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1962-03-02 第40回国会 衆議院 地方行政委員会道路交通対策小委員会 第6号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十七年三月二日(金曜日)     午後三時三十五分開議  出席小委員    小委員長 小澤 太郎君       宇野 宗佑君    纐纈 彌三君       田川 誠一君    安宅 常彦君       阪上安太郎君    野口 忠夫君       門司  亮君  出席政府委員         警  視  監         (警察庁保安局         長)      木村 行藏君         運輸事務官         (自動車局長) 木村 睦男君  小委員外出席者         警  視  監         (警察庁保安局         参事官)    富永 誠美君     ————————————— 本日の会議に付した案件  道路交通対策に関する件      ————◇—————
  2. 小澤太郎

    小澤委員長 これより地方行政委員会道路交通対策小委員会を開会いたします。  道路交通対策に関する件について調査を進めます。  本日は、最初に、ただいま東京都に関して車種別規制試案が出されておりますので、これについて警察庁木村保安局長、さらに運輸省木村自動車局長から ただいままでの経過とそれから意見を伺いまして、それに対する質疑を行なう。しかる後、先般来調査を進めて参りました事柄に関連して、関係各省で法案の改正案等提出あるいは新しい法律の提出、この意思ありやなしやということを確かめてみたい。そのあと委員の皆さんで懇談をいたしたい、こういうふうに運びたいと思いますが、よろしゅうございましょうか。——それではそのように運びます。
  3. 安宅常彦

    安宅委員 その前に、ちょっと。どうも私ときどき欠席したりしたものですから、どだいがしろうとなので、なかなかもって追いつくのに余裕がないのですけれども、この間何新聞でしたか、漫画が出ていました。警察庁運輸省とが、自動車がどかんとぶつかっておるとか、そういうところをわかりやすく、わかるように一つ説明してもらわぬと——それははっきり要求しておきます。そうでないと、わけのわからぬオブラートに包まったような説明だと、私らしろうとはよくわからぬから、そういうぶつかったところをよく聞かして下さい。
  4. 小澤太郎

  5. 木村行藏

    木村(行)政府委員 警視庁がこの前出しました一応の東京都内車種別、時間別通行規制につきまして、内容につきましては、当委員会に、だいぶ前に申し上げましたから、御案内だと思いまして、その点は省きます。  その後の経過を申し上げますと、警視庁が特に関係の深い東京陸運局の幹部の方々、その他関係行政庁方々にお集まりいただきまして、警視庁一つ試案説明いたしました。さらに業界の各方面にも来ていただいて説明しておったわけであります。それに対しまして警視庁側といたしましては、正式に十三日に説明いたしましたが、その後約半月間研究していただいて、三月に入ったら早々いろいろな意見を正式に出してもらいたい、こういうことで、関係行政庁に要望しておったわけです。その関係で、一昨日東京陸運局長から、警視庁の出しました案につきましていろいろな意見を具体的に持って参りました。その後さらに警視庁側東京陸運局側とが、第二読会といいますか、第二回目の打ち合わせ会を昨日、三月一日にいたしました。その経過を大局的に申し上げますと、ただいま安宅先生がおっしゃいましたような、ムードといたしまして非常になごやかなムードでありまして、ああいう正面衝突漫画にあるようなムードでなくて、むしろきわめてざっくばらんに、交通部長なりあるいは東京陸運局長の坪井さんなりとの打ち合わせは、和気あいあい、いろいろと話を進めました。それでその際、大体意見の一致したものが数点あるわけです。これはあと木村自動車局長からもお話があると思いますが、その第一点は、長物運搬については警視庁案通りでいいだろう、こういう同じ意見になっております。  それから第二の、十メートルをこえる長大牽引車、これも警視庁と同じ意見で話が一致したわけです。  それから第三点の、観光バス関係ですけれども、警視庁の案は、観光バスにつきまして、夕方の四時から六時までの間、すなわちラッシュピークのときに通行制限をする、その時間を避けてもらいたいという案でありましたが、陸運局のこれに対する意見といたしまして、乗車定員三十人以上のバス、これにつきまして特に時間帯は五時から七時ということで、時間のズレが一応あるわけです。その他地域ズレも若干ありますけれども、一応この観光バスに関しましては、ほぼ内容お互いに同じであるということでありまして、ただ、問題のズレは、警視庁が四時から六時、それから陸運局意見は五時から七時ということでありまして、これはお互い話し合いで、今後十分に煮詰まって一致する可能性はきわめて大なのであります。  それから、問題の大型トラック関係でありますが、警視庁の案といたしましては、できるだけ通行制限というものは漸進主義で、夜間通行転換することによって、影響を受ける度合いが比較的少ないものから逐次やっていくという、漸進主義でやるということでありますが、そういう意味夜間運行になじみやすい路線バスを第一段階として考えております。陸運局の案は、七トン以上の大型車について、全面的に規制対象にしております。それと同時に、通行制限いたしますところの路線につきまして、警視庁のあの当時の要綱では、二十三区以内ということで、地域全体にかぶせておりますけれども、これももちろん要綱でありますから、そういう点もありますし、路線バス路線が指定されておりまして、二十三区以内といいましても、当然具体的路線に落ちてきますので、実際の実施の場合におきましては、当該路線が指定されて、いろいろ細目にわたって具体化するということでありますので、やはり路線を指定しての通行制限ということでは、陸運局と同じであります。ただ、陸運局の、通行制限をすべき一つ路線というものの範囲が、後ほど御説明があるかと思いますが、警視庁の案よりも相当狭いということであります。  それから時間帯でありますが、運輸省陸運局の案では、ラッシュ時だけを間引きする。午前七時半から午前九時半まで、それから午後五時から午後七時までということで、ラッシュ時のいわゆるピーク混雑の時間帯だけを間引く、そういう案であります。これに対しまして、もうすでに御案内通り警視庁の案は朝八時から夜の八時までの時間帯を間引いて夜に回す、こういう点でこの点は相当開きがございます。  それから、自家用乗用車につきましては、警視庁といたしましては、いろいろ考えてはみたけれども、なかなか技術的にむずかしいということで、自家用乗用車の直接規制については踏み切れないのであります。これに対しまして、陸運局はいわゆる普通自動車車両法にいう普通自動車でありますから、自家用大型外車、こういうものにつきまして、ある種の例外を除いては、ラッシュ時間に一定の区域内の路線について通行制限する、こういう案になっております。この点で、結局今後東京陸運局意見につきまして、警視庁も真剣にいろいろ検討をいたしまして、できるだけ早い機会にそれぞれの問題を合理的な線で見出していきたいということで、また第三読会、第四読会というふうにいたすと思います。残された問題は、今申し上げたような時間の間引きの関係と、それから七トン以上の大型車全部ということと、それから自家用外車についての問題ということでございます。  それから、その話し合いの際にきまりましたもう二、三点は、一つ交通規制をやります場合に、できるだけ業者自主的規制を尊重いたしまして、業者方々あるいは車両を運行する方々運送計画といいますか、そういうものを出していただいて、それについてそれぞれの路線お互いに選定し合っていき、そして運行調査をしていく、こういう案を、警視庁はいわゆる路線トラック以外について考えておるわけであります。相当数の台数を持っている組合なりあるいは会社なり、個人なり、こういうものについて、そういう自主的の運行調整両方一緒になってやる、こういうことについては、東京陸運局も全面的に賛意を表していただきました。今後、いろいろな交通規制をやります場合に、広くいろいろな人の意見を聞く、また業者の方、その他規制を受けられる側の、ほんとうの実情というものを聞くというような建前から、交通調整協議会といいますか、そういうものを作って、警視庁陸運局はもちろんのこと、関係方面方々を入れて、その場でいろいろ調整する、こういうふうにしたいということも話し合いがついたようであります。  そういう意味合いで、残された点は若干ありますけれども、だんだんお互い相当弾力的にものを考えて、しかもいかにすれば被害が少なくて比較的効果が上がる交通規制ができるかということを第一点とし、またできる限り合理的なものにしていく、こういうことで、運輸省及び警察庁が非常に円満に進めていきたいと思っております。
  6. 小澤太郎

