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1961-12-14 第40回国会 衆議院 地方行政委員会 第1号 公式Web版

  1. 会議録情報

    国会召集日昭和三十六年十二月九)(土曜日  )(午前零時現在)におけるは、次の通りであ  る。    委員長 園田  直君    理事 金子 岩三君 理事 纐纈 彌三君    理事 高田 富與君 理事 渡海元三郎君    理事 丹羽喬四郎君 理事 太田 一夫君    理事 川村 継義君 理事 阪上安太郎君       伊藤  幟君    宇野 宗佑君       小澤 太郎君    大沢 雄一君       大竹 作摩君    亀岡 高夫君       久保田円次君    田川 誠一君       津島 文治君    富田 健治君       永田 亮一君    前田 義雄君       山崎  巖君    安宅 常彦君       佐野 憲治君    二宮 武夫君       野口 忠夫君    松井  誠君       山口 鶴男君    和田 博雄君       門司  亮君 ————————————————————— 昭和三十六年十二月十四日(木曜日)     午前十時十九分開議  出席委員    委員長代理 理事 渡海元三郎君    理事 高田 富與君 理事 太田 一夫君    理事 川村 継義君 理事 阪上安太郎君       宇野 宗佑君    亀岡 高夫君       久保田円次君    津島 文治君       富田 健治君    前田 義雄君       佐野 憲治君    二宮 武夫君       野口 忠夫君    山口 鶴男君       門司  亮君  出席国務大臣         国 務 大 臣 川島正次郎君  出席政府委員         行政管理政務次         官       岡崎 英城君  委員外出席者         警  視  監         (警察庁保安局         長)      木村 行藏君         警  視  監         (警察庁保安局         参事官)    富永 誠美君         総理府事務官         (行政管理庁行         政管理局長)  山口  酉君         総理府事務官         (行政管理庁行         政監察局長)  原田  正君         通商産業事務官         (重工業局自動         車課長)    佐々木 学君         運輸事務官         (鉄道監督局民         営鉄道部都市交         通課長)    平出 三郎君         運輸事務官         (自動車局長) 木村 睦男君         建設事務官         (都市局長)  前田 光嘉君         建設事務官         (道路局長)  河北 正治君         日本国有鉄道参         与         (営業局長)  遠藤 鉄二君         専  門  員 圓地與四松君     ————————————— 十二月九日  地方自治法の一部を改正する法律案川村継義  君外二名提出、第三十九回国会衆法第五号) は本委員会に付託された。     ————————————— 本日の会議に付した案件  国政調査承認要求に関する件  警察に関する件      ————◇—————
  2. 渡海元三郎

    渡海委員長代理 これより会議を開きます。  園田委員長の指名によりまして、私が委員長の職務を行ないます。  国政調査承認要求に関する件につきましてお諮りいたします。  すなわち、衆議院規則第九十四条の規定に基づき、今会期中当委員会所管に属する事項につき、国政に関する調査を行ないたいと存じます。つきましては、地方行政の実情を調査し、その健全なる発展に資するため、小委員会の設置、関係方面よりの説明聴取及び資料要求等方法により、地方自治地方財政警察及び消防に関する事項について国政に関する調査を行なうこととし、議長に対しその承認を求めたいと存じますが、御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 渡海元三郎

    渡海委員長代理 御異議なしと認め、そのように決しました。  ただいま手続をいたしますから、暫時このままお待ち願います。    ────◇─────
  4. 渡海元三郎

    渡海委員長代理 警察に関する件について調査を進めます。  質疑の通告がありますので、これを許します。門司亮君。
  5. 門司亮

    門司委員 道路交通で最近非常に多く事故が発生していることは、すでに政府も御承知通りだと思いますが、ごく最近の発表を見てみましても、今月の十二日現在で各地方から報告を受けております交通事故、これは死者だけでありますが、それの数を見てみましても、昨年の一万二千五十五人より二十二人上回って一万二千七十七人という数字が出ております。そうしてしかもこれは十二日までの警察庁報告をされた分でありまして、かなり本年の終わりまでにはこの数字を上回るものになろうかと考えております。そうして事故の多い地区は何といっても、現在までで東京が千百四人、大阪が千五十三人、愛知が八百六十六人、兵庫が六百四十六人、福岡が六百二十一人、神奈川が五百八十七人、こうした大体五大府県あるいは大都市中心とした事故が非常に多いのでございまして、これは車の数が多いから当然だと思いますが、これについて政府はどういうふうにお考えになっておるのか。幸いきょうは行管川島大臣に来ていただいておりますので、川島大臣はこの問題に対する閣僚懇談会議長さんでもございますので、一つ行管として、あるいは閣僚懇談会の事情をこの際まず御報告を願えれば幸いだと思います。
  6. 川島正次郎

    川島国務大臣 東京大阪、その他各都市におきまする現在の交通状態がきわめて悪くありまして、このまま放置できないことは当然でありまして、私どもはいろいろ努力いたしまして、現在の状態を直したい、こう考えております。問題といたしましては、根本的にどうするかということと、当面の混雑あるいは交通危険等をどう解消するか、まあ二つに分けて考えておるのであります。根本的の問題といたしますると、道路整備状況に比しまして、車両増加数がきわめて多い。バランスがとれていない。言いかえれば一升ますに二升の米を盛ったような状態でありまして、これではいかに道路を整備しても、車がどうしてもふえるのでありまするから、いつまでたってもこういう状態に置かれるのであります。そこで道路整備状況と車とのバランスをどうしてとるかということにつきまして、ただいま検討をいたしております。いたずらに自動車あるいはオートバイ等の使用を禁止するというわけにも参りませんし、またこの生産を制限するというわけにも参りませんが、何かの方法をもって相当制約を加えたらどうかということなのであります。当面の問題といたしましては、交通取り締まりの面をさらに徹底強化いたしまして混雑危険防止とに資したいと考えまして、実は昨年の秋に総務長官中心といたしました交通対策本部を作って、関係官庁でありまする警察庁運輸省建設省など、それぞれ事務当局が出まして事務上の調整をいたすことにしておったのでありまするが、思うようにその機能を発揮できませんので、先般閣議におきまして、関係大臣だけで都市交通問題の閣僚懇談会を開きまして二回ほど会議を重ねて参りました。まだ成案を得ませんが、年内にさらに二、三回開きまして、成案を得次第、片っ端から解決していきたいと考えております。ただ私は、行政管理庁長官として痛感いたしますことは、今日の道路行政は多元的でありまして、道路管理者である建設省、またこれを取り締まる警察庁並びに交通主管省である運輸省との間におきまして意見調整のできない点がございます。こういうことはただ各省が集まって調整するだけでなしに、道路行政の一元化ができないか、こういうこともただいま検討いたしておるのでございます。とりあえず、さしあたっての問題につきましては速急に解決案を出しまして国民の期待に沿いたい、こう考えておる次第でございます。
  7. 門司亮

    門司委員 今大臣から答弁がございましたが、いずれ私はあとでよく関係者にお聞きをしたいと思いますが、実は今の大臣答弁の中で私どもが了承のできないのは、御承知のように道路に関する問題としても、主管省である道路建設建設省、さらに運輸関係を受け持っておりまする運輸省、あるいは取り締まりをする警察庁、この三つ機関があるように見えておりますが、日本の今日のほんとう現状を見てみますると、当面の問題としてはそこらの問題があろうかと思いますが、もう一つの問題は通産省関係が私はあると思う。道路幅員、それから混雑というようなことにかかわりなく車両の幅が非常に大きくなっておる。同時に積載量も非常に大きくなっておる。いわゆる道路強靱性とその上を走っております車との間に非常に大きなアンバランスがありはしないかということが考えられる。運輸省から出ておりまする機関誌を見てみますると、昭和二十七年に道路法が制定されて、それからずっと今まで懸案になっておりましたいわゆる車両制限に対する政令が本年の七月一日に公布されており、そうしてこれが来年の二月一日から実行されることになっておる。このことは、この道路問題に対する、あるいは交通問題に対する基本的の問題を解決する一つ方法でもあろうかと考えております。しかし、この政令に書かれておりますようなことがかりに来年の二月一日から行なわれるにいたしましても、それは将来への一つの見通しであって、決して現実の問題を直すわけには参りません。同時に大臣の今の御答弁もこれに触れておりません。でありますので、一つ抽象的のことでなくして、今せっかく大臣の方の所管から行監の結果に基づく勧告というのが出ておりますが、この勧告はどこにされたものであるか、これは運輸省建設省とさらに警察関係にされたものであるかということが一つと、今の政府の、川島さんが議長をやっておいでになる懇談会には通産省が入っておるか入っていないかということをあらためて聞いておきたいと思います。
  8. 川島正次郎

    川島国務大臣 行政管理庁勧告は、運輸省建設省並び警察庁に対して行なっております。それから交通関係閣僚懇談会は、現在は建設大臣運輸大臣国家公安委員長並び行政管理庁長官、それに直接交通には関係ございませんが、三木科学技術庁長官に入ってもらいまして、これは第三者の立場でいろいろ調整をしてもらうということにいたしております。なお、閣議申し合わせによりまして、通産大臣その他関係大臣は随時これに参加いたしまして協議を進める、こういうことをちゃんと成文で書いて申し合わせをいたしておるわけであります。
  9. 門司亮

    門司委員 そういたしますと、来年の二月一日から施行されようとする政令内容については、各省協議の上でこういう政令ができたと考えても差しつかえございませんか。
  10. 木村行藏

    木村(行)説明員 直接の所管でありませんけれども交通対策本部運輸省のみならず通産省の次官も出ておりまして、車両制限令政令については協議にあずかっております。
  11. 門司亮

    門司委員 それではこの問題は通産省も出て、この車両制限については大体了解を得ておるものだと心得えて私は差しつかえないと思いますが、この政令はすでに一部は九月一日から実行されておるはずであります。これは私よりも政府当局の方がよく知っておるはずであります。こういう政令が出て参りまして、そして一部の基本的のもののような形を示しておりますが、この政令ほんとうに国の現在の経済状態とマッチしておるかどうかということ等についても、後ほど、あるいは後日十分に質問していきたいと考えております。従って、このものの考え方の中には、御承知のように、いかにして車両運送についての事故をなくしていって、そしてスムーズに車両運送ができるかというようなことが一応の問題になっておるようでございまして、そしてこの車両制限に対する政令は、一般的には車両制限からさらに道路問題等に触れておる。同時に地方の自治体の受け持っております面がやはり書かれております。こういう広範のものでありまして、ここに一々この問題を議論する時間もないと思いますが、ついでに聞いておきたいと思いますことは、当面の問題として、ここに大臣勧告されております三つの省庁が、この大臣勧告に対して、一体どういうお考えをお持ちになっておるのか、それぞれの主管立場から、あまり時間がありませんので、ごく簡単でよろしゅうございますから、一応お聞きしておきたいと思います。
  12. 木村行藏

    木村(行)説明員 警察に対します面で、相当各事項にわたりまして勧告をいただいております。これにつきましては、私の方でさらに事務的に詳細に検討いたしまして、もっともと思われる勧告が大部分でありますので、それに基づいて国家公安委員会にも報告いたしまして、さらにいろいろ具体案を作成して、その勧告を尊重して、その趣旨に沿うように努力をして参っております。
  13. 木村睦男

    木村(睦)説明員 運輸省といたしましても、ただいま警察庁からお話がありましたように、先般受けました行政管理庁勧告の中身は、かねてわれわれもそうやりたいと考えておったこともだいぶ含まれております。なおこの内容につきましては、運輸省だけでは実現できない、関係各省協議してやらなければならないこともございますので、その緊急を要するものにつきましては、ただいまお話のありましたような交通関係閣僚懇談会等が設けられまして、関係各省協議の場もできておりますので、これにかけまして実現をはかりたいと思っております。その他の問題につきましても、目下省内におきまして、この勧告の方針に対する具体的措置を検討いたしておりまして、遠からず回答するつもりであります。
  14. 河北正治

