いたしますが、急激な財政負担を避けるため、三カ年にまたがる年次計画によってこれを処理することとし、その実施につきましては、公務傷病者、なかんずく重症者、遺家族、老齢者を先にするよう配慮いたしました。  次に、右の増額措置に伴いまして、昭和二十九年以後の退職者及びその遺族につきましても、これに準ずる措置を講じ、また、普通恩給についての多額所得者に対する恩給停止基準につきまして、所要改正を行なおうとするものであります。  この法律案による措置の第二点は、刑に処せられたことまたは懲戒等処分によって、年金たる恩給に関する権利を失った者に関するものであります。  これら刑に処せられ、または懲戒処分等により年金たる恩給を受ける権利を失った人々のうちには、その後一般的復権恩赦等を考慮いたしますと、将来に向かっては、年金たる恩給を受けることができるようにするのが適当と考えられる人々がありますので、二の際、その道を開くこととしようとするものであります。  以上が、この法律案提案理由及び概要であります。何とぞ慎重御審議の上、すみやかに御賛同あらんことをお願い申し上げます。  次に、総理府設置法等の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由及び概要を御説明いたします。  この法律案は、第一は、総理府付属機関のうち、その任務を終了した訴願制度調査会を初め五つの調査会審議会廃止し、新たに港湾労働等対策審議会交通基本問題調査会補助金等合理化審議会及び輸出会議設置するため所要改正を行なうものであります。第二は、総理府本府、宮内庁及び内閣官房定員改正であります。第三は、国が指定都市に対してその青少年問題協議会運営に要する経費を補助することができることとするためのものであります。第四は、法制局名称内閣法制局と改めるとともに一部増設を行なおうとするものでありまして、これら関係法律改正を一括して総理府設置法等の一部を改正する法律案といたしたものであります。  次に、本案の内容でありますが、第一条は、総理府設置法の一部改正であります。  総理府付属機関である訴願制度調査会固定資産評価制度調査会農林漁業基本問題調査会公営競技調査会及び町名地番制度審議会は、それぞれ最終答申がなされ、その任務を終了いたしておりますので、削除しようとするものであります。  税制調査会は、昨年十二月に最終答申をいたしましたが、その答申の中で「今後とも租税制度の諸問題について、しかるべき機関により引き続いて審議が行なわれることを希望する。」と述べております。政府は、これを受けて租税制度に関する基本的事項を恒常的に調査審議するため、名称は同じでありますが、新たな機関としてこれを設置しようとするものであります。  新たに設置される審議会等について、順を追って御説明いたします。  まず、港湾労働等対策審議会について申し上げます。港湾に関しましては、運輸省港湾審議会で所掌しております港湾施設整備のほか、港湾労働の雇用の安定あるいは船込み緩和等、取り急ぎ解決すべき問題があります。この際総合的な立場から民間学識者の意見を伺い、従来とってきた諸施策強化改善をはかるため、二年の期限を付して新たにこの審議会を設けることといたしました。  第二は交通基本問題調査会であります。現下交通情勢は、路面交通混雑の激化、交通事故激増等、日に日に悪化の一途をたどり、しかも、これに対処すべき交通行政が現在きわめて輻輳した状態にあって、総合的な対策の推進がおくれている実情にかんがみ、二年の期限を付して、総合的な陸上交通施策に関する基本的事項調査審議するため、この調査会を設けることといたしました。  第三は補助金等合理化審議会であります。今日、補助金負担金交付金等、国の地方公共団体に対する財源の交付額は六千億円の多額に達し、国及び地方財政上、重要な地位を占めております。今後これらの補助金負担金交付金等の諸制度をいかに合理化していくべきかは重要な問題でありますので、国及び地方財政全般の見地から、これら諸制度の合理化問題を調査審議するため、二年の期限を付してこの審議会を設けることといたしました  第四は輸出会議であります。政府は、輸出振興重要性にかんがみ、昭和二十九年閣議決定により輸出会議及び産業別輸出会議を置き、今日までかなりの成果を上げて参りました。このたび、これを法律上の機関とし、政府及び民間の意思を統一して輸出振興を期するため、名実ともに恒久的な機関とするものであります。  また、総理府定員三千四百八十人を四千二十九人に改めておりますが、この増員は、総理府の新庁舎の完工及び沖繩に対する技術援助等による事務量増加のための新規増十五人と、常勤及び賃金労務者五百三十四人の定員化に伴うものであります。なお、新定員のうち百二十五人は、昭和三十八年度における昭和三十五年国勢調査に伴う事務量の減少を推定して、昭和三十八年三月三十一日までのものである旨を規定いたしました。  第二条は、青少年問題協議会設置法の一部改正であります。  政府は、地方における青少年問題協議会活動の促進をはかるため、都道府県に対しては昭和二十八年度以来補助金を交付して参ったのでありますが、いわゆる五大市は、その人口規模及びその処理する事務内容からいたしましても都道府県と対比さるべき実体を備えている上に、最近の傾向である青少年都市集中化は特にこの五大市において著しく、かつまた、数多くの青少年問題を包蔵している地域でありますので、これら五大市青少年問題協議会活動を一段と強化し、総合的な青少年対策をさらに推進するため、その運営費の一部について補助を行なおうとするものであります。  第三条は、同和問題の実態調査実施するため、同和対策審議会存続期限を二年間延長しようとするものであります。  第四条においては、宮内庁定員千百五人を千二百三人に改めておりますが、これは、三人の新規増と、常勤労務者等九十五人の定員化であります。  なお、第五条は、内閣官房における賃金労務者一人の定員化を行なうため、定員七十人を七十一人に改めるものであります。  第六条は、法制局設置法の一部改正でありますが、おもな改正点は、本年七月一日から現行の三部制を四部制に改める点であります。これは、きわめて大量に上る法律案政令案及び条約案審議、立案の事務を適切に処理していくために、一部を増設して各部の規模の適正をはかり、その機能を向上させようとするものでありまして、このための増員は、部長以下三人という最小限度にとどめております。また、現在内閣法制局が、単に法制局と呼ばれているため衆参両院法制局とまぎらわしいので、実際上の不便を除くため、部の増設と同時に内閣法制局と改称することとし、これに伴って、法律の題名及び法制局長官法制局次長等官名を改めることといたしております。なお、法制局定員につき、官、次長のほか、六十五人を六十九人に改めておりますが、これは、さきに御説明いたしました部の増設に伴う三人の増員と、賃金労務者一人の定員化のためであります。  最後に、法制局職員官名等改正に伴い、国家公務員法等関係法律所要改正を加えました。  以上が、この法律案提案理由及びその概要であります。何とぞ慎重御審議の上、すみやかに御賛同下さるようお願い申し上げます。
  10. 中島茂喜

    中島委員長 これにて提案理由説明は終わりました。  以上五法律案に対する質疑は後日に譲ります。      ————◇—————
  11. 中島茂喜

    中島委員長 外務省設置法の一部を改正する法律案在外公館名称及び位置を定める法律の一部を改正する法律案及び在外公館に勤務する外務公務員給与に関する法律の一部を改正する法律案の三案を一括議題とし、質疑を継続いたします。  質疑の通告がありますので、順次これを許します。石山權作君
  12. 石山權作