  7. 木村睦男

    木村(睦)政府委員 私自動車局長であります。ただいま保安局長から御説明がありましたように、警視庁試案を作られまして、陸運局に対してその試案について意見を求められたわけでございまして、これは以前からそういうふうにしてやっていこうということで、その線に沿って意見を求められたわけであります。  そこで、陸運局といたしましては、今回の規制というものが初めて強い規制になるわけでありますが、今後第二回、第三回の規制というものも当然考えられるわけであります。元来道路というものは、大いに通行の用に供して産業経済国民生活発展に役立つという性質のものでありますので、それと全く逆行する道路規制でございますから、いろいろな点を考慮しなければいかぬ。特に初めてでございますので、規制にあたって、一つ原則といいますか、一つの基本的な考え方というものを打ち立てて、常にその線を具体的な規制案がはずれないように考えていくべきであるという基本的な考え方を持ったわけであります。  その基本的な考え方は、まず第一には、道路通行にじゃまにならないように、駐車をできるだけ除く、つまり駐車禁止区域を徹底的にふやしていく。これが何よりも先決である。これをさらに強化していく必要がある。その上で具体的な車両制限通行制限というものをやるべきであるというのが第一段の考え方でございまして、その車両通行制限にあたっては、三つ事柄を常に考えるべきである。第一点は、産業経済及び都民の——東京の場合でございますから、部民の社会生活影響を、できるだけ小範囲にとどめるようにすること。第二点は規制効果をできるだけ多く発揮できるように考えること。第三点は、規制により受ける犠牲というものの負担を、できる限り公平にそれぞれが分担するように結果的になるように。この三つの点を、常に念頭に置いて案を作るべきであるというのが、基本的な考え方でございます。  この三つの条件は、お互いに相反する面も而もございます。効果を大にすることと影響を小さくすることとは、相反することもあります。これを適当に調和をとりながら考えることが大切であるという前提に立つわけでございます。  そこで、東京の場合にまず車の種類というものを見ますと、現在東京都全体で車が七十三万両ほどございます。この内訳は、概数で申し上げますから総合計は多少違いますが、トラックが二十五万両くらいございます。そのうちで自家用が二十一万、営業用が約三万六千。バス型の車が七千両ほどございますが、約一千両が自家用車で、六千両が営業用ということになっております。それから乗用車が約十九万両ございます。そのうち十七万両くらいは自家用でございまして、営業用は二万強でございます。それから軽自動車が二十七万、あとは特殊の車でございます。大体こういうふうな規模になっております。  これは東京都全体の車の両数でございますので、二十三区に限って推定いたしますと、大体九割が二十三区内にありますから、六十四、五万というふうに踏んでおります。それだけの車は東京部内において所有または使用しておる車でございまして、東京都内を走る車は申すまでもありませんが、都外から入ってくる車が相当ございます。この入ってくる率を考えてみますと、三十三年ごろに一度調査したことがございまして、そのときの調査によりますと、都内にあります車に対して約六%のものが部外から都内に入ってくるというような計算になっております。その後、車もふえてきておりますし、産業活動が非常に活発になってきておりますので、六%は現在多少上回っておると思いますが、一応六%と考えるわけでございます。そうしますと、二十三区だけで六十五、六万ある。さらに六%外から入ってくる勘定になりますと、二十三区で合計しますと七十万くらいの車が常に動いておるという推定を下しておる。これを前提にして考えるわけであります。  そこで道路交通混雑緩和のために制限をする場合に、押える車の両数と、押える時間と、それから押える地域的な範囲、この三つ要素相乗積が、結局混雑緩和度を表わすものというふうに原則的に一応考えてみますと、特にこの中で、車の両数をたくさん押えるということが効果は一番強い。時間帯につきましては、非常に長時間にわたるということになりますと、車の両数が少々少なくても非常に犠牲が大きい。地域についても同様なことが言えると思うのでございます。この三つ要素のそれぞれの効果あるいはその影響、そういうことも考えながら、先ほどの三原則考えつつ、具体的な規制案考えたのでございますが、警視庁から示されました案につきましては、今申し上げましたような観点から見まして、陸運局としてはかなりの異なった見解を持つに至ったわけでございまして、その異なった見解を持つ警視庁の案と突き合わせて、今協議しているわけでございます。  さて、その具体的な陸運局案内容に入りますと、大体車の種類を分けまして、トラック乗用車バス型車両あと特殊の車というふうに考えたわけでございます。トラックにつきましては、できるだけ大きな車——大きな車がやはり道路を占める面積も広いわけでございますので、おおむね七トン程度以上の車を、一応規制対象にしております。これは両数でいいますと、大体五千両ぐらいが対象になろうかと思います。うち営業用が約二千三百、自家用が二千七百程度でございます。  規制いたします時間は、先ほど申し上げましたようにできるだけ短時間——これは第一回の規制でございますので、できる限り地域も時間も狭めまして、その実態を見ながら第二回、三回と時間を広げるなり、地域を広げるなりするようにしていくべきであるという前提で、時間はおおむね午前午後約二時間ずつを押えよう、その二時間という時間帯は、朝夕のラッシュ時に相当する時間を想定いたしております。朝七時半から九時半、夜は五時から七時というふうにしておりますが、この時間帯は、警視庁の方と相談いたしまして、最も混み合う時間帯を中心に、この二時間というものをどっちにずらしてもいいわけでありまして、要するに午前午後二時間程度対象にしよう、こういう考えでございます。  それから、地域警視庁の案では、一般的に二十三区全体を押えてありますが、二十三区全体では非常に広過ぎますし、周辺と都心とは相当混雑の状況も違うのが現状でございますので、一応環状の六号線、四号線、隅田川、つまり大崎の付近から東中野の辺に行きましてそれから護国寺の辺を通って白鬚橋の方に行って隅田川に沿って下る、こういった線で囲む範囲対象にしたらどうだろうか。この範囲につきましても、具体的に取り締まりその他の必要上から、これを多少狭めるとか広げるとかいうことは、また十分打ち合わせてきめることでございますが、おおむねそういった範囲の中の道路でございます。この道路も、どの道路ということにつきましては警視庁考えに従ってきめるという考えでございます。  それから乗用車につきましては、なかなか乗用車規制種類別ということはむずかしいのでございますが、とりあえず第一回目でございますので、やはりこれも大きい車ということに線を引きまして、乗用車普通車と申しますとつまり外車でございますが、これを一応対象にしよう。両数で約三万二千両くらいでございます。自家用が三万、営業が二千くらいでございます。時間帯は、トラックの場合と同じでございます。また地域も同じでございます。ただこの大型乗用車の中でも特に、午前、午後の二時間とはいいながら、緊急あるいは公用等関係でやはり除外をすべきものも出てくると思います。たとえば病院、医療用とかあるいは報道関係あるいは国会関係外交官関係あるいは国際観光事業外人旅行者のための用途、こういったものは除外して、あとは午前、午後二時間、大型乗用車規制対象にしようということでございます。  それからバス型の車両でございますが、これはおおむね三十人程度以上のバス型の車両につきまして、午前のラッシュはよろしいとして、午後のラッシュ時だけ二時間規制対象にしよう、こういうことでございまして、この対象になる車は大体二千四百ほどでございます。自家用が千両、営業が千四百ぐらいでございます。しかし、この大型バスの中には、たとえば営業車におきましては路線用乗合バスがございます。それからコースをきめましたはとバスのような定期観光バスがございます。これを除外いたします。それから自家用でも通勤用バスあるいはスクール・バス通学用バスがございますが、こういうものは除外いたします。営業用その他の一般の貸し切りの観光バスにつきましても、就学旅行等のために動くバスでございますと、これは国鉄の輸送計画等関係もあるししますので、次のような例外を認める。つまり、駅から宿舎への輸送、それから宿舎へ帰るときの輸送、それから車庫へ帰るときの輸送、こういうものを除外いたしまして、要するにこのラッシュの時間帯にまだあっちこっち見物して歩くことはやめてもらおうという意味でございます。こういう除外例を設ける。時間帯は午後の二時間だけでございます。地域は前と一緒でございます。  そのほかに長大物運搬車それから長もののトレーラーは、警視庁の案と全く同一でございまして、これは八時から八時の十二時間べたに押さえてもよかろう。と申しますのは、これは警察許可によって運行しておりますので、特に緊急必要なものにつきましては、許可を与えて走らすという除外の措置ができますので、十二時間押さえてもそう大したことにならぬだろうということでございます。  以上が規制具体案でございまして、かなりこまかく切ってみたわけでございます。いろいろ除外例はございますが、総計いたしますと大体四万から五万の車が規制対象になるのではないか。全体的に申しまして、当初申し上げましたように七十万両くらいの車が動いておるわけでございますので、時間を短かくしても長くしても、緩和効果が現われるためには、規制対象の車が相当多くなければ効果が現われないということで、これに対しまして四万ないし五万でございますが、全体としていえばまだ六%ぐらいにしかなりません。しかし最初でもありますし、受ける影響もいろいろ考えまして、このくらいでスタートをして第二次、第三次の方途を考えるべきである、かように考えておるわけであります。  それからもう一言。営業用自家用をどうするかという問題がございますが、第一次のこの案におきましては、営業用自家用も、車の種類によりまして無差別に同じように規制をしておりますが、営業車につきましてはこれは道路運送法によりまして、きつい免許という規制のもとで運行しております。これはそもそも運送事業というものか産業経済発展に非常に重要な関係のある事業体であるということで、鉄道事業あるいは高速鉄道事業と同じような意味合いにおきまして、運送事業として把握して公共性を認めておるわけでございますので、第二次、第三次におきましては、規制を強めるときに、規制対象車両としては、今度は自家用のみを考えるというふうな考え方でおるわけでございます。この第一次の考え方に立ちますと、車の両数は割合に多いのですが、個々に見ますと、こうむる影響をできるだけ少なくというふうに考えておりますので、いずれも大体同じような規制負担をしてもらうということで、スタートしたのがこの考え方でございます。  こういう案で、現在警視庁陸運局と協議いたしておりまして、その経過につきましては先ほど保安局長から説明がありましたようなのが現状でございます。
  8. 小澤太郎