    河北説明員 建設省部分といたしましても、勧告の線に沿いまして、道路整備の根本は先ほど大臣からお話がありましたように別といたしまして、当面できます防護策、それから道路標識整備等交通の安全と能率をはかるためにすぐできることはやっていきたいと考えております。そのほか勧告にも掘り返し防止のことがございますが、これも各都道府県単位道路管理者警察関係公益事業者等からなります連絡協議会を設けまして、掘り返しを伴う各種工事施行時期及び施行方法について、そのつど合理的に調整をはかりつつある現状でございます。
  15. 門司亮

    門司委員 きわめて抽象的な、文章に書いてあるようなものであって、私は効果も何もないと思いますが、一応質問の順序として聞いたわけであります。  大臣に率直に聞いておきますが、今日の交通事故というのは、先ほどもちょっと数字を申し上げましたように、一年に一万人をこえる死者を出しております。そうなりますと、これはほんとうにこういう平和な時期の明らかな凶器なんです。これがもし他の事件でこれだけの死者が出るということになると大へんなことなんです。非常に暴威をふるっております天災等においても、なかなかこういう大きな死者というものは出てこない。ところが、日々出てくる人的被害がこういう大きな数字になって現われてきておる。同時に物質的な損害はどれくらいあるかわからない。これは単にけがをした人、あるいは家をこわされた人だけじゃありませんで、御承知のように、道路の狭いところの、ことに砂利道などの沿道では、中小企業諸君というか、小売商業諸君はほとんど商売もできないような状態になっておる、夜もおちおち寝られない状態になっておる。どこから見ても日本交通というのは文化国家なんということの言えた筋合いではないと思います。ここには政府の施策の中に大きな欠陥がありはしないかと考えられる。御承知のように、運輸省運輸省で、ただ道路のことだけを考えておる、同時に建設省建設省で、その道路を一体どうするかということで、道路の上をどういうものが走っておるのかということについては、今日まで連絡が何もないのである。世界のどこの国に行っても、こういう交通行政をとっているところはないと思います。幸いにして閣僚懇談会ができて二回ばかり御相談をされ、さらに行管としては一応の報告書を出されておるのでありますが、この勧告書を読んでみますと、大体普通一般の人の考えておることが書いてありまして、事新しいことはないと私は思います。しかし、現状としては、やはり行管としてもこの程度のものをお出しになる以外に方法はない。ところが今聞いてみますと、各省はきわめて抽象的な答弁であって、これについてほんとうにどうしようという考え方がほとんどないのじゃないかと考えられる。そこで大臣にお聞きをしておきたいと思いますことは、閣僚懇談会というようななまねるいものではなくして、もう日本現状は、思い切って交通に関する庁なり省なりを設けて、一切の交通行政が統括され、統一された行政の行なわれることさえおそいのではないかとわれわれには考えられるのでありますが、こういう点に対する大臣の見解を聞いておきたいと思います。
  16. 川島正次郎

    川島国務大臣 特に交通問題を取り上げてお話でありますが、私は、一般行政機構というものは共管事項が多く、各省割拠主義になっておりまして、行政能率を非常に阻害いたしておりますから、これを直すために先般御審議願いまして通過した臨時行政調査会におきましてこれを取り上げていきたい、こういう考えを持っておりまして、全く門司さんと同じ考えに立っております。交通行政を一元化することにつきましては、一つとくと考えてみたいと思っておるところでございます。なるべく御趣旨のようにいたしたいと思っております。  今回行政管理庁勧告いたしましたことにつきましては、それぞれの役所が個々に考えておるのでは成果が得られぬのでありまして、それがため交通関係閣僚懇談会を開きまして、そこで取り上げまして、二回ほど行管勧告をもとにしていろいろ意見を交換いたしました。来週開かれる予定の第三回目の懇談会におきましては、具体的にものを解決していこう、こういう申し合わせになっております。できるものからどしどし一つ実行に移そうじゃないか、それを各省でもってお互いになわ張り争いをしないで話し合っていこう、これがまた閣僚懇談会趣旨でもありますから、そこで十分一つ取り上げまして速急に実行に移す用意もいたしておりますし、またそういう方向で今日閣僚懇談会を運営いたしております。
  17. 門司亮

    門司委員 どうも大臣の御答弁も非常になまぬるいようでありまして、私は、むしろ思い切って懇談会をやめて、一つ新しい省なり庁なりで主管することが、経済的に見て参りましても、今日のように日本経済が非常に発展いたしておりますときには当然の一つの仕事でなければならぬと思います。おのおのがなわ張り争いをやっておるところに私は問題があろうかと考えられる。  そこでもう一つ、二つ聞いておきたいと思いますことは、今日の日本交通問題に対する一つのものの考え方として、勧告の中にもたくさん書かれておるのでありますが、ややともすると末梢的なものだけが考えられて、そうして迷惑をするのは国民とこれに従事いたしております運転者であります。運転者の中にもいろいろ不都合な者があることは私どもよく知っております。まずそれらに対する厳罰主義ということも考えられないわけではない。しかし、先般の国会で新しい道路交通法ができて参りまして、この方面についてはかなり厳重な法規が一応できておりますが、これの実施あるいはこれの宣伝というようなことについても実は非常に欠けたところがありまして、御承知のように取り締まりだけを強くするといたしましても、取り締まりでこれが解決するものでは決してない。そこに出てくるのは道路の幅が非常に狭いか、あるいは道路の幅よりも広いような車が平然として通っているというようなこと、しかし、これは人間を運ぶ面、物を運ぶ面、いわゆる通産省側考え方からいけば、あるいはこういう大きな車も許可しなければならない、そういう事態になっておるかもしれない。しかし、道路の方になって参りますと、御承知のようにそう簡単に道を広げるわけにもいかない。従って、これは事務当局でよろしゅうございますが、この際聞いておきたいと思いますことは、日本道路の面積、幅員と車の数のふえた数あるいは車体の大型になった数がわかりますなら、ごく簡単にこの会議の終わりますまでの間に御報告なりあるいは書いた資料一つ提出をしていただきたいと考えております。  私は、こういう観点に立ってもう一つ大臣に聞いておきたいと思いますことは、大臣主管者でなく、ただたまたま行管という立場おいでになりますので、一々具体的の問題をお聞きいたしましても御答弁が非常に困難だと思いますから、総括的なものだけを申し上げて参りますが、今まで私が申し上げましたような総体的の問題を解決しなければ、当然道路交通の問題は解決しないということは大体おわかりであり、またそういうことをお考えになっておるように考えております。ところが、当面の問題になって参りますのは、何と申しましても冒頭に申し上げましたようなたくさんの人身に対します被害と物的の被害である。これについて、この勧告書にも書いてあるから読めばわかるのでありますが、大臣が最も痛切に感じられて、そうして行管としてこういうことをやったら事故がこの程度に減るのではないかというような最も重点的なお考え等がありますなら、この機会に一つ聞かしておいてもらいたいと思います。
  18. 川島正次郎

    川島国務大臣 道路交通の緩和、危険防止の点につきましては、いろいろな角度から規制をしていかなければならぬのでありまして、この手を一つ打てばそれでいいという問題でもないのであります。第一に道路に対する道徳国民一般が無関心であるということ、もう少し道路交通に対して歩く方もまた運転する方も道徳を重んじてもらうということも必要であります。しかし、私ども行管としては、そういうことを要求する立場でもありませんし、勧告にはそういうことは言っておりませんけれども、今日東京都がやっておる道路安全週間なんか一体あれでいいのか、もう少しやり方を直して、東京都民全体に道路道徳というものを高揚するような方式をとる必要があるのではないかということもございます。それから取り締まりの面からいきますと、最近運転手の素質、技能がだんだん低下して参りまして、ことに貨物車のごときは、きわめて低い賃金で雇って、相当過重な労働を強要しておる。それがために未熟練の者が多うございまして、また未成年者が多うございまして、事故を起こしやすいのでありますから、そういう場合には、事故を起こした運転手だけでなしに、これを管理する人間雇用者なり運行管理者行政罰なり刑事罰をし得る道が開かれておるのでありますから、そういうことも一つ徹底してやる必要もあるかと思っておりますし、現在バスは成年以上でしかも三年間の経験がなければ運転手たることを得ないのでありますが、一般貨物車は十八才以上ならだれでも運転できる。その年令あるいは経験年数を引き上げることも必要じゃないか。しかし、これには今日運転手が不足という状況もありますので、それらを考え合わせて至急結論を得たいと思っております。その他警察的の取り締まりとしましては、右側通行を厳禁するとか、あるいは右折をとめるとか、いろいろ警察としてもやっておるのでありまして、言うならば、今日の道路状態を打開するにはあらゆる手を打たなければならぬ、一つじゃ何としてもいけないというので、私どもも先般来この点について各省とも協議をしてやっておるわけであります。
  19. 門司亮

    門司委員 もう一つだけ聞いておきますが、これはあと阪上委員からも聞かれることだと思いますが、今の大臣の御答弁を聞いておりますと、非常に大きな点で欠けておる点があると思います。閣僚懇談会でも、現状の問題をどう打破していくかということについての最も重大な問題が欠けていやしないか。政府は、ややもするとただ単に取り締まりの問題だけに重点を置かれ、あるいは国民全体に対する交通道徳というようなことでぼやかしておりますが、今日の交通事故の最大の原因は、私は労使の関係にありゃしないかと思う。運転手はいずれも、自分の車を自分で運転している人は割合に少ないのであります。ほとんどといってもいいように、タクシーにしましても、その他の運送業にしましても、労使の関係で結ばれております。従ってこの問題を根本的に掘り下げて解決していこうとするには、当面の問題としては、またなし得る問題としては、この労使の関係をどうするかということに大臣はもう少し気をつけてもらいたい。これは単に交通行政だけでありませんで、労働行政が今日の現状には非常に大きな問題になっておる。これは年令的に一応御調査を願えばすぐ私はわかると思います。ことに事故を最も多く起こしておりますダンプ・カーのような車種に従事しておる者であって、しかも事故の最も多い年令層は一体どのくらいであるかということであります。日本の今日の賃金制度というものは、御承知のように生活給を基本にした賃金制度になっておりまして、いわゆる業種別の賃金制度ではないのであります。従って若い、ある程度スリルを感ずるような年令の者を使えば、賃金は安くあがって、やり方によってはかなり能率が上げられる。こういうずるい使用主のものの考え方がここにたくさんありはしないかと私は考える。いわゆる賃金が非常に安く使える年令層はいずれも二十前後であることに間違いない。こういうことにほんとうに今日当面の事故の原因がありはしないか。基因する問題は、道路の問題であり、車種の問題であり、あるいは運輸行政管理の問題もございましょうが、これはある点では遠因であり、基本的の問題である。根本的の策としての問題の解決はそこにあるのじゃないかと私は思う。この点を行管はお忘れになっておるとすれば、どんなに取り締まりだけを厳重にいたしましても、これはさいの河原と同じことであって、あとからあとから出てきて何にもならないと私は思う。ですからもう少し現状を取り締まるという方向よりも、そういう事件がどうして起こるかという原因に当面意を注いでもらいたい。この点に対する大臣のお考え一つお聞かせ願っておきたい。ノルマが多過ぎるとか、あるいはそういう車種に若い人間が携わってきておる。そうして大きなダンプ・カーなどに乗っておりますと、これは心理的にも、ほかの車が寄りつきませんから、英雄的な心理が若い者の中に出てくる。まるで昔の大名がそこらを通るような気持で、精神にゆるみが出てくるという言葉が使えるのか、あるいは放漫な精神が出てくるという言葉が使えるのか、そういうことが間違いの起きる原因ではないかと考えておるのでありますが、この点に対する行管の長としてのお考え一つお聞かせ願いたいと思います。
  20. 川島正次郎

    川島国務大臣 門司さんのお話は、行政監察の結果もやはり同じような現象がはっきりわかっておりまして、これにつきましては勧告をいたしております。先ほど私の御答弁にも若干触れたのでありますけれども、ただ運転手だけでなしに、運行管理者、雇い主等に対して相当の注意を払う必要があるのではないかということでありまして、これは主として運輸省所管に属する仕事でありますので、運輸大臣ともよく相談をいたしまして、なるべく早くこの問題を解決したい、こう考えております。
  21. 渡海元三郎

