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1962-07-10 第40回国会 衆議院 逓信委員会 第25号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十七年七月十日(火曜日)    午前十時四十三分開議  出席委員    委員長 佐藤虎次郎君    理事 秋田 大助君 理事 上林山榮吉君    理事 小泉 純也君 理事 佐藤洋之助君    理事 廣瀬 正雄君 理事 大柴 滋夫君    理事 栗原 俊夫君 理事 森本  靖君       大森 玉木君    志賀健次郎君       椎熊 三郎君    竹内 俊吉君       中山 榮一君   橋本登美三郎君       羽田武嗣郎君    星島 二郎君       森山 欽司君    佐々木更三君       畑   和君    原   茂君       八百板 正君    山本 幸一君       受田 新吉君    谷口善太郎君  委員外出席者         郵政政務次官  大高  康君         郵政事務官         (大臣官房長) 武田  功君         郵政事務官         (大臣官房秘書         課長)     淺見 喜作君         郵政事務官         (大臣官房文書         課長)     吉灘  中君         郵政事務官         (監察局長)  藤牧  直君         郵政事務官         (貯金局長)  金澤 平藏君         郵 政 技 官         (電波監理局次         長)      二条 弼基君         専  門  員 吉田 弘苗君     ————————————— 五月九日  委員安平鹿一辞任につき、その補欠として久  保三郎君が議長指名委員に選任された。 同日  委員久保三郎辞任につき、その補欠として安  平鹿一君が議長指名委員に選任された。     ————————————— 五月七日  一、電波法の一部を改正する法律案(第三十九   回国会内閣提出第五六号)(参議院送付)  二、郵政事業に関する件  三、郵政監察に関する件  四、電気通信に関する件  五、電波監理及び放送に関する件 の閉会中審査を本委員会に付託された。     ————————————— 本日の会議に付した案件  郵政事業に関する件  郵政監察に関する件  電気通信に関する件  電波監理及び放送に関する件      ————◇—————
  2. 佐藤虎次郎

    佐藤委員長 これより会議を開きます。  郵政事業に関する件、郵政監察に関する件、電気通信に関する件、並びに電波監理及び放送に関する件について調査を進めます。  質疑の通告がありますので、順次これを許します。森本靖君。
  3. 森本靖

    森本委員 大臣が来てないので、あとから大臣にお伺いしますが、実は当委員会でも、私がしばしば特定郵便局運営のあり方については、そのつど郵政当局にも忠告を申し上げ、また意見も申し上げて参りましたが、今回、東京郵政局の管内で、品川区の南浜川特定郵便局において、御承知通り二千六百万円、約三千万円に近い郵便貯金の、要するに犯罪が起きまして、各新聞週刊誌等においてもその内容が相当明らかに報道されておるわけでありますが、実際この事件郵政省としての信用一般国民に対して非常に落として、われわれ委員会関係しておる委員の一員としても、国民に対してこういうことについては申しわけないというふうに考えておるわけであります。これも今まで当委員会の言う通りに忠言を聞いて、この特定郵便局運営等についても意のあるところをやっておれば、こういう事故は起きないというふうに考えるわけでありますが、そういう点で非常に今回の事件は、私は郵政省信用を落とすという点から残念であるというふうに考えておるわけでありますが、まず最初にお聞きしたいと思いますことは、新聞大臣がこの事件に関してその経過を詳細に報告しろというふうな指令を出したということが報道されておりましたが、その大臣の指令なるものは一体どういうことであるか、政務次官からお答え願いたい、こういうふうに思うわけであります。
  4. 大高康

    大高説明員 ただいま御指摘になりました点ですが、大臣も非常に心配をいたしまして、監察局長に対して、ここまできた道程並びによってきたるところのゆえんのものを極力調査をしろというように厳命をいたしたわけでございます。
  5. 森本靖

    森本委員 それでは政務次官よりも事務当局に聞きますが、一応この経過は私の方では新聞等でよくわかっておりますが、何か新聞週刊誌等に報道されておる以外の新しいことがありましたら、事務当局から御説明願いたいと思います。
  6. 藤牧直

    藤牧説明員 お答えいたします。  新聞紙上等に報道されております以外のことというふうな特段なものは、実はないわけでございます。
  7. 森本靖

    森本委員 そういたしますと、この事件が発覚するまでに当該郵便局監察した——この事件は三十一年からでありますが、その三十一年からこの発覚するまでに監察当局監察したことは何回ありますか。
  8. 藤牧直

    藤牧説明員 お答えいたします。  犯行が継続いたしました間が六年六カ月ぐらいに相なろうかと思いますが、前後十二回の年次考査あるいは事故調査等をいたしております。
  9. 森本靖

    森本委員 その十二回調査をいたしました監察報告資料が出ておると思いますが、その監察官調査をいたしました報告書というものを、一応委員会資料として御提出を願いたい。それからそれを調査に行った監察官の名前と、現在のその監察官の職名、退職せられておる人は仕方がないから退職と書いてもらってけっこうですが、現在どこにおるか、そういう点を資料としてお出しを願いたい、こう思うわけです。
  10. 佐藤虎次郎

    佐藤委員長 承知いたしました。
  11. 森本靖

    森本委員 それからもう一つ、こういう市政が起きて、この内容を読んでみると、特定郵便局運営のいいところも確かにありますけれども、悪い面が集中的にこの郵便局には現われている。これは局長の姉さんがやっておる。弟の局長は事務的にもほとんどさわってないというふうなことでありますが、この川端初音お母さんというのは、やはり共犯になっておるわけですか。
  12. 藤牧直

    藤牧説明員 ただいまのところ、共犯ということで送検されております。母の川端つゆというのは、単独横領業務横領共犯、二つの罪名で逮捕されております。
  13. 森本靖

    森本委員 お母さんというのは局員ではないわけでしょう。
  14. 藤牧直

    藤牧説明員 そうです。
  15. 森本靖

    森本委員 その局員でないお母さん共犯ということで逮捕せられておるということは、どういうことですか。
  16. 藤牧直

    藤牧説明員 御説明いたします。  母の川端つゆがかつてこの局の局長代理をいたしておりました。その当時から非常に町内の信望のある方でありまして、日掛貯金の取りまとめというような委任を受けておったわけでございます。それを当初のうちは正規の積立通常貯金として経理いたしましたが、その後全然経理することなく、その金を横領したわけでございます。わかりやすく申し上げますれば、私設郵便局みたいなことをしておったわけでございます。こういった組合員といいますか、その日掛貯金会員お金を取りにくるというような場合には−、窓口お金を取りにくるわけであります。そのときには、主犯であります川端初音窓口から公金をもってそれを支払ったというようなことでございまして、その間に共犯関係が存在する、こういうことでございます。
  17. 森本靖

