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1962-04-24 第40回国会 衆議院 社会労働委員会 第32号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十七年四月二十四日(火曜日)    午前十時五十九分開議  出席委員    委員長代理 理事 藤本 捨助君    理事 小沢 辰男君 理事 齋藤 邦吉君    理事 小林  進君 理事 五島 虎雄君    理事 八木 一男君       安藤  覺君    伊藤宗一郎君       浦野 幸男君    加藤鐐五郎君       藏内 修治君    佐伯 宗義君       中山 マサ君    永山 忠則君       松山千惠子君    米田 吉盛君       淺沼 享子君    河野  正君       島本 虎三君    田邊  誠君       滝井 義高君    本島百合子君  出席国務大臣         厚 生 大 臣 灘尾 弘吉君         通商産業大臣  佐藤 榮作君  出席政府委員         警  視  監         (警察庁交通局         長)      富永 誠美君         厚生政務次官  森田重次郎君         厚 生 技 官         (環境衛生局         長)      五十嵐義明君         通商産業政務次         官       森   清君         通商産業事務官         (企業局長)  佐橋  滋君  委員外出席者         防衛庁書記官         (防衛庁経理局         施設課長)   鐘江 士郎君         総理府事務官         (経済企画庁調         整局水質保全課         長)      阿部 新七君         厚生事務官         (環境衛生局環         境衛生課長)  翁 久次郎君         農 林 技 官         (水産庁漁政部         漁業振興課長) 森沢 基吉君         通商産業事務官         (公益事業局次         長)      宮本  惇君         専  門  員 川井 章知君     ————————————— 四月十九日  労働基準法の一部を改正する法律案阿部竹松  君外九名提出参法第一二号)(予)  じん肺法の一部を改正する法律案阿部竹松君  外九名提出参法第一三号)(予) 同月二十一日  牛乳等無償給与法案藤原道子君外八名提出、  参法第一五号)(予) は本委員会に付託された。     ————————————— 本日の会議に付した案件  ばい煙排出規制等に関する法律案内閣提  出第一四二号)      ————◇—————
  2. 藤本捨助

    藤本委員長代理 これより会議を開きます。  ばい煙排出規制等に関する法律案を議題とし、審査を確めます。  質疑の申し出がありますので、これを許します。島本虎三君。
  3. 島本虎三

    島本委員 関係大臣がそろっておりませんので、大体において厚生省関係を主にして、その次には通産省関係通産大臣が見えてからその方面を質問したい、こういうように思っておる次第です。よろしく御答弁願いたいと思うのです。  四月十日に、このばい煙排出規制等に関する法律案が本会議提案理由説明があって、四月十一日に委員会に付託されて、きょうが最初審議の日に当たったわけでございます。従って、厚生省としても、今までの経過を十分考えまして、このばい煙排出規制等に関する法律案については、十分将来をおもんぱかって対処されていることだと思うのです。今大臣に私が聞きたいと思うのは、公の害、いわゆる公害という立場に立って、煤煙規制だけでこれはもうよいというものではないわけなんです。従って、この公害という言葉、これは辞書にもないほど新しい文字なんです。それで文明が発達していくに従ってこの公害というものの被害ははなはだしくなる  一方で、多かれ少なかれ住民はこれによって被害を受けることになっているわけです。しかし、法律が初めて出ましたが、今までは野放し状態なんです。野放し状態であったために、また地方自治体では今度は条例を設置したりして、あらゆる条件を緩和しても工業誘致という名前によって財源の確保、安定化をはかる傾向にあったわけです。しかし、それを誘致してやってみますと、煤煙その他公害によるところの被害が意外に多い、こういうような状態がわかって、国に先がけて必要な条例を作って、それぞれの立場から規制しておるのが現在の地方自治体実態になっているわけです。しかし、この三十七年度から、あらためて公害に対する取っ組み方が環境衛生局なんかにできたりして、予算も組まれて、厚生省として初めて態度を明確にしたことになったわけです。これは一歩前進であって、いいことだと思っておる。しかしながら、この対策ということは、やはり将来を考えて、これを足がかりにしてこれを伸ばしていかないと、これだけでは何にもならないものになってしまうおそれがあるのじゃないかと思う。本案の提出とあわせて、まず厚生省責任者として大臣に、私としては将来の決意最初に伺いたい、こういうふうに思っておるわけでございますが、一つ次官からでも、大臣の意をかりて明確な御答弁を願いたいと思います。
  4. 森田重次郎

    森田政府委員 公害問題が最近非常に大きい社会問題として取り上げられて参りましたことは、お説の通りでございます。従いまして、厚生省といたしましては、公害の内容となっている騒音振動大気汚染等、それぞれ問題として取り上げまして、どういう方法によってこれを防止することがいいかということについては、それぞれ事実問題等につきましても漸次検討を進めているわけでありますが、今回は特にその中から今の煙害等を取り上げまして、提案いたしたわけであります。その他の問題につきましても、事実上の検討が十分徹底し、かつこれをどういう形で防止すべきかという成案を得次第、国会に提案いたしまして、皆様方に御審議をお願いいたしたいと考え、目下検討を継続いたしておるような次第でございます。
  5. 島本虎三

    島本委員 それでは、多分これは次官は覚えておられるのじゃないかと思いますが、昭和三十年ごろだったと思います。生活環境汚染防止基本法名前が少し違うかもしれませんが、厚生省でこの制定の動きもあった、こういうように聞いておったのですが、いつの間にかこういうような構想が立ち消えになっておる。しかしながら、今回この煙の規制に関する法律が曲がりなりにも出てきた。これはやはり前進だと思っておる。しかしながら、これはあくまで煤煙排出規制だけです。生活環境汚染防止基本に関するものは、これにまだないわけです。今次官が言ったように、公の害というようなものの中にはたくさんあるわけです。これは一つ文明の所産として、当然これに対する対策を講じなければならないことは明確なんです。大ざっぱに分けてみましても、大体この中には八つほどあるわけです。今御答弁になったのはそのうちの若干なんです。騒音、これはだんだんひどくなってきます。ことにロッキードF104J、こういうものが八月に持ってこられる場合には——全天候機でございます。音によって今までの消音施設はこれは全部むだになるほど、これは大きい音が出るのです。こうなりますと、病院関係学校関係、公共の集会関係は、それによってもう一回構想を新たにしなければならぬ騒音問題になる。同時に、振動問題もあるわけです。粉塵の問題があるわけです。排気ガスを含めた、ガス類に対するいろいろな問題があります。東京なんかでは、この問題に対してどうにもならなくなっているのは御存じの通りです。それから、場所によっては悪臭問題があることを忘れてはならない。悪臭工場を誘致し、または工業を伸展させるためにはやむを得ないというので、こういうものをほったらかしておいてはいけない。そのほかに河川汚濁水質汚濁問題もある。これは産業の面からも、いろいろと民生の安定の上にも大きい問題をかかえている。そのほかに放射能の問題なんかも当然あるのです。こういうような問題もいろいろその公害の範疇に入るわけですけれども、そのほかに今度は災害です。去年の夏に発生した災害問題とからんで、地盤沈下問題が、大阪を中心に、新潟等を含めて大きい問題になっている。これは一種の公害です。こういうようなことに対しても、今後は厚生省としては十分の決意を持って当たらなければならないはずなんです。ことにもう少し大きい、国際的な一つの例をあげますと、原水爆の実験によるところの放射性物質の降下、こういうものは世界的規模一つ公害なんですね。こういうようなものに対しても、やはり十分その対策を練っておく必要が当然あるわけです。こういうものを含めてやらないといけない。現在環境衛生局のちっぽけな何千万円かの予算ぐらいでは、こういうものは、とうてい調査のつめのあかほどもできないんじゃないかと思う。厚生行政の今後の一つの命題として、こういうような公害問題解決というものが大きいんじゃないかと思うのです。これに対して逐次対策が必要であるし、同時に、これは具体的にもう必要なものはたくさんあるわけです。こういうようなものに対しては、将来の問題だとしてまだ調査研究の課題だとすると、これはとんでもないおそ過ぎるのではないか。今申しましたような点についても、これはすぐでも立法化しなければならないと思いますが、これはいかがですか。
  6. 森田重次郎

    森田政府委員 ただいまの御意見に沿うよう、政府としてはそれぞれ準備検討を続けているわけでありますが、特にこの水質検査等につきましては、これは早くやらなければならないと考えまして、関係庁とも連絡をとって、相当進んでいるような実情でございます。なお、地盤沈下問題等につきましても、これは別な方法でそれぞれ立法化する過程にもあり、かつ具体的な問題として提起されていることについては、予算措置なども相当できていくことになっているはずであります。いずれにいたしましても、これらの公害問題は非常に大きい問題でありますから、厚生省としては、できるだけ早く成案を得たいと思って、研究準備を進めておるような次第でございます。そうおそくない間に、御期待に沿うような結果が出るであろうと考えております。
  7. 島本虎三

    島本委員 現在八つあげましたこの対策等についても、おそくない限りにおいて成案を得、立法化する、こういう意味のようでございますが、これはほんとうに大事なことですので、一つその意味において私は必ずそれに沿うように会議録にとどめておきますから、その点等については今後努力を願いたい、ことに要請しておきます。厚生省は、総合的に国民の衛生的な立場からの監視と指導から、もうすでに特に重要視し、関係立法を促進しなければならないという立場で、今後重要な段階ですので、この点よろしく、これは激励しておきたいと思いますから、一つ忘れないように在任中にこの対策を立てておいてもらいたい、こういうように思います。  次に移ります。今度は通産省関係の方に入りたいのですが、まだ大臣も来ておらないようでございますから、これは少しあと回しにさしてもらいたいと思います。  さっきから申しましたように、この公害という問題については、一つだけ完全にしてそれでいいというものではないわけです。ことに現時点でぜひ煤煙規定とあわせて行なわなければならない問題に、今答弁されましたような騒音問題と水の問題、いわゆる水質汚濁解決問題騒音防止に対する規制問題、それから補償問題等があるわけです。こういうようなのも一緒にして、その被害状態を排除するように考えていかなければならないわけです。それが煤煙だけに限って完全にやっても、公害に対するほんの一部分の解決にしかなりませんので、こういう点も十分考えて、今後は——私は、ばい煙排出規制等に関する法律案に入る前に、この関係あると思われる水の問題と音の問題について、今次官が、この問題についてはだいぶ進めておるという話でございますので、水質汚濁問題について若干だけ基本的な態度を伺ってから中へ進みたいと思いますから、その点よろしく願いたいと思います。  では、進んでいると申しましたけれども、日本のように人口が都市に集中してきて、下水道の不備や、産業発展等河川汚濁がほしいままにされているような、こういう状態では、ほんとう水質汚濁問題を法によって取り締まるほかに、今度は個々の自治体もあわせて協力してもらって規制するのでなければ、これはどうにもできない。今御答弁がありましたように、法律としては、水質保全二法が昭和三十三年に成立しているのは御承知通りです。これは確かにいいはずでございましたが、では三十三年にこの二法が成立して以後、現在までの間にどのような改正を施し、どのような様子であるのか、これと、第一次産業と第二次産業との間の調節がこの法律によって可能であったのか、ないのか、この二点について御答弁を願いたいと思います。
  8. 五十嵐義明

    五十嵐政府委員 ただいまの御質問の水質汚濁問題でございますが、これは私ども、国民保健衛生問題から重大な関心を持っておるわけでございます。この所管経済企画庁所管になっておりますので、そちらの方から御答弁を申し上げるのが筋かと考えまして、差し控えたいと思います。
  9. 島本虎三

    島本委員 ちゃんと委員部の方へ、来てもらうように言っておるのです。これは企画庁長官でなくても、実力者ではっきり答弁できる人がこっちへ来てくれと言っておるのです。だからこれを聞いているのです。そういうような場合にはほんとうに困るのです。委員長、これはどうなんですか。企画庁長官とは言いませんが、実力者として答弁できる人に来いと言っておるのです。もうできないですか。——じゃ、あとから来たならばゆっくりこれを聞きますが、漁業関係の方が来ておられるならそっちの方へ入ります。  この昭和三十三年に、いわゆる公害解決する一端として、まず水の規制問題が、水質保全二法、これによって端緒を開いたわけですから、この問題は歴史的に私は一時期を画するような期待を持っていた。ところが、その実施後の状態は何をしているのか、すべて調査ばかりに明け暮れて、まだこれに対して何ら手は打たれておらぬかのように思われる。ようやくこの問題に対しては、残念ながら、重要河川指定を含めたところの、水質基準設定第一号江戸川がようやくきまったばかりで、そのほかは、今まで四年間、何ら手を施されていないような状態であります。しかし、これをそのままにしておきますと、第一次産業と第二次産業調節ができない以上、水産庁の方でも、農林省の方でも、こういう問題で直接漁民の方に影響があるということは、私が言わなくてもはっきりしている。これは指定水域水質基準、これがきまってからようやく活動に入らなければならない性質の法律なんです。だから、これは十年も立ってからようやくきまるようなことになって、これではたして公害対策になるのかどうかということは大きい問題です。法体系上の問題です。それよりもこの煤煙の方は、少しは進歩した体系だと思う。今は具体的な問題に入って聞かなければならないわけで、ことに水産庁農林者関係の方だけに限ってお伺いしますが、三十三年にこの法ができて、現在調査中であって、なおかつ、その間に発生した水質汚濁のもたらす被害についての補償問題トラブル等については、これはその間何もございませんのですか、こういうような問題解決は適宜はかっておられますか、この問題の成果はどういうふうになっておりますか、御答弁を願いたいと思います。
  10. 森沢基吉

    森沢説明員 お答えいたします。  今御指摘のように、例の水質二法が出まして、その水質二法によりまして調査基本計画というものを経済企画庁中心に立てまして、逐次水域水質調査、さらに基準設定ということに持っていく段取りで、昭和三十四年度から調査が開始されています。現在調査ばかりしておるではないかという御指摘がございましたが、水質基準を初めて設定します場合には、いろいろ各産業間で問題もございましたので、各省からも意見がたくさん出まして、経済企画庁としても水質委員会中心に慎重に討議せられまして、やっと最近江戸川水質基準水町審議会から答申されまして、日の目を見ることになりました。これが水質基準第一号でございます。水産庁としましては、御指摘のように、漁業関係工場排水等による被害が全国的に発生をしておりますので、このスピードでは非常に困る、もっと早く全国的に調査をして、早く水質基準設定していただきたいということを、あらゆる機会に経済企画庁の方へは強く申し入れております。これは予算措置を伴う関係もございますので、ともどもに努力いたしたいと考えております。  それから、現在、工場排水等による水質被害は、大小いろいろございますけれども、全国的に発生しております。第一次的には例の和解仲介制度という制度がございますので、地方庁を中心和解仲介制度を発動していく、さらに都道府県の農林部課水産主務官が中に入りまして、いろいろ被害補償算定等についての仕事のあっせんをするという形でやっております。しかし、これは水質基準というものがはっきり設定されませんと、浄化施設の設置を要望するにしましても、またいろいろ被害対策を立てるにしましても非常に不十分でございますので、極力促進するよう強く申し入れております。
  11. 島本虎三

