○
有吉説明員 お
手元にお配りいたしました
資料に基づきまして御
説明を申し上げます。
まず最初におきましては
発行市場の問題でございますが、
増資の
状況から御
説明いたします。
増資状況調といたしましてお配りしました
資料は、
有償と無償に分けまして、
全国の
上場会社分、それから全法人、これを
四半期別に分けて掲示したものでございます。問題は
有償増資の点にあるかと存じますので、その点を
中心にいたして御
説明いたします。
三十六
年度の欄をごらんいただきたいと思いますが、三十六
年度の第一・
四半期におきましては千百二十四億の
有償増資が行なわれたわけでありまして、三十五
年度の四百八十七億に比べまして二倍強の
増資になったわけでございます。第二・
四半期におきましても同じように千七百三十四億円で、これは前
年度の二倍弱というような
傾向を示しております。特に九月に至りまして千五十五億というのは、一月におきまして千億を突破したのはこれが初めてでございます。第三・
四半期に至りまして千九百一億、これまた前
年度に比べまして二倍強、三倍近くの相当大幅な
増資でございます。かような
増資の
状況が続きまして、当時
増資のために株を換金売りするというようなことから、市況にも
相当影響を与えたのでございます。従いまして、十一月におきまして
増資等調整の
懇談会を開催いたしまして、
増資に関する
自主調整策が講ぜられたのでございます。その結果、第四・
四半期におきまして
合計千四百七十二億円の
増資に相なったわけでございますが、これは
増資調整以前の
希望額を加えますと、実に二千七百億円に相なる予定でございます。特に三月におきましては千億円を突破するような形勢を示したのでございます。これが
調整の結果三百二十六億という
数字にとどまりましたために、千四百七十二億の
増資ということに相なったわけでございます。三十六
年度総計をとりますと六千二血三十億円ということに相なったわけでございます。三十五
年度四千百十川億円に比べましても相当な額でございます。三十七
年度に入りまして、四月が六百六十五億、五月が五百二十四億と相なりました。六月につきましては実は
希望額が七百億円に達するということが言われたのでございます。そこで三十七
年度の一月に、この三十七
年度の第一・
四半期の
増資の
情勢を
見通しまして、
増資等調整懇談会を開催いたしました。この六月の
増資を
中心にいたしまして
調整をはかった結果、
実績としましては千五百八十億円ということに相なったわけでございます。
調整の行なわれない前の
数字といたしましては千九百億円というようなことに相なっております。第一二・
四半期の
見込みでございますが、やはり七月には五百億円以上、八月には七百億円というものが予定されておるのでございます。特に九月におきましては八百億円をこす
増資の勢いでございます。これまた五月に
増資等調整懇談会を開催いたしましてこの間を
調整いたしまして、九月が大体四百五十億
程度ということを目安にいたしております。大体第二・
四半期の
見込みといたしましては千七百億円
程度で、前
年度と同じような
水準と考えておるのであります。かような
増資の
調整をいたしますならば、大体三十七
年度は三十六
年度並みの六千億円
程度ということに
増資がとどまることも、時期的なバランスがとれれば無理なく行なわれるのではなかろうか、かように考えておる次第であります。
次に、
発行市場の
一つの
起債市場の
関係でございますが、この点につきましては、お
手元には
資料はお配りしてございませんので、口頭で御
説明いたしますと、
政府保証債、
地方債、
電力債及び
一般事業債を合わせまして、
昭和三十五
年度には四千七百五十九億円の
発行を見たのでございます。
純増ベースで申しますと四千百四十六億円でございます。それが三十六
年度には、
金融引き締め措置によりまして
金融機関の
手元資金が不足して参ったこと、あるいは
公社債投信による消化の一段落というようなことを反映いたしまして、二千九百二十七億円というものに激減したのでございます。
純増ベースをとりますと二千五百三十億円でございます。内容的に申しますと、
電力債は特に千三百九十一億円というものから七百七十九億円というものに、また
