運営者
Bitlet
姉妹サービス
kokalog - 国会
yonalog - 47都道府県議会
nisalog - 東京23区議会
serelog - 政令指定都市議会
hokkaidolog - 北海道内市区町村議会
aomorilog - 青森県内市区町村議会
iwatelog - 岩手県内市区町村議会
miyagilog - 宮城県内市区町村議会
akitalog - 秋田県内市区町村議会
yamagatalog - 山形県内市区町村議会
fukushimalog - 福島県内市区町村議会
ibarakilog - 茨城県内市区町村議会
tochigilog - 栃木県内市区町村議会
gunmalog - 群馬県内市区町村議会
saitamalog - 埼玉県内市区町村議会
chibalog - 千葉県内市区町村議会
tokyolog - 東京都内市区町村議会
kanagawalog - 神奈川県内市区町村議会
nigatalog - 新潟県内市区町村議会
toyamalog - 富山県内市区町村議会
ishikawalog - 石川県内市区町村議会
fukuilog - 福井県内市区町村議会
yamanashilog - 山梨県内市区町村議会
naganolog - 長野県内市区町村議会
gifulog - 岐阜県内市区町村議会
sizuokalog - 静岡県内市区町村議会
aichilog - 愛知県内市区町村議会
mielog - 三重県内市区町村議会
shigalog - 滋賀県内市区町村議会
kyotolog - 京都府内市区町村議会
osakalog - 大阪府内市区町村議会
hyogolog - 兵庫県内市区町村議会
naralog - 奈良県内市区町村議会
wakayamalog - 和歌山県内市区町村議会
tottorilog - 鳥取県内市区町村議会
shimanelog - 島根県内市区町村議会
okayamalog - 岡山県内市区町村議会
hiroshimalog - 広島県内市区町村議会
yamaguchilog - 山口県内市区町村議会
tokushimalog - 徳島県内市区町村議会
kagawalog - 香川県内市区町村議会
ehimelog - 愛媛県内市区町村議会
kochilog - 高知県内市区町村議会
fukuokalog - 福岡県内市区町村議会
sagalog - 佐賀県内市区町村議会
nagasakilog - 長崎県内市区町村議会
kumamotolog - 熊本県内市区町村議会
oitalog - 大分県内市区町村議会
miyazakilog - 宮崎県内市区町村議会
kagoshimalog - 鹿児島県内市区町村議会
okinawalog - 沖縄県内市区町村議会
使い方
FAQ
このサイトについて
|
login
×
kokalog - 国会議事録検索
1962-08-03 第40回国会 衆議院 社会労働委員会 第38号
公式Web版
会議録情報
0
昭和三十七年八月三日(金曜日) 午前十時三十二分
開議
出席委員
委員長代理理事
齋藤邦吉
君
理事
藤本 捨助君
理事
柳谷清三郎
君
理事
小林 進君
理事
五島 虎雄君
理事
八木 一男君
安藤
覺君 浦野 幸男君
加藤鐐五郎
君 海部 俊樹君 佐伯
宗義
君
田中
正巳
君 永山 忠則君
松山千惠子
君
森田重次郎
君 渡邊 良夫君 大原 亨君 河野 正君 島本 虎三君 田邊 誠君
滝井
義高
君 吉村 吉雄君 井堀 繁男君
本島百合子
君
委員外
の
出席者
厚 生 技 官 (
公衆衛生局
長) 尾村 偉久君 厚 生 技 官 (
環境衛生局
長)
五十嵐義明
君
運輸事務官
渡辺 道夫君 専 門 員 川井
章知
君
—————————————
七月十一日
委員赤松勇
君
辞任
につき、その
補欠
として
山口
シヅエ
君が
議長
の
指名
で
委員
に選任された。 同月十八日
委員大橋武夫
君
辞任
につき、その
補欠
として灘
尾弘吉
君が
議長
の
指名
で
委員
に選任された。 同月三十日
委員大石武一
君及び
八田貞義
君
辞任
につき、そ の
補欠
として
田中正巳
君及び
森田重次郎
君が議 長の
指名
で
委員
に選任された。 八月三日
委員安藤覺
君及び
山口シヅエ
君
辞任
につき、そ の
補欠
として
石田博英
君及び
赤松勇
君が
議長
の
指名
で
委員
に選任された。 同日
委員石田博英
君
辞任
につき、その
補欠
として安
藤覺
君が
議長
の
指名
で
委員
に選任された。
—————————————
本日の
会議
に付した案件
厚生関係
の
基本施策
に関する件(
コレラ対策
に 関する問題)
——
——
◇—
——
——
齋藤邦吉
1
○齋藤(邦)
委員長代理
これより
会議
を開きます。
厚生関係
の
基本施策
に関する件について調査を進めます。 質疑の申し出がございますので、これを許します。
滝井義高
君。
滝井義高
2
○
滝井委員
昨日から本日にかけて各
日刊紙
を非常に騒がしております
大阪商船
の
貨物船
の、いわゆる十七人の
コレラ菌
の
保菌者
の問題についてでございます。かつて
灘尾
さんが
厚生大臣
の当時、やはり
台湾
の方から
コレラ
が
日本
に
侵入
をするおそれがあるというので、多分一人の
船員
か何かの死体の問題を
中心
にして騒いだことがありました。しかし今度の問題は、すでに南方に相当の
コレラ
が
発生
をしておって、しかもわずかに半月かそこらの間に
台湾
から
日本国内
に入ってくるという、こういう非常に急速な
コレラ
の北上の姿が現われてきておるわけですね。そこでまず第一に、現在
東南アジア
、
フィリピン
、
台湾等
におけるこのパラ
コレラ
の
発生
の
状態
というものが、一体どういう
状況
であるかという概要を御
説明
願いたい。
尾村偉久
3
○尾村
説明員
現在
東南アジア
より
流行
して参っております
コレラ
の概況を申し上げます。 昨年の四月に
インドネシア
、セレベスから散布されたと思われますものが、その後
東南アジア
の
各国
、すなわち
香港
、
インドネシア——ジャワ島
を含む
インドネシア
の諸島、マカオ、それから
香港
の地続きである中共の
広東等
、これらを風靡いたしまして、さらに本年の初頭になりまして
北ボルネオ
に移りましてサラワク、これらに
蔓延
をいたしまして、そのまま一部はその
地域
からとだえましたけれども、まだ残存しておる
地域
がございます。 それから、もう一つの形は、これは
大陸
から逆に入りましたかあるいは
インドネシア
の方から入ったか、その
侵入経路
はわからぬのでございますが、昨年の九月に
フィリピン
に入りましたものがものすごい大
流行
になりまして、
最盛期
には一週間に千名の
患者発生
という時期がございましたが、現在なお終息せずに、
フィリピン
では総
患者発生数
は、これは
届出数
だけで一万五千名、それから
死亡者
二千百名というような
状況
で、現在なお
フィリピン
の南部の方に週間ほぼ五十名ないし六十名の
発生
を続けております。従いまして、ほぼこの
フィリピン
の
流行状況
はもう一年に近くなる、こういう
状況
でございます。従いまして、この
フィリピン
が今
東南アジア
におきます
流行
の
中心地域
になっておる、こういう
状況
でございます。 この
フィリピン
の
状況
は、四年前に
タイ国
の
バンコック
におきまして、二万名の
患者
を二年間に
——
二冬越したわけでございますが、二年間に継続
発生
した
状況
とほぼ匹敵する
流行
の速度、かような形でございますが、
フィリピン
のこの
流行状況
にかんがみまして、
先ほど
も御
指摘
のように
フィリピン
に対する
日本
への
侵入防止対策
というものを昨年以来すでに強くいたしまして、海の
関係者
、
漁業関係者等
の
予防注射
を初めといたしまして、
フィリピン
から
来航
の
検疫
の強化、並びに逆に、
流行
の
中心地
である
フィリピン
の
患者
を早く
現地
で根絶えすることに協力するということのために、
わが国
から
治療薬剤等
を無償で、赤十字を通じまして
政府
へこれを寄贈するというようなことをいたしました。 なお、
フィリピン
の一番の
最盛期
まで、今回
流行
しております
エルトール
型という菌の種が
国際伝染病
としての
コレラ
に
指定
を公式にされておらなかったということのために、
国際
的に
お互い
に
侵入防止
の手段といたしまして、
国際術生規則
並びにそれぞれの国の
検疫法
を適用できないということがまた
国際
間の
流行
に拍車をかけておりましたので、
日本
が
提案国
となりまして、本年のWHOの
理事会
並びに
総会
に、この
エルトール
型の
コレラ等
の病気は全く
コレラそのもの
と同じである、菌のごく一部の生物学的の
細菌学的性状
が違うのみであるということで、
コレラ指定
を提案いたしました。これが本年の五月の
総会
で議決されまして、従来の
アジア
・
コレラ
を
中心
といたしますいわゆる昔の
真性コレラ
、これに編入をいたしまして、全く
コレラ
という認定になったわけであります。従いまして、この後は、
日本
といたしましても一そうこの
対策
がやりやすくなっておったのでございます。 今言いますような
フィリピン
の
流行
