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羽柴説明員 これにつきましては今国会におきましてもいろいろ議論のあるところでございますが、在庫投資といいましても、これは厳密にいいますと、その中の一番問題になりますのは
輸入原材料でございます。たとえば
繊維の原料であるとか、それからまた鉄鋼の原料であるとか、あるいはまた石油
関係であるとかいうような原
燃料といいますか、原材料というものがどういうように
推移するかというところが一番ポイントになろうかと思うのでございますが、これで
推測をいたしてみますと、大体今まで在庫の積み増しというものが去年からずっとありまして、これは
輸入が相当ふえておりましたために在庫の積み増しが相当多くなってきておるわけでございます。今これはまだ私の方で厳密な計算をいたしておりませんので、はっきりと数字は申し上げられませんが、目下作業中でございますので、私が抽象論を言ってまことに恐縮でございますが、在庫の積み増しが大体一億から二億
程度、これは
ドルでございますが、一、二億
程度の在庫の積み増しがある、こういたしますと、これをことしどのように食いつぶしていくか、それからまたどのようにこれに積み増しが行なわれるかというところが一番問題になるわけでございますが、現在の
輸入の
状況からいいますならば、現在の
輸入の在庫が一、二億ございますと、それに対して積み増しをするといたしましても、そう大した額ではございません。むしろこれが逐次食いつぶされていく過程ということが
一つ想定されるわけでございます。しからばいつまでにどの
程度食いつぶすかということになりますと、これは実はまだ私の方で作業が終わっておりませんので、正確にいつまでに何億
ドル食いつぶすかということはまだ申し上げかねますが、とにかくことしの上半期といいますか、六月ごろまでにはこの一、二億
ドルの在庫はある
程度食いつぶされていく、これはもう事実でございます。ところがその上に乗っかる積み増し分というようなものがございまして、その積み増し分と食いつぶし分とがどういうような
関係になるかといいますと、これは大体今までの実績からいいましても、現在もちろん
鉱工業生産の
伸びも今までのようなそう大きな
伸びではございませんし、全体の食いつぶし分の方が今後の積み増し分よりも多いということは大体推定ができるのでございます。そういたしますと、全部この在庫が食いつぶされていくのじゃなくて、食いつぶしながらさらに積み増しをしていくということになりますると、何月ごろ一体何億
ドルになるかというところの算定が非常にむずかしいのでございますが、これが大体上半期分につきましては、まだ全体の食いつぶしが行なわれない、むしろ下半期にもその食いつぶしが若干ひっかかる、この食いつぶしという言葉は語弊を招きますので、繰り延べと言った方がいいかもしれませんが、今そういうような
見通しを立てております。そういたしますと
輸入が、この在庫の食いつぶしによりまして、これは全部食いつぶしますとまた
輸入がふえるという理屈になって参るのでありますが、これが全体的にまだ食いつぶしが残っておるということになりますると、
輸入のふえ方というものもある
程度チェックされる。それからまた政策といたしましても、
輸入を四十八億
ドル以上にこれをふやすということは、非常にむずかしい問題がございます。
国際収支全体にも影響がございますので、
輸入はこれの食いつぶしと相並行いたしまして、できるだけ抑制していく、こういうようなたとえば
輸入担保率の問題とかいろいろな調整がございます。これをあわせまして行なっていくことによりまして
輸入を四十八億
ドル程度にとどめていく、こういうような
状況でございます。まことにまだ数字が固まっておりませんのではなはだ恐縮でございますが、現在のところはかような
考え方でおる次第でございます。