    石山委員 きょうは、大臣が来られたら、大ざっぱな経済外交というふうなものと、普通いわれている外交というものの区別を、ちょっとお聞きしたいなと考えておりました。今の小坂さんの、あるいは外務省の考えているのは、どっちが重いか怪いかというふうには単純にいかぬと思うのだが、主力を一体どこに注いでいるのだろうか、こういうふうなこともお聞きしたがったのです。こういう点は、大臣が来られないというので、お聞きすることができなかったのですが、技術的な問題として解決できることはなるべく解決をつけておいて、法案の整理に当たりたい、こう思うわけです。僕たちはしょっちゅうたくさんの各省の設置法を調べているわけですが、いつも不思議に思うのは、こう言っているのです。局をふやすが、あるいは部を局に昇格さすが、そんなに人員は大きくしませんよ、お金もかけませんよ、だから一つ承認といいますか、法案を早急に通していただきたいという、一つの前提を出しているわけなのです。今回の経済協力部をば局に昇格さすにも、そういうふうな前提があるように思われますが、そうでございましょうか。
  13. 湯川盛夫

    ○湯川政府委員 部を局に昇格する場合、できれば人員もふやしたいというのが常でございますが、しかし、また、予算全体のワクから見て、人員がふえるようならばなかなか人員をふやすことがむずかしいというような場合に、やむを得ませんので、人員の方は中でやりくりしますから、一つ局にお願いしますというふうにして、新しく局を作るというようなこともやっております。今回の場合は、これによって局の増員ということはございません。
  14. 石山權作

    石山委員 これは皆さんの国会乗り切りのテクニックと申しますか、あるいは新聞発表の技術等も考えていられるかもしらぬけれども、僕らいつもそういう答弁をいただいて、あとでどうも不愉快な感じに打たれるわけです。一体、経済局を二つに分けて仕事をたくさんしなければならぬというとき、現在のままの人員ぐらいで、あるいは一、二名の参事官をふやすぐらいでそれが可能だったら、何もしいて局を二つにするなんという必要はないじゃありませんか。これは何も外務省だけにいやみを言うのではないのですよ。たまたまあなたが初めに出てきたから、初めにやるのです。それでよかったら、そんな必要ないじゃありませんか。むしろ、内規においてあなたを協力関係の担当参事官にするということで、内部で充実していけるという可能性があると思うのです。官僚の方は一つの形式と肩書きを持たなければ、何だか仕事に励みがないというような考えでおやりになる場合もあるだろうと思います。しかし、それはそれでいいのですが、どうも形式尊重、権威というものには常にお金がつく、形式がどうしても小よりも中、中よりも大というふうに移行していくというのが、今までの成り立ちです。ですから、私どもが先ごろの国会で、公務員の組合からかなりの反対がありましたけれども、社会党は思い切って、いうところの七人委員会発足さしたわけなんです。その七人委員会ができない前に、今のうちにとっておかなければあとでうるさいぞというわけで、今までに例のないほど当委員会には設置法の法案が多くかかっているわけです。官房のところでいろいろと創意工夫し、いろいろと法案等を考えて、こういう案を出されたのですが、私の言うような、簡単に、いわゆる外部から見ている者として、担当参事官等を定めて、そこに優秀な手足を付与する、係長級あるいは課長補佐級を付与する、そういう形で、この局の設置方をば考えなくても済むのではないかというような、対比した考え方はあったわけですか。全然そういう考え方はなくて、まず一つ局にしなければどうにもならぬというふうなやり方でしょうか。何かわれわれから見ると、少しく形を大きくすることに急にして、その内容が充実しておらない。聞くところによれば、大蔵省かどこかから協力方を仰ぐというような内容もあると聞いているのですが、その点はいかがですか。
  15. 湯川盛夫

    ○湯川政府委員 ただいまのお話、いろいろ示唆的な点もございますが、経済協力の仕事というのは、非常に国際的にもつながりがございまして、国際会議等もひんぱんに開かれる。そういった場合に、やはり局長という責任者がそれに出て、会議に代表として出るといったようなこともしばしばございますし、また、外国からこういう問題で来て、外務省にたずねてくる。そういうときには、局長が応待するという方が、向こうも責任者にちゃんと会ったような感じがする。そういった点もございますので、それで、従来部でございましたが、今度局に昇格したい、そういうふうに考えたわけでございます。ほかの省の協力を求めるという点も、これも経済協力はいろいろな各省にまたがっておりますので、ほかの省からも事務官を派遣してもらってやっていくというようなこともやっております。
  16. 石山權作

    石山委員 外務省というのは、非常に便利なことがあるね。よそから来た場合に、どうも肩書きが必要だと言う。この前の国会のときにも、何か官職を一つ設けたのがあったんじゃないですか。参事官の上に何か置くというのがあったですね。そのときも、あなたの方の答弁としては、今と同じような答弁をなさっているのですよ。外部から見た場合に、そういうふうな次官と局長の間というものが、この際外部に対して大切な名前だ、こうおっしゃっている。今度の局長さんもそういう名前ですか。何だか聞きますと、外部に対しての名前、部長さんよりも局長さんの方がよろしい、しかし、中身は同じだ、それじゃたよりない説明ですな。前の局長さんと次官の間の名称は何でしたか。
  17. 湯川盛夫

    ○湯川政府委員 今お話のは、多分外務審議官というのが二年ぐらい前にできましたが、それのことかと存じます。これは外国で次官の下に次官補というのが、あちらこちらの外務省にございます。それで、大臣、次官も非常に多忙であるという場合に、ちょっとそれではかわりに会ってくれというようなときに、次官補というのがいれば、相手もそれで用を済ますということも相当可能になりますので、そういったものを置いていただいたわけであります。もちろん、内容の充実、能力の向上ということは、一生懸命努めなければなりませんけれども、実際また、いろいろ外国との折衝という場合に、やはりある程度肩書きというものがものを言う場合がありますので、あるいはそういった外務審議官というものを置いたり、あるいは局長というものを作ったり、そういったことをお願いしているわけであります。
  18. 石山權作

    石山委員 外務省の意見を聞いていると、たとえば新しくできた新興国がアグレマンを求めて大使で来ますから、こちらも大使という名目でやらなければならぬということがある。ヨーロッパの国を見ますと、公使というところも若干残っていませんか。全部大使になりましたか。そこら辺はよく知りませんけれども、新興国に行かれる大使よりも優秀な公使、たとえばイギリスには前に大使と公使がおったと思うのですが、今はどうなんです。
  19. 湯川盛夫

    ○湯川政府委員 ヨーロッパから東京に来ておるミッションの一番長で公使は、ハンガリーだけが残っておると思います。あとはみんな大使になりました。イギリスの場合は、大使と、それからその下に公使がおります。
  20. 石山權作

    石山委員 そういう場合、内地に帰られた場合の身分は、イギリスの公使と新興国の大使との比較はどうなんですか。
  21. 湯川盛夫

    ○湯川政府委員 帰られた場合と申しますと……。
  22. 石山權作

    石山委員 本省へ復帰した場合、それでも資格としては同じですか。
  23. 湯川盛夫

    ○湯川政府委員 本省に復帰した場合に、どういう資格で復帰するかにかかりますけれども、つまり、公使でも上ので帰れば上のになりますし、それから非常に若い大使と、古い公使というような場合には、多くの場合、古い公使の方が、本省に帰った場合は上になると思います。しかし、いろいろな場合がございますので、どういう資格で帰るかによってきまります。大使、公使という名前は、本省に復帰した場合なくなってしまいます。
  24. 石山權作