    森本委員 そのお母さん日掛貯金というのは、郵便貯金には関係がないわけですか。
  18. 藤牧直

    藤牧説明員 そうであります。当初二、三回は関係があったわけでございます。その後は全然関係がございません。
  19. 森本靖

    森本委員 そうすると、その日掛貯金というのは、一般の民間の日掛貯金ですか。——その日掛貯金というのは、そのお母さんが全部集めてきて、どこへ正式に納めるというお金ですか。
  20. 藤牧直

    藤牧説明員 お答えいたします。  やや詳細に申し上げますれば、大体二十二人の会員がおりまして、日掛貯金箱という箱がございます。おのおの一軒ずつその中へお金を入れていく、最後に川端つゆ、その母のところへ来るわけでございます。そこでかぎを持っておりまして、その積み立てたお金を取り出して、それを郵便局積立貯金にする、こういう約束で始まったわけでございます。当初二度ぐらいは正規に郵便貯金として経理いたしましたが、その後は、その箱が自分のところへ回ってくるたびに、かぎをもちましてあけて、ほしいままにこれを費消した、こういうことでございます。
  21. 森本靖

    森本委員 これは、そうすると、郵便局積立貯金関係があるわけでございますね。  それからもう一つ、この為替貯金公金については、おそらくあなたの方の規定では、毎日局長がその現金を計算して窓口務者から預かるということで、金庫に入れる場合にはそういう措置をしなければならぬということに相なっておると思いますが、そうすると、そういう措置は全然やられてなかったということになるわけですね。
  22. 藤牧直

    藤牧説明員 お答えいたします。  川端初音出納事務員になっております。従いまして、川端初音が金の方の一切を取りしきるということになっております。ただ、局長といたしましては、金庫かぎの保管、監守をやるということになっておりまして、現金出納日報あるいは現金のつき合わせ等につきましては、規定上、職務上、川端初音が行なう、こういうことになっております。
  23. 森本靖

    森本委員 それは職務上ということでありますけれども、現金出納官吏が別におっても、当該局長出納日報を見て出納日報に判をつく場合には、一応現金出納日報の残高というものを照合するようになっておらぬですか。
  24. 藤牧直

    藤牧説明員 お答えいたします。  お説の通り照合いたすことに相なっております。
  25. 森本靖

    森本委員 その照合は毎日やっておったわけですか。
  26. 藤牧直

    藤牧説明員 局長参考人として東京監察局で招致いたしまして、いろいろ事情等を聴取いたしました際には、やっている場合もあり、やってない場合もある、おおむねやってない場合の方が多かった、こういうことに相なっております。
  27. 森本靖

    森本委員 それから、この当該局従業員は全部で何人ですか。
  28. 藤牧直

    藤牧説明員 局長以下五名でございます。
  29. 森本靖

    森本委員 それで、実際の犯罪関係者初音お母さんだけですか。あとは全然関係がないですか。
  30. 藤牧直

    藤牧説明員 現在のところ、局長を含めまして六人局員がおります。それで、そこには川端初音とその局長武二氏と武二氏の妻と三人勤めておりますが、他の局員は、現在までの調査では関係がございません。
  31. 森本靖

    森本委員 それで、この当該局長処分はどうなっておるのですか。
  32. 藤牧直

    藤牧説明員 お答えいたします。  これは私の方といたしまして、所管が違うわけでございます。ただ、監察局といたしましては、被疑者初音、あるいはまつゆ、あるいは局長、あるいは局員等を取り調べました調書等を付しまして、人事部の方に移牒いたしておる段階でございます。
  33. 森本靖

    森本委員 これは、三十四年に当該局成績優良局として表彰されておりますが、これはどういう理由の表彰ですか。
  34. 藤牧直

    藤牧説明員 お答えいたします。  貯金奨励表彰を受けておるのでありまするが、貯金表彰には、御承知通り業務表彰奨励表彰と二種類ございます。ある一定の目標をこえるという場合には、コンクール的な意味表彰を行なっておりますが、三十四年度におきまして、当局もそういった貯金コンクール的な意味表彰を受けております。
  35. 森本靖

    森本委員 これは、いずれにしてもあとから言っても追っつかぬ話でありますが、事故監査を七回やって、一回もあがっておらぬ。その間に成績優良局として表彰しておる。しかもこれが三千万円の犯罪になっておる。それへもってきて、この局長は前局長のむすこさんで、そのまま譲り受けてやっておる。ねえさん為替貯金現金出納をやっておる。しかも、局長はほとんど監察をしていない。これは付近の状況というものが、当然犯罪が起こり得る余地、素地が十分できておるわけであって、そういう素地を初めからなくしていくという努力をしておれば、まだしも私はこういうものは非常に変わってきたんじゃないか、こう思うわけであります。  それからこの特定局監査というものは、今どういうふうになっておるわけですか。今私もあまり知りませんが、昔は、監察局でなしに、大体十局なり十二局くらいなりの部会程度が集まって相互監査をし合う、月に一回なり二回なりそういうことをずっと例会的にやっておったわけでありますが、これは悪いところもありますけれども、こういうふうな犯罪が発覚するという面については、非常にいい面もあったわけであります。こういうのも今何か特権連単位にやっておるということも聞いておるわけでありますが、そういうのはどうなっておりますか。
  36. 藤牧直