が終息しませんままに七月十七日に
台湾
に
侵入
し、
初発
をいたしました。その
侵入経路
は、あるいは小さな漁船により
フィリピン
ないしは
大陸
に
接触
した者から搬入されたともいわれておりますけれども、これは公式の原因の決定的な発表はありませんので、いずれにいたしましても、さような形でこの
流行地域
から
台湾
に
侵入
した。この十七日に
初発
をいたしましてから、
台海中部
の
初発
以来、連日十名ないし三十名程度の毎日
発生
を見まして、北は台北まで、南は
屏東
、
台南
というところに急速にこれが
蔓延
をいたしまして、しかもこれは
沿岸地帯
のみを通じてではなく、内陸の方向にも飛び飛びにこれが急速に発展をしたということで、本月一日現在、その公式の
届出件数
は百五十九名、なお
疑い
を持って
伝染病院
に入院しておる者がこのほか二百名、合わせて三百六十名近くの
患者
が
発生
いたしました。公式の
コレラ
による
死亡者
は七名ということになっておるわけでございます。 この十七日に
初発
いたしまして、二十一日に
わが国
にさような
情報
が入りましたので、直ちに、従来行なっておりました
フィリピン
の
流行対策
とやや趣が異なる、すなわち
フィリピン
の場合には船で来るのに十日以上の
期間
がかかりますので、
コレラ
は長くとも五日間以内にほぼ発病するという
潜伏期間
以後に来ますので、いずれも感染しておれば航海中に何らかの
通信連絡
ができるという
状況
でありましたので、それに応じた
処置
をとっておったのでございますが、
台湾
の場合には最短三日、
高雄
からでも四日ということでございます。潜伏期内に来るという非常に危険な
状況
でございますので、特別な
措置
をとりまして対
台湾コレラ侵入防止対策
、こういうことにいたしました。 なお、かような
状況
でございますので、
フィリピン
のとき以上に、
現地
における
蔓延
を
初発
時期に
日本
も協力して食いとめるために、先方が非常に
コレラ
・
ワクチン不足
を告げましたので、
発生
以来十日目に、
日本
で手持ちの百万人分の
コレラ
・
ワクチン
を、
政府
から日赤を通じて急遽空輸いたしました。
到着
の翌日に
台南市内
五十万人に使用開始される、こういうような
状況
で、
対策
の一環としてこれも実行したわけでございます。従いまして、今にもきてはいかぬということで非常な
防疫対策
をしいておったわけでございますけれども、
高雄
を七月二十七日の夜出航いたして参りました、ただいま御
指摘
の
大阪商船
の
御影丸
が、七月三十一日に
門司
に
入港
いたして参りました。これは
商雄
市における
滞在
の日数が長かったので、現在まだ
高雄
港並びに
基隆港
、すなわち
台湾
の
開港場
は、いわゆる
法規
で言います
汚染地域
に
指定
されておりませんので一切
強制措置
はできないのでございますけれども、これにかわる
臨船検疫
を
門司港外
でいたしましたところ、さような平時がわかり、さらに、一名の
船員
が
荷雄滞在
中に一日間
下痢
をした、ただし
治療
を受けて一日でなおったということを聞き出すことに成功いたしたものでありますので、
危険船
ということで強い
勧奨
をいたしまして、
全員
即時採便ということで、三十八名の
船員
全部から採便をいたしましてこの
検査
を開始する。しかしながら、まだ三十八名全部が
健康状態
でございますので、これに
上陸禁止
の
措置
ができませんので、仮
検疫済み
という
法規
上の
措置
によりまして、いつでも
疑い
の証拠が出れば取り消して、また
港外
に出してやるという
条件
になっております仮
検疫済み
による
入港
を許したわけでございます。 その後
検索
を急ぎまして、大体普通の
検索
の最低時間である四十八時間日、昨日二日に至りましてこの結果が
判明
したところによりますと、十七名が今のところ
エルトール
型ということで、今朝の十時に
判明
するはずでございますが、要するに
コレラ菌
というものを十七名が保有しておるということが
判明
いたしましたので、これは
日本
の
領土
に入る前に
検疫
時
発見
の
台湾罹病保菌者
ということで、これを直ちに
措置場
に
抑留隔離
をいたしました。なお
同船者
、
残り
の者も全部
隔離
すべきでございますけれども、このうちの
健康者
四名はその前日に、将来船をかわるというような
予定
もございまして、そのために
郷里
に四名が帰るということでございましたので、この仮
検疫済み
の裏づけになっております
行き先
を明示して、
行き先地
で
保健所
に届け出てその指事を受ける、こういう
条件付
によりまして四名は各地に帰郷いたしました。その他の者は、昨日この
判明
と尚時に
措置場
に収容
隔離
すべきところ、
台風
が
通過
中でございまして、船を放棄することができないということで、十七名を取り上げたら
残り
の人数では
台風下
の船の
保安
上の
条件
に合わないということで、逆に
会社側
から新たな五名を
保安要員
の部署に
乗船
さして、船を操縦しながら
台風通過
を待つ、こういう
措置
をとりました。ただし、外界とは全部遮断する。それから新たに加わりました五名も、
台風通過
後も健康な他の従来の全長と同様に
隔離
する、こういうことを承知の上で
乗船
を許す、こういうことをいたしました。なお、
税関官吏
が
入港
町四名
立ち入り検査
をいたしましたが、この
税関官吏もろ
とも
隔離収容
の
対象
にいたしております。かような
状況
でございます。 さらに、十七名
全員
が無
症状
の
保菌者
であるということでありましたところが、昨日の夜半に至りまして、ごくごく軽症の
症状
と言えるわけでございますが、三名が軟便の
臨床症状
が一日二回程度あるということでありました。この三名は
症状プラス菌陽性
でございますので、
コレラ患者
という
法規
的な扱いになり、他の十四名は
コレラ菌保有者
ということになりまして、これは取り扱いは一切同様でございますが、さような形で現在は
症状
も進むことなく
隔離収容
いたしまして生活しておる、こういう
状況
でございます。 なお、ただいま申し上げました四名につきましては、
同船者
十七名が
コレラ菌保有者
ということが確定いたしましたので、直ちに全国の
立ち回り先
の
衛生部
並びに
保健所
が昨日中に
連絡
がつきまして、全部その地元の
伝染病院
に
隔離
いたしました。
大阪
の場合には、
家族
が希望いたしまして
家族
も
一緒
に入りたいということでございますので、
家族ごと伝染病院
に
隔離収容
いたしております。従いまして、
同船
の
来航者全員
、ただいま全部
監視下並び
に
隔離下
にある。
門司周辺
につきましては、さような形でございますので、とにかく一日に
入港
いたしておりますのと仮
検疫済み
であったために、
門司市内
とあの近辺に一日間、ある数の
船員
が立ち回ったということでございますので、その
立ち回り先
の
消毒
並びに
衛生監視
を、全部調べた上で厳重にいたしております。さような
状況
でございますので、
門司市民全員
に
——
約十六万人と思いますが、そのうち約二万人はもうフイリピン以来やっておりますが、これに
全員
一、二日のうちに
予防接種
をする。
下関側
は対岸でございますので、
沿岸住民
につきましてはやはり
全員予防接種
をするということで、これは
ワクチン
の供給もいたしまして、昨日著しく進行いたしました。海につきましては、ただいまのように
検疫錨地
に
移動
する前に一日間
入港
いたしておりますので、昨日の夜半二十三時に
福岡県知事
と
山口県知事
が、関門海峡の一定の水域につきまして
漁撈禁止
と
水泳禁止
の
措置
を、
伝染病予防法
の条項に基づいて発動した、こういう
状況
になっております。 以上の通りでございますので、大体これは一日だけ立ち入ったということがまことに遺憾でございますけれども、水ぎわにおきまして
検疫
時
発見
ということで、
国内発生
ということでございませんで、白河の
罹病者
がそのまま来まして
日本
の
領土上陸
前に
発見
して
隔離
した、こういう
ケース
になっております。かような形でございますので、これを
中心
として急速に
蔓延
ということはないというふうに考え、またさように努力いたしておるわけでございます。 ただ、こういう形で今後
日台航路
を通じましてくるということはますます考えられますので、実際は
高雄
港と
基隆港
がまだ
指定
港にはなっておりませんけれども、これも
日本
の
防疫
上の問題で汚染された船舶ということに全部認定するという
日本
の見解に基づきまして、昨日以後は
台湾
から来る船は全
乗員検便
をする、
検便
の結果がほぼ二日かかりますが、この間は
検疫錨地
から一切
移動
させずに、
国内
との
接触
は全部禁止しておる、結果が
判明
次第それぞれ解除なりあるいは
収容処置
を講ずる、こういうことで昨日からいたしておるわけでございます。 なお、
日台
空路があるわけでございまして、
航空機
でも入る
可能性
がある。
理屈
から言いますと、
航空機
では三、四時間で参りますので、もちろん
感染者
があるといたしますれば、全然これは臨床的には
発見
できない時期でございます。ただ昨年以来、