一般事業債は二千四百十四億円から千九十六億円というものに激減したのでございます。三十七
年度に入りましてからも
市場の
状況は早急に
改善されるとは思われません。第一・
四半期中の
発行実績をとりますと、毎月大体
政府保証債が五十ないし六十億円、
地方債が十八ないし十九億円、
電力債、
一般事業債、それぞれ大体五十億円
程度、
合計いたしまして百七十億円ないし百八十億円
程度でございまして、おおむね三十六
年度第四・
四半期の
横ばい程度の規模で推移しておるのでございます。
以上で
発行市場の
関係の御
説明を終えまして、次に
流通市場の
関係で、
株式市場の
概況につきまして御
説明いたしたいと思います。
お
手元の
資料でございますが、
株式市場の
概況は、まずもちまして
東京証券取引所の
市場第一部につきまして、
株価の
動きでございますが、旧
ダウで申しますと、三十人年は御承知のように非常に波乱に富みまして、七月十八日に一八二九の
高値をつけ、十二月十九日に一二五八の
安値をつけたのでございます。その後持ち直しをいたしまして、年初、一月四日の大発会の日には一四二五・三〇ということに相なりました。その後
漸騰を続けて参ったのであります。千五百円台に至り、ついに二月に入りましてもこの
漸騰の
歩調が強かったために、特に値
動きの激しいもの、また
回転日数等の多い八
銘柄につきまして一〇%の
増し担保の徴収の
措置を
証券金融会社及び
証券取引所において行なったのでございますが、二月十四日に、至りまして二五八九・七六という、いわゆる
戻り新価をつけまして、これが本年の今までの
最高になっておるのでございます。こういった
高値歩調に移りましたのは、
需給関係の
好転を見ました
環境下におきまして、
国際収支の
早期好転見通し説というものが材料となりまして、中型なり小型の株が
中心になりまして上がってきたのでございます。その後三月におきましても大体一四〇〇ないし一五〇〇台で終始いたしておったのでございます。四月に入りまして
漸落の
歩調をたどりまして、四月六日には一四〇一ということに相なったのでございます。先ほど申し上げました
銘柄別の規制はこの日に解除いたしたのでございます。四月二十五日に二二四二・三〇という
安値をつけまして、これが第一部の
平均では本年の
安値でございます。その後若干ずつ高くなっておりまして、五月の
連休明け九日には千四百円台を取り戻したのでございます。その後は千四百円台で終始いたしておりますが、五月二十九日に直りまして
ニューヨーク株式大暴落の報を入れまして、心理的な
影響でございますが、一三七五・六九ということに相なったのでございます。その後若干戻し、また下げということが続きまして、昨日の六月四日におきましては二二九五・三二ということに相なったのでございます。四月、五月の低迷は
景気調整の浸透に伴うところの
企業の
実績悪化懸念というもの、あるいは
国際収支均衡回復遅延懸念というもの、あるいは
金融逼迫による買い控え、あるいは
内部要因といたしましては、二月中旬にかけまして若干騰貴いたしました
株価が、そのために買い建てを
信用取引によってつけておりましたものが、決済の期限が到来いたしたために拡充したというような原因が直なっているものと思うのであります。
次に
単純平均は大体
ダウ平均と同じように動いておりますので省略させていただきますが、
平均利回りは一月、二月、高いときにおきましては三分六、
七厘台を
中心にいたしましたが、漸次
低落とともに
利回りが高くなりまして、四分一、二厘というところに現在は来ておるのでございます。
なお一日
平均売買高につきましては、昨年中は上半期におきまして
売買高が多かったのであります。下半期にその減少を見まして、
年平均をとりますと大体一億株ということに相なっております。それが、一月に入りまして、
株価の
上昇とともに一億五千万株
程度、二月に入りましては、日によって二億株を突破することもございました。しかし
株価は漸次
低落するとともに、七、八千万株
程度に落ちついたのでございます。三月、四月、月の
平均をとりますと、大体八千万株ないしそれをこえるというような
程度で、非常に
取引高は低調を来たしておるのでございます。
日証金の