    藤牧説明員 お答えいたします。  第一点の、非常に何と申しますか、犯罪を醸成しやすいような環境にあったにもかかわらず、なかなかとれが見つからなかったのは、というようなお話でございまして、まことにごもっともだと思うわけであります。私の方といたしまして、前後十二回にわたりまして当局考査いたしたわけでありますが、前後六年間に十二回考査あるいは調査をいたしますというようなことは、異例に属するわけでございまして、この局の状況等から見ていささか疑義ありといたしたわけでございます。ところが、遺憾なことに、東京監察局において実施いたしました考査あるいは調査等におきまして、総合的にあるいは多角的にこれを運営するという配慮に欠けておった。いわば各考査監査というものが断片的に十二回行なわれておったというようなことでありまして、この運営というものについて、さらに今後よろしきを得たいというふうに考えて措置いたしております。  第二点の、自主的の防犯と申しますか、これは御承知通り特権連単位部会を中心といたしまして、相互に、お互いに犯罪を出さないようにというので指導というようなことをいたしておるわけでございまして、調べるといいますか、調査というような権限は持っておらぬわけであります。
  37. 森本靖

    森本委員 これは次の国会でも始まれば、十分に研究して私も自分意見をあなた方に申し上げたいと思いますが、きょうは、とりあえずこの事件内容について説明を願ったわけであります。  ついでに聞いておきますが、人事関係の方で、結局この局長処分については今どうなっておりますか。
  38. 武田功

    武田説明員 人事部長がおりませんので、かわってお答え申し上げます。  監察局調査が終わりましたら、郵政局の方に回しまして、郵政局から本省にその結果を報告いたしまして、検討して早急に処分をする、こういう手はずになっております。
  39. 森本靖

    森本委員 早急に処分するというよりも、本人が自発的に辞表を出しておらぬですか。
  40. 武田功

    武田説明員 本人は、まだ辞表を出しておりません。
  41. 森本靖

    森本委員 辞表を出しても、それを受け取る、受け取らぬということは、郵政省が判断をするわけであって、それを直ちにどうこうせよということを私は言うわけじゃないが、これだけの事件を起こして、しかも、これは自分ねえさんである、自分お母さんがこういうふうな犯罪を起こしておる。それからこれがほんとうの特定郵便局であるということから考えた場合、その辞表を受け取る、受け取らぬは別として、われわれが普通考えた場合には、こういうときには、その処分も、大きな事件が全部済んでしまってから処分するというのがあたりまえのことであります。しかし、その前に、国民に対して申しわけないという考え方があるとするならば、一応自発的に辞表を出して謹慎の意を表して、郵政省から通達があるのを待っておるという謙虚な気持ちがあってしかるべきだ。大体郵政省人間というものは、そのくらいきまじめな人間ばかりであるというふうに思っておるわけでありますが、今の官房長の話を聞いて、まことに残念に思うわけであります。こういう点は、あなた方の行政指導が足らぬだろうと思う。実際問題として、当該局長としても、もう少し謙虚に反省をし、その態度を内外に表わすということが、非常にほしいわけであります。今そういうことを言ったところでしょうがないが、国会でもこういう意見が一部にあったということをあなた方も十分記憶にとどめておいてもらいたいと思うわけであります。  それから今後の対策でありますが、今後の対策については、郵政省としては、新聞報道によりますと、窓口の改善、局長代理を置く、局員の再教育というようなことで、今後非常な努力をするというふうに書いておりますが、、要するに、私設貯金みたいなことをやられると、下手な監察官が調べたところで全然わからないわけです。これは出納日報にも全然載らないわけであって、よほど熟練した監察官でないと、テアテアな監察官が行って、昼飯でもごちそうになってほいほいやってきたのでは、さっぱりわからぬことになる。そういう貯金事故を防ぐ。それから保険です。保険はまだ比較的わかりやすいわけであります。満期になって掛金を戻すという場合にわかりやすいわけでありますが、この私設貯金をやられると、下手をすると、十年くらいは絶対にわからないということになるわけでありまして、よほど技術的に考えていかないと、この犯罪を未然に防ぐということはなかなか困難じゃないかと考えるわけであります。特に、私は次の委員会でもあなた方の回答を待ちたいと思うのでありますが、いました貯金事故、特に私設郵便貯金犯罪が多い。これを防ぐ方法はなかなかむずかしい。これは郵政省としても積極的に研究をして、次会にその研究内容をぜひ発表願いたいと思うわけであります。  それからもう一つ、これはそういうことを言うと全国特定郵便局の方に怒られますし、また言いたくもないわけでありますが、現に全国の一万三千ないし一万六千の郵便局の中で、無集配郵便局というものは六千ないし八千あると思いますが、その中で、局長局長の奥さんだけでやっておる郵便局はかなりの数に上っておると思う。これは非常にまじめにやっておられる方がほとんどでありまして、事実私はそういう犯罪がないと考えておりますし、またまじめに操作しておると思いますけれども、こういう点については、ちょっと魔がさせば簡単にできる職場にあるわけであります。だから、こういうふうな職場に対するいわゆる職域の指導をどうするか、これは事故が起こって、あとになってしもうたということではどうにもならぬわけであって、こういうふうな関係郵便局がどの程度あるかということについては、おそらく郵政省で調べればすぐわかるわけでありますので、こういう無集配特定郵便局の、しかも家族従業員だけでやっておるというようなところについて——私は、そういうところに全部犯罪が起こるとは考えません、またまじめにやっておると考えますけれども、万が一というととがあるわけでありますから、そういう面の消極の運営に対する郵政省としての指導方法いかようにするかということについては、十分に研究しておいていただきたいと考えるわけであります。そういう点について、次会に十分に聞きたいと思うわけであります。  それから最初に申し上げました資料が出ましたならば、その資料に基づいて、私ははっきりと申し上げておきますが、その当時の監察官、さらにその上司、これは当然東京郵政監察局長あたり責任をある程度感じてもらわなければならぬ。それから当時の本省監察局長なんかは、どこかの会社の重役になっておると思うけれども、やはり私は一応責任を感じてもらわなければならぬと思う。そのくらいの責任態勢——下の者が責任を感ずるだけでは、今後どうにもならぬと思う。一事務員事件であっても、これだけ大きな事件が起きた場合には、上の者に至るまですべてが責任を感ずるという、上から下までしっかりした責任態勢をとって、初めて打って一丸となった郵政行政ができると考えるわけでありますので、その責任のとり方についても、郵政省としてはこの次の委員会で発表できるようにしておいてもらいたい。  いずれにしても、私が本日特にこの問題を質問いたしましたのは、何もこの犯罪が起こったその内容について徹底的に究明し、郵政省を論難しようという意図ではなくして、今後二度と再びこういうふうな事件を起こして国民信用を失うようなことはしてもらいたくない。できる限り——できる限り外、なしに、こういう問題については絶無にしてもらいたい。こういう方針郵政省がとってもらいたい。今後真剣にこの対策を考えてもらいたい。  それからもう一つ申し上げておきたいと思いますことは、これは郵務局長所管でありますが、きょうは出てきておりませんけれども、赤行のうの郵袋がこのごろひんぴんとして盗難にあっておるわけであります。この新聞報道を見ましても、赤行のうの郵袋盗難にあうということが、なかなか多いわけであります。この事件も、郵政省国民に対する信用を失うところの一つの大きな原因になっておるのでありまして、次の委員会あたりでは、過去一年間の赤行のうの郵袋盗難事件の概況と、それからこれに対する対策、こういう問題についても、十分に説明ができるようにしておいてもらいたい、こう思うわけであります。  以上で、私は、この貯金事件については質問を終わりたいと思います。
  42. 武田功