フィリピン
の一万五千名を初め、
インドネシア
その他の二万余名の
発生状況
を、
情報
を
お互い
に交換しておりますが、空路によりまして外国から
侵入
したという
ケース
が一例も今までのところわかっておらない、さような形で、従来も
各国
がこれらの国から空路の場合には絶対に
予防接種
をやった者のみが乗る、しないで来た者は即時その場で
予防接種
を
強制
する、こういうやり方によりまして、現在までのところ
発生
を見ておらないということでございますので、
わが国
といたしましても、大体空路から来る乗客の階層が今回の
アジア
に
流行
しております
エルトール
・
コレラ
の
流行
のちょうど
対象
にはずれておりまして、さようなものから出ておらぬという形で、現在のところは、
各国
がとっておりますこの
予防接種中心
の空路
検疫
ということはこれを厳重にいたしましたが、こういう形でしばらく模様を見る、こういうふうに対処いたしておるわけでございます。 なお、この
台湾
の
コレラ侵入
に対しまして、物品による
侵入
ということがございますので、これは
環境衛生局
の所管である
生鮮青果物
、
魚類対策
といたしまして、先般来やはり厚生省としては
対策
をとっておりますので、これは
環境
御生
局長
から御
説明
を願う、かように存じます。
滝井義高
4
○
滝井委員
そうしますと、三十八人の
乗組員
の中で十七名が
保菌者
あるいは
コレラ患者
である。そうしますと、二十一人については何ら異常を認めない、こういうことなんですね。そうしますと、その二十一人は現在どういうようにしておるのか。その中の四人については、他の船に乗りかえるというので
郷里
に帰った。しかし、
保健所
の方でその人に
面会
をして
隔離
をしておる。こういうことなんですね。そうしますと十七人ということになる。十七人は現在どうしているわけですか。
尾村偉久
5
○尾村
説明員
この十七名の
無菌者
の中には
船長
も含んでおりますけれども、これはただいま船の上に
健康隔離
をいたしておりまして、これは
先ほど
ちょっと御
説明
いたしましたように、現在、今朝まで
台風通過
中で
荒天港域
に
指定
されておりますので、
移動
も困難ということでブイにつないだまま
台風
に対処する
船上操作
の勤務についておるわけでございます。なお、
先ほど
も申し上げましたように、五名を
荒天業務
の加勢にわざわざ乗り組ました。これがありませんと
保安条件
に合いませんものですから。かような過程でございまして、この船を
あと
に残し得る
状況
になりますと同時に
彦島
の
措置場
に
健康隔離
いたすことにいたしております。おそらく本日、この船から
上陸
できる
状況
に海上がなるというような
報告
でございますので、さように
措置
する、こういうふうにいたしまして、一方の十七名の
保菌者
が、菌がなくなりまして全く無
歯状態
に
全員
がなるまではこれを
隔離
いたしておく、こういう
予定
にいたしております。
滝井義高
6
○
滝井委員
そうしますと、
船長
以下の十七人と、現在これは
台風
のために船を操作しておるわけですが、そのほかに五人の追加の
乗船員
がおるわけですね。そのほかに
税関
から四人入っておるわけですね。十七人
プラス
九人、つまり二十六人が現在船に乗っているわけですね。この二十六人については、
保菌者
の十七人が菌がなくなるまでは
健康隔離
をする、こういうことですね。
尾村偉久
7
○尾村
説明員
実際には、
検疫法
の規定によりますと、この
無菌者
の
健康隔離
、いわゆる
同船接触者
と言っておりますが、これは
法規
上は五日間でございます。
コレラ
の場合には五日の滞留を
法規
で命ずることができますけれども、ただ実質的には、今度の十七名の
保菌者
の
状況
でもおわかりのように、向こうの
高雄
には十七日から二十七日まで
滞在
いたしておりまして、しかも出航の前日、二十六日に一名だけが
下痢症状
を起こしたということでございます。
上陸
時マクワウリその他を食べたそうでございますが、それから推定いたしますと、今の
保菌状態
の継続あるいは
保菌状態
になった時期というものが、はたして五日間以内かどうかも今のところ実は推定不可能でございます。
予防接種
を全部繰り返しやっておる
方々
でございますので、この十七名から現在は頻回の
検査
でも菌は出ておりませんので安全でございますが、あるいは今後
万々一腸壁
のどこかにひそんでおって出ることがあってはいかぬということになりますので、
法規
の許す範囲の五日を経過いたしましたならば、これは
船主側
と、それからもちろん
当人たち
と、これによりましていわゆる
勧奨隔離
という形で応じてもらいたい、こう存じておるわけでございまして、
強制
はできませんが、しかし今の十七名の
同僚
がまだ
保菌状態
で、三名は
患者
の
状態
でおりますので、これはもう必ず応じていただける、こういうふうに今までの
折衝
の
状況
では存じておるわけでございます。ですから、全部完全になるまでは、初めての
日本
の
侵入
の
ケース
でございますのでまあ協力してもらって、万全になるまで策をとる、こういうふうに実は希望しておるわけであります。
滝井義高
8
○
滝井委員
それで船にいる方はわかりましたが、そうしますと、すでに
故郷
に帰った四人が、現在
保健所
でその者に
面会
をして
隔離病棟
に
隔離
しておるわけですが、その
状態
はこの四人についても同じなんですね。それから同時に、今の
局長
の御答弁のように
腸壁
その他にひそんでいるかもしれぬという
疑い
を持つとすれば、この四人の者が
故郷
に帰って、
家族
その他ともう食事をしておると思うのです。あるいは排便もやっているわけですね。そうしますと、当然その四人の
立ち回り先
の家屋、
便所
ですか、こういうようなものについて万全の
対策
をとっておかなければならぬと思うのですが、そういうことは手抜かりなくやっておられるのでしょうか。
尾村偉久
9
○尾村
説明員
このうち把握いたしまして、直接すべての
処理報告
がありましたのは、
大阪
が昨日の午後ございました。これは私が直接聞いたものでございますのでよくわかっておるのでございますが、これは
到着
と同時に
家庭
に帰った。帰って、もう待ちかまえておりました
衛生当局
が直ちに
連絡
いたしまして、あそこの市の
伝染病院
に
隔離
を勧めた。ところが帰って
家族
と
一緒
になりましたので、
家族
も心配いたしまして、妻子三名も
一緒
に連れていってくれということで
一緒
に
健康隔離
をした。直ちに
検便
をいたしまして、実は四十八時間でないと正確にいきませんが、大体二十四時間の
ペプトン水
倍養によりまして無歯と有菌はわかるわけでございますが、それによりますと、まだ二十四時間にもなっておりませんでしたが、全然はえないということで、やはり
門司
における
無菌
と同様と認めるということが公式な
報告
でございます。他はまだそこまでの詳細なのはなくて、電報で
連絡
がついて所要の
伝染病院
に
隔離
したというところまでわかっておりますので、今後も今のような同様の
措置
をいたしますが、ただこれは地方の、他に赤痢その他の入っております
伝染病院
にはたして五日をこえてこれを置いておく方がいいか、それとも今の連日検使をやりまして
無菌状態
であれば、いわゆる
伝染病予防法
にいう
家庭
の
指導管理
ということに付しまして、
便所
を厳重に毎日
消毒
する、それから
本人
に
外出
を禁止するとか、そういうような形で、
無菌
の
状況
にある間は厳正な
自宅管理
でもいいのではないかと思いますが、おそらくこれは他に転船するということを言ったわけでございますけれども、これは
会社
とも
折衝
をしておりますが、場合によっては、むしろ都合がよければ逆送をいたしまして、また
彦島
の
同僚
がいる
間一緒
につき合ってもらってあそこで
カン詰
になる、こういう方がすべての
条件
がいいのではないかと思っておりまして、これは五日間たちましてから、それぞれの四
衛生当局
と御
本人
の意向によりまして解決したい、こう存じております。
滝井義高
10
○
滝井委員
特に
上陸
している四人については、人権を侵害しないように厳重な
対策
を立てていただきたいと思うのです。 次は、この
御影丸
は
砂糖
を積んできているわけですね。そうすると、その
砂糖
は現在
陸揚げ
をしたのですか、まだその船のままに赴いておるのですか。その場合に、もし
陸揚げ
をしたとすれば、
荷役
をやっているわけですね。
労働者
が揚げているわけですね。そういう
労働者
との
関係
、それからその
砂糖
は一体どう
処理
をされるつもりなのか、この点を御
説明
願いたい。
尾村偉久
11
○尾村
説明員
これは仮
検疫済み
が当日出ましたので、
入港
して
荷役
は開始いたしました。全体で積んでおります約三千トン余の
砂糖
の梱包のうち、これは未
精製糖
でございまして、
あと
で
精製処理
をするものでございますが、これのうちの半分である約千六百トンが
荷役
を終わりまして、
保税倉庫
に入っております。これが直ちに、今の
菌保有
の見込みありということが、昨日を待たずして一昨日中に、途中である程度推定がついたものでございますから、
荷役