    石山委員 そういう点で、私は、外部に向けられる場合の、たとえば今の大使、公使、それから皆さんの言う認証官というような点も、案外やむを得ないものだと見ている。社会党としては、勲章の話など大きらいなんですけれども、皆さんの方で勲章ほしい、ほしいということは毎々聞いているので、じゃ、そういう方たちだけでもでかい勲章出してやった方が効果的であるならば、持たせなければならぬという気持もあるわけですけれども、だからといって、一事が万事そういう格好では、私は、外務省の機構というものは乱れるだろうと思う。本土における機構というものは、やはり厳正でなければいかぬと思います。ただ対照的にどこそこの国から大使のアグレマンを求められたから大使を派遣しなければならぬ、こういうふうな対外的な名目だけを考えられるのは、私ははなはだ感心しないと思うのです。たとえば、先ほどお話し申し上げた次官と局長の間の大参事官制度、これなども、私たちは、審議の過程で特に異例の措置だと考えて、やむを得ないというふうに承認をしたのですが、局長までもやむを得ないという点はあり得ない。ですから、私たち外部から見た者には、七人委員会発足していろいろと機構に対してメスを入れる段階になると、減らされる可能性のある役所が出てくるわけです。ましてやふくらますなんということは、七人委員会発足してどんどん仕事をやれば、少なからず押えられていくと思う。だから、頭のいい皆さんのことですから、勘のいい皆さんのことですから、まず七人委員会があまり先に進まない前に一つぐらいふやしておけ、こういうのが、外務省とか今回の各省の設置法の現われですよ。皆さんの方にもそういう意図が十二分にあるような気がします。どうも外部との関係だとか——関係がないとはだれも言っておりませんよ。経済協力局ですから、ないとは言いませんけれども、どうも先がけをやるような格好はみっともないじゃございませんか。そう思うのです。必然性、必要性というものを論議しておるわけですが、どうも提案説明の中にも、官房長のお話を聞いていましても、必要性、必然性ははなはだ稀薄だ。平和外交ですから、稀薄な方が、ふわっとしている方がいいかもしれないけれども、しかし、機構というものは、そういうふうにふわっとした感じではいかぬと思います。十分に理由というものがそこに証明されなければならぬが、この中にはその証明の仕方がないじゃありませんか。これまでも私たちが常に言っておる、経済外交に専念して、アメリカ一辺倒にならぬ——こういうことを小坂さんが来たら聞いてやろうと思ったが、あなたはそういう言明ができますか。今後は大いに中共ともソ連とも、民間にはまかせないで、外務省が率先してやるというような言明ができるならば、これは一つの強い例証、証拠になります。そうでなくて、外部との応答関係上、儀礼的な面が多分にある法案には、われわれは、本土における官庁の機構上から賛成できないと言わざるを得ない。例証を二つ三つお示しを願いたい。
  25. 湯川盛夫

    ○湯川政府委員 経済協力局で扱って参りますことは、低開発国の経済開発、それから生活水準の向上といったことでございますが、こういった低開発国の経済開発あるいはその生活水準を向上するということは、長期的には、世界経済の拡大と世界平和にも貢献することであり、また、短期的に見ても、わが国の輸出市場の拡大、重要原材料の輸入を確保すといったことに非常に貢献いたします。この仕事は、比較的最近に非常に急激にふえた仕事でありまして、この方面の事務の量というものは、飛躍的に増大しつつあります。そういったことで、これははっきりした責任の局というものを設けて、この仕事に全力を注ぐことが必要であるという見地から、経済協力部の昇格ということを考えたわけであります。
  26. 石山權作

    石山委員 あなたの答弁の中身のうちの一つに、低開発国というあれが出ていましたね。先ごろ閣議等で問題になっておるアジア経済協力機構ですか、あれはこれと関連があるわけですか。
  27. 湯川盛夫

    ○湯川政府委員 直接は関係ございません。
  28. 石山權作

    石山委員 直接に関係はない——それでいいのですか。それっぽっちの答弁でいいのですか。その閣議等で、私は中身はよくわからぬけれども、新聞等に、あなたの言う低開発国というふうなことと非常にマッチしておる言葉が随所にあるじゃないですか。経済協力局を作るという中身の重大な一つとして、低開発国の開発があるとするならば、アジア経済協力機構のかなりの中身が、あなたの方からわれわれに説明されてしかるべき段階にきているのではないかと思う。ただばく然として低開発国問題を論議するということじゃないでしょう。どこそこの国にはこういうふうな仕組みをもってわれわれは開発をしようとしておる、タイ国に対してはそのために特別円方式を行なったとか、ビルマにもわれわれは賠償をきめたとか、何かいろいろな言い分があるんじゃないですか。そういう言い分が何にもなくして、直接に関係はございません、何だかよその人とすれ違ったような感じじゃございませんか。日本人ならば、あいさつするにしても、ただ黙礼だけじゃない、きょうの天気はいいですねとか、寒い風ですねとか言うじゃないですか。あなたはその寒い風ですねも言わないじゃないですか。低開発国ということは、言葉では聞いておりますけれども、実例的にはどういうことでございましょうか、外務省の考えていることを実例的に一つお示しを願いたい。
  29. 湯川盛夫

    ○湯川政府委員 アジア経済協力機構でございますが、これはアジアの国には比較的発展途上にある国が多いので、もちろん、そういった国との協力関係をどうするかということも、その構想の中に入っております。しかし、先ほどから、低開発国の経済開発、生活水準の向上といって、国際的な開発援助グループとか開発援助委員会、そういったところでやっておりますいわゆる低開発国経済開発というのとは、直接の関係はない、こういう意味で申し上げたのですが、各国にどういう施策を講じているかということの御質問でしたら、そういう答弁をさせます。
  30. 石山權作

    石山委員 これから大いに協力をするというような関係で、今までの貿易関係には割合にやっていないかもしれませんね。これからこの局をお作りになって、経済問題にほんとうに外務省がタッチをなさる、その点では、まず私たちが言っている経済外交を大いに推進するということになるでしょうか。
  31. 湯川盛夫

    ○湯川政府委員 もちろん、外務省としては、経済外交を非常に重視しておりますから、それを積極的に推進するつもりでおります。この経済協力局は、その経済外交のうちの、発展途上にある国の経済開発、それからその生活水準を向上させるということに大いに力を注ぎたいというつもりで、昇格を考えている次第でございます。
  32. 石山權作

    石山委員 あなたの方では、今までのあれでは、これは通産省はもちろん関係していると思いますが、ジェトロと、皆さんの出先関係とか本省との関係はどういうふうになっておりますか。
  33. 湯川盛夫

    ○湯川政府委員 ジェトロとは、いろいろな意味で緊密に提携をしてやっております。東京におきましては、定時にいろいろな連絡のための会合を開いて話し合いをしておりますし、また、現地に行っているジェトロの派遣員は、外務省在外公館等とよく協力をする、そして、在外公館の指導管轄のもとに一緒になって働く、こういうことになっております。外においては、ジェトロは、その性質上、どちらかといえば個々の商品の調査といったようなことが主になりますし、在外公館としては、いろいろな経済交渉とかあるいは一般的な経済関係調査といったことを受け持って、両方大いに協力してやっております。
  34. 石山權作