  22. 阪上安太郎

    阪上委員 川島大臣が十一時までに帰られるそうでありますので、少し関連して質問をいたしたいと思います。  先ほどからの論議を承っておりますと、すでに問題点というものは出ておると思う。その問題点といたしましては、まず道路が悪いということ、それから産業の分布が悪いということ、それから労働条件が悪いということ、そのほかに交通行政が不統一であること、いま一つ交通教育というものがやはり不徹底である、こういう点に問題点を見出すわけであります。それで先ほど大臣の御答弁で、緊急対策と基本対策とに分けて御答弁があったわけであります。その中で緊急対策として、広い意味の交通行政調整をやる、いま一つ取り締まりの強化、これが当面緊急対策として考えておることである、こういうふうにおっしゃっておる。そこで私お伺いしたいのですが、これは門司さんも強調されたが、交通行政調整などというなまぬるいことではだめだ、それをやっていく機関として交通対策本部は別といたしまして、交通関係閣僚懇談会というような程度では、もうだめだ、そんななまぬるい今の交通の飽和状態ではない、こういうようにわれわれは考えておるわけです。しかしながら、一応長官としても交通行政調整ということをおあげになっておるのでありますが、そういったものの具体化は、臨時行政調査会法に基づくところの調査会の活動、諮問等を待って、その結果きめていきたい、こういうお話でありますが、われわれはどうも何かそういうものがその場限りの言葉のように聞こえるわけでありますが、この際一つ今持っておられる交通行政の統一という考え方、責任体制を確立するという考え方についての構想を承っておきたい、かように考えます。
  23. 川島正次郎

    川島国務大臣 別に構想といって、まだ私は具体的に申し上げる程度に達していないのでありますが、今日の交通行政というものが運輸省建設省警察庁その他各省にそれぞれ分かれておりまして、そこに今日の交通困難を来たした若干の原因がありますからして、これを除去するためには一元化したい、こういうことであります。これをどういう方法で、どこの役所からどの部局を持ってきて、一つの一元化した省庁を作るかということについては、まだ全く成案を持っておりません。ただそういうことが必要だということを感じておりまして、その考えに基づいて、これからいろいろ練っていきたい、こういうことでございます。それからもう一つ臨時行政調査会にかけませんでも、必要なる、きわめて時間的に急ぐ問題は、機構の改革もどしどしやっていきたい、こういうことでありまして、これは臨時行政調査会の御審議の際にも、私からして特にこういうことを御答弁申し上げておるわけであります。
  24. 阪上安太郎

    阪上委員 現在いろいろな交通機関、省線とか私鉄その他いろいろなものが、ことに大都市には入ってきておりますが、そういうものは各個に自分の領域を守っておるという格好になっておる。この膨大な運行を処理していくためには、ただ単に道路行政だけではなく、そういった交通機関の一元化というか、統一、そういうものまでも含めて、やはりこういう交通行政を統一していくという考え方が必要ではないかと思いますが、いかがですか。
  25. 川島正次郎

    川島国務大臣 運輸行政に関しましては、現在の制度で運輸省が責任を持ってやっておるのでありますが、現在問題になっているのは道路行政でありまして、これがため建設省並び警察庁等が関係しているわけであります。大きな意味の交通行政をひっくるめて一元化するか、それとも道路行政だけに限って一元化したものを作るかということについてはまだ考えておりませんが、御趣旨はよくわかりましたからとくと考えてみます。
  26. 阪上安太郎

    阪上委員 いやみを言うわけではありませんが、この交通問題というのはきのう、きょうの問題ではないのであります。ここ数年来大きな問題になっておったわけなんであります。交通関係閣僚懇談会等におきましても、一体今まで何をしておられたかとわれわれは言いたい。交通に対する政府の責任なんというものは全く忘れられていたんじゃないか、こういうような感じが強いわけであります。先ほど各省からお話を聞いてみましても、すべてがまだ調査の段階にあるような感じがするわけです。とんでもないことだと私は思う。   〔委員長退席、高田富與委員長代理着席〕 今ごろ調査なんかやっている段階じゃないと思うのです。即刻実行に移さなければならない段階に来ておるのに、今長官のお話を聞いても、これからぼつぼつ考えるという調子になっておる。これは政府としてはほんとうに熱を入れてこの問題に没頭してもらわなければならないと思うわけであります。  そこでこれと関連して多少お伺いしておきたいのは、私は文教対策と言いましたが、最近児童の輪禍が非常に多いわけなんであります。これは車ばかりあるいは道路ばかりに責任を負わすべき問題ではなくして、こういう交通事故につきましては、人間そのものにやはり責任があると思う。諸外国の例などを見ましても、児童に対するところの交通教育というものは非常に徹底しているのです。これは大臣も御承知だと思います。西ドイツあたりに行きましても、すでにそういう場所を設けまして、警察官がつき添って、モデルを作って、児童に実際の交通をやらしてみて、そしていろいろの交通教育を徹底してやっている。母親たちも、子供は遊びに行きたいだろうけれども、この問題は、そういうこととは別だから、子供の命を守るためにはこれはどうしてもやらさなければいかぬというので、母親たちがつき添ってまでも現場に来てやっているという事実を知っているわけであります。そういったことをわれわれの方ではちっとも取り上げていない。交通関係閣僚懇談会というのは運輸と建設と自治省が集まって、行管がそれに加わればそれでいいようにお思いになっているかもしれませんけれども、そうではなくて、もっと総合的なものの考え方に立たなければいけない。文部大臣なんか当然入ってしかるべきではないかと私は思う。  あるいはまた、労働行政にいたしましても、この間、科学警察研究所へ参っていろいろな交通関係のことを調査したのでありますが、現在のようなわが国の状態では、自動車運転手が一日に大体百七十キロを走ると、それが限界点になって、それ以上走るということになると非常に危険な状態になる、安全運転ができない状態になるというデータを出しておる。私はそんなわずかな数字とは思っていなかったけれども、そこまで出ておる。ところがわれわれが認めておりますところのものは一日三百六十キロでございます。こんなことを平気でわが国はやっておるというような問題もあるのであります。従って、このことについても労働大臣がこれに無関係であるはずはない。だからわれわれ政府の機構に対していろいろ苦情を言うわけにいきませんが、注文をつけるわけにはいきますまいが、今言ったように文教や労働を含めた広範な交通対策というものがなければならぬ。そうしてそういうものがやはり統一された機関で行なわれていく必要がある。こういうことをわれわれは考えるわけなんであります。この際、一つさらに長官に念を押してお聞きしたいと思いますが、そういうお考えをお持ちでしょうか。
  27. 川島正次郎

    川島国務大臣 交通関係閣僚懇談会につきましては、いろいろ御議論もあると思いますが、さしあたってこの機関を活用いたしまして交通対策を進めたいと思っております。先ほど門司さんにもお答えしたのでありますが、現在の委員は直接交通関係のある運輸、建設、警察の三省庁の大臣に私も加わっておるのでありますが、自動車を製造する関係通産省、それからただいまお話しの文部省並びに労働省などの大臣にも、それぞれ意見を聞き、また随時出席してもらうということにしておるわけでございます。二回ほど開きましたときには、まだそういう大臣は出ておりませんけれども、これから逐次そういう関係大臣も出てもらいまして、問題を解決していきたいと思っております。  子供の交通問題につきましては、文部大臣に私から特に注意を喚起いたしまして対策を立てるようにいたします。
  28. 阪上安太郎

    阪上委員 これと関連いたしまして時差出勤の問題についてお伺いしたいと思います。これはあるいは行管の管轄範囲ではないかもしれませんが、長官は議長をやっておられるので……。今、時差出勤は調査の段階にあるという資料も出ておりますが、しかしながら、これはもう諸外国でも実施をいたしております。それからピーク時におけるところの交通量がそのことによって半減しておるというようなデータも諸外国では出ております。わが国ではそのことをやることによってどの程度ピーク時における交通量を緩和することができるかというようなことについても、これはもう調査の段階ではなかろう、実施の段階にきているのではなかろうか、こういうように思うわけであります。そこで時間がございませんのでどちらからもう少しまとめて質問申し上げますが、こういったものをやるためにはもちろん官界、民間の団体の協力を得ることが必要でございます。それがなければ私はもちろんだめだと思うのでありますが、そういった関係機関、民間を含めて強力ないわゆる時差出勤に対する委員会というようなものをお作りになって、これを実施に移していくことに手をつけられたらどうかと私は思うのでありますが、どういう段階にあるか、いつごろこれをおやりになるかということについて一つ伺いたいと思います。
  29. 川島正次郎

    川島国務大臣 時差出勤につきましては、すでに実行に移しておりまして、総務長官から各官庁の事務次官に対しまして時差出勤を実行するようにという通知を出しておりますし、また各官庁を通じましてそれぞれ関係の民間にもそういう要望をいたしておるのでありますが、しかしこれは各官庁の自主性にまかしてあります。時差出勤につきましては、前にも実行したことがございまして、なかなか困難な問題もあるのでありますけれども、しかし、そういう困難な問題を妥結して交通緩和をするようにということを私ども考えておりまして、なるべくこれをよけい実行するようにいたしたいと思っております。すでに実行する段階に入っておるわけであります。
  30. 阪上安太郎

    阪上委員 実施しておるとおっしゃるし、段階にあるとおっしゃいますが、私おそらくあとの方が正しいと思う。私、先ほど申し上げたように、これは常設的にそういう委員会を作って、常設的に時差出勤というものを実施していかなければならぬと思うのでありますが、この点どうでしょう、そういうような委員会ができておりましょうか。委員会でなくてもいいのでありますけれども、今の程度のような官の人たちが寄って懇談をやっておるというようなだけではだめだ、場合によっては法的な権威を与えていくということも必要ではないかと思いますが、そういった方向に進んでおりましょうか。
  31. 川島正次郎

    川島国務大臣 時差出勤を有効にするため委員会が必要かどうかということは、実はただいま初めてお聞きした議論でありまして、なおよく考えて、必要ならば作ります。とにかく時差出勤の必要性は私ども認めて、これを何とか有効に活用したいということを考えておるわけでありますが、先ほどお話ししましたが、これはなかなか実行に困難でありまして、おそく出た者が超過勤務をした場合はどうするかというような労働上の問題もあるわけであります。東京都では最近はっきり踏み切りまして、東京都一斉に時差出勤をいたしておりますが、他の官庁はまだそこまでいっておりません。御趣旨のことはよく考えてみます。
  32. 阪上安太郎

    阪上委員 その点は一つよくお考えいただいて、諸外国の例は十分に掌握されていると思うのであります。どうしてもそういう委員会等を作らないと、これは実現できないという例がアメリカの場合等にいたしましてもほとんどであります。ぜひその方向へ踏み切っていただきたいと思います。場合によれば、これはなかなかむずかしいかもしれませんが、法的措置もされる必要があるのじゃないか。  次に取り締まりの強化でありますけれども、これは先ほどだいぶお話が出ておりますが、率直にいって、警察の方では取り締まり強化なんといったって、もう手をあげてしまっている、これ以上できぬといっておる。しかし、これはできぬと言わしてはいけないのであって、さらに何らかの全知全能をしぼってやはり取り締まりは強化させなければいかぬ。しかしながら、取り締まりを強化すると同時に、逆にその方向一点張りに進むのではなくして、たとえば路面におけるところの駐車禁止というものをかりに強化する——法律上は強化されておりますけれども取り締まりの実施が強化されておらない。そういう場合に、ただ単に強化するだけでは、あれだけの車はどうにもこうにもならぬじゃないか。ですから、これに対しては路面の駐車場等を公営でもってやるような考え方を持たなければいけないのじゃないか。民間でもって十二分に償うのですから、公営で償わぬことはないだろうと思う。あるいはまたターミナルにおける、外から入ってくる大型バス等の駐車場を都心に入るまでに設置するというようなことも思い切ってやらなければ、これはだめだ。そういうことをやりながら一方において取り締まりを強化するなら話はわかる。しかし、そういうことを全然やらずに、ただ漫然と強化するということでは、警視庁あたりで困っているのですよ。路面上の駐車を許してないところにやっておるから、これは排除しようといったって、排除する手がない、どこへ持っていっていいのだかわからないというような状態で、これは非常に困っておるのであります。従って取り締まり強化と言われるが、警察ではもうすでに取り締まり強化についてこれ以上どうにもこうにも手が出ないと言っておるときに、幾ら強化しようとしてみたってだめだ。先ほど私が言ったような他の補完的な措置を講じていくという考え方を持たなければいけないのじゃないか、こういうふうに考えるのですが、いかがでしょうか。そのためには地方公共団体その他に対して援助をしなければならぬし、いろいろな財政措置が裏づけられなければならぬと思うのでありますが、こういう点いかがでしょうか。
  33. 川島正次郎

