運営者 Bitlet 姉妹サービス
使い方 FAQ このサイトについて | login

1962-02-16 第40回国会 衆議院 大蔵委員会 第11号 公式Web版

share
  1. 会議録情報

    昭和三十七年二月十六日(金曜日)     午前十時四十七分開議  出席委員    委員長 小川 平二君    理事 黒金 泰美君 理事 細田 義安君    理事 毛利 松平君 理事 山中 貞則君    理事 有馬 輝武君 理事 平岡忠次郎君    理事 堀  昌雄君       伊藤 五郎君    岡田 修一君       金子 一平君    正示啓次郎君       田澤 吉郎君    高見 三郎君       濱田 幸雄君    藤井 勝志君       坊  秀男君    吉田 重延君       久保田鶴松君    佐藤觀次郎君       広瀬 秀吉君    藤原豊次郎君       武藤 山治君    春日 一幸君  出席政府委員         大蔵政務次官  天野 公義君         大蔵事務官         (大臣官房日本         専売公社監理         官)      谷川  宏君  委員外出席者         日本専売公社総         裁       阪田 泰二君         日本専売公社販         売部長     狩谷 亨一君         日本専売公社理         事         (生産部長)  坂口  精君         日本専売公社理         事         (塩脳部長)  高橋 時男君         専  門  員 拔井 光三君     ————————————— 本日の会議に付した案件  参考人出頭要求に関する件  しよう脳専売法廃止する法律案内閣提出第  六五号)      ————◇—————
  2. 小川委員長(小川平二)

    小川委員長 これより会議を開きます。  しよう脳専売法廃止する法律案を議題といたします。  質疑の通告があります。これを許します。有馬輝武君。
  3. 有馬(輝)委員(有馬輝武)

    有馬(輝)委員 総裁に最初にお伺いしたいと思いますが、台湾を失いまして、その後のしよう脳専売につきましては、今度の提案にもありますように、その量は非常に少ないものになっておりまして、しかも合成しよう脳やプラスティックの代替品の圧迫といいますか、また輸出価格問題等で頭打ちになってきておったのは去年やおととしのことじゃないと思うのであります。その点について急に——急にと言っては語弊があるかもしれませんけれども、種々検討を加えられた結果であると思いますが、その間にたとえば原価に相当検討を加えるべき余地があったのじゃないかと思うのでありますけれども、そういったものはほとんど据え置きになって、そして今回のようにこれを廃止するという措置に踏み切られた経緯についてお伺いいたしたいと思うのであります。
  4. 阪田説明員(阪田泰二)

    阪田説明員 しよう脳産業状況につきましては今の御質問のようなことでございまして、台湾も一緒にしよう脳をやっておりました時期に比べますと、非常に産額も減っておるわけであります。ただごく最近の状況からいたしますと、いろいろ代用品あるいは合成品等ができまして、しよう脳需要が減って参った面もあるわけでありますが、ある程度減少しました。最近の段階におきましてはむしろ安定した需要といいますか、セルロイド関係あるいは薬品、香料その他の関係で安定した需要がございまして、ここ一年、二年の状況としては需要割合に安定しております。ただ生産面におきまして、これはいろいろと事情があると思いますが、原木関係あるいは一般の——これは農村関係でもそうでありますが、労務関係その他で非常に生産が不振になってきておる、こういう状況でございまして、いろいろとそのような状況にかんがみまして、実は昨年も粗製しよう脳あるいはしよう脳油価格の一部引き上げをいたしまして、収納価格を上げたわけでございますが、その後の状況も、価格を引き上げましたが、あまり生産伸びませんで最近までに至っておる、こういう状況になっております。全体といたしましては、そういうような状態になっておるわけでございますが、専売公社といたしましては、しよう脳専売制度がございまして、しよう脳需給の安定、調整をはかる、こういったような使命を持ってしよう脳専売をやっております以上は、こういったような情勢に処しても、現在の法律のもとでしよう脳専売制度を続けていく、こういうつもりでおりまして、前回のこの委員会におきましても、これに対しまして御質問がありましたときに、公社としては現行制度でやっていくつもりで現在おります、こういうことを申し上げたわけであります。ただ、今回大蔵省におかれまして、現在のいろいろな全体の経済状況専売状況からいって、しよう脳専売制度を維持、存続していく意義がすでに失なわれたのではないか、制度廃止して、これを民間の自主的な運営にまかしていった方が、しよう脳産業の将来のためにもいいのじゃないか、こういう御意見で今回この法案を御提出になりました。専売公社といたしましても、この御趣旨には同感と申しますか、賛成でありまして、この法案の通過いたしました暁には、との法案趣旨による専売制度廃止、また経過的にいろいろな問題が起こってくるかと思いますが、そういう過程が円滑に参りますよう努力して参りたい、かように考えております。
  5. 有馬(輝)委員(有馬輝武)

    有馬(輝)委員 今の総裁の御説明では、客観的な情勢にすなおに対応するという意味での御説明には、ちょっと欠けるのじゃないかと思います。これを廃止することについての状況というものは、さっきも申し上げましたように、急に始まったことじゃないのでありまして、そういう点で私まだちょっと合点がいかないのでありますが、大蔵省として急にこれを出されたゆえんについて、政務次官から何か御見解がありましたら、今の点についてお話いただきたいと思います。谷川さんからでも、どちらからでもけっこうです。
  6. 谷川政府委員(谷川宏)