    石山委員 官房長、あなただけが一生懸命協力してとか、緊密だとか、そういう言葉を使っておるけれども、あなたのところの人にジェトロのことを聞いたら、知らない人がたくさんいるんですよ。あなたの身辺にいるのです。ジェトロのことをちょっと聞きたいと言っても、知らないのです。知らないものを、緊密に協力できますか。だから、皆さんがほんとうに経済外交ということを考えているのかどうか、私は疑っているのです。本式にこれから日本の貿易を伸ばさなければ、日本の国がジリ貧になって大へんだ、そういうことを本格的に考えてこういう提案をなさっているというなら、貿易関係にもっと目を注がなければならぬはずなんだ。あなたの身辺の人は全部覚えていなければならぬ。どうも私は、あなたたちのただなわ張りを広げたいところだけが日光にちらついて、皆さんの誠心誠意ということ、日本の国の経済を考えるということ、経済外交の路線につながる経済という問題をやるのだとこうおっしゃっているけれども、どうもぴんとこない。あなたに必然性、必要性ということを説明していただくと、たった二つ言った。その一つが低開発国の経済開発だ。では低開発国の経済開発をどういうふうになさるかと言ったら、これも何にもあなた解明できないじゃございませんか。腹がまえがなっていないのに、機構だけ広げる——もっともそうかもしれぬ。機構を広げて、その機構の中でいろいろな必然性、仕事をお探しになるというやり方もあるわけですが、それの方じゃないですか。まずなわ張りを広げて、そこの中で何かいろいろなことを考えよう、官房長の御意見を承っていると、何だか私そういうふうに思われる。このジェトロに関しては本省で緊密に連絡をとっていると言うが、それはどこでやっているのです。
  35. 湯川盛夫

    ○湯川政府委員 本省の経済局でもってジェトロと定期に連絡もするし、終始緊密な連絡をとっております。
  36. 石山權作

    石山委員 官房長に暫時時間をおかしいたします。そうでないと、あなたは私の聞こうとしていることをただ上っつらでなでている。もう少し深みのあることを言っていただかなければ、この法案は進みません。その間、通産省の振興部長さんにお聞きしている間に、私の質問をもう少し整理していただいて——私おざなりな答弁だけを聞いているのじゃないのです。ほんとうのことを聞きたいのです。もう少しほんとうのことを言って下さい。ほんとうのことをあなた言いっこないのだろうけれども、ややほんとうらしい答弁をしなければ、私は、こういう二十も出ている設置法なんかとても消化できません。ですから、暫時の間、官房長の方から通産省の方へちょっと質問を移してみます。  通産省の方にお聞きしたいことは、貿易振興推進本部というところから「貿易」というパンフレットを私のところに送ってきております。これが非常に上手に編さんされまして、われわれのような外部にいる者にしても、すぐこう頭へ入るような格好でいろいろなものが例示されているのですが、この貿易振興推進木部なるものの通産省のお役所との関係を、一つありましたらお知らせを願いたいし、また、関係がなくしても、知っている部門がありましたらお知らせを願いたいと思います。
  37. 生駒勇

    ○生駒説明員 ただいま御指摘のございました貿易振興推進本部というものの機構でございますが、これはたしか三年前、日本貿易会、それから日本商工会議所、それから日本貿易振興会、これはジェトロでございますが、この三者が共同いたしまして、日本の貿易振興のために、そういう民間機関が一緒になって機構を作って、そうして国内、国外に関しまして統一的な運動をしたい、こういう考え方から、自発的に三者が作りましたものでございます。その後におきまして、各地におきまして講演会あるいは有識者の座談会、そういうようなものを逐次開催しておるわけでございますが、三十六年度に至りまして、民間だけのそういう組織ということだけでやっていくには、多少貿易推進という点からいっても足りないのではないか、こういう話が出まして、この三十六年度に約三百万円の補助金を推進本部に出すということになったわけでございます。その三百万円は、主としてパンフレットあるいはポスター、そういうものに使うということで、大蔵省も了承いたしておるわけでございます。来年度はそれに対しまして五百万円程度の同様の補助を出すという予定でおるのでございます。
  38. 石山權作

    石山委員 ジェトロの出発の際は政府のお金を出してやったわけですが、今度はどういうふうにやったのですか、三十七年度は。
  39. 生駒勇

    ○生駒説明員 ジェトロに関しましては、これも三十三年度におきまして日本貿易振興会法というものができまして、それに対しまして二十億の出資をいたしたわけでございます。この二十億の出資というものを前提にいたしまして、それから生じます果実、これを貿易振興費に充てようという考え方で特殊法人になったわけでございます。来年度におきましては、二十億の出資には変更ございませんで、ただ、補助と申しますか、そういうものがことしよりも相当ふえておるということでございます。
  40. 石山權作

    石山委員 たとえばその幹部の方ですね、こういう方には、通産省から人を送り込むとか、あるいは外務省から人を送り込んで、内部の幹部になって、そうしてぐんぐん進めていくというふうなやり方をとっておられますか。
  41. 生駒勇

    ○生駒説明員 現在ジェトロの幹部は、理事が六名でございます。それの中には、各省から出た理事がございます。むろん、民間から出た理事もございます。そういう理事を中心にいたしま、て運営しておりまして、理事長は御承知のように、元の大阪の商工会議所の会頭でございました杉道助氏がこれに当たっておられるわけでございます。
  42. 石山權作

    石山委員 先ほど申し上げた貿易振興推進本部で出した貿易の歴史と将来という表を見てみますと、日本の貿易の危機というふうなものが例示されています。たとえば第一次大戦が終わった直後、第二次大戦が終わったあと、   〔委員長退席、草野委員長代理着席〕 それから朝鮮動乱勃発直前の様相、それから昭和三十二年、それから今年の状況、こういう格好になるようですが、貿易危機ですから、いずれも輸入超過の現象です。輸入超過の現象として、その年度々々によって、国内の経済の発展の様式によって、それぞれ迷うだろうと思うのですが、たとえば第一次大戦終了後の危機の場合には、どういうふうな物資が大量に入ってこういうふうになったか、こういうふうなことをちょっと知りたいわけなんですよ。今の場合のは、たとえば過剰設備、三十二年もそういう傾向だったと思います。機械類が大量に入った、あるいはパテントをば買い入れる契約を結ぶ、そんなことで、大体私らの了解しておる点では、皆さんの説明とそんなに違わないと思いますが、ずっと前の方はどういうふうな格好でこういう危機がきたかということは、今説明していただければ説明していただきたいし、ずっと前のことでございますから、私の方の質問要旨も皆さんの方にお伝えしておきませんでしたから、ちょっといかぬというならば、後ほどでもよろしゅうございます。それから三十二年とこのたびの危機、これはちょっと詳しく今この場で説明していただいた方が、話を進める上にいいと思いますので、やっていただきたいと思います。
  43. 生駒勇

    ○生駒説明員 今御指摘のございました危機の内容——危機と申しますか、貿易のアンバランスの内容でございますが、この点につきましては、いろいろな見解も分かれておるように私ども考えておるわけであります。従いまして、一言でお答え申し上げますことは、はなはだ誤解を招くことでもございますので、資料その他できる限り取りそろえまして、御指摘の資料を委員会を通じて提出したい、かように考えておりますので、御了承願います。
  44. 石山權作