    川島国務大臣 この問題は、私よりも主管大臣から答弁するのが適当と思いますが、交通関係閣僚懇談会のメンバーの一員としてお答え申し上げるわけなんですが、お話しの通り警察取り締まりだけでいかんともできない状態に至っておるのはその通りであります。従いまして警察取り締まりとあわせて、今お話しのようないろいろな施設を実施したいというととは閣僚懇談会でも話が出ております。交通対策とあわせてそういうことを実行するような方向に持っていきたいと思っておりますが、ただ、これをすぐにやれといいましても、たとえばターミナルを作るにしても、駐車場を作るにしても、土地の獲得も困難でありますし、予算の関係もあるし、あしたからというわけにはいきませんが、なるべく速急にそういう方向へ持っていきたい、努力をいたしたいと考えております。   〔高田富與委員長代理退席、渡海委員長代理着席〕
  34. 太田一夫

    太田委員 関連。川島長官に道路整備新十カ年計画と交通対策の関連についてお尋ねしますが、閣僚懇談会におきまして、事務当局で急にやるものと、閣僚懇談会であらためて十九日か何かに御相談の上措置されるものと分けておきめになったように承っておりますが、その閣僚懇談会で今後措置することを御協議になる題目にガソリン税の引き上げというのがある。このガソリン税の引き上げというのはおそらく三十七年度一千七百億くらいのものが考えられておりますから、このガソリン税の引き上げをどう使うかということは、これは道路財源だと思いますから、十カ年計画、その中の前期二兆一千億の五カ年計画というものの遂行上の問題としてこのガソリン税の問題が関連して研究されておると思うのですが、十年先には道路は二、三倍なくてはならぬというのが常識だ。道を作らなければ混雑するのはあたりまえ、事故が発生するのはあたりまえなんだから、道路の問題だけが緊急の問題なんです。暫定的なものは車両制限だとかいろいろなものが出てくるでしょうけれども、基本的に道路をどうするかということはガソリン税に関連しますね。そこであなたの方としては、どうも私は新五カ年計画のテンポがのろい、はたで見ていると非常にテンポがゆるやかに考えられてしようがないのだが、本腰を入れて道路を改良しあるいは舗装をし、さらに新しい高速道路を作る、こういう面に思い切った一般財源をも投入する大計画の構想を持っていらっしゃるかどうか。ガソリン税の引き上げというようなこそくな手段だけでなくて、一般財源の投入を道路計画の基本として考えておるかどうか、この点のお考えを承りたいと思うのです。
  35. 川島正次郎

    川島国務大臣 五カ年間二兆一千億の計画は、財政的な面から見まして思い切って道路行政に予算をつぎ込むということは言い得ると思うのであります。しかし、これだけでは足りないと私は考えます。ことに都市の整備に足りない。現在ガソリン税は目的税でありまして、一切道路整備費に使っておるのですが、大体東京都から上がるガソリン税のうち東京都で使う金は三〇%でありまして、他の金は全国にまかれておるわけでありますが、私、考えておりますのは、さらに今日の一リットル二十六円以上に増しまして、その増した分だけは東京都から上がれば東京都に使ったらどうか、つまり還元したらどうかということなのであります。従いましてこれは二兆一千億円の外であります。しかしガソリン税値上げにつきましてはまだきわめて話が熟しませんで、それをどうかという問題として提供してあるというだけにすぎませんで、これを実施するまでにまだ用意ができておりません。一つの問題として私どもの間で話を交換している程度であります。
  36. 門司亮

    門司委員 大臣のお約束の時間が来ておりますので、これだけ念を押しておきたいと思います。その念を押しておきたいと思いますことは、先ほど私から申し上げましたように、あるいは阪上君から申し上げましたように、現在政府交通行政に対する考え方というものが非常に手おくれであると同時に、それが非常に緩慢だと私は思うのです。従ってさっきも申し上げましたように、交通問題に関する主管省あるいは主管庁を一つこしらえてもらいたい。そうして総合的の施策をここで十分にやっていくことが打ち立てられなければ、これはいつまでたったってだめなんです。道路道路で勝手に掘り返すところはどんどん掘り返していく。これは道路運送法の運輸省との関連性とかは、私は今ほとんどないと思う。建設省建設省でやる。地方の自治体がそれにならってどんどんやっていく。同時にまた、道の幅がどんなに広くても狭くても、一切おかまいなしに通産省車両を認めていく。今度の来年の二月一日から適用されます施行令の中には車両制限を書いております。しかし、この車両制限は従来の車両制限と違っておりまして、単に車の大きさだけではない、それに荷物を積んだ場合の形を大体示しておるものだというように考えられておりますが、これはこれとしても、そういう問題があってどうにもならない。それからよって来たるいろいろな問題の一つとして、私がさっき申し上げましたような労働省の関係が非常に多い。今日の交通問題の中心はほとんどこの問題ではないかと考えられる。それとの関係がある。これはほとんど考慮せられておらない。これはおのおの別のコードで勝手にやっておって、その意見調整は非常に困難だと思います。建設省建設省で、道路の幅を広げろといったって、そんなにむやみに広がるわけがないじゃないかといって建設省的の立場考える。通産省通産省として、日本の現在の経済の伸展といいますか、伸びについてのいわゆるものの考え方をとっている。そこに加えて、先ほども数字を申し上げましたように、大体大都市、大工業地帯に事故がほとんど集中をされたと言っていいほど集まってきておる。これは日本経済機構の一つの大きな欠陥だと思いますが、しかしこれも現状ではやむを得ぬことである。こういう問題を根本的に解決するために、できるだけ一つ主管省をぜひこしらえてもらいたい。そして総合的なものがここで打ち立てられて、それが日本の産業あるいは経済にマッチするような形をとっていきませんと、どうしてもだめなのです。警察庁警察庁でただ取り締まりだけをどんなに厳重にして参りましても、原因が除去されない限りは、迷惑をするのは国民とこれに従事している運転者であります。いわゆる働く者だけが一切の犠牲を背負わなければならないというのが今日の交通行政だと考える。こういう点について一つ大臣の御意見をはっきり聞いておきたいと思います。大体さっき私の意見に同感だとおっしゃっておりましたから、念を押さなくてもよろしいかと思いますが、交通行政に関する一つの新しいそういう方向に進んでいけるかどうかということをこの際あらためて聞き直しておきたいと思います。
  37. 川島正次郎

    川島国務大臣 交通行政の一元化の必要なことは、門司さんと私全く意見が一致しているのでありますが、どういう形のものを作るかということにつきましてはまだ研究いたしておりません。先ほど来繰り返して申し上げるのでありますが、なるべく早急に研究いたしまして、必ずしも臨時行政調査会を待たずしても実行できるようにしたい、こう考えておるわけであります。内容等につきましてはまだ全然熟しておりませんからお答えし得ない段階であります。
  38. 門司亮

    門司委員 大臣御用がありましたら一つどうぞ。  この際当局に聞いておきたいと思いますことは、警察当局でわかればけっこうだと思いますが、さっき申し上げましたように、この委員会が終わりますまでに、人的な被害と物的な被害の統計が警察庁にあるはずだと思います。現実に報告されておるだけの数字で私はいいと思う。これを一つぜひ出していただけませんか。できますか。
  39. 木村行藏

    木村(行)説明員 できるだけその線に沿うて資料を作りたいと思いますが、すでに手元にある材料がありますので、参事官からお答えさせていただきたい。
  40. 門司亮

    門司委員 手元に材料がございますなら、そちらから発表願いたいと思いますが、その統計は大体いつごろまでのものかということです。私どもがいただいておる統計を見てみましても、少し古いのですね。こんな古い資料で議論しておっても始まらぬので、現状の把握ができないのであります。現状の把握をこの際はっきりしておきたい。人身事故についても、死者の数は、私の方にも、十二月十二日現在報告されておる警察庁数字を私は一応持っておりますが、それ以後のものがわかりませんか。去年のじゃなくてことし一年の事実のはっきりした統計書を出していただきたい。
  41. 富永誠美

    ○富永説明員 交通事故の死亡者につきましては、一昨日の数字は今門司委員がおっしゃられた通りに、昨年一年間の一万二千五十五名を二十二名オーバーしました一万二千七十七という数になっております。従って今年一ぱいでは、大体今の予想では一万二千八百台になろうというふうな推定をいたしております。これは昨年同期に比べまして七%増というふうなパーセンテージになると思うのでございます。なお、正確に件数なり死者なり負傷者の状況を申し上げますと、これはちょっと古くて、十一月末現在でございますが、件数が四十二万二千百五十件、昨年の同期が四十万五千五百一件でございますので、九%の増、死亡者は一万一千五百八十五名、同じ昨年の同期十一月末までが一万八百三十五名でございますので、六・九%増、負傷者は二十七万五千六百八十六名で、昨年が二十六万四千百九十一名でございますので、四・三%の増という数字になっております。道路交通法施行前の状態におきましては、大体毎年、件数におきまして二一・六%、死亡者におきまして一七%、負傷者におきまして二二・二%が一年ごとにふえておった状況でございますので、それに比べますと上昇率はだいぶ下回ってはおりますが、残念なことには昨年の同期を若干オーバーしたということは非常に遺憾であると思うのでございます。
  42. 門司亮

    門司委員 物的被害はどのくらいになっておりますか。
  43. 富永誠美

    ○富永説明員 今ちょっと手元に資料がございませんので、後刻お知らせいたします。
  44. 門司亮

    門司委員 この原因については、いろいろここに行管から指摘されておりますが、行管報告だけでは、私はなかろうと思います。そのほかに警察当局から見た問題があろうかと思いますので、それについておわかりならはっきりしてもらいたい。重ねて申し上げておきますが、この問題については物質的の被害が一体どのくらいあったかということは、数字報告してあるはずでありますから、わからなければならぬはずでありますので、これもあわせてやってもらいたい。そして私の注文したいことは、家屋の全壊なんというのはおそらくないと思いますが、家屋の半壊あるいはそれに類するようなものの区別と、その軽微なもの、同時に車両に対する被害が一体どのくらいあったかということについても、物的の被害でありますから、被害を受けた方だけでありませんで、車の被害についても出してもらいたい。そういたしませんと今日の交通状態国民に及ぼしております影響の全貌がわかりませんので、一応それも明らかにしてもらいたい。
  45. 木村行藏

    木村(行)説明員 最近の交通事故増加の原因といたしましてはいろいろありますが、その一つの大きな原因は、何と言いましても車両の増加が非常に激しいという点にあります。その状況を申し上げますと、今年の五月末現在における登録自動車の台数でありますが、それが三百七十一万四千八百六台であります。これは昨年の同月に比較しまして、すなわち一年の間におきまして七十一万台の増でありまして、例年大体二割前後の増でありましたのが二五%の増であります。しかも毎年増加のパーセントは二〇%といたしましても、絶対数はだんだん上回っていくわけでありますから、その絶対数の増加は非常に大きいと思います。それからもう一つ目立ったことといたしましては原付自転車の急増であります。これは本年の四月一日現在の状況で申し上げますと、二百九十六万八千三百十一台ございまして、昨年、一年前の同月同日に比較いたしまして九十七万台の増加であります。これは四九%の増加で、ほぼ五割近くの増加ということでありまして、非常な急増であります。そういうことが一つの大きな原因であります。それからもう一つは、先ほど門司委員からも御指摘がありましたように、相当無理な運転をさしているのじゃないか、あるいは労使の関係においていろいろな問題点が背後事情にあるように考えられるのであります。そういうような状況、その他諸般の原因がありますが、ごくかいつまんで申し上げますとそういうふうな状況があると思います。
  46. 門司亮

