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1962-04-04 第40回国会 衆議院 大蔵委員会 第30号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十七年四月四日(水曜日)     午前十時五十二分開議  出席委員    委員長 小川 平二君    理事 鴨田 宗一君 理事 黒金 泰美君    理事 細田 義安君 理事 毛利 松平君    理事 山中 貞則君 理事 有馬 輝武君    理事 平岡忠次郎君 理事 堀  昌雄君       足立 篤郎君    伊藤 五郎君       岡田 修一君    金子 一平君       久保田藤麿君    田澤 吉郎君       津雲 國利君    永田 亮一君       濱田 幸雄君    藤井 勝志君       坊  秀男君    吉田 重延君       佐藤觀次郎君    田原 春次君       芳賀  貢君    広瀬 秀吉君       藤原豊次郎君    武藤 山治君       横山 利秋君  出席政府委員         法制局参事官         (第一部長)  山内 一夫君         法制局参事官         (第三部長)  吉國 一郎君         総理府事務官         (宮内庁次長) 瓜生 順良君         大蔵政務次官  天野 公義君         大蔵事務官         (主計局長)  石野 信一君         大蔵事務官         (主計局法規課         長)      上林 英男君         大蔵事務官         (管財局長)  山下 武利君  委員外出席者         大蔵事務官         (管財局国有財         産第一課長)  細川 俊三君         専  門  員 抜井 光三君     —————————————  委員竹山祐太郎君辞任につき、その補欠として  藤井勝志君が議長の指名で委員に選任された。     ————————————— 三月三十日  国民金融公庫の農地被買収者等に対する貸付け  に関する臨時特例法案綱島正興君外六十九名  提出衆法第三三号) 四月二日  たばこ販売手数料引下げ反対に関する請願(愛  知揆一君紹介)(第三二三七号)  演劇入場税撤廃に関する請願多賀谷真稔君紹  介)(第三二三八号)  在外財産補償に関する請願池田清志紹介)  (第三三〇九号)  国税通則法制定反対及び減税に関する請願(  猪俣浩三紹介)(第三三三七号)  同外三十二件(井伊誠一紹介)(第三三八四  号)  同(東海林稔紹介)(第三五五五号)  同(田中織之進君紹介)(第三五五六号)  同(広瀬秀吉紹介)(第三五五七号)  同(吉村吉雄紹介)(第三五五八号)  元外地鉄道在職期間のある公務員等国家公務  員共済組合法等特例措置に関する請願久保  三郎君紹介)(第三三七七号)  同(鈴木善幸紹介)(第三三八五号)  会計年度暦年制採用に関する請願田中彰治  君紹介)(第三三八六号)  山梨県の養蚕地におけるたばこ耕作反対に関す  る請願田邊國男紹介)(第三四六八号)  国税通則法制定反対に関する請願外五十四件  (赤松勇紹介)(第三五四八号)  同(石川次夫紹介)(第三五四九号)  同外二件(岡良一紹介)(第三五五〇号)  同外三件(東海林稔紹介)(第三五五一号)  同外三件(田中織之進君紹介)(第三五五二  号)  同外七件(永井勝次郎紹介)(第三五五三  号)  同(吉村吉雄紹介)(第三五五四号)  国税通則法制定反対等に関する請願外一件(  東海林稔紹介)(第三五五九号)  同(田口誠治紹介)(第三五六〇号)  同外三十五件(永井勝次郎紹介)(第三五六一  号)  同外二件(広瀬秀吉紹介)(第三五六二号)  同外二件(吉村吉雄紹介)(第三五六三号) は本委員会に付託された。     ————————————— 本日の会議に付した案件  国有財産法第十三条第二項の規定に基づき、国  会の議決を求めるの件(内閣提出議決第一  号)  財政法の一部を改正する法律案内閣提出第六  三号)      ————◇—————
  2. 小川平二

    小川委員長 これより会議を開きます。  国有財産法第十三条第二項の規定に基づき、国会議決を求めるの件を議題といたします。  質疑の通告があります。これを許します。広瀬秀吉君。
  3. 広瀬秀吉

    広瀬(秀)委員 ただいま議題となりました問題につきまして、若干御質問をいたしたいと思います。  本件は皇室財産の問題でございますが、私ども皇室財産というと、ほとんど今まで大した関心もなくて、あまり勉強もしてない問題でございますので、基礎的な問題についていろいろお伺いをいたしたいと思うわけであります。  今、皇室財産と称せられるものが全体でどのくらいあるわけでございますか。まずその点からお伺いいたしたい。
  4. 瓜生順良

    瓜生政府委員 お答えいたします。現在皇室用財産となっておりますものは、その内容を申し上げますと、皇居、赤坂の御用地常盤松の御川邸高輪南町御用邸葉山川邸那須御用邸沼津御用邸下総御料牧場新居浜猟場埼玉猟場京都御所修学院離宮桂離宮、正倉院、寮はたくさんございますが、そういうものがございます。
  5. 広瀬秀吉

    広瀬(秀)委員 大体その額は私ども資料では二百五十一億四千万、これは三十五年の資料でございますが、そういうことになっておるのですが、それに間違いございませんか。
  6. 山下武利

    山下政府委員 仰せの通りでございまして、三十六年三月末現在におきまする台帳価格は二百五十一億四千万円と州なっております。
  7. 広瀬秀吉

    広瀬(秀)委員 三十五年でありますが、その後の移動について一群新しい数字ではどのくらいになりますか。その数字を伺っておきたいと思います。
  8. 山下武利

    山下政府委員 ただいま申し上げました数字政府のもとで集計しております一番新しいものであります。
  9. 広瀬秀吉

    広瀬(秀)委員 全回国有財産法の第十三条の三項で、葉山御用邸付属邸暖房設備新設皇居付属庭園施設整備計画による建物新築皇居内生物学研究所標本室新築、こういう三つが出て参ったわけでありますが、これの予算との関係はいわゆる皇室費宮廷費、この中に含まれておるわけでございますね。
  10. 瓜生順良

    瓜生政府委員 さようでございます。
  11. 広瀬秀吉

    広瀬(秀)委員 皇室費予算決定する段取りといいますか、手続といいますか、それと皇室経済会議との関係について御説明をいただきたい。
  12. 瓜生順良

    瓜生政府委員 皇室費予算をきめますことに関連いたしましては、皇室経済会議の議にかけるというようなことはございません。普通の各省予算と同じように組まれるわけごございます。
  13. 広瀬秀吉

    広瀬(秀)委員 それでは宮内庁各省と同じような立場に立って室内庁原案を作成いたしまして、それで大蔵省と折衝されるという段取りになるわけですね。皇室経済会議は特別な答申もやらなければならない、こういう機構において皇室経済会議の議を経なければならないということになっておりますが、予算の場合には一々かけてない。今私が前段に申し上げたような手続でやっておる、こういうわけですか。
  14. 瓜生順良

    瓜生政府委員 その通りでございまして、宮内庁でいろいろ原案を作りまして、それを大蔵省の方に出しまして、大蔵省の査定を受けまして、それがきまりますと閣議できめられる、これが国会に出されまして国会の御審議を経てきまるというふうになっておるわけでございます。
  15. 広瀬秀吉

    広瀬(秀)委員 その点わかりました。  一つ一つ質問をいたしたいのですが、この付属暖房設備新設ということでありますが、説明によりますと現在のものが電気ヒーター方式であって非常に老朽して火災の危険もあるというようなことでございますが、これは現行のものはいつごろ作られたものですか、お伺いしたいと思います。
  16. 瓜生順良

    瓜生政府委員 現在の暖房設備昭和の初年に設備をされた電気ヒーターでございまして、相当年限が立っております。
  17. 広瀬秀吉

    広瀬(秀)委員 昭和何年ですか。
  18. 瓜生順良

    瓜生政府委員 今ここに正確な資料がありませんのですが、その当時からの事情を知っている方から、昭和二、三年のころだということでございます。
  19. 広瀬秀吉

    広瀬(秀)委員 やはり宮内庁は、現在のものがいつ建てられてどういう工合に老朽しているというようなことをちゃんと調べてここに出席していただきたいと思うわけなんです。その点は深く追及する気持はございません。  次に、皇居内の生物学研究所標本室新築ということでございますが、天皇生物学の御造詣も非常に深いと承っておるわけです。今日標本室が非常に手狭になってどうしようもない状態にあられるということでありますが、この点はやはり天皇からの御希望がございましたでしょうか。
  20. 瓜生順良

    瓜生政府委員 この件につきましては、陛下はまずあまりどうこうおっしゃらない方なんでございますが、実際われわれが拝見しておりまして、とにかく標本が一ぱいで入り切らない。廊下にはみ出している。外国学者がよくあそこを訪問されて、いろいろごらんになることもあるものですから、やはり恥ずかしいし、増築してあげなくちゃいけないというふうに考えてお願いをした次第であります。
  21. 広瀬秀吉

    広瀬(秀)委員 長年にわたっての陛下の御研究成果である標本がたくさん蓄積されたということは非常にけっこうなことだと思いますし、従ってこの標本室新築されることもけっこうなのでありますが、これは外国学者などがその標本を見せていただくというようなことだけでなく、国内学者等そういう人たちにもこの研究成果を広めていただくような配慮というものが何らかなされておりますでしょうか。
  22. 瓜生順良

    瓜生政府委員 先ほど外国のことを申しましたのですが、国内学者でもあそこの研究室へやはりおいでになって、いろいろお話し相手になり、研究相談相手にもなるというようなふうになさっておりますから、そういう方が御利用になる機会はもちろんあるわけであります。
  23. 広瀬秀吉

    広瀬(秀)委員 陛下研究のお手伝いというようなことですと、非常に限られた範囲じゃなかろうかと思うのですが、生物研究を特に志しておる学者がそのほかにも多くおると思うのであります。そういう人たちに、もちろん条件はつくのでしょうけれども、相当広い範囲に開放をされるというような状況に現在なっておらないと思うのですが、いかがでしょうか。
  24. 瓜生順良

    瓜生政府委員 普通の図書館的に広く開放するというようなことにはなっておりませんですけれども、しかし、こういう道の特別の研究をなさっておる方はやはりおいでになる機会がありますから、見たいときにごらんをいただくことはそうむずかしくないと思います。ただ、広く公開するというよううなことはちょっと違います。これは特別研究室というふうになっております。
  25. 広瀬秀吉

    広瀬(秀)委員 標本室新築されて分類あるいは陳列等にふさわしいようなやり方をなされるだろうと思うのですね。そういった機会にある程度条件がついても、陛下生物学に御興味を持って長年集められた標本成果を、これは国民だれでも興味本位に見に行くという形でなくてけっこうです。もちろんそういうことではいけないと思いますが、特に学問的な発展が期せられるような場合には、この成果を広く国民にも均霑させるという方向を何らかお考えになる余地はございませんか。
  26. 瓜生順良

    瓜生政府委員 現在の実情を申しますと、標本室へ陳列して皆さんのごらんに入れるというような陳列室とは違うわけであります。標本を保存されているところであります。学問上こういうものをお見せ願いたいというような場合にそこから出して見せられるわけであります。場合によりますと、展覧会なんかに貸してほしいというような申し出があった場合に、その中にあるものをお出しになる場合もあって、どなたもごらんになれる場合があるわけであります。そういう点、これは陛下が御趣味となさっているものでありますから、そこらあたり考えまして、いたまないように大事にして扱っているわけであります。
  27. 広瀬秀吉

    広瀬(秀)委員 そういう事情にあることはよくわかるのですが、たとえば特段に宮内庁関係のない高等学校生物の先生だというような人が、営内庁にそういうことを申し出た場合には今でも許される建前になっている、こう理解してよいわけですか。
  28. 瓜生順良

    瓜生政府委員 現在のところ、高等学校の先年がぜひ見たいからというような場合まで実際問題として広がっておりません。もっと高度の学者の場合でないと——陛下の御趣味でなさっていることで、私直接こういうものは扱っていません。町内庁のいわゆる表と言っておりますが、表のことにはタッチしておりませんから……。それ広くは無理だと思いますけれども、特別の学者の方が来ておられることは聞いております。
  29. 広瀬秀吉

    広瀬(秀)委員 せっかく天皇がこれだけの標本を集められて、それを皇居の中で一部の人たちだけしか見られないということでは若干欠けるものがあるではないか。一国の天皇でありながらこれだけの研究をなさっているということは、国民にも大いに知らせ、また、完全公開とまではいかなくとも、現実に学問的価値のあるものは多くの人に見せる、そういう方向に進められると、人間天皇として、また学者天皇国民を結びつける一つのきずなにもなるではないかという気持を持っているわけでありまして、将来何らかの形で公開範囲をもう少し広げられるようなお考えでこの点を検討していただきたい、こういう希望を申し上げてこの点の質問を終わりたい思います。  皇居附属庭園施設整備計画による建物新築、これについて内容的にやや詳しく説明をしていただきたいと思うのです。
  30. 瓜生順良

    瓜生政府委員 これは、現在皇居の中の東側地区と申しております例の馬場がありましたりあるいは楽部がありましたりいたしておりますもとの江戸城の本丸、二の丸、三の丸の方の地域でございますが、その地域につきましては、皇居造営審議会の御答申によりまして、これは皇居付属庭園として整備をして宮中の行事に支障のない範囲内においては一般公開をするというようにした方がよろしいという御意見もありました。その御意見を受けまして、閣議でもそういう方針で進むということを御決定になりました。それで昭和三十六年からその地域整備する計画に移っておるわけであります。昨年は、いろいろ今周辺の土手の木が相当いたんでおるわけですが、そういう木を植えるとか、なお将来中へいろいろ植える木の苗を育成するというようなことにいたしまして、三十七年度におきましてはさらに進みまして、その中にありますうまやとか馬車庫とか、それに関連する施設というものがちょうどその中心部にございますので、これはこわしまして、そのあたり緑地帯にするという計画になっておるのでございますので、こわす前にそれにかわるうまやとか馬車庫というものを作らなければなりません。それをあの地域の、いわゆる庭園部整備するには適しないすみの方に、新しい馬車庫を作るとか、うまやを作るということをやろう、そのために、本年度予算では御決定になっておりますが、その建物皇室用財産として取得するのに必要な御承認を得ようとするのがこの案の内容でございます。
  31. 広瀬秀吉