    島本委員 極力推進するようにということは、ほんとうにその通り。強く申し入れる、まさにその通り昭和三十三年にできているのです。もう四年たっている。四年たっていて、調査して、まだ江戸川一川だけしかきまっていない。調査に入ってまだ結論が出ない川がずいぶんあるのじゃないかと思っております。結論の出ないうちに、具体的な問題で、あなたの方の仕事関係ある問題では、三月の二十八日に地元で大きい問題になりましたが、背から水が清いので有名であった北海道の石狩川、この石狩川ではもうすでにサケマスもとれません。もうほとんどとれなくなってしまった。とれなくなってしまっただけじゃない。しかしながら、この水質汚濁問題でなく、水が幾らきたなくなっても、汚濁には一番強いのがヤツメウナギ、これだったらまさに鈍感というのか、どんなきたないところでも住めるという魚で、このヤツメウナギにたよって漁師生活をしておる。このヤツメウナギも、三月二十八日以降全然とれなくなってしまっている。そしてこの鈍感なヤツメウナギがとれないわけはないというので、いろいろ漁師自身が調べた結果、水底の方にはコールタールのような粘膜を張った液体が一面に上から流れてきて、これだったらまさに生きたものが住めるような環境は全然醸成されていないということが、漁師自体の手によってわかっている。現在は、漁師対策本部石狩川のそばに作って、協同組合中心になって、この対策のアドバルーンを上げているのです。かごを入れると、ウナギかごには全部コールタールが入ってくる。昭和三十三年に二法ができて、現在そのままになっていて、そのためにウナギ一匹とれないような状態にしておいて、その調査を何年も進めてよくなるのだということは、おそらくは国民に対して不信の感を与えるのじゃないかと思うのです。調査はけっこうですが、こういうような事態に対しては、当然補償が必要でしょう。急ぐ必要も当然あるでしょう。おそらくこれに対してはっきりした対策もあることだと思うのですが、これはいかがなものでしょうか。
  12. 森沢基吉

    森沢説明員 今御指摘石狩川は、実は昭和三十四年度当初、一番最初調査地域に取り上げられた水域でございます。これは石狩川上流でございます。この地区で問題になっておりますのは、上流にございますパルプ工場排水と旭川市の都市排水、こういう二つの原因で非常に石狩川の水が有機的に汚染されているということが、研究の結果出されております。それで水産庁はもちろんでございますが、企画庁としても、石狩川水質基準設定というのは非常に急いでおったわけでございますが、いろいろ農業側からも異論が出たようないきさつがございまして、現地で水質基準設定部会なども開かれましたが、まだ最終的に基準設定段階に至っておりませんことは御指摘通りでございます。石狩川水産庁の行なっている国立のサケマス孵化事業にも非常に重大な影響のあるところでございますので、これも先ほど申し上げたと同様でございますが、すみやかに基準設定すべきであるということを再三申し入れておりますが、最終的にまだ各省の話し合いはつかないという実態でとどまっております。しかし、これは江戸川の第一号が出ましたし、江戸川と同じペースで始まった水域でございますので、近く設定を見るであろうというふうに考えております。
  13. 島本虎三

    島本委員 そこなんです。近く決定を見なければどうなるのです。答弁ではその通りでいいのです。その場合には、やはり答弁した責任者として、あなたはあくまでも水産庁を代表してくれますか。近くというのは近くでしょうな。
  14. 森沢基吉

    森沢説明員 実は予定としましては、これは三十六年度内に基準設定に持ち込みたいというのが、経済企画庁の考え方であったのであります。それが一応ずれておるわけでございますので、私は早晩に設定されるのじゃないか、そういうふうに考えておりますので、御答弁申し上げます。
  15. 島本虎三

    島本委員 そういうふうに逃げる答弁は必要ないです。私も、早くやって漁民を安定させてやってくれというので言っているわけです。早晩に解決されるというのなら三十何年ですか。
  16. 森沢基吉

    森沢説明員 予定としては六年度、こういう予定になっております。
  17. 島本虎三

    島本委員 そうすると、ことし中に決定するということですか。
  18. 森沢基吉

    森沢説明員 はい。
  19. 島本虎三

    島本委員 そうだったならなおけっこうですから、ぜひ決定させるように。こういうような問題は、単に国内の漁師問題のみにとどまっていないことは、あなた御承知通りなんです。当然孵化しなければならないものが孵化しない。こういうような施設があっても皆無にひとしい。国際間では、こういうようなものが現在のサケマス自主規制問題にまでからんで、日本不信を買うような一つのデータの積み上げになっている。こういうようなことを考えたら、早くこういうような問題解決することが必要だと思う。それと同時に、今後のこの水質基準決定について、これは当然水産庁の方でも考えなければなりませんが、関係当局がまだ来ていないから、ここではっきり申し上げることはどうかと思うのですが、工場の新増設なんかによるところの汚濁物質付加状態変化があるのです。それから流水の利用状態変化があるのです。河川統制によるところの流量の変化がある。設定でなくて、変化問題があることによってこれが長引いているのですから、こういうような問題を総合的にやって、おそらく、また変化したからといってもう一回やり直し、こういうような変化があるからといってもう一回やり直し、これだけ日の目を見ないで三年も四年もほったらかしてあるわけです。こういうような問題を考えて、水産庁もこれを督励鞭撻しなければならないし、これを黙ってやっておったら、まだ本年中できないおそれのあることを遺憾に思う。こういうような問題についても、有名無実にならないように十分考えておりましょうね。
  20. 森沢基吉

    森沢説明員 はい。
  21. 島本虎三

    島本委員 あなたは十分考えておられるとすると、次に防衛庁に伺いましょう。  先ほど申し上げましたように、公害一つ重要部門として、水とあわせて音の問題、あくまでもこれは騒音ですが、騒音問題については、各自治体の方が必要に迫られて、この問題を先に、それぞれの条例によって規制しているのが現況です。拡声機やラジオや楽器、こういうようなものを当初対象に考えたけれども、現在では警笛制限強化や、モーター・バイク等車検除外の小型車までも及ぼすような、いわゆる交通騒音問題まで中に入れて考えている。それから事前の届出、指導強化並びに適正工法勧告等を含むところの建設騒音問題も考えてやっている。この辺までは自治体が今までやっておったところで、これによってそれぞれ規制をしているということは、私としてはいいと思っておるのですが、問題は、航空機の騒音では政府の協力が必要で、政府自体がこれに当たらなければ、自治体は何ともできないような状態になって、そうして学校や病院、この周辺は特にきびしく取り締まる必要性がもうすでに痛感されておることは、御存じの通りなんです。しかしながら、やはりこの騒音に対する規制というようなものを国の方でも明確に考えて、騒音の一般基準はこうなんだということも明確に各都市に与えておかなければ、この問題はまた大きい問題になるんじゃないかと思うのです。騒音の一般基準並びに規制に対してどう考えておるのか、これを伺いたいと思います。
  22. 鐘江士郎

    鐘江説明員 ただいま御質問のありました騒音被害につきましては、全国各地で相当ジェット機が飛来しております。そのために、公共施設あるいはいろいろな施設に相当の御迷惑をかけておりますということでございまして、防衛庁といたしましては、昭和三十二年度から、学校防音につきまして補助金を交付して、防音装置を講じておるわけでございますが、その基準といたしましては、一授業時間十回以上で七十フォン以上の騒音を起こした場合、こういう場合には防音工事を施すという基準を設けております。
  23. 島本虎三

    島本委員 七十フォン以上ですか。
  24. 鐘江士郎

    鐘江説明員 一授業時間十回以上で、七十フォン以上ございます。それから五回以上の場合では八十フォン以上、これが基準となっております。
  25. 島本虎三

    島本委員 そういたしますと、航空機騒音の場合はそういうようなことでやっていけると思いますが、公害ということになりますと、これはいろいろと住宅地域、商工業地域、繁華街、こういうふうに、それぞれによってフォンの基準が違うのじゃないかと思うのです。これはあなたの方では航空機だけの立場でそういうふうにやっておられるので、自治省関係、警察関係の方からこの問題については的確にしないといけないはずなんですが、関係の人、見えておられるでしょうか。
  26. 藤本捨助

    藤本委員長代理 今要求します。ほかの問題で続けて下さい。
  27. 島本虎三

    島本委員 じゃ、ついでに防衛関係の方ですけれども、学校や病院や保育所、幼稚園、または公的な集会所、こういうようなところでは、今度八月にロッキードF104J、こういうようなものが配置されることになる、その指定された飛行場の付近の学校や病院その他の施設では、その騒音という見地から、今までの騒音防除に対する施設は全部だめになるんじゃないか。新たな見地から、学校騒音や病院やそのほかのいろいろな騒音関係施設が必要なんじゃないか、こういうようなことを考えられておるのですが、このロッキードF104J、こういうような飛行機を配置するそういうような先では、公共的な立場に立った完全な騒音防止対策が行き届いておりますか。
  28. 鐘江士郎

    鐘江説明員 近く展開いたしますF104のジェット機の騒音対策についての御質問でございますが、たとえて申しますと、北海道の千歳地区でも近く展開する予定でございます。従来航空機の騒音に対しまして、在来の木造の学校教育施設につきましては、単に窓を二重窓にするとか、いろいろの防音装置を施すのみでよかったわけでございますが、最近ジェット機の騒音がますます激しくなるということから、木造施設に防音工事を施すことでは十分でないという観点から、財政当局とも協議いたしまして、在来の木造の校舎を鉄筋化する、あるいは在来の鉄筋の校舎に防音工事を施すというような装置が必要であるということで、昭和三十七年度の予算におきましても、全国のジェット機の展開いたします基地については、木造の校舎を鉄筋化するという考え方で予算が計上されておるのでございます。  なお、ただいま御質問のございましたF104Jを配置します基地につきましては、特に消音装置、これは可搬式のものと固定式のものがございますが、消音装置を整備いたしまして、テスト中の騒音の軽減をはかるという装置も講じたいと思っております。
  29. 島本虎三

    島本委員 消音装置を整備して、テスト中の騒音の軽減をはかる、こういう考えのようですが、当然百フォンくらいのものは八十フォンくらいにしか下がらないのですね。百二十フォンのものは百フォンくらいにしか下がらないのです。そういたしますと、テスト中でも、これは現在あなたが言ったような騒音の一般基準をオーバーしてしまうのですね。この防音装置にたよるということだけでは全面的に意義がない。こういうようなときには、もっと人家のないようなところにこれを移すか、またその辺に病院や学校や幼稚園や、その他公共のいろいろな建物がある場合には、国の方が補償して移転をさして、人畜に被害のないような場所にこれを作らせる、こういうようなことが必要なんですね。今のような答弁だけでは、まだまだ、あなたが初めに言ったような一般基準以上になるおそれが十分あるわけです。特に飛び出してしまうと、消音装置がないため、その面で被害者はまことに多いわけです。そういうふうになった場合には、これは八月ですから、それまでの間には十分考えて対策を練るのでなければ、これはとんでもないようなことになるのじゃないかと思うのです。こういうような見通しは大丈夫ですか。
  30. 鐘江士郎

    鐘江説明員 ただいま御質問がございました周辺の民家等の騒音対策、これをどうするかということでございますが、実は現に愛知県の小牧の基地におきましては、民家に近いところにテストをする個所がございましたが、あまり騒音が激しいということで、民家の少ない位置にテスト場を移転した実例がございます。その他の基地につきましても、そういった事情を今後よく検討しまして、可能であるならばそういう移転の措置をとりたいということも考えております。  なお、ジェット機を展開する際に、民家が非常に物理的にうるさくて住めない、あるいは危険感を感ずるといったような場合でございまして、そういう皆様から移転したいという御希望があります際は移転の措置を講ずる、すなわち移転補償を払って、ほかのところへ移転していただくという措置を講じたいと思っております。
  31. 島本虎三

    島本委員 そういうような学校や病院や民家で特に被害の多いところは、全額国庫の支出によって移転をさしてやるんだ、そうしてそこにいてどうしても移転できないような、また比較的に音が軽微で、消音装置や防音装置をしたならばやっていけるような場所には、これも全額国の方でもって防音装置をしてやるのだ、こういうような意味にとれましたが、私が今具体的に言ったことでよろしゅうございますか。
  32. 鐘江士郎

    鐘江説明員 ただいま御質問がありました第一の学校教育施設につきましての防音工事の鉄筋化の国庫負担の率でございますが、これは、在来の木造の教育施設を文部省がかりに建てかえるという際には、三分の一が地元負担ということに相なっております。そういった観点から、防音の関係で在来の木造の校舎を鉄筋化するといった場合には、鉄筋の校舎の耐用年数を百年と見まして、その間における建てかえに要する地元負担の費用が要らないという関係から、その百年間における建てかえの時期に相当する地元負担分の金額を現在に還元する、そういった金額を地元に負担していただくという方式でございます。  なお、民家の移転につきましては、移転先に移転する際に、建物の移転に要する費用あるいは運搬費等、こういった経費を支払うという考え方でございます。
  33. 島本虎三