を中止いたしまして、
保税倉庫
にそのまま
移動禁止
をかけまして、密閉しております。これは適切な
消毒
が終わらぬ限り
移動禁止
ということにいたしております。 なお、これにタッチいたしました
荷揚げ人夫
、これはやはり
理屈
上は
船内
からかつぎ出したわけでございますので、
船内立入者
という
可能性
がございますし、また
消毒
を要する
汚染物
に触れたということでございますので、全部
福岡
県の
衛生当局
に調べてもらいまして、昨日この
方々
には
外出禁止
、いわゆる自宅
隔離
——
いろいろな
措置
がございますが、その
措置
をかけ、
本人
にも
十分説明
をする、こういう
措置
を昨日以来とっております。ただこれらの
方々
は沖仲仕、
荷揚げ人夫
でございますから、今後これを
伝染病予防法
の発動という形にいたしまして、次々とこういうふうに本物の伝染病ということがわかってきましたから、さような形によって休業中の生活保障等のことを十分考えないとこれは非常に工合が悪い、それらはもう
衛生部
当局が十分考えて、困らないように
処置
していくという指示をいたしております。
滝井義高
12
○
滝井委員
問題はそこに一つあるわけです。そうしますと、問題は二点になる。物の方の
砂糖
を
移動禁止
するということになりますと、これは相当の損害
——
どこに出るか知りません。輸入業者に出るのか輸出業者に出るのかわかりませんが、そこらの損害の問題が出てくる。それから今言った
荷役
に従事する
労働者
の諸君の賃金の問題、生活保障の問題が起こってくるわけです。こういう問題を一体具体的にどう
処理
する方針なのか、予算的には一体どこからそういうものが支出されるのか、あなたの方でおわかりになっておれば御
説明
願いたいし、それからあなたの方の所管でなければ所管の官庁をちょっと呼んでもらって、こういうことは当初に明らかにしておかないと、
あと
になって陳情その他で明らかにするということでは、やはり
防疫対策
までいかなくなる。従ってその点をあなたの方で御答弁ができなければ、だれか答弁のできる人に一つ来ていただいて、明白にしておいていただきたいのですが……。
尾村偉久
13
○尾村
説明員
今の
荷揚げ人夫
に対しまして、伝染病予防上、知事が必要と認めまして一定の予防
措置
を講ずる、これが予防法できつくうたわれておりまして、これによりまして、ちょうど今の
ケース
で、だれでもというわけではございませんが、こういうような
ケース
で権力をもってその必要な
期間
働けなくするとなりますと、
伝染病予防法
でも補償が可能なようになっております。ただし、今までのところでは、補償の額とか、そういうようなもののこまかい規定というものはございませんので、これを発動してきめて、はたして有利かどうかという問題は、最近こういう例がないものでございますので、これは検討しなければいかぬと思いますが、最低の場合でも
伝染病予防法
の発動はできる。ただし、今のようにこれが日雇い人夫としての健康保険に入っておるとか、あるいは一般の健康保険加入者でございますと、やはり他から命じられて疾病予防のために病人と同じように労務不能にさせられるわけでございますから、かような形が、もし他の
法規
で、ふだん掛金しておるもので傷病手当金をもらえるというような形になれば、これはまた、より有利な方法で解決するのも一つの手かと存じますが、私どもの方の公衆衛生
法規
の中では、最低かような
ケース
は
伝染病予防法
で
処置
はし得る、こういうふうになっておりますので、今直ちにどこで救済を約束するということまでは、こういう事態でございますので、まだそこまでよそとの
連絡
をいたしておりませんが、十分検討いたして、注悪いたしたいと思います。 それからなお、砂粒の
消毒
方法につきましては、これは現在まだ私の方では、入っておる風袋そのものが詳細わかっておりませんので、これを薬液
消毒
にいたすか、あるいは倉庫の工合によりましてはいわゆるガス
消毒
による
消毒
が適当かどうか、こういうことはまだきめておりませんので、今のところはとにかく
移動禁止
で封印ということをいたしておりますので、この進行
状況
によりましてはさような完全な
消毒
をしていく。ただし
砂糖
の場合には、今までの学者の見解では、
台湾
から入ってくるものは、バナナのようなものは別として、
砂糖
と食塩が入って参りますが、
砂糖
そのもの、それから食塩そのものでは
コレラ菌
というものは生存を続けないというのが学説の常識になっておりまして、これはかたまりなり結晶の中に入ればすみやかに死滅する、菌としては存在しない、こういうようなことになっておりますので、中身までこれを無理して
消毒
するかどうかというのは、まず必要ないだろうという見解でございます。
接触
した風袋を外からそのままで
消毒
して、
あと
使うに足りれば、食塩も
砂糖
もいずれも精製の場合にみんな加熱なりいろいろな
処理
がどっちみち行なわれるわけでございますので、一般の
家庭
に入手されるまでは必ず安全になると見ておるのでございますけれども、ただこの点は、やはり
国内
に搬入されますと食品の一種になりますので、これは
先ほど
のバナナと
一緒
に食品衛生法上の問題でございますので、
環境衛生局
の所管になるわけであります。
滝井義高
14
○
滝井委員
当然
砂糖
でも、こうなるとみんな神経質になってしまうのです。当初原爆マグロで非常に神経質になったと同じで、この
砂糖
は、おそらくたたき売りしなければ売れない格好になるのではないかという心配があると思うのです。それで
環境衛生局
の御答弁をいただきたいのですが、そういうような場合の損失の補償
——
あと
でバナナのことも質問するつもりですが、そういうものとともに当然何らかの
対策
を、これは今から講じなければならぬと思うのです。私は、今度の問題はこれだけでは終わらないと思うのです。だから運輸省にもちょっと来てもらいたいのですが、
台湾
との間のやはり交通遮断の問題も起こってくると思うのです。国民
政府
の方からは
日本
の外務省に、駐日大使を通じてバナナの輸入禁止を解除してくれ、そんなことをやらないでくれという申し出さえあると新聞は報じているわけです。蒋介石と
日本
とは特殊な
関係
がありますから、これで
台湾
との間に交通が断つことになると、だいぶ
日本
の外交の方針も違ってくることになるのです。
コレラ
が外交方針を変えることになるのだが、社会党にとってはいいのだが、自民党さんにとってはそうもいかぬ場合が出てくるので、そういう
対策
を、
環境衛生局
としては物の面における、特に食品の面における補償の問題あるいは
対策
の問題、これをどうお考えになっているのか、あわせて御
説明
願っておきたい。
五十嵐義明
15
○五十嵐
説明員
コレラ
問題をめぐります食品衛生の問題でございます。この件につきましては、南方の
コレラ
が
発生
以来、
公衆衛生局
の
防疫対策
と対応いたしまして、
環境
衛生の面あるいは食品衛生の面から
コレラ
の
侵入
の防遏に努力をして参ったわけでございます。バナナにつきましては後ほど御
説明
いたしたいと思います。 ただいまの
砂糖
の補償の問題でございますが、いろいろ外交上の問題あるいは経済上の問題もあろうかと存じますが、私どもがただいままで検討いたしました結果によりますと、食品衛生法上は、その廃棄その他の処分を命じましてもその損失を補償するという考え方は、食品衛生法上はとらないという見解に立っておるわけであります。
滝井義高
16
○
滝井委員
そうしますと、こういう重要な
コレラ
の
対策
上、廃棄した食品衛生
関係
のものについては損失の補償が出てこないということでございます。これは、そうしますと別個の、何らか政治的な考慮を他の面で払わなければならぬ。そうすると、こういう場合、他の面で払う法律上の根拠は何かありますか。
五十嵐義明
17
○五十嵐
説明員
私どもの立場からは、そこまでまだ十分検討いたしておりませんので、ここでお答え申し上げられない次第でございます。
滝井義高
18
○
滝井委員
次は、この
御影丸
が
門司
におる間に、排便その他を海上に放棄しておると思うのです。だからこそ、さいぜんあの付近一帯に漁撈を禁止し、遊泳を禁止しておるわけです。この漁撈の禁止川間ですが、公衆衛生的に見た場合に、もちろん海水の中で
コレラ菌
が五日か一週間くらいは生きるかもしれないが、それ以上は生きないでしょう。しかし、あそこに船を係留てしおる、あるいは
彦島
あたりに抑留といいますか、
隔離
をしておるというような
状態
の間は、やはりあの付近の漁撈はできかねると思う。海水浴等もできかねると思うのですが、そこらあたりをもう少し国民にわかりやすく、
衛生当局
の見解を明白にしておいていただきたいと思うのです。
尾村偉久
19
○尾村
説明員
これは
先ほど
御
説明
いたしましたように、
伝染病予防法
の規定によって、汚染水基として知事がそれぞれ権力を発動できるようになっておりまして、今未明に発動した、こういう
報告
を受けたわけでございます。実はこの
地域
の範囲とか、あるいはまた、
現地
の海の
状況
から必要であるかどうかというようなことは、
現地
の知事の判断にまかす以外にないのでございまして、私どもの方で適当、不適当と言うことは、どうにもいけないわけでございます。ただ根本は、今の