    門司委員 閣僚懇談会があるが、その中に警察庁長官が入っておりません。しかし、公安委員長がお入りになっておればそれでよろしいかとも思いますが、しかし、こういうことについて警察取り締まり側としては所管の省に何か打ち合わせをしたような事実がありますか。たとえば労働問題については労働省に話をするとか、あるいは運輸省に話をする、あるいは通産省に話をするというようなことで打ち合わせをした事実が事務当局としてございますか。
  47. 木村行藏

    木村(行)説明員 それはあります。
  48. 門司亮

    門司委員 もしあったとするならば、その結果はどういうことになっておりますか。実はきょうは各省に出てきていただいて、大臣にも出てきていただき、そして基本的な問題について相談をしたいと思いましたが、行管の長官だけしかおいでになっておりませんので、おのおのの省のことについての基本的な政治的な問題については聞けませんでした。当面の問題だけしか聞きませんが、それに対する労働省あるいは運輸省考え方は、もし打ち合わせがあったとするならこの際一つまとめて警察側から話を聞かしていただきたいと思います。
  49. 木村行藏

    木村(行)説明員 運輸省に対しましては、たとえばいろいろな事故がありました場合に、その事故運転者雇用者側の責任を追及すべき事情があります場合に、その内容を道交法百八条に基づきましてそれぞれ都道府県公安委員会から通知をいたし、あるいは陸運局、あるいは全体としては運輸省当局に連絡いたしまして、その内容について改善すべきもの、あるいは運輸省関係行政処分をしていただく、行政監督をしていただくという面についてはそのつどお願いをいたしておるわけでございます。労働省につきましては、労働基準の問題その他がありますので、これもやはり労働基準局など第一線の機関に対しまして、それぞれの都道府県公安委員会あるいは都道府県の警察本部から具体的に連絡しまして、その内容の改善について要望いたしておるのであります。
  50. 門司亮

    門司委員 要望しただけでは一向効果は現われないのです。  もう一つ基本的な問題について聞いておきたいと思うことは、もし通産省諸君おいでになっておれば聞いておきたいと思いますが、通産省はおりますか。——来年の二月から施行されて参ります車両制限の四条五条を読んでみますると、ここに書いてあるのは、通産省としては一番痛い、あるいは道路交通に対しての一番大きな問題点だと思いますが、道路幅員車両の幅との関係制限しようとする条文が四条、五条に書いてあるようでありますけれども、これに対しての通産省意見一つ聞かしていただきたいと思います。
  51. 佐々木学

    ○佐々木説明員 通産省といたしましては、交通の円滑化ということが結局自動車産業の発展の根本の基礎になると考えておりますので、道路制限令などによって道路の——むしろ今までは車の保安基準ということが中心であったのでございますけれども、今度は道路に対する人間の保安基準というようなものが道路制限で規制されるのでございますから、その原案を最初建設省から御提示がありました場合にも、われわれはこれに対して全面的に御賛成申し上げたのでございます。通産省といたしましても、交通の円滑化、それから能率化ということについては、できるだけの協力を惜しまないつもりでおります。
  52. 門司亮

    門司委員 交通行政から考えるとそういうことになろうと私は思いますが、これは生産、いわゆる車をこしらえておる側と、それからこれを受け入れる方の側には経済機構においてかなり大きな影響を持つものだと私は思います。こういうふうに車の関係からくれば見るのですが、これに対する通産省考え方は、そういうことは全然考えないでよろしい、従来ならばかなり狭いところでも自由に車が入れました。ほとんど制限を受けておりませんからどんなところにも入れるが、われわれの考え方からいけば制限すべきだ。狭い道路にばかばかしい大きな車が入る、あるいはいなかの狭い道にばかばかしい重量を積んだ車が入って道路をこわしていく、道路を破壊するものは道路の標準性を越えた車の運行によるものだということが大体言える。車の制限でややそういうものの取り締まりができるようになって参りますと、経済との関連性が従来のようなことにいかなくなってくるのではないか、そうなって参りますと、制限はできても実際はなかなか実施されない問題が出てきはしないかということで、道路の保全との関係でこれにかわって参りますので、建設省意見も聞いておきたいと思いますが、建設省大臣は出ると言っていましたけれども、きょうは出ておいでにならないが、建設省からもこの問題についての意見をこの際一つ承っておきたいと思います。
  53. 佐々木学

    ○佐々木説明員 道路制限令によりまして、多少車の大きさそのもの、それから車に対する荷物の積み方についての制限がありまして、その場所におきますところのいろいろな経済活動、問屋街とかそういうところに多少問題が起こりましても、やはり全体の立場からいたしましてこれはやむを得ないことだというふうに考えております。これは従来の大きなバスにかわって、できましたらもっと小さいバスにかえていただけばけっこうでございますし、それからトラックにいたしましても、大型トラックにかわりまして今度は少し小さいやつをやってもらう、多少その程度の犠牲は忍ばなければならないと考えております。
  54. 河北正治

    河北説明員 道路側といたしましては、道路の構造保全と交通危険防止を目的としたものが車両制限令でございますので、これの施行によりまして狭い道を大型車が通ることができなくなります。従って、裏路地のようなところを仰せの通りダンプカーのような重い車両が通行することがなくなりまして、道路の保全上けっこうなことじゃないかと思っております。また狭い道路を大型車が通ることがなくなりますので、これに基づく交通事故、それから交通の渋滞等による交通トラブルを減すのに役立つかと考えております。
  55. 門司亮

    門司委員 どうも法律案の提案理由の説明みたいですが、私の聞いておきたいと思うことはそういうことじゃないので、そういうことが実質上行なえるかどうかということです。これはどうも困難なことだと思っております。なぜかといいますと、今日の経済機構というものは、今の御答弁のような経済機構になっておりませんので、非常に困難だと考えております。まあ行政上のことをやかましく聞いてもしようがありませんからそれ以上のことはあとで聞きたいと思いますが、問題になりますのは、取り締まりをやっております警察側の考え方ですが、今の状態では単に事故の起こった場合の事後処理と、それから問題になりますのは、取り締まりを厳重にすればある程度こういうものがなくなるではないかということが考えられておる。もう一つの問題は、ごく最近の新聞にも書いてあり、さらに懇談会等で問題になったといわれておりますが、運転者の違反に対する即決の問題が出ております。これに対する警察側の意見を聞かせていただきたいと思います。
  56. 木村行藏

    木村(行)説明員 先ほどお話に出ました行政管理庁からの勧告の中にもそれがありまして、それから私たちもかねがね考えておりますが、何せ昨年一年間でも違反者の検挙は四百三十万ばかりの膨大な数字になっておりますので、これらの処理にあたりまして、できるだけ簡素にしかも能率的にやって、一般の利便もはかり、また交通処理の簡素化からくる警察官の負担も軽くしまして、その力で、できるだけ交通整理その他交通の指導取り締まりなどについてそちらにいける、こういうような観点から具体的にだいぶ案を考えております。今検討中でございます。
  57. 門司亮

    門司委員 検討中だと言われたのでありますが、それからもう一つ突っ込んで聞いておきたいと思いますことは、これは私の言うこともかなり迂遠なものであり、また実際的のものでないかと思いますが、問題は、どうして交通事故をなくするかということが中心でありますから、運転者のそうした即決をしただけで私は交通事故がなくなろうとは考えない。ということは、今運転者自身に言わせますと、半日ひまをかけたりあるいは一日ひまをかけたりして裁判所に行ったり、あるいは罰金を納めに行ったりすることはなくなるかもしれません。しかし、交通事故そのものがそれによって完全になくなるかどうかということについては問題があろうと思う。むしろ交通事故に対する厳正なものを見つけ出していこうとするには、私は交通裁判が必要ではないだろうかと考えております。そして交通事故というものがどういう形で起こってきたかということをほんとうに一番よく世間に知らせていくのは、やはり交通裁判だと思います。そうしませんと、単に警察官の主観だけでやられ、運転者意見というものがほとんどしんしゃくされない。横から一つ飛び出してくる、その前にも一つある、あるいは前車が非常に大きな車であって、その陰に一つの車が隠れておったというような場合の追突や、あるいは追い越ししていい場所で追い越しをしたが事故が起こったというようなことは、運転者の方から言わせるならばかなり大きな言い分がある。にもかかわらず即決することは、一つ方法ではあろうかと思いますけれども、根本の問題をえぐり出すことにはならないと思う。運転者の心理を聞いてみますと、おまわりさんにつべこべ言ってけんかするよりも、はいはいと聞いていた方が何とか片がつきやすいからということで、消極的で、よって来たる原因の追及はちっともされない。そういうところにも私は交通事故の起こる一つの心のゆるみがありはしないかと思う。同時に当局の反省する資料一つもない。警察当局は取り締まりだけを厳重にすればよいということではだめだ、そこに反省する必要がある。お互いが反省し合って、そして事故をどうしてなくするかということについては、どうしてもやはり公正な裁判が行なわれて、運転者の言い分も十分に聞く、そしてやむを得ざる事故が起こったとすれば、この事故をどうしてなくするかということが次の段階で考えられていかなければ、少なくとも私はいつまでたっても事故がなくならないと思います。だから即決もいいが、こういう交通裁判のようなものが一体考えられるかどうかということ、これはしばしば議論されることでありますが、件数が多いからやれないとか、あるいは公安委員会が今決定権を持ってるので、三人の公安委員会がこういうことはやれないということはしばしば言われておりますが、この交通裁判の問題について当局者はどう考えておられますか。
  58. 木村行藏

    木村(行)説明員 違反の場合と事故の場合と若干取り扱いが変わってくると思いますが、特に事故の場合は、いろいろな原因を科学的に究明いたしまして、さらに同じ事故が繰り返されないようにするためにはどうしても客観的な科学的な手を打たなければいかぬ、私はそう思うのであります。たとえば交通事故の多発する危険個所というものにつきましては、具体的にファイル・システムにしまして、それはあらゆる角度から分折しまして、どこに原因があるか——施設に原因があるのか、運転者に原因があるのか、車自体に原因があるのか、あるいは歩行者にあるのか、いろいろな角度から科学的に積み重ねて結論を出していくということで、ファイル・システムを若干実施しつつあります。今おっしゃる交通裁判所という問題は、かねがねいろいろ言われておりますけれども、実は率直に申し上げましてまだそこまで研究はいっておりませんが、非常に研究の価値のある問題だろうと私は思います。
  59. 門司亮