    小澤委員長 次に質疑を行ないます。阪上君。
  9. 阪上安太郎

    阪上委員 この間うちから警視庁陸運局交通規制をめぐってえらくやり合っている。私はこれは非常にいいけんかをやったのじゃないか、その中からおそらくいい交通規制が出てくるのじゃないかというように思っております。しかし交通規制をやるためには、先ほどいろいろな原則が出ておりますけれども、何はさておいても、一番効果的な規制でなければならぬものじゃないか。そのためには、最小限度規制だとか、公平な規制だとか、公共優先規制だとか、いろいろありますけれども、そのこと全体をとらまえて考えたときに、やはり効果的な規制でなければならぬ。そういうことについてはもっともっと秋は検討してもらいたい、けんかも大いにやってもらいたいと思っております。ただ先ほどから伺っていると、一致している点で、何か一次、二次、三次というふうにして漸進的に規制を加えていこう。これは非常に間違った考えじゃなかろうか。逆に後退的な規制の方式をとるべきだ。最初がさっとメスを加えて、その間において逐次交通安全施設を補強していくとか、あるいは大量輸送計画を、逐次乗せていくことによって、むしろうしろ向きにだんだん規制の手をゆるめていくという方向考えないで、先ほど来聞いている、漸進々々ということで、ようやく進んでいくあるいは前向きに進んでいくという意味で、同じことだと思いますが、逐次規制を強くしていくということでは、一体これは何を考えているんだという気持がする。真剣に交通規制というものは全く応急的な切開手術だというように考えたときに、この方向というものはむしろ後退していかなければおかしいじゃないか、そういうところにこの交通規制は大きな欠陥を持っているのじゃないかと思うのです。この間うちから予算委員会その他でいろいろこういった点を質問しているのですが、これはわかりやすいことだと思う。第一次から第二次、第二次から第三次、だんだんと交通規制を強めていく、これは私はとんでもない誤りだと思うのだが、この点は御両者、どうなんですか。
  10. 木村行藏

    木村(行)政府委員 漸進的という意味が必ずしも適当な言葉であるかどうかわかりませんけれども、結局交通規制、ことに通行禁止をします場合に、受ける影響相当大きいものですから、なるべく必要最小限度にとどめたいというのが警視庁の腹であるのです。陸運局も同じようなことであると思うのです。それで、現段階で必要な程度やってみて、その効果がどの程度出てくるか、その効果を測定して、もうこれでさらに強いことをやる必要がなければ、現段階でこれをとめる、あるいは手直しが必要であればゆるめたり強めたり、手直しをして、そういう意味で一歩々々効果を見ながら進んでいく、こういう意味合いであります。  それから、警視庁の案を見ましても、路線トラック以外に先ほど申しました自主的規制、これもあわせてやっていくということでありますが、その自主的規制というものの効果がどの程度出るか。これはやってみないとわかりません。相手の自主性を尊重しながらやるものですから、ある程度、いろいろ例外も出てくると思うのです。そういう意味合いで、はたしてどの程度効果が出るか、今後のやり方できまってくる。そういう意味合いで最小限にとどめながら、与える影響が大きいものだから業界なり、規制を受ける側の意見も聞いて上げるといろ自主的な規制をあわせて考えていく。確かに阪上先生が今おっしゃったように、ある程度先の見通しをして、そして大きく網をかぶせて、だんだんむしろ弱めていくという方が、やり方としては一つのやり方かと思うのですが、何せ日本の、現在の都内の立地条件というものは、いろいろなものが、住宅地区それから商業地区、みな錯綜して入っているものですから、一ぺんにやる場合の影響というものは、蛮勇が必要じゃないかという気がしまして、なかなか大へんだろうと思うのですが、おそらく警視庁では、その点苦慮しているのじゃないかと思います。
  11. 木村睦男

    木村(睦)政府委員 同様でございまして、一次、二次、三次と申し上げましたのは、ほんとうは規制がないのが一番いいのでございますが、初めての試みでございますので、この実績を見まして、どうしてもこれではだめだ、さらに規制を強くしなければならぬという事態になった場合には、という前提で申し上げておりますので、ますます規制を強くすることを予想しておるわけではございません。なお、規制だけについて私が申し上げましたので、規制だけやって、ほかのことは全然やらないというふうにあるいはお受け取りかと思いますけれっども、この点につきましては、交通対策本部等に関係者集まりまして、いろいろな緩和の方法を他の方面で講ずる方針も立てております。あわせてやりたいと思っております。
  12. 阪上安太郎

    阪上委員 この間じゅうからも、いろいろ閣僚の答弁なんか承っておると、交通緩和ということを——私は言葉じりをつかまえて言うわけじゃないが、ことに運輸省あたりは交通緩和交通緩和、そして大量輸送の計画というものはちっとも進んでいない。しかし、これは考え方によれば同じ結果をもたらすものかもしれないけれども、積極的に大量輸送をやっていくのだという方式を考えていくということが、これはもう前提だと思うのです。それを交通緩和というものの考え方で、何か簡素化していけば、緩和すればそれでいい。それならば、東京都内に入ってくるものを全部とめたらいい、犠牲関係考えなければ。それではまた産業経済、それから都民の社会生活にも、これは非常に大きな影響を与えてしまって、どうにもしようがなくなる。だから、緩和ではなくて、やはり大量輸送をやっていく、そのことが緩和になっていくということでなければなぬと思うのです。先ほど言いました効果的な規制、そのための最小限度規制を、現段階においてやる。その段階に合ったところの規制、その状態を見て、だんだん手心を加えていくのだ。そういう意味であるならば私はよくわかる。その手心の加え方が、実際交通対策を推し進めていくということになれば、当然考えられる方向というものは、規制が弱められていく、むろし手心を加えていくという方向だ。何かどんどん強めていく、そういうことになると、今やろうとする規制自体が、全然あなた方が自信がないのじゃないか、こういうふうに考えるのです。何かたよりない、そんなような規制をやられたらたまったものじゃない。効果が上がるか上がらないか、ちっとも見当がつかないということになってくる。これはいかがですか。
  13. 木村行藏

    木村(行)政府委員 これは警視庁の案で相当効果があがると思うのです。たとえば観光バスについても、ラッシュ時三千台都内を走っているものが避けるということになって、ことに交通ひんぱんなところを避けるのですから、これも非常に効果があると思いますし、それから路線トラックも千二、三百台ありますけれども、すでに転換をしているものは六割であるが、約四割が対象になるということ、それから長大物なりトレーラーというものはある程度効果がありますし、それから先ほど申し上げた自主的規制相当カバーをしていく。ただこの交通制限というものは、あくまでも臨時的なものであるべきだと思うのです。それは規制の必要がなくなればあるいは弱まっていけば、どんどん規制をやめたり——あるいはやめていくというようなことは当然かと思うので、今、おそらくピークは先生御案内通り、オリンピック工事が都内で集中してきますのが七月、八月、この数ヵ月先から、半年、一年、直前になって少し山のカーブが弱まると思うのです。そうすると、やはりそのときに応じて道路もよくなりますし、それから立体交差も若干ふえますし、それから警視庁の情報センターというものも、今度は先生の言っておりましたちゃちな電話式でなしに、ボタン式で、非常にタイミングに混雑工合を把握して、ドライバーに指示するというような方法を並行していけば、あるいはこれはきのう話がある程度きまったのですが、駐車禁止区域を大幅に拡大する、あるいは自家用のものについても、ある特定路線について通行制限をする、その他のいろいろな影響、あるいは現在の、ことに一番ピークであることしの夏ごろからことし一年というものより緩和されていくのじゃないかと思うのです。そのときに先生おっしゃるように、やはり落とさなければいけないので、これは必要やむを得ざる悪だと思うのです。
  14. 阪上安太郎

    阪上委員 だから言葉をよく慎んでやってもらいたい。業界あたりでも、第一次規制が出て、それから次に第二次規制、第三次規制を加えるとあなた方は言っている。そうするとこれは一体どうなるんだ、ほんとうにそういうふうに思うのですね。そこで、こうなってきたんじゃないかと思うのですが、それが第二次規制が前進じゃなくて後退する場合もある。前進、後退、自動車だって前へ行くやととうしろへ行くギアーがあるのですから、そこは次々とやってみて、強いものを加えていくのだという見通しもないくせに、そういう言い方をしないで、やはりこれは一ぺんやってみるのだ。それで前進、後退をやるのだというものの考え方に立った表現をしてもらわないと、第二次を加え、第三次を加える、そんなことを言うから、これはけんかのもとになってくるのだと僕は思うのですよ。それからまた、そういう表現ばかりされて、先ほどから繰り返されておるように、交通対策というものが進んでいかない見通しを頭の中に描いておる。そういうようなたよりない交通規制なり交通対策というものはだめだ、こういうように私は考えるのです。これは一つ表現もよく注意してもらいたいし、考え方は、そういう伸縮性のある考え方に持っていってもらわないと、次々と規制を加えていくのだという、そんなたよりのない、ふがいのないやり方というものは、交通対策じゃないと思うのです。この点だけは、特にこの際に私は要望しておきたいと思います。
  15. 小澤太郎