    武田説明員 今先生のお示しの関係資料を十分そろえまして、また、研究も早急に進めまして、準備いたします。
  43. 森本靖

    森本委員 大臣は一体何時ごろ来ますか。
  44. 佐藤虎次郎

    佐藤委員長 今聞きにやります。
  45. 森本靖

    森本委員 それじゃ、大臣が来るまでもう一つ聞いておきたいと思います。  これは、この前の委員会でわれわれが問題にいたしました宇宙通信の問題であるわけでありますが、その後、委員会参議院選挙その他で開かれていなかったわけでありますが、その間におきまして、新聞の報道するところによりますと、私たちがずっと質問を続けておりました内容の、いわゆるNASA地上局委員会に日本が加入するということを閣議了承を得た、そうして直ちにそういう方向における運動を郵政省が行なうことになった、さらにまた、宇宙通信委員会というものを郵政省の中にこしらえたというふうなことが報道されておるわけでありますが、その間の経過というものを一つ郵政省として御説明を願いたい、こう思うわけであります。
  46. 吉灘中

    吉灘説明員 新聞に報道されました経緯について申し上げたいと思います。  NASA覚書を交換することによりまして、地上局委員会に加入したいということでもっていろいろ検討を重ねておりまして、それで郵政省としては加入したいという意思を大臣閣議報告をしたわけでございます。閣議で別段それに対して異論はなかったというふうにわれわれは聞いております。従いまして、今後の作業といたしましては、覚書の案を作成いたしまして、将来はもちろん関係各省十分協議を遂げた上で、そういった手続をとっていくという方針で現在進めているわけでございます。
  47. 森本靖

    森本委員 地上局委員会に加入をしたいということを閣議了承を得たということでありますが、地上局委員会に加入するということについては、どういう形式になり、それからどういうふうな覚書を交換するということになるのか、もしくは協定という形になるのか、それからいわゆる加入するところの実態の内君というものは、どういう内容であるか、一つ説明を願いたい、こう思うわけであります。
  48. 吉灘中

    吉灘説明員 NASA地上局委員会に加入するということと、それからNASA覚書を交換するということの関連について若干申し上げておきたいと思いますが、NASA覚書を交換した国は、すでに英、西独、フランスその他の国があるわけでございますけれども、その覚書を交換した国相互間におきまして、地上局委員会なるものを構成し、そこでいろいろ事務的な、あるいは技術的な検討を行なう一つ事務連絡会地上局委員会であるというふうに解釈しておるわけでございます。  それから次に御質問になりましたところの覚書の性格についてでございますが、これは非常にむずかしい問題でありまして、今までNASA覚書を交換しました各国におきましては、覚書は単にNASAとそれぞれの、大体郵政省が多いわけでございますが、郵政省との間の、両者の覚書という性格にすぎないわけでありまして、何も外交的な一つの条約、約定というような形で結んでおるわけではありません。ただしかしながら、NASAとそれから各国の郵政省との間で結びました覚書につきまして、あとで外交ルートによるところの追認という形をとっておるわけでございます。従って、日本の場合それをどういうふうな形でやっていくかという点は、今後われわれが外務省といろいろ検討し、研究を進めていかなければならない問題であるわけでございます。  次に、覚書内容でございますが、これはきょう資料としてフランスの場合をお配りしてございますが、あるいは西ドイツあるいはイギリスの例もありますので、大体そういうような例について今検討中でございまして、どういうような内容覚書をこれから結ぶことになるかという点については、まだ明確に申し上げかねる段階でございます。
  49. 森本靖

    森本委員 これの覚書郵政省NASAとが交換をする、それで、その覚書を外交的に追認するということは、どういう意味になるのですか。
  50. 吉灘中

    吉灘説明員 先ほど申し上げましたように、覚書は単にNASAとそれからその政府との間の行政的といいますか、事務的な覚書、協定、メモのようなものでございまして、これをあとで外交ルートによる追認ということは、外交上、両国間において、そのNASAと政府との間で結びましたものを、追認ということでございますから、それを両者の外交機関が承認するという、国相互間においてそれを確認し合うという意味承知しておるわけでございます。
  51. 森本靖

    森本委員 妙にわからぬが、そういう場合、NASA郵政省とが覚書、なるメモ交換をするということはわかりますよ。それを外交ルートによる追認措置をするということは、どういう意味なんです。それは、その両国間の協定という形になるのか。外交ルートにおいてこれを承認するということになれば、それしかないと思うのですよ。その辺がどうなるのか。  それから、かりに追認をして協定と同じような効力を発するということになれば、おそらく国会の承認というような形が必要じゃないかというふうにもとられるし、その辺が非常にわれわれとしては疑問に思っておるわけですが、どうですか。
  52. 吉灘中

    吉灘説明員 今申し上げましたのは諸外国の例でございまして、わが国の場合、実際問題として覚書の性格あるいは追認の法的な性格をどういうふうに解するかという点につきましては、まだ十分外務省と結論を出しておる段階ではございませんので、今後いろいろ外務省と折衝いたしまして、今先生のお話にありましたような国会の承認ということも必要とするかどうかということについても、一つの疑問が今後あるわけでございます。今申し上げましたのは、諸外国の例を申し上げただけでございまして、各国によりまして、それぞれやり方が違っておるのでございます。
  53. 上林山榮吉

