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中野(正)
政府委員 実は、これはそういうことでなくて、この種の
研究機関を
政府機関としてやることは、どうも今までのいろいろなほかのそういう同種の
機関等のあれを見ましても、なかなかうまくいかないのじゃないかということで、実は三十六年度の
予算を作るときに、御
承知の約一千万円の、
企画庁としては
消費者行政に資するためのいろいろな
資料が不足であるから、これをいろいろ
民間に
委託をして、
研究してもらおうということで、実は
予算を三十六年度から取って、本年度も大体同額取っておるわけです。そのときにいろいろ
議論はあったのですが、
政府機関としての
国民生活研究所というものは適当じゃないじゃないかということは、
企画庁としては最初からそうでございます。ただ、その当時
新聞なんかに出ましたのは、
政府が要するに
相当金を出してやらなければ成り立たぬのじゃないかということで、一部の
新聞で、
政府機関としての
研究所を
企画庁は考えているのだというような報道がなされたのじゃないか、そういう御印象を持たれたとすれば、そういうことじゃないかと私は考えております。従って、三十六年度に
議論したときは、やはり
民間の
研究所としてこれは
発足させよう。もっとも
民間のという
意味が、
性格上さっき言ったように、
政府は何にもしなくて、
調査委託費ぐらいでほんとうに強力な、今までにないような総合的な
研究所が育っていくかというと、それはなかなかむずかしいのじゃないかということは、わ、れわれも考えておりまして、その当時も、もし作るのであれば、
政府は応援しなければいけない。しかし、応援する形はいろいろございまして、たとえば
アジア経済研究所あたりは
特殊法人で
出資もしている。それと同時に
相当額、一億数千万円じゃなかろうかと思いますが、
機関的な
補助をこれは海外に特にいろいろ出張して
調査いたしますので、そうなっているのだろうと思いますが、
補助金でやるか、あるいは
機関補助金でやるか、あるいは
出資金でやるか、何かの形で
相当政府が応援しなければ成り立たないのじゃないか、こういうことは考えております。しかし、
機関の
性格としては、今度
特殊法人ということになったのですが、
特殊法人的なそういう
性格、
民間からも、あるいは
政府からも
相当独立性を持った
機関の方が、財政的にうまく固まるし、それから人的にいい人を得る。それから運用についても比較的
自主性というか、そういう点もとりいいのじゃないか。
政府の
研究所となると、ただ
政府の言うことに従って大体やるということに
——どうしても公務員になりますから、そういうことになるわけですから、いろいろ制約があるというようなことをいろいろ考えて、
民間機関であるが
機関的な
補助金をもらうか、あるいは
出資金をもらうか、何かで
政府が
相当腰を入れて応援する形のものにしたいということは三十六年度のときから考えておったわけであります。しかし、それじゃ
政府が命令して作るのかというと、そうじゃなくて、
民間の力でまず
基礎を固めて、それでそういうものが非常にいいということになれば、
政府の方で
補助金を出す
なり出資金を出すという形がいいじゃないかというように変わってきたというか、そういうことで
最後は
出資金ということになって、
出資金ということになれば、
特殊法人という例はほかにないわけでない。それでこれはいろいろ
政府の中でも、
政府が
出資をして
特殊法人というと、ごらんになるとわかると思いますが、えらいむずかしい
監督規定があるから、もう少し何とかいい形はないかということでわれわれも
研究したわけであります。しかし、今まで
特殊法人という形で
出資しておると、
相当政府の
監督——仕事の
中身は
相当自主的にできるわけでありますが、やはり
法律でワクだけは縛るという形のものでないと
出資ができないじゃないか。
政府が
出資しておって、国会の
予算の
審議だけで、あとは適当に
行政指導でやるなんということはこれはいかぬじゃないかということの結論に達しまして、
特殊法人ということに最終的に決定したわけであります。