○田川
委員 ただいま議題となっております市の
合併の
特例に関する
法律案に対する自由民主党、日本社会党及び民主社会党の三党共同提案にかかる修正案について、便宜私から、その内容と提案の趣旨の概要を説明申し上げます。
修正案文はお手元に配付してありますので、朗読を省略いたします。
まず、修正の第一点は、原案では、本法の
適用対象となる
合併は、三以上の市または二以上の市及び一以上の
町村となっておりますのを改めて、二以上の市または二以上の市及び一以上の
町村としたことであります。すなわち、
市同士の対等
合併は、すべて本法の
適用を受けられることとしたのであります。本来、三以上の市に限定した
根拠として
考えられますことは、
関係する市の数が三以上になりますと、
合併の困難さは飛躍的に増大するという点にあると思うのでありますが、かりに事実といたしましても、そのために二市
合併の場合について各種の
特例措置を排除する
理由は見当たりませんし、またかりに三以上の市が、時期を異にして順次
合併を実現するというような場合、この
合併が
適用対象とならないということも公平を欠くと思われますので、これを市の
合併にはすべて
適用できるように改めたのであります。
修正の第二点は、国、都道
府県等の協力
関係を
規定した第六条の「新
都市の
建設に資するため必要な
措置を講ずるように努めなければならない。」という条文中、「必要な
措置」とあるのを、「必要な
財政上その他の
措置」と改めたことであります。
これは、必要な
措置というだけでは、あまりにも抽象的に過ぎ、具体的な
措置が明確でないので、必要な
措置の中には
財政上の
措置を含むものであること、むしろそれが眼目であるという趣旨を明確化しようとしたのであります。
修正の第三点は、産炭
地域振興臨時
措置法によって産炭
地域として
指定された
地域内の
市町村の廃置分合で
市町村の数の減少を伴うものについて、本法を準用することとしたことであります。この場合は、
関係する団体に、必ずしも市を含むに及ばないこととしています。御
承知のように、石炭産業の斜陽化に伴い、産炭
地域市町村は行
財政上極度の困難に当面しており、この難局に対処するために、隣接
市町村間に
合併の機運の生じて参りますことは予想にかたくないのでありますが、もはや
町村合併促進法や新
市町村建設促進法の
適用を受けられない現在におきましては、
財政上その他の特別な
援助措置を考慮することが適当であると認めましたので、この
改正を行なうこととしたのであります。
修正の第四点は、新
都市の
人口が五十万以上になる市の
合併で、この
法律の施行の日から起算して一カ年以内に行なわれるもの、具体的に申しますと、予定されております
北九州五市の
合併がこれに該当するのでありますが、この場合について、本則における議会の
議員の
任期及び
定数の
特例のさらに
特例を設けたことであります。本則における
特例は、対等
合併の場合には、
合併関係市町村の協議によって、
議員の
任期を
合併後二カ年をこえない
期間延長できることとし、もしその
任期の延長を行なわない場合には、最初の選挙で選出される
議員は、その
任期中新
都市の
議員定数の二倍をこえない
範囲内で
定数を増加できるものと定めております。すなわち、
任期の延長か
定数の増加か、いずれか一方を選択できることとしているのであります。この本則に定められた
特例にかかわらず、さきに述べましたような
合併の場合に限っては、
任期の延長と
定数の増加との双方をあわせ行なえるようにしたのであります。ただこの場合、
任期の延長
期間は二カ年から一年六カ月に、
定数増加を二倍から
定数にその
定数の五分の一を加えた数に、それぞれ変更することとしています。
本修正は、
北九州五市
合併の具体的な実情に即して勘案されたものでありまして、五市の
合併が他に類例を見ない困難な
事業であるとともに、新
都市の
建設計画はきわめて大
規模であり、かつその実施には長年月を要すること、さらに
合併関係各市域の間の相錯綜する利害
関係の調整をはかり、施策の急激な変化を回避する等のため、それぞれ旧市域住民の民意が公平に反映される必要があることなどの
理由から、本修正を行なうこととしたのであります。
以上が修正の趣旨の大要であります。何とぞ御賛成を賜わりますようお願いいたします。(拍手)