伝染病予防法
という法律にこういうものがあるというような形で、その趣旨にはたして今回の
条件
が、海の
状況
等からみまして合っているかどうかということは、十分向こうと
接触
を保ちまして判断して、日数等につきましても、はたして今度出しました十日というものが適当かどうかという問題もよく聞いてみたいと思います。ただ、普通の今までの伝染病の偽の排出によって海が汚染されたという場合に、第一に心配するのは湾でございまして、湾の場合にはある程度その中で海水が動かずに循流しておる。従ってこれは薄められることもなくて、一定日数の生存可能
期間
いるであろうということで、こういうことを第一に考えております。先般の
フィリピン
から来ました協邦丸のときにも、府京湾に入れずに三崎の沖で押える、そういうこともやったわけであります。関川のような水流の激しいところで、はたしてあそこの帯状の幅だけにやった場合に、水それ自体は、何万倍、何十万倍というものが一日に干満のときに玄海灘から入ってきまして、一方は瀬戸内に入るということになりますと、そこの水は全然似ても似つかぬものが毎日あちらこちら動く。唯一考えられますのは、
漁撈禁止
という形でかけましたのは、あそこに生息しております魚が、ある程度の時間そこで食べるであろうということが一番常識的に考えられる。これらのために、そこで網を入れてそこに常在する底魚なりを
——
しかしそれにいたしましても、往来する魚は、いたりいなかったり変わったりしますから、これは学問的に非常に問題があります。それから遊泳禁止だけは、これは海辺でやりますので、打ち上げられて汚染されるということで、海のまん中でやられる水泳を
予定
しているよりも、むしろ海辺で砂地そのものも含めて、いろいろな意味で汚染される、そこで泳げば水が口中に入るということが考えられる、さような形でありますので、この点は権限はあくまで知の権限でございまして、
伝染病予防法
は、全面的にはそういうような部分は
厚生大臣
なり中央から容喙できない形になっておりますが、しかし
理屈
に合わぬと、国民一般がこれはどうもおかしいとなっては協力を求められませんから、この点よく
連絡
をいたしてみたい、こう思っております。
滝井義高
20
○
滝井委員
そうしますと、現在
漁撈禁止
のために、下関あるいは戸畑等における漁業者ですか、いわゆる漁民、それから魚市場の
関係者
、それからその
関係者
は当然関西方面に相当の魚を送るわけですが、こんなものは、やはり原爆マグロの初期と同じように、だれもしばらくの間マグロを食べなくなっちゃったように、関門の魚は買わないという形が出てくると思います。ここらあたりが、今のような御見解だと、やはり相当積極的な衛生思想を入れた御指導をしていないと、あの地区の漁業
関係者
は壊滅的な打撃を受けると思うのです。こういう
対策
というものは、
環境衛生局
だけではできない問題で、農林省その他とも
関係
があると思いますが、しかし、これは相当真剣に考えておかなければ大きな波紋を呼ぶと思うのです。そういう点について何かお考えになっておりますか。
尾村偉久
21
○尾村
説明員
確かにいろいろな生活なり業務を制限する。
コレラ
を伝播させないという目的でございますけれども、しかし御
指摘
の通りでございますので、この
コレラ対策
につきましては、厚生省だけでは非常に不都合な点がございますので、
フィリピン
の
侵入
対策
以来
関係
の各省
連絡
会議
というものを持っておりまして、これの所管の部局と、厚生省が世話役になりやっております。昨日も午前中これを実施いたしまして、ちょうど御
指摘
のように、今後
コレラ対策
がもう少し逼迫いたしますと、物品あるいは人間の往来その他についていろいろな制限をしないとこの目的を達しないという事故が起こるので、国民へのPR、あるいはまた、それぞれの所管の法律をある程度発動してもらう点もございますので、これらの協力を
十分説明
して求めたのでございますが、もちろんこれは、
国内
に
コレラ
を
蔓延
させないという趣旨は了解されまして、具体的に進めば、それぞれの具体的なやり方を各省ごとに私の方から
連絡
して、直ちにそれに協力する、こういうところが実はきのうでき上がったわけでございます。これはもう、これから進めるについてはぜひやっていかなければならぬ。そうなりますと、今朝ありました関門港域
漁撈禁止
、それと
水泳禁止
というのは、また直ちに各省の
会議
に
報告
いたしまして、
関係
の部面には
連絡
、協力してもらう、こういうことにいたしたいと
予定
いたしております。
滝井義高
22
○
滝井委員
水産業界が無用の恐怖に陥らないように、ぜひ一つ積極的な御指導をお願いいたしたいと思います。 次は、
門司
等を
中心
とする
防疫
体制についてでありますが、十六万の
門司
市民は
予防接種
をほとんどおやりになった、二万くらいはもう先にやっておった、こういうお話でございました。そうすると、
門司
ばかりではなくて、少なくとも北九州百万の人口を有する小倉、八幡、戸畑、若松等くらいは、やはりいつでも体制ができる姿をとらなければならぬと思うのです。一体それだけのものをやり、あるいは
台湾
から入ってくる船というのは、聞くところによると一年に四百七十隻くらいあるのだそうですか、しかもそれが長崎、
大阪
、横浜、神戸というところに来るわけです。そうすると、今度の
門司
に起こったような例がいつ起こるかわからないという事態もあるわけですから、従って、当然
予防接種
液は万全の策を整えて置かなければならぬと思いますが、現在そういう体制
——
ポリオの
ワクチン
みたいにむずかしくはないでしょうけれども、体制があるのかどうかということですね。
尾村偉久
23
○尾村
説明員
御
指摘
の通り、各
日台航路
に
関係
のある港は今後危険でございますので、それは
フィリピン
の航路と大部分ダブっておりまして、むしろ
台湾
の方がそれより少し少ないという
状況
になっております。
フィリピン
は、年間
日本
に入りますものの大体一割、二千隻、
台湾
は、大体それの三分の一程度、四百七十隻でございます。たださようなことでございますので、約百三十万人、昨夏以来港の
関係
の仲仕等、あるいはもちろん船に乗り込むような官庁等も最優先でございますが、それから一部の漁業
関係
、こういうものは、すでに港湾
関係
を
中心
にいたしまして百三十万人が
予防接種
を終わっておりまして、さらにこれが六カ月を超過するものに先般来また追加免疫、これは〇・五を追加すればいいわけでございますが、これをまた実施中でございます。そのほかに、現在四百五十万人分の、でき上がっていつでも使える
ワクチン
を厚生省が統制下に置いてありまして、いつでも使えるようになっております。これを昨日五十万人分
——
倉庫はそれそれの業者がそれぞれ自分で保管しておりまして、ただ使用を統制しておるわけでございますが、九州の熊木の化血研の
会社
のものが北九州向けにさっそく出荷したわけでございます。さような形でございますので、今直ちに必要な部分は、関門
中心
に地方の逐次実行可能な拡大計画によりましてこれを割り当てていく、すみやかに実施する。それからその他の方も、現在港湾
関係
の方のやるべきものの使用拡大を指示してありますので、それぞれの港を所管しておる
衛生部
局から必要量が今私の方へどんどん入って参りまして、ただこれがばく然と県下全部に、人口の何分の一という工合に県下に薄くばらまいては、これは非常に効果が薄いのでございます。そうなりますると、またほんとうに必要なときに必要な
地域
の中の人口をまた引き抜きましてやらなければならぬというようないろいろな不自由がございますので、その点は
関係
の港の一番近接した部面から重点的に拡大をしていく、こういうような形で相談して、現段階ではある程度査定する、こういう形にいたしております。もちろんほんとうの意味で必要な部分は次々と補給する、こういう形にいたしております。ただ、この四百五十万人分では、まだ
国内
に
発生
しておりませんが、従来の
各国
の
発生状況
を見ますとあまり十分でないという形で、また次の生産を現在開始いたしております。ほぼ一カ月でこれができ上がります。さような形でございますので、相当量、現在手持ち量以上大体八月中にまた増加する、こういうような
予定
で今の最終の目標量、今後生産を八月末に幾ら、九月末に幾らというようなことは、現在薬務局と私の方の局、それから地方からの要望量を参考にいたしまして、最終決定をごく近く省内でいたしたい、こう存じておりますが、もうすでに必要な部分はどんどんメーカーが仕込みに入っておるという
状況
でございます。
滝井義高
24
○
滝井委員
そうしますと、その
予防接種
の人的体制ですね。たとえば
門司
において、すでに十万をこえる人々を一口くらいでやってしまったというその人的体制というものは、どういうようにしておやりになっていますか。
尾村偉久
25
○尾村
説明員
これは
保健所
だけでは決してこういうような形はできるものではないのでございまして、計画的に
地域
の医療機関、
保健所
、市のあるところはもちろん市当局の
衛生当局
はもとより、市立病院、公立病院、かような形を軌長いたしまして、短
期間
に一斉に手を広げてきめた
地域
はやる。一番効果がございますので、全面的な医療機関の応援を得てやっておるということであろうかと存じます。今後もさような形で、短
