○
佐藤国務
大臣 いや、製品の自由化をしないで、
原油を自由化、こういうことなんですね。だから、その点をまず第一に申し上げておきたい。だから、その観点に立って、
石油業のあり方を見ていくということであります。これはまあ誤解がない。私の方が今間違っただろうと言われましたが、そういうことを申し上げたつもりだったのです。
そこで、今度は、
アラビア石油そのものです。この
アラビア石油は、事の起こりはだいぶ前からでございます。これは岸内閣当時であったと思います。アラビアに進出すること、これを
政府としていかにするか。北スマトラの
原油開発と同様に、
政府が積極的な意図を持って開発に乗り出す、こういう閣議了解をいたしまして、そして実はこの問題と取り組んでおるわけでございます。これはなるほど企業家山下太郎君の特別な計画なり、あるいはそのもくろみということもございますが、これの発展に対しましては、そういう
意味で、財界も積極的にこれに協力をした、また、製油
業者等も間接にこれに協力する、あるいは国内の大産業等もこれが開発に協力する、こういうことでスタートいたしたわけでございます。幸いにしてこれが予定したより以上の
原油の採掘ができる、こういうことになっておるのですが、今日、その
原油の処理が実は問題になってきておるということであります。私
どもが岸内閣当時にこういう問題について乗り出しましたのは、申すまでもなく、国内資源が非常に貧弱だ、その形の上から、経済活動の基幹になるこのエネルギー資源、これはいかにあるべきか、こういうことを考えると、私
どもやはり
日本の資本あるいは
日本の技術、そういうものでこれは開発できれば大へん望ましい。その国内において資源がないから、国外にそういう場所を見つけよう、こういうことで実はスタートいたしたものであります。従いまして、当時においては、各界の協力態勢ができておりましたから、この事業の遂行上も非常に円滑にいくし、また、当初油が出て参りましても、
原油の引き取り等も各界の協力を得て参ってきておるわけでございます。ところで、今日、
アラビア石油に対しての見方がいろいろ出てきておる。これはおそらく予想以上にその力を持ってきているというその点だろうと思います。もしもこれがわずかな出油量なら、そう大して問題にならないのだ。しかし、非常な出油量だ。一千万トンあるいは千五百万トン、ときには二千万トンだとかいうような評価まですると、これは大へんなものだという、そういう
意味で、これは
石油業界といわず、国際的に、
アラビア石油の今後の活動状態はどうなるだろうかということが注目されておるわけであります。そこで、私
どもが今回、この問題と取り組みましても、国際業界の注視のもとにおいてこの問題を扱うべきだ、かように考えます。また、国の本来のスタートしたときの意気込みというものをいかに実現するか、こういうことも実はあるわけでございます。ただいま御指摘になりますように、今日の状況からは、いろいろの
競争状態になっておりますから、いろいろの話などが出ているように伺います。ただいま
板川さんの御指摘になりましたように、小乗的の
意見かあるいは大乗的の
意見か知りませんけれ
ども、いろいろな話が飛んでおると思います。そういうようなスタートなりあるいは現状というものを考えまして、そうしてそれがそれじゃ今度は
日本の産業に対してどういう
影響があるか。御指摘になりますように、外貨等におきましてもいろいろこれは役立つ、使用上においての貢献をする余地が多分にある。ただ、そういう場合に、
契約条項その他で特に不利を招くんじゃないかというような話ももうすでに出ておりますが、それなどについても、いろいろの工夫などが講ぜられつつあるようでございますし、また、
アラビア石油そのものの力からいたしましても、そう無
制限に何もかもできるわけではございません。だから、むしろ、在来の発足当初の協力関係をたどって、そうして順調な成長を期することが望ましい方法じゃないか、こういうような考え方をするわけであります。ただいま御指摘になります引き取りその他の問題で、いろいろ工夫を要する点があろうかと思いますけれ
ども、業界の協力を得るというその前提に立って話を進めていくなら、必ず行政的なあっせん指導で目的が達するものじゃないか、かように私は考えておる次第でございます。