差引融資残につきますと、年初二百九十五億円から始まりまして、一月末におきまして三百五十一億円、二月末三百六十七億円、三月に至りまして非常にふえまして、二十七日には四百二十二億円ということで、
日証金の
残高では
最高を示したのでございます。それが四月に入りまして漸次減って参りまして、十八日に三百二十二億円というのをつけまして、百億円減ったということに相なった。その後も三百五、大十億円台に終始いたしておるのでございます。
次に
市場第二部の模様でございますが、
株価につきましては、昨年十月二日の
発足の日には二五七・五〇という
ダウで始まったのでございます。それから後に
低落を来たしておりまして、二〇三・八四というところまで
低落したのでございます。本年に入りまして、昨年末からの
上昇機運がそのまま持続いたしまして、一月四日二七〇・二二、その後も逐次
上昇いたしまして、三百をこえるというような
状況に相なりました。三月に入りまして、二十九日に三五七・六五という、本年最
高値をつけたのでございます。しかし、その後は
漸落に終始いたしておるのでございます。一部と同じような
歩調をとるに至ったのでございます。三〇〇台を割るというようなことに相なって、六月四日、昨日の
数字はここに漏れておりますが、二九五・七七ということで、三〇〇を若干割っているというところでございます。
次に
平均利回りにつきましても、高いときには三分を割りまして、
二分台というようなことで終始いたしておったのでございます。最近に至りまして、また
株価の
低落とともに三分台に回復したということでございます。
それから、一日
平均売買高を見ますと、一月、二月におきまして二部の
株価が高くなって参りますとともに、
売買高が非常に多くなりまして、一時は二千四百万株にも達したのでございます。その後
漸次取引高は減って参ったのでございまして、最近におきましては三百万株台に終始、大体昨年の二部の
発足当時の
状況に戻ったのでございます。
なお一部に戻りまして恐縮でございますが、
株価につきまして最近特に顕著なることは、
大型株がさえないということでございます。これの
指標を参考までに申し上げますと、昨年の三十六年七月十八日の
高値、三十七年五月三十一日、ごく最近の五月末の指数とを比較いたしまして、
ダウにおきましてマイナス二五・二九%、二五%の下げを来たしたのでございます。ところが
大型株——この
大型株は資本金百億円以上、小型株は資本金十億円未満、その他のものを一応中型株と呼ばしていただきまして、大体四十ないし六、七十の
銘柄をとりまして、取引所において積算をいたしました結果を申し上げますと、
大型株におきましては、同期間におきましてマイナス二七%をつけておりまして、
ダウで二五%の下げを上回った下げを来たしておるのでございます。ところが、中型株におきましては一〇%の下げでございまして、
ダウの二五%に比べて下げ幅は少ない。しかるに小型株におきましては七%逆に騰貴をしている、プラスの七%ということに相なっている次第でございます。
次に、投資信託の
関係につきまして御
説明いたします。
三十六
年度におきまして、単位型の株式投資信託におきまして三千九百十一億円の設定を見たのでございます。これは
一般に相当の好況を見た結果でございますが、特に三十六年八月までの
数字をとりますと、月
平均三百五十億円ないし五百億円の設定を見ましたが、九月以降におきましては、それが百億円ないし二百億円に減っておるのでございます。三十七年に入りまして、五月を除きまして、各月とも二百億円を突破しておるのでございます。これは昨年の十一月、十二月の設定額を上回るような
数字でございます。
解約額につきましては、千三百億円ということが三十六年の
数字でございます。これは
株価がさえませんときにはむしろ逆に解約の方は減りぎみであるということがこの場合においても言えるのでございまして、先ほどと同じように三十六年八月までの解約額は月
平均百二十八億、ところが九月以降におきましては八十八億五千万というふうに相なっております。三十七年に入りまして、一月以降におきましても、大体一月、二月は先ほど御
説明をいたしましたように
株価が若干戻したのでございますので、百二十三億なり百二十五億の解約額を示しております。その後
株価の