    谷川政府委員 お答え申し上げます。しよう脳生産状況につきましては、有馬委員御指摘の通りでございまして、数字的にこれを見ますると、昭和三十年度におきましては四千三百トンばかり、三十一年が四千二百トン、三十二年が三千七百トン、三十三年が三千五百トン、三十四年が三千三百トン、三十五年度になりまして二千六百トン、三十六年、ことしの見込みは二千二百トン程度になろうかと思いますが、三十四年から三十五年にかけまして生産が落ちましたのは、ただいま公社総裁お話になりましたように、山の労務事情あるいは、原木の割高の傾向等がございますが、その背景にありますところの生産実態は、御承知の通りしよう脳は今全国で約五百四の工場で作っておりますが、一工場平均六トンぐらい、非常に近代化されない原始的な生産組織でございまするので、今のような経済情勢に即応して経営を切りかえる、合理化する余地が非常に乏しいという状況でございます。こういう零細な企業者が、今日のような経済情勢に対応して将来発展をしていくためには、何と申しましても合理化をしなければならないわけでございますが、専売制度のもとにおきましては、買い入れ価格全国一本で、採算の悪い企業のために価格をきめるというわけにも参りません。公社収納価格のきめ方は、全国生産者生産費を調査しまして、その実績の上に立ちまして、市場の動向あるいは需給関係等考慮してきめるわけでございますが、その全国一本価格によっては引き合わないという業者が出て参っております。そこで生産がどんどん落ちて参ったわけでございますので、この際専売制度ワクをはずしまして、同時に自由企業になる場合において合理化をする必要がございますので、その合理化資金手当をし、同時に将来しよう脳生産が、需要がある程度安定してございますので、それに見合った生産が続けられるようにするためには、専売制度廃止しまして、そして合理的な経営のもとにおいて生産を続ける方がよろしいのではないかという考えに立っておるのであります。この問題につきましては、三十五年三月二十五日に、専売制度調査会答申がなされておりますが、その答申によりましても、現在の経済事情のもとにおきましては、しよう脳専売制度のもとに置くという意味が失われておりますので、専売廃止する場合の転廃業対策、あるいは流通機構育成等をあわせ考慮しながら、即売廃止に踏み切ることが適当であろうという答申も出ておりますので、その後の経済情勢をにらみ合わせながら、ただいま申したような結論に逃したわけでございます。
  7. 有馬(輝)委員(有馬輝武)

    有馬(輝)委員 谷川さんの御説明でも、事前の手当といいますか、今の経済情勢について、あるいは収納価格等の問題にも触れられたのでありますが、やはりそういった情勢というものは、先ほども申し上げましたように、急に起こった状態ではありませんので、経過的な措置としても、私は何らかの措置が必要だったのじゃないかと思いますが、この問題については、また詳しくお伺いする機会を得たいと思います。  幸い総裁がお見えになっておりますので、私は今のしよう脳の問題も含めまして、専売制度全般についてお伺いいたしたいと思うのであります。その一つの問題は専売益金、形を変えた消費、税によってまかなわれておると思うのでありますが、今年度の一番の重点は、税制面における減税をどの程度にするか。税制調査会答申によりましても、間接税重点を置くという方向が打ち出されておりますが、たばこの問題につきましては、確かに答申の中でも、諸外国との比較等で決して高くはないのだ、いろいろ検討した結果、たばこの問題についてはことしは見送るというような答申になっておりますが、しかし、たばこの場合には、これはやはり文字通り大衆課税なんですから、そういった意味で、税制調査会答申がどうあろうとも、やはり価格の面で考える。その専売制度それ自体について、たばこの場合には収益専売なんだ、財政専売なんだということで頭からきめてかかって、そしてその専売益金を上げる方向において努力するという形ではなくて、やはり全般的な国民負担という面から、特に税の自然増収等相当見込まれる現在におきましては、再検討すべき時期に参っておるのじゃないかと思うのでありますが、この点について総裁は、どのようにお考えか、お聞かせを願いたいと思います。
  8. 阪田説明員(阪田泰二)

    阪田説明員 たばこ専売関係につきましては、ただいまお話のございましたように、専売事業として、よいたばこをできるだけ適切に豊富に供給していく、こういったような趣旨があることはもちろんでございますが、基本となっておりますものは、財政収入を上げるという、こういう目的でできておるわけでございます。従いまして、専売公社といたしましては、政府が期待しておる財政収入、これをたばこの売り上げで上げていく、こういう使命があるわけでございます。そういった趣旨専売事業も運営しているわけでございます。ただいま税制改正あるいは減税等の問題に関連いたしまして、現在のたばこ価格を下げるという問題についてどう考えておるかという趣旨お話でございますが、この点につきましては、私どもといたしましては、現在のたばこ価格が諸外国比較において高いか、あるいは戦前比較しまして、現在においてほかの諸物価と比べてどうかというようないろいろな観点からいたしまして、現行価格が高過ぎるというふうには考えておらないわけでございます。そういった意味におきまして、積極的にそういうような観点から価格を下げるべき状況にあるというふうには考えておりません。ただ政府が、間接税、あるいは実質的に間接税と同じような性質を有するたばこ価格、こういったものにつきまして全体的な観点から検討されまして、たばこにつきましても引き下げをすることが適切である、こういうふうに判定されましたときには、専売公社といたしましても、もちろんそういった御方針に協力して、値下げ関係あるいはその後の措置が円滑に参りますよう努力して参りたいと考えておりますが、現状におきましてはかような状況になっておるわけであります。
  9. 有馬(輝)委員(有馬輝武)

    有馬(輝)委員 今、戦前並びに談外国比較してというお言葉があったわけですけれども、問題はその比較の仕方にあろうと思います。確かにアメリカその他と比べまして、価格の面では均衡しているようであっても、問題は、特に勤労者階層所得の問題だと思うのです。何も所得の多い人たちがけつから煙が出るほど吸うわけではないのでして、やはり一般的に、勤労者にとってどの程度負担になるかという点からこの問題は把握していただかなければいけないのじゃないか。私どもも、財政専売であるということを頭から否定する気持でこのような質問を出しておるわけじゃないのでして、やはりそれには一つの、今申し上げました所得に対する負担割合、これを相当考慮に入れて、たとい政府なりあるいは税制調査会がどうこうしなくても、あるべき価格方向については専売公社自体一つ考え方を持たれる、これは決して悪いことじゃない。むしろ積極的に——販売数量問題等とも関連してくると思いますが、御意向を持ってしかるべきだと思いますが、この点については、見解の相違だと言われればそれまでのことに終わりますので、それだけにとどめておきますけれども、やはり今後の問題としまして御検討をしておいていただきたいと思うわけであります。  それから、このたばこの問題に関連いたしまして、本年度たばこ消費量伸びというものについて、昨年度伸びから比べますと非常に大き過ぎると思うのでありますが、この点について、その根拠といいますか、三十五年から三十六年の伸びに比べて二十七年度伸び根拠一つ谷川さんでも、また生産部長——見えになっておりますか、どなたからでもけっこうですが、根拠についてお聞かせ願いたいと思います。
  10. 谷川政府委員(谷川宏)