    石山委員 それでは、私先ほど例証としてあげました個所々々の周辺は、一つ資料を出していただきまして、その資料に基づいてこの次の委員会説明をいただく、こういうことにしたいと思います。  では、ただいまの貿易の傾向、それから通産省がお考えになっている来年度の貿易の傾向、これなら大体御説明していただけると思います。特にどっち方面へおもにやるか、新聞ではいろいろと出ているようでございます。たとえばヨーロッパ共同市場に近づいていくというふうなことを考えている、それから日韓問題で特別な考え方で民間資本を移行さすという、これは皆さんの方で指導しているかどうかはわかりませんけれども、だいぶ新聞あるいは雑誌等にも出ているようですが、そういう傾向と、それから品目として、たくさんの品目は要りませんけれども、こういう品目で一つここのところに方向を向けていくのだ、こういう大ざっぱなところを一つ聞かしていただきたい。私なども、赤字になるというと大へん気になっているものですから、少しでも赤字を少なくするというのがみんなの希望なのでしょう。そこを一生懸命やっておられるのは通産省の貿易関係の方々だと思うわけですけれども、かなり勉強して方向を定めていられるだろうと思うので、その点を一つ御説明していただきたい。
  45. 生駒勇

    ○生駒説明員 はなはだ恐縮でございますが、その御質問も、あわせましてこの次に資料を提出してお答え申し上げたいと考えております。
  46. 石山權作

    石山委員 そうすると、今度は外務省にお聞きしたいのですが、ガットの問題がこれから——たとえば私ともが関係している石油あるいは鉱産物、非鉄金属ですが、こういうふうな力の弱い国内産業をば育成したいというものにおいて、ガット問題は非常に関心を持っているわけなんですが、こういう交渉の主体はやはり外務省なのでございましょうか。
  47. 湯川盛夫

    ○湯川政府委員 外務省が担当しておりますけれども、しかし、そういった交渉をするに際しましては、通産省とか大蔵省とかあるいは農林省とか、関係各省と十分緊密に連絡をして方針をきめる、また、ガットの交渉の代表団の中にも、そういった関係省からそれぞれ参加してもらって、一体となってやっております。
  48. 石山權作

    石山委員 たとえば当年、大蔵省で、貿易量もふえたし問題もたくさんあるというわけで、税関部が関税局に昇格したわけなんです。こういうところと御相談をなさって、関税の基本数字みたいなものを皆さんの方できめる。そうすると、通産省の方では、そういう場合にどこの局がおもにおやりになるのでしょうか。
  49. 生駒勇

    ○生駒説明員 通商局の関税課というのがございまして、そこで主として担当することになっておるわけでございます。
  50. 石山權作

    石山委員 そうすると、たとえば関税の率をおきめになるということは、これはもちろん閣議できまるわけでしょうけれども、その前提をなす作業をなさる場合には、大蔵省の関税局と、皆さんの方の通商局関税課ですか、それから外務省ではどの局が参加をされて、その指導権といえば語弊がありますけれども、どういう格好でこれをまとめて閣議へおかけになるか、その過程をちょっと説明していただきたい。
  51. 湯川盛夫

    ○湯川政府委員 ガット交渉のような問題になりますと、これはいろいろな省に関係しておりますので、もちろん外務省だけではできません。大蔵省の方も参加するし、通産省、あるいは農林物資もございますから、そういったものについては農林省とか、そういった関係の各省が集まってよく相談をして、そして結論を出して、それで方針をきめております。
  52. 石山權作

    石山委員 各省の次官の方々が集まっていろいろなことをきめることに対して、どういう格好でやるだろうなというふうな疑義を持っているものですから、その格好をお聞きしているわけなんですよ。たとえば率をおきめになる場合、一〇%がいいというふうな通産省の言い分、あるいは一二%がいいという農林省の言い分、こういうふうなものの結果、たとえば一五%になったかもしれません、そういうふうな場合、どういうふうな格好でおきめになるだろうという疑問を持っているのです。普通ここの委員会だと、多数決だとか何かでぱぱっときめられるのですが、実際の行政に携わっている人は、なかなか採決だとかそんなものじゃないわけでしょう。いろいろな資料を示し合っておきめになるだろうと思うのだが、そうした場合、関税の場合にはどこがイニシアチブをとりながらおきめになるか。そうでないと、イニシアチブをとってないところに関税の問題を一生懸命議論を吹っかけても、これは議論にならぬと思うものですから、それで聞いているわけです。
  53. 湯川盛夫

    ○湯川政府委員 それぞれ関係省の相談できめるわけでございますが、それをどこの省の一つの意見できまる、それが統裁するというようなやり方はやっておりません。しかし、その品目について一番関心を時っている、利害関係を考えなければならない省というのが、どうしてもその意見が尊重されることになると思いますけれども、品目によっては、同じ国内でも、それによってまた利益を受ける人、損をする人、そういった両方の立場を考えなければならない。あるいはまたそうなってくると、省も一つでなくて、通産省と農林省両方の意見が重要であるといったような問題もあるわけです。そういったのは、できるだけ全体としてのいろいろな利害得失を十分検討して、そうして結論を出す、そういったやり方をやっておるわけです。
  54. 石山權作

    石山委員 それから、たとえば第一世界銀行、第二世界銀行、ああいうふうな基金等を借りる場合、当面の交渉はやはり外務省でおやりになるわけですか。
  55. 湯川盛夫

    ○湯川政府委員 世銀の借款の問題になりますと、主として大蔵省が交渉するということになります。もちろん、外務省もそれを助けてやることもありますし、通産省も関係することもありますけれども、しかし、世銀から借款を受けるというのは、主として大蔵省が交渉しております。
  56. 石山權作

    石山委員 現状は大蔵省、その通りだろうと思うのですが、たとえば経済協力局がおできになると、そういうふうな借款の問題に対してはどういう立場になるのでしょう。それから、たとえば通商関係につきまして、通産省との関係がどういうふうになるでしょう。こういうふうにその影響する範囲、こういうことを必然的にわれわれは考える。その必然性の理由の一つとして、そういうことも考え合わされてくるだろうと思う。ただ、ここで、ちょっと言っておきたいことは、ただし優秀な人がふえないということが、この提案の中にあるわけなんです。人はふやさないで、名前が変わったから協力方ができるというところに、私は問題があるだろうと思うが、局になったならば局なりとして、いわゆる大蔵省関係、通産省関係はどういう格好になるだろうという疑問が生まれてきます。そういう点に関しまして説明を承りたい。
  57. 湯川盛夫

    ○湯川政府委員 少し具体的に御説明をした方がいいと思いますから、ちょうど経済協力部の鶴見参事官がおりますから、鶴見参事官から御説明申し上げます。
  58. 鶴見清彦