    広瀬(秀)委員 去年、実は私ども皇居大蔵委員会として伺いまして、皇居東部地区自然公園のような形にしまして、国民公開するというような計画をお聞きしたわけですけれども、その区画の中に現在はこういうものがある、それでどうしてもそれを取りこわして新しく建てられる、この設備一般公開される地区から中に移される、というよりも中の方に今度は持っていかなければならぬのだ、これを新築されます地点の関係はどういうことになるのですか。
  32. 瓜生順良

    瓜生政府委員 今中心部のところにありますので、東側地区すみの方の幾らか低くなっております、先日いらっしゃったときにはごらんにならなかったかもしれませんが、すみの方に移す、それで一般公開する場合はずっと庭園化したところを公開して、そのすみの方の一部分はそういうふうな建物を集めて、中心部庭園化するのに支障のないようにしようということであります。東側地区の一部であります、あまり庭園化には適しないすみの方ということであります。
  33. 広瀬秀吉

    広瀬(秀)委員 今回提案されておる問題点については大体わかったわけですが、皇室用財産の場合に、これは大蔵省にちょっとお伺いしたいのですが、国有財産法の第十条、管理及び処分の総轄のところで「大蔵大臣は、必要があると認めるときは、各省各庁の長に対し、その所管に属する国有財産について、その状況に関する資料若しくは報告を求め、実地監査をし、又は閣議決定を経て、用途の変更、用途の廃止、所管換その他必要な措置を求めることがきる。」とあるのですが、こういういわゆる状況についての資料または報告を求める、あるいは実地監査をする、こういうようなことは、皇室用財産に対しても大蔵省が現にやられておるわけであります。
  34. 山下武利

    山下政府委員 国有財産法第十条の二項は、いわゆる大蔵大臣総括大臣といたしまして、国有財産全体について管理監督し得るという権限を定めた規定でありまして、皇室用財産に対しましても、大蔵大臣監督大臣としての管理監督を行なっておるわけでございます。
  35. 広瀬秀吉

    広瀬(秀)委員 皇室用財産等管理等についても、あるいは処分その他についても、やはり会計検査院権限によって、ほかの行政財産と同じように国有財産無償貸与の問題であるとか、あるいは無償譲渡だとか、あるいは増減の問題であるとか、管理処分その他の運営の問題、そういった面について、会計検査院はやはりほかの財産と同じように今日会計検査をなされておるわけでありましょうか、その点伺いたい。
  36. 瓜生順良

    瓜生政府委員 ほかの場合と同じように毎年一回会計検査院の方が検査に見えまして検査をされております。
  37. 広瀬秀吉

    広瀬(秀)委員 今皇室財産の中で無償貸付などは全然行なわれておらぬわけですか。
  38. 瓜生順良

    瓜生政府委員 公共的な目的に使われるというような場合においては無償の場合がございます。
  39. 広瀬秀吉

    広瀬(秀)委員 そういう場合、具体的に現にありますか、あったら教えていただきたいと思います。
  40. 瓜生順良

    瓜生政府委員 現在の実情といたしまして、たとえば那須御料地の中に道路になっているところがあります。そういうのは無償であります。それから葉山御料地の一部が公園のようになっておって葉山町で利用しておられるものがありますが、これも無償であります。そういうものであります。
  41. 広瀬秀吉

    広瀬(秀)委員 皇室用財産会計検査の結果不当であるというようなことで、その国有財産管理なり運用等について、会計検査院から指摘を受けたような事例はございますか。
  42. 瓜生順良

    瓜生政府委員 特に不当というような指摘を受けたことはございません。
  43. 広瀬秀吉

    広瀬(秀)委員 以上で私の質問を終わります。
  44. 小川平二

  45. 佐藤觀次郎

    佐藤(觀)委員 瓜生さんにちょっとお尋ねいたしますが、皇太子の弟さんがそのうち分家されると思うのですが、そのときの財産のあれはどういうことになりますか、伺いたいと思います。
  46. 瓜生順良

    瓜生政府委員 義宮さんのことだと思いまするが、御結婚にでもなりますると、一家を創設されるような意味でお出になる場合がありますので、その場合に財産がどう、今そういうような点では——現在の皇室経済法ですと、そういう場合にその方が受けられる歳費、年額皇族費の二倍でしたか、年額が四百二十万円ですから八百四十万円というのがその際に義宮さんの方に参りますけれども、その他のことについては何らないわけです。
  47. 佐藤觀次郎

    佐藤(觀)委員 御成婚の御予定はわかりませんか。
  48. 瓜生順良

    瓜生政府委員 このことは現在いろいろ調査中でございまして、いつ御成婚になるかというようなことは、見通しとしても今のところなかなか立ちかねているわけでございます。いずれにしても御縁のものですから、普通の仕事のように計画もきちっと立ちにくいのですけれども、すでに満二十六才になっておられまするから、今までわれわれの方でも鋭意調査を進めておるという段階でございます。
  49. 佐藤觀次郎

    佐藤(觀)委員 先ほど瓜生さんから皇室御用邸の話が出ましたが、現在一年に一度も使っていない御用邸があるのか、そういうものの管理はどういうようになっておるか、ちょっと伺っておきたいと思います。
  50. 瓜生順良

    瓜生政府委員 沼津御用邸が最近は比較的お使いになっていませんが、その前はよく皇太子殿下とか義宮さんが、海水浴なんかあそこが場所がよいからというのでおいでになったことがあります。それから陛下もあの方面に御旅行になった際のお宿に使われたことがあります。ここ二、三年はお使いになっておりませんが、この御用邸をどう考えるかということはいろいろ検討中で、浩官さんが大きくなられて海水浴でもなされるのにいいのじゃないかという意見がありますが、あのあたりの海はよごれておりまして必ずしもよくないのじゃないかいうことで、これにつきましてはどうするかということを検討中でございます。
  51. 佐藤觀次郎

    佐藤(觀)委員 数年前に皇居を案内していただいたときに、宮内庁のものと、厚生省のものと、大蔵省管財局関係のものとが非常にごっちゃになっておるように伺いましたが、その後うまく解決しておるか、どういうことになっておるのか、そのことを伺いたい。
  52. 瓜生順良

    瓜生政府委員 これは先ほどもちょっと触れました東側地区方面でありますが、大蔵省管理であった部分は昨年宮内庁管理に一本になって返ってきております。厚生省の方の関係、これはお濠の一部分、ちょうど乾門のところから入った一部分のところとか、もう少し先のお濠の一部分で土地の方ではありませんが、その部分につきましては、厚生省の方としてはそのうちに営内庁所管に一本にした方がいいと思うが、他のいろいろな——これは公園用地になっておるものですから、公園用地全体を検討する際にそれも一緒に考えましょうということで、現在はまだ解決いたしておりませんが、解決する方向に進でおるわけであります。
  53. 佐藤觀次郎

    佐藤(觀)委員 それからもう一つ伺いたいのでありますが、東京都の空気が非常に悪いけれども皇居のおかげで非常に浄化されておるようなことを伺っておりますが、そういうことについて皇居内で調査の機関が調査をやっておられるかどうかということも伺っておきたいと思います。
  54. 瓜生順良

    瓜生政府委員 特別に東京都全体のために、どういう浄化の作用をなしているかということを研究した資料はありませんが、しかし皇居造営の際に、陛下のお住まいになる宮殿をどこにするかという検討の際に、あの中は空気がよごれているのではないかというようなことがあって、いろいろ研究したことはございます。結局吹上御苑のところへ陛下のお住居を作るのがいいという結論を得ましたのも、あのあたり空気汚染度というものは、東京部内でいいますと、たしか井之頭かどこか、ずっと郊外の方の程度であって、比較的きれいであり、お堀もあり、いろいろ木があるということで比較的よかったという調査をしたことはございます。
  55. 佐藤觀次郎

    佐藤(觀)委員 管財局長に伺いたいと思いますが、東京都とも関連がありますが、世界大都市の中で日本ほど公園の少ない国はありません。私たち子供のころ東京に出てきたときには、日比谷公園芝公園上野公園等公園としては樹木がうっそうとして昼なお暗いところというほどではなかったけれども芝公園なんか、私たち子供のころには非常におそろしくて通れぬようになっておりましたが、現在はベビー・ゴルフ場になっておる。そういう点私たちは非常に残念に思うわけでありますが、部内にある国有地緑地帯にするというような考え方が一体あるのかないのか、またそういうような国有地に対して、東京都の道路麻痺状態になっておりますので、そういうものに使用しようということがいわれておりますが、公園というものに対して管財局長は一体どういうようにお考えになっておりますか。たとえば日比谷公園なんかは、昔松本楼以外に建っていなかった。ところが四十五年の間にいろいろな建物が建ち、また道路にもとられて全く公園らしいものがなくなってしまっておる。そういうような事態は、世界大都市、特にロンドンのハイド・パークとか、パリとかベルリンとか、そういうのに比べて非常に貧弱だし、将来オリンピックがくる場合には弊害になると思いますが、一体管財局国有地をどういうように利用されるのか、管財局長一つ伺っておきたいと思います。
  56. 山下武利

    山下政府委員 部内の国有財産はだんだんと数も少なくなったことでございますので、私といたしましては、できるだけこれを公共的な目的に今後向けるようにいたしたいと考えておるわけでございます、大蔵省に設けられております国有財産審議会等の御意向も大体そういうふうなことで一致しておるように見られるわけでございます。公共的な用途の中で、公園とか緑地とかいったようなものもむろん必要なわけでございますが、これはまず第一次的には都市計画審議議会の決定に従いまして、どこを公園、緑地にするかということがきまるわけでございますので、それの決定があり次第、できるだけそういうことに国有地を向けていきたいと考えておるわけであります。現在都内、将来公園に予定されておる大きな地区といたしましては、皇居の北の丸地区、いわゆる代官町の地区約七万坪、それからオリンピックの選手村に予定されております代々木のワシントン・ハイツ約三十万坪、この二つの大きな団地が予定されておるわけでございます。
  57. 佐藤觀次郎

    佐藤(觀)委員 これは管財局だけの責任ではないけれども、先日富士山で国が敗訴になったということを聞いておりますが、どうも国有財産について管理を怠っている点があるのではないか。向こうは神様か仏様か知らぬけれども、富士山は日本のシンボルである。そういうものが頂上だけ神様にとられるということはどうもおかしいではないかと思っていますが、その意図はどこにあるのか、われわれも大蔵委員の一人として伺っておきたいと思います。
  58. 山下武利

    山下政府委員 富士山の頂上を国有地に存置するかどうかという問題につきましては、過去五年にわたりまして、ずいふん長い裁判の結果を経まして、最近第一審の判決がありました。国側の主張が認められないで、いわば国の敗訴になっているわけでございます。国といたしましては、この判決理由を十分検討いたしました結果、どうも納得のいかないという結論になるといます。控訴期間内に控訴に持っていきたいと私は考えておるわけでございます。
  59. 佐藤觀次郎

    佐藤(觀)委員 もう少し詳しいことを、細川国有財産第一課長にその事情を伺っておきたいと思います。
  60. 細川俊三

    ○細川説明員 富士山頂の国有地の問題は、今局長から御説明しましたような経緯でございますが、その内容といたしましては、今までの経緯を簡単に申し上げますと、富士山頂八合目以上、約百二十二万坪余りございます。これに対しまして、社寺等に無償で貸し付けてある国有財産処分に関する法律というのが二十二年にできまして、二十三年に今第一審の原告になりました浅間神社から譲与の申請がございました。それに対しまして、国としましては、富士山頂の問題に関しましては、奥宮の境内地約四万九千余坪だけを譲与いたしました。浅間神社から不服の申し立て等ございましたですけれども、三十二年の二月に浅間神社の方から東海財務局長を被告としまして訴訟を提起したということになっております。今御説明いたしましたように、この三月二十七日に第一審の判決がありまして、一応こちらの方の、国の敗訴ということになったおけでございます。
  61. 佐藤觀次郎

    佐藤(觀)委員 それに勝つ自信があるのかどうか、管財局長一つ
  62. 山下武利

    山下政府委員 その論点は大体二点に分かれるわけでございまして、八合目以上の土地が浅間神社の宗教活動に必要欠くべからざるものであるかどうかという点が一点、それから、かりにそうであるとしても、これを公益上の必要から国有として存置すべきものであるかどうかという点が第二点、この二点につきまして争われてきたわけでございまして、いずれの点から見ましても、国といたしましてはこれを国有として存置すべきものであるということを過去五年間主張して参ったわけであります。この点につきまして私は国の主張が正しいものと信じております。
  63. 佐藤觀次郎

    佐藤(觀)委員 もう一点瓜生さんに伺っておきたいと思いますが、東京都の交通麻痺の関係で、いろいろ宮内庁で、地下を通すとか、皇居の下の方を掘りたいというような、そういう申請があるのかどうか、そういうような問題があったかどうかということを伺っておきたいと思います。
  64. 瓜生順良

    瓜生政府委員 東京都、特に皇居周辺が非常に交通が輻湊しているという問題、これに関連してこれを緩和することを何か公共の場からも考えるべきかどうかというようなこと、これは皇居造営審議会皇居造営の問題を審議される際に、特にそうした問題を検討する特別小委員会もできましていろいろ検討されたのですが、いろいろ専門の方もそこに出席されて説明もありましたが、いろいろ聞いてみますと、結局あの下に地下道を作っても、これはそれほど効果がない。要するに前後は同じことでありますから、この下を通っている間だけはすいているが、先に行けば一緒になってしまう。これは非常に金がかかってあまり効果がない。ですから宮内庁の立場としては、それが非常に効果的なものであるならば、その部分については、あの下は絶対いけないとは言っておらないわけですけれども、その交通緩和の実際上の見地から見て、そういうものを作っても相当金をかけてその割合に大した効果がないので、それよりももっと全体的に幹線道路整備ということが必要だというようなことに結論を得たわけであります。
  65. 佐藤觀次郎