    谷川政府委員 お答え申し上げます。  三十五年度に対しまして三十六年度伸び、それから三十六年度たばこ販売数量に対する三十七年度伸びということでございますが、三十六年度は、予算できめましたときに比べまして、その後の実際の伸びが非常に多いわけでございまして、三十五年度実績に対しまして、三十六年度の、ただいま現在までの実績をもとにして、ことしの三月までの三十六年度の実際の売れ行きを押えますと、大体普通の製品で申しますと千三百七十億本程度になるわけでございますが、それが大体八・四%——三十五年度実績に対しまして、三十六年度販売見込み数最は八・四%の伸びでございます。一方、この伸びに対しまして、三十六年度の実際の販売予定見込みに対しまして、三十七年度予算で見積もりました千四百八十二億本というのが、八・一%の伸びでございまして、昨年度伸びよりも若干——大体同じ程度でございますが、若干下回った伸び予定しております。
  11. 有馬(輝)委員(有馬輝武)

    有馬(輝)委員 三十六年度の当初の見込みは千三百三十二億本程度だったと思いますが、実績は、今のあれでは幾らになっておりますか。
  12. 谷川政府委員(谷川宏)

    谷川政府委員 三十六年度予算では千二百六十五億本でございましたが、実際の見込みでは千三百七十六億本でございます。
  13. 有馬(輝)委員(有馬輝武)

    有馬(輝)委員 谷川さんに、つけ加えてお聞きしたいと思うのでありますが、問題は、ことしの製造高見込みを見ますと、ハイライトなり何なりの——ことにハイライトにおいて顕著なようでありますけれども、百十五億本と、昨年度に比べましてべらぼうに伸びを見ておられるようであります。これは私、たばこ専売法の審議の際にもお伺いいたしたのでありますが、しんせいなりゴールデンバットなりというものは、そのときの——谷川さんだったと思いますけれどもお話によりますと、需要が減っておる。だからそれに見合って製造高については考慮してあるというお話であったかと記憶いたしておりますけれども、問題は誘導政策といいますか、専売公社高級たばこに対する意識的な販売政策というものが、この見込みの中にも相当反映しておるし、実際の国民需要というものと高級たばこに対する嗜好というものとはずれがあるんじゃないか、それを専売公社誘導政策によってカバーしていこうとしておるのではないかと思うのでありますけれども、特に本年度製造見込み高——ハイライト等における急激な伸びというものを見ますとそれを強く感じますので、その点についてのお答えをお聞かせ願いたいと思います。
  14. 谷川政府委員(谷川宏)

    谷川政府委員 専売公社におきまして製造計画を立てます場合におきましては、専売公社の地方の機構を通しまして、またそのほか世論調査あるいは消費者実態調査等を通しまして、全国需要予測を行なっておるわけでございますが、その需要予測に基づきまして、その年度あるいはその年の四半期ごと製造計画を調整しておるわけであります。ところで三十六年度予算を立てました場合におきましては、ハイライトが四十億本、そのほかに新製品としてやはりフィルターつきのものを三十三億本予定しておったわけでございます。合計七十三億本がハイライトと同じようなものであったわけでございます。そのほかホープが十三億本という予定でございましたが、ハイライト売れ行きは一月末現在で七十二億本ということでございまして、これは昨年度に対しましては相当伸びでございますが、いずれにいたしましても、需要予側に基づきまして計画を立て、そして製造をし販売をしておるわけでございまして、高級品、高いものをよけい売るということを必ずしもとっているわけではございませんで、しんせいにいたしましても、バットにいたしましても、去年の実績あるいは来年度需要見込み考えまして製造計画を立てて、全体として専売益金予定された金額を確保できるように公社の方で努力しておる、こういうふうになっております。
  15. 有馬(輝)委員(有馬輝武)

    有馬(輝)委員 今の問題と関連いたしまして、総裁にお伺いしたいと思うのでありますが、長期五カ年計画を立てておられるようでありますが、その基本的な考え方背景といいますか、先ほど総裁お話しになりました、とにかく財政専売としての実をあげる方向ですべてを律していこうとしておられるのか。それから先ほど私が申し上げました、やはり財政状態の移り変わりによりまして、公益専売的な性格についても考慮していこうとしておられるのか、あわせてこの五カ年計画の概要と、それからそれに伴うところの専売制度根本方針といいますか、これを将来どのように持っていこうとしておられるか、これについてお聞かせをいただきたいと思うのであります。
  16. 阪田説明員(阪田泰二)

    阪田説明員 五カ年計画関係につきましてお尋ねでありますが、この五カ年計画を立てますにあたりまして考慮いたしましたことは、先ほどちょっと申し上げましたが、専売事業といたしましては財政収入を上げるという目的があります。同時に社会といいますか、消費者に対していいたばこを円滑に供給していくといったようなサービスをする使命もございますものですから、五カ年計画の面におきましては、結果として財政収入がどの程度出てくるかということも当然計画上出てくる——当然といいますか、ある程度見通しがつくわけでありますが、計画考えといたしましては、現在の国民所得伸びていく、経済全体が伸びていけば全体の消費水準も上がって参りますが、そういったような先の見通しを立てまして、それに応ずるような専売の方の製造販売、こういった各方面の態勢を作っていくといったような点が主眼になっております。財政収入を確保するためにこれこれのものを作ってこれだけ売らなければならない、こういう考え方ではございませんで、今後の国民所得伸び経済伸びに相応するたばこ需要の増加、あるいはさらに需要内容に入りまして、いろいろと趣味嗜好が変わってくるという面もございますと思いますが、そういったものもいろいろと予測いたしまして、それに応ずる葉たばこ生産から増加して参らなければなりませんが、葉たばこ生産計画的にふやしていく、また工場設備等につきましても、合理的な、能率のいい設備を入れ、かつ増築もしていかなければならぬ、こういったようなことで、今年度から五カ年間にわたる計画考えました。基本的な考え方はさようなことになっております。
  17. 有馬(輝)委員(有馬輝武)

    有馬(輝)委員 くどいようでありますが、根本になっております五カ年計画背景といいますか、それに対しては政府から専売益金の増についてある程度のめどを立てて、それに相応するような形での五カ年計画が策定されておるのではなかろうか、こう私は臆測するわけです。そこら辺について、今、総裁お話しのように、国民嗜好に合致するように、こういう形で、公社自体としての独自的なものとしてこの計画が策定されておるのかどうか。この点について、特にワクははめられていないのだというように言明されるかどうか、ここら辺について再度聞かせいただきたいと思います。
  18. 阪田説明員(阪田泰二)