    島本委員 これではまだ意を尽くしません。今大臣も来られたので急ぎますが、たとえば学校を建てるといった場合に、鉄筋でやると三億くらいかかりますが、三分の一の地元負担だというと、一億は貧困な町村でも負担しなければならない、それをそのまま認めてやる、そのくらいでいいんだというような話では、これはもうわれわれは聞けない、そういうような場合には、皆さんの方で特に特別起債を設けて認めさせてやって、特別起債のうちの百分の九十くらいは国庫の方で補助してやる、こういうふうにするならば、話は聞けるかもしれない。今のようなやりっぱなしでは、これは全部自治体の方へしわ寄せがいきます。ことに病院の問題が入っておりますから。こういうような場合の病院は、ほったらかしておいていいのですか。病院の問題は十分考えないといかぬ。こういうような問題がありますけれども、大臣の方が急ぐそうですから、先にやってからあなたの方にまた戻りますから、それまでちょっと保留します。  通産大臣が忙しい中をここへ現われてくれましたことは、ばい煙排出規制等に関する法律案を早く通してもらいたいという意図で現われたものである、こういうように存じまして、私もそういうような意味で若干重点的に、基本的な考えについての質問をしたいと思います。  本案は、四月十日に本会議説明があって、十一日委員会に付託されて、本日初めて審議をすることになり、午後は商工委員会と連合審査ということになるわけです。私どもの方では、そういうふうな基本的な問題に関して、厚生省の方では昭和三十年に一度こういうようなものを出した経験があったかのようですが、しかし、今回初めてこういうようなものが出てきたということは、産業部門に一つの転機を与えるものであろう、こういうように思われるわけです。  それで、これから一、二につきまして大臣の御意見を伺いたいと思うのですが、これはあくまでも、日本は生産の増大に伴って、今後は公害というものは必然的に発生してくる可能性のあるものなのです。しかしながら、今までこういうようなことがあまり顧みられていなかったということで、これは産業構造そのものにも欠点があると思いますけれども、しかし、今回これが積極的に取り上げられてきたということについては、これはやはり一歩前進であろうと思う。ことにまだ中小企業の方へ参りますと、依然として、こういうような適用範囲外になる可能性の多いような企業体も相当多い。公害煤煙だけには限らない。水の問題も、今やっていた音の問題も、あらゆる面から国民生活に重大な関係のある、いわゆる公営という立場一つ一つ処理するのでなければならないし、それを集めると約八つほどになるわけです。こういうような立場から、中小企業施策ともあわせて、今後は企業そのものに公害施策を取り入れ、その解決をはかる、こういうような見方で指導していかなければならないのではないか、こういうように思うわけです。もう少し具体的に言いますと、公害そのものは産業発展に伴うゆがみであって、人間生活が高度化してくれば産業も発展するので、公害問題は好むと好まざるとにかかわらず起きてくるものだ。自由主義経済機構の中では、その対策がまだ十分経営の中では取り入れられていなかったけれども、しかし、それはまさに盲点であったのだ。今後はそういうような立場から、通産省でも第三次の間接経費として産業上の一つのやらなければならない義務というふうにして、この対策指導すべきではないか。私どもはそういうふうに思っておるのですが、これに対して大臣の高邁なる御所感を伺いたいと思います。
  34. 佐藤榮作

    ○佐藤国務大臣 産業が発展いたしまして、その場合に公害を、大なり小なり各地各様に実は発生しておる。その公害対策ということが最近特にやかましくなって参りました。これは一つには、技術あるいは科学の進歩というものは、そういう点についての対策を十分講じ得る、こういう見通しが立ったことも一つでございましょうが、同時にまた、経済活動の真の目的は国民生活の向上安定にあるのだ、福祉の増進にあるのだ、それがやはり工業生産にもなるし、経済活動にもなるのだ、そういうことを考えると、当然生ずる公害についての処置をすべきであるということに議論が発展して参っておるのでございます。ただいままでの科学的知識やあるいは技術上の問題で防止し得るものと、まだ十分そこまで対策を立て得ないものとございます。そういうものに対する対策をだれがやるのかという問題一つあるわけでございますが、御承知のように、炭鉱などの埋没鉱害については、その鉱害復旧についての特別措置なども講じて、そうして大体事業者負担という基本原則は立てておりますが、事業者自身においてできない場合、これはいろいろな例がありますが、そういう場合に国がこれに代理してやるという考え方もございます。ところで、ただいま御指摘になりますような公害については、まず事業者自身がそれについての対策を立てる、その負担のもとにおいてその跡埋めをしていく、こういう措置を国家がすべきだ、かように思います。要するに、話が進んで知識が進んで参れば、予防的措置ということも可能になるだろうと思いますが、やはりそういう方向に指導していかなければならぬと思います。ただいま御指摘通り、大企業ばかりでなく、中小企業の分野等におきましても、同様な考え方で行政指導をしていくということが必要だと考えております。
  35. 島本虎三

    島本委員 そういうような考え方を進めるために、私どもの方でも、煤煙規制だけではなしに、今後は水や音や、または特殊なにおい、それから炭鉱のいろいろなこういうような問題は、今おっしゃった通りだと思います。こういうようなものの発生施設に対して、煤煙と同じように今後は規制するけれども、するのと同時に、その設備等に対しては、煤煙の場合と同じように、むしろそれ以上に、今後は融資の面や補助の点や、こういうようなものをあわせて指導すべきじゃないか。今回は、煤煙問題だけは、法によって固定資産税の免除だとか、または長期の融資だとか、こういうようなものが低利でできたということは、これは一つの進歩である。今後それだけをやらないで、他の公害と思われるところの企業の施設に対しても、これを及ぼしていくべきではないかと思いますが、この点いかがでありますか。
  36. 佐藤榮作

    ○佐藤国務大臣 今回の煤煙に対するいろいろの政府の施策というものがとられますと、これが一つの例になるといいますか、先例になる、かように考えます。ただいま御指摘になりましたもののうち、あるいは地下水くみ上げによる地盤沈下対策、これなどはもうすでにこの国会で法案も提案し、その対策も立てております。その次は今のにおいの問題だとか、あるいは騒音問題だとか、また汚水一般の処理の問題だとか、いろいろあるわけでございます。ところで、なかなかまだ今の状況では対策としてつかみ得ないものがある。ただ産業自身を殺すわけに参らないという二つの目的をうまく結びつけて、そうして本来の経済の最高目的の達成に協力する、その措置をとって参りたい、かように考えますので、今回は、煤煙というものが比較的処理がしやすいし、またその必要も痛感されるというので、法律案を出しておりますが、今後他の面につきましてもさらに検討を進めて、それぞれの必要な処置を講じていきたい、こういう考え方でございます。
  37. 島本虎三

    島本委員 大臣、その答弁だったら、満足できないけれども、妥当ではないけれども適当なんです。なるほどその通り間違いない。ところが、はたして今言った言葉に対して妥当な答弁であるかというと、何だかしり切れトンボだ、しかし言った言葉そのものは、まことに適当な言葉だ。どうもそこをくみ分けて答弁されると、私どもの方が少し困るので、もう少し具体的にやってもらわないと、これは少しオクターブが合わない。そうすると、私流に考えて、今研究調査はしている、しかしながら、今言ったような地下水やその他現実にやっているものもあるけれども、しかし、においや騒音汚濁問題等は、まだ手をつけてないけれども、これはもう可及的すみやかに手をつけて、そういうような施設補助も考えます上、こういうようなことに私流に聞き取れたのですが、反対なんですか。
  38. 佐藤榮作

    ○佐藤国務大臣 いや、その通りなんです。ただいま申し上げる法律ができて、いろいろの施策をする、これが一つの例になりますので、この先例通りにその他の対策も立てるときには考えて参ります。ただいま言われるような問題について、それぞれ対策を立て得るものは、これは早急に立てて参りたい。しかしながら、たとえば問題になっております走っておる自動車の煙をどうしてくれるかというような問題一つあります。あるいは騒音問題もございます。これなど、まだ対策としては十分立ち得ない、こういうのをこれから研究して参ります、こういうことなんでございます。だから大体御趣旨の通りに、残っているものをやらないというわけじゃない、やるつもりでございますけれども、少し時間をかしていただきたい。実情に合うお話をしているわけであります。気持だけなら、それは急いでやります、かように申せばいいかと思いますけれども、気持だけでは済まない問題だ、この点を御理解いただきたい。
  39. 島本虎三

    島本委員 その程度で理解いたします。しかし、やはりこれは急ぐ問題でございますので、産業のいろいろ発展とあわして公害排除というような見地から、大いにこれを指導していってもらいたいと思うわけです。これは可及的すみやかにということでそれを了解しますが、もう一つこれは十分聞いておきたいのですが、水に関してのことです。国際連合の方では熱心にこの問題調査しているのだということを聞いていた。それからアメリカの方でも、これは議会でもこういう水に関する特別な委員会を持って、やっているということも聞いておるわけです。しかし、やはりたとえば気象庁でも、気象だけの問題ではなしに、地下水の問題だとか、海水の問題だとか、汚水を浄化して工業用水に使うところまで、水に関しては一貫した行政の指導を行なっているということを聞いておるわけですが、日本では、今利用だけについて大いにそれぞれの権限の中に立って——ざっくばらんに言うと、私の方の権限だというので権限争いをしているような点がないわけでもないんじゃないか。しかし、具体的に公害が発生した場合、または水そのものに対する水害が起きた場合のその責任はどうなんだ、それまで十分考えて、明確にした上でやっているのかというと、必ずしもそうでもないようにも思われるわけです。やはり利水の問題ではあくまでも通産省が主になってやる、しかしながら、治水の問題では建設省がやる、しかし、両方やっては困るから、総合して企画庁でやる。また汚濁問題になると、その基準設定し、いろいろやることは厚生省の方でやるとかなんとか、こういうふうにして、それぞれ利用の点においては分かれている。しかし、それだけでいいというものではないのではないか、従ってそういうふうにしておくと規制もそれぞれの立場からまちまちになるのではないか、こういうような場合を考えまして、関係法令の体系の整備、扱う体系の整備ということを、水に関してはもう少しスマートにこれは考えるべきではないかと思う。現在のままでいいというものではないと思うのですが、水に関するところのいろいろな体系の整備ということに対しては、どういうようにお考えでしょうか。
  40. 佐藤榮作

    ○佐藤国務大臣 水は、ただいま御指摘になりますように、あるいは建設省のいわゆる河川治水といいますか、そういう意味災害防除の点が一つ、あるいは農業用水、いわゆる灌漑用水確保の問題がある、あるいは厚生省は上水道の問題がある、また通産省は工業用水の問題があり、水はいろいろ用途によりまして、それぞれの所管省に分かれておる。これはどうも仕方がないことだと思います。ただいま御指摘になりますように、各省がそれぞれ所管の事柄について非常に権限を主張する、そのために大局を誤ることがある。これは確かに私も官吏の出身でございますから、各省が権限を時に主張して、そのために大筋を見忘れる、こういうことの間々あることも気づかないことではございません。また、これは弁護するわけではございませんが、やはり公務員として非常に自分たちの仕事に忠実だと、その権限についての強い主張も出てくるということだと思います。しかし、これは一がいに責めるわけにはいきませんが、そのためにそれぞれ大臣がおるし、閣議でいろいろ話し合うわけでございます。大臣が政治的に、いわゆる大所高所に立って各省の主張を総合して結論を出していく。これで政治、行政がうまくいくわけでございます。だから、ただいま言われますごとく、水だけを所掌する一つの役所ができる、これも一つの望ましい形かと思います。しかし、なかなか実情に即しないというか、やはりそれぞれの専門家がそれぞれりっぱな意見を持っておるわけですから、それらの意見を総合して取り上げるような総合企画をする方が本筋ではないか、かように思うわけでございます。  私は、ただいまの制度自身が悪いわけではない、ただこの制度の運用にあたりまして、その必要より以上の悪が出てくれば、それは制度自身が悪いということにもなりまするし、そこを政治家がうまくまとめる、そこに政治家の力があるのだ、だから、ただいま各省関係にまたがる仕事は、水ばかりではございません、あらゆるものでそういう問題はあるわけでございますが、各省とも連携を緊密にいたしまして、それぞれの知識を生かしていく、これが一番大事なことではないか、かように思います。
  41. 島本虎三

    島本委員 やはりそこです。たとえば水の場合に、一つ水質汚濁問題を取り上げましても、昭和三十三年に法律ができた。しかし、現在まで何にもやっていないのが実情なんです。これは今聞いたばかりです。江戸川指定第一号にきまったばかりであって、これもきまっていろいろやっている間に、そういうような問題に対する被害を受けているのは水産庁だ。水産庁の方では、石狩川ヤツメウナギまでも底を払ってしまった。こういう状態調査が何年続くか知れないけれども、漁民被害をいろいろ及ぼしてきている。こういうことではいけないから、調査並びに行政も一貫したようなものが、この際公害対策の一環としても必要なのではないか、こういうように考えているということです。諸外国にもその例がある。ことに実力者であるわが佐藤さんなんですから、そういうようなものに対しては、私が言わなくても十分御存じだと思うのですけれども、このばい煙排出規制等に関する法律案水質関係二法案とは体系が別になっておる。こっちの方は、国が基本を立てて自治体にやらせる。水質二法案の方は、国がすべてを抱いて直接これをやっていく。自治体に協力を仰いでも仰がなくてもいいという法律になっておる。従って、あくまでも調査に終始し、実際やるようになると各省がずらっと、七つか八つほどの関係各省になってくるから、実際これは対策がしり抜けになってしまうのではないか。このおそれがあるのは、私としては、今回このばい煙規制等に関する法律案審議する場合に、煤煙の方は進んでも、それよりも三年も四年も前にいった水の方がおくれてしまう。これでは同じ公害という立場に立って見た場合に合いません。ですから、こっちのおくれておる方を、早めるために、行政的にも一貧した効果ある点を考えないか、こういうふうな意味なのでございまして、やはり窓口は企画庁一本になってやっておるけれども、これは小間使のような格好になっている。従って、ここでまたこの問題で聞きたいのだけれども、今まではそういうような状態だった。これはまことに困った。それにいたしましても、やはりもう少しこの問題に対しては、こういう実施の障害になる点を除去していくのでないと、これは効果を上げられない。大臣が一番心配しておった工業用水の問題は、灌漑の問題、飲料の問題、こういうようなものに対してまでも各省がそれぞれ権限を持っているのですから、これでは水質汚濁問題はいつの日にか日の目を見るものであるかわからない。こういうような状態であっては、ほんとうに住民が直接困るのだ。こういうようなことについては、やはり体系自身に対しての改正を今後考える必要は、水質の場合はございませんか。ここなんです。ここはいかがですか。
  42. 佐藤榮作