期間
に多数ができる、こういう形は、そういうふうに指導を私の方もしていきたい、こう思っております。
滝井義高
26
○
滝井委員
次はバナナです。すでに二十九日に横浜に入ったバナナというのは、名古屋その他にも発送されているように報道されているわけですね。七月十七日に
台湾
に
初発
をして、さいぜんの尾村
局長
さんの御
説明
にもありました通り、三日かそこらでやってくる、こうなりますと、すでに
台湾
に
コレラ
が明らかに
発生
した後にバナナが積み出されて、そうして
日本
の港に入ってきて、
日本
の
国内
に輸送されてしまっておるわけですね。これはバナナは青果市場等の室の中に入れてはおるでしょうけれども、一体十七日以降に入ったバナナの運命というか、
行き先
というか、そういうようなものを確実に押えて処分ができるものかどうかということですね。二十九日か三十日に入ったのはできると思うのです。しかし、二十日前後に入ってきたというようなものについては、これは全く五里霧中じゃないかという感じがするのです。食塩、
砂糖
というのは、
コレラ菌
がついておっても、問題はあるけれども、多く煮たり精製するわけです。しかし、バナナはあのまま食うわけですから、これがやはり大衆は一番心配しているところだと思うのです。そういう点を、ここでわかりやすく明白に、あなた方のとった
処置
、
対策
を御
説明
願いたい。
五十嵐義明
27
○五十嵐
説明員
バナナの問題でございますが、これは御
指摘
のように厚い皮がかぶっておりますけれども、なまで食べるものでございます。衛生上の危険がきわめて大でございます。そこで私どもといたしましては、
台湾
の
コレラ
の
発生状況
に注目をいたしておったわけでございますが、このバナナの輸入を衛生上禁止するということにつきましては、衛生上の見地と、
先ほど
御
指摘
にもございましたように経済上の問題等もございますので、学問的な根拠を明確にいたさなければならないわけでございます。そこで私どもは、
台湾
のその当時の積み出し港である
高雄
港付近の汚染
状況
に注目いたしておったわけでございますが、たまたま二十五日に
高雄
で
初発
患者
が出たわけでございます。その日に出港いたしましたのが、ただいま御
指摘
の船でございます。それ以前のものにつきましては、
現地
の
説明
によりましても、両雄付近には
発生
いたしておりませんし、また必要があれば、安全な
地域
から集荷したものであるという証明をするという
説明
でございまして、それ以前のものについては私どもは安全と見たわけでございます。二十五日に出港した船が二十九日に
入港
いたしました。これにつきましても
初発
患者
が出た日に向こうを立ったわけでございますので、積荷その他につきましては、その前に数日、日にちがあったかと思います。これをいかにするかということを問題にいたしまして、問題の重要性から、直ちに食品衛生法に基づく食品衛生調査会の部会にこれを諮ったわけでございます。その結果、
台湾
の現状は、
汚染地域
と
指定
されておるところ以外の
地域
でも広範に
コレラ
が
蔓延
し、あるいは
コレラ菌
によって汚染されているおそれがあるという理由から、今後のバナナの輸入は禁止すべきであるという意見がまとめられたわけでございます。 なお、入荷中のものでございますが、それは禁止の発動をいたしますまでにすでに
日本
に向かっておる船、あるいはこちらに着きました船が、第一船を含めまして四つあるわけでございます。それらにつきましても、汚染されておる危険があるので、適切な
措置
を講ずべきであるという意見が出されたわけでございます。そこで私どもといたしましては、そのバナナの
移動
を禁止いたしまして、それに対して廃棄処分をとるという手続を運んだわけでございます。すでにこのバナナの荷物は、第一船につきましては、御承知のように十六都道府県の室の中で熟成をしておるという段階で、一般の市場には出ていない。その段階で荷を押えておったわけでございます。そこでホルマリン燻蒸等による
消毒
を行ないまして、それにさらに重油をかけて焼く、あるいは塵芥
処理
場等で焼却し、その上埋め立てをするというような
措置
で廃棄処分をするということにいたしたわけでございます。なお、第二船、第三船、第四船につきましても、同じようにこれを陸に揚げずに、あるいは
消毒
した上、陸に揚げてこれを焼却する、あるいは焼却した上、外洋で廃棄する、あるいはできれば本国に送り返すというような
措置
で病毒の
国内
への
侵入
を防ぐという
措置
を講じた次第でございます。
滝井義高
28
○
滝井委員
運輸省の
船員
局厚生課長さんがいらっしゃっていますし、局の外航課長補佐さんもいらっしゃっていますが、今厚生当局からいろいろ御
説明
がございましたが、今
コレラ
が一番
流行
しておる
フィリピン
、それから今後
流行
がだんだん激しくなろうとする
台湾
、こういう地区と
日本
との間には、
フィリピン
との間に千隻、
台湾
との間には四百七十隻ばかり一年間船の往来があるわけですね。この運航を
コレラ
の
流行
期間
中とめてしまうことはなかなかできないと思うのですが、一体運輸省としては船舶の運航の問題についてどういう方針で臨もうとするのか。これは厚生省の所管はその上に積んでくるものであり、乗ってくる人が問題だが、そもそもその船を動かすあるいは
航空機
の航行も監督する運輸省の方針というものが、今後の
防疫対策
を立てる上に非常に重要になってくるわけですが、これを一体どうお考えになっておるのか。特に
台湾
からやってくる船は三日か四日で着いてしまう。いわば潜伏期の間に来るわけです。
フィリピン
は、船の上で発病する
可能性
が出てくるから、これはまず割合早く押えやすいのですが、
台湾
からのは、そうはいかぬという問題があるわけですね。従って、運輸行政としては、おのずから取り扱いは
フィリピン
と
台湾
とは違ってくるわけです。そこらを何かあなた方で御検討になって、こういう方針でやりたいということがあれば御
説明
を願いたいと思います。
渡辺道夫
29
○渡辺
説明員
実はきょう、課長その他
局長
が、この問題につきまして船主を呼びまして懇談をしておりますので、僭越でございますが、私が参りました。御存じのように、航海をとめるということは運輸省として一応できませんので、どこまでも船主と協議の上、厚生省その他の今後の取り扱い方針に待ちまして、船主に現在の事情を
説明
しまして、こういうような
国内
取り扱いをしているということを十分認識させまして、船主自体の自粛において行なっていきたいというふうに今やっております。船主協会においてすでに今懇談をしておる
状態
であります。
滝井義高
30
○
滝井委員
具体的に航海をやめさせるという権限はない。船主に自粛をさせるというのは、結局船主をして
台湾
や
フィリピン
との貿易を、あるいは船の運航というものをしばらく遠慮をさせる、必要やむを得ないもの以外はやめてもらう、こういうことなんですか。
渡辺道夫
31
○渡辺
説明員
さようでございます。大体船主といたしましても、この前、
日本
郵船の船舶がバナナを積んで参りました。それが
陸揚げ
できない、あるいは海に放棄する、向こうへ送り返すとかいうことで、相当デマレージその他で損害をこうむっておりまして、そんな
関係
がございますし、船主の方は、御存じのように荷物がまだ
台湾
の船主の荷物になっておるものですから、こちらで廃棄するとか、そういう問題は非常にむずかしいことでありますので、どこまでも自主的に船主自体から解決していただくというふうにやっておるわけです。
滝井義高
32
○
滝井委員
わかりました。 次は、この
検疫
所の
防疫
体制です。われわれも二、三
検疫
所を見たことがありますが、
検疫
所というのは、いざ鎌倉のときにはこれは非常に働かなければならぬが、平時は実に閑古鳥の鳴くようなさびれ方なんですね。従って、人的体制が一体そろっておるかどうかということです。今後
台湾
、
フィリピン
その他から入ってくる船の一々全部についての
検便
もやるし、
検疫
体制を強化していくということになりますと、相当な予算的な
措置
も要るだろうし、それから人的な整備もやらなければならぬと思うのですが、そういう予算上の問題は一体どうなっていますか。
尾村偉久
33
○尾村
説明員
現在十六カ所の大きな港に本所がございまして、この各本所に所属する中小港、これに支所ないしは出張所を持っておりまして、これを合わせまして三十六年末までで五十五カ所、本年度十月一日にまた小さい港に六カ所開設いたしますので、六十一カ所になるわけでございます。これの総人員は、今までの五十五カ所に対しまして七百五十九名、これが正規の定員でございます。これがそれぞれ、大きいところは
門司
のように総職員五十名とか六十名とか、空港のように六十数名とかいうような大きいところがございます。最小の出張所は、ほぼ年に十隻とか多いところで三、四十隻、月に一、二隻、こういうようなところは三名というようなことになっております。これで業務をやっておるわけでございます。ふだん仕事がないといいますが、今約年間二万隻、飛行場では四飛行場でございますが、ここには年間非常に多い人数、これは乗客が主でございますが、約三十万人の来港客を
検疫