    佐藤(觀)委員 もう一点管財局長に伺っておきますが、だいぶ国有地の整理問題が、オリンピックと関連して国有地道路その他に使用せよというようないろいろな意見があって、政府の方でもそれに対する考えがあるようですけれども、そういうものについての処理方法というようなものを管財局では考えられておりますか、その点を伺っておきたい。
  66. 山下武利

    山下政府委員 先ほどもお答え申し上げましたように、管財局といたしましては、残り少はい国有地のことでありますので、できるだけこれを公共的な公益的な目的に使いたいということを考えておるわけであります。現在非常に不足しております公園とか緑地とか、あるいは駐車場、道路川地といったようなものにつきましては、十分これを優先的に考えていきたいと考えております。
  67. 広瀬秀吉

    広瀬(秀)委員 関連して……。皇室財産の問題と関連は別にないのですが、管財局長にちょっとお伺いしたい点が一つあるのであります。  戦時中に飛行場用地あるいは軍事工場用地で国が買い上げて、戦時の用を果たしてまた国有地に戻っている、そういったところに現在もう相当住宅を建て、あるいは工場あるいは商店等が立ち並んでいる、そういった場所が全国各所にあるわけでありますが、その国有地の払い下げをめぐって今日非常に払い下げの申請が出されて、もう客観条件から見ても当然払い下げをすべきじゃないかとわれわれ常識的に見ておるような場合でも、何べんも大蔵省に対する陳情折衝等に非常に時間がかかっているというような状態が多いわけでありますが、そういう場合における今後の国有地の払い下げについての方針というよなものは、今管財局としてどういうような方針でおられるか、この点を伺っておきたいと思います。具体的には、宇都宮の雀宮地区というところがありますが、これは払い下げができた面も若干あるわけでありますが、その後また引き続いてその隣接地において同様条件のものが今申請をしておるようでありますが、そういうようなことで私どもも陳情を受けておるような次第で、そういった点について管財局としての方針といいますか、こういうものを一つこの機会に明らかにしておいていただきたいと思います。
  68. 山下武利

    山下政府委員 国有財産の払い下げにつきましては、先ほど来お答え申しておりますように、できるだけ公共的、公益的ないしは産業助長に必要な用途といったようなものに優先的に振り向けていきたいと考えております。個々の事案につきましては大体管財局の諮問機関として設けられております国有財産審議会に諮問いたしまして、その答申に従って個々に処理しておるわけでございます。何分にも非常に数が多いことでありまして、現在の財務局の手ではなかなかさばき切れないというようなことで、ただいま御指摘のありましたように幾らか手続のおくれておるような面も確かにあるわけでありまして、こういう点につきましてはわれわれも十分に督励をいたしていきたいと思っております。ただ国有財産のことでありまするので、あくまでこれをガラス張りで、しかも厳正公平にやらなければならないということで、若干手続を慎重にいたします関係から時日を要するという点につきましては御了承を願いたいと存ずるわけでございます。何分にも相手のあることでございまするので、いろいろ評価の問題その他条件等につきまして意見が合わないという面から、手続がおくれておることも多々あるように聞いております。できるだけ、そういうふうなことも勘案いたしまして、厳正公平ということをくずさない範囲におきまして仕事を促進していきたいと思っておるわけでございます。
  69. 広瀬秀吉

    広瀬(秀)委員 きょうはこれだけにしておきますが、できるだけ公共的な用にという、そういう方向に払い下げの一つの方針はあるようでございますが、戦後飛行場が撤去される、あるいは軍需工場も全部撤去される、そういったところに国から土地を借りて住宅を建てて、もう十数年にわたって商売をやっている、あるいは普通の勤労者がやはりそこに住宅を建てて住んでいる。そうしますと、どういうような場合はなかなか原則としてやれないような状況にあるのだと思うのですが、現に問題になっている点は、そういうような場合が多いわけであります。それらの点について公共優先だという考え——そこもずっと建物が建ち並んでおるような状況になっているし、現在宇都宮にも航空自衛隊ができたり、あるいは自衛隊ができたりしておりますけれども、それ以上、飛行場を拡張できるような情勢にはないというようなこともあるわけでありますが、将来また飛行場を広げなくちゃならぬというような、いわゆる公共的なものが優先だということでお考えになっておられるのか。そこらあたりのところを、方針としてはっきりしなかったわけですが、それについての考え方、方針というものを、より一そう具体的に明らかにしていただきたい。
  70. 山下武利

    山下政府委員 公共優先ということは一般原則として申し上げたわけでございまして、全部がそれに該当するわけではもちろんございません。ただいまお尋ねのありましたような場合、戦後長く国有地に何らかの形でもって住みついておる人、正当に借料を払って国から借り受けて長くそこに居ついているというような、いわゆる国と縁故関係にあるような方々につきましては、これに優先的に払い下げるということが、社会的な常識から見ても一番望ましいことだと考えております。ただいまお尋ねの宇都宮の件につきましては、売り払いという前提のもとにいろいろと交渉をしておりますので、その条件が整い次第、手続を進めたいと考えておる次第でございます。
  71. 佐藤觀次郎

    佐藤(觀)委員 山下管財局長にもう一つ伺いますが、今度オリンピックの関係に使用する国有地がありますか。
  72. 山下武利

    山下政府委員 正確には、私、今資料を手元に持っておりませんが、一番大きな地域といたしましては、代々木のワシントン・ハイツ、約三十万坪、これは全部普通財産国有地でございます。現在米軍の住宅地区になっておりますが、この住宅を調布の水耕農園の方に移しまして、その跡をオリンピックの総合体育館及び選手村に利用するという計画になっております。
  73. 佐藤觀次郎

    佐藤(觀)委員 もう一つ、私、東京都に公園が少ないことを非常に憂えておる一人なんですけれども国有地について東京都に払い下げて公園にするような計画は現在のところないのですか。東京都が公園にするから国有地を払い下げてくれという問題はないですかどうですか。
  74. 山下武利

    山下政府委員 東京都が公園用地として国有地を利用します場合は、これは普通財産のままで東京都に無償貸付手続をとることになっております。先ほど申しげましたように皇居の北の丸口及び代々木のワシントン・ハイツはこの無償貸付地区に予定しておるわけでございます。
  75. 小川平二

    小川委員長 これにて本件に対する質疑は終了いたしました。     —————————————
  76. 小川平二

    小川委員長 これより討論に入るのでありますが、別に討論の申し出がありませんので、直ちに採決に入ることといたします。  お諮りいたします。本件を原案通り可決するに御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  77. 小川平二

    小川委員長 御異議なしと認めます。よって、本件は原案通り可決されました。  なお、本件に関する委員会報告書の作成等につきましては委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  78. 小川平二

    小川委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。      ————◇—————
  79. 小川平二

    小川委員長 財政法の一部を改正する法律案議題といたします。  質疑の通告があります。これを許します。武藤山治君。
  80. 武藤山治

    ○武藤委員 ただいま財政法の一部を改正する法律案についての質疑の時間をいただきましたので、あとで堀委員の方から詳しく御質問がある予定でございますから、簡単にアウト・ラインだけでもお尋ねしておきたい。  まず第一は、今回の提案理由の説明を見ますと「国の財政の合理的な運営に資するため、」改正をする、こういうことが第一点に改正の目的として書かれておりますが、今度の改正によって合理的な運営がどういう面に具体的に現われるのか、合理的ということは一体どういうことをさしておるのか、そういう点を一つ説明願いたいと思います。
  81. 上林英男

    ○上林政府委員 今回御審議をお願いしております財政法の一部を改正する法律案の趣旨は、提案理由にも御説明いたしておりますように、まず第一には、この前の通常国会で産役資金への繰り入れ措置につきましての再度にわたりまして起こりましたような論議が再び生じませんように、その点を明確にいたしておるわけでございます。そのほかに、現行の財政法によりますと、御案内のように追加予算予算の修正の部分がそれぞれ独立に規定されておりまして、あたかもそれぞれ独立の追加予算なり予算修正なりのような観を呈しておるわけでございますが、運営の実際におきましては、両者が補正予算として、一体として運営されている実情でございますので、こういうような実情にも合わせまして、この二十九条の改正を行ないまして二十九条自体の合理化をはかり、従いまして、国の財政の合理的な運営をはかるようにいたしたわけでございます。
  82. 武藤山治

    ○武藤委員 「国の財政の合理的な運営」と言えば、もっと広範にわたる財政法の改正、もっと抜本的な、運営全般についてもっと多角的な見地から検討した改正でなければならぬと私は思うのです。そこで、その合理的運営というものは一体具体的に何をさすのか、こういう質問を今したわけなのです。ところが課長さんのお話では、この別の議会でだいぶ論争があり、野党からも追及があったから、そういう点を避けるということだけが大体ねらいなんですね。そんな程度のことを、「国の財政の合理的な運営」という大げさな表現で提案説明をしなければならぬのかどうか、ちょっと疑問なんです。そこで、何か行政府としてこの改正によって非常にわれわれがやりやすいのだ、あるいは国に大いにプラスなんだ、あるいは人民に大いにプラスなんだ、あるいはロスが非常に避けられるのだ、何かそういう合理的な、積極的な意味というのはあるのですか、どうですか。
  83. 上林英男

    ○上林政府委員 この法律案の提案理由の説明の中にも「国の財政の合理的な運営に資するため、」こう書いてございまして、財政の合理的な運営に貢献をいたしまするために、この法律案をお願い申し上げておるわけでございます。今御指摘がございましたような、財政法全般の問題、あるいは財政制度全般をどう考えていくべきかというような問題につきましては、確かにいろいろ御議論があるところでございます。これは、ある意味では、国民の運営の基本でもございまするので、慎重に検討する必要があるかと考えておりまして、私どもも財政制度審議会等におきまして、十分御議論を願い、検討を続けたいと考えているわけでございます。御指摘のようなこの二十九条の改正につきましては、あるいは率直に申し上げますと、きわめて技術的な改正にとどまるということは御指摘通りかとも思いまするけれども、条文自体が、ある意味ではいろいろと御議論を生ずるような点もあるわけでございまするし、また運営の実態から見ますると、むしろその運営の実態に即して改正をした方がいいのではないかという面もあるわけでございます。あるいは従来の条文でございますると、若干議論があった点もあるわけでございまするので、そういうものをこの際改正をいたしまして、二十九条自体の合理化と申しまするか、補正予算制度自体の合理化、こういうものを、技術的な問題ではございまするがはかっておるわけでございます。
  84. 武藤山治

    ○武藤委員 あとで内容については同僚委員からいろいろ御質問があると思いますが、この財政制度審議会というのは、どういうメンバーで構成されておって、いつごろから審議をしておるか、六年間審議をやったと言われておりますが、その六年間の審議の中で、わずか二十九条の、ここの技術的な改正だけをやるような答申しか出ないのか、こういう点も問題になろうと思いますので、先ほど課長から受け取りましたこの二枚の内容以外に、答申というのは全く出されていないのか、あるいは意見が具申されていないのか、他の条項についての改正は必要ないという答申が出ておるのか、そういう点、この審議会の経過についてちょっとお尋ねをしたいと思います。
  85. 上林英男

    ○上林政府委員 財政制度審議会の設立されましたのは昭和二十五年でございました。その後いろいろ変転がございました。この財政制度審議会の担当いたしまする事項は、予算、決算、会計制度の全般にわたるわけでございます。今までにおきましても、たとえば物品会計制度とか債権管理制度とか、前国会で御審議をいただきました契約制度、そのほか財政法の分野におきまして、若干の手直しをいたしておりまするが、そういうものの御審議を願ってきておるわけでございます。  今回提案をいたしておりまする二十九条関係は、この前の国会で御議論がございましてから、また予算委員会大蔵大臣から、財政制度審議会等にはかりまして慎重に検討いたしますということをお答え申し上げたわけでございまして、それ以来この財政制度審議会で議論をいただいたわけでございます。財政制度審議会の運営といたしましては、特に諮問、答申というような形式ではなくして、むしろいろいろと自由討議をしていただきまして、それにつきましての御意見をまとめ上げるというような形式をとって参っております。今、武藤委員のおっしゃられました答申と申しますのは、これは各委員の御議論になりましたものに基づきまして取りまとめましたものでございまして、その問におきまして各般の議論が数回におたりまして行なおれておるわけでございますそれから、財政法全般と申しますか、さらにもっと大きないろいろの問題につきましては、なお今後の検討を続けていこう、こういうことになっているわけでございまして、今お持ちの資料は、本件の二十九条に関する結論と申しますか、取りまとめたものであるというふうに御承知を願いたいのでございます。
  86. 武藤山治

    ○武藤委員 御承知のように、今の財政法は単年度主義を十一条で規定をしておったり、あるいは会計年度独立の原則というようなものも厳然として財政法の大原則に打ち立てられておるわけですね。そういうものを補完する意味で二十九条はあるのであろうと思います。従って、二十九条で補完をするという場合には、できるだけ厳格な制限がやはり必要なはずですね。従って、従来は「必要避けることのできない」という文言が入っておったわけです。ところがその制度審議会の意見によると、特に緊要なという——必要避くべからずという言葉は、どうも予算単一主義の原則から、財政の非常な紊乱を防止するという趣旨でけっこうだが、少しきつ過ぎる響きがあるというので、これを改めよう、こういう案が答申されておるようでありますが、私ども人民の立場から見れば、財政紊乱を防止するという従来の規定というものはより強化されてしかるべきだと思うのです。それをはずすという趣旨がようわからないのです。行政当局がやりいいようにとか、あるいは内閣が政策的判断を下してやりやすいようにということだけを中心に取り上げて改正をするというのは、どうもバランスがとれていないような気がするのです。もし改正をするとするなら、ほかの部面たとえば減税基金制度なども、すでにできておっても何ら活用されていない、そういうものを財政法上もっと保護するような改正なども同時に出すのなら話がわかるのです。行政部だけの都合のいいような改正だけを先に考えるという点は、どうも国民的な立場から見ると納得ができぬような気がしますが、そこらはあなたはどうお考えになりますか。
  87. 上林英男

