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宮地(直)
政府委員 お
手元に御配付申し上げました資料に基づきまして、
警察庁予算につきまして御
説明申し上げます。
最後の欄でございますが、
明年度予算においては、百六十六億九千八百八十五万二千円と合計が相なっておるのであります。それは本年
予算と比較いたしまして十一億三千七百四十八万六千円の
増加と相なっておるのでございます。これは
人件費の
自然増等を差し引きますと、実質的に約九億三千四百万円ばかりの
増加になる
計算になるのでございます。
これに伴いまして各
項目的に申し上げますと、第一の
警察庁一般行政費四十二億は、本年の
予算に比較しますと、一億九千六百余万円の
増加と相なっておるのであります。これは本年は
第一線の
警察官の
増加がございませんので、
地方公務員の
増加のところは一億円余の
減額と相なっておるのでございますけれども、
昇給原資並びに人事院の勧告に基づきますベース・アップがございましたために、
基本経費において
増加になりますとともに、
計算上は
減額にはなっておりますが、十六名の
国家公務員の
増加がここに含まれているのでございます。この
国家公務員の
増加は、このほかに
研究所におきましても三名の
研究員の
増加がございますので、計
警察庁におきましては今回十九名の
国家公務員の
増加と相なっておる次第でございます。
第二の
警察機動力整備の項でございます。本年をもちまして
第一線警察官の一万名の増員を完成いたします。
人員増加はございましたけれども、総合的な
警察力の
充実をはかりますために、本
予算におきまして特に
警察機動力の
整備並びにこれは
最後の
項目でありますが、
待機宿舎等の
整備に重点を置いた次第でございます。
警察機動力の
整備に要する
経費は二十五億四千二百万円余でございまして、本年に比較しまして二億三千八百万円余の
増加と相なっておる次第でございます。そのうち第一の
警察装備費十一億六千八百万円は、本年に比較いたしまして一億二千百万円余の
増加でございますが、この
経費におきまして私どもは
車両とか
ヘリコプターあるいは
舟艇等の
購入を
計画しているのでございます。
車両は約一千百台のあらゆる種類の
車両を
購入いたしたいと存じております。特に最近の
交通事情等から、今まで
交通取り締まりと申しますと白バイばかりでございましたけれども、四輪による夜間あるいは雨天に際しましても
交通取り締まりの万全を期したい、こういうふうな車種が入っておるのでございます。
ヘリコプターは二台、
舟艇は十台を計上いたしております。従来からもわずかにございましたが、諸
駐在所等にオートバイがございましたけれども、本年は特に一千三百八十台という数字をここに計上いたしまして、
第一線の
警察官の足を補充いたしたいと思っております。これは
補助金の
項目でございまして、二分の一の
補助に要する
経費とその
維持費の二分の一を計上いたして、計十一億六千八百万円の
予算をもちまして
警察の
装備の
充実をはかっておるのでございます。
次に、
警察の
機動力を発揮いたすためには、やはりこれに裏づけをいたします通信の
充実が必要でございますので、ここに有線、無線、超短波、この三
項目の
費用におきまして約一億一千七百万円の
増加となっておるのでございます。これを技術的に申しますといろいろ
専門語が出て参りますので、結果的に申しますと、関東各
県相互間はもとより大阪、京都、兵庫、それらの府県の間におきましては
自動即時化ができる。つまり
ダイヤル呼び出しができるという状態を完成いたしたいと思いまして、ここに一億一千七百万円余の
予算増額が見込まれておりますとともに、
模写電送装置等の
充実を期しておる次第でございます。
第三の
警察教養の
費用四億八千五百万円余は一千七百万円余の
増加になっておりますが、これらの
費用のおもなものは
警察官教養の教材の
整備でございます。
さらに
刑事警察に要する
経費八億五千八百万円、五を飛びまして
警備警察に要する
経費二十億六千八百万円余は、いずれもそれぞれ
刑事警察において五千三百万円の
増加、
警備警察におきましては一億三千六百万円の
増加となっておりますが、これらの
経費は
暴力団その他あらゆる暴力の排除を目途といたしまして、それぞれの
項目において
増加になって、
活動整備を中心に
経費が
増額になっておるのでございます。
第五の
保安警察の
費用は三億二千五百万円でございますが、これは
増加におきまして三千三百万円でございます。これは少年の補導、
交通の
取り締まりに要します
経費あるいは
暴力団の温床になるような犯罪の
取り締まりにおける
経費及び
交通警察の
充実に要します
経費でございますが、ここで特に御
説明申し上げたいことは、
交通局の新設でございます。従来
保安局におきまして
交通警察の
事務を所管いたしておりましたけれども、最近の
交通事情にかんがみまして
交通局を新設いたしたい、こういう
計画をいたしておるのでございます。ただ
経費的に申しますと、従来の参事官を
局長に振りかえましたために、これらは
予算的にはプラス、マイナスはないのでございます。
あと、第七、第八の
項目は特に御
説明を申し上げる点はございません。
(項)といたしまして科学
警察研究所の
経費九千六百万円、特に本年においては一千百万円の
増加となったのでありますが、この
内訳は
先ほども申しましたように、
研究員三人
増加のほか最近の
凶悪犯とか
交通事情にかんがみまして血液型並びに
微量物質の
研究の
経費を特に
増額計上いたしておるのでございます。
次の
皇宮警察本部の
費用四億六千万円余は三千四百万円余の
増加になっておりますが、これらは
皇宮警察の
特殊性にかんがみまして、その
経費に要します
費用並びにその
服装等の
改善に要する
経費でございます。
最後の(項)といたしまして、
都道府県警察費
補助の総額は四十二億三千五百万円余となっておりますが、これは本年と比較いたしまして三億五千二百万円の
増加となっているのでございます。その
内訳といたしましては、行政費におきまして一億九千百万円の
増加となっております。この
費用の
内容と申しますのは、国家的犯罪とか、一
都道府県にその
費用を負担せしめることの不適当な犯罪以外の犯罪は、全部
警察法上
補助金の対象となっておりますので、その二分の一の
経費を計上いたしておるのでございます。そのうち特に
増額等を見ました
経費は、
暴力団等の犯罪の
取り締まりの
経費、全額におきまして約三千五百万円に当たっておりますが、そういう
増額を含んでおるのであります。
第二に
施設費
補助金は五億六千二百万円でございまして、本年度に比し五千百万円の
増加となっておりますが、この
費用の
内容は県庁舎あるいは
警察署等の増改築に要する
経費でございますが、
増額にはなっておりますけれども、これは単価増の関係で、
事務量としては大体従来通りと考えております。
先ほども申しました
最後の待機宿舎
施設補助金でございますが、これはアパートのようなものを——家族ぐるみ入れまして、
警察官の非常招集等におきましても、円滑にこれに応ぜられるような
施設を作りたいという
費用でございまして、ことしは特に
増額に相なりまして、二億八千万円の
経費を計上し、本年度に比較して一億一千万円の
増加となっておるのでございます。これらは特に住宅の不足をしておる府県等に重点的に配分を
計画しておる次第でございます。
以上の
内容をもちまして、
警察庁の
明年度予算は百六十六億九千八百万円余に相なる次第でございます。
このほかに実質的に
警察の
費用と相なりますものは、官庁営繕費といたしまして三億四千万円ばかりあるのでございます。これらは今申しました科学
警察研究所の増築あるいは府県学校の増改築に要する
経費でございまして、これらは建設省所管の
経費として計上されておる次第でございます。
以上をもって
説明の
概要を終わります。