    阪田説明員 ただいま御質問の点でありますが、これは全く大蔵省といいますか、財政面からお指図があって、それに基づいて作ったというようなことは全然ございませんので、専売公社におきまして、最近、これからのたばこ需給——量的にも質的にもいろいろ問題があると思いますが、そういうものに対する備え計画的にやっていかなければならない、こういうことを痛感いたしましたので、専売公社として自発的といいますか、こういう計画を作りまして、その後内容大蔵省の方にも御報告申し上げた、こういうことになっておるのであります。
  19. 有馬(輝)委員(有馬輝武)

    有馬(輝)委員 そういたしますと、冒頭で質問いたしました価格の問題についても、専売公社として、先ほどお話のありました国民負担を軽くするというような意味から、相当自由な考慮余地があるという工合に受け受ってよろしいのかどうか。たとえば三十五年度では十本当たりの平均単価が二一二円十四銭、これが三十六年度で二十二円七十銭という工合に見込まれておりましたが、これはさらに逆にどんどん引き上げられていくのではないか。それとも、もちろんその嗜好に応じて、たとえばホープなりハイライトなりピースなりがどんどん出ていくから、勢い単価が上がっていくのだという単純な公式では受け取れない空気があるのですが、そこらの問題については、値下げの問題についても自由に考慮し得る弾力性を持っている、その五カ年計画の中で国定世論に従って十二分に検討される余地があるのだという工合に受け取ってよろしいのかどうか。この点についてお聞かせいただきたいと存じます。
  20. 阪田説明員(阪田泰二)

    阪田説明員 五カ年計画策定にあたりましては、ただいまお話しのような価格要素、これは製造たばこ小売価格ばかりでございませんで、葉たばこ価格がどうなるか、あるいは労賃その他の関係はどうなるか、いろいろの要素がございます。そういう要素を総合しないと、先ほど申し上げたように財政面にどのくらい貢献できるかというような数字もはっきりしたものは出てこないわけであります。従いまして、五カ年計画先ほど申し上げました趣旨で、これからの量的な質的な社会需要に応じていく、そういったような形で価格面予測といいますか関係は、平たく申しますと大体現在のようなベースで推移するのだということで計画はでき上がっておるわけであります。もちろん全体としての数量伸び傾向にありまして、それに対する備えをしていこう、こういう計画でございますから、そのような推移で参りますれば、結果として財政収入が一応ふえる、こういったような数字になっておるわけでありますが、だたこれは、あくまでそういったような趣旨計画でございますから、価格面につきましてどれをどうしなければならないといったような制約というか予定をして五カ年計画は立ててあるわけではございません。ただこれは、また少し具体的な問題になりますが、今のお話のように財政収入を減らしてもいい、こういうことでたばこ小売価格を下げる、こういうことになりますと、やはり価格が、需給面に変動を及ぼす要素になって参ると思いますので、そういうような情勢がございますれば、また五カ年計画につきましてどういう需給見通しになっているか再検討して参る。いずれにいたしましても、計画通り五カ年間この通りやるというものではありませんので、そのときの情勢、また最近の状態におけるその後の見通しというものに応じまして、終始改定して参らなければたらない、こういう性質のものであると思いますが、いずれにいたしましても、価格を引き下げるというようなことが出て参りますれば、それは新しい要素でありますから、そういう要素に応じて計画を立て直す、こういうことになると思います。
  21. 有馬(輝)委員(有馬輝武)

    有馬(輝)委員 専売制度の中でしよう脳がはずされまして、たばこと塩だけが——アルコールは特別会計で別でございますけれども、残るわけでありますが、専売の対象について専売公社としては新たな視野から考えられたことがあるかどうか、この点に関連してお伺いをしたいと思うのであります。  それで、財政専売の対象になる要件といいますか、それについては二、三あると思うのでありますが、大量に生産される消費物資であるとか、国が行なう生産販売に適当な品物であるとか、それから企業集中的に大量生産される消費物資であるとか、こういう面から考えまして、私は砂糖についても考慮の対象に入り得るのじゃないか。もちろん現在民間企業でやっておりまして、それを買収するというような問題が起こりますと問題があろうかと思いますけれども、やはり先ほど申し上げましたような要件の中では考慮され得る余地というものが相当にあるのじゃなかろうか。それから総裁がおっしゃる収入の面でも、私は相当考慮する余地があると思うのでありますが、ここら辺について、私は今砂糖を一例として取りしげたのでありますが、新しい視野から専売制度について考慮されておるかどうか。もしされておるとするならば、その対象等についてはどのようなものが考えられるか、この点について総裁からお聞かせ願いたいと思うのであります。
  22. 阪田説明員(阪田泰二)

    阪田説明員 ただいま例をあげまして、専売事業にどういうものを入れるものがあるかというようなお尋ねがございましたが、専売公社といたしましては現在のところ全くそのような検討といいますか、研究をいたしておりませんので、御了承願いたいと思います。
  23. 有馬(輝)委員(有馬輝武)

    有馬(輝)委員 もし新しい視野からこういったものを取り上げられて、そういった環境ができますならばやられる意思があるかどうか、これはちょっと答弁しにくかろうと思いますが、もし砂糖みたいなものについて障害があるとするならばどのような点があるか、そこら辺について、これは谷川さんからでもけっこうでありますが、一つお聞きしたいと思います。
  24. 谷川政府委員(谷川宏)

    谷川政府委員 日本専売公社におきまして、将来新たな専売物資を取り扱わせることについての御質問でございますが、大蔵省といたしましても、ただいまのところ何も研究してございません。ただ背におきましては、たとえばマッチとかあるいは砂糖とか、専売制度にしたならばどうであろうかというようなことを研究した資料は、だいぶ昔の資料ですが、ございますが、現在の経済体制のもとにおきまして新たな専売を行なうことがいいかどうか、これはもっと深い角度から研究する必要がある問題だと思いますので、私どものところでは今のところ研究しておりません。  また、今の御質問のように、将来適当なものがあればこれを専売にするかどうかという点につきましても、今のところ何とも申し上げられませんが、私個人の考えでは、現在専売公社がやっております、たとえばたばこ専売に対しましても、民営にしたらどうかという議論がかつてはあったわけでございます。現在では専売公社のもとにおいて合理的な運営をはかることが一番適当であるということにはなっておりますけれども、そういう批判もございますので、民営事業を専売事業にすることの適否につきましては、さらに慎重に研究する必要があろうかと思います。
  25. 有馬(輝)委員(有馬輝武)