    ○上林政府委員 お言葉でございますが、実はこの改正によりまして二十九条自体の運用を緩和していくというような気持はないわけでございます。と申しますのは、「必要避けることのできない」という言葉が二十九条に入っておりまして、補正予算というのはみだりに行なものではない。この規定は、明治三十五年でございましたか、当時の予算、財政制度運営の観点にかんがみまして、議員立法によってできた規定でございす。従いまして、予算の紊乱を防ぐという意味におきましても、みだりに追加予算を出さないということは、今後もこういう方針で臨んでいくべきものであると考えております。ただ前国会におきまして議論が起こりましたゆえんを考えて参りますと、「必要避けることのできない」という言葉の語感が、いかにもその経費がございませんと国政の運営が差しつかえるというような、非常に緊急避難的な言葉のような感じを与えるわけでございます。しかしながら、明治三十五年以来この条文が運用されて参りました実態、その過去の経緯、歴史等を考えてみます場合に、この言葉自体は、財政運営の観点、国政運営の観点から申しまして、緊要度がきわめて高いというような意味に運営をれて参ってきておる実情でございまするし、またこの実情に即して、条文を直していった方が議論も生ずる余地がないわけでございますし、また実態に毛即応する、こういう意味でこの条文の「必要避けることのできない」という言葉を直した方が適当であろう、こういう審議会の御意見であるわけでございますので、それに従いまして、この改正案をお願いしておるわけでございます。
  88. 武藤山治

    ○武藤委員 前国会審議された、議論されたという点を、今度の改正で後々議論が起こらぬようにしたいという気持はよくわかるのです。それから緊急度が高いというその実情をあまり厳密に解釈されて、政府が非常に政策的な考慮を実現するのがむずかしい、だから改正するんだとい気持もわかるのです。しかし、そういう「必要避けることのできない」という、みだりに補正が組めないような文言があるために補正予算というものが容易に組めないというのは、国民の立場から見たら非常にけっこうなんです。立法府の立場から見たら非常にけっこうなんであります。だからわれわれの立場から見れば、「必要避けることのできない」という法の文言が必要だと思うわけなんですね。それをはずすということは、やはり今日の単年度制をとっておる予算、あるいは年度独立の原則、そういう前提から見て、何かそういう前提の一角をくずすような改正じゃなかろうか。そこで一つ課長に、日本における財政法の単年度制と年度独立の原則というものを、どういうものが最も望ましいものであるということを、まず最初の原則の方から聞かしてもらって、それからまた二十九条の質問に移りたいと思いますから、単年度制の意義、性格、それから国民に対する単年度制の持つ意味、こういうようなものを少し聞かしてもらいたいと思うのです。
  89. 上林英男

    ○上林政府委員 予算とは、これは一定期間におきますところの予定的な計画でございますから、それを編成なり運営いたして参りますときに、必ず一定の期間が要るわけでございます。これを一体どういうふうにするかという問題でございますが、これは各国の制度を見ましても、大体一年を単位としておるわけでございます。しかもこの単年度の原則と、それからそれに応じてこの単年度の原則を履行していきますために、おのおのの年度が独立をいたしまして、原則としては次の年度にその累を及ぼさないという原則をわが国の財政制度にとってきたわけでございます。もっとも、経済情勢の進展に伴いまして、あるいは景気の波動に備える、その他長期計画というような制度が進みますにつれまして、単年度なり年度独立なりという原則にあるいは再検討を加えるべきではないかという議論が常にあることは御承知の通りでございますけれども、やはり予算といいますものは一定の期間——一定の期間といいますと、やはり原則として一年というものをとりまして、その間収支の均衡をはかっていくということ自体が、予算の健全な運営に資するゆえんであるというふうには考えております。従いまして、この制度と、さらに長期計画的な要素とをどういうふうに加味しまして調整をとっていくか、こういう問題であるというふうに考えるわけでございます。   〔委員長退席、毛利委員長代理着席〕もちろん現在の財政法自体におきましても、この年度独立の原則等の例外というものは幾つかあるわけでございます。御議論になりました産投資金への繰り入れをいたしましたが、資金制度というもの自体も、これもある意味では今申されましたような諸原則の一つの例外をなすものでもございます。こういう今書かれております財政法のいろいろな諸原則及びこれの例外、こういうものをうまく活用して参りますと、もちろん単年度の原則、年度独立の原則に即応いたしました健全財政を貫きながら、ある意味では長期計画的な財政政策もやっていけるという面も、この運営のやり方によりましてはあるわけでございます。もちろんこういう制度自体をさらにもう少し新しい経済情勢に応じた制度に考えるべきではないかという意味におきますいろいろな議論があることは、十分よく感じておるわけでございまして、そういう意味におきまして、なおこの財政法をよく研究して参りたいというふうに考えているわけでございます。
  90. 武藤山治

    ○武藤委員 本来的な意味の、景気波動に備えるとか、あるいは経済成長政策というものにマッチした産投会計というものを作っている、そうして長期的調整というものを十分実現できるように、財政操作ができるようにいたしたい、そういういわゆるフィスカル・ポリシィ的な考え方というものが、現在の財政論の上で大きな、しかも最も進歩的な理論になっておることもよくわかるのです。しかし政府だけが勝手に次年度なり翌々年度なりに資金を持ち越す、そういう単年度主義というものを打ち破って行政当局のやりやすいようにするということだけが今日の緊急な課題じゃないと私は思うのです。ほかにもっと国民の立場に立って、税の問題、自然増収の問題というものを同時に考えていかないと、非常にアンバランスな、しかも反国民的な行政府予算裁量権というものが拡大され過ぎてしまう危険があるだろう。改正する場合にはやはりこういう点を十分検討してそのバランスを考えて改正しなければならぬのじゃないか。そういう考慮が欠けておるような気がしますが、課長の御見解はいかがですか、欠けておらぬと思いますか。
  91. 上林英男

    ○上林政府委員 お願いを申し上げております二十九条の改正は、今御指摘がございましたような、行政府が自由裁量でやり得る余地を広げたというものではないわけであります。また年度独立なり単年度なりの原則をこれによって破る、その例外を広げたというものでもないわけでございます。先ほど御指摘がありましたように、むしろ制度自体の合理的な改正というもの、いわば技術的な改正を主体にしたものでございます。この二十九条自体によりまして、政府の裁量権をふやすとか、あるいは年度独立の原則等の例外を多くするとかいうようなものではないわけでございます。ただこれを提案するときに、財政法全体についての再検討と一緒に出したらどうかという御意見ごもっともであると考えるわけでありますけれども、前国会でこれを検討いたしまして善処いたしますという約束をいたしました上からは、これをとりあえずこの条文につきまして御審議を願い、さらに全般的な問題につきましては、非常に大切な問題でございますので十分慎重に検討いたして参りたい、こういうふうに考えているわけでございます。
  92. 武藤山治

    ○武藤委員 どうも課長の認識が少し違うようなんですが……。最初のあなたの御説明では、明治以来の財政法であって、経済の実情に沿わなくなってきておる、そういう意味のことを先ほどおっしゃっておったわけです。参議院の昨年の三月何日かの予算委員会におきましても、参考人からいろいろ聴取したときに、三人の学者の中で、政府の産投会計への繰り入れは財政法違反である、そういうことをはっきり言っておる学者もおるわけなんですね。時子山常三郎教授などは、これははっきり財政法違反だということ言っておるわけです。ところが課長の今答弁しておる頭の中にあることは、もともと財政法違反でない、われわれの処理の仕方だ、こういう観念で私の質問に答えておるわけです。私はそこらがおかしいと思う。「必要避けることのできない」という概念は、非常に緊急性のあるもの、どうしても補正を組まなければ手の施しようがないという場合、そういうものでなければ、人民の税金というものが勝手気ままに使われては大へんだという考慮から規定されておるのでありますから、そういう法の趣旨からいったら、やはり従来やったことが違法なんだという立場に立って今質問しておるわけです。ですからそれをもっと表現をやわらげて、今度の改正のように「予算作成後に生じた事由に基づき特に緊要となった経費」その「緊要」という概念に切りかえたんですね。そこで必要避くべからざるという概念と「特に緊要となった」という「緊要」という概念の違い、その程度の差、濃淡の差、そういうようなものは課長としてはとのように認識されておりますか、この辺を一つお聞かせ願いたいと思います。
  93. 上林英男

    ○上林政府委員 まず前段の、前回の措置が二十九条違反ではないかという点でございますが、私どもは、初めからそうでございましたが、今でも前回の補正予算による産投資金への繰り入れば適法であると考えております。この点につきましては財政制度審議会におきましても、議論を進める前段階といたしまして御議論をいただきましたときに、いろいろ御議論がございましたけれども、この措置につきましては国庫内の移しかえにとどまるような支出であるので、その年度におきましては国庫外に払い出されないようなものでございましても、形式的には財政法二十九条の規定による経費に該当するものであり、それが「必要避けることのできない経費」に該当するかどうかという判断自体、すなわち産役資金充実の緊要性についての判断は、財政上、政治上の判断にかかるものであると考えられます。そしてその判断自体は一次的には予算の提案権を有する内閣の価値判断に基づいて処理をされる。最終的にはその議決権を有する国会の判断にゆだねられるものであるから、二十九条違反というには当たらないという結論をいただいておるわけでございます。  ただその場合におきまして、「必要避けることのできない」という表現自体の語感の問題でございますけれども、この語感が先ほど申しましたように、それがなければあたかも国政運営ができないというような絶対不可避のもののみを出すような語感がある。しかしながら運営の実際といたしましては、この前参考人の方々がおっしゃっておられましたように、たとえば年度の途中におきまして給与の改定を行なう、これもそれがなければ国政が運営できないかどうかということにつきましては、おそらく議論があるところかと思います。ある人はそれは可避であるとおっしゃるかもしれませんし、ある人はそうでないとおっしゃるかもしれません。この最終的な判断自体は、先ほど申しましたような内閣、国会議決という格好を通じて決せられていくわけでございます。そういうように、この「必要避けることのできない」という言葉自体は、法律的に申しますると不確定な概念でございまして、いろいろな価値判断が伴うわけでございまするけれども、語感といたしましてはそういう感じが非常に強いという観点もございまして、前回の国会におきましての論争などを生じたわけでございますから、運営の実際に即応してその言葉自体も改めた方がいいのではないかという考え方に立ったわけでございます。従いまして、そういうような経緯からこの言葉を直すわけでありまするけれども、先ほど申し上げておりますように、補正予算の運営の心がまえといたしましては、これは明治憲法時代から引き続きました同じような気持で運営をして参るということが適当である、またそうすべきものであるというふうに考えておるわけでございます。
  94. 武藤山治

    ○武藤委員 ますます課長の答弁は矛盾していると私は思うのです。さっきは景気の変動とか、長期的調整の視点から、産投会計繰り入れというようなことも考えなければならぬ、そのように現代の経済情勢というものが変わってきた、こう言っておるわけですね。ところが今の答弁では、明治時代から運営してきた気持と同じ気持で運営するとなると、景気の変動とか経済の成長というようなこととは無縁な答弁になってくるのですね。やはりねらいは景気調整ということ、フィスカル・ポリシーということを考えての産投会計への繰り入れなんですね、政府の方は。だとすると、どうも今の答弁は大蔵大臣や総理大臣の考えておる改正の方向と全く違うのですね。そういう答弁でよろしいのですか。
  95. 上林英男

    ○上林政府委員 何と申しますか、御説明がうまくなかったかもしれませんけれども、今申し上げましたことは補正予算の要作としての言葉の解釈の問題でございます。その補正予算の要件に該当するかどうかの価値判断ということになりますと、これは価値判断自体は、そのときの経済情勢なり政治情勢なりによっておのずから異なって参る価値判断があることは確かでございます。従いまして、明治時代のようなときにおきまして、「必要避けることのできない」とか、あるいは「特に緊要となった」と判断するその判断と、あるいは現在の経済情勢なり財政情勢におきましては、「必要避けることのできない」と判断する、その具体的基準というものは違うかもしれません。しかしながら、私が先ほど明治時代と同じだと申し上げましたのは、補正予算は「特に緊要となった」ような、「必要避けるとのできない」と同じような意味における重要な経費でなければ補正予算を組んではいかぬのだという気持は、これは変わらないというべきである。ただ、その判断をいたします場合に、その基準となります情勢の判断、それに基づきまする判断ということは、これはまたおのずから違った判断が行なわれてしかるべきであるというように考えております。
  96. 武藤山治

    ○武藤委員 これは了解できませんからあとでまた……。何が緊要であるかという判断ですね。その場合、今の政府の改正しようとしておる、産投に繰り入れようとしておる判断というのは、どっちに緊要性があるかというと、自然増収の取り扱いについての緊要性なんですね。いわゆる自然増収がたくさんある、財源があるぞということで圧力団体にわさわさ押しかけられたり、与党の議員にわさわさ予算をつけろとわれるから、何とか財源を別な形にすりかえておかないと、予算編成がなかなかやりにくい、何事かあとでもって利用しようとしても全然窮屈な財源になってしまう、だから一つ圧力団体からの予算要求ができないように、ある程度産投会計へぽんとこれだけ入れるんだ、こういうような身をかわす一つの戦法として、こういう制度で大いに金を持っていっておく、そういうような、何といいますか、圧力団体に対する対策、退避策ですね、そういう傾向が非常に強いような気がするのですね。その点はどうでしょうか。これは大蔵大臣も参議院で答弁していますから、変な答弁をすると大蔵大臣と全く違う答弁が出ますから、注意して御答弁願いたい。
  97. 上林英男

    ○上林政府委員 大蔵大臣がどういうふうに御答弁になったか、私ちょっと記憶がありませんが、私といたしましては、これは要するに——たしかそういうふうに大蔵大臣もお答えになったと思っておりまするけれども、所得倍増計画とか、あるいは自由化の進展とか、いろいろなことに伴いまして投資の需要が非常に増してきたわけでございます。そういう状態に即応いたしまして、後年度の投資に備える、そういうことが非常に緊要である、従って、この産投資金への繰り入れを行ないまして産投資金の充実をはかっていく、いわば後年度の投資財源の充実をはかっていくということが、あの自然増収ができておりました諸情勢から勘案いたしまして非常に緊要であった、こういうふうに考え措置をいたしたものでございます。
  98. 武藤山治

