○門司
委員 きわめて抽象的な答弁ですが、問題はすでに提起されておるのであります。政府の言う新産業
都市建設促進法というのは、どう
考えてもそうとしか
考えられない。
人口の分布の状態を是正する、あるいは国民の所得の格差を是正する、このことのために地方に工場の分散が必要である。もう
一つの大きな問題は、マンモス
都市をなくする、少なくしていくということが、一応現在の日本の社会情勢の中からは
考えられます。かつて英国は一九四五年と一九五〇年に二度提案して、
法律に今まとまっております。一口にわれわれは英国の工業配置法と呼んでおりますが、こういうものと今出されております新産業
都市の構想は全く違っておるのであります。私がどうしても大臣の
意向をもう少し確かめたいと思うことは、今出されております新産業
都市建設促進法は、どう
考えてみましても百万
都市を形成する以外に、そういうマンモス
都市を地方に分散する以外にないという
考え方に立っておるということが明らかになっておる。そのことは、政府の負掛がきわめて少ないということである。英国は工場を地方に分散して、そうしてできるだけ
地域格差をなくしていく、あるいは失業の状態をできるだけ
地域的に緩和をしていくという建前で、両方の
法律とも労働党内閣のときにできた
法律であります。
〔丹羽(喬)
委員長代理退席、
委員
長着席〕
このときには政府が思い切った施策で、たとえば土地の提供は国がやる、あるいはその後の建設のために必要な経費については、起債等については二分五厘
程度の低利、長期で貸し与えるというふうにして地方の自治体に対する負担をきわめて軽くして、そうして政府の力で工場の分散をはかっている。ところがこの新産業
都市建設促進法を見ておりますと、そういうことはちっとも
考えていない。ほとんど全部地方の自治体の集団をねらっていることが法案自体に明らかに書かれている。こういうふうに
考えて参りますと、この新産業
都市建設促進法と
指定都市というものとの関連を
考えないわけには参らぬのであって、どうしてもそういうものが将来近いうちに出てくる、また政府はそれを
考えておってこういう新産業
都市建設促進法というものを出していると私は思う。そうだとすれば、
府県との
関係というものは今考慮しないわけにはいかない。このまま
法律が出てごらんなさい。すでに岡山県は岡山を中心にして今作るということでいろいろプランができております。私の手元にも相当の
資料がありますし、大臣のところにもこれはおありだと思います。あるいは仙台を中心にして、あのところをずっとまとめたものができないとは限らない。また広島を中心としてこしらえるというようにできて参りますと、これはもう
府県行政との間をどうしても
考えざるを得なくなってくる。だから問題の焦点は、ただ単に
指定市というようなことでなくて、今の大体の大臣の答弁だけでは私
ども承服をするわけにも参りませんし、はっきりしたことを聞きたいのでありますが、地方
行政に対してそういう事態がすでに起こりつつある。また起こりそうになっている。それに対して
行政のあり方を、今の
府県行政と市町村
行政というようなあり方にいつまでも置くつもりなのか、あるいはこの問題を、たとえばわれわれの
考え方から言いますと、複合
都市の機能を高度に発揮することのできる
一つの方式として、集中的分散方式をとるべきだということがどうしても地方
行政の中からは
考えられる。複合的な形をとるならまだいいですよ。ところが今の
自治法の中に、
一つの問題として、その複合的なものから、県と市のあり方から、特別市には十六
項目の県の
行政が移譲されている。そうなって参りますと、個別の
都市の高度の機能発揮というものは一体どういうふうにしてやるつもりかという疑問が、どうしてもまた次に出て参ります。だからこういう基本的なものの
考え方について、一体
自治省としてはどういうふうにお
考えになっているか、その点をこの際もう少しはっきり聞いておきたいと
考えております。いわゆる
府県行政と
都市行政との機能的の問題で、機能を高度に発揮していくのには、そういうふうに次々に
一つの県の中に半分以上の大きな市ができてしまって、そこには県
行政というものが及ばない、県
行政というものは
一つの県の中のわずか四割かあるいは四割半ぐらいのところしか及ばないというようなことでは、ほんとうの地方の自治
行政というものが完全にやっていけるかどうか、いわゆる広域
行政の問題がかなり大きな問題になろうかと思います。従って広域
行政と
都市圏との
行政の複合性というものがその次にはどうしても
考えられなければならぬ。こういうものが、すっきりした形でいこうとするには、どうしてもやはりこの際思い切って
都道府県行政と市町村
行政との間に、何らかの処置をとらなければならない時期がすでにきておるのではないか。大臣の答弁よりも、もう少しはっきりした答弁をいただいておきませんと、例の、今提案されております新産業
都市建設促進法案の審議にあたっても、私
どもは十分に内容をつかむことができないのでありますので、大臣からもう一度その点についてはっきりと御答弁を願っておきたいと思います。