○西村(関)
委員 前の本
委員会におきまして質問をいたしましたが、時間がありませんでしたので、若干質問が残っておりますから、続いて外務大臣にお尋ねをいたしたいと存じます。
第一は、この前からの継続の質問でありまして、ドミニカ国への移民の問題であります。
移住局長がお見えになっておられますようですが、この前の外務当局の御答弁では十分に満足をすることができなかったのであります。ドミニカ移民が非常に悲惨な
状態となりまして、逐次国援法の適用を受けまして、第一次から第四次まで日本に引き揚げて参った。この
原因の究明につきましては、本
委員会のただいま問題になっておりまする議案とは少し問題が離れて参るようでありますけれども、いずれ外務
委員会等におきまして、移住政策の根本問題について掘り下げてお伺いをいたしたいと思いますが、私の前回から伺っておりますのは、
在外公館に勤務する
外務公務員の心がまえに関連をいたしましてお尋ねをいたしたのであります。特に移住民に対する取り扱いにつきましては、今までの日本における生活を切りかえて、一切の資産を処理して、多大の犠牲を払って、日本の国策のために、また、大きくは世界平和のために捨て石になろう、こういう考えのもとに、勇躍新天地に移住して参りました移住民の諸君に対しましては、どこまでも懇切丁寧に指導をしなければならないことは申すまでもないと思う。また、さらに、移住をいたしまするまでの事前の
調査等につきましても、十全を期さなければならないことは申すまでもないのであります。
ドミニカの場合におきましては、ドミニカ国の政変、また、中南米諸国の国際情勢の変化等、予期しない事態が起こりましたので、大量の引き揚げという不幸な事態を引き起こした、それがおもな
原因であるというふうに考えられておるようでありますが、もちろん、それは否定することができません。しかし、もう一つの見のがすことのできない大きな
原因は、何と申しましても、
調査の不十分にあったと思うのであります。いわゆる公募されまするときの条件と、実際入植をしたときの実態とが一致していない。これは一致しているという
移住局長の答弁でありましたけれども、今事実を一々あげてお尋ねすることはいたしませんが、これは公平に考えて、どうもそこに問題があった、
調査の不十分からくる失望感を移住民の諸君に与えたということは、これは何と言われてもおおうことができない事実であると思うのであります。それらの点につきまして、外務当局としては、現地の大使を初め各
関係公務員が、これらに対して十分な措置をとった、まず
調査等について十全を期したいというふうにお考えになるかどうか。特に
調査の問題につきましては、農林省との
関係がございまして、農業移民の適地か不適地かということについては、農林省が
調査をし、また同時に、外務省の方で世話をしておるところの海協連の支部が
調査をする、これらのものが一致いたしまして、いよいよ入植可能であるという結論を出して公募に出る、こういうことでありますが、どうもドミニカの場合は、農林省の
調査も、また海協連の支部の
調査も、十全でなかったというふうに私は考えるのであります。そういう点に対しまして、いずれにいたしましても、移住の責任者であるところの外務省として、まず、この
調査の点に対してどのように外務大臣は考えておられるか、その点を伺いたいと思います。