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佐竹説明員 ちょっと
お話の
内容が少し入りまじってしまいましたものですから、少し整理さしていただきますと、ここに印鑑をめぐって二つの問題があるわけでございますね。
一つは
預金をいたします。ついてはその払い戻しをするときにはこの印鑑とこの印鑑を押して出しますよ、といって
銀行に届けたものがあるわけです。それは黒島さんの印というものが
一つ、それから井村さんの印が
一つでございます。黒島さんの印はすでに従来から当座
取引をしておられました。その当座
取引をしておられたときに使っておられたと同じ印鑑を今度もまたお届けになったわけでございます。まずそういうように
預金引き出しの際の、
つまり届け出印鑑というものがそこにあるということ。
それからもう
一つは、
先生御指摘の点は委任状の方の問題、
つまり黒島さんの委任状が
本人が出したものかどうかということ。それで黒島さんの委任状に押してありますところの印鑑が、これがまた当座
取引に使われておる印鑑と同じ印鑑が押してあるわけでございます。それで
先生は、なるほどそれは同じ印鑑を押してあるかもしれないけれ
ども、しかしその委任状は黒島氏の意に反して出されたかもしれないというあるいはお疑いをお持ちになっていらっしゃるのではないかという、これは推測でございますけれ
ども、そうだとすれば、これは確かに
本人が発出したものであるという確認は何か、それは印鑑
証明をとって確認になるかどうか私は多少疑問だと思いますけれ
ども、何らかの方法で
本人が出したものに違いないという確認をすべきではなかったかということでございます。その点は私もおっしゃるように、念には念を入れるとすれば、あるいはそういう点もう一ぺん黒島さんにこの委任状は確かにあなたお出しになりましたか、といってお確かめになることは、それはもう万全の策かと思います。しかしその点は、それをしなくてもすでに当座
取引でお使いになっている判を現に押しておられるし、しかもこの委任状を持ってこられた方が全然第三者が突然として持ってきた、あるいは相手方であるところの
太平石油の人が勝手にこれを持ってきたということだとすると、そこに一脈のいわば疑いを抱くチャンスがあるわけでございますね。ところがそのときに話しにこられたのは
太平石油ももちろん来ましたけれ
ども、同時に黒島さん側の方が
一緒に
見えて、そうして
銀行と話し合ってきめておられるわけであります。してみれば、
銀行としてはそれ以上突っ込んで、これはあなた
ほんとうですか、うそですかということまで言うのはあるいは黒島さんに対して礼を失することになるかもしれないという感じもいたします。しかしこの辺は、かりに委任状というものを非常に重視した場合の議論でございまして、実際上は先ほどから申し上げておりますように、
預金の方はちゃんと正規に届けられたこの二つの印が押されて、そして出されておるわけでございまして、従って、表向きとしては委任状を使って井村さんだけの判でおろしたという事実は全くないわけでございます。そうだとすると、この委任状の効力をめぐっての論争というものは、本件
預金引き出しに関する限りは全然出てこないわけでございますね。また議論をする必要が出てこないような事態に実はなっております。それを
先生のおっしゃるように、初めは井村だけの判でおろしておいて、あとから何冊かまとめて
〔有馬(輝)
委員長代理退席、
毛利委員長代理着席〕
黒島さんの判を勝手に押したのだとおっしゃいますけれ
ども、それは、それこそ
ほんとうに事実
関係が問題でございます。どういう
証拠をもってそういうことをおっしゃるのか私
どもわかりませんけれ
ども、少なくとも
預金を扱っておった
銀行側に言わせれば、そういう事実はございませんと言っております。従って、ただいまの委任状についての印鑑
証明をめぐる
お話は、少なくともこの
預金の引き出しに関しては一応
関係がない話であります。その点
一つ御了承をお願いしたいと思います。