する、こういうふうにやっております。しかも毎日三直制でございまして、原則としては日没後、深夜にはやらなくてもいいように法的にはなっておりますけれども、最近はできるだけおそくまで
検疫
をする、また未明にできるだけ早くやって不便をかけぬということをやっておりますので、これは相当忙しいのであります。しかし、平常の
検疫
体制は
全員
検便
するわけでございませんで、今までの
門司
のように、航海中に
検疫
伝染病のおそれある証拠をいろいろ尋ね出した場合にはやる。普通は臨床健康診査だけによる
検疫
でやっておりますので、これだけの数を適切には現在のところこなしておりまして、深夜も必ずやってくれという若干の希望が普遍的に出たことはございますが、
検疫
所の人員不足のために来方がおそくて、あるいは非常に工合が悪くて、このために船の
入港
業務に支障を受けたというようなことは今までは聞いておりません。従いまして平素の場合には、一応現在のところ曲がりなくやっておる、こう存じております。ただ、こういうふうにいよいよ非常事態になりまして、ある港に集中したという場合には、今回も博多
検疫
所とそれから徳山下松の
検疫
所から、一番のエキスパートである部門の応援者を出してやっておりまして、大体従来も、そういうふうにあるところに集中いたしますと、そこに全国の
検疫
所員を、適当に応援体制をしきましてこなしていく。専門家でありませんと、急にしろうとのいろいろな
関係者
を呼びましても、ああいうふうに船に乗ったり、あるいはまた係留所に
カン詰
になってやるというような作業が多いものでございますから、
お互い
の間を融通する、これが一番能率が上がるものですから、さような形で大体曲がりなくやっておるわけでございますが、しかし、一斉に次々と今回の
門司
のようなものが神戸に起き、横浜に起きると、よそへ出すどころでなくて、みなもらいたくなるという形になりますと非常に困るわけでございますが、この点も、実は
フィリピン
以来演習計画を立てておりまして、いよいよその港に入った場合、他の港に入らぬ場合には、その港に集中するという配置計画を立てております。大体月に一ぺん演習をやっておりますが、いよいよ他の
検疫
所から融通できないという場合には、もよりの大学なり、あるいは背後にあります県並びに市の病院と一定の協定を結んで応援をしてもらう、こういうようなことを、大部分の大きい
検疫
所は大体昨年以来やっております。しかし、それでも足らないというときには、これはもう実質的に相当に補充をいたしまして、暫定的には予備金その他で賃金予算というようなものを取りまして、ちょうどポリオのときに、この雇い上げ者を臨時に送ってやるという形を幾つか活用したように、これはまたそのときに臨時体制はして、十分手が行き届くように、これは本省としてはかってやらなきゃいかぬ、こう思っております。現在のところは、大体今の
状況
では、本年中に急速に何らかの定員を急増加いたしましてやらないと、この体制に応じられないというふうには考えておりません。
滝井義高
34
○
滝井委員
これで終わりますが、
台湾
で起こって、
日本
の内地まで船を来さして、そしてあわてて四人も
上陸
さしてしまうということは非常に醜態なんです。私はその前に、もし起こった場合のことを考えて、二つのことを言って私の質問を終わりたいと思います。 一つは、現在
日本
の医薬品の中で、リンゲルが非常に不足しております。私などは、寡聞にして医者になってから二十年ばかりになるけれども、
コレラ
を見たことがないのです。しかし、われわれが昔、成書で習ったのではリンゲルが必要です。ところが今はリンゲルがない。非常に少ないです。従って、まず
ワクチン
の問題もあるが、リンゲルをやはり相当整える必要があると思うのです。 それからいま一つは、最近の
コレラ
に対する
治療
法、さいぜんちょっと電話してみましたら、これを医務
局長
の方では今討議中だそうですか、これはやはり全国の医者に知らせる必要があると思うのです。
日本
には
コレラ
が、終戦の後、引揚者その他であって以来ないですから、その後の
コレラ
に対する最も斬新な
治療
方法というのは、一体どういう方法でやったら一番いいのかということを、ころばぬ先のつえで指導しておく必要があると思うのです。こういう点は、もちろん尾村さんや五十嵐さんの所管ではございませんけれども、これはやはり十分医務局と御
連絡
をとって、今のうちに周知徹底をさしておく必要があると思う。これも知っておって損はないことなんです。はやらなければなおけっこう、
日本
の
国内
に
コレラ
が
蔓延
しなければけっこうなことなんです。従って、そういう点も一つぜひ配慮をしていただきたいと思うのです。 それから、こうなってきますと、予算は今までの
公衆衛生局
なり
環境衛生局
の予算では、私は足らないのじゃないかと思うのですが、そういう場合は、一つ自由に予備費を出してもらう体制はあるのでしょうね。
尾村偉久
35
○尾村
説明員
第一点のリンゲルの問題と、それから第二点の
治療
法につきましては、
関係
局にもよくお願いいたしまして、
コレラ対策
の上からも、ぜひ協力を願うことにいたしたいと思います。 それから予算の点は、実例を申し上げますと、実は昨年の
フィリピン
のものも九月から起こりまして、従って、昨年の既定予算ではとてもまかない切れませんので、予備費をお願いいたしまして、港湾の衛生
対策
費その他といたしまして、実はそれらの清掃その他いろいろな資材の確保、そういうような予算は、当初予算の数倍に当たる金額を、昨年二度にわたって予備費をちょうだいいたしまして、これを
フィリピン
対策
として各
検疫
所に回し、実施をいたしました。従いまして、本年はその実績も入れまして、本年の当初予算である程度見込んできまっておりますけれども、さらにこの
台湾
問題がもう少し逼迫して必要ならば、去年の実績から見まして、この予備費は支出してもらえるものと、こう存じております。
齋藤邦吉
36
○齋藤(邦)
委員長代理
河野正君。簡単に願います。
河野正
37
○河野(正)
委員
今まで、いろいろ長い時間論議がございましたが、そういう論議と重複しない、しかも重要な点で若干触れてみたいと考えます。 その第一は、今までの論議を聞いておりますと、大体
コレラ
が
発生
をして、その後の
対策
なり、あるいはその後の責任のとり方なり、そういう点について主として触れられたと思う。そのこともきわめて重要です。しかし、最も重要視しなければならぬ問題は、ことしの初春におきましても、実は数百万のインフルエンザの罹
患者
が出て参りました。昨年、一昨年は、御承知のように莫大な小児麻痺
患者
が
発生
をいたして参りました。このように毎年毎年
日本
においては伝染病が
発生
し、非常に大きな打撃を人命の上にも、あるいは経済的な面におきましても与えて参ったことは、もう御案内の通りでございます。ところが、それらの出て参りましたいろいろな現象を見て参りましても、実際に私どもが強く注目しなければならぬ点は、すべてそういう面に対する
対策
というものが、後手の
対策
をとられて参った。たとえば、小児麻痺においてもさようでございます。インフルエンザにおいてもさようでございます。インフルエンザのごときも、わずか数億円の
予防注射
に対する予算を節減したそのために、六百万か八百万の罹
患者
を出さなければならぬという事態が生まれて参りました。今度の場合も、よく検討して参りますと、半前における抜本
対策
というものが欠除しておったのじゃなかろうか、そういうことを私どもはしみじみと感じております。と申し上げますのは、もうすでにいろいろとお話がございましたように、
台湾
では北から南の端まで各地で、
沿岸地帯
のみならず、山間地帯においても
コレラ患者
というものが
発生
している、こういう事情であったことは、もう既定の事実でございます。そういう事情のもとに置かれながら、実は
先ほど
御
報告
がございましたように、
御影丸
がいよいよ関門海峡に来なければわからなかった。関門海峡に来て、初めてそのための
処置
というものが行なわれた。もちろん、その中でたまたま一名の
下痢
患者
が
発生
したということを聞き込んだので、万全の
処置
ができたという御
報告
がございました。しかし、
台湾
は北から南の端まで侵淫地帯でございますから、従って、明前においてそういう画における
対策
というものが万全を期せられておったならば、この
御影丸
が関門海峡に
入港
しない前に、そういう
処置
が行なわれておったのではなかろうか。そういうことを考えて参りますと、今度の
コレラ
発生
もそうでございますけれども、流感あるいは小児麻痺、そういう各伝染病あるいは疫病に対しまする根本
対策
というものが明確に樹立されておらぬ。今日、私どもが国をあげて心配をしなければならぬ、憂慮しなければならぬ事態というものが、そういうところに端を発しておるのじゃなかろうか、そういうことを考えて参ります。そういたしますると、なるほど
コレラ
の場合には五日間の期日設定等の問題がございます。そういう点、現在の
法規
の中ではいろいろ問題等もございます。そういう点から、もしそういう点に対します
対策
というものがやりにくければ、この際、やりやすいように
伝染病予防法
の改正等もございましょう。いずれにしても、そういう伝染病なり疫病というものを
国内