    有馬(輝)委員 先ほどちょっとお尋ねしたいと思ってあれしたのですが、たばこの問題に関連しまして、昨年度は三十五年度に比べまして耕作反別について若干低く見積もっておられたと思いますが、この点についてはこの前も谷川さんにお尋ねしたのですけれども、本年度の増反をどの程度考えておられるか。昨年度見込みは六万一千三百六十五ヘクタールですが、本年度はどの程度に見込んでおられるのか。  それから葉たばこ収納価格の面について、これはもちろん葉たばこ審議会の検討を待たなければならない問題でありますけれども方向としてどのように考えておられるか、この点についてお聞かせをいただきたいと思います。
  26. 谷川政府委員(谷川宏)

    谷川政府委員 三十七年度の耕作面積は六万三千町歩程度でございます。  また価格につきましては、さきに収納価格審議会で三十七年産の価格についての答申があり、公社総裁が三十六年十二月十三日に公示しております。それによりますと、全品種の平均は三百四十六円九十八銭になるということでございますが、その価格によって葉たばこを収納するということであります。
  27. 小川委員長(小川平二)

    小川委員長 武藤山治君。
  28. 武藤委員(武藤山治)

    ○武藤委員 簡単に総裁並びに担当官にお尋ねいたします。時間の予定がございますので、簡単にお尋ねいたしますが、要点だけお聞かせを願いたいと思います。  しよう脳専売法廃止する法律案についてでございますが、法律施行後六カ月間大臣の諮問機関として審議会を設けるということになっておりますが、この審議会の人選はどんな基準で人選をするのか、どういう方面から審議委員を選ぶのか、この点を最初に承っておきたいと思います。
  29. 谷川政府委員(谷川宏)

    谷川政府委員 この法律が施行されますと、大蔵省に臨時しよう脳事業審議会が設けられるわけでございますが、三十七年度予算におきまして、委員長の外八名、委員長を含めまして九名の委員予算予定されております。その人選につきましてはまだ検討中でございまするが、生産者の業界の代表の方、あるいは流通加工業界の代表の方、あるいはしよう脳生産流通の分野における学識経験者などから委員を委嘱いたしたい、かように考えております。
  30. 武藤委員(武藤山治)

    ○武藤委員 そういたしますと、今の第一加工業者それから第二加工会社、両方の代表あるいは協同組合の代表、そういう者から選ぶという受け取り方で間違いございませんか。
  31. 谷川政府委員(谷川宏)

    谷川政府委員 その通りでございますが、ただ、今おあげになりました職域の方々を平等にと申しますか、等分に選ぶということじゃございませんで、九名の方それぞれの分野を代表される力が網羅されるようにしたいと考えております。
  32. 武藤委員(武藤山治)

    ○武藤委員 次に、昭和三十五年三月二十五日にすでに専売制度調査会からしよう脳専売廃止する方向に示唆がございましたね。それがあってから、公社としては前々から廃止しようという、この答申に基づいてのかまえを持っておられたのか、それとも突然昨年の暮れあたりから廃止に踏み切ろうとしたのか、三十五年の答申との関連で、姿勢において、どういうかまえをしておったのか、その点参考のためにちょっとお尋ねしたい。
  33. 谷川政府委員(谷川宏)

    谷川政府委員 三十五年三月に答申が出されまして、その後昨年の八月までの間、この答申をどう具体化するかということにつきまして、業界の意向、あるいは学識経験者の御意見等をさらにお伺いいたしまして、大蔵省内部におきまして研究は続けて参ったわけでございますが、その間公社におかれましては、専売法によって公社が仕事をしておる建前上、公社としては答申が出されたにもかかわらず、普通の状態しよう脳専売事業の育成発展のために努力して参りましたことは御承知の通りでございますが、そこで大蔵省といたしましては、昨年の八月にしよう脳生産業界の方々から、当時の公社収納価格ではなかなかうまく生産ができないから、収納価格をある程度引き上げてほしいという要望が出されたわけでございますが、その問題をしさいに検討いたしましたところ、実情はある程度の引き上げは必要であると考えました。しかし一方販売価格公社の売り渡し価格を引き上げることはどうかという点につきましては、需要者側の意向必ずしも一致しておりませんし、また海外の市況とにらみ合せながらきめなければいけないという状況もありましたので、そういう点を考慮しながら独立採算制をとっておりまするしよう脳専売事業をどう運営していくかということについていろいろ検討した結果、現在の経済情労が続く限り、将来また収納価格の引き上げの要求もあろうかと認められますので、専売制度を続けていくよりも、むしろこの際貿易為替の自由化という問題も控えておりますので、しよう脳事業におきましても積極的に企業経営合理化に乗り出していく、そのためには専売制度廃止した方が一番適当であろうというふうに業界の意向もまとまりましたので、大蔵省はそれらの事情考慮しながら昨年末法案の作成に取りかかったわけでございます。もちろんその間におきましては、業界の方におきましても、樟脳組合中央会あるいは樟脳協会におきまして、専売制度のもとにおいても、なんとか合理的な経営を行ない、専売制度が続けられることができないかどうかという点について、研究しまた努力もしたわけでございます。三十五年の答申が出てから三十六年の年初におきましては、樟脳協会の方におきましても、この合理化の問題について慎重に研究をし、樟脳協会独自の立場で合理化対策を考え生産者にも呼びかけたわけでございますが、その際公社にいたしましても、協力方の要請がありましたのが三十六年の当初でございます。そういうような状態法案提出をいたした次第でございます。
  34. 武藤委員(武藤山治)