    ○武藤委員 どうも一課長の判断では予算編成当時にどのような圧力団体があり、どのような国会議員の働きかけがあるかということを身をもって体験しておらぬから、そういう機械的な御答弁になると思いますが、おそらく財源が余るんだ余るんだということを非常に大臣としては気にして、それだったらもっと選挙にも役立つような方向にためておいた方がいい、こういうような考慮もかなりこの制度の中には含まれておるのです。そこで私どもの方としては、そういう自然増の取り扱いというような問題については、別な角度から財政法の改正をすべきだ、そういう考えを持っております。たとえば今国税収納金整理資金制度というのができております。できておっても、全くこれは活用されておらない。従って、こういうできておる減税基金制度というようなものにもっと熱意を示して自然増というものを取り扱ってしかるべきである。たとえば、自然増の見込みの四〇%なり四五%なりというものはこの基金の中に入れる、そうして翌年度それを国民に減税という形で恩恵を与えていく、そういうようなことをやるためには、当然財政法の第六条、さらに第十二条も改正をして、両々待って国民にそういう利益を与えると同時に、経済の成長ができるというバランスのとれた改正というものが、私は抜本的な、合理的な運営に資するゆえんだと思うのです。ところが、そういう点については全く考慮していないのです。全然改正案に出してこない。こういう点の努力が何か片手落ちのような気がするのですが、そういう点、あなたのお考えはどうですか。
  99. 上林英男

    ○上林政府委員 今御指摘ございました減税基金というような制度を活用するという御意見、確かにこの前参考人として来られました高木先生などがおっしゃっておられました。ただ剰余金を一体何に使うかという問題につきましては、非常にむずかしい問題でございまして、たとえば今の減税基金の問題にいたしましても、その年度の付録的な自然剰余を恒久的な制度としての減税に充てるのが適当であるのかどうかというような議論もあるかと考えております。あるいはそういう自然増収を景気調整のための資金に充てるとか、あるいは財政調節のための資金に充てるとか、あるいはさらに公共投資の資金に充てるとか、いろいろな御議論があるかと思います。そういうような問題につきましては、非常に重要な問題でございまするし、財政制度の基本的な問題でございまするので、なお今後財政法全般の問題と一緒に検討をしたい、こう考えておるわけでございます。とりあえず今御指摘のございましたような財政法六条の規定関係もございまするけれども、一方におきましては国債の償還あるいは減債基金の制度ともある意味ではからみ合うものでございまするし、国債も、確かに終戦直後の情勢から比べますると、財政に占める地位は減っては参っておりまするけれども、なおまだ三十八年度におきましては、外債の償還などが集中する関係もございまして、そういうような問題ともからみ合わせて検討していきたい、どういう気持でおるわけでございます。従いまして、何回も申し上げまするように、今回の改正につきましては、前通常国会大蔵大臣がお約束をいたしました二十九条自体の問題に問題をしぼったということでございます。
  100. 武藤山治

    ○武藤委員 減債基金に充てたり、あるいは減税基金に入れたり、そういうような考慮も同時にしなかったという点は、非常に皆さんの方の熱意の欠けておる点を指摘しておかなければならぬと思うのです。  それともう一つ、一事務当局としても考えてもらわなければならぬ点は、日本の経済政策というものは資本主義体制の中でどんどん推し進められておる。従って、高度経済成長政策というものを大いに高めていくことによって、その反面、非常な低所得者等、国の財政政策なりあるいは租税政策の中で恩恵を受けない多くの大衆というものもおるわけですね。従って、そういう金融面における予算措置によってある程度保護され、あるいは援助される企業と同作に、下積みにおる人たちに対する財政的な考慮というものも、こういうものを改正するときには、常に両方をにらみ合わせて、バランスをとっていかぬと、資本主義体制の矛盾というものは私は大衆に非常に負担が重くなっておって、不公平な運営になると思うのです。不公平な政治、不公平な経済体制が一そう拡大されていく。従って、やはり改正する場合にはそういう問題を十分検討して、こちらの面はこうなんだ、こういう筋から今回の改正はしなくともいいと思ったのだとか、あるいはいつごろをめどにこちらの問題については検討をして結論を出すのだとか、そういうことをわれわれの前に明確に答弁できるような検討を常に怠ってはならぬ、私はこういう考え方を持つのですが、あなたはそういう点についてはいかが考えますか。
  101. 上林英男

    ○上林政府委員 御指摘の点はよくわかるわけでございます。ただ、財政法は、御存じのように財政運営のレールを作っておるわけでございます。従いまして、御指摘のような点は、ある意味では財政法といいますよりは、財政運営の問題にもつながる問題でございます。
  102. 武藤山治

    ○武藤委員 いや、そうじゃない、自然増収との関連で言っておるのですよ。
  103. 上林英男

    ○上林政府委員 その自然増収をどういうふうに使うかといえ問題は、確かに制度自体、たとえばどうするのだということによりましては、御指摘のような問題もあるかと存じまするけれども財政法のねらいまするところは、財政運営と申しますか、財政の管理作用の適正化をはかって参るという観点の法律でございますので、もちろんあわせまして運営の問題が非常に大きい問題でございます。なお、そういうような運営の役にたたせるように、できるだけ財政を合理的なものにしていきたいという気持は変わりがないわけでございます。そういう意味におきまして、今後十分慎重に検討していきたいというふうに考えているわけでございます。
  104. 武藤山治

    ○武藤委員 約束の時間でございますから、これで終わりますけれども、産投会計へ繰り入れる場合にも、非常に政略的なにおいがするわけなんです。だから私ども、そういうものをできるだけチェックするためには、財政法の中でレールを敷くという大原則はできるだけ紊乱しないように、十分の考慮を払わなければならぬという立場から、この財政法の改正についてはさらに質問を続行して検討をしたい、かように蓄えまして、質問を終わりたいと思います。
  105. 毛利松平

    ○毛利委員長代理 この際、午後一時三十分まで休憩いたします。    午後零時二十七分休憩      ————◇—————    午後一時五十三分開議
  106. 小川平二

    小川委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。  財政法の一部を改正する法律案議題といたします。質疑を続行いたします。堀昌雄君。
  107. 堀昌雄

    ○堀委員 最初に法律の問題の論議をいたしたいと思いましたが、法制局がまだ見えませんので、過去における財政法二十九条に関して、問題となりました案件の実体の問題に触れて、少し主計局の当局の今後に対する考え方を少し伺っておきたいと思います。  午前中の武藤委員質問に対して法規課長の方から二、三お答えがございましたけれども、今度の改正というものは、財政法の中を流れております現在の考え方にやや根本的と言っていいほどの変更を加える余地がある、その端緒となると申しますか、私はそういう意味で今回の財政法の改正は重要な意義があると考えております。これまで予算その他の問題につきまして、きょうの午前中の論議を伺っておりましても、法律は法律としてあるけれど、運営については何か明治以来の一貫した方針があるというような答弁が出ておりましたが、明治以来運営については必ずしも一貫した方針はなかったのではないか。特に戦前における財政運営に対する態度と戦後における財政運営に対する態度というものと根本的に私は相違があると思う。これはもちろん憲法の構成が変わったわけでありますから当然でありますけれども、そういう意味で根本的な相違があると思います。  そこで、最初に一つ伺っておきたいことは、戦後の財政法、現在の財政法に流れておる一番大事な精神、これは一体何であるか、これを一つ最初に伺っておきたいと思います。
  108. 石野信一

    ○石野政府委員 お尋ねが非常に抽象的かつ一般的と申しますか、原則的でございますので、御質問の御趣旨にポイントが合いますかどうかわかりませんが、一応申し上げますと、一つは民主化の問題、もう一つは財政の健全化、こういう原則で考えておるわけでございます。
  109. 堀昌雄

    ○堀委員 そこで今、民主主義の問題と財政健全化の問題、これはきわめて抽象的な概念としてお答えいただいたのでありますが、一番戦前のものと変わって参りました中心は民主主義という問題が非常に変わってきた。もちろん戦前でありましても国民のために政治が行なわれておったには相違ございませんけれども、権利義務の概念というものが私は戦前と戦後ではやはり民主主義のあり方としては非常な相違が出てきたと思います。そこでこの権利は過去において西欧諸国でいろいろ血を流してかちとられたそういう個人の権利といいますか、国民の権利といいますか、そういうものが非常に大きく戦後の憲法にも出て参りました。そのことはひいては財政法の中を流れる大きな一つの柱であろうと思います。そこで権利の問題ということになりますと、一番国民に直接つながりがあるのは、一つ財政法関係する部分としては税を負担するということである。もう一つは国の施策に基づいて国民がその施策によって受け取るもの、とれが私は国民の権利につながるものだと思うわけであります。  そこで国民の権利の一つの重要な問題が徴税ということでありますから、やはり国の予算というものと国民の負担というものはバランスがとれておるというのが前提であるべきである。こういうふうに考えますけれども、その点はいかがでしょう。
  110. 石野信一

    ○石野政府委員 お尋ねの点は歳入については税で、歳出の必要な部分をまかなうべきである。収支均衡すべきことが原則であるというお尋ねかと思います。そういう原則が基本的には原則だということは申していいと思いますが、しかし近代的な財政運営なりあるいは財政を通ずる金融、経済の運営としては、公債の発行ということも全然否定すべき問題ではございませんので、そういう意味においては健全化というような見地から限定をされておりますけれども、絶対にそういうものを認めないということでもないと思いますが、御質問の趣旨と合ったお答えかどうかわかりませんが、そういうことでございます。
  111. 堀昌雄

    ○堀委員 私は、もちろん原則の問題を、今基本的なところですが伺ったわけです。  そこで、憲法では、租税は法律によって行なわれる、法律によって定められた租税によって歳入がまかなわれることになっております。これはやはり民主主義というものが前提となっておると思います。ところが、これは私率直に申し上げますけれども、現在のわが国の政治の動き方というものは、必ずしも私どもが頭の中で念願をしておるような形で民主主義がうまく運営されておるというふうには、遺憾ながら思えない点があるわけです。そこで、特に最近私が、今この問題を論議するのに気づいておりますことは、昭和三十一年から、もっと古いところからでもいいのでありますが、昭和三十一年からずっと年度を振り返ってみますと、毎年、御承知のように相当多額の自然増収なるものが予定をされておるわけです。これはたまたま今経済が成長しつつあるからということになるかもわかりませんが、日本の経済は過去においてもかなりな程度の成長率をもって成長を続けておりますので、成長がとまったりいろいろしたときは、おおむね不況その他の特殊な条件のときであって、それ以外のときを除けば、おおむねこれは成長経済として続いておるわけです。  そこで問題は、この前実は主税局長との間でも論議をいたしましたけれども、やや税収の算定の仕方が性格を少し変えておるのではないか。特に本年度予算では、私予算委員会でも申しましたけれども、大体税収の見積もりの基本になるものは政府が出す経済見通しである。この経済見通しは、各経済担当大臣が口をそろえて、本年度の努力目標だということを言っておりますね。計画と努力目標とは非常に違うわけでありまして、計画ならばいろいろな形を客観的に判断をし総合して、そこに落ちつけるということになるはずでありますけれども、努力目標ということは、もっと伸びるであろうものをここに抑えたいという場合、あるいは過小のものをそこまで伸ばしたいという場合、実体としては予想されるものが別にあって、その別にある予想とそれから願うものとの間に差がある場合を、私は努力目標というのだと思うわけです。そうするとその差だけは当然結果として生ずる可能性が多い部分である、こう判断をしてみると、過去において経済成長率をこまかく企画庁の資料に基づいて点検してみるならば、いずれも相当な開きがある。裏返して言うならば、これはいずれも努力目標として設定されておったか、あるいは単なる目安程度のものであったかと思うのでありますが、これによって税金を払わされる国民は、これはやはり努力目標として払わされたのではなくて、現実にそれに基づく法律等によってとられるということになってきておるわけです。ですから、私がさっき申し上げたように、この自然増収がこのように出るということがわかりながら、そういう予算が組まれてくるということの中に、今のこの財政法の精神とやや異なるものが実体的に流れておるのではないか。もっと言うなれば、自然増収が予想されるならば、その部分は減税をして、そうしておおむね必要な範囲の財政が組まれるべきではないか、こういうふうに考えるわけですが、その点については、今後を含めてどういうことになるのか、一つ基本的な考えを承りたいと思います。
  112. 石野信一

    ○石野政府委員 お尋ねの、三十一年度以降毎年自然増収が最初の計画よりも出ておるんじゃないかという点でございますが、これが最初のいわゆる経済の見通しというものが計画かあるいは努力目標かというような問題につきましては、これは言葉の使い方かとも思います。と申しますのは、何と申しましても計画経済でございませんので、計画と申しましてもまた目標と申しましても、その通りに必ずそれを上にも行かず下にも行かずというふうに押えていくような仕組みにはなっておらないわけでございます。そこで努力目標ということが、今おっしゃるところでは、実際の見通しと違ったものを一つの目標に短めで、それを努力目標というのだろうということでございますが、普通使います場合にそういうふうに使いますこともございますけれども、それじゃ、全然実現性のないものを努力目標と言うかというと、そうでもございません。また三十一年以降は別にそこに押さえたいという意味でやったわけでもございませんし、またそこまで達しないのを達しさせようという意味でもなかったと思うので、一応そのときの見通しとしてはこの辺までは行くだろう、行かせたいという気持と同時に、行くだろうという意味での努力目標という言葉を、今も名大臣方は使われたと思いますが、そういう意味において実現の可能性がないというか、あるいは実際のものと違ったものではないということだと思います。現実に自然増収が出たじゃないかということにつきましては、これは最初から実際の見通しが違うんだということではなくて、そのときにはやはり主税局なら主税局で歳入の見積もりを作ります場合には、経済の見通しの方も企画庁で作ります場合には、そのときに大体こういうことになるという考え方で作っておるわけでございますが、その後給与が一般的に上がってくるとか、あるいは法人等の利益が出てくるというような経済の情勢に伴いまして、税の方も自然増収が出てくるということでございまして、必ずしも最初から目標を、実際の見通しと違ったものを作っておるとか、あるいは必要以上に内輪に歳入を見積もっておるということではないと考えております。
  113. 堀昌雄