において発位せしめないということが私どもの一番大きな願いでございますから、そのために、国がこの際、大きく根本的
対策
に取り組むという方針が示されなければならぬ。そういう根本
対策
が示されない限りは、
コレラ
の次はまた何か別の疫病というものが
発生
するおそれがある。こういうイタチごっこみたいなことが繰り返されますから、この際、伝染病あるいは疫病に対します法改正その他ございましょうけれども、根本
対策
というものを立てるべきじゃなかろうか、そういうことを考えるわけでございますが、一つこういう点を明確にお示しいただきたい。
尾村偉久
38
○尾村
説明員
御
指摘
の通り、現在やっております中で、伝染病に
関係
いたしますものにつきましては
予防接種
法、
伝染病予防法
、これが
中心
になりまして法的にはこれを活用してやっておりますが、
伝染病予防法
はもう何十年という古い法律でございます。適時改正はいたして参っておりますが、根本の骨組みというものは昔の形になっておりますので、従いまして、現在伝染病予防調査に関する
会議
を持っておりまして、これは相当な、りっぱな専門家の
会議
でございますが、これにも
伝染病予防法
の基本的な改正を含めまして、伝染病予防の根本
対策
を、別な伝染病である結核予防法に基づく結核予防
対策
の基本
対策
を作ったごとく実はお願いしておるわけであります。ただこれは人間の権利義務を拘束するような部分が非常に多い法律でございまして、これの改正というものはなかなか慎重を要するわけで、もうだいぶになって検討が続いておるわけでございます。従いまして、それの方で根本的な
対策
は一そう確立する、こういうふうに期しておるわけであります。しかし、とりあえずは現行の法律の中でもできます
予防接種
、これをもっと公的な性格を入れまして十分に事前に大量にやっておくということは、これは必ずしも法律を改正せぬでもできる部面が多いものでありますから、これを
中心
に、ことしの秋並びに来年につきまして、大体今あります種類の定期
予防接種
等を強力にやるような方策を今実は考えて研究を進めておるわけでございます。さような形で御了承をお願いいたします。
河野正
39
○河野(正)
委員
なるほど現行法でも、今御
指摘
の
予防接種
法の中で
対策
を考えていくというようなことも、それはできるでございましょう。しかし、今度の場合で問題になっておりますように、
予防接種
しておったので
症状
がよくなったということであって、
保菌者
というものはたとい
予防接種
をいたしておりましてもやはり入ってくる、こういう
可能性
がございます。そこで私は、そういう現存のいろいろな法律ということもございましょう、しかし、なるほど
局長
がおそれられますように人権の問題等もございますけれども、やはり人権を尊重して参りましても、尊重することはけっこうでございますけれども、そのために国民がきわめて憂慮すべき
状態
に置かれるということも私はきわめて重大な問題だと思う。そこで、調査会において鋭意御検討中ということでございますけれども、私はやはり、今御
指摘
申し上げますように抜本的
対策
を立てなければ、現行法だけでは万全を期していくことは不可能であろうというふうな考え方に立っておりますし、幸いにして調査会でも鋭意検討中でございますならば、これはできるだけ早く促進していただいて、そうして抜本的な改正を行ない、
対策
の万全を期していくという方向で一つ善処願いたい。 そこで、時間がございませんから、次にもう一点申し上げます。それは、今度の
状態
を私どももいろいろと憂慮して参りました。その中で、新聞等で報道されますことに対しましても関心を持って参りました。ところが、どうも厚生省のやって参りましたいろいろな
処置
の中で、国民がやや不安を持つというような現象が一つございます。それはどういうことかと申しますと、たとえば凝集反応によって最初は疑似
コレラ
であろう。しかし、どうも新聞等の記事から私どもが理解いたしますると、血清に若干問題があるかもわからぬ。そこで凝集反応では陽性であったけれども、しかし血清に若干問題がある。そこで、もう少しこれは確認するために時間を置きたい、こういう報道が出て参りました。そこで私どもも、当局が示されます結果につきましては信頼を持ちますけれども、どうも過程においては国民が疑惑を持つような報道がなされておる。そのために、やや国民が、この問題について当局のいろいろな
措置
、方針に対して不安を持ったのではなかろうか。実は私自身も持ちましたので、こういうことでなくて、やはり凝集反応をやって諸
検査
をやって、それで結果が出てきたならば、それについて厚生省は、確固たる自信を持って国民にお示しになる、これは当然必要だと思います。こういう点についてやや欠くる点があったのではなかろうか、こういうふうに思いますが、この点いかがですか。
尾村偉久
40
○尾村
説明員
御
指摘
のように、
国際
的にも
コレラ
決定の順序というものはきまっておりまして、一番初めの四十八時間日のところでは定量凝集反応、これの使用する血清でございます。報道に現われましたような形で皆さんに不信感を抱かせたことは、まことに申しわけないことでございます。ただ実質は、
フィリピン
の
コレラ対策
で、本年の当初に一斉にこれに合う必要なものを
検疫
所が全部備えたわけでございます。今回、むろんまだ有効
期間
でございまして十分いいのでありますが、ただ何せ
日本
に
初発
で入ってきたという形でございますので、ごく最近製造したものをこの四十八時間以内にもう一ぺん重ねてやる、こういうことをやりまして、それをありのまま発表したために、前のが全然工合が悪くて今度ので初めてという、たしか誤解を受けたのではないかと思いまして、今後こういうことのないように気をつけることにいたします。決してこの前に配給したものが悪いものではないのでございます。万々一ということで、ごく最近の、一番最新のものを空輸してもう一ぺんやったというものであります。こういう形でございます。
河野正
41
○河野(正)
委員
実は申し上げたいことがたくさんございまして、やらせていただければ数時間でもけっこうでございますけれども、
委員
長に御協力申し上げる意味で
あと
一問でやめておきます。 それは行政指導の問題であります。これは主として五十嵐
局長
の方に
関係
がございますが、
先ほど
御
説明
を聞いておりますと、バナナ、そういう食品に対します廃棄については、薬品
消毒
あるいは重油等をぶっかけて焼却をやるというような御
報告
でございました。ところが、けさ方の新聞を見ておりますと、実は名古屋では焼却をするのだけれども、実際は焼却せずに市の汚物
処理
場に埋没をするということであったので、
地域
住民が非常に憤慨されたというようなことが報道されております。そういたしますと、なるほど国会では適当に薬品
消毒
をするとか、あるいは重油をぶっかけて焼却するというようなけっこうな
報告
がございますけれども、実際の
現地
では必ずしもそういうふうにいっていない。そこで、もし私どもが、厚生省が国会で明らかにされましたようなことを信頼しておりましても、実際の現場ではそういうことが行なわれていないというこでは、どうも私ども、あなた方の行政指導についても疑惑を持たざるを得ない。そういうことについて、私ども幾らここでいろいろと国民の憂慮を申し上げて、そして万全を期していこうというようなことで意見を申し上げましても、どうも信頼することができないということで、そういうような行政の面で若干欠けている点があるのではなかろうか、私はそういう考え方を持っております。これは新聞に出ておるわけですから、あなたの方はそういう行政指導をされたでしょう。ところが、現場では必ずしもそういう行政指事をそのまま実行されたことはないということでございますから、この点は十分お考えいただかないと、実際
防疫
の万全を期することができるかできないか、非常に疑惑を抱かざるを得ない。そういうことでございますから、御存じであるかどうかわかりませんけれども、これは中央紙に載っておりますので、この事実を御
指摘
申し上げて御所見を聞きたいと同時に、一つあなたの善処をこの際お願いしておきたい、かように考えます。
五十嵐義明
42
○五十嵐
説明員
バナナの廃棄処分につきましては、時間を争う問題でございますので、電話で指示いたしますと同時に、文書によりまして
伝染病予防法
にきめられた明確な数字をあげて、その
消毒
方法その他を指示いたしたわけでございます。なお、神戸等、大量の処分にあたりましては、こちらから係官を派遣いたしまして立ち会わせて、また、県当局、市当局、
検疫
所の協力を得るという態勢をとりまして廃棄の完全を期したわけでございます。しかしながら、ただいま御
指摘
の名古屋につきましては、数量等の
関係
から私どもの係官が直接参っておりません。あるいはどういうような
措置
が行なわれましたのか事実を承知いたしておりませんので、私どもは私どものその指示に基づいてやったものと考えておりますが、なお事実を調べまして、万一少しでも危険なような問題が報道されておりますならば、重ねてその事後
措置
をやらせると同時に、今後ともそういうことのないように万全を期して参りたい、かように考えております。
齋藤邦吉
43
○齋藤(邦)
委員長代理
本日は、これにて散会いたします。 午後零時二分散会