    ○武藤委員 しよう脳の経過を検討してみますると、昭和三十年度に八千六百万円という赤字があり、逐年赤字が続きましたですね、昭和三十三年には一億三千百万円というかなり大きな赤字が出ておる、それが昭和三十五年からようやく四百万円という黒字に転化した、その黒字に転化した一番大きな原因は何かといえば、やはり何といってもこの三十五年の答申に基づいて、廃止方向なり転廃業の方向というものを打ち出したということが業界の整理をして黒字を生んできた大きな原因だろうと私は思う。そう考えてみますと、この法案の表に出ておる交付金の対象だけでは何か気の毒な気がするわけです。従って、三十五年度にやめたものも当然この転廃業交付金の対象に入れるべきだ、そういうような感じを私は持つのです。それが公平な行政でなかろうか。特に答申の中身を見ると、山元製造業者、山元と断わって規定をしておるわけであります。ということは、零細な農業と兼業をしておるような零細な業者を助けなければならぬというような立場からの答申というものも含まれておると思います。そういう意味で、本来では三十四、三十五年の二カ年にやめたものを含んでやっても、決して過分ではない、かように考えるのですが、その辺のお考えはいかがでございますか。
  35. 谷川政府委員(谷川宏)

    谷川政府委員 今回専売制度廃止するにあたりまして、法律案の中に交付金の規定がございますが、これは専売法を廃止することによって直接損害を受ける方々に対しまして、将来のしよう脳生産のことを考えまして、政策的に支出をしようとする意味の交付金でございます。元来専売制度廃止した場合におきましては、専売制度のもとにおいて生産事業を続けてこられた方々に法律上当然に何らかの補償をすることの必要はないわけであります。と申しますのは、専売制度のもとにおいて保護され、いろいろな恩典を受けて参ったのが、専売法を廃止する場合におきまして、事業の経営が自由になるということがありまして、新たに義務を課すとかあるいは権利を剥奪するというようなことではないわけでございますので、専売法を廃止したからといって、法律上当然に補償措置を講ずるという必要はないわけでございますが、現在のしよう脳生産者の実情から、あるいは日本におけるしよう脳事業というのが、将来とも年三千トン程度は必要であろうという見通しもございますので、それに対する生産対策という意味からいたしまして、政策的に交付金を交付する。もちろんしよう脳専売法廃止になりますと、引き続き生産を継続する方もございましょうが、またこの際やめたいという方もございましょう。その場合には、それらの方々の持っておりまする設備は、しよう脳生産以外には通常転用できないような設備でございますので、そういう設備の損失を補てんする、あるいは従業員がやめる場合の退職手当の引当金という意味において特別な支出が要る。また生産を継続する方々は、自由競争に入るわけでございますので、今後は相互の間に競争が起こり、コストの引き下げをしなければいけない。合理化をする必要が起こる。これはしよう脳専売法廃止されたことを直接原因としてそういう資金の支出が必要になるわけでございますので、そういう意味におきまして、政策的に交付金を交付しようということでございます。たとえば専売制度のもとにおいて従来やめた方々は終戦直後からも相当おられるわけでございまして、三十五年度末において百二十名の方がやめられましたけれども、それ以前の年におきましても、たとえば昭和二十九年には百四十一名、三十年には八十四名、三十一年以降におきましても五十名以上の方々がやめております。これは現在の専売法のもとにおきましては、一ぺんやめましても翌年また割当の申請を行なうことができるわけでございまして、やめたつどかりにいろいろなお金を出すといたしましても、その翌年度また割当の申請が法律上当然できるわけでございます。そしてまたやめる。これは廃業したからといって何も損失を与えたことにならないわけでございますので、専売制度のもとにおきましては、廃業に伴って何も交付金を出す必要はない、こういうふうに考えております。
  36. 武藤委員(武藤山治)

    ○武藤委員 私が聞こうとしているのは、三十先年の調査会からの答申があってからやめた人というのは、それ以前の人とは少し違うような気がする。交付金という形で出せないという場合に、何らかの配慮が私は必要と思う。そういう配慮をあなたの方はしておるかどうか。こまかい点ですが、この点も一つ
  37. 谷川政府委員(谷川宏)

    谷川政府委員 当然に今申された方々に対して交付金を出すことは、法理論として筋が通らないと思いますので、法案の上では何も規定しておりませんが、三十七年度予算が成立した場合におきましては、三十七年度専売公社予算の中からそれらの人々に対しまして、一定の条件のもとにおいて何らかの見舞金と申しますか、ある程度の金を出すことを検討しております。
  38. 武藤委員(武藤山治)

    ○武藤委員 その検討を十分御期待いたしまして、深い御質問はやめたいと思います。  次に、これが廃止になることによって、現在の公社職員が何名しよう脳関係からはみ出るのか、人数からまずお尋ねしておきます。さらにその廃止による職員の配置転換、身分保障、そういう問題についてはどのように措置されようとしておられるか、これが第二点。第三はその組合員の身分保障あるいは配置転換について、労働組合側と何か了解事項なり話し合いなりというものはもう進んだかどうか、そういう点、三点を最初にお尋ねしておきたいと思います。
  39. 谷川政府委員(谷川宏)

    谷川政府委員 三十七年度公社予算の定員上は、しよう脳関係の職員は九十二名でございます。現実には若干これよりも多い人が従事しておるようでございますが、三十七年度予算では九十二名、その九十二名の方々は三十七年度中におきましては、しよう脳専売廃止に伴う経過措置等がございますので、従来の仕事あるいは経過措置の問題に従事するわけでございますが、将来の問題といたしましては、公社のほかの部門が相当人員をたくさん必要とする状況でございますので、配置転換をすることが適当だと考えます。その場合におきましては、公社の方におかれましても十分その職員の意向を考慮して、適切な措置をとられることであろうと私は考えております。
  40. 武藤委員(武藤山治)

    ○武藤委員 そういたしますと、九十二名は一人も百を切らない、そう約束をしたものとみたしてよろしゅうございますか。
  41. 阪田説明員(阪田泰二)

    阪田説明員 従来しよう脳関係に従事しております専売職員関係につきましては、お話のように整理ということは考えておりません。
  42. 武藤委員(武藤山治)

    ○武藤委員 現在の段階では、まだ組合とは何も了解事項なり身分についての話し合いはしておりませんか。
  43. 高橋説明員(高橋時男)