低落とともに解約額は減少を来たして九十六億なり八十二億ということに相なっておるのであります。この解約額と残存元本との比率をとりますと、一月から二月におきましては一・八%、三月一・七%、四月が一・四%、五月は一・一%、かようなことになりまして、単位型におきますところの解約の残存元本に対する比率は、昨年の上半期大体二%
程度でございますので、相当減っておるということでございます。その結果、年間または月間の増減、一番右の欄をごらんになっていただきますと、三十六年の総計では二千五百十二億ということになりまして、本年に入りまして、二月、三月は百二十九億円なり百二十七億円の増を示しておりまして、昨年九月以降最も高い
増加を示した月でございます。
次に、追加型でございますが、三十六年におきましては、総計千七百二十六億円の設定を見たのでございます。ところが三十七年に至りましては一月に百二十一億、その他の月におきましてはさしたる設定を見ておらないのでございます。解約に至りますと、三十六年は二百五十六億円ということでございますが、三十七年に入りまして相当多量の解約が出ておるのでございます。単位型につきまして御
説明したことはここにはあまり当てはまらないということになっております。その結果、年間または月間の増減におきまして本年二月以降赤字を示しておる次第でございます。
基幹産業投信におきましては、昨年の十二月に二百四十四億の設定を見ました。その後二十三億、二億と若干の解約を見ました。追加設定は今までのところございません。そこで基幹産業投信の残存元本は二百十九億円ということに相なっておるのでございます。
株式投信
合計でごらんになっていただきますと
数字の通りでございますが、特に御注目願いたいのは、年間または月間の増減におきまして本年の三月にわずかではございますが、三億足らずではございますが、赤字を示したのでございます。これは実に六年ぶりのことであります。ただ六年以前の
状況とはだいぶ様相を異にいたしておりまして、以前は、二十九年一月から三十一年三月まで二十七カ月をとりますと、元本の
増加をしましたのは十一カ月、純減が実に十七カ月も続いたのでございますが、三十年中二月、三月、五月を除きましてすべて純減でございます。ただこの純減の原因は、単位型の不振によるものでございまして、単位型は二十九年四月末の七百九十億円の残存元木から三十一年の三月には五百七十三億円に減ったのでございます。本年に入りまして、三月にわずかながら純減を見ましたが、これは主として追加型の
影響によるものであるということと、六年前の様相とはだいぶ事情を異にしておるのでございます。しかし四月四十四億、五月四十二億、株式投信全体としましては相当持ち直してきているのでございます。
次に、
公社債投信でございますが、三十六年におきまして二千四百四十四億円の設定を見ました。特に一月から六月までの設定が圧倒的でございます。解約額につきましては逆でございまして、七月から十二月までの八百八億、月
平均百三十四億円の解約を見まして三十六年の解約額が八百八十四億となっておるのでございます。三十七年に至りましても一月が百六十億円、その後百二十億円なりの
状況を続けております。四月が九十億円、五月百十三億円、解約が若干戻しぎみでございます。その結果、年間または月間の増減では、本年に入りましても解約は続いておりますが、その純減の幅はだいぶ狭まってきた様相でございます。
公社債投信を内容的に申し上げますと、三十六年一月におきましては個人の
金額におきますところの比率が六八%でございました。相当法人筋の金も入っておったのでございます。二月にそれが八九・五%になり、三月以降は九〇%以上が
金額においても個人ということになっております。三十七年に入りましては九六%ないし九八%まで個人、件数におきましては九九・九%まで個人ということに相なったわけでございます。それから一口当たりの
金額で見ますと、三十六年一月には二十四万円、相当大口のものをかき集めたというような様相でございます。二月ないし五月におきましてはそれが十九万円から十二万円台に下がりました。六月は九万円、ところが昨年の十二月からは毎月二万円台ということに非常に小口のものになったわけでございます。三十七年の毎月をとりますと二万円台に終始しております。
公社債投信が本来の姿に立ち戻っておるということが言えるかと思うのでございます。
簡単でございますが、御
説明といたします。