    小澤委員長 纐纈君。
  16. 纐纈彌三

    ○纐纈小委員 阪上先生の、徹底的にやるということも一理があると思うのですが、私は多少、そう急進的でなくてもいいんじゃないかという感じがするわけです。今、運輸省警視庁とだいぶ衝突しているという話ですが、今の話を聞きますと、必ずしもそう大した衝突でもないようでございますし、私としては、今、両方のお話を聞きまして、ある程度の一致点が見出せる問題じゃないかという見通しがあるわけです。ただ、それを少しでも早く結論を出してもらわなければいかぬと思うのですが、どうですか。両方の局長さん、いつごろまでに話をつけられるおつもりですか。
  17. 木村行藏

    木村(行)政府委員 最初阪上先生の御注意まことにごもっともで、これはいろいろ影響がありますから、新聞記者その他業界にお話しする場合にも、用語というのはよほど注意しなければならない。私どももそのことは、その後のいろいろなことから反省します。これは警視庁にもよく注意いたしたいと思います。  それから、今の見通しの問題ですけれども、残された時間帯の間引きの問題も、一応警視庁考え方は、昼間がほとんど高原状態になっておりますので、七時半から九時半の間引きをした場合に、その間引きが十時以降、あるいは昼に集まってくるということで、非常に混乱することも考えられます。あるいは五時以降いけないものが三時、四時にまた繰り上げになるということで、技術的に非常にむずかしい点があると思うのです。しかしこれも警視庁は、八時から八時までの十二時間という若干弾力的な考え方もできるわけです。それから昼間、ことに十二時を前後にした二時間というのは比較的カーブがへっ込んでおりますから、おそらくこの時間帯も話し合っていけば、ある結論までいくと思います。  それから、かぶせる路線区域といいますか、この範囲の問題はいろいろ検討して、それぞれやらなければいかぬと思います。ただ問題の自家用乗用車については、比較的警視庁は自信のない点がございまして、これは技術的にどうしたらいいかというのが今後に残されておると思います。できれば来週中には結論を出すべきではないかと思います。
  18. 纐纈彌三

    ○纐纈小委員 うわさによりますと、けんかしているのだから話がつかない、警視庁は早くやりたい、反対があってもやってしまいたいというのではないかと、一部心配している向きがあるようですけれども、そんなつもりはないのでしょうね。
  19. 木村行藏

    木村(行)政府委員 何が何でも強行するということは、もちろんできないことで、ことに関係行政庁との話し合いをやって、お互いの納得の上で……。
  20. 纐纈彌三

    ○纐纈小委員 ですから、それはうわさのことで、そんな非常識なことはやらぬだろうと思いますが、そういう問題もできるだけ早いうちにやって、話がつかなければ、話のついたものからでもやる方がいいじゃないか。そういうことになるとやはりまずいですか。
  21. 木村行藏

    木村(行)政府委員 その内容によりますが、今どの程度の話がつくか、あまり大きな問題が残って話がつかないということになりますと、ちょっとちぐはぐになりますので……。
  22. 纐纈彌三

    ○纐纈小委員 阪上先生の御意見からいくと、僕の意見はきわめてあれなんですが、できれば全般的の話がまとまって、少しでも早くやるようにした方がいい、こういう気持はあると思います。しかし今問題になっておる規制の問題が、ある程度解決すれば、私は少なくとも相当交通緩和の問題には効果があると思う。そういう見地から、これは交通事故ばかりでなく、産業方面にも非常に影響があることなんですから、それらを勘案して取り締まり一方だけの考え方でもなく、その辺は多少ゆとりのあるような話し合いをしてもらいたい。お互いに検討論議されるととは私はいいことであり、これはいいけんかだと思うのです。この際、大いに和気あいあいの間に検討されて、とにかく早く結論を出してやっていただく、こういう意味で、両者の間で進めてもらいたいということを、私は一つ要望いたしておきます。  それから、先ほど自動車局長さんからの今都内に入ってくるもの、あれはいつ調査されたのですか。
  23. 木村睦男

    木村(睦)政府委員 それは三十三年でございます。ですからもう四年くらいたちます。
  24. 纐纈彌三

    ○纐纈小委員 そのときのなにが、大体六%ですね。
  25. 木村睦男

    木村(睦)政府委員 そうです。
  26. 纐纈彌三

    ○纐纈小委員 私は、今のああいう道路がよくなった交通状態から見まして、この点は相当ふえているだろうと思うのですが、新しい調査はもちろん出ておりませんね。
  27. 木村睦男

    木村(睦)政府委員 遺憾ながら出ておりません。私どもも三、四年前の六%でございますから、今は相当比率は高いと思っております。
  28. 纐纈彌三

    ○纐纈小委員 この数字の問題なんかがはっきりしないと、つまり輸送関係からくるやつは非常に産業に影響する問題がありますから、これをあまり小さく見ておきますと、多少誤算ができてくるのじゃないかと思いますので、このパーセンテージはよほどゆとりを見て対策の検討資料としてもらいたい、こういうことも一つ要望しておきます。  それからもう一つ。私、しばらく仕事で、久しぶりに出てきたようなわけですが、この問題と同時に、道交法その他をとりあえず改正したいという問題があって、これはこの前も阪上先生なんかもここに出ておるようですが、そういう問題はどうですか。だんだん国会もこういうことになってきたので、出されるなら一つ早く出してもらわなければならぬと思うが、それを出される意思があるのかないのか。私は早く出してもらいたいと思うが、それはどうですか。
  29. 木村行藏

    木村(行)政府委員 この前問題として印刷して差し上げました第一の点のチケット制の問題は、一応の案ができまして、しかしこれは非常に重要な問題でありますから、固まった案ではありませんが、法務省、内閣法制局にも相談しております。今月中には法案の形で国会に出せるのではないかという見通しです。これは諸外国でやっておりますのを、ことに西ドイツの制度なども参考にしてやっておりますので、これは道交法改正としてやられるのではないか。それ以外に、法務省でも一つ考え方がありますから、法務省の方はまた別個の案をあるいは出すかもしれません。それらの問題との調整がありまして、問題は今後に残されていますけれども、目途といたしましては、三月いっぱいに結論を出して国会に出したい。  それから、免許年令の引き上げの問題でありますが、世論といたしましては、砂利トラック、ダンプカーというような大型トラックの免許年令が現在十八才になっていますけれども、これをやはりたとえば経験年数三年以上あるいは満二十才以上というふうに引き上げるべきではないかという世論が非常に強うございます。ところが一面、第二種免許、ハイヤー、タクシー、バスなどの乗客を輸送する面の運転手の不足もありまして、非常に手不足で、スカウトなども行なわれておりますので、いろいろ問題がありまして研究はいたしておりますけれども、今国会に間に合うかどうか、今、ちょっと見通しがつきません。しかし鋭意検討いたしております。  それから少年法との関係の問題ですが、これは非常に大きな問題で、とてもこの国会では結論をまとめて出すということはむずかしいと思います。  車庫の設置の義務化の問題でありますが、特に自家用乗用車なり自家用トラックなど、一連の自家用自動車について、車庫または常置場所の設置について法的義務を課する、こういたしますと、およそ自動車を持つ者は、常置場所がなければやれないということで、その面から路上に放置される自動車は少なくなるし、それから路上の混雑も防げるということで、大きな影響があるのですが、これは閣僚懇談会でもたびたび問題になりまして、結局、運輸、建設、警察、三者一体となって何らかの形で特別立法をすべきではないかということで、だんだん詰めていっておるので、今国会に間に合うかどうかわかりませんけれども、鋭意検討を進める方向にあるのであります。  それから駐車場法の改正、これは建設省から今国会に出されました。その他いろいろございますが、今国会と関連して問題が煮詰まっていくのは、今申し上げた数点であります。
  30. 木村睦男

    木村(睦)政府委員 今のお話は事故防止とそれから混雑の両方であろうかと思いますが、混雑関係で私の方で考えておりますのは、ただいまもちょっとお話がありましたが、路上の自動車による道路の占拠をなるべくなくするという意味で、駐車禁止も大いに強化しなければいかぬのですが、その反面、車庫も、あるいは車を置く普通の場所も持たないで放置しておるというのもあるわけであります。それで、さしあたって車庫なりあるいは常置する場所を義務づけたらどうかということを、関係各省一緒考えてみまして、今、私の方で考えておりますのは、とりあえず自家用トラックにつきまして、現在届け出ることになっております。届出の目的は別の目的からそうなっておりますが、この届出を利用いたしまして、その届出の際に、車庫あるいは常置場所を届けることになっておりますから、さらに、ほんとうに車庫がある、常置場所があるという証明をつけて届け出るように変えたいと思います。これは省令を変えればできるわけであります。それで、今その改正を考えております。この証明は、警察の方でやってもらうという前提で、これから相談をするつもりであります。そういうふうなことであります。
  31. 纐纈彌三