    ○高橋説明員 労働組合の方からは、しよう脳関係職員の今後の身の振り方はどうかというような質問がございまして、私の方としましては説明会というようなものを開きましてお話はしてあります。正式の団交で回答するということにはまだなっておりませんが、実質的には今総裁から申し上げましたように、他の部門が現に拡大している現状でございますので、一年間残務処理を終えた暁においてその方面に全部吸収されますので、一人も首切りはないというふうな意味説明はしております。労働組合の方でもおそらく首切りがあると予想しているとは私たち思っておりません。
  44. 武藤委員(武藤山治)

    ○武藤委員 これは要望でございますが、この九十二名の中で、特に山元の仕事をやっている人で、普通の事務能力とか、特殊技術、そういうもののない人が六、七名いるやに聞いているわけであります。そういう人の身分に非常に不安を持っているわけです。そういう人も適材適所に配置して必ず九十二名に不安のないように御配慮願いたい。これは要望でございますが、そういう措置をしていただきたい、かように考えます。  それから、性質の違う質問でございますが、交付金の規定はいつごろでき上がるかということです。これを一つお尋ねしておきます。
  45. 谷川政府委員(谷川宏)

    谷川政府委員 この法律が三月中に国会で成立いたし、四月一日から施行されるという前提で御説明申し上げますと、四月中にはこれに関連する政令を交付するように努力したいと考えているわけであります。
  46. 武藤委員(武藤山治)

    ○武藤委員 われわれがほしいといった場合には、四月一日にならぬとできませんか。それまでにすでにもう検討済みで今でき上がっているのだという御回答ですか。お宅の方でいつごろ完成するのですか。
  47. 谷川政府委員(谷川宏)

    谷川政府委員 交付金の交付手続あるいは交付の基準等につきまして、三十七年度予算の積算と関連いたしまして、ただいま案は持っておりますが、この問題については、法律による臨時しよう脳事業審議会にも諮りまして、その意見を参酌いたしながら正式に固めたいと考えておりますので、四月になってから御説明申し上げたいと存じます。
  48. 武藤委員(武藤山治)

    ○武藤委員 交付金を渡す場合には、私は昨年でございましたが、できるだけこの交付金なり転廃業補償なりというものが各人に直接渡るような配慮を十分してほしい。組合とか上部団体に渡されるといろいろあとで問題を起こすようなことが起こり得る場合がある、そういう点の配慮を十分してほしいということを申し上げておいたのでありますが、そういう点はどういうふうな処置をされるおつもりか聞いておきたいと思います。
  49. 谷川政府委員(谷川宏)

    谷川政府委員 この六条の規定におきましても、直接製造した者に対し交付金を交付することができるという規定になっております。また実際も個々の生産者に対しまして直接交付する予定でおりますが、なおこの点につきましては臨時しよう脳事業審議会にもはかってきめたいと考えております。
  50. 武藤委員(武藤山治)

    ○武藤委員 大体公社側の御意向もわかりましたが、国会の正式な委員会における発言でございますから、おそらくあとであれはペテンだったなどということは起こり得ないと思いますが、先ほどの発言の中の交付金のこれからの具体的な配分の基準あるいは見舞金、そういうような問題についても一つ誠意のある業者の実態というものを十分お認めの上で公平な御処置を願いたい、さような要望をつけてしよう脳の問題については質問を終わりたいと思います。  次に、総裁に簡単にお尋ねをしたいのでありますが、これは先ほど有馬さんの質問に対する関連的な意味のある質問でございますが、先ほど専売益金については、何か財政当局から大ワクがはめられておるのじゃないか、こういう質問がされたのに対して、総裁はさようなことはない、公社の自主的な判断で五カ年計画も作っておるし、益金の目安というものも考えておるという、そういう意味の御答弁があったわけです。従ってそういう点から考えてみますと、専売益金というのが他の今日の経済趨勢なり減税方向なりというものと比較して検討すると、逆のような方向に進んでおるような気がするのです。専売益金の来年度予算額を見ましても九十八億六千八百万円という増額になっておるわけです。もちろん総裁の答弁では、税制調査会からこういう答申が出ておる。世界各国と比較して高くない。さらに三十一年以来たばこ小売価格が据え置かれておる。従ってたばこ減税ということは来年度においてはという一応の限定をして、減税をする必要がないという答申が出ておるわけです。そこで私は来年度においてはというこの限界が、いろいろ含みのある表現のような気がするのです。その次の年になったら、あるいはもっと益金が減ってもいいんだという含みにもとれるわけです。私どもとしては、今の物品税や酒の税金、間接税というものを検討した場合に、まだ直接税との比率の上において重過ぎる、しかも間接税の逆進性という性質から見ても、もっと間接税消費税というものは引き下げなければならぬ、こういう立場を私どもは主張しておるわけです。減税でおそらく大衆たばこしんせい、いこい、ゴールデンバット、ききょう、みのり、こういうようなものは大幅に減税されるだろう、そう期待をしておったわけです。しんせいは三十五円、いこい四十五円、ゴールデンバット二十五円、ききょう五十円、みのり四十円、一つこの程度小売価格を引き下げて大衆に喜んでもらおう、このくらいの公社案が出てくると実は期待をしておったわけであります。ところがびた一文も小売価格が引き下がらぬというので、総裁は少し民衆に対して愛情がなさ過ぎるのじゃないかというような感じを私たちは持ったわけでありますが、もし今申し上げましたような価格に引き下げをいたすといたしますと、どのくらい益金が減りますか、そういう検討などはしたことがございますか、この程度まで下げたらこのくらいの財源が必要でこうなる、それを一つございましたら御参考までにお示しいただきたいと存じます。
  51. 谷川政府委員(谷川宏)

    谷川政府委員 ただいまのように大衆が主として購買するものについて、一箱について五円程度下げますと、先ほど来議論がございましたように、値下げをしました銘柄に、それ以外の銘柄から消費が集中するということもございまして、たとえばしんせいを三十五円といたしますと、いこいからしんせいに移るものが、いろいろな計算がございますが、いろいろ計算してみますと、六十億本ぐらい移るということが考えられますので、今のようなことをやりました場合の財政収入の減は、全体として二百二、三十億減るというふうに考えております。
  52. 武藤委員(武藤山治)