    ○佐藤国務大臣 この水質汚濁問題、これは厚生省でいろいろお考えになるだろうと思いますが、それが一つ出てきて、各省がその影響も考えて、それを中心にして動けば私は済むのじゃないかと思います。各省の権限はそれぞれの立場である。先ほど申した通りであります。私は、どうも一本にするということは、非常に見やすいことではございますが、全知識というか、全知をそこに集中することの方がむしろなかなか困難じゃないか、かように思いますので、それぞれの仕事の担当の方が自分の立場において主張され、それを関係省と協議されるということが望ましいのじゃないかと思います。たとえば煤煙問題にいたしましても、通産省自身が、長いこと、これは生産官庁というような表現で理解されておりましたが、最近通産省自身も、公害の防止に非常に積極的に乗り出す考えになりました。この事柄は、厚生省が、大気汚染というか、煤煙防止という考え方だけから進んでおられたのと同じような気持になり、今回その法律が出たわけであります。これは、おそらく厚生省の考え方からだけ申しましても、もちろん生産を度外視されて煤煙だけの防止の主張をされるとは思いませんけれども、どうも厚生省の場合だと、煤煙防止の方が非常に先行して、あるいは生産の面が少し軽んぜられやせぬか、こういうような気がするし、あるいは通産省は、生産だけを言って、公害というものにあまり関心を持たないのじゃないか、こういうような批判があったと思いますが、今回は、両省とも国家目的に対応するような処置でこの法律がまとまったわけであります。だから、非常な進歩だと思います。また社会党さんもそういう意味では非常に賛成していらっしゃる、かように伺っております。だから、ただいまの水質汚濁問題、これはおそらく保険衛生の観点に立って厚生省厚生省として主張されるであろう、また今度は通産省の方は、生産の面あるいは工業用水の確保、あるいはまた、建設省は地盤沈下の観点から水質汚濁の見方も一つあるわけであります。あらゆる面からこの問題を見ていかないと、これを一省にまとめてみろといっても、それは私少しむずかしいだろう、だからそういうものが非常な害悪を流してくると、それは各省もそれぞれの立場の主張はできない、その事実に目をおおうわけにいかなくなるということが、やはり政治の進歩だろうと思います。そういう方向で、各省が緊密にすること、これが望ましいだろうと実は申しておるわけでございます。その結論が出ますまでには、いろいろな議論がそれぞれの立場で出てくるに違いないと思います。ただ、私どもが想像しないようなところに影響があるわけです。ただいま島本さんがおっしゃるヤツメウナギまで出てくると、ちょっとそこまで気がつかなかったというような話になるのですから、やはり所管省が問題を投げかけて、それをまとめ上げていくということが一番手っとり早い方法じゃないか、かように私は思います。
  43. 島本虎三

    島本委員 それから大臣の方にまとめて具体的にお願いしなければならぬ問題一つとして、特定有害物質の、いわゆる排気ガス、この問題に対しては本会議答弁があった。私どもの方としては、技術的結論を出してからこれを考えるのだというような答弁だったと思います。そういたしますと、現在の都会における排気ガス、ことに自動車の場合には、あらゆる点で相当の被害を現在出しておるのは事実であります。肺ガンが、特に自動車がよけい通る地区からよけい出ておるし、冬の半年の間、煙でおおわれておるような札幌市のようなところにも、また肺ガンの発生率が他の都市よりも商い。東京あたりでも国道の沿線、京浜国道ですか、この方面に高い。こういうことがはっきりデータとしても出ておる。これを、本会議答弁されたように技術的な結論を得てから考えるということでは、現実のこの事態に対しては、あまりにもおそ過ぎるのではないかということをおそれるわけです。この被害問題は他にもいろいろあるわけです。これは早く結論を出さなければならないし、規制をしなければならないし、それに対する対策を完備させなければならない。排気ガスについては、やはり本会議答弁したような通りだとすれば、その結論が出るまでの間は、それに対してはどういうような指導をなさるのですか。
  44. 佐藤榮作

    ○佐藤国務大臣 この定置しております工場では、施設が非常に楽でありますし、また研究も比較的容易だと思います。ただ動いておりますものだと、これは運転の技術上の問題で、いろいろ運転手自身を指導することもございます。これはガソリンのたき方、油のたき方とか、そういうような運転の指導があると思います。  それからもう一つ私が申し上げたかったのは、言葉が正確でございませんが、技術的にそれを出さないような機械設備というか、そういうものを検討させて、それを全部取りつけさせるというようなことまで発展さすべきじゃないか。まだその検討ができておりませんということを実は申し上げたつもりでございます。
  45. 藤本捨助

    藤本委員長代理 参議院の商工委員会の採決が始まりますから、大臣はそちらへおいでになりますので、大臣に対して質疑があれば後にして下さい。
  46. 島本虎三

    島本委員 よろしゅうございます。  さっきの騒音の続きですが、先ほど申しましたように、騒音に対して、施設に対する補助を全額見てやるのでなければ、地方自治体に対して完全に援助することにはならないと思います。今の御答弁としては、学校の施設、病院その他移転するものに対しては全額これを見るつもりだ、こういうような  意味ですか。
  47. 鐘江士郎

    鐘江説明員 学校教育施設の防音工事に対する補助金につきまして、若干先生が誤解していらっしゃるのではないかと思いますので、つけ加えて御説明申し上げますと、文部省におきまして在米の木造校舎を建て直すという場合には、四十年ごとに、四十年たつと建てかえる時期がくるわけでございますが、その場合には、所要の額の三分の一を地元が負担するということに相なっておるわけでございます。従いまして、先ほど申し上げましたように、木造の校舎を鉄筋化いたしますと、鉄筋の校舎は耐用年数が百年ということになりますので、かりに今建てかえるべき木造の校舎がありまして、これが建築後三十年たっておった場合には、ここであと十年たつと校合を建てかえるわけでございます。その十年目に建てかえる木造の校舎の建築費の地元負担分、それを年六分で換算して、今の時期に地元が用意すれば幾らになるかという答えをまず出します。それから、今から十年プラス四十年の五十年目の建築経費の地元負担分、それを年六分で今の時期に換算した場合の経費は幾らであるか、それから九十年目に同様の計算をした場合の経費は幾らであるかという、その三つの答えを足したものが、鉄筋化することによって地元の負担分が要らなくなるという分でございますので、それを鉄筋化する場合の地元負担分として負担していただくという考え方でございまして、先ほど先生が申された、鉄筋化に要する経費の三分の二を地元に負担させるのはひどいじゃないかというお話でございますが、内容はただいま申し上げたような計算方式によりまして地元に負担していただく。なおその場合、やはり地元の市町村が財政的にその負担すら非常に苦しいという場合には、私どもの方で自治省に御相談いたしまして、起債の方法等も何とか講じていただけないかということは、そのつど自治省の方へ御相談するということを考えておりますし、実際に御相談している実例もございます。  それから民家の場合につきましては、これは移転に要する建物を、たとえば取りこわしてどこそこへ持っていくといった場合には、取りこわしまして移転先に建て直す経費、これは補償するわけでございます。
  48. 島本虎三

    島本委員 病院は……。
  49. 鐘江士郎

    鐘江説明員 病院につきましては、実は私どもの方では、今まで学校教育施設に対する防音工事がおくれておりまして、重点的に学校防音についてのみ実施して参ったわけでございまして、今年度から医療施設についても若干手をつけるという関係でございまして、医療施設に対する地元負担金、これにつきましては現在財政当局とも折衝中でございまして、まだ結論を得ておらない段階でございます。
  50. 島本虎三

    島本委員 厚生省の方では、学校の施設だけは進んでいる、民家の立ちのきについても全額を見るようになっている、病院の点だけはまだほったらかされてある、こういうようなことで、一体厚生省の病院行政はいいんですか。現に八月からこういうような実態が起こるのです。今のような状態でいいならいいのですが、そういうような場合には、病院行政としてそれで完璧なんですか、どうなっておりますか、厚生省
  51. 五十嵐義明

    五十嵐政府委員 病院行政という立場では、私からお答え申し上げるのはあるいは適当でないかとも存じますが、環境衛生全般の面から見まして、病院の中における患者の環境という面では、ぜひとも学校その他の住宅等と同じように、急速に対策を整備してほしいという強い希望を持っておるわけでございます。それを期待いたしておるわけでございます。
  52. 島本虎三

    島本委員 きわめて具体的なんです。期待だけじゃないのです。あなたは予算を組んで出してやらせるんだということなんですが、だれに期待するのですか、防衛庁期待するのですか。
  53. 五十嵐義明

    五十嵐政府委員 防衛庁がこの問題対策の一環として処理することを強く要望いたしておるわけでございます。
  54. 島本虎三

    島本委員 こういうような病院の場合には、厚生省予算でやるのではなく、防衛庁の方として別にこれは予算を組むか何かして、皆さんの方で直接こういう関係の病院の方は手をつけるわけですか、厚生省の方でやるわけなんですか、これはどうなんですか。
  55. 鐘江士郎

    鐘江説明員 昭和三十七年度の学校並びに医療施設に対します防音工事の予算は、約十四億円を計上されてございますが、そのうち医療施設につきましても、四つの施設に対して防音工事を施すということに計上されてございます。従いまして、医療施設につきましても、防衛庁において防音工事を施すという方針でございます。
  56. 島本虎三

    島本委員 いいんですかね。そういうような場合に、病院そのものは、木造である場合には鉄筋に直さないとだめでしょう。学校がそうなんですから、病院もそうです。その場合には、病院そのものの建築費並びにできたあとの防音装置、こういうようなものを全部あなたの方でやるんですかというのです。そうでないと、こっちの方では期待ばかりしているし、病院の方では直接手がかかると思ってないから予算を組んでない。あなたの方でも防音装置だけやって、木造のところに今度はこういうような施設だけやっても、これは何もならないということははっきりしている。そういうようなちぐはぐな行政をして、八月を控えて、ロッキードF104ジェット機がこの基地に配属される、それを前にして何も対策が練られてないということは、だめだと思うのです。それはお互いに責任のなすり合いじゃないですか。
  57. 鐘江士郎

    鐘江説明員 医療施設の防音工事につきましては、在来の木造の病院が、非常に騒音が激しくなりまして、木造では不十分であるといった場合には、当然鉄筋化ということは考えられるわけでございます。それから在来の木造なり鉄筋なりの病院についての騒音防止につきましては、それぞれ防音工事を施すわけでございます。従いまして、そういう先ほど申しました予算化ということは、当然そういうことを考えた上での予算化でございます。
  58. 島本虎三

    島本委員 わかったようでわからないようで、どうも困るのですが、そうすると、騒音基準設定並びに当該地域に対する補償の対象となるのだ、従って、防音工事の施行は、学校、病院その他公共的建物に対しての建築費の全額支出によって完全防音装置を施工するものなんだ、そして航空機の事故によるところの病気、死傷並びに損壊——事故によるものは損壊です、こういうようなものに対しての損害の補償は十分考えているのだ、基地の周辺の厚生施設については優先的にかつ全面的に、人畜に被害がないようにこれは実施するのだ、集約すれば大体こういうふうなことになると思うのですが、これで間違いないですね。
  59. 鐘江士郎

    鐘江説明員 医療施設につきましては、在来の鉄筋なり木造なりの施設について防音工事を施す場合には、全額国が負担するわけでございますが、在来の木造の医療施設に対して、騒音が非常に激しくて鉄筋化しなければならぬといった場合には、先ほどの教育施設の場合のように、全額国が負担するわけには参りません。従いまして、先ほどの学校教育施設におけるところのような方式、若干の負担金を地元の事業主体に負担していただく、かような方針で、目下財政当局と協議中でございます。
  60. 島本虎三

    島本委員 その場合に、厚生省は、地元の病院施設に対する補助やいろいろな施設、それにあわせて完全な防音装置並びに環境衛生の上から、病院行政を完全に実施するために対策を明確に立てておありですか。
  61. 五十嵐義明

    五十嵐政府委員 先ほど申し上げましたように、医療行政の一環である病院の整備ということに関しまして、環境衛生局長である私からお答えするのは適当でないと思いますが、環境全般の広い意味での環境の整備ということで、ただいまの防衛庁の御答弁のように、病院の騒音の排除ということに努力して参りたいという気持でおるわけであります。
  62. 島本虎三

    島本委員 次官がいるのですが、大体聞いての通りです。前にこの騒音問題について、灘尾厚生大臣は、特別立法を今後考慮するように進めていきたい、ことに学校関係や民生安定の関係部門については、これを重点的に考えなければならないのだというふうに言っているわけです。従って、こういうような問題について、権限が違い、権限によってそれぞれ与えられる補助やその他の行政が違う場合には、特別立法にして、騒音なら騒音、水なら水ということにして、完全に実施を一本にして完璧を期するべきなんだ、こういうことなんです。今のところはまだそれを考えておらないようだから、こういう答弁になるわけです。特別立法を考究して、これを実施したいという灘尾厚生大臣でした。この準備は、少しは進んでおりますかどうですか。
  63. 森田重次郎

    森田政府委員 大臣答弁がどういうふうであったか、今、私じかには知っておりませんが、しかし、厚生省といたしましては、ただいま御質問の内容に含まれている趣旨に沿うよう準備を続けている次第でございます。特にただいま問題になっております飛行機による騒音の度が非常に強くなり、これによって学校、民家あるいは病院等において非常に困っていることも——私も実は、御存じの大三沢の飛行場のそばにあれを持っておるので、再々調達庁に伺いまして、これの助成方をお願いしておるような体験を持って、おりますし、特にただいま特定された病院関係につきましても、ぜひ調達庁と連絡をとりまして、御期待に沿うように努力いたしたいと思います。
  64. 島本虎三

    島本委員 それでよろしゅうございます。  それでは、これからばい煙排出規制等に関する法律案の質問に入っていきたいと思います。あくまでも、私が申し上げたのは、公害という立場から、煤煙問題のみを取り締まっても公害対策にならぬから、現在のところでしがってきている大きい問題は、これは水と音とそれからいわゆる大気の汚染の問題、こういうような問題が焦眉の急だ、こういうことに立脚しての関係立法を促進し、あわせて十分の効果をはかるための質問であったのです。  今度は煤煙法律そのものに対してちょっと伺いたいのですが、少し水質関係で残っておりましたので、わざわざ来ていただいて御苦労さんです、一つだけ聞いておきますが、昭和三十三年に水質保全の二法が成立したあと、現在まで、この二法実施後の河川水質汚濁状態をどのように対処しましたか、それから第一次産業と第二次産業との調節はうまくいきましたかどうか、この二つの御答弁を願いたい。
  65. 阿部新七