    ○纐纈小委員 今の駐車場の問題ですか、あれは陸運局許可するときに、条件がつくわけですね。大体車庫を持たなければいかぬということになっているのじゃないか。
  32. 木村睦男

    木村(睦)政府委員 一般的には、車庫を持つことは義務づけられておりません。ただ、運送事業用の場合は、事業計画できちんときめておりますが、一般の自家用については、現状は車庫は条件になっておりません。
  33. 纐纈彌三

    ○纐纈小委員 それはどうなんですか、条件をつける必要はないのかな。
  34. 木村睦男

    木村(睦)政府委員 そこで、とりあえず自家用トラックについて、今のような方法でチェックしていきたい。なお全般的に、およそ車を持っている者は、当然、車庫なりあるいは常置場所を道路以外に持つべきであるのが常識でございますが、これを法律上義務づけるにあたりましては、一定の目的がなければいかぬわけであります。そこで結局、路上の放置をなくするため、道路交通をスムーズにするためということから考えていきますと、その必要性は道路交通取り締まりの関係から出てきますし、それをチェックするのは、やはり登録とか車両検査の段階でやらなければならぬ。また路上の放置物件、その他の関連もありますので、道路法との関係もあるわけであります。そこで、これは道路法あるいは道路交通法あるいは道路運送車両法、これらにまたがる問題でございますので、関係各省で協議いたしまして、特別立法の形で、一つのそういう意味の法律を作ったらどうかという考えをもちまして、実は来週の月曜日に、交通対策本部でわれわれ関係者の協議会がありますので、そこでもその問題を協議いたして一定の方針を打ち出したい、かように考えております。
  35. 纐纈彌三

    ○纐纈小委員 今まで車庫を持たなければならぬと義務づけられているもので、実際には持っていないところがたくさんある気がするのですが、それは許可をしてからそういうものがあるかどうか厳格に調べておられないのではないかという感じがするのですが、どうですか。
  36. 木村睦男

    木村(睦)政府委員 運送事業者の場合にはやかましく言っておりますので、特に車をふやす場合、そういう機会を利用してチェックいたしております。また定期的な事業監査をやりますので、そういうときに見ております。自家用の場合は、先ほど自家用トラックが届出制になっていると申し上げましたが、この届出の趣旨が、自家用トラックでは往々にして営業類似行為をやる。そこで、この実態を知らなければいかぬということから届出制になっておりますので、そこで、その届出の書類の中に、車庫または常置場所を書くこともその条件になっておりますが、その実態を見るために、車庫はどこにあるかということを、行政官庁として知っておればいいという意味でございましたので、別に届けられた車庫または常置場所について、はたしてそれがあるかどうかという確認は、一々しないで届出をさせておったのが実情であります。
  37. 纐纈彌三

    ○纐纈小委員 それから、軽自動車のことが一つも問題になっておりませんが、これは二十七万台ぐらいあるというさっきの御説明でありましたけれども、これについて別に何か考える必要はないのですか。あれは交通の非常な混乱を来たす原因になっていると思うので、僕も車に乗って見ていると、軽自動車の連中が、非常に無理した運転をしている感じがするのですが、あれはどうなんですか。
  38. 木村行藏

    木村(行)政府委員 軽自動車の問題は、ほかの自動車と同じように、混雑の問題と危険防止の問題と、両方の面において問題があると思いますが、特に大きいのは、やはり私は危険防止の観点からだと思うのであります。従いまして、あれの車体検査とかいう問題もありますし、運転免許年令の問題、今十六才になっていますが、そういう問題がありますので、そういう問題とあわせて考えます場合に、軽自動車の車体検査は、ほかの自動車と同じように、法的にはやられていないし、これはいろいろ問題が残っているだろうと思いますので、そういう問題は今後の問題として検討していかなければいかぬと思っております。
  39. 纐纈彌三

    ○纐纈小委員 軽微な事故かもしれぬが、実際軽自動車の運転手の事故が非常に多いような気がするのだが、そういう関係もあるので、これも一つ考え願いたいと思います。
  40. 木村睦男

    木村(睦)政府委員 先ほどのお答えで落としておりましたが、事故防止の関係から、私どもで現在考えておりますのは、第一点は、事業用自動車の運転者の資格であります。これは道路交通法で運転免許資格というものがきめてありますが、さらに、事業用自動車については道路運送法で別のそれ以上強い資格要件を設けまして、そういう資格を持っている運転手でなければ、事業者は使ってはならないということになっているわけであります。その条件の中に、たとえば旅客用の営業車を運転する場合には、さらに半年なり一年なりの旅客用自動車の運転経験がいるとか、いろいろあるのですが、今度、それに加えて考えたいのは、現在地理不案内の運転手がたくさんおるものでありますから、そういった教習所において地理を教える、それからサービスをよくするために、いろいろな教養的な科目を加えたい、かように考えております。  なお、年令につきましても、先ほど保安局長のお話のように、一般の運転免許の資格の年令を引き上げますと、当然営業用の運転手の年令も考えなければならない。これは一般の年令がどうきまるかということを見て考えていきたいと思います。  それから車両検査の場合に、これは保安基準というのがありまして、その基準に適合しておれば車両検査に合格ということになるのであります。この保安基準の内容につきまして、いろいろ新しい事故防止の要素を入れたいと思います。たとえば、特に営業車等につきましては、安全ベルトを取りつけることを義務づけるとか、あるいは一定の速度以上出た場合には警報機器を取りつける、これはベルが鳴る、そういうことを考えております。それから最近新聞にもちょいちょい出ておりますが、自動車運行記録装置と言いままして、全然運転手の自由にならないで、しかも運行を時間別に、スピードから、いつ駐車をしたか、その停車の仕方は、急速度にとまったかどうか、全部わかるような、その一つ種類としてタコグラフ、これをすでに昨年の四月から、運行記録簿を備えるかわりにつけてよろしいということにはしておりますけれども、そういう代替のものとしてつけるのじゃなくて、むしろ今後全部につけていきたい、さように考えまして現在検討しております。それから事故防止のために、ナンバー・プレートを、特にトラック等の大型のものにつきましては、もう少し大きくしようということで検討して参りまして、大体成案ができましたので、近くこれを制度化いたしたい。  それから路上でいろいろ取り締まる点におきまして、車両検査期間が過ぎてもなお走っておる。それから保険は強制加入でございますが、強制加入していないで走っておる無保険の車というのがいまだに三割くらいあるわけであります。それでこれを今国会に提出いたしますが、車両検査期間とそれから保険の期間を表示するスティッカーを車の前身あるいは軽自動車はナンバー・プレートのそばにつけるようにする、こういうことであります。
  41. 小澤太郎

    小澤委員長 今のお話のは道路運送車両法の改正ですか。
  42. 木村睦男

    木村(睦)政府委員 道路運送車両法が主でございます。それから保険の関係自動車損害賠償保険法でございます。
  43. 小澤太郎

    小澤委員長 今の保険の方は、この国会に提案されるのでしょうが、そのほかの検討中というお話のあったのは、今国会に提出する運びになり得るのかどうか。
  44. 木村睦男

    木村(睦)政府委員 これは法律の改正を要しますのは、今の共同提案のような形で特別立法をしたらと申し上げました例の車庫の義務づけの問題でございます。あとは省令の改正でできます。
  45. 安宅常彦

    安宅委員 先ほどから、何か警察の方と運輸省の方とあまり意見が違わないようなムード、雰囲気になってしまったような気がするのですが、私はえいら違いがあるような気がするのです。  それでまず第一番目に、自動車局長説明によりますと、あなたの方で考えているのは、まず駐車禁止区域を広げる、その次に規制を行なう、こういう考え方、それから規制を行なう場合には産業、経済、生活への影響をなるべく少なくすることと、規制効果を発揮しなければならない、それから犠牲を公平にしなければならない、こういう意味なんです。ところが警視庁の方は、産業、経済、生活に影響が非常に大であって、規制効果はあまり上がらなくて、犠牲は公平でないということを盛んに主張しているわけなんですよ。それで、そういう大型トラック路線トラック観光バスなどの規制よりも、一番先に手がけなければならないのは、駐車禁止区域を広げることじゃないかということをあなたたちは主張しているんだ。ところが、警視庁側試案、盛んに試案々々と言っていますが、百歩譲って試案にしますが、その試案というものはそれよりも別な、異質のものである、こういうふうに運輸省側は考えておられる、こういうふうに私は理解をする。従って、ここで運輸省の方に聞きたいのですが、駐車禁止区域を広げるということは、あなたが今盛んに話しておりましたが、現在の一つの法体系の中では、警視庁としては自信がないから踏み切れない。そこはえらい弱いわけですね。ところが、運輸省の方はそれをやらなければならぬ。ただしただいままでのあなたの発言の中では、どういうふうにしてやるのか、具体的にどうすればできるのか、そういうことがはっきりしなかったので、それをちょっとはっきりしていただきたい。
  46. 木村睦男