    ○上林山委員 ちょっと了解を得ましたから。この問題は、一つ大臣から御研究の上で答弁していただかなければならぬ問題だと思うので、私は多くを申し上げませんが、NASAの法的性格といいますか、法的地位はどういうものであるか、まず、これをあなた方が今まで研究された結果をはっきりしなければ、どうも質問が先に進まぬのですが、NASAの地位、法的な性格について……。
  54. 二条弼基

    ○二条説明員 お答え申し上げます。  NASAはアメリカの政府の機関でございます。それから、地上局委員会と申しますものは、単なる協定を結んだ国の窓口機関が今後の実験のために相互連絡をいたしますための連絡会というふうに解釈しております。
  55. 上林山榮吉

    ○上林山委員 NASAは、アメリカの正式の政府機関である。だから、単に行政府ですね。いわゆる政府を代表するものではなくて、もちろん単なる行政府としての政府機関ですね。
  56. 二条弼基

    ○二条説明員 仰せの通りに解釈しております。
  57. 上林山榮吉

    ○上林山委員 そうすると、日本の行政機関とアメリカの行政機関とが協定みたいなもの——正式には何といっていいか、御答弁が明確でないのですが、そうしたようなものを結んでおいて、さらに行政府が各政府にこれを移して、あとでその協定に基づいて正式の条約ないしは協定ではあるが、条約的性格を持つ調印というようなことになる可能性ありと現段階では見ていいわけですか。
  58. 二条弼基

    ○二条説明員 お答え申し上げます。  今度の実験の問題は、わが国としては初めての例であります。その間の覚書、それからそのあとにくるメモの外交ルートを通じての承認というような問題は、目下当局間において連絡打ち合わせ中でございまして、その上できまると思います。
  59. 上林山榮吉

    ○上林山委員 ただいま御答弁をだんだんお聞きしていると、今研究なりその他の段階であって、結論的にははっきりしたことは申し上げられない、こういうお話で、これは初めてのケースでもあり、また重大な意味を持つ問題でもあるので、私は、現段階ではあるいはそういう御答弁が適当であるんじゃないか、こういうように思います。しかし、これは大事な問題であればあるほど、協定的な条約ということになれば、やはり国会の承認を得なければならぬのですよ。だから、その辺は外交ルートとただ抽象的に言うだけでは性格の基本に触れておらないわけなんですから、その辺を明確に現段階ではやはりお答えになった方が疑問が少なくて済むんじゃないか、こう思いますので、基本的な問題だけあっさり聞いておきます。
  60. 吉灘中

    吉灘説明員 今上林山先生から御指摘になりましたように、その取り扱い方、メモの法的な性格、あるいは外交ルートによる追認という諸外国の例に見られるようなやり方を、国内においてどういうふうに法的に解釈するかということにつきましては、非常にむずかしい問題があるわけであります。従いまして、われわれといたしましては、外務省と十分その間連絡をとりまして、向こうの方が有権的な解釈をするわけでありますので、その辺これから折価を続けていきたいというふうに考えております。
  61. 森本靖

    森本委員 その内容は、今上林山さんの質問とあなた方の答弁でわかりましたが、私が言いたいのは、これはもう閣議で迫水郵政大臣報告をして、新聞に報道されて、テレビでも報道され、ラジオでも報道されて、あれからもう数週間たっておる。それをごたごた一体何をやっておるのかということを言いたい。こんなものはわからぬはずはないんだ、外務省と一日朝から晩まで協議すれば……。そんなことで二週間もそこらかかっておって、一体テレビの国際中継をやるのどうの、岡崎国連大使が、ああいう国際連合の中で、日本が国際テレビ中継を行ないますと大きなたんかを切って、実際この内容というものは全く一つも進んでいない。これは日本の官庁の悪い習慣だろうと思うけれども、こんなものは、民間会社だったら、上岡方で協議をしてやれば一日でケリをつける。だから、全く事務的な内容というのは進んでいない。それをさも迫水郵政大臣が得々として発表してやるもんだから、日本のこういうことは進んでおるようにとれるけれども、今の協定をするかしないか、追認措置をするかどうかというやり方一つをとってみても、事実ちっとも進んでいないんだ。本来なら、ああいうものを閣議で郵政大臣報告をして、閣議——また閣議閣議だ、実際。各大臣がそれを了承するなら、一体これはどうなってどうなるんだ、いつごろできるんで、どういうふうにするんだ、こういう質問があって、そうして明確に閣議できめて、日本の方針はこうだ、こうやるのがほんとうだ。それを何にもわからない閣僚は、郵政大臣報告した、了承というふうなことでおそらくやられたろうと思うのです。報告する方もわからぬのだから・聞く方もわからぬのはあたりまえですけれども、実際私は何をやっておるのかということを言いたい。この委員会を通じて、もう少しこういうところの問題と真剣に取り組んでもらいたい、官庁同士のなわ張り争いとかなんとかいうことを除外して、ほんとうに宇宙通信を一日も早く郵政省は始めなければならぬという方針に徹して、外務省がぐうたらぐうたら言うなら、一々そこに電波監理局長が出ていって、そうしてどうだこうだとだめを押すくらいな熱意を持ってやってもらいたい。そうしないと、幾ら日がたってもこんな状態が続くということであって、一事が万来ということは言わないけれども、こういう問題についても、閣議報告をするということであるとするならば、もう少し将来の見通しというものを明確にして、法的にもはっきりできるような同等をしてやってもらいたいということが、私の言わんとするところであります。政務次官、深刻な顔をして聞かずに、もっと朗らかな顔をして聞いてもけっこうでありますので、私は気軽に言っておりますけれども、大事な問題ですから、大阪が来ておらないので、大臣に十分その点言っておいてもらいたい、こう思うわけであります。  それから、この宇宙通信委員会というものを郵政省にこしらえるということを西崎局長が発表しておりますが、今言ったような問題を協議したりなんかするには、こういうものを強化するということも非常にいい方法じゃないか、こう思うわけでありますが、これについての構想と見通しということについては、どう考えておりますか。
  62. 武田功

    武田説明員 お答えいたします。  省内におきましては、関係各部局がございますので、その連絡調整をはかり、かつまた国際電電会社とかNHK等もございますので、そういう外部の関係機関と連絡をはかりますために、官房に宇宙通信連絡事務室というものを設けまして、相互の連絡をはかるというふうにしております。また同時に、関係団体で、技術的な面その他につきまして連絡会を持ちまして、また、今後さらに専門的な分野もそれぞれきめまして、それぞれの研究範囲並びに分担範囲等について協議するというような構想で進めております。
  63. 森本靖