    ○堀委員 最初はそうではないということだろうと思います。もちろん、それでなければ問題が起こるわけですが、毎年度々々々このくらい違いますと、一年、一年はそういうこともあり得ると思うのですが、五年も六年も続けてこういう事実が連なってくると、やはり私は財政運営上やや問題があるんじゃないかという感じがいたします。それからもう一つ、この問題で非常に今後に重要になると思いますのは、こういう形が続いておるために、要するに毎年剰余金が結果として出るわけですね。自然増収が非常にふえますから、毎年剰余金が出る。この剰余金の取り扱いについては、現在は財政法で第六条ですか、公債または借入金の償還財源へ繰り入れる、残りは四十何条かの剰余金として翌年度に決算後繰り越す、こういうことになっておるのだと思います。ところがこれが非常に少ない額であれば、私は大体この財政法通りの運用が行なわれるのが当然だろうと思うのですが、最近はきわめて多額な自然増収、裏返せ剰余金が出てくる、ここに私は問題が生じてくる原因が出てくると思うのです。この剰余金は今後もずっと出ると思うのですが、出なくなることを実は私は望むわけです。それは出なくなることを望むというのは、二つの面があると思います。収入をもう少し内輪に見積もるという場合、それからもし支出をするとするならば、それが特に社会保障のようなところに支出をされるという場合、これはわれわれの考え方として了解はできるわけですが、しかし当初の予算の組み方として、やはり皆さん方としては、そこまでを予想して予算を組むわけにはいかないでしょうから、結果として私は剰余金が出るのはやむを得ない。これが今の程度、相当大幅に今後出るという場合には、一体財政当局は今後それをどういうふうに処理をしていこうという基本方針なのか、ここをちょっと伺いたい。
  114. 石野信一

    ○石野政府委員 御指摘通り、ここ数年かなりの剰余金が出ております。三十三年度は非常に剰余金が少なかったわけでございますが、そのほかの年には非常に多く出ております。ただこれは先ほど来申しますように、経済の成長というものが一般考えられておったよりも実績が多過ぎるということで出ておるのが主たる理由だと思うのでございますが、こういう情勢がどこまで続いていくか、経済の成長についての見通しというものの立て方を今後どういうふうに考えるか、それからまた実績の伸びがどの程度で進んでいくかというような問題とも関連がごさいますと同時に、当初予算を組みます場合、三十七年度につきましてもこれで一体どういうふうになるのだ、どららかというとデフレ的になってくるから歳入はそんなに上がらないじゃないかといような議論もありますし、また逆に、なかなか景気の見通しというものはむずかしいからもっと上がるだろうということもありますが、なかなかこの見通しというものは、そのときにはむずかしいものでございます。そういう意味におきまして、将来の問題として、はたして剰余金が毎年こんなに多く出るかということになりますと、これは必ずしもそうも言えない。そういう意味におきまして、生じた剰余金を財政法第六条のような規定によりまして二分の一を公債償還財源に充て、あとは翌々年度以降で歳出なり減税なりに使うというような、そういう考え方がそのままでいいかどうかという問題につきましては、これは財政法の問題として、将来いろいろ研究はしていってもいい問題だとは思うのでございますが、現実が、それじゃ今の制度が絶対悪いかと申しますと、あるいは、それよりもこういう制度の方がいいじゃないかというようなものがあるかといいますと、必ずしもそうも言えない。と申しますのは、ただいま申しましたように剰余金が年々非常に多くのものが確保されるということになるのかどうかもわかりませんし、それからまたこれが公債償還に充てられるということにつきましては、外債等も今後どういうふうに出していくかということとも関連して、公債償還をどの程確保するか、その点についての制度をどういうふうにしたらいいかというような問題ともいろいろ関連ががございますので、御質問の点、重要な問題として今後の研究に待つべき問題だとは思いますけれども、現在の段階で財政法六条をすぐに改正した方がいいとか、あるいはこういうふうに改正すべきだという意見は今私どもは持っておらないわけでございます。
  115. 堀昌雄

    ○堀委員 今の自然増収の問題ですが、予算額と決算額の差を見ますと、おっしゃるように、昭和三十三年は五十九億円として、これは例外の年でございます。三十一年は千二百三十五億、三十二年が千三十億、三十四年九百二十七億、三十五年二千八百十七億、三十六年三千二百九十七億——漸増の傾向をたどってきておるわけですね。実は私はやはり、こういうふうに非常に剰余金がふえてきたものだから、ここに、この前累次問題になりましたような第二次補正予算関係の問題が出てきたんだ、これがなければ出なかっただろうと私は思います。そこで石野さんは当時銀行局長をしていらっしゃって主管しておられたわけではありませんけれども、三十五年のときを顧みてみますと、当時大蔵大臣は水田さんだったのですが、初めは第二次補正予算を組む意思はなかった、そこで三十六年度予算をいろいろとやってみて、やってみた結果、三十六年度予算の中で産投の出資に充てるべき資金がなくなったので、そこでたまたま剰余金があるので、この剰余金をもって第二次補正を組んで資金に繰り入れることにしましたと、非常に正直な答弁を予算委員会でしておられるわけですね。ここに私は財政法二十九条問題の非常に重要なポイントがあると思う。というのは、剰余金がこれほどなければ当然第二次補正というものが組まれなくて、こういう改正の問題もあるいは起きなかったかと思う。ところが、毎年度予算もそうでしょうが、本年度は石野さん予算案をおやりになって御経験があるでしょうが、多少隠し財源を持っていらっしゃる。しかし各省及び与党、圧力団体の攻勢激しく、だんだん隠し財源をむしり取られてしまって隠し財源がなくなる。三十六年度の話ですが、次には出資等に充てようと思ったその分までむしり取られてなくなってしまった。しかし必要なんだからというので三十五年度の補正でやる、これが必要避くべからざる事由だ、こういうことになっておるようであります。そこで私は、その中で感じたのは、十五カ月予算といいますか、第二次補正予算というのは、次の三十六年度予算と一本になる格好の予算であるかのような印象を受ける答弁がされておるわけです。実は三十五年度の補予算であるべきものが、三十六年度の事前補正予算のようた格好になっておるということになりますと、これはやはり会計年度独立の原則にも反するし、単年度主義にも反してくるのではないか。だから、必要避くべからざるとかの論議の前に、私は、三十五年における第二次補正によって産投資金に繰り入れられた問題というのは、財政法上きわめて重大な意義を含んでおる、そのように理解するわけなんですが、その点はどういうふうに考えておられますか。
  116. 石野信一

    ○石野政府委員 三十五年度の第二次補正予算のときに、産投への繰り入れが行なわれました場合、最初の大蔵省原案にはなかったといったことから、それが最初考えていなかったことを、金が足りなかったからやったのだろうというような意味での御質問だと思いますけれども、その点は毎年の予算の編成の手続と申しますか、過程でございますが、これは予算の内示というものの性格の問題もあるわけでございますが、たとえば各省間で話のついてない要求が両方から出ておるというような場合には、一応両方とも削った内示をするというようなことで、必ずしも最初に出しますものがそのままで認められるということにもならない点はやむを得ないところもあるわけでございます。従いまして、そういったことでいろいろ最初の原案とでき上がったものとの相違というものがありますけれども、その点はやはり政府全体として最終的に決定した予算としての問題を御審議いただくということが適当ではないか。従いまして、大蔵大臣がどういうふうに表明されたか私ちょっと存じませんけれども、そのときに、三十五年度の場合も第二次補正で産投会計に入れることが必要だということを政府として判断してこれを資金に繰り入れた、こういうことでございまして、金が足りなくなったからそういうふうにしたというのではなくて、政府としては、やはりそういう形の三十六年度予算であり、また三十五年度第二次補正で産投会計に繰り入れることが貿易の自由化とかそういった問題を控えて必要である、こういうふうに判断してやったことだと思います。
  117. 堀昌雄

    ○堀委員 水田さんを呼んでこないと話はおもしろくないのですが、きょうは病気のようだからいいですが、私、水田さんという人は非常にいい人だと思う。まさに正直でいい人だと思う。会議録を読みますと、こういうふうになっているのです。わが方の井手委員が「そこで、大蔵大臣、あなたは、一月の十八日、いよいよ予算原案がきまるときに、第二次補正は出しませんと、その日までおっしゃっておった。それは、ここにいらっしゃる新聞記者の人がちゃんと保証人になられる。ところが夕方になって、あなたは、ごめんなさい、補正予算を出すようになりましたとおっしゃったそうですが、その昼ごろまでは、やはり補正予算は出すつもりじゃなかったのですか、出さないつもりでしたか。急に何かのあとに補正予算を出すようになったのですか。」これに対して水田さんは「さっき申しましたように、大蔵原案の過程では、私はそれを考えておりませんでした。最後に各省との予算折衝、内閣における最後の調整の決定のときにおいて、こういうことになったというわけでございます。」「それでいきさつはわかりました。そうしますと、財政投融資というのは、緊急避くべからざるものがほかにあったから、三十六年度予算では減らしたのだ。幸い三十五年度に自然増収があったからその方でまかなうようにした、こういうことでございましょう。間違いないですね。」「そういうことでございます。」こうなっているわけですね。この経緯を読みますと、だから、緊要であることについて、三十六年度でそれほど緊要でなかったからはずれた、ここが問題だと思うのです。そうすると今度は、もし三十五年度に自然増収、剰余金がなければ一体どうなったのかと思うのですが、まあ、たまたまあったのでこれを使った、こういうことになると、私は、ものの考え方としては、さっき申し上げた会計年度独立の原則とか、予算年度主義というような格好から見ると、これはおかしいのではないか、政策的におかしい、こういうふうに思うのです。だから、問題はこの問題だけでなく、ずっとあといろいろ出ますけれども、結局そこで十五カ月予算というような考え方が出てくるわけです。前の年度のものを、たまたま資金という非常に都合のいい袋があるのだから、一応そこへためましょう——財政法の書くところによれば、これは強制的に半分は公債あるいは借入金の返済に充てさせられて、残りは翌々年度まで使えない。そこで、それを来年度に使うためにはどうすればいいかということになると、現在の考えでは、資金にほうり込めばこれは来年度にすぐ使える。しかし、私はこの使い方は財政法が認めておる本来の使い方ではないと思うのです。財政法はやはり年度を越して使うものについては継続費、それから明許繰り越し費と国庫債務負担行為だけを明らかに規定をしておるので、本来的には、私はこれが財政法で命じておるところの繰り越して使えるやり方、非常に例外的な——道はなるほど通っておりますが、そういう例外的な道がつけられておる。私どもが今度の財政法の問題で非常に心配をしております点は、やはりここにあるわけです。財政法の本来的な例外規定というものの方で問題が処理をされないで、例外のさらに例外で問題が処理をされる道が広く開かれるのではないかということに問題が一つあるわけです。そこで、先ほどもちょっと課長も答えられておったのですけれども、経済情勢のいろいろなあり方によって運営が弾力的に扱われるような、その経済情勢に見合った運営の仕方というものがあるのではないか、こういうことがお話に一面で出ている。また一面では、しかし取り扱いは明治以来の方向でやるのだというちょっとやや食い違った感じの問題があるわけです。そこで、この財政法は、そういう経緯のいわゆるフィスカル・ポリシー的なものを認めておるのかどうか、その点を局長はどういうふうにお考えになりますか。
  118. 石野信一

    ○石野政府委員 ただいまの御質問で、今回の改正が補正予算をもっと甘く運用すると申しますか、補正予算を組みやすくするための改正じゃないか、そういった点が心配だという御趣旨の御質問だと思うのでございますが、この点につきましては、法規課長からもお答えしておると思いますけれども、今回特にこういう改正をいたしますことによって補正予算の運用、補正予算編成の方針等について、従来からとっております方針を変更するというような考え方は持っておりません。それではなぜ改正するのか、こういう御疑問をお持ちになると思うのでございますが、その点は一つには、あのときも議論になりましたが、資金に繰り入れるというので、国庫内の移管というものが支出になるかどうか、経費として、当該年度の経費となるかどうかというような点についての疑問が一つ起こったのと、それから、必要避くべからざるという言葉の与える語感でございます。これは私どもとしては、補正予算を非常に限定したいという気持においては、今回改正するといたしましても、別にそれを変更したいというような考え方は持っておらないわけでございますが、必要避くべからざるという言葉は、語感としては非常にきついわけです。そのほかに、一般に出ております補正予算のいろいろの例をとりまして、必要避くべからざるという言葉が非常に厳格に解釈されると、それじゃこの災害は絶対待てないのか、災害復旧の金は絶対待てないのかどうかというようなことや、あるいは給与改定は来年四月まで絶対待てないのかどうかというようなことで議論の余地が残るわけでございます。こういうのを改正するかというような、財政制度審議会の話のときもある委員が例を出されたのですが、たとえば女の子がおしろいとか口紅をつける。口紅とかおしろいを例にとることがいいかどうかわかりませんけれども、これが一体必需品かどうかということになると、そんなものはなくてもいいじゃないか、全然要らぬじゃないかといえば、そうもいえる。しかし、普通常識上その程度のものは、特に上等なものでなければつけるのは女性としての身だしなみだとなれば、これは必需品といえるのではないか。そういうような議論と同じで、必要避くべからざるという言葉が常にそういった意味で問題を起こす。たとえば食糧管理特別会計の調整資金として金を積んでおく、将来のために積んでおくいうようなことも、一体これは必要かどうかということになると、何も必要避くべからざるというものでもないだろうということでいろいろ議論が起こる。それは緊要かどうかというようなことは、結局政府の判断によることになりますけれども、そうして結局最終的には国会の判断ということになりますけれども、その点につきましては、やはり語感の点でそのつど問題を起こす。特にこういう国会の運営としては、社会党からもそういう点についての疑問が提起されたということでありますれば、そういった点について誤解が将来もたびたび起こらないように——運営の方針としては変えないけれども、やはりそういった点で、法律の文句の語感から問題がたびたび起こらないようにした方が、それが結局いろいろ問題が起こった場合の処理の方法としてはいいのじゃないか。そういうことはもうこれで読めるのだというようなことでがんばっていくというような行き方もあると思いますけれども、この点は、問題が起こらないように、将来のために言葉等の修正もしていった方がいいのではないか、こういう考え方でございます。基本的には運営の方針を変えるという考え方は全然ございません。
  119. 堀昌雄