    ○鶴見説明員 ただいま石山先生から御質問のありました点につきまして、私、経済協力部の参事官の鶴見でございますが、具体的に御説明を申し上げますと御理解を得やすいかと思いますので、答弁をさせていただきます。  ただいまお話が第一世銀、第二世銀の点に言及いたされましたが、第一世銀の場合ですと、もちろん、日本は第一世銀に対して出資もいたしておりますが、同時に、わが国もいろいろな事業に第一世銀から借款を受けております。第二世銀の場合になりますと、これはいわゆる国際開発協会と申しまして、発展途上にある諸国に対する資金の供与でございまして、従いまして、日本の場合は、その第二世銀から資金供与を受ける、あるいは借款を受けるということはないのでございます。ただ、先ほど来のお話がございますように、経済協力——現在までに経済協力部が行なっております仕事の内容を、若干長くなりますが、差しつかえなければ御説明申し上げれば、経済協力部が今後局になるにあたりましての必然性と申しますか、そういうことについて御理解いただけると存じますので、お許しをいただければ御説明を申し上げたいと存じます。  御承知の通り、経済協力部と申しますところは、発展途上にある諸国に対しまして、資金協力及び技術協力というものをするのが主たる役目でございまして、その面におきまして国際機関、先ほどお話のございました第一世銀とか、あるいは第二世銀、すなわち国際開発協会、あるいは国際連合のいろいろな専門機関、あるいは最近になってOECDの下部機構になりました開発援助委員会、DACといったものと協力して、開発途上にある諸国の資金協力、技術協力を行なうという部面もございます。ところで、資金協力につきましては、先ほど御説明もございましたが、具体的に申し上げますと、日本が借款を開発途上にある諸国に供与する場合、あるいは延べ払いのワクを供与する場合、あるいは個々の具体的なプロジェクト、案件に沿いまして、延べ払いでもって機械を供与するような場合、さらには純民間においての投資の場合がございまして、投資することによりまして相手国の経済開発にそれだけ寄与するということになるわけでございます。さらに、技術協力の面につきましては、従来やっておりますことは、また現在やっておりますことは、開発途上にある諸国から——いろいろな技術分野、農林分野もございますし、鉱工業、通産分野もございますし、あるいは場合によりましては経済企画の分野というのもございます。あるいは建設分野と、いろいろな分野にわたっておりますが、そういう分野にわたっております技術者を訓練するために、開発途上にある諸国から、技術訓練生といいますか、研修生を受け入れまして、日本の国内におきまして、それぞれの各省の研修機関とか、あるいは民間の工場とかいうところにお願いして、研修を実施いたします。それが一つの分野でございます。それからさらに、逆に、日本の技術者あるいは技能者をかえって発展途上にある諸国に派遣いたしまして、その現地でもって現地の人々訓練をするという分野もございます。さらに、最近の傾向といたしまして、個々の専門家を派遣するよりは、まとまった一つの海外技術訓練センターというものを設けまして、そこでもって集団的に多くの現地の方々に訓練するのがいいということで、訓練センターというものを設置いたして参っております。それにつきましては、先生のお手元へ、資料としては海外技術訓練センターという資料を提出済みだと存じますので、それによって御理解をいただければと存じます。  さらに、技術協力の一分野といたしまして、日本が民間レベルで投資をいたしましたり、あるいは借款を供与いたしましたりする前の段階、いわゆる投資前の基礎調査というものがございまして、これは相手国の要請によりまして、いろいろの調査団を派遣いたしまして、たとえばどこにダムを作ったらいいかとか、あるいは発電灌漑はどういうふうにやったらいいかということも、相手国の要請によって調査団を派遣いたしまして報告を出してやる。そして、開発途上にある諸国の経済開発の基礎的な調査を行なうということをやっておりまして、御承知のように、東南アジアにございます大きなメコン河の開発ということにつきましても、調査団を日本といたしましても派遣いたしまして、従来約四十五万ドルに相当するくらいの調査をすでに行なっております。そういった一つの技術協力のあり方というものがございます。  こういう技術協力及び資金協力を実際に実行するにあたりまして、同時に、各いろいろな国際機関、冒頭に申し上げましたような国際機関と協調して、そのような経済協力及び技術協力、資金協力の効果を非常に能率的にしようという国際的な動きがございまして、わが国といたしましても、たとえばインドに対する資金協力、あるいはパキスタンに対する資金協力という面におきましては、先ほどお話のございました第一世銀が主催する債権国会議というものがございまして、当初からそれのメンバーになりまして、インド、パキスタンに対する資金協力の面における国際協調というものをはかっております。資金協力の面におきましても、また、技術協力の面におきましても、国内におきましてはそれぞれ関係する各省がございまして、特に資金協力の面につきましては、外務省だけではもちろんございませんで、大蔵省、通産省あるいは経済企画庁というものと常時密接な連絡をとりつつ、資金協力を実施して参っておる次第でございます。  また、技術協力につきましては、先ほど申し上げましたごとく、関係する分野が非常に多くございまして、十省庁以上にもまたがるような分野でございます。たとえば医事の面もございますし、そうすれば厚生省というものが入って参ります。あるいは港湾の面でございますと運輸省というものが入って参ります。それから場合によりましては、警察の面というようなこともございます。そういうような、非常に関係する分野がございますので、技術協力につきましては、国内的にはそれぞれの各省と連絡をとりながら、外務省が外に向かいまして窓口一本になって実施をいたしておるという状況でございます。  そういうふうな従来までの仕事の内容を今御説明申し上げましたが、さらに、先ほど湯川官房長から御説明ございましたごとく、そういった資金協力、技術協力といったようなものが、開発途上にあります諸国の経済開発及び民生の安定向上というものに今後ますます必要になってくるという認識の上に立ちまして、この際、経済協力部というものを経済協力局に一つ昇格させていただきたいということでございます。
  59. 石山權作

    石山委員 今経済協力関係外務省がいろいろとお考えになっていること、あるいは今までおやりになっていることがわかりまして、大へん参考になりました。外務省って、そんなにたくさんいろいろな仕事をしているのかなあと、今聞いて驚いたような次第でございます。私は、いつも、外務省というのは、共産勢力がどのくらい伸びたかとか、あそこの兵隊がどこそこへ何ぼ移動したなんという、そんなことばかりに神経をとがらかして一生懸命やっているか、あるいはもう一つには、ユーゴスラビアでも勲章をつけたから、おれの方でも勲章をつけなければうまくないからといって、勲章の大きさを見比べているパーティ族、これだってなければならぬのだから、いいと思いますが、そのほかに技術関係、経済関係にうんとやっているというのは、聞いていると、いかにも頼もしいけれども、さっぱり実績があがっていないように思います。しかし、これは水かけ論でしょう。何言っているんだ、内容も知りもしないくせに。では、お前、アフリカへ行って実際見たかと言われると、これはどうにもなりません。なりませんけれども、われわれの受ける印象としては、そういう点では外務省としては手抜かりであった。しかし、今度は一生懸命これから力を入れるんだ、入れるから、一つ協済協力局を作りたい、部から局に昇格したい、こういう言い分は、前のことは前として、一応理解はできるわけです。理解はできるが、さっぱりまた動かないで、パーティ族や共産圏の軍事移動だとか思想調査ばかりやるようではいかぬと思います。それで、ここに皆さんの方の定員増の要求が出ております。在外の人員を三十二名ふやすというふうに出ているわけですが、この内容はどういうのですか。経済関係ですか、それともパーティ族で一般行政を担任されるのですか、内容をちょっとお知らせいただきたいと思います。
  60. 湯川盛夫

    ○湯川政府委員 在外公館で三十二名ふえるということになっております。そのうち、外務省関係でふえますのは二十七名、それからほかの大蔵省や通産省、労働省等、その他の省から来られるためにふえるというのが五名でございます。ですから、三十二名在外公館としてはふえます。在外公館の機能がいろいろ複雑になっておりますから、いわゆる専門家の方々に来ていただくというので、そのうち五名ふえます。二十七名は、これは大部分が一般職でございますが、経済関係とか国際機関関係、あるいは情報関係、啓発関係、経済協力関係、電信、庶務、文書、こういったようなものでございます。
  61. 石山權作