    森本委員 その宇宙通信連絡室というものは、だれが責任者ですか。
  64. 吉灘中

    吉灘説明員 大臣官房文書課に宇宙通信連絡室を置くというふうにきめておりますので、責任者は文書課長でございます。
  65. 森本靖

    森本委員 その内容についても詳しく質問しようと思っておったが、やめておきますので、一つ官房長、それから文書課長、よほどしっかりしてかからぬと——しっかりとかかったらかかっただけのやりがいのある仕事であることについては間違いがないわけであって、今までのように貯金保険の事業とはだいぶ意味が違うわけであって、範囲が相当広いわけでありますので、官房長と文書課長は頭脳優秀だから、十分できると思うわけでありますが、ぜひがんばってもらいたい、こう思うわけであります。私は、激励の意味で言っておるわけであって、非常にごたごたしてちっとも先へ進まぬというのは、見ておって実際嘆かわしい次第であるというふうに考えておるわけであって、その点を十分にやっていただきたい、こう思うわけであります。  もう一つ、この前から言われておりますように、竹内委員もこれは質問をいたしておりましたが、今の茨城の鹿島の実験所においては、最終的にはやはりマイクロとの混信が行なわれるということで、あそこでは実験段階としてはできるけれども、最終的に電電公社がマイクロウェーブ網を完成するという形になると、当然できない、こういう結論に技術的にはなるということは、新聞報道されているわけであります。私はその通りであるというふうに考えておるわけでありますが、そうすると、郵政省としては、全国的にあれにかわるべきいわゆる宇宙通信の基地なるものを探しておるということも、新聞に報道されておるわけでありますが、その間の経過をちょっと報告を願いたい、こう思うわけです。
  66. 二条弼基

    ○二条説明員 お答え申し上げます。  ただいま森本先生のおっしゃったように、鹿島が当初考えたときは、まだ使います電波の周波数というものがはっきりしておりませんでした。ですから、この場所で将来とも宇宙通信の基地として使える見込みもあったわけでございますが、国際技術のいろいろな面から、最近に至りまして、公衆通信業務の四千メガと六千メガ、あるいは千七百メガというような電波を宇宙通信の装備に使うことになりましたので、その場合には目下電電公社が国内の通信網に使っております四千メガ、あるいは将来の六千メガに、相互混信が起こるということが予想されたわけでございます。その場合にどういう混信になるかは、目下電電公社と国際電電の方で調査中でございますが、そういうことを見越しまして、現在電電公社の方で、もし適当な場所が見つかれば、そちらに将来の衛星通信の基地を変更してもらいたいというふうに申し入れがあったわけでございます。目下全国各地にわたって公社が場所の選定の調査を進めておりまして、二、三候補は出ましたが、まだ確定には至っておりません。ただ、何分オリンピックというときの実験を目ざしますと、実験基地を作り上げていく時間の問題がございますので、間に合えば新しい場所で実験設備も作りたいという希望はございますが、どうしても間に合わないときは、実験設備だけは現存の鹿島に置くという、お互いの了解のもとに進んでおります。
  67. 森本靖

    森本委員 それで私は、特にこれも言っておきたいのは、これは西崎君にも聞かせてもらいたいと思うけれども、国会委員会で論争することを、あなた方は馬耳東風に聞き流しておってはいかぬということです。この鹿島の混信の問題は、一昨年以来当委員会で言われておった問題ですよ。だが、その時分には、わからぬ、研究してみます、研究してみますという答弁できておったわけです。結局今あなたの答弁でもはっきりしておるように、実験段階としては、この廃品でも十分やれる、しかも、恒久的に電電公社が四千メガないし六千メガのマイクロウェーブが完成した暁においては、あそこでは混信のおそれが多分にあるという結論に今ようやく達した。そこで鹿島については、もう間に合わないから、実験段階としてはあそこをやるけれども、恒久的ないわゆる宇宙通信の当地については別途に考えなければならぬ、大体こういうふうな結論であるということがあなた方の答弁でうなずけるわけです。そういうことになるとするならば、これは山勘であるといえども、当委員会において国会議員の中からすでにこのことあるを予知して、もう一昨年あたりから当委員会質問をしておったわけです。その質問をまじめに取り上げて、こういう問題をまじめに研究してやってくれば、今になってこういう措置をしなければならぬということにはならぬはずです。政治家の勘というものは、実際問題として、そういう点ではあなた方よりも鋭い場合が多いわけだ。だから、こういう点については、今後委員会における質疑応答というものを単にその場で聞き流すということでなしに、速記録を十分に読んで、あとからでも十分に研究してやるということをやっておかなければ、こういう結果になる。これはオリンピックの国際中継の実験中継というものをやるについては、もう今から鹿島にかわるべきところを見つけて、そうしてそれをやっておったのでは間に合わぬから、実験段階だけは鹿島の方でやるということになれば、そこでやるより仕方がないということはわれわれも認めざるを得ないわけなんです。そうかといって、しかし、それ以外に、宇宙通信の基地については別途やはり恒久的な考えでいかなければならぬということは、私はやはり同感であります。  それからあなた方の資料におけるところの、いわゆるこの間当委員会でも問題にいたしました、アメリカが日本に要請をいたしました追尾装置のステーションの設置についても、将来は、かりにこれがアメリカの追尾装置が日本に置かれないということになりましても、場合によっては、アメリカの依頼によって、日本の宇宙通信の基地においてこの追尾装置にかわるべきいわゆる機能を発揮しなければならぬという段階がくると思う。そういうことになると、少なくとも今の鹿島ではやれないということは、この資料をわれわれがわれわれのおぼろげな技術をたよりにして考えてみても、大体うなずけるわけです。そういう点についても、私はここで特に皆さんに申し上げておきたいことは、あなた方は技術魔であるし、また、専門的に調査している。そういうことで、その慎重さについては、私は全く敬服いたしますけれども、もう少し慎重さと同時に、いわゆる迅速さというものと、それからこの国会における論戦というものを、いつも私が言うように、聞き流さずに、一つよく研究をしてもらいたい。今の鹿島の基地の問題は、当委員会で言っておった通りの結果になった。もう一回あの鹿島はやめて、新しくどこかに基地を設けるということになったとすれば、またそれの買収をしなければならぬ。かりに電電公社がそれを買収して、今の国際電電株式会社のものをどうするということになると、かなり問題になろうと思うわけであります。  そこでもう一点だけ聞いておきたいと思いますが、電電公社が調査しているというところで、大体今三地区を調査しておるということが書いてありますが、その辺はどうですか。
  68. 二条弼基