    阿部説明員 私は、経済企画庁で公共用水域水質保全について主管しておるものでありますが、御指摘のように、三十三年十二月に法律が成立されたわけでございますけれども、全面的に施行されましたのは三十四年四月からでございます。このうち、水質保全二法といわれておりますうちの工場排水等規制に関する法律は私の所管ではございませんので、先生御承知のように、これは関係各省の共同所官でございます。  この水質保全法ができましてから、三十四年四月からでございまが、経済企画庁水質に関します保全、調査の二課を設けられまして、全国の汚濁されておるといわれておりますところの河川水域調査に取りかかった次第でございますが、先生御承知のように、この水質問題は、沿革的には非常に古い問題であろうと思うのでございます。その加害と被害の因果関係と申しますか、関連関係が非常にむずかしい問題でございます。また行政的に見ましても、法律的には、できましたのが三十三年の暮れというふうでつい最近のことでございますが、これの諸外国の立法例その他を見ましても、各国の特色が非常にございまして、一律先例となるべきものはないわけでございます。わが国の場合も、水質規制の仕方は、保全法によりますと各工場、事業場にありましては排水口で水質基準を押えていく、結果におきまして、河川なり海水域なりをきれいにしていくという建前になっておるわけでございます。従って、今御質問のございますように、三十四年に法律が施行されましてから、現在三一七年度までに、各年度に七水域ずつ調査に取り上げまして、現在まで二十八水域を取り上げておるわけでございますが、今申しましたように、歴史的な沿革が非常に新しいものでございますから、どういう方法調査をやるかという、その調査自体のやり方が非常に問題になったわけでございまして、これは保令法に基づきますところの水質審議会で調査方法部会という特別の部会を設けていただきまして、従来も水質研究をされておりました先生方に諮問いたしまして、一応調査方法をきめていただきまして、その調査方法に基づきまして、ではどこを取り上げるかという問題があったわけでございますが、そのために、また基本計画部会というものを作りまして、関係各省、各都道府県から現実に排水その他で問題がある、あるいは将来問題があり得るであろうというような個所を御推薦いただきまして、その基本計画部会に諮りまして、全国で百二十一の水域指定いたしまして、この水域を今後調査して参るというふうにしてございます。現在、ただいま申しました二十八水域はこの百二十一カ所のうちの内数でございますが、その水質調査のやり方は、ある特定の時点だけとらえたのではその結果がわかりませんので、少なくとも一年はかかる、その河川の状況、利用の状況なり水域の流れ方、排水する方にありましては、その操業の状態からどういう排水が出るかということで、毎月一回なり年に何回なりきめまして、採水やら採泥するわけでございますが、そういう関係で少なくとも一年かかる。一年かかりましても、その後に特殊な事態が起こるとか、あるいは調査漏れがあるというような関係で、二年ないし三年かかっておったのが現状でございます。三十四年から取り上げられまして、三十四年度から調査に取りかかりました七水域につきましては、ほぼ調査が終わった段階でございます。  そこで、先ほど先生お話しのございましたような江戸川問題につきましては、結果も出、因果関係と申しますか、いわゆる利用産業である河口部の水産業あるいは上水道に対する排水作業の原因がはっきりいたしましたので、この規制の告示を本日付で企画庁長官として出す、これが第一回でございますが、あとの六水域につきましても、ほとんど調査としては終わったような状況でございますので、少なくとも今年中には結論を出して、はっきり告示の格好にいたしたいというふうに思っております。  ただ、個々の河川につきましては、先ほど申し上げましたように、その原因の何たるかということが非常にわからない場合が多いわけでございます。たとえば石狩川上流部につきましては、これは農地の被害が主でございます。そのほかに漁業もございますが、その原因といわれておりますのは、いわゆる水生菌といわれておる特殊な菌でございます。ところが、この菌がなぜ発生するかということでございますが、これが非常に学問的にわからない。それから学問的に見ましても、水生菌の種類が七十幾つあるのだそうでございますが、そのうちその実態がはっきりしたものが十数種しかない。石狩川上流の水生菌は、はっきり水路に入っておるのか入っていないのかということが、わからなかったのが現状でございます。それで企画庁といたしまして、関係各省研究所、試験所、あるいは各大学の先生方にそういう実態をお話し申し上げて、いろいろで解析をお願いいたしまして、その結果によりまして適切な——押さえる手段がないことには、基準をきめましても守られないということになりますので、その結果待ちということが、従来調査が終わっても基準の格好に出ないというのが主たる慣行でございます。従って、御心配になられますような、各省がいろいろ権限を主張したために基準がおくれるということではなしに、一にわれわれ事務当局としまして結論が出しにくいと申しますか、はっきり押え手がつかないものでもって、結果として基準を定めて強制するということはいかぬじゃないかということでおくれておるのが実態でございます。ただ現実には被害が出ておるわけでございますから、その被害が出ております地域につきましては、保全法に基づきますところの和解の仲介を極力進めまして、お互いに話し合いをして公正な結論を導く。和解の仲介は、各都道府県に和解仲介員の候補者を十五名御推薦願いまして、そのうちから五名の方に、個々の案件についての和解の仲介をお願いするという格好になっております。現実は、これは保全法施行以来十八件和解の仲介の申し出がございまして、十四件はこれによって解決しております。これは必ずしも金銭的な補償という意味解決したのではなしに、特別な水路を設けるとか、あるいは特殊な設備を当該地元の府県なり市町村でお作りになる、あるいはそういう自治体にやらせるというような格好で解決しておりまして、この制度は今後とも大いに育成して参りたいというふうに思っております。この場合の和解仲介の事務費は、大体国と申しますか私の方で、府県に交付金として交付して実際やらしている状態でございます。  大体以上でございます。
  66. 島本虎三

    島本委員 それがあまり長過ぎる。調査期間が長過ぎる。また完全にそれを実施するためには、もう少し急いで、被害が発生する以前に対策を立てなければならない、こういうような原則に立って言っているわけです。しかし、今言ったことは十分わかりました。指定水域問題だとか水質基準問題だとか、こういうような問題は、おそらくきまってしまってからでないと具体的に発足しないのですから。なかなか困難な問題がたくさん出てくるわけです。ですから有名無実調査ばかりしている間に被害だけが先に起きてしまう、ようやく今回、江戸川が第一号の指定になったばかり。和解の仲介を一生懸命やっている。現にサケマスがとれないのは最近あきらめたけれども、汚濁には最も強いといわれているヤツメウナギまで、石狩川はもうとれなくなっている。それなのに和解の仲介をせい、そういうようなことを、補償中心にして和解の仲介をさしているのです。漁民に対しては重大な死活問題です。これがわからないというようなことでは、三十三年の暮れに幾ら水質保全二法ができたにしても、これはあまりにマンマンデーじゃないかと思うのです。住民の生活にかかっているこういうような問題に対して、和解の仲介をどういうふうにしてやったのですか、具体的にありましたらお知らせ願いたい。
  67. 阿部新七

    阿部説明員 ヤツメウナギの件は、私も詳しく事情は存じないのでございますが、これは北海道庁から聞きますと、突発的な事故じゃないかということでございますが、そういう事態は別といたしまして、通常的には、排水口から出る問題に伴います加害者、被害者、両者の和解の仲介でございますけれども、これは実は、先ほど申し上げましたように、各府県に置かれる和解仲介員が仲介会議をやりまして、両方のお話を十分お聞きした上で結論を出す格好になっております。大阪府に思智川という川がございますが、この川の流域にメッキ業者が相当ございまして、酸性とかアルカリ性の排水を出すわけでございます。これによって農地に被害があるというような事態でございますが、この場合には、相手のメッキ業者は非常に零細業者でございますので、直接の相手としましてはそういう補償能力がない。それから除害設備も個々にやるような力がないところの業者でございますので、現実に農業用水としましては非常に不適当な水を出しておるというようなケースでございます。この場合には、大阪府並びに地元の町におきまして、排水路を別につけかえるとか、農業用水を別に作るという方向に和解の仲介の結論を持って参りまして、その負担金の一部を排水液を出している各メッキ業者が持つというような方向でもって解決しております。  それから基準が出るのが非常におそいということでございます。これは確かに三年かかったわけでございますが、現実に調査して参りますと、先ほど来申し上げておりますように、調査自体は非常に時間がかかるものでございます。これは、そのときそのときの時点の排水なら排水の質、あるいは利用されている質を調べただけでは、結論は出ないのでございます。その河川なら河川がどういう格好で流れておるか、流れたときにどういう排水の量がからみましてどういう格好になるかというような、一応の結論が出ないことには押えるきめ手がない。押えるきめ手がないものに基準を作りましても、守られないようなことになっては意味ないだろう、現実に守られるような基準設定しようということでおくれておるのが、現状でございます。
  68. 島本虎三

    島本委員 では、水の問題はこれで終わります。急いでやることと被害に対する補償を完全にやること、これをあわせて水産庁と両方で対処してもらいたい、これは強く要請しておきます。  なお、煤煙規制に対する法律案の質問事項にこれから入ります。大体本会議でもいわれたことに付随して質問いたしますが、発育盛りの子供が、いわゆる煤煙を初めとしていろいろな公害による被害が意外にも多いということが、最近になってはっきりわかってきた。煤煙地帯の病気は、眼科でさえも三倍ぐらい子供が罹病しておる。呼吸器病では、普通の場所よりも二倍ぐらいふえている。ことに九州では、騒音地帯では進学率が一〇%違う。子供の問題に対しては、特にこういうような問題を考えて対処するのでなければならないと思う。病気の問題はその通りです。騒音問題の進学率でもその通りです。こういうような子供の問題を主にして、この排除の問題に対して、また対策について具体的に手を打っておりますか、この点どうですか。
  69. 五十嵐義明

    五十嵐政府委員 煤煙あるいは騒音影響が、健康上、特に発育盛りの子供、抵抗力の弱い子供に非常に強く現われるということは、先生御指摘通り、私どもの手元にあります資料でもそういった結果を見ておるわけでございます。そういう意味から、私どもといたしましては、環境衛生の面から老人子供を含めまして、環境の改善に努力をして参りたいという所存でございます。なお、小児衛生問題につきましては、児童局母子衛生課の立場あるいは文部省の学校衛生の立場等もございますので、そちらの方面と緊密な連絡をとりながら、そういった被害の防除に努力をして参りたい、このように考えます。
  70. 島本虎三

    島本委員 どうも具体的には答弁を得られないようです。防除だけじゃなく、現在の子供の罹病、並びにこの就学率なんかの低下に対する対策については、関係当局は文部省、それからことに皆さん方の病院関係、もちろん学校の方もございますが、その方面と連絡してこれは完全にやっていかないと、その部分だけでも子供にこういう影響があるということは見のがすことはできない。これから考えてじゃおそいんです。ちゃんと手を打っていかなければおそいんです。法律を実施すると同時にやっていかなければだめな問題です、子供の問題は。少し厚生省対策はおそいんじゃないですか。これはすぐにでも手を打ってもらいたい。  それと、先ほど大臣が、言った排気ガス問題は、これからいろいろ考えるということなんです。排気ガスは、もうすでに考える段階じゃなくて、企業の中でいかにこれを排除するかを考える段階で、排気ガス被害が意外に大きいということは御承知通りなんです。自治省、警察関係の方おられますか——それでは直接皆さんの方に聞きますが、交通整理の巡査がいる。交通整理の場合、全部まん中に出ていると、両方から排気ガスを受けて、そのために身体に及ぼす影響が意外にひどいものだということを聞いているのです。こういうような点に対しての対策は十分お考えですか。
  71. 森田重次郎

    森田政府委員 この問題は、どなたも直接被害者だと言っていいほど顕著な事実にもなっているわけなので、特に取り締まりを何とかできないかということを研究してみたのでありますが、問題は、動いているものの取り締まりを一体どうするかということなんです。それから排気するガスの量ですね、それはどういう程度のものが取り締まりの対象になるかという限度をまずきめる。かりにきめたとしても、おまわりさんが出ていってこれを取り締まるに、お前のものは規定以上だといったようなことの具体的な取り締まりの方法を、どうすることができるだろうか、ここにも非常に問題があるようであります。それから取り締まりの対象とするとしても、一体ガソリンの種類で、ある種類のものは使用を許可しない、あるいは郊外の方では使用を許可しても、市内ではこれを許可しないようにしたらどうかという問題一つ残る。それから一定のガスを使用しても、使用の方法等によって悪質のものになるか完全燃焼するかといったような点も問題になるのであります。しからば、今の装備で、はたして完全に焼燃させて、ああいうものが出ないようにできるかという点でも問題が存在するようであります。そういう点をどういうふうにつかまえて取り締まりの対象として効果を上げるかという点で、実はまだはっきりした確定案が持てないというので、その点は研究しようじゃないかということで、今回のものからは除いておいたというわけなのであります。  ただ、これはよけいなことかもしれませんが、実は道路運送車両法という法律がありまして、これは運輸省の方の主管になっておる法律でありますが、これを見ますと、ある程度ひどい煙の場合は取り締まりすることができるような規定だけはできておるわけなんです。それによりますと、たとえば車が完全に燃焼できないで、非常に猛烈なガスを発散するというようなものに対しては、整備命令を出すことができるという規定になっております。そしてなお、それに違反する場合は、その車を利用することができないような停止命令もできる。それでもさらに実行するというような場合は、その法律の五十四条で六カ月以下の懲役または一万円以下の罰金をとることができるというところまで規定してあるようであります。ただ、それは規定としては存在するのでありますが、動くものでありますから、どこで一体これをつかまえて取り締まればいいのかという点で、まだ明瞭に確信を持つ程度に至っていない、こういうところまでいっておるわけでありますから、厚生省としては決して研究を怠っておる次第ではないのでありまして、結論を得次第、これらも何らかの措置に出なければならない、こういうふうに考えておる程度であります。御了承願いたいと思います。
  72. 島本虎三

    島本委員 厚生省としても、排気ガスの点は、十分医学的な見地から研究を進められておると思います。今言ったようにこれは大事な一つの要素だと思うのですが、一酸化炭素、それから窒素酸化物、アルデヒド、ケトン、炭化水素、この中にはベンツビレンという一つの発ガン物質さえもあるということは、厚生省のデータで明確です。こういうような状態で、排気ガスの中に——もちろん煙の中にそれがある。六カ月間は煙でおおわれておる札幌のような北の都市でさえも、今では肺ガンの発生率がずっと高くなってしまった。まして、こういうような排気ガスの中におる住民の肺ガンの発生率は、特に高くなっていると思うわけですが、その場合に、特に老人と子供、乳幼児に対する対策は、厚生省の方では、これが研究中でもちゃんと立てておかないとだめであります。そして人体の抵抗力の限度というものもはっきりやっておいて、せめて自分の健康だけは——法によって規制する措置ができないまでも、被害を受ける人の健康だけは保てるようにしておかなければならないと思う。これをやっておりますか。
  73. 五十嵐義明