    石山委員 官庁長の声がいともやさしいものですから、私みたいに耳の遠い者にはちょっと聞き取りにくいのですけれども、内容が大へんに複雑になってきている、それから経済問題もたくさんあるので、そういうふうな技術官を主体にして在外の公務員をおふやしになるというのですか。
  62. 湯川盛夫

    ○湯川政府委員 実績を見まして、非常に手不足というところにふやすわけです。具体的に申し上げれば、たとえばアメリカ大使館では査証関係が非常に足りない、それでふやす。あるいは国連関係では、会議が多いので書記官をふやす、また庶務の関係をふやす。あるいはニューヨークの総領事額、これは非常にお客さんも多いし、文書や庶務が手薄であるから、こういった人をふやす。それからイギリスでは、情報関係書記官を一人ふやす。それからフランスでは経済関係の書記官、号それからさっき経済協力で御説明したOECD関係のものを一人ふやすとか、ドイツでは庶務関係をふやす。イタリアでは、今度あすこにローマ・アカデミアという文化機関ができますので、そのために一人ふやす。ジュネーブでは国際会議が非常に多いので、そういう国際機関関係の書記官をふやす。それからアフリカのガーナですが、これも非常に手不足なので、啓発、経済開発関係を担当する者を一人ふやす。こういったふうに、それぞれ非常に手薄なところを補充しております。また、他省からは通産省、大蔵省、労働省、防衛庁、こういったところから、合わせて五名ふえるわけであります。
  63. 石山權作

    石山委員 私、官房長の説明を聞いていますと、あなたが言われる通り、何か目的というよりも、手不足を補うという範囲を出ないようです。それで、外務省が変なやり方をするよりも、経済外交に主力を置いていただく方が、私たちは危険性も少ないだろうし、楽しいのです。経済外交を進めるという意図があるとすれば、やはり在外公館の内部充実ということが相当考えられてこなければならぬと思う。在外公館の内部充実の中には、たとえば民間のいろいろな団体を支援していくというやり方もあると同時に、あるいは大蔵省、通産省等の協力方を得て、優秀な人たちをば在外公館員の中に加えていく、こういう形式をこの際とろうとしているのかということを、まず第一に聞いておけば、私の必然性、必要性の理由の大きな一つになると思うのですが、経済外交問題は、これは小坂大臣の分野かもしれません。しかし、内容を充実していこうという意図、こういうものは、事務官の皆さんでも十分答えられると思うのですが、その点は、そういう意欲を持って、構想を練って今回この案をお出しになっているかどうか。
  64. 湯川盛夫

    ○湯川政府委員 経済外交は、私どもとしても非常に重視しております。先ほどいろいろ御説明申し上げましたが、庶務とか電信というのも、結局、こういう人がいなくては十分機能が発揮できないわけです。たとえば、いろいろな情報を得ても、すぐに迅速に電信を打って報告するとか、あるいは庶務関係といっても、専門家一人行けば、それに伴っていろいろな庶務がふえます。そういった点が非常に手薄で、従って、専門家の人にも、つまらない庶務的なことにも時間をさいてもらわなければいかぬので、なるべくそういう負担を軽くして、専門のことをやってもらうというためには、どうしても庶務的な陣容も強化しなければならぬ。そういった意味で、在外公館としての機能を——経済外交は、もちろんその重要な要素として考えて、その機能を充実するというために、これだけの人間をふやす。これでも必ずしも十分じゃないのですけれども、しかし、いろいろ予算の関係もありますが、これはすべてそういった在外公館外交機能——経済外交も含めて、経済外交には特に重点を置きつつ、そういった外交機能の充実強化というための増員を考えておるわけであります。  それから、ほかの省からの人、これは現在相当いろいろな省から派遣されております。全体からいえば百名以上になるわけです。そのうち一番多いのが通産省の三十八名、大蔵省の二十一名、農林省の十五名、運輸省の七名といった工合に、全部で百十五名といった数で、これは、いわゆるわれわれの仲間でキャリアの書記官とか参事官と言っておりますが、それらの外務省の在外の総数とほとんど同じくらいの数になりますが、そういったたくさんの人が、各省から来て、そして協力していただいております。
  65. 石山權作

    石山委員 皆さんが今やっておられるのは、平和外交であり、経済外交だというふうに聞いて、私は安心しておるわけですが、その中に防衛庁の人たちが出ているように今聞きました。この人たちは何人ぐらい出ていて、それは経済外交とどういう関係があるのか、どういうふうな仕組みの中で、外交機関の中に防衛庁の方々を入れて操作をしているか、公使あるいは大使との指揮、命令の間柄はどういう関係になっているか……。
  66. 湯川盛夫

    ○湯川政府委員 防衛庁から派遣されて、おりますのは、在米大使館、在英大使館、在仏大使館、それから在ソ連大使館、在トルコ大使館、在タイ大使館、そういったところに出ております。これは、各国でいわゆる大使館付武官というのを出しておる、それと似たような職責をやっておるわけでございますが、ただ、戦前の武官は、直接統帥関係から指揮、訓令を仰いでおった。大使館に付随してはおりましたが、しかし、かなり独立的に動いていられたわけです。そういったことは二元外交、三元外交になってよくない。現在は全部大使館員の身分でおります。大使館員の身分になって、大使の指揮下に所要任務を果たすということになっております。
  67. 石山權作

    石山委員 二元外交、三元外交はない、こういうので安心しているわけですが、防衛庁の人たちが駐在しているとすれば、その国の軍事関係、あるいはその国の周辺の軍事関係調査をしたり——今の場合は、軍事関係というと非常に範囲が広いわけでしょう。たとえば経済問題等もそうだと思いますし、政治問題をも勘案するというふうになるだろうと思いますが、自衛官が書く場合、本庁というか、防衛庁に出す文書は、そういう半公式的な文書になる場合が多いと思うのです。そういう文書に対しては、その土地の大使あるいは公使が責任を負った形になるのでしょうか、それとも、それは黙過したという形になるのでしょうか。その点が私たちとしては聞きたいところです。
  68. 湯川盛夫

    ○湯川政府委員 そこが、先ほど申し上げました戦前の武官と違いまして、外務省の出先の大使の区処下に働くということになっておりますので、そういった報告、調査というものは、大使の名前で、その責任においてやられております。
  69. 石山權作