    門司委員 交通事故の問題は違反と事故、こう言っておりますが、私はほとんど違反が原因だということは大体言えるかと思います。それから違反にいたしましても、運転者の側から言わせるならば、やはりやむを得ざる違反が私はあると思います。そういうものが明確になっていかなければ、やはりほんとうの仕事はとても私はできないと思います。今どんなにやかましいことを言ってもだめだと思う。外国の例をこの際引く必要はございませんが、外国の例を見ましても、私が直接外国の交通事故に対する裁判の状況を見て参りましても、やはり運転者に十分な意見を言わせていますね。相手方の車がこうしてきて、わしの車がこう走ってきて、相手の車の速度はこうでわしの方の車の速度はこうであった、だからこういう事件が起こったのだ。こういう事故についてはわしの車がこういうふうにして走っておって、相手方の車がこう出てきたからこういう事故が起こったのだ。こういう運転者意見を十分聞いて、その上で判断されている。しかし、人身傷害やその他一切がっさい、どういう事情があっても違反だと思います。そういうところからお互いが反省し合って事故をなくなしていくことが、この際やはり必要な問題だと思います。川島さんもさっき言っておりましたように、交通道徳が問題だ、歩行者に対する道徳だとかいろいろな問題があると言われておりますが、どんなに道徳を慫慂してきましても、道徳だけを慫慂してみたって解決がつかないと思う。そこには反省がなければならぬ。取り締まる方の反省、あるいは運転する方の反省というものがなければ、ほんとう事故の解決にはならないと思うのであります。警察は、何でもいいからびしびしと取り締まっていけば犯罪がなくなっていくだろうと思っているかもしれませんが、そんなことではなくなりません。石川五右衛門をかまゆでにしたってどろぼうはなくなりはしませんでしたからね。そういうことを一つ考えてもらいたいと思います。その点に対するもう少し突っ込んだ御答弁が願いたいのと、それからもう一つ、立ったついででありますから申し上げておきますが、迂遠なことを言うようですが、これは一つの真理だと私は考えてみたのでありますけれども、新聞の投書欄にこういうことが書いてある。罰金を納めたのはよろしい、われわれは交通違反をやったならば罰金を納める。しかし、その罰金を納めた金は、将来の交通違反をどうなくするか、将来の交通事故をいかになくするかということに使われるようにしてもらいたい。普通の犯罪のように、ただ違反があったから罰金を取る、その罰金は何が何だかわからないが国庫の中に入っていって、わけがわからないところに使われているのでは困る。せめてわれわれの納めた罰金が交通の安全のための施設に使われるとか、そういうことができないものであろうかという新聞の投書を私は読んだことがありますが、私はこれも一つの真理だと思います。これはさっきも申し上げた通り、違反を起こした人にそういう心理があるからそういう投書が出てくるのだと思うのであります。お互いが協力して事故をなくしていこうという、こういう点については是認しなければならぬが、幸いに私は新聞に書いてあった投書を覚えておったので申し上げたのでありますが、こういう点について、両方の説明をもう少し詳しくお聞きいたしたい。
  60. 木村行藏

    木村(行)説明員 交通裁判所の設置の問題につきましては、門司委員の御指摘のように、交通違反なり事故というものは確かに相当技術的な問題がありまして、非常に複雑な原因といいますか、いろいろな条件がからみ合っておりますので、若干ほかの問題と違う面があると思います。その分析によって警察取り締まりなり指導の反省をする、あるいはドライバーにも反省していただく、業者にも反省していただく、歩行者にも反省していただく等いろいろあると思います。たとえば海事審判というのが先生御案内のようにございまして、海事、海難の問題についていろいろな専門的な審判をいたすわけでありますが、若干それと似たような面もあると思いますので、交通裁判の設置の問題については、これは非常に大きな問題で、むしろ法務省なりあるいは裁判所系統の方々の所管にも非常に関連してきますから、これは十分に研究を積んで参りたいと思います。  それから罰金の使途の問題でありますが、これは御案内の通り、ヨーロッパの一部の国では、すでに罰金あるいは警告手数料とかいうものの使途を、交通安全なり交通の施設に充てるという制度があります。そういう面もありますので、私たちは、門司先生の御指摘のその点については全く共鳴を感じます。
  61. 阪上安太郎

    阪上委員 だいぶ基本的な問題が論議されましたし、警察等についてもこまかい問題が質疑されておりますけれども、私は少し問題点を拾って具体的に伺ってみたいと思います。  まず警察でありますけれども、いろいろな警察関係者の発言等を新聞その他で聞いておりましても、現状のままでは取り締まりはまずお手あげだというような表現が出ております。しかし、これは必ずしも絶対にこれ以上取り締まりができないのだという意味ではないと私は思っております。その中には、基本的な問題が解決されないと、警察だけではどうにもならぬという意味じゃないかと思うのでありますが、そこで取り締まりの問題について、新道交法が出まして、相当法的には強力な取り締まりができるようになっておる。しかるに、それがその通り実施できないという隘路については、これが原因はやはり追究されなければならぬと私は思うわけであります。そこで、あなたにお伺いしたいのは、率直に言って、あの道交法そのままに取り締まりをやっていくということについて困難だという面は、一つは財政面にあるんじゃないかというふうに思うのであります。先般当委員会において現地視察をやりましたときにも、いろいろと交通管制の設備等についてもわれわれは拝見したのでありますが、ああいう非近代的な設備で交通管制をやろうなどということ自体が少しこっけいだと私は思うのです。それから同時にいろいろな法をそのまま施行していくために、やはり相当な、交通関係警察官の完璧な配置が必要じゃなかろうかと思うのです。今の東京都に例をとってみましても、あの警視庁あたりの人員でもってほんとうにそれができるかどうか、おそらく私はできないんじゃないかと思う。従って、そういことについて当然警察としても強い予算要求をなさらなければいかぬと同時に、やはり政府はこれを受け入れなければならぬと思うのでありますが、一体どういうような、今度、交通関係についての予算要求をやっておられるか、その総額はどのくらいになるか、内容のおもなるものについてはこういう点で要求しているんだ、というようなことにつきまして、一つあなたからお伺いしたい。
  62. 木村行藏

    木村(行)説明員 ちょっと阪上先生の御質問にお答えする前に、門司さんの方で、若干資料が来ましたので——全部ではありませんけれども、物的損害の関係でありますが、三十六年の十月末現在で、物的損害が七十三億六千三百八十七万八千円、約七十四億近くであります。これは昨年同期の、すなわち三十五年十月末までの物的損害に比較いたしまして十九億増であります。昨年の同期は五十四億二千三百十万九千円であります。大体十九億増でありまして、三六%増でございます。それから昨年の年間全体といたしましては約六十八億であります。ただ門司さんの御要求にありました家屋の損害その他、この細目につきましては、警察の方でまだ資料がございませんので、いずれこれはさらに調査いたしたいと思います。  それから来年度の予算要求の関係でありますが、全体といたしまして、国費で三千三百二十六万円、補助金で四億六千九百六十八万七千円、合わせまして五億余りでありまして、その状況は、本年度の国費は約一千万円、補助金は約一億七千万円でありますので、国費において三倍半近く、それから補助金におきまして三倍近くの要求をいたしております。  その内容といたしましてはいろいろございますけれども、かいつまんでおもなものだけ申し上げたいと思いますが、その第一点は、ひき逃げ事犯の捜査の強化でありまして、非常に悪質なひき逃げ事犯の捜査を徹底的にやっていくという意味合いから、七千七百万円の捜査の費用を要求いたしております。  それからもう一つは、新道交法制定の際に、雇用者側の義務違反というものの追及が新しく規定として制定されましたが、この雇用者の義務違反やあるいは車両運行管理者の義務違反の事件捜査、これに約八千万円の要求をいたしております。  それから交通規制に要する施設の費用でありますが、これは約一億五千万円の要求をいたしておりまして、その中には道路標識道路標示その他交通規制に要する施設整備という費用を要求いたしておるわけであります。  それから交通安全施設の整備、たとえば信号機の設置、これは先般の道交法の制定の際に委員会で非常に要望され、一部修正がありまして、都道府県公安委員会は信号機の設置に努むべきであるという規定が入りました関係もありますが、信号機の設置に重点を置き、あるいはキャッツ・アイあるいは横断歩道の標示灯、あるいは見通しのきかない場所における事故防止ためのカーブ・ミラーというような一連の安全施設などの整備充実、これに一億三千万円ばかり要求いたしております。  それから交通安全運動に要する経費というものを約一千九百万円要求いたしております。その他いろいろありますけれども、大体そういうふうな点がおもな点であります。  それからこの際、この席をかりて答弁申し上げたいと思いますが、交通警察は、取り締まりがお手あげであるということは全然考えておりませんし、むしろ相当の自信を持ってやっております。というのは、先ほども報告申し上げましたように、十一月末現在までの死亡者において七%の増を見ましたけれども、ところが一昨年の同期に比較して昨年の同期は二一%の増でありまして、差引一四%のカーブを押えておる、減少さしているということで、死者においてすでに千五百人前後の上昇カーブを、下降カーブといいますか、上昇する勢いを押えているという点もありますので、これは私たちも、道交法の制定あるいは交通の指導取り締まりの面から、今まで毎年二〇%前後の死者の増加から見ますと、相当顕著な事実でありますので、その他交通取り締まりに関しましてもいろいろ反省を加えながら、また施設を整備しながらやれば、相当の効果が上がるというふうに考えております。
  63. 阪上安太郎

    阪上委員 毎年二〇%近くの増だけれども、ことしは七%だということで、いかにも効果が上がっている、こういう言い方であります。そんものは大して自慢にするほどの統計じゃないと僕は思う。やはり上昇カーブをたどっておることは事実だ。やはりそういう増が減に変わっていくという方向が出てこなければいけないのじゃないか、こういうふうに思う。相当努力するが、といつも言われるが、私は決して警察が努力していないのだとは言わない。努力していると思う。しかし、ああいう安い月給で交通取り締まりをやっていること自体、あなた方の頭がどうかしていると思う。やはり自動車のハンドルを握った立場で見ていかないと、後部の座席から見ているような感じでは、やはり第一線の警察官はなかなかそうはうまく動けない。そういった点についてももっと遠慮せずに、どんどん思い切った予算要求をなさることが必要じゃないかと思う。今見ると、合わせて四億三千三百六十万円ですか、五億ですか、こんなもの知れているじゃないですか。先ほど言われた交通事故に基づく物的被害額だ、こういうことだと思うのです。そうじゃないのですか七十何億と言われたのは。しかしながら、産業経済上の観点から考えてこうむっている損失などというものは、そんなわずかな数字じゃないと思うのです。十五分おくれることによって生じている被害の額から考えてみても、たとえば交差点で十五分滞留するというようなことによっても、私は大きな被害を受けていると思う。道路が悪いということだけで、輸送貨物の破損等を考えてみたって、とんでもない大きな数字になってくるのです。その場合に、あなた方が交通安全の完璧を期する意味において要求されておる予算がわずかに五億、地方自治体の財政状況は私は御存じだと思う。この間警視庁を回ったときにもあなたも一緒だったと思うのですが、あんなちゃちなことでほんとう交通管制ができるのかどうか。一々電話をかけて、そして情報を集めておる。私は科学に弱いのですけれども、やはりこのごろは電波があるのですから、電波に基づくような配慮が当然整備されていいわけなのです。だからわずか五億やそこらのものでもってこの交通地獄を解消するなどという考え方自体が非常に間違っているのじゃないかと思うのです。これで十分なのですか、これでだんだんと交通事故をなくしていくことができるのですか。この五億なんぼの補助金を入れたこれだけの予算措置でもってできるのですか、取り締まりだけの面で見てですよ。諸外国を見てごらんなさい。たとえばアウトバーンならアウトバーンを走っている車が事故を起こしたら、次のところでは、何も交通安全週間だとかいう特定のときでなくても、平常時においてもきちっとつかまえているじゃありませんか。あのくらいなことがどうして日本ではできぬのですか。結局予算でしょう。どうですか、これはもっと真剣にあなた方は責任者として考えて、要るべき予算なら当然要求すべきじゃないですか。どこに隘路があるのですか。
  64. 木村行藏

    木村(行)説明員 五億の予算要求、これで十分だとは考えておりませんが、いろいろと何といいますか、微力にしてこの程度の要求で終わったわけでありますが、実際はこれはぎりぎりでありまして、もうこの五億取ることさえなかなか大へんな問題であります。しかし、阪上さんからおしかりいただいたように非常に不十分だと思います。今後さらに十分に反省して努力をして参りたいと思います。
  65. 阪上安太郎

    阪上委員 あなた方の努力はわかるのですよ。一体どこが言うことをきかぬかということなんです。結局まずいことになるが、大蔵省を呼んでいないのですね。実際そんなものでもって日本のこの大問題になっている交通緩和、安全交通を確保しようなんと思っても無理ですよ。全国の都道府県に配付したら、こんなものはなんぼになるのですか。これはあなたを追及してもしようがないが、しかし遠慮せずにもつと強く主張しなさいということを私は言っているのです。いけなければ一つ地方行政委員会の方に訴え出てもらうということにして、この問題はあと回しにしましょう。  そこで、こまかい問題になりますが、右折禁止、一方通行、バス路線の変更措置、こういったことが問題になっていると思うのです。この場合、バス路線については種々の制約があって除外する場合が非常に多い、こういうことになっていると思うのであります。それがこの規制の右折禁止であるとか一方通行というような、緊急やむを得ず求めなければならぬ措置でありますけれども、こういったものがその規制の効果というものを妨げている、こういうことになっている。この事態について、もう少しこれを具体的に説明してくれませんか。
  66. 富永誠美