    木村(睦)政府委員 この駐車禁止区域をまずやって、それから規制というふうにあるいはお聞き取りいただいたかとも思いますが、今の段階では、駐車禁止をもっと強化していくということと並行してやりたいということです。
  47. 安宅常彦

    安宅委員 警視庁の方はそれは弱いんだ、やれないんだ、まだ自信がないんで踏み切れないんだと言っているんで、あなたの方はそれをやるんだと言っている。だから、どういうふうにしてやるんだと言っているんです。
  48. 木村睦男

    木村(睦)政府委員 駐車禁止区域をやっていただくのは、警視庁の方にやっていただくわけでございますので、これは程度の問題でございますが、もっともっと強力にやっていただきたいということでございまして、方法その他は従前通りの方法でやっていただければいいと思っております。
  49. 安宅常彦

    安宅委員 それは、警察の側はやれないと言っている。つまり、これは産業、経済、生活に影響を少なくするというふうに言っておりますが、路線トラックや何かは非常にぴんときて、何か大会までも開いているし、先ほどあなたが言いました免許年令の適正化の話も、免許年令を幾ら引き上げたって、これは私の頭にこびりついている一つの持論ですが、幾ら年令を引き上げても一この間ダンプカーの運転手さんが国会に来ましたけれども、この人はその会社では初任給九千円というんだ、もっと安いところがあるのですけれども、砂利取り場から目的地まで一回運べば三百円ですし、その三百円を六百円にし、九百円にしなければとても飯が食えないんだということをはっきり言っているわけだ。そういう状態の中で、今度は、砂利会社も小さいところが多いのですから、超過勤務の手当を払ってみたり、深夜作業をやめてみたり、さようなことになれば、営業が成り立たぬということを言っているわけですね。ところがここで一番問題になるのは、この会社は労働基準法を守ってないのが大部分なんです。守っておっても、ぎりぎり精一ぱいのところで、やっとこすっとこ労働省の監督を免れておると、こうなんです。それで、そこに大きなネックがあって、とても労働者に——これは労働組合の何かみたいになっていけませんが、そういうように最低賃金制というものをびっしりしておいて、これ以下では砂利トラは使ってはならぬというふうにして、深夜作業を絶対にさせない、させるような会社は、営業許可しないというふうにしなければ、幾ら免許年令の引き上げなんかやったって、年をとっても飯が食えなければ、女房、子供がいるんだから、ますます走るかもしれぬし、これは重要なことで、免許年令の適正化、引き上げなどというよりも、この間バスの運転手さん、砂利トラの運転手さんも言っておりましたが、見習い期間といいますか、そういうものを置いて、助手台に何年か乗らなければ運転しては悪いとか、そういう実際に経験をふやした上でやるんだったら別だけれども、単なる免許年令の引き上げではだめだということを、国会で発言しているのです。こういうことからいって、産業、経済、生活への影響を少なくするということになりますと、まず一番大きな反発をしてくるのはこういう業者であり、会社がつぶれれば、おれは飯が食えなくなるという従業員だと思うのです。ここのところをどうするかという問題を考えたことがあるかどうか、これは両方から聞いてみたいと思います。  それから駐車禁止区域ですが、警視庁は同じ方法でもっと強化して、強力にやってもらいたいという運輸省側の発言内容ですが、それはなかなかできないのだというのが警視庁意見だと思うのです。運輸省側では、大型トラック観光バスなどをやったって、あまり規制効果が上がらないのじゃないか、こういうふうに思っているように私は理解するのですが、その反対解釈になりますと、そんなことよりも自家用あるいは普通の乗用車なり、そういうものが一番大きなネックになって、路上に放置してあるから、それを取りのけさえすれば、路線トラックや何かをわざわざやるよりも、一番いい方法じゃないかというのが運輸省側の意見だと思うのですが、なぜ警察庁の方ではこれがやれなくて、弱いのですか。どうもその辺わかりませんので、これは警察の方から聞いてみたい。
  50. 木村行藏

    木村(行)政府委員 駐車禁止区域の拡大は、やれないのじゃなくて、やりたいということで、きのうも陸運局との話し合いのときに、これは当然やるべきだという方向意見が一致しました。これは最近、特に警視庁では昨年の夏の初めごろから、総合交通規制を各路線に順次やって、第何次かやりまして、結局三十八路線に総合交通規制をやった。そのときの一つ内容は、駐車禁止区域をどんどんふやしているわけです。今回もやはりこの制限と並行して、駐屯禁止区域相当大幅にふやしていくべきであるというふうに考えておりますから、自信がないのじゃなくて、今度は方法を発見したいと思っております。  それから会社の問題は、私は安宅先生のお話と全く同感でございます。ことに新道交法を作ります場合に、運転手だけが責任があるのじゃなしに、運転手を使っております背景である雇用者側にも、いろいろな責任があるということで、雇用者側の責任をいろいろ規定に入れたわけであります。この方向は現在も同じであります。従いまして砂利トラック、ダンプカーなどについて、いろいろ事故があった場合に、一番大きな問題は、小さい企業で組合もできていないで、アウトサイダーになって、非常に無理な労務管理がされておるというような面があるものでありますから、できるだけこれは行政指導で関係省もやってもらって、しっかりした労務体制を築いてもらいたい、無理な労働をさせないように、それから資金の融通もすべきであるということで、いろいろと対策要綱を閣議決定いたしているわけであります。そういう意味合いで、私たちは前々から神風タクシーといわれたときから、固定給の引き上げ——歩合給が大部分であって、固定給はごく一部ということでは非常に不安定でありますから、そういう意味合いで固定給をうんと上げていくということは大賛成であります。
  51. 木村睦男

    木村(睦)政府委員 今の点でございますが、運転手の年令の引き上げは、事故防止に確かに役に立ちますが、一方労務管理と申しますか、休養あるいはいろいろな労務施設の充実の問題であります。運送事業者につきましては、普通、労務管理いわゆる休養施設その他につきましては、労働基準局なり関係の官庁で監督しておりますが、そこで定められた基準以上に強い線でこれらの施設等も見たわけです。それから給与につきましては、給与をうんと引き上げるということは命令できませんが、たとえば営業用の車の運転手が事故を起こしたというふうな場合に、一体どういう理由で事故を起こしたのであろうか、非常に労働過重で起こしたのか、あるいは歩合給が非常に多くて、自然働かざるを得ぬというふうな関係になっておるのか、それを調べまして、最近では特に事業者の処罰ということは相当強くやっております。それから給与につきましても、十分、給与の点は業務監査等のときに見まして、特に歩合給の比率等につきましては、強く行政指導をいたしております。
  52. 安宅常彦

    安宅委員 最後に一つ、今の点でお願いするのですが、あなたの方でも対策協議会なり、閣僚懇談会なり、いろいろあるようでありますが、そういう会合というものに、労働省が一つも入っていないような気がするのでありますが、どこの場面でも、そういうことを一つ考えてもらわないと、実際に監督行政なんというものはでたらめきわまるものですから、労働省は予算がないので、どこの事業場でどういうようなことをやっておるのかということが全然わからない。これが大きな基本になっておると私は考えております。そこであなたの方で陸運局警視庁で話し合うときには、必ず労働基準局を入れるとか、そういうように一つやってもらいたい、こう思っております。  それで最後に、お聞きいたしたいことがあるのでありますが、駐車禁止区域を広げるということは何とかできるのだというお話ですが、また先ほど言われた営業用でない自家用の場合には、届出を利用して、そのときに車庫の所在地や何かを確かめて、それを今度条件にするみたいな話ですが、しかし法律的にそんなことを言ったって、いやそんなことは欠格要件にはないはずだというようなことを言われることもあるだろうし、法律改正をやっても、今までの分は、路面に放置しておくことは天下御免でやれるのですから、それこそ犠牲の公平どころじゃない、えらい不公平なことになってしまうのじゃないかと私は思います。こういう点をやるのは非常に弱いのだ、警視庁はそこを言っておるのじゃないかと思いますが、今から改正してみたところで、今までの分も、建てろと言っても、車庫なんか建てられませんと言ったら、あなたはどうするのですか。
  53. 木村睦男

    木村(睦)政府委員 これは交通閣僚懇談会の中でも話が出たことがございまして、今後新たに車を手に入れて届出をする場合にはそれで参りますが、現在すでに車を持っておる者については、さかのぼってこれを適用するということは、法律上いろいろ問題があるわけであります。従いまして、現在考えておりますのは、すでに車を持っておる者については、できるだけ行政指導で強くやっていくということで、規制の網をかぶせるということはむずかしいのじゃないか、かように考えております。
  54. 安宅常彦