    ○武藤委員 二百億程度の減でございましたら、今の経済成長率あるいは政府の主張しておる高度経済成長から言うならば決して多額じゃないのです。専売益金というものは一体幾らが妥当な益金の基準なのか、そういうようなことも非常にむずかしい議論ではございましょうが、とにかく一千五百九十五億円の益金の中から二百億円ぐらい減らしてやっても、国家財政の上においてはさほど多額ではない。それができないというときは何か財政当局から目安というものが、公社はこの程度一つことしも出してもらわないと困るというのがあるのではないのですか。そういうものは全くないのですか。全くないとすると、たとえば、いこいからしんせいに移るとか、あるいは、いこいからバットに移る。しんせいからバットに移るというこの推移が把握できないために、生産本数に非常な狂いが出てきたりして、生産の方が混乱をするので値下げができないのだ。そういう値下げができない原因というものは一体どちらにあるのか、そこらの点、先ほどの答弁ではしっくり納得できないのですが、どうでしょうか、その程度減らしても心配はないと思うのですが。
  53. 谷川政府委員(谷川宏)

    谷川政府委員 国家の一般会計の財政収入の上において二百億、三面億が大したことがないかどうかという点については、これは見方の相違だろうと思います。その年々の財政収支の計画を立てる場合におきまして、ことに三十七年度におきましては、その予算編成の場において二百億ということは非常に大きな金額だと考えられますが、将来それでは国の財政規模をどの程度予定し、そのうち専売益金の期待額をどの程度にするかということについては、その年の経済情勢、ほかのもろもろの財政事情と関連しながら考えてきめるべきものだと思いますが、一方専売公社専売納付金をどの程度にするか、従って個々のたばこの定価をどの程度にきめるかということにつきましては、税制全体の角度からたばこ消費税が高過ぎるかどうかという点について、外国の例等も参酌しながら、また国民消費水準あるいは国民消費支出の動向等を考えながら、また戦前価格と現在の価格との関連がほかの一般物価水準から見てどうであろうかというようなことなどから判断すべきものであろうと考えます。
  54. 武藤委員(武藤山治)

    ○武藤委員 そのほかの諸条件ですが、物価やあるいは成長率やあるいは間接税と直接税の性格や、そういうものを全部見合わせた上で専売納付金の額がある程度きまると言うなら、それはいいでしょう。そうでなくて初めから、去年はどうだった、おととしはどうだった、ことしの専売益金はこのくらい納付しなければならぬという財政当局からの発言が強くて、皆さんが自主的にもっと大衆にサービスしようという定価の引き下げというものが先に出てないのじゃないか、そういう感じがするんですね。それはたとえば今日の専売益金割合というものは小売価格に対して六四・八%です。この率が他の物品税やほかの消費税と比較して高くないという感じにはならぬですね、どう考えても。これをもう少し下げてやろうということを、あなたたちの方が自主性があるなら、ばんと出して財政当局と戦えるわけだ。ことし当初に、たばこの値を下げようという立場で、そういう姿勢で、財政当局と交渉したことがありますか。これはどうですか。
  55. 谷川政府委員(谷川宏)

    谷川政府委員 専売納付金をどの程度の金額にするかということにつきましては、毎年主計局と予算折衝をする場合におきまして、十分いろいろな角度から検討をしておるわけでございます。ただいまお述べになられました、地方消費税とあわせました専売益金でございますが、三十六年度は今お述べになりました六四・八%でございますが、三十七年度予算における見込みでは、これが六三・九%と〇・九%下がっておるわけでございます。これは葉たばこ収納価格の引き上げとかあるいは労務費の上昇とか、いろいろな要素がありますほかに、葉たばこの品質が年々非常によくなって参りまするので、全体を通じましてたばこの品質がよくなっておるということで、実質的には、わずかではございますが、この程度減税になっておるわけでございまして、こういう個々の葉たばこの収納代金全体が幾ら、人件費が幾らということを個々に積み上げまして、そして専売益金がどのくらい出るということを算定しているわけでございます。
  56. 武藤委員(武藤山治)

    ○武藤委員 この問題は、時間がありませんから、あとでわが党といたしましても、たばこ小売価格引き下げ法案などの用意をしようということでありますから、本質的な議論は後日に持ち越したいと存じます。  たばこ販売手数料というのは現在八分になっておりますが、これを上げるような検討というものは現在なされておるのかどうか、この点を一つ。それと金額はことしは大体どのくらいの手数料を見込まれておるか。
  57. 谷川政府委員(谷川宏)

    谷川政府委員 三十七年度予算におきましては、月の売上高が十二万円以下の小売業者に対しましては、定価に対しまして九%にする。同時に、月の売り上げ百万円以上のものにつきましては六%にするということで、予算の積算がなされております。
  58. 武藤委員(武藤山治)

    ○武藤委員 総額でお幾らか。
  59. 谷川政府委員(谷川宏)

    谷川政府委員 総額におきましては二百二十一億六千万円でございます。ただいまの十二万円以下の小売店が、一般の八%が九%になるわけでございますが、その一%の差額が十四億八千万円になっておるわけであります。
  60. 武藤委員(武藤山治)

    ○武藤委員 たばこ小売業者から、再三にわたって大へん陳情、請願がございますが、公社としてはこれを業者の要望するような一割のマージンにするようなお考えは全くないのですか。それとも来年度はやらぬがその次あたりはそろそろ考えようという見当ですか、どの程度まで検討されておりますか。
  61. 狩谷説明員(狩谷亨一)

    ○狩谷説明員 ただいまの御質問につきましては、公社としましては、かねがね適正な小売店の水準はいかにあるべきかというような点につきまして、実態調査をいろいろやってきたわけでございます。三十七年度につきましては、ただいま監理官からお答えしましたような案になっております。それから先の問題につきましては、現在まだ検討いたしておりません。
  62. 武藤委員(武藤山治)

    ○武藤委員 時間がございませんから、これで終わりますが、一つたばこ小売価格の引き下げということについても、十分誠意のある検討をしていただいて、大衆の要望にこたえられるような価格体系に引き下げるような御努力を今後積んでいただきたい。  農民の立場からのたばこ収納価格その他については後日に回して、私の質問を終わりたいと思います。      ————◇—————
  63. 小川委員長(小川平二)

    小川委員長 参考人出席要求の件についてお諮りいたします。  金融に関する件について、来たる二十一日、高木日本銀行調査局長に参考人として出席を求め、意見を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  64. 小川委員長(小川平二)

    小川委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。  次会は来たる二十日午前十時より開会することとし、本日はこれにて散会いたします。    午後零時六分散会