    石山委員 きょうはもうこれで質問を打ち切りたいと思いますので、この次お聞きしたい点を二、三申し上げておきたいと思います。たとえば、このたびタイ国、ビルマ、ああいうところへの賠償問題等がきまっておりますが、きまる場合、事務当局としていろいろな試算をしたと思います。試算をしながら、たとえばひもつきという言葉があるけれども、七十億のうち日本から機械を二十億これこれのものを買ってくれとかなんとかいうふうな操作をしているか、内容をちょっとお聞きしたい。これは賠償関係がたくさんあるわけですが、そういうふうな内容を持って賠償額を決定しているかどうかということです。日本から労力であれ、物であれ、どういう形で出ていって七十億あるいは九十億になったか。何もそんなことがなくただきめたか、こういうことも一つ知りたいのです。  それからもう一つは、低開発国等の問題で、アジアの経済協力機構について、もう少し説明していただきたい。官房長の説明は聞きましたけれども、ちょっと何だか物足りないのです。おそらくこれは、むずかしいというふうに言われて、問題がまだ中間にいるようです。あなたの答弁もちょっとあれだと思う。しかし、皆さんの方で経済協力局というものをお作りになる意欲の中には、東南アジアの貿易とか低開発国の開発という構想が少なからずあると思いますので、それをやはり説明していただきたいと思う。これは秘密事項というなら、私は何も聞きませんよ。そうでないと思うから、この次に……。  それからもう一つ、通産省の方でございますが、輸出区域で表を作っているのがございます。そのうちで目につくところは、東アジア、東南アジア、西アジアと小さく大ざっぱに書いてアジア州、これに一九五二年では五一・六%、総額の半分の輸出をしているわけです。それが一九五九年は三三・七%、一九六〇年は三七%というふうに、三〇%台まで下がってしまったということですね。これは一体どこに原因があるのか。この原因と、ビルマ、タイあるいは韓国等を含めて、今日本が賠償を払うというのは、この輸出貿易の額が下がったことを補うための苦肉の策だと見られない節もないではないわけです。まず下がった原因は一体何だろうということを、この次に御説明いただきます。アメリカではいろいろな問題が起きて、なかなかアメリカへの貿易額はこれからふえないだろうというふうな予測もございます。そうした場合、千九百五十何年かにアジア州が日本の輸出の五〇%くらい占めていたのですが、この対照をどういう格好で生かしていくか、これがやはり当面の貿易の大きな課題だと思います。この点を一つお知らせ願いたい。  それと同時に、余力がありましたならば、ヨーロッパ共同市場との対応の問題。アメリカのことは、新聞、ラジオで教えられているから、皆さんの方からお聞きしないでも大体わかりますが、アジア州で目立って貿易額が低落をたどったことに対する対応策をお示し願いたい。  それから外務省の方にお聞きしておきたい。これは一部の雑誌と新聞しか出ていないようですが、韓国に対する民間の経済開発が非常に進んでいるように書いているのです。これに対しては、外務省も通産省もあまり関知しないのだ。しないというならばしないでよろしいですが、こういうふうな傾向で動いているんだということをば、皆さんの、特に外務省の場合は情報網が発達しているわけですから、その情報網から受け取った問題として、一つ御説明をいただきたいと思います。韓国の経済問題ですよ。これは、私じゃわからないけれども、その通り読みますと、保税加工調査団とか、それからもう一つ何かあったわけですが、いずれにしても、こういうふうな、民間が非常に動いていっているということに対して、外務省は知っているのか知らないのか、知っているならば、どういうような状態で動いていっているのか、これは将来伸びる可能性が内蔵しているのかどうか、通産省はこれに対して援助を与える態勢にあるのかどうか、これは、私は、賠償問題とは別にして承りたいと思います。
  70. 湯川盛夫

    ○湯川政府委員 ただいまのいろいろなこれからの御質問の中で、アジア経済協力機構の問題、これは国連の専門機関のエカフェが関係しておりますので、外務省で国連局が所管しております。ちょうど高橋国連局長が見えておりますから、それを御説明いたします。
  71. 高橋覺

    ○高橋(覺)政府委員 簡単にアジア経済協力機構の御説明をいたします。  これは、すでに新聞にも報道されておりますように、エカフェと申します国連のアジア地域経済委員会で、従来、アジア地域の域内の諸国の貿易をもっと拡大し、あるいは経済協力をやろうということがたびたび議に上りまして、一昨年のエカフェの総会でこの趣旨の決議ができました。この決議に基づきまして、昨年の初めに、貿易委員会というところでその具体策を研究しようということになりまして、エカフェの事務局長が、日本、タイ、インドから出た三人の専門家、いわゆる三人委員会と申します委員会を作りまして、この委員会に報告書の提出を求められたわけであります。日本からは経済企画庁の大来局長が個人の資格で参加しています。   〔草野委員長代理退席、委員長着席〕 この三人の委員会の報告が、昨年の暮れにエカフェの事務局長に提出されまして、そうしてその中に、いろいろ今後のアジアの経済協力のあり方、可能性というようなものを報告をいたしました。その一つには、アジア経済協力機構というようなものを作ったらどうかというような示唆がございます。  これに基づきまして、エカフェのウー・ニュン事務局長から、それではまずエカフェのワク内で経済協力機構を作ったらどうかという案を各国政府に送って参りまして、そうして意見を求めておるわけであります。この三人委員会の報告書あるいは共同宣言のテキストも、エカフェの方で現に域内諸国限りということでありますので、まだ全文発表する段階でございませんが、いずれも一昨年のエカフェ総会の決議をもとにしてそうして、その域内協力をうたった機構を作ろう、しかし、実際問題といたしまして、それではどういう機構を作って、具体的にどういうようなことをするかということについては、一昨年の決議の目標と同じ一応の抽象的なものを掲げてあるだけで、具体的にはまだ何らきまっておりません。機構を作るかどうかということも、あるいは機構を作る前に一度関係国が集まって会議を開いたらどうか、その会議も、閣僚レベルの会議を開いたらどうか、あるいは事務レベルでまず会議を開きまして、そして閣僚レベルの会議を開いて、そこで十分議論して、そういうようなことが、一体協力機構を作ってできるかどうか、十分検討した上できめたらどうかというような意見も出ております。いずれにいたしましても、現在アジアの地域諸国と、このエカフェ事務局長の提唱に対してどういう態度をとるかということをお互いに相談もいたしておりますし、そういう各国の動向も考慮いたしまして、最終的に日本の態度というものが近く閣議決定されることになると存じます。
  72. 石山權作

    石山委員 アジア州の開発あるいは貿易の伸展というのは、アジア経済協力機構が活用される部面が多いような気がします。しかし、私、ラジオでも聞きましたし、この刊行物なりあるいは雑誌なんかを見ましても、関係国が乗り気でないという言葉が随所に聞かれるわけです。しかし、どこそこの国がこういう理由で乗り気でないという出所がはっきりしておりません。概括的に乗り気でないということを言っているわけです。ですから、この点も、この次に、どこの国ではこういう事柄がネックになって、どうも乗り気でないのだということを御説明いただきたい。私は率直に言えば、乗り気でないという陰には、わが国に対する不信感みたいなもの、あるいはわが国の経済に対する不安感と言ってもいいと思うが、国威に関する問題とするならば、いずれにしても乗り気でないというところに問題があると思う。この乗り気でないということを少しくわれわれはやはり究明して、乗気あらしめるようにしなければ、幾ら借款制度を設けてみても、これは活用されないでしまうのじゃないかと思います。そういう点をこの次に……。  それからメコン河開発に対して、日本の国が今役目を果たしつつあるわけなんですが、この役目を果たしつつある現状をあわせて御報告願いたい。  委員長、私もあなたに協力して一生懸命やっておるけれども、だれもいないんだ。大臣もきょうおいでにならぬと言いますから、きょうはこの程度でやめていただきたい。一応打ち切りましょう。
  73. 中島茂喜

    中島委員長 本日はこの程度にとどめ、次会は、来たる十五日午前十時理事会、十時半委員会を開会することとし、これにて散会いたします。    午後零時四十三分散会