    五十嵐政府委員 御指摘通りでありまして、排気ガスにつきましては、いろいろ問題がございます。特に老人に対する肺ガンの問題とか、あるいは乳幼児、子供の気管支の関係問題、あるいは目などの粘膜の問題、いろいろあると思います。これらにつきましては、私ども、小児衛生あるいは老人衛生の面から、できるだけ指導強化して対策を練って参りたいわけでありまして、先ほど申し上げましたように、今回は、全体の中から煤煙その他特定有害物質につきまして一定の規制を行なって、自後の問題につきましては漸次対策を確立しつつ推進して参りたい、かように考えております。
  74. 島本虎三

    島本委員 これは現実の問題ですから、これから漸次対策強化する程度では心細いのです。現実にどういう方法があるかといったら、あるのですよ。社会党が応援してやっているようなものですよ。牛乳一合配給論、ああいうものだって乳児に対しては必要なことだ。あれはやはり早く通すようにしてもらって、厚生省としても、大気汚染から健康を守るための一つ対策であるということにして、強力に実施するのは、政務次官、あなた、やらなければだめです。いみじくも社会党の方でこういう法律案を出しておりますから、これを早く通すようにしたらいいと思うのですが、やはり老人、子供、乳児に対する対策として、こういう点も考えておかなければならない。  それから排気ガスに対するいろいろな検討は進んでおると思うのですが、警官そのものが、もう任務にたえられないほど、からだをいためられているという実例があるでしょう。しかし、調査機関が何もない。何ら調査もしてない。職業病の申請もしてない。これだって厚生省の方の所管なんです。このままにしておいたらだめです。基本的にこれを実施するためには、いわゆる国や県並びに関係機関の行政しの整備が当然必要になってくるのです。こういうように一つ一つ別々にしておいても、現に被害を受けても、職業病であるかどうかの認定さえも、申請がなされないような状態でしょう。ですから、これは行政的に手おくれだと言うのです。これは関係専門職員の充実をはかることはもちろんですけれども、財政的な裏づけをして機関を強化しないとだめです。今、何人やっているのです。少ない機関で少ないデータで、従って発言力も少ないから、ようやく五年も六年もたってこういうような法律が出てくるので、これは実際おそ過ぎる。それでもなおかつ、今言ったように、職員は不足している。それから財政的な裏づけだって、現在調査料は何ぼですか。ほんの少ない、こういうような状態で、ほんとうに寒心にたえないわけです。こういうような点は——大臣を呼んできて下さいよ。これは大事な段階になったんだから困る。いない以上、あなたは大臣にかわってはっきり言ってもらいますが、こういうような実施機関の強化というような点、財政的な裏づけの点、こういうような点は今後やっていく決意ですか。そうでないですか。
  75. 森田重次郎

    森田政府委員 たとえば交通巡査の具体例等を引いての御指摘がございましたが、これも調査できているのだろうと思いますが、もし調査できていないとすれば、これは大事な点でありますから、十分調査させることにいたしますし、その他御指摘になりました点等につきましては、大事な御意見を拝聴いたしまして、ぜひ御期待に沿うように努力いたしたいと考えます。
  76. 島本虎三

    島本委員 それから、これを進めるためには、もうすでに次官も知っておられるように、各先進地方自治体では条例を作って、大気汚染に関し、または排気ガス問題を含めて、規制している自治体が多いわけであります。今度法律ができますと、法律は、それよりも、いろいろな点で甘い規制しかしていない状態が方々にあるわけです。そういうような場合には、法律によって、条例として、法律のところまで下げるということは退歩になりますので、そういうことのないように、すなわち法の三条並びに二十条、こういうような規制より、もっとりっぱな条例のあるところには、その条例の精神を生かして指導すべきであろう、こういうように思うのです。この点は、やはり私の考えは正しいと思うのですが、次官、そうでしょう。
  77. 五十嵐義明

    五十嵐政府委員 ただいままでの段階で、地方公共団体が条例によりまして、煤煙の防止等、公害問題を取り上げておりますことは御指摘通りでございます。この法律の施行によりまして、その部分に直接関連いたりますところは、もちろんこの法律によることになるわけでございますが、なお県あるいは市の特殊事情等から、条例をさらに有効にし、あるいは制定していくという道も、もちろん残されておるわけでございます。そういった趣旨で、全体の防止が後退しないように強力に指導する等、万全を期して参りたいと考えておるわけでございます。
  78. 島本虎三

    島本委員 部市行政と煤煙問題は密接不可分なものです。今回のこの法律を実施するためには、いろいろな条件がございますけれども、指定都市等においては、煤煙防止行政については、市民の協力を得て、その自治体自身が組織的にこれを進めてきた例が多いわけです。従って、今度法律を実施するためには、それらの自治体のいろいろな協力によって効果を上げていかなければならないことは、御承知通りであると思うのです。従って、これらの実績を持って、おるところの関係市の行政を新しい行政の一環として組み入れる、そして行政の効果を上げていく、こういうような点は上分考えて進めなければならないと思いますが、その点の考慮は万全ですか。
  79. 五十嵐義明

    五十嵐政府委員 地方公共団体、特に一部の非常に有力な市におきまして、従来とも煤煙防止等、公害問題につきまして種々対策を練り、大きな成果を上げておりますことは、御指摘通りでございます。私どもこの法律の立案にあたりました経過におきましても、そういった問題につきましていろいろ論議いたしました結果、法律の体系といたしましては、広域行政の立場から都道府県知事にその責任を持ってもらいまして、全般の運用を、知事を主とした運用という建前にいたしておるわけでございます。もちろん地方の実情を決して無視するわけではございません。地方自治法の規定にもございますように、その権限の委譲というような道も開かれておるわけでございます。それぞれの地区に即しましたように、従来の能率をさらに効果的に活用して参りますように指導いたしまして施行の万全を期して参りたい、このように考えております。
  80. 島本虎三

    島本委員 それならば、どうして大気汚染防止法としなかったのですか。
  81. 五十嵐義明

    五十嵐政府委員 人気汚染につきましては、いろいろな内容があるわけでございます。この法律の案の内容におきましては、必ずしもその全部を包含しているわけではないわけでございまして、先ほども御指摘のように、あるいは自動車の排気ガスとかあるいは家庭煤煙問題とか、これから除かれておる部分があるわけでございます。従いまして、この法律の内容にふさわしい名前を考えまして、煤煙という名称をつけたような次第でございます。
  82. 島本虎三

    島本委員 公衆衛生の見地からの危険防止が目的の第一、それから生活環境の保全と産業の健全なる発展の調和が目的の第二であります。そういうような状態だとすると、当然物の被害についての補償もこの中にはっきり入れて考えるべきじゃないかと思うのですが、被害に対しては全然触れていませんが、これはどういうわけですか。
  83. 五十嵐義明

    五十嵐政府委員 煤煙等の影響が、農作物あるいは家畜、そういった先生のおっしゃる物の面にいろいろあるということは、私どもも承知いたしておるわけでございます。こういったものに対する影響は、比較的明確に、端的に現われるものでございまして、これを規制して参ります上には、排出基準等についてさらに変わった形でこれを規前せざるを得ないというような問題もございまして、この点は、人間の健康の保持ということを対象にしたこの法律とは一応別の立場で考えたわけでございます。しかしながら、物の面の被害ということもございますので、この法律では、和解の仲介等の対象としては、もちろん物の面も含めて考えておるわけでございます。また、人間の健康を保持するという建前からの規制によりまして、物に対する被害というものを大部分カバーしていけるんじゃないかというような考え方も持っておるわけでございます。
  84. 島本虎三

    島本委員 これは大事な二点なんですが、そういうような点をあえて除いたということは、これは初めから自信がなかったので、こういうようにしたんじゃないかとちょっと思ったのですが、これはそういうような結果があったならば、民事上の訴訟でやりなさいということなんでしょう。おそらくそうだと思う。まあそれだったらこの中に入れないから、起きたならば訴訟関係でこれは解決しなさい、こういうふうにあなたの方は第一条で逃げている。これはなかなかずるい。しかし、第二条へいってみると、もっともっとおかしい点がだんだん出てくる。やはり排気ガス点等については、有害物質の中に入れてただ単に規制するのではなくて、これを抜き出してでも一つ根本的に規制を考えるべきじゃないかと思うのですが、この通りにしておいて、今次官答弁されたような強力なる排気ガスに対する規制が加えられるかどうか。これは法の体系から見て少し甘いのじゃないかと思うのですが、今言ったようなことを十分生かしてもらわないといけないと思うのです。  次に、北海道の場合には、特に排気ガスと同じような意味で、一年のうちに六カ月ぐらいは冬ですから、従って、煤煙におおわれておって被得が意外に多いのです。これは私がいうまでもなく、知っておられる通りです。そういうような場合には、これは煤煙の発生施設の中に当然暖房用のボイラー施設等も入れて補助し、指導し、規制するのでなければ、これは作っても、部分的に工業地帯だけであって、実際的に被害を受けている寒地のこういう都会には何ら及ばないおそれがあるのではないかと思うのです。この点、考えておられますか。
  85. 五十嵐義明

    五十嵐政府委員 家庭用の暖房が煤煙による汚染の上でどの程度の割合を占めておるかということは、御指摘のように、北海道札幌などのように非常に家庭暖房の多いところと、また南の方の暖かいところでは、もちろん事情が違うわけでございます。私ども外国における例等と比べまして、全国的に大所廟所から見ましたところでは、煤煙による影響の中で家庭暖房の煤煙の占める割合が比較的少ないというような見地から、この法律案におきましては、工場、事業場等の事業に伴い発生する煤煙規制ということに問題を整理いたしまして規制をする方向をとったわけでございますが、しかしながら、先ほども条例に関しまして御質問がございましたように、札幌等の特殊事情によりましては、またその土地柄にふさわしい条例等の規制によりまして、この問題を処理していくということも考えられると思います。
  86. 島本虎三

    島本委員 特にこれは考えて措置する問題の第一番として、提起しておきたいと思います。ことに今言ったのは、個々のうちの煙突ではないのです。官庁、会社、事業体のそういうようないろいろと発する煙と同じに、その暖房のための施設から煤煙が出る、その暖房用の煤煙、それなんです。こういうのは一つの事業体ですから、当然これは規制を受けてしかるべきなんです。こういうことは将来考えるじゃ、少しとろくないですか。
  87. 五十嵐義明

    五十嵐政府委員 まことに申しわけございません。私、御質問の趣旨を取り違えまして、札幌の家庭暖房のことをお答え申し上げたわけでございますが、ただいま御指摘のように、ビルの大きな暖房から出て参ります煤煙等につきましては、事業場の煤煙としてこの規制の対象になっておりますことをつけ加えておきます。
  88. 島本虎三

    島本委員 ついでですから、もう一つ。今家庭用暖房の煙は煙と認めない、こういうように言っておられるのですけれども、その家庭用の暖房でも、特殊地帯では家庭用のストーブの煙でも、大気汚染の重大な一つの要素になる。これは条例等において関係の市ではそれぞれ煤煙の防止をして、技術的に無煙炭をくべるとか、完全燃焼のストーブを奨励するとかいうことで、モデル地区まで作って指導しているところがあるわけです。こういうような面とあわせてこの法律を実施していけば、りっぱな効果が上がるのではないかと思うわけです。従って、こういうようなことを実施している寒冷地帯の、たとえば札幌市のような条例を制定し、これを行なわんとするようなところは、この法律の中できめるべき点はきめ、なお指定すべき点は指定してやって、家庭用暖房の取り締まりだけではなしに、指導の面も入れて、回収に対する費用の補助だとか、または貸付でございますとか、ビルの暖房施設に対しては、施設の中に入れて考えるとか、いろいろこういうようにしてやっていくことが、ほんとう意味の大気汚染を防止する一つ指導になるのです。そこを初めから、全然小さい煙は考えないのだということでは、これは怠慢です。寒地の事情に適したやり方ではないと思います。この点を十分考えてやっていただきたいと思いますが、いかがですか。
  89. 五十嵐義明

    五十嵐政府委員 今回の規制段階は、先ほど申し上げましたような問題を整理して取りしげたわけでございます。  なお、札幌地方の家庭用の暖房につきましては、地区的な特殊事情というような問題もございますので、こういうような点も加味して検討させていただきたいと思います。
  90. 島本虎三

    島本委員 十分検討してもらいますが、肥料会社とか、臭気に対するいろいろな基準を特定有害物質の中に入れてお考えになっておりますか、まだですか。
  91. 五十嵐義明

    五十嵐政府委員 臭気の問題につきましては、これは臭気そのものとして、これをこの法律の中で取り上げるかどうかということは、端的に申し上げますと、取り上げていないということでございます。臭気の取り扱いというものは非常にむずかしい問題でございまして、その測定あるいは限度の決定等につきましても、学問的にいろいろ問題があるようでございます。ただ逆に申しますと、特定有害物質の中で健康上いろいろな障害があり、なおかつ悪臭のあるというようなものもございます。そういった範囲におきましては、この法律案規制の対象になっておるというふうに申し上げ得るかと思います。
  92. 島本虎三

    島本委員 一つ具体的な例を申し上げますが、最近いろいろと企業体が進んできて、肥料を作る前に飼料を作って、その残渣をもう一回精製して肥料にするというようなことをやっているところが方々にございますが、風の回りによって、町全体、市全体がにおいのためにどうにもできなくなるような現状があるのです。これを考えないとだめなんです。それから九州の一端には、やはりこういうような大会社がございますが、その町の半分くらいは、そこへ入るとわれわれしろうとが行ってもにおいがする。こういうようなのも、いろいろ経済的な関係があるので、住民は一言も言えない段階になっている。こういうようなことに対しては、ただ単にやめろというのではなくて、においを与えても不快感を与えないように、それから同時に、そういうようなものを出さないような施設の補助をやる、こういうようなことは通産省と連絡して、もう少し完全にやるような措置をしてもらわぬと困ると思うのですが、これは研究の間にも入れてもらって、対策を十分考えて進めていただかなければならないと思うのですが、これをやらないのですか。
  93. 五十嵐義明