    安宅委員 それは私が自動車を持っておるとすれば、私がやっとこすっとこ月賦で買ったんだから、そんな、車庫を作れなんてべらぼうなことを運輸省は言うな、それだったら国会議員の歳費を上げろということになるので、そんなことは幾ら行政指導でやると言ったって、金のかかること、だからやれませんよ。どうもその辺、あなた方は両方が合わないようだから、もう少し検討してもらいたい。この問題は提起だけしておきまして、あとでそういう問題は専門家の阪上先生から具体的にお話があると思いますから、これでやめますが、そういう点の意見の調整をびっしりやってもらわないと困ると思います。
  55. 阪上安太郎

    阪上委員 先ほど大きな問題を伺ったときに出た話でありますが、問題提起の意味で四、五点お伺いしておきたいと思います。  先ほどから伺っておると、どうも効果的な規制ということについて自信がなさそうだ。その自信のない根拠を考えていくと、あなたの方の、警視庁から出ておる規制の第一次計画を見ると、こういうふうに規制するのだ、ああいうふうに規制するのだ、こういうふうに出てくるわけであります。ところが、これに対する効果というものがうたわれておらない。どういう効果があるのかちっともわからない。それは結局、あの規制をやる試案の基礎的な調査というものが行なわれていないのじゃないかという疑いを私は持つのであります。これだけの規制にしても、なかなか大へんなことだ。一体、基礎的な調査をやられたのかどうかということですね。
  56. 木村行藏

    木村(行)政府委員 警視庁は、道路交通量の実態調査をやっておりますので、これはおそらく数ヵ月間かかって資料を集めましたから、まあデータはあると思うんです。しかしそれが完全に十分だというふうには言えないと思います。ある程度ございます。
  57. 阪上安太郎

    阪上委員 そこのところきちっとして、やっぱり調査に基づいた試案でなくちゃ、そういうふうになってくると、どういう効果が出てくるかということが、数字で出てくるか、何で出てくるか、おそらく数字的に出てくると思いますけれども、そういったものをやはり出さないと、私は納得できない面が出てくるのじゃないか。このことにつきましては、まだ試案作成中ですから、さらに手心を加えられると思いますので、十分一つ基礎調査をやってもらって、それからこういう規制をやったならばこういう効果があるんだというふうに、きちっと科学的に出してもらわぬと、この点非常に……。従って、第二次規制、第三次規制をやらなければならぬというような、ばく然としたものが出てくるのじゃないか、こういうふうに思いますので、ぜひ一つ調査をやって、その資料を——これは別に法案としてかかっているわけじゃないけれども、ぜひ一つ、この小委員会に出してもらうように、委員長からもあれしてもらいたいと思う。その点が私はどうも納得できない。  それからいま一つ東京都はこういう規制をする、一体全国の他の大都市に対してはどういうふうに持っていくか、どういうふうに指示するか、これも一つ伺っておきたいと思います。
  58. 木村行藏

    木村(行)政府委員 東京が一番混雑しておりますし、渋滞がひどいわけです。そのほか大阪という問題あるいは神奈川、横浜、そういう問題もあるいは一般的に批判を持っておられる方もあると思いますが、大阪については、今すぐということまではいっておりません。これはやはり、事態を見ながらやらなければいけないと思いますし、それから私たちは、国家公安委員会としては、ばらばらに発表されたりいろいろ動きますと、全体の規制がそれぞれそごを来たしますので、十分に連絡調整いたしたいと思っております。
  59. 阪上安太郎

    阪上委員 だから私はこの間も、国家公安委員会としてなぜ取り上げないか——警視庁だとか一大阪府警本部だとか、こういうところで取り上げてはいけないのであって、それはやはり国家公安委員自体が当然取り上げなければいけない問題だと思う。これは影響は申し上げるまでもなく、必ず東京都の規制をやったことが他府県に影響を与え、大阪府がやったら、これまた他府県に影響を与える。そんなことを今さら言っても仕方がないが、最近では国家公安委員会がこれを取り上げてきた。これはいいことだと思いますが、しかしこの場合、東京都の実施の状況を見て、大阪に及ぼす、あるいは名古屋に及ぼす、こういう考え方はちょっとおかしいのじゃないか、何か場当たり的なやり方というふうに考えるのですが、どうでしょう。
  60. 木村行藏

    木村(行)政府委員 名古屋などは、やはり東京道路状況が非常に違いまして、あそこは非常に都市計画がうまくいっておりますし、名古屋で東京のような大幅の車種別、時間別の通行制限は、今すぐにはやる実態にはないと思います。それからほかの都市もそれぞれの実情、実態に応じてやるべきで、東京がやったからそれをまねをするとか、東京がやったから安心してやるということではいけないと思います。これはやはり私十分に、国家公安委員会を補佐する立場から言って、当然連絡調整をいたしたいと思います。
  61. 阪上安太郎

    阪上委員 この問題については、名古屋の場合は確かにそうです。都市計画が非常にうまくいっている。従って、東京と同じものをやるということにはならぬと思うのです。しかし、やはり規制はしなければならぬ。ことに大阪市のごときは、これは東京都以上の飽和状態に達している。これは事実だと思います。従って、どうもあそこだけおくれているというのは、少しこれは公安委員会として、今までほんとうにこの問題と取り組んでいなかったのじゃないか。たまたま警視庁がこれを言い出したというような格好でこれを取り上げてきた、こういうことだと思うんです。しかし大阪市でもやかましく言っているでしょう、この問題は。この際、適当な指導をされる必要があるのじゃないですか、どうですか。
  62. 木村行藏

    木村(行)政府委員 全く御説の通りで、十分な指導を密接にやらないといけないと思います。
  63. 阪上安太郎

    阪上委員 先ほどからいろいろ伺っておるのですが、これはやはり道路交通法の七条によってこの規制を加えられるのですか。これは最近いろいろ問題が出てきているように思いますが、見解はどうなんですか。
  64. 木村行藏

    木村(行)政府委員 これは道路交通法の第七条第一項でやる以外に方法は現在のところはありません。
  65. 阪上安太郎

    阪上委員 運輸関係で、道路運送法等によって、こういった規制を加えていくということは考えられるのですか。
  66. 木村睦男

    木村(睦)政府委員 道路運送法ではできません。
  67. 阪上安太郎

    阪上委員 そうすると、規制を加えるということは、道交法の第七条でやる、こういうことになるわけですね。そうすると、この道交法の第何項によってやるのですか。
  68. 木村行藏

    木村(行)政府委員 第一項です。
  69. 阪上安太郎

    阪上委員 そうすると、この規制は、警察署長によってやるという二項の規制はやらないわけですね。
  70. 木村行藏

    木村(行)政府委員 こういう高度の通行制限というものは、やはり公安委員会自体がやるべきで、署長にまかされるような短期間のもの、あるいは短区間のものはありませんので、公安委員会でなければやるべきではないと思います。
  71. 阪上安太郎

    阪上委員 そういたしますと、第一項でやる、こういうことになるわけなんですね。第一項の場合において、車種別規制をやるということがこの第一項に該当しますか。
  72. 木村行藏

    木村(行)政府委員 この第一項では、御案内通り条件といたしまして、当該道路について区間を定めてやるという条件がありますし、目的は、危険を防止し、安全、円滑をはかる、そういう必要があるときは、公安委員会ができる、こういう目的の規定があるわけです。従いまして、東京都内の現在の混雑の状態を見て、その支障の大きいものから通行制限あるいは禁止をするということは、これでできると思います。
  73. 阪上安太郎

    阪上委員 しかしこれは、「歩行者又は車両等の通行を禁止し、又は制限することができる。」こうなっておりますね。この「車両」という場合に、車種別規制をやることができる、こういうことに解釈できますか。
  74. 木村行藏

    木村(行)政府委員 これは車両等の通行制限ですから……。車両というのは自動車をさしております。その自動車のどれを選んで通行制限するかということは、結局現実の円滑化のために、どれが支障が大きいかという判定で、公安委員会がやるのが当然だと思います。
  75. 阪上安太郎

    阪上委員 そこが私は問題点だと思う。これは一般包括的に「車両」と規定している。それをさらに車種別にこれを規制していく、業種別にこれを規制していくということ自体は、これはどうなんです、問題があるのじゃないですか。
  76. 木村行藏

    木村(行)政府委員 たとえば、現在すでに神宮外苑は大型トラックは、通行制限しておりますし、それから銀座通りは全然大型トラックは入れない、こういうふうに、そういうトラックの種別をとらえて全面アウトしているわけです。それからタクシーの流しの禁止区域も、タクシーと同じような大きさのほかの自家用車があるわけですが、しかしタクシーだけを選んで、タクシーがそこを流してはいかぬということで、こういう制限をしておりますので、まあこれはできると思います。ただ問題は、そういう種別だけをとらえてやるということは問題だと思います。種別だけでなしに、実際にずうたいが大きくて、じゃまになっておるということに着目して通行制限するということは、決して私は差しつかえないと思います。
  77. 阪上安太郎

