○渡海委員 私は、三党を代表して、
地方公務員共済組合法案及び
地方公務員共済組合法の
長期給付に関する施行
法案に対する附帯決議案の趣旨説明を行ないたいと思います。
まず、決議の案文を朗読いたします。
地方公務員共済組合法案及び
地方公務員共済組合法の
長期給付に関する施行
法案に対する附帯決議(案)
政府は、
地方公務員共済組合法及び
地方公務員共済組合法の
長期給付に関する施行法が
地方公務員の生活と福祉とに深い関係を有することにかんがみ、両法律の
実施に当っては、次の諸点につき、とくに配意すべきである。
一、
地方職員共済組合等の
理事に組合員を代表する者を加える等組合の民主的な運営を図ること。
一、掛金等の標準的な率未満の率による
退職年金制度の適用を受けている職員について、制度の
改正に伴う負担の増嵩を経過的に事実上緩和できるよう適当な措置を講ずること。
一、
長期給付の掛金率の引下げについてあらゆる施策を検討すること。
一、減額
退職年金制度は、国家公務員共済組合法等とともに再検討すること。
一、給付費及び追加費用については、国庫負担その他の方法により
地方公共団体の
財政を圧迫することのないよう万全の
財政措置を講ずること。
一、組合等の資産の運用に当っては組合員の福祉の向上に万全を期すること。
一、禁錮等の処分を受けた場合の支給制限については、その運用にあたり、濫用にわたらないよう配慮すること。
一、全国知事会等都道府県、市又は
町村の議長又は長が全国又は都道府県の区域ごとに組織している団体、国民健康保険団体連合会、
地方公共団体の組織する健康保険組合その他
地方自治関係諸団体の職員についても、
地方公務員に準じ共済制度を設けること。
右決議する。
以上が案文でございます。
次に、その趣旨及び概要を簡単に御説明申し上げます。
御承知のように、
地方公務員共済組合制度は、
地方公務員及びその遺族の生活の安定と福祉の向上に寄与するとともに、公務の能率的運営に資することを目的としておりますので、この制度のいかんは各分野にきわめて大きな影響を与えることになると考えられるのであります。従いまして、この制度の本来の目的をより一そう十分に達成せしめる趣旨において、この附帯決議を付したいと思うのであります。
内容の第一は、
地方職員共済組合等の
理事については主務大臣が任命することとなっておりますが、これに組合員を代表する者を加え、組合の民主的な運営をはかろうとするものであります。
第二は、掛金等の標準的な率未満の率による
退職年金制度の適用を受けている職員につきまして、制度
改正に伴う負担の急激な増高を事実上緩和できるよう、
地方公共団体において経過的に適当な措置を講ぜしめようとするものであります。
第三に、
長期給付にかかる掛金については、御承知のように、従前の制度では無拠出のものを初めとして、そのほとんどは二%以下であったわけであります。ところが本法が施行されますと、一躍倍以上に増率されることになるわけでありまして、保険数理の結果であるとは申しながら、これは、組合員たる当の公務員はもとより、雇用主としてその職員の福祉及び利益の保護に任ずべき立場にある
地方公共団体にとりましても、きわめて大きな問題といわなければなりません。そこで、
長期給付にかかる組合員の掛金の引き下げについて、あらゆる施策を検討すべきものとした次第であります。
第四に、減額
退職年金制度の可否につきましては、審議の過程におきましても多くの論議を呼んでおり、問題も少なくないと思われますので、国家公務員共済組合法等とともに、さらに検討を加えるべきであるとするのであります。
第五に、給付費及び追加費用につきましても、終始熱心に質疑が行なわれましたごとく、その
地方財政に及ぼす影響がきわめて大きいところから、将来このため
地方公営企業を含む
地方公共団体の
財政を圧迫し、ひいては
地方行政の遂行に支障を生ずることのないよう、国庫負担その他の方法により万全の
財政措置を講ずべきであるというのであります。
第六に、組合及び連合会の資産の運用につきましては、本法において組合員の福祉の向上に資するよう規定されているところでありますが、この点につきましては本法の趣旨が十分に生かされるよう、一そうの配意を必要とすることといたすのであります。
第七に、この制度が職員みずからの掛金による保険制度であることにかんがみまして、給付制限については慎重な態度をもって臨む必要がありますので、禁錮処分を受けた場合等の支給制限についてはその運用にあたり、乱用にわたらざるよう配慮すべきものといたしました。
第八に、全国知事会等の
地方自治関係団体の職員につきましても、その職務内容が
地方公務員に準じておりますことなどから、将来
地方公務員の共済制度に準じた共済制度を設けることが適当であるというのであります。
以上が、本附帯決議案を
提出した趣旨であります。何とぞ委員各位の御賛同をお願いいたします。