    ○堀委員 法制局が見えましたから、ちょっと法律について少し伺いたいのですけれども、最初に伺いたいのは、経費というのは法律では大体どういうものを規定しているのでしょうか。経費一般と言ってはまずいですから、国の経費……。
  120. 山内一夫

    ○山内(一夫)政府委員 完全な定義ができるかどうか、すぐにはわかりませんけれども、一定の用途に金が要るということを前提としまして、その一定の用途に必要な金というのを経費と、こういうふうに観念しているのだろうというふうに考えます。
  121. 堀昌雄

    ○堀委員 そこで現財政法の第二十九条でありますが、「内閣は、予算作成後に生じた事由に基づき必要避けることのできない経費若しくは国庫債務負担行為又は法律上若しくは契約上国の義務に属する経費に不足を生じた場合に限り、予算作成の手続に準じ、追加予算を作成し、これを国会提出することができる。」こうありますけれども、この前段の「必要避けることのできない経費」は引き続いて「経費に不足を生じた場合に限り、予算作成の手続に準じ、」とこう読むのがこの第二十九条としては正しいと思いますが、どうですか。
  122. 山内一夫

    ○山内(一夫)政府委員 おっしゃる通りだと思います。
  123. 堀昌雄

    ○堀委員 そこで、ここでちょっと問題になりますのは、これまでの論議ではその「必要避けることのできない」というところが非常に論議になっております。もちろんこれも一つ大きな論議になる余地があると私は思いますが、もう一つ問題になりますのは、「不足を生じた場合に限り、」という、ここに私は一つ大きな問題があると思う。そこで、「不足を生じた」というのは、これは過去の表現になっておるわけですね。だから、ともかく明らかに何らかの経費がありまして、そして経費は現実には支出をされるわけでしょうね。支出をされてくると、そこで「不足を生じた」ということですね。だから不足が生じる場合ではなくて、「生じた場合に限り、」と、こうありますね。これはだから現実に何かが起こって、起こった結果として不足という事態が生じておる、こういうことに理解をすべきじゃないかと思うのですが、ここはどうでしょうか。
  124. 山内一夫

    ○山内(一夫)政府委員 確かに言葉のあり方としては、生じた、と言うと、一種の完了形になっておりますから、そういうふうに考えられるわけでありまするけれども、国の支出というものは歳出予算に計上されていなければ支払えないわけであります。そこで、一定の客観的な事由があって、当該の款項なりあるいは款項のない場合には予算全体について考えなければなりませんけれども、それに充当すべき金が予算にはない、そういう不足の状態がそこにあるという条件がここにかかっているのだろうと私は思います。そういう意味では、的確に言えば不足を生ずる見込みが確定的に生じた場合、こういうふうな表現になるのがあるいは正確かと思いますけれども、事柄の性質上実質的にはそういうような意味として理解するのが正しいのじゃないか、私はかように思います。
  125. 堀昌雄

    ○堀委員 私は今実体を聞いていないのです。この法律の言葉、形式を聞いているのです。ですから、私は法律の専門家じゃございませんから、だれだれがどう言ったという権威を持ってきてものを言おうとは思いません。やはりわれわれ代議士すなわち国民の立場として言いますと、これは普遍的な原則というのは常識だと私は思うのです。そうすると、日本語を正しく理解するかどうかということが先に立たなければ、法律の問題は前へ出ないわけですから、そこでこの法律を常識的に理解をいたしますと、経費というのは、私が伺ったのは用途に必要な金ですね。今おっしゃったように金ですね。だから、そこに不足を生じたんですね。あなたのおっしゃったのは、実体としては生ずる可能性の問題を言っておられるわけですが、実体ではなくて、この法律が規定しておることは明らかに不足を生じた、不足を生じたということはどういうことになるかというと、たとえば今この予算の中に、災害が急に起きた。災害が急に起きて——これはさっき主計局長はその災害の手当はまあいつしてもいいじゃないかという判断の問題があるとおっしゃったのですが、これは災害の費用の中にはいつ手当してもいいものもあると思うのです。しかしどうしてもしなければならないものも、必要避くべからざるものは、私はあると思うのですね。実体の中でもある。そういう形のものがもし出てきたとするならば、その用途に必要な金は予算の項目にないのです。なければそこで不足が生じたわけですね。不足というのは、ある必要が起きて、必要を満たそうと思うのにないというのが不足ですね。ある必要を満たそうと思うけれども、満たすべきものがないというのが不足でしょう。だから、そこで不足が生じた。これはこの法律の解釈からするならば、この法律が予想しておる事態だと思うのです、率直に言って。ところが、今おっしゃったような言い方は——それはこれまで政府はそういう格好でこの法律を運営してきたと思うのですよ。不足を生じる可能性があるという判断をるということですね。だからそれは過去になっていないわけですよ。将来に対しての見通しの中でものを言う格好になって、現実にはそういう運営をしている。しかし現実には、この法律が立法されたときには相当厳密に書かれておるということを感じるのです。さっき主計局長は語感の上でとおっしゃった。語感の上だけでないことは、前段で必要避くべからざるという規定をしただけでなく、後段の、「不足を生じた場合に限り、」というのは、非常に限定しておるわけなんですね。前段の必要避くべからざる、後段の「必要を生じた場合に限り、」という両方で、この問題は非常に規制をされておる法律の条項なんです。だから、私はこの法律を常識的に法律通りに解釈をするならば、私の今申し上げたようなことが本来の目的としてはあったに相違ない、立法者のその当時の趣旨として。これはこう書いたのですから、そういうふうに思いますけれども、そこはどうでしょう。
  126. 山内一夫

    ○山内(一夫)政府委員 私が申しましたことと、今堀先生がおっしゃったこととは、私は違わないというふうに考えるわけです。つまり政策上あるいは法律上の支出として出すべき所要の経費が必要である、そういう認定のもとに、しかも現在の予算においてはそれを満たすべき金がない、そういう事態が生じた場合に補正をする、こういうふうに二十九条は読むべきだと思いますから、そういう意味で私も先ほど申し上げましたのですが、そういう意味を堀先生はおっしゃったと私は理解していますから、同じことを申しておるのではないかと思います。
  127. 堀昌雄

    ○堀委員 ですから、私が申し上げことは、少くともある事態が起きて、そしてそこに明らかに不足が生じておるということですね。この問題が提起される前に不足が生じておるわけですね。もう過去ですから……。そういうことが当然予算作成後に生じた事由に基づくということで、予算の作成後であって補正予算を組むときよりは前に、この間の中にそういう必要が生じたということでなければならない。この期間の中になければならない。だから、私はそういう意味で、この法律はきわめて限定をされておるのにかかわらず、今度は法律はこういうことに変わってくるわけですね。「内閣は、次に掲げる場合に限り、予算作成の手続に準じ、補正予算を作成し、これを国会提出することができる。」「法律上又は契約上国の義務に属する経費の不足を補うほか、予算作成後に生じた事由に基づき特に緊要となった経費の支出」「を行なうため必要な予算の追加を行なう場合」そこで、私がここで今の問題を特に取り上げましたのは、今度は初めの方に「次に掲げる場合に限り、」と出ておる。その次に、必要避くべからざるが、「特に緊要となった」と今度は変わった。ただ、今私が申し上げたように、すでにその不足の事態がきわめて明らかでなければならぬということがこれまでの法律の趣旨だったと思いますけれども、今度の場合はそういう格好の形にはならないで、「特に緊要となった経費の支出」「を行なうため必要な予算の追加を行なう」というふうに、すらっと、もうここからあとに限定はないのですね。限定をされているところは「緊要となった経費の支出」ということで、結局それは、これまでは「不足」ということが前に出て、「不足を生じた」ということが非常に私は大きな意味があったと思います。今度はその部分はないのですね。今度の場合は、そういう意味では不足を生じなくても、緊要とさえ思えば追加予算ができる、こういうふうになっているように私は理解するのですが、法制局としてはこの今の改正法案とこれまでとの間の相違を私の理解するように理解されるかどうか、ちょっとお伺いしたい。
  128. 吉國一郎

    吉國政府委員 法律の改正の問題でございますので、私担当いたしました関係でお答えを申し上げます。  今回の改正につきましては、先ほど主計局長からもお答え申し上げました通り、現行法の二十九条を非常に広くゆるめたというようなことは毛頭考えておりませんで、現在の追加予算と修正予算の区分の問題について、これを一括して補正予算という、現在までやっておりますような形に改めましたことが一つ。それから第二には、予算の追加の場合と予算の修正の場合とで、予算の成立後であるかあるいは予算作成後を基準とするかという点において、取り扱いが異なっておりましたのが、非常に取り扱い上不便を生じまするので、その点を統一いたしましたのが第二。それから先ほども委員からお話がございましたが、「必要避けることのできない」というところが、非常に緊急度が高いという意味に、語感上とられやすい点を「緊要」というような言葉に変えました点が第三でございまして、私ども考えておりましたときには、その「不足を生じた」ということにつきましては、先ほど私の方の第一部長からお答え申し上げました通り、現在においても国の経費全体といたしまして不足になったということで考えておりますので、今度の改正案によりまして、その点が非常にゆるくなったというようには考えておりませんでしたわけでございますが、規定の文面からいたしますると、確かに堀委員の仰せられますような議論もできるかと思いますが、私どもといたしましては、そこまで考えましてこの点を特にゆるめようというようなことは思っておらなかったわけでございます。
  129. 堀昌雄

    ○堀委員 実はそこまでお考えになっていなかったということであれば私は別だと思うのですが、今の二十九条は、私これまでの国会の論議が、その前段の方の必要避くべからざるというところには非常に論議が集中をいたしておりましたけれども、「不足を生じた場合に限り、」いうところが、やや私は論議がされていなかったうらみがあると思います。やはりこの「不足」ということが私は非常に重要だと思うのです。この今の改正になりますと、もう「不足」というものはここから消えてなくなったのです。「法律上又は契約上国の義務に属する経費の不足を補うほか」この部分は「不足」がついておるわけですね。あとの方には「不足」がついてないのですね。「不足」がなくても、積極的に今度はやれるようなふうにこれが理解できるようになっている。ですから、「特に緊要となった」という判断で、「不足」という問題は事態が先行するから不足、特に緊要なのは、事態が先行していなくても緊要と思えば、要するに、これまでは算を作成する以前に事態が起きていなければならなかったと思うのです、不足を生じたのですから。ところが、今度は事態がそれより先にある場合ですね、それより将来に起こる場合にでも、「特に緊要となった経費」というふうに認めたらそれでできるのかどうかというところですね。そこのところは非常に私ははっきりしなくなると思うのですが、この点は法律上どうなりましょうか。主計局長でもいいですよ。
  130. 石野信一

    ○石野政府委員 御指摘通り文章の上では違った形になっておりますけれども、現行の二十九条の場合、必要避けることのできない経費に不足を生じた場合、ということでございまして、「不足」という意味は、もちろんそのおっしゃる意味は、何か一つのものがあって、それが足りなくなったということをおっしゃるのではないと思うのです。当然必要なものであって今までにない経費であっても、新しい事態が起こってそこで必要になってきたというものなら、政府が必要であると判断すれは、その場合に、それが財源がなければ不足だという意味で、現行法を解釈せざるを得ない。何か根っこがあってそれが足りなくなった場合ということだけを言う意味ではないことは、これは御了解いただけると思います。  そこで、そういう意味で、「必要避けることのできない経費」に「不足を生じた場合」というのと、今度の、「特に緊要となった経費の支出」の追加を行なう、「緊要となった」ということで、政府としてはこれは「緊要」と認めたわけです。認めたけれども、それに対する財源がないということなのですから、これは「不足を生じた場合」と別段何にも変わらないではないかというふうに思いますが、その点、何か言葉の形が変わっておりますので、語感の上であるいはそういうふうな印象をお持ちになるかとも思いますけれども、私ども気持としてはここで「特に緊要となった経費」でございますから、そういう意味で政府が「緊要」と認め、支出を必要とすることになった、こういうことでございます。要するに、私どもとしては、これで内容を変えようという気持は全然なくして、むしろ堀委員からの御指摘があったので、そういうふうな読み方も一つの問題になるのかなということを今考えておる程度でございます。
  131. 堀昌雄

    ○堀委員 私が非常にこれにこだわっておりますのは、この問題の時点の「予算作成後」ということだけは両方とも同じですからけっこうなのです。それから補正予算を作るときに、たとえば、私がこれは特にそういうことを言いますのは、剰余金が非常にふえてきたということがありますね。これがそれに該当しておる——三十五年のときもそうだと思いますが、不足の事態ということは、この場合には率直に言いますと三十六年度予算で組もうと最初思ったということですからね。三十六年度予算で組もうと思ったけれども、そこで財源がなくなったから三十五年度の補正予算で組んだということは、ここに私その問題を提起しておるわけなのです。三十五年度の補正予算を組む以前に、どうしても不足が生じてきて穴があいているからこれで埋めなければならぬという事態が起こっておって埋めたのなら実は問題なかったわけです。ところが、その時点より将来にわたって不足の生じるおそれがあるということで、補正予算の成立よりあとの、将来の問題に対して補正予算を組んだということが、私はこの財政法の二十九条から見ておかしい、こういうふうに思うわけなのです。そこで、「不足」の問題は、さっきのお話のように「必要」との関係になるわけですから、その先が必要ということになると、たとえはある財源が——これはよくここの中でも食管の調整金が出ますね。食管の調整金のようなものは非常に私ははっきりすると思うのです。食管会計の方が米価の算定のあり方によってどんどん赤字になりますね。そうすると調整金は自動的にこれを埋めなければならない性格がありますから、これは明らかにだれが見ても不足を生じたという格好が出てきて、調整金の方がある程度予定したよりもずっと下がってくると、また今の状態でいけば当然赤字になるから、それを一般会計から繰り込むということになると、不足というものの生じ方が、時間的には補正予算の問題より前に事態が出てきておるわけですね。ところが、三十五年の場合の不足はそうでなくて、産投資金に繰り入れるということは、不足は三十六年度に繰り入れてもいいんだということで、予算の初めの計画がされておったくらいだから、それをこっちから前へ持ってきたということになると、今の新しい方ならそれでいいことになると思う。「緊要となった経費の支出」というところで、その時点の限界が非常にはっきりしない表現になってきましたから、それならば今のような問題はきわめてスムーズにいくようになると思うのだけれども、二十九条のこれまでの概念でいくならば、あの三十五年のようなやり方は私は実体的に見ても「不足を生じた場合に限り、」ということの方に入らないんじゃないか。時点が、予算作成後と補正予算作成の時期との間に不足を生じる事態が起きていなければならぬというふうに私は理解している。そこで私は、ここをちょっとそういう意味でこだわっておる。だからその点で政府の方が、私の言うような考え方なんだ、それでああいう式のやり方をするためにこういう改正をしたんだと言われるなら、また私はそれは理解するのだけれども、そこは気がつかなかったんだということになると、ちょっと私は問題があると思う。
  132. 石野信一