    ○富永説明員 右折と一方通行の交通規制を多くやっておるわけでございますが、その場合に問題になりますのが、一つ道路に関連いたすと思います。右折禁止をやりますと、大体原則的に、交差点を向こうに渡りまして、それから左折、左折で行くという方式をとるわけでございますが、たとえばそうするについては、大型自動車あたりが道路が通れないという場合には、やむを得ずに大型トラックの右折だけを認めるというへんてこな形が起こっているわけです。具体的に申し上げますと、環状六号を北から来まして、上通りのところの右折禁止をやっておるわけでございますが、大型のトラックをどうしてもほかの道へ通せないというわけでこれを除いておる。同じことは本田広小路、東の方でございますが、そういうところにもございます。  もう一つは、今御質問のございましたバス路線の問題でございます。これはバスに路線がありますので、私どもとしましては、その路線を変えて一般の単と同じようにしていただきたいというふうに思っておるのでございますが、これもやはり道路関係の事情もありまして、バスを除かなければならない。具体的に申し上げますと、今度は渋谷の方から道玄坂を上りまして環状六号に入るようなところは、バスだけ右折を除いておるわけでございます。その他たくさんあります。日比谷の方から来まして田村町で右折するような場合、あるいは特にトロリー・バスなどの上に架線がございますので、これはちょっと除かざるを得ない。具体的に言いますと、品川から来まして五反田のところ、大崎広小路のところを右折するような場合に、私どもとしましては、できるだけバスも同じにしてもらわないと、バスだけを認めますと、どうもずうたいが大きいだけにうまくいかない。また後続車両がともすればバスと一緒についていくというような状況も出ますので、何とか右折禁止は絶対の右折禁止にしたいというふうな考えで、それぞれどうするかということで運輸省なりあるいは建設省に働きかけておるわけでございます。
  67. 阪上安太郎

    阪上委員 そこで、そういった場合に路線変更の手続、免許、こういった問題が事務的に非常に簡素化されないと、今言ったような規制の効果をなくしてしまう。こういうことになるのですが、この点は運輸省木村局長さん、どういうふうなことになっておるのですか。
  68. 木村睦男

    木村(睦)説明員 ただいま警察庁からお話がありましたバスの路線の変更等は、道路運送法によって一定の手続をとることになっております。御指摘のような場合、差し迫って至急にそういうことをやらなければならぬという場合には、臨時免許というふうな便法がございまして、この措置をおきめになり、これを検討して、できるということになれば、手続の方で時間を食うということはしないように考えております。
  69. 阪上安太郎

    阪上委員 この際特に聞いておきたいのですが、今の点は免許、認可、変更などの手続についてはあまり時間をかけていない、こういうお話でございます。あのバスの路線の認可をされる場合に、表は別にしまして、裏通り等において、先ほども門司さんからの御質問がありましたが、ほんとうに無理な交通をさせておるところがあるのです。もちろん国民の足の確保の観点から、多少無理だと思われるところでも、あれは認可しておられるのじゃないかという気がするのですが、ああいう点について、もう少しあなた方規制を加えられる必要があるのじゃないか、こういうふうに思うのですが、どうでしょうか。
  70. 木村睦男

    木村(睦)説明員 その点につきましては、新しくバスを通します場合に、道路管理者である、たとえば東京都内ですと、都の意見を徴し、それから交通取り締まりの面から公安委員会意見をとりまして、両者からよろしいという回答をもらった場合に、そこを通しております。ただ最近そういうやり方をやっておりますが、かつてはその点の連格が不十分であったために、大型のバスを通すにはどうかと思われるような道路にバスを通しておったというところがございますが、現在では、かつてそういうことで非常に困るというふうな場所につきましては、警察からも連絡を受けておりますし、直していくというふうにいたしておりますが、今後はそういうふうなことはないように、重ねて申し上げますが、道路管理者あるいは公安委員会意見をとってやっておりますので、今後の御心配はない、かように考えております。
  71. 阪上安太郎

    阪上委員 次に、バスの停留所、それから路面電車の停留所、これらの一部廃止とか移転という問題について、一つ伺っておきたいと思うのです。これもやはり交通混雑一つの隘路になっておるというふうに承っておるのですけれども東京都においては、路面電車の停留所を交差点を越えた向こう側に持っていっているという例をこの間行って二、三見てきたわけなのであります。あれの効果はどうでありましょうか。これは警察庁の方から一つお願いいたしたいと思います。
  72. 富永誠美

    ○富永説明員 バスの停留所及び路面電車の停留所が交差点の近くにありまして、そのため交通の円滑を欠いておるという事例が相当ございましたので、できるだけ交差点からはずすように、遠いところに持っていくというふうなことを、一つ一つの場所について検討いたしてやっておるわけでございます。それで今、年末の交通が非常に幅湊いたしておりますので、年末の臨時の期間を限りまして、あるバスの停留所はどこかへ移す、それから路面電車につきましても、十二カ所ほどそこをノンストップにする。具体的にいいますと、麹町六丁目とか、あるいは国会議事堂前とか、こういった場所でございます。それから安全地帯を交差点の手前より、交差点を渡った向こうの方に、都の交通局と交渉しまして、だいぶ移したわけでございますが、その結果は、私は非常によくなっておる、二〇%ぐらい車のさばきがよくなっておるというふうな実測が出ております。
  73. 阪上安太郎

    阪上委員 そういうことだけでも交通が非常に緩和される、こういうことであります。ところが、そういった措置をとっておられる数というのは非常に少ないように思うのです。こんなものこそ緊急対策として早急に手をつけなければならぬ問題ではなかろうかと思うのですが、何さま先だつものは、私はやはり金の問題であろうと思うのであります。ところが、これらについて、ただ単に大都市地方財政のワク内でやれといったって、なかなかできるものじゃない。補助金を出してやれば、これは一番簡単であります。ところが、先ほど承った四億の補助金でこれがはたしてできるかどうか。東京都のあの停留所を全部そういうふうにやりかえたら、一体どのくらい金がかかるのですか。
  74. 富永誠美

    ○富永説明員 路面電車の安全地帯につきましては、その安全地帯を全部交差点の向こうに移せばいいじゃないかという考え方もございますが、中には、今のままあってもよいというふうなところもあるわけでございます。要するに、交差点の地形から見まして、向こうに移した方が交通がさばけるのじゃないかというところを指定しまして、その場所だけは全部移していただいたわけでございます。なお、さらに、いますこし一つ一つの安全地帯につきましても考えていきたいと思うわけでございます。その方の予算は、これは私の方の所管ではございませんで、あの場合は、都の交通局の費用でもなしに、おそらく建設局の費用で移したというふうに私は聞いております。  なお、今まで予算につきまして、たった五億しか組んでいないじゃないかという点でございますが、交通問題というものが、大体原則として地方費であるというところに問題があるのじゃなかろうか。それを国がどれだけ地方費に補助するかというその金額が非常に少ないということは、私も認めるわけでございます。予算につきましては、以上です。
  75. 阪上安太郎

    阪上委員 木村さんに伺いますが、どうなんですか。こういう問題について真剣に一つ都の建設局等と話し合いし、あるいは都を通じて、さらに建設省あたりとも補助等についての話し合いが今までなされたことがあるのかどうか。ありましたら、一つ聞かして下さい。
  76. 木村行藏

    木村(行)説明員 主として都道府県公安委員会、特に警視庁あるいは県警本部から具体的に施設改善ということについて、あるいは移転などについて、具体的な個所をそれぞれ文書でやりましたり、あるいは口頭でやりまして、建設局あるいは交通局にもう数年前からいろいろぶつけております。しかし、それがなかなか実際に実現するということは、割合にスピーディにいかないで、あるいは二年かかり、三年かかるというところもあるわけでありますが、この問題につきましては、最近の交通混雑、あるいは交通事故の激増に考えまして、もっとしゃにむにいろいろ関係方面に要望あるいは督促をして参りたいと思います。
  77. 阪上安太郎

    阪上委員 建設省では、これを補助する考え方はありませんか。
  78. 河北正治

    河北説明員 これらの費用は、やはり地方単独費で行なわるべきものではないか、こんなふうに考えております。
  79. 阪上安太郎

    阪上委員 それでは伺いますが、地方単独費で行なうべきものであるという、その理由を伺いたい。
  80. 河北正治

    河北説明員 理由というとあれでございますが、道路法では一応一級国道の一部、建設大臣が指定した区間の維持管理を行なうということになっておりまして、その他の区間においては、道路管理者が行なうという建前からいきますと、これは道路管理者に行なっていただきたい。まず道路管理者に行なっていただくことではないかというくらいなことが理由と考えられます。
  81. 阪上安太郎

    阪上委員 そうすると、道路管理者の行なうものにはすべて補助はつけないということですか、逆に……。
  82. 河北正治

    河北説明員 道路管理者の行なうことすべてに補助はつけないということではございませんで、相当大規模な工事等で相当大きな経費を要するというものについて、まず補助が行なわるべきものではないかという工合に考えております。
  83. 阪上安太郎

    阪上委員 これはやはり道路に付属したものであることだけは事実だと思うのです。あとで街灯の問題についても伺いたいと思っているのですが、それが自分のところの管轄でないということになってくると、また問題が出てくると思いますが、大体諸般の交通取り締まり関係法律というものが、すべて法律として出されておる。そうしてそういったものについて、それはやはり国の責任が全然ないという考え方で、地方でやってしかるべきであるというふうに考えること自体がおかしいことである。財源の分配の問題がそこに出てくると思う。あなたは今国と地方の財源の分配は、現在のような状態で正しいのだ、こういうふうにお考えになっておりますか。
  84. 河北正治

    河北説明員 ガソリン税につきましても、地方に一部あれしておりますし、それから軽油引取税などは地方道路整備の財源に考えられております。
  85. 阪上安太郎

    阪上委員 ですから、今の財源配分というものは大体これでいいのだ——大体補助金など出そうというときの考え方というものは、やはり現在の財源配分というものは国と地方を通じての配分が必ずしも適切でないという考え方に立っておるわけです。それでなければ、ほんとうのことを言うと、補助金など出す必要はない。ですから、地方が現在の国、地方を通ずる財源の分配において、それで十分だということになるならば、もちろん補助金を出す必要はない。そういう観点から、この問題について地方に補助金を出さないのだということであるならば、私はある程度うなずけると思う。しかし、今言われただけで、ガソリン税であるとか軽油引取税であるとかいうようなものがあるから、従って国と地方の財源というものはこれできわめて均衡を保っているのだ、こういう理屈にはならぬと私は思うのです。これはどうでしょうか。
  86. 河北正治

    河北説明員 道路整備五カ年計画の補助金関係と、それから地方単独で行なわれるべきものとの調整等におきましても、自治省と十分協議いたしまして、妥当と思われる配分になっているかと考えます。
  87. 阪上安太郎

    阪上委員 それではもう一つだけ質問をしてやめたいと思いますが、この車種別の規制に伴う問題の処理であります。最近ダンプカーだとか砂利トラックなどが横暴をきわめておるのでありますが、こういったものを含めて、交通量を減少するといいますか、時間的に分散していこう、こういうための措置として、車両別の規制を当然これは必要とすると思うのであります。ところが、最近の状態を見ると、だんだんまた規制を緩和しているように私は思うのでありますが、どういうわけでああいうふうに規制を緩和したのですか。一時は、これは道路にもよりましょうけれども、相当思い切った車種別の規制を加えておった。こういうふうに思うのですが、最近またごっちゃになってしまっておる。そこに実に足の弱いまた馬力の弱い車がその間に入ってくるというようなことで、もうごちゃごちゃになってしまっておって、そのこと自体が交通事故を起こす原因にもなり、交通混雑を生ずる原因になっておると思うのですが、これはもっと思い切った規制を加えることはできないのですか。
  88. 木村行藏

