○
竹内委員 私も、最後に、きょうは
大臣がいらっしゃらないから、
電監局長に伺います。
一九六四年の東京オリンピックの
状況を
通信衛星に乗せて世界に送りたいということを、さきに国連における大気圏外平和利用
委員会で岡崎国連大使が大演説をぶっておるわけです。その可能性とこれに対する期待を国の内外に喚起した。私もこれは非常に熱望するところであって、その実現をぜひしたいという念願を持つ一人であります。また国内でも、気の早い人たちは、次の東京オリンピックは
通信衛星を通して全地球的なネット番組になるんだ、
日本のテレビの世界進出の一大チャンスになるんだ、こう信じ切っておる人が相当に多いわけであります。国民に相当な期待を持たしておる。ところが、先ほど来
森本委員と私の方が
お尋ねしたわけですが、順序を追うて聞いておると、はなはだ心細い。大使がああいう大演説をぶつについては、まだ
日本政府のこの問題に対する今までの態度というものは、きわめて用意もなかったし、もの足らない、こういう感じを深く抱くのでございますが、かりに今
国際電電がやっております
施設が、
国際電電の
計画の
通り進んだとしても、これは昭和三十八年度の後半に
実験に入れるか入れないかという
程度だとすると、そのあくる年はオリンピックなんですよ。これは間に合いそうもないということが当然
考えられる。今度の
テレスター計画は、
日本で実現できないということはきわめて残念だが、これは私は一応今までの政府のとった態度としては自業自得であると思う。これはもっと早くやっておればできたんです。
日本のそういう
準備がないものだから、
テレスター計画の
内容を先般
アメリカの資料で見てみますると、第一
日本の上空を通ったときには電波を発射するという
計画になっていませんよ。太陽電気で動かすんですから、そう初めから終わりまで、ぐるぐる回っているうちに全部電波を出すわけじゃないんです。私はあれを見てなるほどと思った。
日本の上に来たときは電波を出さないですからね。そういうしかけになっている。
日本は最初から除外しておる。
日本の今までの態度、用意その他から判断して、そうなるのは当然だと思う。それで、
日本の方では、一九六四年のオリンピックを世界にテレビネットで
通信衛星で乗せたい、こういうことを国連の場を通して世界に
希望を述べておるが、
日本の用意は全然できない。
アメリカはそれに対してどう
考えているかというと、先般ケネディ大統領が
アメリカの国会に送った書簡によって、この
通信衛星計画の
内容はほとんど明らかにされておるが、それによってみると、一九六五年に
アメリカが
日本に
地上局の設置を求めておる。一年食い違っている。これをその限りにおいて理解すると、
アメリカの
通信衛星計画の中には、東京オリンピックを
通信衛星に乗せて世界のテレビのネット番組にするというプログラムは入っておりませんと理解しなければならぬ。ところが、オリンピック主催国の
日本としては、これをぜひとも
通信衛星に乗せて、新しい
世紀の
国際通信を通して全地球にこれを何とかして流したい。われわれもそういう熱望を持つ。ところが、
日本側に
衛星を打ち上げる能力はないんだから、これは残念ながら
アメリカのその
計画におんぶするより仕方がない。そこに非常にむずかしい問題があるわけだが、
日本の今までの政府のとった態度が、認識不足というか、こういう
事態に対してあまりにマンマンデーであったために、こういう結果を招いて、なおかつ六四年の東京オリンピックに対しても、そういう国民の期待に反するようなことが
考えられている。この場合、政府が、この問題についてよほど積極的態度を持って、国際的に
通信するなら
通信する、国内的
準備をするものならする、国内外双方にわたって相当積極的な方針をとらなければ、対策、構想をとらなければ、これは一場の夢に消えてしまう、こう思うので、政府は一体その問題に対してどういう対策、構想を持っておるのか、どれだけの
積極性を持っておるのか、現在対策、構想を持っておるのか、おらないのか。ただ
アメリカの
計画におんぶさえしておれば、六四年には東京オリンピックの
状況が
通信衛星に乗って世界に流される、全地球的なテレビ番組が
日本から流れるだろうというふうな甘い
考えでは、とうてい実現しないと思う。その点、電波の責任を一手に持っておる
西崎局長は、対策、構想を持っておるのかいないのか。全く
アメリカにおんぶしていきさえすれば何とかなるべいという
程度のことしか
考えていないような状態なんです、今の状態は。これではいかぬので、これは
大臣にお聞きしなければならぬのだけれ
ども、今政務次官からまことに適切なる御
答弁があったから、大本はわかりますけれ
ども、行政の責任者のあなたはどう
考えていますか。