○鶴見
説明員 ただいま
石山先生から御質問のありました点につきまして、私、経済協力部の
参事官の鶴見でございますが、具体的に御
説明を申し上げますと御理解を得やすいかと思いますので、答弁をさせていただきます。
ただいまお話が第一世銀、第二世銀の点に言及いたされましたが、第一世銀の場合ですと、もちろん、日本は第一世銀に対して出資もいたしておりますが、同時に、わが国もいろいろな事業に第一世銀から借款を受けております。第二世銀の場合になりますと、これはいわゆる国際開発協会と申しまして、発展途上にある諸国に対する資金の供与でございまして、従いまして、日本の場合は、その第二世銀から資金供与を受ける、あるいは借款を受けるということはないのでございます。ただ、先ほど来のお話がございますように、経済協力——現在までに経済協力部が行なっております仕事の
内容を、若干長くなりますが、差しつかえなければ御
説明申し上げれば、経済協力部が今後局になるにあたりましての必然性と申しますか、そういうことについて御理解いただけると存じますので、お許しをいただければ御
説明を申し上げたいと存じます。
御承知の通り、経済協力部と申しますところは、発展途上にある諸国に対しまして、資金協力及び技術協力というものをするのが主たる役目でございまして、その面におきまして国際
機関、先ほどお話のございました第一世銀とか、あるいは第二世銀、すなわち国際開発協会、あるいは国際連合のいろいろな専門
機関、あるいは最近になってOECDの下部機構になりました開発援助
委員会、DACといったものと協力して、開発途上にある諸国の資金協力、技術協力を行なうという部面もございます。ところで、資金協力につきましては、先ほど御
説明もございましたが、具体的に申し上げますと、日本が借款を開発途上にある諸国に供与する場合、あるいは延べ払いのワクを供与する場合、あるいは個々の具体的なプロジェクト、案件に沿いまして、延べ払いでもって機械を供与するような場合、さらには純
民間においての投資の場合がございまして、投資することによりまして相手国の経済開発にそれだけ寄与するということになるわけでございます。さらに、技術協力の面につきましては、従来やっておりますことは、また現在やっておりますことは、開発途上にある諸国から——いろいろな技術分野、農林分野もございますし、鉱工業、通産分野もございますし、あるいは場合によりましては経済企画の分野というのもございます。あるいは
建設分野と、いろいろな分野にわたっておりますが、そういう分野にわたっております技術者を
訓練するために、開発途上にある諸国から、技術
訓練生といいますか、研修生を受け入れまして、日本の国内におきまして、それぞれの各省の研修
機関とか、あるいは
民間の工場とかいうところにお願いして、研修を
実施いたします。それが一つの分野でございます。それからさらに、逆に、日本の技術者あるいは技能者をかえって発展途上にある諸国に派遣いたしまして、その現地でもって現地の
人々を
訓練をするという分野もございます。さらに、最近の
傾向といたしまして、個々の専門家を派遣するよりは、まとまった一つの海外技術
訓練センターというものを設けまして、そこでもって集団的に多くの現地の方々に
訓練するのがいいということで、
訓練センターというものを
設置いたして参っております。それにつきましては、先生のお手元へ、資料としては海外技術
訓練センターという資料を
提出済みだと存じますので、それによって御理解をいただければと存じます。
さらに、技術協力の一分野といたしまして、日本が
民間レベルで投資をいたしましたり、あるいは借款を供与いたしましたりする前の段階、いわゆる投資前の基礎
調査というものがございまして、これは相手国の要請によりまして、いろいろの
調査団を派遣いたしまして、たとえばどこにダムを作ったらいいかとか、あるいは発電灌漑はどういうふうにやったらいいかということも、相手国の要請によって
調査団を派遣いたしまして報告を出してやる。そして、開発途上にある諸国の経済開発の基礎的な
調査を行なうということをやっておりまして、御承知のように、東南アジアにございます大きなメコン河の開発ということにつきましても、
調査団を日本といたしましても派遣いたしまして、従来約四十五万ドルに相当するくらいの
調査をすでに行なっております。そういった一つの技術協力のあり方というものがございます。
こういう技術協力及び資金協力を実際に実行するにあたりまして、同時に、各いろいろな国際
機関、冒頭に申し上げましたような国際
機関と協調して、そのような経済協力及び技術協力、資金協力の効果を非常に能率的にしようという国際的な動きがございまして、わが国といたしましても、たとえばインドに対する資金協力、あるいはパキスタンに対する資金協力という面におきましては、先ほどお話のございました第一世銀が主催する債権国
会議というものがございまして、当初からそれのメンバーになりまして、インド、パキスタンに対する資金協力の面における国際協調というものをはかっております。資金協力の面におきましても、また、技術協力の面におきましても、国内におきましてはそれぞれ
関係する各省がございまして、特に資金協力の面につきましては、
外務省だけではもちろんございませんで、大蔵省、通産省あるいは経済企画庁というものと常時密接な連絡をとりつつ、資金協力を
実施して参っておる次第でございます。
また、技術協力につきましては、先ほど申し上げましたごとく、
関係する分野が非常に多くございまして、十省庁以上にもまたがるような分野でございます。たとえば医事の面もございますし、そうすれば厚生省というものが入って参ります。あるいは
港湾の面でございますと
運輸省というものが入って参ります。それから場合によりましては、警察の面というようなこともございます。そういうような、非常に
関係する分野がございますので、技術協力につきましては、国内的にはそれぞれの各省と連絡をとりながら、
外務省が外に向かいまして窓口一本になって
実施をいたしておるという状況でございます。
そういうふうな従来までの仕事の
内容を今御
説明申し上げましたが、さらに、先ほど湯川官房長から御
説明ございましたごとく、そういった資金協力、技術協力といったようなものが、開発途上にあります諸国の経済開発及び民生の安定向上というものに今後ますます必要になってくるという認識の上に立ちまして、この際、経済協力部というものを経済協力局に一つ昇格させていただきたいということでございます。