    ○二条説明員 公社としては、全国的に考えておりますが、さしあたっての場所は、やはり実験も便利にできるということも含めて、比較的東京に近い場所で赤地を探しております。
  69. 秋田大助

    ○秋田委員 先ほど宇宙通信連絡軍が郵政省の官房にできる——あるいはできているのかもしれませんが、これは非常にけっこうだと思いますが、関連して科学技術庁との権限関係についてお伺いしたいと思います。  宇宙開発一般の事務は科学技術庁が主管省であるという決定が、閣議であるかどうか知りませんが、できているということも伺っております。そこで宇宙通信関係の技術開発と、通信開発一般の科学技術庁が指導している権限と、どう関連しておりますか。ここがはっきりしておりますか。権限争いというものは官庁間非常にやかましいものでありますが、将来責任の分界点について、いろいろ紛争の生じないように、あらかじめしっかりきめておく必要がある。その点についてお尋ねいたします。
  70. 吉灘中

    吉灘説明員 お答えいたします。  先般大臣閣議報告いたします際に、科学技術庁との関係をもちろんわれわれも考えたわけでございます。科学技術庁にわれわれの案も示しまして、それから向こうの要望もいれ、考え方もいれまして、若干修正したものを閣議報告したわけでございますが、それは、通信の主管省は郵政省でありますし、それからほかの各部の例で見られますごとく、郵政省がこれだけのものを包含しているわけでございますので、従いまして、事通信に関しましては、郵政省が宇宙といえども主管してやるという点について、向こうは現在のところ了承しておりまして、また、将来の問題といたしまして、科学技術庁が宇宙開発の機構を整備した場合におきましては、それは別の問題としてそのときにおいて科学技術庁といろいろ協議をするということになりますが、現在覚書交換を非常に急ぐという関係にありますので、郵政者としまして、こちらがやるということについて、科学技術庁の方も了承している段階でございます。
  71. 秋田大助

    ○秋田委員 もう一点お伺いします。  そうすると、宇宙開発の関係に広く関係をいたしておっても、その中で宇宙通信に関することは郵政省の主管事務である、こういうことに閣議決定されている、こう了解いたしますが、それでは、先ほど問題になりました追跡ステーション設置調査に関して、米人派遣の申し込みがアメリカからあった。この問題は、もちろん宇宙開発一般関係しておるが、これは観測用の問題であるとはいいながら、そこに使われる技術は宇宙通信関係の技術にも関係しておることであって、この問題は、それでは一体宇宙通信関係がないのか。宇宙通信にもっぱら関係しておるといって私はいいんじゃないかとしろうと考えで考えるのですが、これが科学技術庁の主管になっておって、あなたの方がむしろ協議を受けられた程度にとどまったということは、少ししろうととして疑問にたえない。それが実際上の弊害として、郵政省がつんぼさじきであったとは言わないけれども、ほとんど事がきまってから通知を受けて、あわてて処置をしたという形跡が濃厚である。それからまた、このことに関する技術上、科学上、専門上の知識というものは、科学技術庁の何局でありますか、そこが持っておられる知識と、郵政省関係研究所で持っておる知識という点を考えてみましても、どうも科学技術庁が専管をされたということについては、しろうととして非常に疑問なきを得ないのでありますが、この点一つ明確にお答えを願いたいと思います。
  72. 二条弼基

    ○二条説明員 お答え申し上げます。  仰せのように、この問題はわれれわれとしてはあとから聞きました。われわれの心配いたしました点は、これは電波監理行政上、電波の発射をもしそこがいたしますといたしますれば、無線局としてとらえなければならないということもございますので、いろいろ審議いたしました。なお、その内容、それが使われます問題に関しては、気象庁の問題もあると思います。各省のいろいろそれぞれの関係の問題がありますが、事電波に関しましては、やはり郵政省が主管だと思います。
  73. 竹内俊吉

    ○竹内委員 関連。二条さんは技術屋のオーソリティーですから、その点からお聞きしたいのだが、私は、鹿島の国際電電の施設は、これはマイクロウェーブに大いに支障を来たすものだという主張を当委員会でしばしばやって参ったのでありますが、その通りの、ややそれに近い結果を郵政省も得たようでありますが、私は実験段階ならば差しつかえないのではないかという点にも、相当疑問を感じます。実験段階でも、おそらく半径二十キロから三十キロ以内は相当な支障がくる。これはあまり無理をなさらない方がいいのじゃないかという点が第一点。実験段階ならば確実に支障はないのだという保証があるのかどうか。そこをあなたは技術屋の方から見て——政治的には、困難な条件があるからあそこにやりたいということはわかりますが、技術的に考えてそういう点はどうかという点が一つ。  もう一つは、一体日本で総合的な宇宙通信衛星の実験に入る時期はいつかということなんです。これはアメリカの計画と日本と相呼応してやるわけですが、こちらの設備の進め方にもよりましょうし、向こうの計画にもよることだが、一体ほんとうの総合的な実験に入る時点をどこと考えて対処しているのか。それがきわめてあいまいである。その考え方いかんによっては、あなた方いかにあせっても、オリンピックなどの間に合うものでないと思う。そういう総合実験に入る時点を、一体どこに赴いて計画を進めているのか。それがはっきりしないから、今森本君が言うように、何かごたごたして何をやっておるかわからぬという印象を受けるわけです。でありますから、たとえば今上げておりますものに対しては、日本の能力もまだ整っていないが、向こうの計画自体にも、日本で実験するような状態になっていないと思いますが、アメリカの計画と日本の設備と相呼応して総合実験をやれる時点は、一体いつなのか。その二点だけ、簡単でよろしゅうございますから、明らかにしていただきたい。
  74. 二条弼基