    木村(行)説明員 交通規制の問題は、最近の特に都市交通の実態から考えまして、ゆるめるということはもうほとんど考えられないで、むしろだんだん規制を高めて総合的にやっていくという方向で、規制は強化する方向に進むのでありまして、阪上さんおっしゃいましたゆるめたという点は、具体的に私も存じませんけれども、通行区分の問題かと思いますが、規制としてはおっしゃる通り高めなければいかぬという方向であります。
  89. 阪上安太郎

    阪上委員 車種別に通行区分をきめていくんじゃないかと思いますから、同じことじゃないですか。
  90. 木村行藏

    木村(行)説明員 おっしゃられる通り、やはり通行区分についてもだんだん規制を強化しまして、あるいは諸外国でやっておりますように、一定の路線に入ったらその路線は変更できないというような、固定させる規制の方法もありますし、これはいろいろ問題点がありますけれども、通行区分としてはやはり厳重な方向に進めていくべきであろうと思います。
  91. 渡海元三郎

  92. 太田一夫

    太田委員 最初に建設省道路局長さんにお尋ねをいたしますが、先ほど車両制限令の話がありましたね。今度大型車両の通行制限をするというのは、たしか道幅から一・五メートル引いたもののその二分の一の車両幅までのものの通行を認める、たとえば五・五メートル道路だと、一・五メートル引くと四メートルになって、その半分ならば二メートルですから、二メートルの車両の幅までのものを認めるというと、まずハイヤーまでしか通れない、こういうことになったように承っておりますが、そういうことでしたか。
  93. 河北正治

    河北説明員 逆に申しますと、一メートルの幅の車両が通行し得る最低の幅は五・五メートルという工合に定められております。五・五メートルから一・五メートル引きまして二で割ると二メートルですから、そういうことになります。
  94. 太田一夫

    太田委員 そういうことですね。どちらから勘定しても結果はそういうことです。従って東京都内の道は、ほとんどの道がトラック、バスは通れないということになると思うのです。七・五メートルないとトラック、バスは通れないと一口に言えると思うのです。そうすると、これは大通りといっても、昔の人の言っておる大通りで、今都電が通っておるからといって必ずしも通れない、こういうことになるだろうと思うのですが、この車両制限令を、先ほど今の時代には仕方がないものだというようにおっしゃって、またそれが道路交通取り締まり警察庁に協力をするという方針だ、これは通産省の方でおっしゃった。いわゆる小型化——制限令があるからだんだん車両が小型化してくる。これは交通取り締まりに協力することであって、通産省としてはけっこうなことだと思っておる。いわばあまりそれに抵抗のないお話門司委員に対してなされたように承っておりますが、これは通産省の方はいかがでございますか。
  95. 佐々木学

    ○佐々木説明員 積極的にけっこうだということではございませんで、要するに交通の円滑化、かつ自動車を利用することが交通能力を高めるという状態にしなければ自動車工業のほんとうの発展はあり得ない、自動車工業の発展の基盤として、やはり交通というものは自動車に乗った方が能率的なんだ、そういう状態にしなければならない。そういうことで交通能率の円滑化という建前から、車両制限令各省協議されてできました場合に、われわれこれに全面的に協力申し上げます、こういうことでございます。
  96. 太田一夫

    太田委員 そういう言い方もありましょうし、またその考え方もあながち間違っておるとは思いません。大型車両が狭い道で押し合いへし合いという状態を歓迎するわけじゃありませんけれども、高速自動車道がどんどん建設されて、日本の国の自動車は高速化するという場合に、スバル三六〇を奨励する、そして会社の重役は三六〇に乗りなさい、そうすれば地方税の自動車税も下げます、こういうような政府の施策はいかがなものか、そういう点どうですか、通産省一つ
  97. 佐々木学

    ○佐々木説明員 小型化を奨励するということではないのでございます。要するに通れない道路、つまり交通を阻害するような道路に大きいバスやトラックを走らせない、そういうことには反対はいたさない、当然であるということでありまして、車そのものがもう全然小さくなっていくことを奨励する、そういうような意味ではございません。
  98. 太田一夫

    太田委員 そうですね。それじゃこれは運輸省の方にお尋ねします。木村さん、通産省としては日本自動車産業の方向として、小型バス製造の方に道路行政とあわせて進めたいという意図を持っていらっしゃるとするならば、運輸省としては、今後バスの免許はなるべく小型車を使うようにした方がいいことになる。これには小型車で採算がとれなければ、これまた免許するわけにはいかないでしょう、片や労賃が上がり、片や燃料費、消費財が上がる、そういうところに収容人員を減らすというやり方は、近来の自動車行政のあり方の本質であるかどうか、これはどうですか。
  99. 木村睦男

    木村(睦)説明員 運輸省といたしましては、道路運送行政の建前からバスにつきまして小型を使う方向に行くということは考えておりません。一にかかってその通る道路の幅との関連において、小型でなければいかぬ、あるいは普通車、大型でもよろしいというふうに考えておりますので、行政の方針としては、バスについては全般的に小型化にしていくというふうなことはただいま考えておりません。これは事業経営の面からも、大型で通って差しつかえない道路でさえあれば、大型である方がよろしいということであります。
  100. 佐々木学

    ○佐々木説明員 私が申し上げましたことは、ちょっと言葉が足りないために不十分な点がございましたが、通産省といたしましてもバスの小型化を奨励しておる、そういう意味ではございませんから、御了承願います。
  101. 太田一夫

    太田委員 従って大型化を奨励していらっしゃるというようなことですか。
  102. 木村睦男

    木村(睦)説明員 その反対解釈をしていただくと非常に困るのでありますが、そういう考えではございません。一にかかって道路幅員並びに道路交通の円滑化に支障があるかどうかということによって、大型を使う場合にも判断いたしますし、また小型を使うべきであるという指導もいたす、こういう意味合いであります。
  103. 太田一夫

    太田委員 私は先ほど川島行政管理庁長官にお尋ねしたのですが、道を二倍か三倍にしなければ解決にならないのだということを言ったわけなのです、ガソリン税の問題というのでちょっと言ったのですが、大体道路を直さぬでおいて、自動車を大型にしようが小型にしようが、運輸省木村さん、あるいは警察庁木村さん、ともに両局長ががんばっていらっしゃっても、これは来年、両来年となればなるほど手も足も出なくなることは火を見るよりも明らかでしよう。道路の十カ年四兆九千億計画というものがちゃちなことは、その業界の方はみんな異口同音に言っておる。最低これを倍にしなければいかぬ、しかも前五カ年計画において七割くらいをやれと言っている。従ってそれに対しては、きょうは大蔵省はいらっしゃいませんけれども、ことしの建設省道路第一年次計画については、さらに何千万円かを削るという動きさえある。われわれは与党議員ではないからあまり予算の内容は詳しくありませんが、うわさに流れておることはそうである。従ってそういうような考え方で、道路の方は建設省には作らせない、金を出さない、やるなら地方単独でやりなさい、こういうようないわゆる手放しの自然放任のままでは、これはもう来年度えらいことになる、再来年度ますますえらくなる、こう思うのです。そこでこれは運輸省木村局長さん、今の大型、小型はときによっての使い分けでございますという曲芸でいくといたしまして、バスの小型化というようなことを考えますと、これに車掌と運転手を乗せて二人で三回平均、細い道を通らせるということは、これは商業採算ベースに乗りませんよね。その場合に車掌をなくしてしまって、ワンマン・カー方式だというようなのがかつてありましたけれども、そんなことに逆戻りすることは、今日の交通のラッシュ時代から考えるとまことにもって危険きわまることだと思う。そういう点はどうですか。
  104. 木村睦男

    木村(睦)説明員 全くおっしゃる通りでございまして、小型化しました場合にも、車掌と運転手を両方つけてやるということは、経営の面からいいますと非常にまずい格好にはなります。しかし、東京のような交通が非常に混雑しております都会内で、かりに小型の車を動かすといたしまして、経営の面からいうとワンマン・カー式の方がいいにはきまっておりますが、交通事故防止その他の観点から、やはり車掌をつけなければいけない、かように考えております。そこでそういうことがバスの事業経営全体にどう響くかということになって参るかと思いますが、そういう点は今後の課題としてよく研究していきたいと思います。
  105. 太田一夫

    太田委員 従って、課題としては運賃値上げということになるのですね。もうわれわれは覚悟しなければならぬと思っていますけれども、だんだんと将来そういうことになるのでしょう。あまりいいことじゃないですよ。それはみんないいことじゃないのだ。それは何のためかというと、一に道路が狭いということに基因するのですから、警察庁警察庁として交通取り締まりに重点を置く、これは現在の当面の対策としてやむを得ませんから、一生懸命その対策に力を注いでいただく。通産省通産省として、建設省の奨励によって小型も作らなければならぬ、小型の車も作って大型の方の無制限の拡大を押えるということも仕方がないでしょうけれども道路という問題については、各省それぞれの立場を総合して、ぜひとも道路の二倍、三倍建設案というものに帰一していただきたいと思うのですよ。そこで東京道路のことが盛んに言われておりましたが、京阪神の道路もえらいですね。木村局長さんいかがですか、京阪神の道路計画あるいは混雑というやつもひどいということは御承知でしょうね。何か対策をお持ちですか。
  106. 木村行藏

    木村(行)説明員 最近の状況では、大都市周辺の交通事故及び交通混雑が相当出ております。京阪神も非常にそういう点は目立って出ておりますので、存じております。
  107. 太田一夫

    太田委員 人口千人当たりの自動車保有量というのが、東京が一番多いかと思うと実は大阪なんですね。この大阪というところが案外ネックになっているという点もある。それは建設省が先ほど言った通り大阪大阪の方で道路管理者が責任者だということになると、道路は百年待っても直りません。建設省は一級国道も地方団体に依存されておる。二級国道の改良舗装費も地方団体に負担させている場合もある。これはいつまでやるつもりですか。当分の間一級国道でも二級国道でも地方団体に改良費を負担させるのですか、先ほどのあなたの御意見からすると。
  108. 河北正治

    河北説明員 先ほどお答えいたしました中に、ちょっと言葉が足りなかったところがあるかと思いますが、先ほどは電車の停留場の安全地帯の移転というような費用まで補助を出さないかというような工合に御質問を私聞き間違えましたので、そのような費用につきましては地方道路管理者にやっていただきたい、道路管理者の費用でやっていただきたいという工合に申し上げたつもりなんでございまして、道路の改良全部について道路管理者の費用でやれというようなお答えをしたつもりではございませんので、この点は御了解願いたいと思います。  それから、ただいま一級国道、二級国道その他の道路についての補助率をこのままでいくかということでございますが、その点におきましては道路整備五カ年計画というもので行なわれております。現在のところでは、四十年まではこの負担率、補助率で参りたいという工合に考えております。
  109. 太田一夫

    太田委員 二千三百二十五億円の三十七年度予算を要求して、千七百億円のガソリン税を見込んでおる。そこで大蔵省は二千三百二十五億円の建設省の五カ年計画の初年度計画も多過ぎるから少し減らしたらどうかといううわさがあるということを先ほど申し上げたけれども、あなたのいう今の二千三百二十五億円という予算はちゃちにすぎる。しかも地方の単独事業というものに対しては野放しだ。なるべく単独でやってくれということを裏で奨励しておる。その単独事業というのは、場合によっては非常に多額の金を住民にまで負担させておるのですから、このことを考えますと、建設省はこの際道路に対する費用負担をはっきりと、大事な道は全部建設省だ、国庫負担だ、国家が負担するというところまで踏み切らなければ、道路の改良は十年たってもだめではないか。五カ年計画を繰り返しても、昭和四十五年のときに何ともならないことになっておりはしないか、こういうふうに思うのですが、局長さん、どうですか、その辺のところは。
  110. 河北正治

    河北説明員 現在の段階におきましては、現在の負担率、補助率を生かしていただきたいという工合に考えております。
  111. 太田一夫

    太田委員 きょうは予定の時間を過ぎておりますし、それから御答弁をしていただく方々にもまた大へん御都合があるようですから、あとに質問を持ち越しまして、きょうはこれで終わらせていただきます。
  112. 渡海元三郎

    渡海委員長代理 本日はこれにて散会いたします。    午後零時四十二分散会