    阪上委員 警視庁には、定期路線というような問題が出てきて、種別的な面も出てきている。それで、私はこれについてはもっと抜本的にやるべきだ、そうして漸次後退していくべきだ、こういう考え方を持っておるものですから、この場合、道交法の七条でやるのもいいけれども、非常にそこには問題点があるし、疑問の点も出てくるので、いっそ思い切って単独法を出したらどうかという気持もするのです。従って、道交法の七条の特例に関する法律というような考え方も出てくるでしょう。そこまでいって、この問題を、あまり七条によるところの行政措置というような単純な考え方ではなくして、もう少し抜本的な考え方を持っていくという観点から、そういうことをもう一ぺん検討される必要があるんじゃないですか。
  78. 木村行藏

    木村(行)政府委員 全く、先生おっしゃる通りでありまして、結局ほんとうに全面的な車種別、時間別に通行制限をやります場合には、緊急性とか社会的公益の面とか、そういうものからいって、用途なり目的別に識別することになると、この第七条ではある程度問題がありますので、そういう目的別、用途別まで入ってやるということになりますと、あるいは単独の立法をやった方が正々堂々とやれるのじゃないかと思います。
  79. 阪上安太郎

    阪上委員 先ほどから聞くと、どうもまだ今の規制段階では、小手先みたいな気がする。いっそ、そういったところは踏み切った方がいいんじゃないか。そして運輸省の言っている問題と警察が言っている問題と、うまく合わしていくということになると、道交法七条だけでは、あるいは行政措置をとっていくということだけでは、不十分ではないかというふうに考えますので、一ぺん検討してもらいたい。
  80. 野口忠夫

    ○野口小委員 いろいろお話聞いたのですが、今、話していることは、どうも象のどの辺をさわっているのかわからないという気がするのです。先ほどのお話で、規制することが、何か社会的に必要悪というような感じを受けたのですが、規制ということを、そういう考え方でやる反面、やはり規制だけに終わらしてしまうという考え方があるから、そういうことになるんじゃないかと思うわけなんです。今規制することは、この道路問題を解決するために、全体の計画の中の、当然道路が通れなくなるところ、通してはならないところ、そういう全体の流れの構想を描きながら規制していくということになれば、人命をとうとぶという立場からは、それはなるほどやることそれだけを考えていくと悪のようですけれども、私としてはやはりそれが非常な善だと思うのです。そのことが悪にならないようにするためには、やはり今回のようなやり方は反対なんです。何か自分たちが考えたことを出して、民衆をわっとわかしておいて、必要以上に刺激を与えてしまっておいて——民衆は何と思うかというと、僕たちを押えているんだというふうなことを与えていく。その中で行政としての悪を感ずるものが出てくるのではないかと思うのです。この点は今度そうなさるそうですけれども、やはり調整協議会というものの中で、民衆自体もこれが絶対必要なんだということをわからせていくことが、やはり道徳教育でしょう。交通道徳がそこからわいてこない限りは、どんなことをやっても、やはりいろいろな事故は起こってくる。ほんとうに細心の注意を払ってやっていくということを大衆の交通道徳として考えていけば、その調整協議会についてくること自体が、民衆と語り合うこと自体がそういうものを作り上げていくんだということを考えていけば、やはり効果的なものを大衆と話し合った中で考えて、犠牲を少なくして——同じトラック業者でも、小荷物運送などをやっているものは路線からはずされると困るものもあるので、そういうものまで業種を奪ってしまうようなことをやるんじゃないかというような不安感を与えている規制の仕方の中に、そういう必要悪なんということを言う人が出てくると思う。そういう意味では、私は阪上さんと同じように、やはり自信のある、効果的な、総合的な、象を一体どうするかという一環の計画の中で規制していくんだ、ここはこういうふうに持っていくんだというような形を、民衆と語り合いながらやっていくべきじゃないかという意見を持っています。  それから一つ聞きたいのですが、これもそうなってしまった結果からいえば、取り返しのつかない結果になるが、過日道路交通状況を視察して歩いて、東京都庁に参りましたら、交通事故の犠牲者の方がきていて、もう二月以上になるが、何もされていない、あるいは六つの子供をなくしたお母さん、三十二才でだんな様をなくした方、そういう人の話を聞くと、その災害についての補償を、二月も三月もたっているが、どこからも何も話がないという不満を述べておりましたが、こういう点についてどのような措置をとられるつもりですか。
  81. 木村睦男

    木村(睦)政府委員 交通事故の場合の損害補償の問題ですが、先ほどちょっと申し上げましたが、自動車損害賠償保障法というのが昭和三十年に日本に取り入れられて、強制保険になりました。これで事故の被害者に対しては、現在死者に対しては最高五十万円、重傷の場合が十万円、軽傷が三万円、こういう三種類に分かれております。この額が最近の一般的な物価の関係から見て、安過ぎるというお話があるわけです。そこでこの五十万も、実は一昨年三十万円から五十万になったのですが、これでもわれわれはまだ低いと思っております。この改正を今後なるべく早い機会に考えたい。実はこれは大蔵省に保険審議会がありまして、そこで先般も討議して、この次にはそういう面も討議しようということで進める予定になっております。ですから、現在強制保険でもらえるのはそれが最高で、それ以上の損害については一般の損害賠償請求という形になっております。
  82. 木村行藏

    木村(行)政府委員 今お述べの問題は非常に大きな問題で、結局、犠牲者に対する救済は、非常におくれております。今、木村自動車局長からもお話がありましたが、損害賠償というものも、あれは実は、損害に対する全額を負担しているという格好ではなしに——もっと犠牲は大きい、百万円も二百万円も出すべきです。それから民事求償の問題も残っております。それが今非常に手おくれになっておりまして、それが大きな問題だと思います。それから全国の警察署に交通相談所を作っております。それでいろいろな相談に応じ、できるだけサービスするということでやっておりますが、そこで相談した数が十七万件くらいございます。その中でいろいろ片づいたものもありますが、被害者が泣き寝入りするというか、法を知らないということで、もらうべき民事賠償なりその他刑事責任を追及し得るのに、全然ほうっておくということができるだけないようにするということが、残された一番の分野だと思います。
  83. 野口忠夫

    ○野口小委員 お聞きすると、事故のあった方が、今のような手続を実際できないでいるんですよ。そういうことがあっても、それに対する手続がわからない。この前もそういう話がありましたが、何か弁護士会の方では、さっそく何か自動車災害の相談部みたいなものができましたので、多分、富永さんあたりの方からでも話があったのかな、これはだいぶ早急にできたなと思ったのですが、そういう点ではそのお金を出す方の側と、実際の事故現場に行っている警察側と、その間の連絡というものをとって、お互いにそういうことに関係する立場として、本人にかわってそれを取り扱ってやるというようなことが、今言う相談所ということですか。相談所というのはそのことをやっているのですか。
  84. 木村行藏

    木村(行)政府委員 相談所というのは、交通に関するどんな相談でも応ずる。ただ具体的に当事者同士の民事問題になりますと、あまり深く介入はできませんけれども、実際法的に知識がないために非常な不利になる、しかし弁護士もなかなか雇えないという場合に、手続を教えてやるとか、こういう場合はこうするんだという知識をサービスする、あるいはあっちこっちに連絡してやるということであります。
  85. 野口忠夫

    ○野口小委員 これで終わりますけれども、保険金額が非常に少ないので、多くする、そういう災害補償については非常におくれておるという御意見を聞きましたので、これは多分、おくれないように進められるだろうと思うわけですが、外国の例などを見ますと、どなたもおっしゃるのですけれども、一人、人を殺せば、その自動車会社はつぶれるというくらい人命が尊重されておるが、日本の場合は大体三十万くらいで、人間一人の命が処理されてしまうというような皆さん方のお話もあるわけですから、やはりこの点の中から自動車運転の注意を喚起するためにも、ことに人命尊重というような立場からの保険金については、多額の保険金が出るようにしていただくとか——多くなればなるほど、もらう人が少なくなればいいわけですから、数少ないものをくれてたくさん人を殺してしまって、遺族を一ぱい作るということは、金の使い方としてはほんとうの使い方ではないでしょうから、思い切り、一人殺せば大体今の金で一億くらいどんと出してやれば、本気になって歩きますから、結果的には少なくて済むということです。そんなこともほんとうにあの人たちを見ておって思いましたので、一つ……。
  86. 小澤太郎

    小澤委員長 これより懇談の形式で議事を進めることといたします。  では、これから懇談に入ります。      ————◇—————     〔午後五時二十三分懇談会に入る〕     〔午後五時五十二分懇談会を終わ     る〕      ————◇—————
  87. 小澤太郎

    小澤委員長 これにて懇談を終わります。  次会は公報をもってお知らせすることとし、本日はこれにて散会いたします。     午後五時五十三分散会