    五十嵐政府委員 ただいま御指摘になりました肥料の関係悪臭でございますが、これはある部分では、私どもの所管しておりますへい獣処理等に関する法律の中で一部規制をいたしておるものもあるわけでございます。また、ただいま御指摘になりましたような町ぐるみ悪臭がただようというようなものにつきましては、おそらく工場の生産過程等におきまして、いろいろな有害ガスが発生しておるというようなことも考えられるわけでございまして、この法律の運用の面でそういった面も考えて参りたいと存じます。なお、今後とも悪臭問題につきましてはさらに科学的な検討を進めまして、その根源を除くように努力をして参りたいと思います。
  94. 島本虎三

    島本委員 根源を除くまでの間には、施設や何かも十分考えたり行政指導もしていく、こういうふうにしないとだめです。  第四条の「指定地域の指定」というのは、まことに重要なところですけれども、これは家庭煤煙のようなものでも特殊地帯の場合はあらためて考える、それでいいですから、あらためて札幌のようなところは考えていきたい、こういうようなことですから、これは一つ抜きましょう。  第五条の「排出基準設定」、これは地域ごとに、種類ごとに、実情によって差をつけ得ることになっております。もしこういうような設定があると、これはうまくやるとまことにりっぱな法律にもなり、これがまた運用を誤ると無用の長物にもなるおそれのあるところなんです。その実情の重点というものはどこに置いてあるのですか。差をつけるというのは、どういう差をつけて実施するのですか。この第五条の排出基準設定について御答弁願います。
  95. 五十嵐義明

    五十嵐政府委員 第五条の「排出基準設定」につきましては、第二条の定義に示されておりますように、煤煙の濃度の許容限度をきめるという考え方でおるわけでございます。重点をどこに置くかという御質問でございますが、考え方といたしましては、推定されました地区によりまして、その環境の汚染の度合いが非常に激しいところと、汚染は相当あるが、非常に激しいところとはやや差があるというようなところも出て参ろうかと思うのでございまして、その指定された地区によりまして、その中にあります発生施設について若干の基準の差が設けられるということは、一つの考え方として成り立つわけでございます。さらに発生基準につきましては、それを発生いたします炉の種類によりまして非常に多量に発生するものとしからざるものとがございますので、それによりまして機械の種類ごとに若干の差を設けるということも考えられるわけでございます。
  96. 島本虎三

    島本委員 どうも、考えられるのじゃなくて、差をつけることは必要なことであるけれども、実施によって無用の長物にもなるおそれがあるということです。今言ったような点は、私は不敏にしてよく説明の内容をくみ取れない。これをすると、中小企業と大企業との間で施設で差をつけるということですか、それとも差をつけないということですか。施設を重点にしてやるということなんですか。地域的な種類ごとの差はつけるのですか、つけないのですか。どうもこの点私よくわかりませんが、水準は高く置くということは必要なんですけれども、こういうような点であまり高く置き過ぎると、中小企業は困るだろう。そういうようなことになりますと、いろいろ困ることでもあり、困らないことでもあるから、そこの重点はどこだと聞いているのですよ。
  97. 五十嵐義明

    五十嵐政府委員 私ども環境衛生からの立場では、もちろん煤煉はゼロであることが望ましいわけでございますが、この立法の趣旨にございますように、これは単なる健康上の問題の要請ということだけでは成り立たないわけでございます。従いまして、産業の健全な育成との調和という点から、ある地区におきます煤煙規制の限度というものは、ある点で出てくるということが考えられるわけでございます。従いまして、できるだけ少なくしたいという考え方は基本にあるわけでございますけれども、煤煙による汚染が非常に激しいところと、汚染はかなりあるけれども、比較的激しくないというところとでは、おのずとそこにあります発生施設についてかわったものさしが当てられるということが考えられるわけであります。  もう一つ具体的に申し上げますと、ボイラーとかあるいは平炉とか、セメント・キルンというような、そういった炉の種類によりまして煤煙の発生の量がそれぞれ違うわけでございます。それにつきましても、炉の種類ごとに、その地区におきまして産業の健全な育成とも調和できる範囲で、できるだけ煤煙影響を少なくするという基準をきめたい、そういう点で施設の種類ごとに違ったものさしが考えられるということを申し上げたわけであります。
  98. 島本虎三

    島本委員 第七条関係では、大気汚染の状況の監視をきめてあります。この大気汚染の場合には特にそうなわけですが、行政区画と関係なしに発生するわけです。そうなると、一地方団体だけで単独に規制しても、有効でない場合も往々にしてあるわけです。従って、国が指定区域を定めて規制基本原則を定める、しかし、個々の行政については、内容、実態に最も適した組織でやっていけばよろしい、こういうようなことになるのではないか。この実態というような考え方をどこに置くかということは、やはり相当問題になる。水の場合は、今言ったように、国が抱いて国が自分で実施していくわけでありますから、関係庁の窓口が広過ぎて、実施官庁でない企画庁あたりが窓口になっておる。そうしてやっておるのはどういうことか。いまだに具体的なものは一つも出ておらない。石狩川ではヤツメウナギが住めなくなる、こういうような状態です。今度のものは、国が基本をきめて、この方は地方自治体にやらせる、都道府県にやらせるということが、歩前進だ。都道府県の方でも、知事が直接出先機関を持っている場合ならそれにやらした方が効果的だけれども、出先機関なしに有効な処置はできないのではないか。何か新しい機関をこれからまた作るということでもあるまい。ただそういうような場合には、保健所等が現在配置されておりますから、こういうような保健所等の活用も考えたらどうなんだろうか、こういうような点を考えていますか。これはいかがです。
  99. 五十嵐義明

    五十嵐政府委員 都道府県知事がこの法律の施行に当たります場合に、どういつだ手足を使ってこれを運営していくかということであります。環境衛生関係の面では、それぞれ衛生主管部局が地方庁にありまして、その部局の職員あるいはその出先機関を使って、この施行に当たるということでございます。具体的には、環境衛生の主管課に環境衛生監視員等の職員がおります。また、地方衛生研究所では、煤煙その他の問題研究員を雇っております。また、保健所にも環境衛生を主管する課がございます。また、そこに監視員もおるわけであります。そういった出先機関あるいは職員を使いまして、この法律の施行に当たらせるという所存であります。
  100. 島本虎三

    島本委員 そうすると、出先機関というのは、保健所なんかは現在考えておらないわけですか。たとえば、衛生試験所とか具体的なものを持っておる機関は、たとえば政令市は保健所を持っております。それは二、三十あると思います。衛生試験所を持っておるこのような関係市もあると思います。もちろんこれは都道府県は持っているでしょう。そういうような点や、どこが一番監視しやすいかということを考える場合には、職員が現在やっている仕事と合わせて、これを十分行なえるような態勢であれば一番いいということです。それなら保健所と衛生試験所があるだけではないか、それ以外に何があるのだ、こういうことになるのじゃないですか。だから、こういうようなことをやるとすると、当然関係市の市長を実施機関に加えた方がやりいいという結果になるのじゃないか。これを無視して中間機関である都道府県都道府県は中間自治体で、市町村が完全自治体だが、こういう中間自治体に権限を与えて、これで十分やっていけるか。手足のある完全自治体の方を一緒にやらした方が実効が上がるのじゃないか、こういうようなことですね。国だけやってしまうと、さっきの水みたいに抱きかかえて何もやれない。今度都道府県の方へおろしたということは進歩だけれども、依然として都道府県の性格は中間自治体だ。完全自治体は市町村だ。市町村の方では機関を持っている。現にやっている。これを手足にした方が実効が上がりませんかというのです。どうなんですか。
  101. 五十嵐義明

    五十嵐政府委員 この法律の施行の建前から、私どもはこれを広域行政という趣旨で、都道府県知事にその責任を持ってもらってこれを運営するということが、建前上一番適切であろうと考えたわけでございます。しかしながら、先生も御指摘になりましたように、その出先機関として何を使うかという問題で、当然地方衛生研究所、あるいは本庁の職員、あるいは保健所の職員というようなものが問題になってくるわけであります。私どもは、全国的に汚染状況の激しい地区を一応想定いたしまして、その地区における都道府県知事が必ずしもこの法律の施行が不可能とは考えておりませんが、しかし、今までのいろいろな実情から見まして、市のとって参りました実績あるいは熱意、成果というものも十分認められるわけでありまして、そういう意味で、市と県とが協力して能率を上げていくということが考えられるわけであります。そういう意味で、建前としては都道府県知事の責任ということでございますが、地方自治法の規定にもありますように、その事務の一部を委任する等の処置をとりまして、円満な運営に資して参ったらさらに効果が上がるというふうに考えております。
  102. 島本虎三

    島本委員 それではもう一つ、広域行政を建前にしてこれを実施していきたいから、都道府県を実施機関にするのだと言われる。宇部と尼崎、ここは外国のどの国よりも煤煙排出量がよけい出、これによる大気汚染の被害も多い。宇部なんかに至っては、動物園にいるサルが——サルには鼻に毛がないそうじゃありませんか、ところが宇部のサルには鼻に毛がはえている。これはサル自身が煤煙ばかり吸っているものですから、自己防衛のために毛が伸びてしまって、それから宇部を中心にしての子供たちは、小さくても鼻毛だけが長いのだそうです。これもやはり煤煙による被害から自分の健康を保持するために、自然とそういうような作用が人間のからだに行なわれるわけです。こういうような施設を完全にしないと、今後は上を向いて歩くどころか、鼻毛を伸ばして歩かないとだめだということになる。こういうような行政というものは、もっともっと考えてやらぬとだめだ。サルくらいならまだいいだろうけれども、やはり子供に及んでいますから、これを行政上完全にやらせるようにしていかないとだめだ。広域行政を建前とするのは、まず今のようにして完全にやれる建前ならよろしい。そこにやっておいて、地方自治法の百五十三条か何かによって、必要な市に対しては実権を同時に与えて、これによって完全自治体と中間自治体と一致して行政の実をあげることが一番いいんじゃないかと思うのです。こういうような実例があるからどうだと言っておるのです。私どもの方でも十分調査してあるのです。この点、やはり中間自治体の方が完全ですか。
  103. 五十嵐義明

    五十嵐政府委員 宇部、尼崎を例にあげての御質問でございますが、御承知のように、尼崎は保健所法による政令市でございまして、これは直接保健所を持っております。宇部は保健所法による政令市ではございませんので、保健所は、山口県が宇部に保健所を置いておるという事情でございます。私どもは、先ほど申し上げておりますように、県知事が広域的な立場からこの法律の運営に当たりまして、ただいま御指摘のような例につきましては、先生のおっしゃるように、その地区の特色を生かした運営をはかって参るというのが適切じゃないかと考えております。
  104. 島本虎三

    島本委員 そうすると、必要な自治体に対しては、地方自治法百五十三条の事務委任を行なって、これによって実際事務をやらせることによって都道府県並びに市町村との関係をつけ、完全な行政の実施をさせる、こういうような意味ですか。
  105. 五十嵐義明

    五十嵐政府委員 地方自治法にそういう道が開かれておりますので、地方の実情に即しましたようにそれを活用して、運用して参りたい。そのことのためには、地方の実情に沿うように、能率の上がっていくように運用をして参りたい、こう考えておるわけであります。
  106. 島本虎三

    島本委員 まあそこが一等大事なところの一点です。  一番最後に、もう一回念を押しますから、それを忘れないようにして下さい。十一条に「計画変更命令等」の場合もある。中小企業の場合なんかは、この財源措置を考えない、金融措置を考えない、そればかりやっておっても、往々に、して命令だけが発せられても守られないというような実態が生じますので、この場合の金融措置並びにいろいろな補助関係も考えられて、この法律をお作りになっておられますか。十一条の計画変更命令は、これはそういうような財政措置の点を考えられてあるのかないのか。
  107. 五十嵐義明

    五十嵐政府委員 これはあるいは通産省からお答えをする方がより適切かとも存じますが、私どもも両省の間で十分検討いたしまして、減税措置、融資その他融資返済の場合の期間の延長等、私どもで考えられます措置は、できるだけこれを織り込むように措置したつもりでおります。
  108. 島本虎三

    島本委員 大体そうすると、せっかくできた「実施の制限」の十二条があるのですが、十二条によって、事前指導のための届出から二カ月工事に着手できない、ただし、内容が相当と認めるとき、その他必要があると認めるときは、これは期間を短縮できることになっておる。これは確かに十二条の実施の制限はいいと思う。これはやらなければだめですよ。ただし書きがついたことによって、有名無実になってしまっておるのじゃないでしょうか。全部ただし書きによって実施されたら、この十二条の実施の制限はパーになってしまいますよ。これはどういうような考えですか。
  109. 五十嵐義明

    五十嵐政府委員 十二条の第二項に関するお尋ねでございますが、届出が受理されましてから六十日間というのは、これを受理いたしました知事の側でその内容を検討する期間の最大限をきめたわけでございまして、その基間内にこの内容が適当であると認めた場合には、ことさらに六十日の期間を置く必要がないわけでございまして、その内容が適当であれば、より早く処理をするという考え方でこの規定が置かれたわけでございます。
  110. 島本虎三

    島本委員 それから濃度測定の義務を企業体に与えておるのであります。濃度測定の義務は、自発的に行なわなければならないようになっております。これはやはり厳密な測定は、法の建前上望ましいことは当然です。現在のところ企業体には一律にこの義務を課するのか、企業の大小または量によって、これをそれぞれ煤煙濃度の測定の点で考えるのか、ここは少しデリケートなところだと思いますが、これはどういうような考え方によって煤煙濃度の測定の十七条を設定したのであるか、具体的に少し詳しく説明願います。
  111. 五十嵐義明

    五十嵐政府委員 煤煙の濃度を測定する義務を課する、またその結果の記録を求めるという点では、これは大企業につきましても、あるいは中小企業につきましても、この法律規制を受けます限りはその義務の点では同一でございます。ただ運用上、非常に大きな業務を動かす大企業と比較的小さな業務を動かします中小企業との間に、同じような機械で同じような精密度でこれを要求することはいかがと存ぜられますので、その運用の部面では、機械、方法等につきまして、弾力的な考え方を織り込んで運用して参りたいというふうに考えております。
  112. 島本虎三

    島本委員 時間ですから、まあこの問題はそれでいいです。そうすると、煤煙の発生施設事故の措置の点で、応急事故措置と復旧工事を行なわしめる場合の必要な費用、こういうようなことについては、やはり政府ではめんどうを見るのだという建前で、この十九条を設定されたのですか。
  113. 五十嵐義明

