○藤井
委員 私は酒税法の一部改正法律に関連いたしまして
質問をいたしたいと思います。時間が非常に制約されておるようでございますので、ごく簡単に要点のみ
指摘いたしまして、特に大部分がすでに当
委員会で問題になった事柄ばかりでございますので、しかもまたその問題は、大蔵大臣の政治判断と申しましょうか、そういったことに深く
関係があると思いますので、できるだけ大臣の御答弁をお願いいたしたいと思うのであります。
同時にまた、後刻
お話によっては私はもう少し時間をかけて
質問させていただきたいと思っている次第でございます。
私からくどくど申し上げるまでもないと思うのでありますが、酒類の産業界というものは、いわば少数の近代的大企業と、きわめて多数の前近代的産業が併存いたしていると思うのであります。そしてその
経済界の中において、市場獲得のために激しいつばぜり合いをいたしておるわけでございます。そこでまたもう
一つ特殊な事情があると申しますのは、いわゆる酒団法と申しまして、基準価格制度のもとにおいて末端の価格というものは、非常にコストの低い大企業から
生産される商品も、まことに前近代的な、コストの高い中小メーカーから
生産される商品も大体同じような価格で販売されなければならない、こういう状態にあるわけでありまして、その帰結するところは言わずもがな、常に大企業が優位いたしておりまして、中小企業メーカーというものは非常に高いコストをがまんしながら、しかも値引きもしなければならず、リベートも与えなければならぬというので、非常に苦労いたしていることは、これまた御案内の通りであります。なるほど現在の
経済組織のもとにおきましては、個人の創意、工夫、自由、こういったものを傷つけない範囲において、やはりそれぞれの企業間における格差を縮小していくというのが、近代政治の大前提でなければならないと思うのであります。ここに最近農業基本法と相関連して、中小企業基本法の制定が急がれている原因があろうと思うのでありますが、また特に酒類製造
関係におきましては、約三千億になんなんとする税金を納めているというこの事・実もまたわれわれは忘れてはならない。従って、そのような
状況におきまして、特殊な
状況における中小企業問題として、以下大臣に
質問を酒税
関係の事業について試みたいと思うのであります。
まず私は第一点は、酒類製造業者に対する
金融の対策でございます。先ほ
ども申しましたように、大多数、すなわち約八八%になんなんとするものが千石以下の中小メーカーでございますが、最近御
承知のように製造石数が急激に増加いたしている反面、いわゆる産業の地方分散、こういったこともだんだん施策が浸透いたしまして、酒造業者、特に清酒業者
あたりが雇用いたします季節労務者の救人難ということで非常にコストが高くなっている、これではいけないというので、いわゆる設備の近代化、能率化のために、
金融の措置をしなければならぬということは、すでに先年の当
委員会におきまして、与野党あげて強い要求があった、その要求にこたえて、すでに国税庁では
国税庁長官の名のもとに、昭和三十六年二月六日と思いますが、中小企業庁の長官あてに事こまかくいろいろ実情をよく把握されまして、中小企業
金融に対しては、特に、酒類製造業を中小企業振興資金助成法による設備近代化資金の貸付対象に指定することについてという、中小企業庁長官あてに
国税庁長官から書類が出されているわけでございます。ところが聞くところによりますと、同じ
大蔵省の主計局におきまして、三十七
年度の予算の査定においてこれがオミットされている、こういった
状況であるわけでございますが、私は、同じ大臣のもとでこのような施策のちぐはぐ、しかも国会を代表し、大蔵常任
委員会は満場一致の意思表示がされているこの酒類製造業者に対する
金融措置というものが依然として前進を見ないということは、まことに遺憾であると思うのでございます。これについて大蔵大臣の御所見を承りたいと思うのであります。