    ○二条説明員 お答えいたします。  NASAの衛星通信に関します研究計画の中には、現在のところ、日本との実験計画は載っておりません。それを載せるために、今回の覚書の交換というようなことが前提になるわけでございまして、その上で、実際の日本の設備計画の進捗状況その他から勘案して、NASAと日本の計画が正式化されると考えております。ですから、その時期というものにつきましては、まだ正確にはきまっていないわけであります。ただ、日本の計画進捗状況を見ますと、実験ができ初める時期は、昭和三十八年度の終わりには間に合わないと、オリンピックにも間に合わないというように考えております。  最初の鹿島の混信問題でございますが、もし現在の衛星通信が、衛星から出す電波が四千、地上から発射する電波が約六千といたしますと、現在電電公社のマイクロ回線の大部分は四千メガでございますから、さしあたって実験に影響するのは、地上局の受信の電波が電電公社の四千メガから妨害を受けるということが、第一の心配でございます。公衆通信に与える影響よりも、公衆通信から受ける影響が最初問題になる。ただ、信号をもし日本から、たとえばテレビあるいは多重冠話を送ろうという場合には、六千メガが地上から発射されますから、そのころに電電公社の六千メガの回線が運用されておりますと、電電公社に妨害を与えることになります。目下の電電公社の計画から勘案しまして、初期段階の実験においては比較的妨害が少なかろうというふうに判断しております。
  75. 森本靖

    森本委員 いずれにしても、三十九年の終わりということになると、私たちがこの委員会でやかましく言ってきておったにもかかわらず、現実の問題は、すでに今月中にテレスターを打ち上げて、そうしてイギリス、フランス、ドイツとアメリカとは、すでに、十五分間の実験だけれども、実験をやる、こういう段階になっておる。実際問題としては、この場合日本で地上設備が整っておりますれば、この衛星と十分にやれる可能性はあるわけです。それが日本の準備不足によって三十九年の終わりということになれば、幾ら岡崎国連大使が国連総会で大きなみえを切ってみたところで、その裏づけたるや、今言ったような貧弱な内容であるということになると、これはよほど奮起一番しなければならぬ問題でありますので、この問題もやはり次の委員会に譲りたい、こう思います。  最後に、大臣が来ませんので、政務次官に聞いておきたいと思いますが、次の臨時国会郵政省として提案をする予定をいたしております法律案件というものは、どういうものか、一つ御回答願いたい。  なお、申し上げておきますが、まだそういうことについては一切わかりませんという回答では、これはだめであって、すでにもう臨時国会は今月の終わりないし八月の初めには開かれる、こういう予定をいたしておりますので、官房長官あたりの談話を見てみますと、二週間ないし三週間といったきわめて短期の臨時国会を開く、こういうことを言っておるわけでありますが、郵政省として次の臨時国会に予定をいたしております法律案件というものについて、一つ説明願いたい、こう思うわけです。
  76. 大高康

    大高説明員 郵政省設置法を予定しております。
  77. 森本靖

    森本委員 そうすると、郵政省設置法の改正案が前国会で審議未了になっておりますが、これをもう一度提案する、こういうことで、それから今問題になっております。きのうの銀行協会でも総理あるいはそれぞれが発言をしておりますが、郵便貯金の金利の引き上げについての法律案件は考えておりませんか。
  78. 大高康

    大高説明員 考えておりません。
  79. 森本靖

    森本委員 いや、もう一ぺんはっきり言っておいてもらいたいと思います。
  80. 大高康

    大高説明員 臨時国会には、郵政省設置法案を出したいと思っております。金利の問題については、現在のところ考えておりません。
  81. 森本靖

    森本委員 そうすると、この金利の引き上げ問題については、次の通常国会ということになるわけであります。そうすると、かりにそういう法律案件が出るにしても、それが次の通常国会ということになれば、来年の四月一日から実施ということになろうと思う。そうすると、おそらく池田内閣の経済政策の若干の変更、預金の優遇策というものがああいうふうに新聞で報道されておりましても、現実の面としては来年の四月一日からでなければ実施にならぬ、こういうことになるわけでありますが、これは政務次官に聞いても仕方がないと思いますけれども、しかし、この間妙にちぐはぐな格好になるわけですが、その点どうですか。
  82. 金澤平藏

    ○金澤説明員 この前の各経済閣僚懇談会、その後の閣議の決定におきましては、現在法律によりますところの利率の問題を政令に譲るということが、閣議決定を見ておるわけでございます。それで、私たちはいろいろと準備はいたしております。問題は、私たちの、何と申しますか、貯金の利子の引き上げという問題は、私たち郵政省がみずから口火を切る問題ではないかと思っております。そういう意味合いにおいて、準備はいたしておりますが、現在のところは、まだ必ず出せとか、そういう御指令は出ておりません。
  83. 森本靖

    森本委員 だから、これは事務当局の答弁ではないわけでありまして、国務大臣が答弁しなければならない問題です。要するに、私が言っておるのは、この法律案を提案をして、それを審議可決決定せられる経過を見ると、次の臨時国会に提案をしない、通常国会に提案するということになると、少なくともこの法律案件が実施をせられるのは、現実の問題としては昭和三十八年の四月一日からということになるわけです。そうなった場合は、今、池田内閣がいっておるところの、経済政策のうちの重要な問題であるところの預金金利の引き上げの優遇策というものとの関連がどうなるか。銀行の金利その他についても、郵便貯金が引き上げにならない限りにおいては、金利政策全般からいって、金融政策全般からいって、そんな片ちんばなやり方はできないはずであります。そうなると、今の経済政策というものは、単に言っておるだけであって、実際問題としては来年の四月一日からでないとできない。臨時国会に提案しないということになるとそういうことになるが、一体池田内閣はどう考えておるのか、こういうことでありますが、これは政務次官に聞いても仕方がないので、この程度でやめておきますが、しかし、当委員会において、次の委員会は、今の大臣がおるかおらないかわかりませんけれども、とにかく当委員会においてこういう質問があったということを、郵政大臣にはっきり政務次官の方から伝えておいてもらいたいということを私は言いたかったわけでありますので、その点、一つ政務次官ははっきり考えておいていただきたいと思います。
  84. 大高康

    大高説明員 承知いたしました。
  85. 佐藤虎次郎

    佐藤委員長 本日はこれにて散会いたします。    午前十一時五十五分散会