    ○石野政府委員 決してああいうことを今後やるためにこういう改正をするということではございません。私どもとしては、現行と今回の改正案と、今の点については特に変わったところはないというふうに考えるわけでございます。と申しますのは、あのときの解釈といたしまても、「不足を生じた場合」というのは、政府が必要であると認めた経費の支出権限がないということでございまして、資金に繰り入れたいという政府決定をいたしました場合に、それを歳出権がないということで追加する必要を生じたということでございます。  結局御議論のポイントは、あのときにやりましたことがほんとうに必要避くべからざるか、あるいは緊要であったかどうかということの御議論だと思うのですが、それは大蔵原案でどうであったというような問題は、これは実際の面としてそういう疑問をお持ちになるのもごもっともではございますけれども、しかし政府予算案というものはやはりいろいろの交渉とか経緯を経まして、最終的に政府の案として決定をいたしましたときに政府予算ということになるわけでありまして、その段階におきましては、政府としては三十五年度の第二次補正でとにかく産投の資金に繰り入れをすることが必要であるという決定判断をいたしたわけでございます。そこでその「経費に不足を生じた」ということになるわけでございますから、それを補うための補正予算を組んだということでございまして、その辺のところ、最初の原案とは考え方が違っておるじゃないかというお話は、大蔵大臣の答弁とも関連してございますけれども、しかし政府の意思としてはあのとき第二次補正予算を組むという必要があるということを認めたおけでございますから、そこで「不足を生じた」、こういうことになるわけでございます。
  133. 堀昌雄

    ○堀委員 そこで、これは法制局に少し伺いたいのですけれども、この前の論議の中ではこういうことが言われているわけです。支出のところで切れまして、要するにそこから先はどうなろうと別問題だという論議がされた。たとえば資金に入ったものがその年度に使おれようが、その先で使われようが、これは資金へ入ればそこから先は別建だ、だから予算があって、予算からここへ出る、この瞬間だけが実は問題なので、出たあとはこれはまた別世界の話になりますという論議の立て方が実はされておるわけです。  そこで私どもは、常識的に見ますと、さっきの話に戻るのでが、「経費に不足を生じた」ということは、やはり何かの用途が明らかにありまして、その用途のために仕事が動くおけです。何かがなければ金は要りませんから、動いた結果として金が要ることになって、そういう格好で順繰りに不足というものが出てるというふうに見るわけです。だから、どこかで切れるということも、それは一般会計予算の側だけから見ると、外へ出たところで切れますが、不足を生じた、という実体的な問題は連なっておる、どこかに連なっていなければならないと思うのです。それが先の実体との関係で不足が順繰りに出てきて、それが一般会計の方へ不足となって——不足というか、使おうと思っても使えない。さっきのあれは二つありますけれども、項目があろうとなかろうと使うべき経費がないということになると、常識的な言い方をします、つながってくると思うのですが、この法律というものはどうでしょうか。
  134. 山内一夫

    ○山内(一夫)政府委員 資金の繰り入れということが、会計法上は、これは支出に立っておるということは、むろん先生に御説明するまでもない先生の問題としていらっしゃるのは、その資金というものは繰り入れられても、結局国に保有されておって、直ちに外へ出るという金ではないのじゃないか。だから外へ直ちに出てくる金でないのに、「経費に不足を生じた」という意味からいくとどうだろうか、こういう点だろうと私は思うのですが、これは現行財政法の二十九条の言葉でいえば、資金を保有ることが避くべからざるものである。そこに一定額の資金を保有するのが避くべからざる必要がある、こういう認定に立って、あるいはこの改正法でいえば、この資金を保有することが緊要である、そういう認識のもとに立って、そこへ繰り入れるということを今までやってきたのだというふうに私は思うわけです。ですから、そこで問題は、避くべからざる経費というものが常に国から直接離れていく、全部が離れていかなければならないものであるかどうかが今の財政法二十九条の解釈で残るだろうと思うのです。ただ現在までやってきた政府の立場というものは、一定額の資金を保有することが必要避けることのできないものであるという認定に立って、一応財政法上の合法的な補正である、こういうふうに説明してきたと私は思いますし、それで私もいいんじゃないか、こういうふうに考えておるわけでございます。
  135. 堀昌雄

    ○堀委員 どうもここが——ども常識的にさっきから言っておることはこういうことなんです。必要避くべからざる経費の判断はいいのです。その「経費に不足を生じた場合に限り、」、逆にここへこだわっておるわけですが、「不足を生じた場合に限り、」というのは、たとえばその例を産投にとりましょう。輸出入の関係で、急にどうしても輸出入銀行が資金がなくなった、一つこの際これは出資をしてやらなければならない。そうると、今産投会計には一つも金がないのだということになって、そこでその産投に繰り入れる。産投に繰り入れたものの中に——それは資金に入れてもいいし、ストレートに入れてもいい。ここにも私は問題があると思う。資金と一般と二つの点に問題がありますが、そこはあとで触れるとして、産投に入れて、産投ですぐその年度のうちにこれが輸出入銀行に出資をされるということになりますと、これは常識的に見て、なるほど、必要避くべからざる経費に不足を生じた場合に限って繰り入れが行なわれて、不足を補っていったという形にすなおに理解できるわけです。ところがこの三十五年の場合というのはそうではなくて、その年度にはちっとも出なかったわけです。三百五十億というのは資金にぽんと入れて、三十六年度にこれが取りくずされて、三十七年度に取りくずされるという格好になったのでしょう。そうすると、「不足を生じた場合に限り、」という事態は、将来の問題になった。これは実際には将来の問題になったと私は理解をするわけです。そういうふうなことがいいんだという政府の理解だから、もちろんそれはできたのでしょうが、私はこの法律はそういうふうに理解すべきものではないのではなかったか。だから、今度の法律によれば、今度は私は疑義ないのです。緊要となった経費の支出を行なうため必要な予算の追加を行なうということになれば、席投会計のところに今出資を五百億入れておくことが緊要だと政府が判断したならば、われわれは一言も文句を言うことはなくなるわけですけれども、これまでのところは問題があったからこういうふうに改正したのであって、吉國さんは、前も今度も法律としては一つも変わっていないと言っていますけれども、私は率直に言って変わっているということを言いたいのです。変わっているのだ、変わっているから法律を変えたのだということでないと、変わってないことを何も字句をいじくり回す必要はないわけですから、そこに私はちょっとこだわっておるわけです。ですから私が申しげた意味は、特に「不足を生じた場合に限り、」というところにこだわっているということです。その事態が補予算前にあって、そうして予算作成後にあった。この間の中に事態がある場合に、二十九条の精神はそういうものを考えてこの法律ができたのだと私は思うということです。こっちで事態を予測したものではないというふうに私は考えるのですが、この法律のできた趣意は法制局どうでしょうか、そう私が申し上げるような意味にできておるかどうか。
  136. 吉國一郎

    吉國政府委員 先ほど私が法律の趣旨においては変わっておりませんと申し上げましたのは、この「予算作成後にした事由に基づき必要避けることのできない経費」云々に「不足を生じた場合に限り、」という点につきましては、現行法も今回の二十九条の改正におきましても変わっておりませんということを申し上げたわけでございまして、その他の三、四点につきましては確かに改正をいたしております。ただいまの不足の問題でございますが、これは先ほどの答弁のやや繰り返しに相なるかもしれませんが、当時昭和三十二年なり三十五年なりにおいて考えておりましたのは、この不足の点につきましては、一般会計からこの資金へ繰り入れをする、その繰り入れ分に不足が生じておる、その資金の方から国軍の外に払い出すことは直ちには予定されておらない、しかしその資金が一定の額に達しておることが緊要性があるということで、一般会計からその資金の繰り入れをする額にいわば不足を生じたということで、この第二十九条第一項の場合にあたるというふうに考えたわけでございます。  それからもう一つは、今回の改正で第二十九条の第一項に先ほどお話しがございました「当該年度において国庫内の移換えにとどまるものを含む。」というのを入れましたけれども、お話しがありましたように、当該年度においては国庫の外に払い出されないような後年度の支出財源に充てるための移しかえは、「必要避けることのできない経費」にあたらないのではないかというような疑問も生じないではないというような財政制度審議会での議論もございまして、その点は解釈上はっきりさせる方がいいというような答申がございましたので、その結果に従ってはっきり当該年度において国庫内の移しかえにとどまるものも含まれるようにいたしたわけでございますが、この点も先ほど来申し上げておりますように、現行法と変っておりません。しかし解釈上やや疑義がないこともないので、その点をはっきりさせるという改正をいたしたわけでございます。
  137. 堀昌雄

    ○堀委員 今の吉國さんのお話しで、その資金から外に出ていくのではなくて、資金が不足をしておることだというお話しが今出ました。そうするとこれは主計局の方から伺うのですが、産投会計の資金というものは、必要な状態というのは一体どのくらいが必要な状態なんでしょうか。それを割ってきたら不足を生ずるということになるのだろうと思うのです。これは年度でいろいろ違ってくるのではないかと思いますが、それは一体どういうところから出てきましょうか。
  138. 石野信一

    ○石野政府委員 金額で幾らになると不足であるというようなめどを申し上げるわけにもいかないと思います。と申しますのは、そのときどきの経済の情勢なり今後の見通しなり、また政府の財政投融資というものに果たさせる役割というものを政府がどう考えるかという問題と関連があります。従いまして、所得倍増計、とかあるいは貿易自由化のためというようなことで、中小企業金融とか輸出入金融とかいろいろな金融が財政投融資から行なわれるわけでございますが、そういったものについてあるいは公団関係の出資の問題等につきまして今後資金が要るだろうという判断をいたしますれば、やはりそれが必要であるということになるわけでございまして、そのときどきの情勢に応ずる政府の判断ということになると思うのでございます。
  139. 堀昌雄

    ○堀委員 そこで不足の方は資金の不足、そういうことになると、これは私は相当ルーズな政策判断といいますか、政府の側がたとえば資金不足だ、そうするとここで剰余金がことしどうなるかわかりませんが、過去の例のように二千億も三千億もあるとすると、ともかく二千億一つぽんとそこへ入れる、三千億入れるということになっても、これは緊要と認めたらできることに道を開いた、ということに法律上はなりますね。運営の側はいいですよ、法律の方として見ると……。
  140. 吉國一郎

    吉國政府委員 ただいま御指摘の例のように単に必要になったというだけではございませんで、これは特に緊要となった経費の支出を行なうために必要な予算の追加を行なう場合でございまして、しかもこの特に緊要となったという認定は客観的な問題でありまして、政府は単に主観的に「特に緊要となった」というだけではございませんで、これは最終的には予算の御審議をなさいまする国権の最高機関において、特に緊要であるかどうかという御判定をなさるということになると思います。
  141. 堀昌雄

    ○堀委員 もちろんそうだろう、財政民主主義の建前でそうですが、現実は大体政府原案ができますと、今の状態予算案が変わったことはないですよ。国会予算案が少しでも変われるなら、私はさっき前段でちょっと民主主義に触れましたけれども、民主主義という形が完全に財政について行なわれるようになってくるというふうに理解しますが、少なくとも私の知る限りにおいては、政府予算原案国会で修正をされたためしがないのです。私が戦後知る限りにおいては。ということになると、政府決定がそのまま大体動いていくことになるから「特に緊要となった」というふうに、今吉國さんおっしゃいましたけれども、「特に緊要となった」ということ、あるいは必要避くべからざるか——この前の産投程度の、三十五年に産投に三百十億持っていったことも私どもどうも納得できないのですけれども、そうするとあれは三百五十億であれですけれども、さっきのようにこれは資金に限度がないわけですから、どこでチェックするかという点がちょっと私はなくなってきている、そういうような感じがするのです。だから財政法というものは、こういう式の法律の建前はどららかというと、国民の権利の方を守るためにいろいろな問題がチェックされておるのが財政法というものじゃないかと私は思うのです。だからそういう意味で前段にちょっと国民の権利に触れたのですけれども、今度はこの法案の改正になった状態だけから見ると、「特に緊要となった」と判断をするかしないかというだけがチェックをする唯一の場所になったというふうに思いますが、ほかにありましょうか。
  142. 吉國一郎

    吉國政府委員 その点は今仰せられた通りでございます。
  143. 堀昌雄

    ○堀委員 ですからかなりこれは政府の判断、最終的には国会の判断という言葉は通りまけけれども、現実には国会の判断というのは政府の判断と同一になっているような格好ですから、政府が判断をしたことになっている。チェックする点が非常にゆるくなった、だからその点で、どうも私は二十九条の改正、まさに改正をされたという感じをどうしても持つように思いますが、同じところを堂々回りをいたしますし、お約束の時間もきましたから、本日はこれまでにさせていただいて、あとは資料要求をしておりますものについて、また金曜日にやりたいと思います。
  144. 小川平二

    小川委員長 次会は来たる六日午前十時より理事会、十時三十分より委員会を開会することとし、本日はこれにて散会いたします。    午後三時十一分散会