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米澤説明員 ただいま
委員長から御
説明がございました
宇宙通信の
混信問題その他につきまして、
お話を申し上げたいと思います。
宇宙通信の
開発につきましては、現在、
郵政省、並びにKDD、あるいは
NHKで進められておりますが、国家的に非常に重要なものでありますから、
公社として、今後の発展のためにできるだけの御協力をいたしたいと考えておる次第でございます。しかし、この
宇宙通信の
周波数は、
公社の
マイクロ回線と
周波数が共用になるという
可能性が相当強いのでございます。従いまして、今後この
宇宙通信の
基地局がどこに置かれてくるかということにつきましては、
公社といたしまして、
マイクロ回線の今後の
施設拡充、並びに現在ある
回線との
混信問題等に関しまして、十分な考慮を払っていく必要があるというふうに考えております。
それで、この
周波数につきましては、まだ
世界の
各国で完全に国際的にきまっていないのが現状でございます。しかし、ただいま
アメリカで
CCIRの
分科会が開かれておりますが、
分科会におきましては、大体四千メガサイクルあるいは六千メガサイクルの
周波数帯が
宇宙通信に割り当てられる
可能性が非常に強いというふうに考えておる次第であります。最終的に決定いたしますのは、これは
主管庁会議なりあるいはその他で国際的にきまってくると思うのでございますが、今度の
アメリカの打ち合わせ、いわゆる
CCIRの
分科会等で出てくる
案等が固まって参りますと、この案というものは、今後の
主管庁会議なり
条約会議等できまってくる基礎的なものになるというふうに考えておりますので、われわれといたしまして、今回の
CCIRの
分科会の決定というものに対しましては、非常に
関心を持って見ておる次第でございますが、今までわれわれがいろいろ情報を集めてみますと、大体四千メガあるいは六千メガというものになる
可能性が相当強いというふうに考えておるのでございます。その場合に、
日本側から見ますと、
日本の
基地局からは六千メガ帯が発射されます。それから
空中にあります
人口衛星からは、四千メガ帯が発射されるということになって参ります。従って、
日本側といたしまして見ますと、四千メガ帯がいわゆる
空中から発射されて参りますので、いわゆる非常に弱い
電波が入って参ります。それから
基地局から出る六千メガ帯は、これは強い
電波が出て参りますから、これを
混信を受けるという
立場から考えますと、六千メガサイクルに対しましては、
公社の
通信系が
妨害を受けるという形になります。それから四千メガ帯に対しましては、
公社の
通信系がむしろ
妨害を与えるという形になります。しかし、もともとこれらの
マイクロ施設は、
電波の
到達距離というものが大体光に近くて、限定されておりますので、また、その地理的な条件によりまして、必ずあらゆるところで
妨害が起こるというわけではございません。やはりその位置その他によりまして、
妨害の
程度がいろいろ変ってくるのではございます。たとえば、
世界各国の、と申しましても、
米国あるいは
イギリス、フランス、ドイツ、そういったこの
宇宙通信に非常に
関心を持っている国々の
状態を考えてみますと、いずれも
国際通信とそれから
国内通信との間の
混信につきましては、いろいろ考えられておるようでありまして、たとえば
アメリカあたりでございますと、一番
混信妨害の少ない
北部地方に、ずっとこれらの局を考えております。また盆地の、何といいますか、ちょうどすりばちの底のようなところに局を置きまして、そういう点について
技術的な配慮が十分されているように思います。
イギリスにおきましても、イングランドの南西の一番端の方に置かれておりまして、そういう
妨害につきましては、いろいろ考えられておる次第でございます。
私たちといたしましては、現在、
電波管理局あいるは
国際電電と、この
技術的な
混信の
程度その他に対しまして
共同実験をするとか、あるいはまたそれに対する
対策を打ち合わせ中であります。今後これらの問題に対しまして、置局の選定、あるいはその他に対しまして、国家的に最も
宇宙通信というものがうまくいき、また
国内の
通信系が最も
妨害の少ない形でこれが進められるということを希望する次第でございます。