    五十嵐政府委員 この点につきましては、一応事業者の負担と考えております。
  114. 島本虎三

    島本委員 そうすると、この措置を命令されたようなところで、これに応じられないようなこともやはり考えなくてはならない。そういうような場合にも、煤煙の濃度の測定だとか、煤煙の発生施設事故時の措置だとか、こういうものを法によって厳正に規律する、受けて十分措置のできる大企業ならよろしいが、中小企業の場合のあることを考えて、この復旧工事の費用についても、自己負担を、中小企業の場合には特に政府の方では補助してやるというところまで考えられぬものですか、この点をもう一回お答え願います。
  115. 五十嵐義明

    五十嵐政府委員 新しく煤煙発生施設を設け、これを処理していくというような場合と違いまして、すでに運営しております施設について事故が起きたという場合は、考え方としては、新しく設ける場合あるいは改造する場合ということと条件が違っておるかと存ずるわけでございます。しかし、費用の面で負担がかかって参るということは、あらかじめ期待しておるといなとにかかわらず、問題があるわけでございます。この点につきましては、この法律による特別の措置ということとは離れまして、一般の金融措置等、中小企業育成の一般的な対策の一環として十分処理をいたして参りたいと思います。
  116. 島本虎三

    島本委員 その点では、もう少し中小企業を中心にして実のあるような指導がほしいところです。  この特定有害物質に関する事故時の措置のうちで、応急の措置を講じ、かつ、その事故をすみやかに復旧するように努めなければならない義務があること、もう一つは、この際知事が勧告できることになっておるが、これは行政庁としては強い指導もあわせてしなければならないわけです。そういうようなことをあわせ考えますと、この問題についてはもう少し考えてもいいのじゃないか、これが私自身としては聞きたいところなんです。もし企業が大きくて、能力が十分あってもこれに応じない場合を仮定するならば、これに反したものに対しての罰則は何かあるのですか、ないのですか。
  117. 五十嵐義明

    五十嵐政府委員 三十条の勧告に関しましては、罰則の適用はございません。
  118. 島本虎三

    島本委員 名目監督、実質しり抜けになるおそれはありませんか。
  119. 五十嵐義明

    五十嵐政府委員 この法律の規定の上では、勧告に対して罰則の適用というようなことで臨まなかったわけでございます。特定有害物質規制そのものにつきまして、いろいろと技術的な問題もございます。この段階におきましては、監督あるいは勧告を基礎にいたしました強力な指導というもので、当面この問題の処理に当たって参りたいというふうに考えておるわけでございます。
  120. 島本虎三

    島本委員 緊急時における都道府県知事の措置、この問題日本にはあまり例がないようですが、諸外国には多いようです。これはロンドンでは深い霧が五日間も続いて、四千人ですか死亡した例もあるし、ベルギーでは三十名、アメリカでも三十名くらいの例があったようです。弱い人、老人や乳児の問題としては、スモッグの対策は十分考えておかないと、今後の場合にも困るのじゃないかと思うのです。そういうのが発生した場合に、急性疾患で病院へかけ込む者の医療費はどうなるか、それからその場合に、もし死んだり何かした場合にその補償についてはどうなるか、この二点をお知らせ願います。
  121. 五十嵐義明

    五十嵐政府委員 緊急事態につきましては、御指摘のように諸外国にもいろいろな例があるわけでございます。それに基づきまして、死亡したあるいは医療を受ける必要が出たという場合には、その起きました事故とその原因との関係をもちろん科学的に究明いたさなければならないわけでございますが、その原因が特定の施設あるいは機関等にあります場合には、そのものとの間に和解の仲介あるいは民事を通じまして賠償の問題が出てくるわけでございます。一般的には、社会保障の一環としてその処理が行なわれるというふうに考えられるわけでございます。
  122. 島本虎三

    島本委員 その場合には責任なしということになるわけですね。
  123. 五十嵐義明

    五十嵐政府委員 その直接の原因の究明につきましては、非常にむずかしい場合が多々あるかと想像されるわけでございます。
  124. 島本虎三

    島本委員 その場合には、国家が行なう当然の義務を怠ったということで、国家の損害補償の対象になり得るのじゃないかと思うのですが、どうですか。
  125. 五十嵐義明

    五十嵐政府委員 私どもはそのような事態の起こりませんようにこの条文を規定いたしまして、それを防除したいという考え方でございます。しかし、御指摘のような点につきましては、具体的な事例として個々に検討いたさなければならないかと存ずるわけでございます。
  126. 島本虎三

    島本委員 そうすると、具体的な問題として個々でやるならば、民事訴訟によってでもやってきたならば、そのときの事態によって考える。何でもかんでも、この法律は文句があったら訴訟を起こせというような法律のようですが、特にこの点のてこ入れ、規制というようなものは、国並びに自治体の方で明確にされていないうらみがある。これでいいものでしょうか。ことに、これは起こさないためにやっても、起きてしまった以上、起こさないための対策が不備だったということで、責任は国にあるということに当然なるのじゃないかとわれわれは思う。その場合は知りませんよでいいものでしょうか、次官。今度は次官にお伺いしたい。
  127. 森田重次郎

    森田政府委員 問題としては、民事でいくべきか、あるいは国家責任でいくべきかという点は、相当多くの法律問題を含んでいると思います。この点は十分検討いたしたいと思います。
  128. 島本虎三

    島本委員 では、これ以上無理でしょう。和解の仲介の項がずっとありますが、この和解の仲介というものは、事件を大きくしないで、知事の責任で解決して泣き寝入りさせるための機関ですか。
  129. 五十嵐義明

    五十嵐政府委員 和解の仲介につきましては、他にも、水質汚濁防止の関係法律にも例がございますように、これは決して先生の御指摘のようなことをねらっているわけではございません。煤煙防止の関係で起こって参りますこの影響等につきましては、多数の施設から多数の人間へというような場合が多いわけでございまして、民事の処理でもなかなか簡単に参らない事例が多いわけでございます。そういうことを考えまして、知事が適切な仲介員を置きまして、科学的な調査に基づきました適切な処理を手早くして参りたいという考え方からこの制度を置いたわけでございます。
  130. 島本虎三

    島本委員 それでは交通の方を先にいたしますが、交通の方の人、来ておりますか。——これは特にお聞きしますが、今大気汚染の中でも有害な排気ガス等については研究中であって何ら対策は出ない、対策は急いで立てます、こういうようなことになっておりますが、今厚生省並びに通産省の方で急いで研究中です。ところが、急いでも急がないでも、現に直接仕事上受けでいるのが交通整理巡査だ。車は全部右側の方に排気するようになっていますから、まん中にいると両方から受ける。しかしながら、大気汚染の表示というものが、現在具体的になされておるのかおらないのか。おるとすれば、それによってそういう被害が起きないようにすべきなんですが、研究調査厚生省政府の方でやっておる間に、あなたの部下は交通整理をやって、直接悪影響を受けながら肺なんかを侵されている例があるでしょう。こういう点について十分調査して、職業病のおそれがあるのじゃないかとも思うし、これはやはり労働衛生上の盲点ではないかとも思うわけですが、これに対して具体的に、交通整理巡査に対しての健康保持上の研究指導をされておりますか。
  131. 富永誠美

    ○富永政府委員 排気ガスによる交通警察官の影響でございます。交通警察官は、交通整理の警察官と白バイなどの交通専務員とございますが、仕事が非常に激務でございまして、それによる疾病上の統計も非常に関心を持って見ております。しからば、具体的にその部分の原因が排気ガスによるものかどうかというふうな点につきましては、今手元に具体的な資料をちょっと準備いたしておりません。しかしながら、私どもとしましても、いわゆる自動車の出す排気ガス、それにはガソリン車もございましょうし、ディーゼル車もございますが、これは何とかしなければならぬということは、自動車そのものの排気ガスとしても関心を持っておるわけでございます。一応法文で申し上げますと、道路運送車両の保安基準、三十一条第一項「自動車は、走行中ばい煙悪臭のあるガス又は有害なガスを多量に発散しないものでなければならない。」とありますし、道交法の旧法の施行令十七条三項では「多量の煙、ガス、油又は燃料のかすを放出しながら」運転しないというのがございますが、新法でこれが抜けております。いろいろこれはいかぬというふうに検討いたしておりますが、新しい法律で直ちにそれを抑えるというのが、ちょっとなかなか法文の上でむずかしいのではないかという点で、私どもも苦慮いたしておるような状況でございます。
  132. 島本虎三

    島本委員 現にそういうような交通整理に当たっている巡査に、排気ガスによる悪影響が完全にあるというような事態に対して、これはもう法規上のことじゃなくて、この実態、からだの面において十分調査研究して、健康を保持するためのいろいろな措置をしていますか。
  133. 富永誠美

    ○富永政府委員 交通専務員のうちの白バイの乗務員につきましては、待遇完備の上から非常に注意してやっておりますし、それから交通整理の警察官は、警察官全般に対する健康管理として、絶えず定期的な身体検査なりをずっとやっております。今御質問のそういった意味排気ガスによりまする疾病につきましても、十分注意してやっておるような状況でございます。
  134. 島本虎三

    島本委員 十分に注意してやっているといったって、注意してやっていなかったらだめなんですよ。だから、具体的にやっているかどうかということを言ってているのです。では私の方から言いましょう。その人たちは頭が痛い、こういうふうにいって、休まして下さいと言ったら休ましていますか。これは具体的にいったら、頭が痛くても休ましてもらっていないのです。具体的に倒れなければ、その影響があるということで休暇もとれない、こういうような状態じゃだめだというので——これはこの際は巡査に味方します。労働者ですから警官のためには味方しますから、そういう意味であなたも遠慮しないで答弁してもらいたいのですが、交通整理の巡査といえども人間である以上、人権を無視してはいけないわけですよ。これは庁内でもっと研究しておかなければだめなんです。厚生省だってないでしょう、通産省だってないでしょう、受けているのはあなたの部下ですよ。それに対して何にもないなんということはだめなんです。もう少し熱心にやっておかないと、全く私としては、今の答弁くらいじゃ困るのですよ。あなた、さっぱり部下に対して熱意がないんじゃないでしょうか、ありますか。
  135. 富永誠美

    ○富永政府委員 おしかりを受けまして……。私どもとしましても、一般的に先ほど申し上げましたように、勤務が非常に過労なためと、もう一つは、お話のように人が非常に少ないために、そういった現象が起きていると思いますので、御指摘の点は十分よく承りまして、これはもううそでもございません、一生懸命やらさしていただきます。
  136. 島本虎三

    島本委員 そうして、そういうような病気が具体的に発生してくるような状態があった場合には、それは職業病のおそれがあるかどうかも十分調査いたしまして、それを厚生省、労働省とよく連絡して、身体を健全に保ちながら交通整理の能力を大いに上げて下さい。そういうようなことを心から要望して、これで交通関係の質問は終わります。  さて次の方に移ります。適用除外の問題があるのですが、電気事業法の設備及びガス事業法の施設に対しては、電気、ガス事業法によって適用除外することになっているのです。これはやはり除外しないで、これも対等に規制するのが正しいのじゃないかと思うのですが、どういうふうなわけでこれを適用除外しなければならないのか、また適用を除外したがために、今後この規制がゆるむというようなおそれは万々ございますまいか。
  137. 佐橋滋

    ○佐橋政府委員 御指摘の点でございますが、電気に関しましては旧電気事業法、ガスにつきましてはガス事業法がございまして、これによりますと、施設自体の保安ばかりでなく、第三者に及ぼす影響につきましてもこの防止の点から規制ができることになっておりまして、従来その線に沿って十分に監督をいたしておりますが、ただこの旧電気事業法あるいはガス事業法では、この法律で規定しておりますような広範な大気汚染というような点の考慮が欠けておりますので、いわゆる排出基準設定だとか、そういうような点につきましてはこの法律の適用にかけ、いわゆる計画の変更だとか、届出だとかいう監督規定につきましては、従来の電気、ガスのそれぞれの法律で、本法で期待する程度のことは、あるいはそれ以上のことが十分にでき得ることになっておりますので、二法による競合の煩を避けまして、適用を除外したわけでございます。
  138. 島本虎三

    島本委員 旧電気事業法またはガス事業法の相当規定の定むるところによってこれをやれるというのは、相当の規定は整備してございますか、これによっても十分できるのですか、そのおそれがあるのかないのか。私はあるのじゃないかと思うのですけれども、この点、ないとすれば、例文をあげて、こういうふうになっているから必要ないということをはっきりして下さい。なければ当然手直しが必要だということになるのです。
  139. 宮本惇

    ○宮本説明員 お答え申し上げます。  今、佐橋局長が申し上げましたように、たとえば全般的に申し上げますと、届出というような場合にこちらの方は全部認可で、この法律よりも、今までもっと強い規制をやっているわけでございます。今、御指摘がございました適用除外になっております条項は、この法律によりますと、八条から九条、十条、十一条、十二条、十三条、十四条、十五条、十六条——十七条は適用除外になっておりません。それから十八条でございますが、第八条の設置の届出につきましては、電気事業法の施行規則の規定によりまして設置の認可になっております。それから住宅地は認可でございますので問題はございませんが、変更の届出、変更命令、その他すべて認可になっておりまして、むしろこの煤煙規制法より以上の強い監督をしておりますので、そういった点につきましては御心配はございません。ただ、この法律あとからできましたために、ないところは直ちに改正をいたしまして、全く御心配のないようにやっていけるつもりでおります。
  140. 島本虎三

    島本委員 心配ないということであればけっこうですが、監督そのものは通産省がやっておる。すると、連絡及び確認はどっちの方でやるのですか。
  141. 宮本惇

    ○宮本説明員 今まで実は、電気及びガスにつきましては、いわゆる公益事業として、長年にわたりまして通産省が通産局長を通じまして厳重にやっております。一応われわれの方でやりますが、都道府県知事その他とは十分御連絡を持ちながらやりますので、そういう点も一つも御心配要らないと思います。
  142. 島本虎三

    島本委員 結局、心配ないということは、この法できめられている排出基準は十分守られるものである、従って、心配はないのだ、こういうようなことに理解してよろしゅうございますか。
  143. 宮本惇

    ○宮本説明員 はい。
  144. 島本虎三

    島本委員 これは、そういたしますといよいよ最後の段階になって参りましたが、資金の全額が設置や改善、こっちの方面に対して援助するのでなければその成果は上げられないわけですが、国の援助として、この三十条できめられている煤煙の発生施設やその他の改善に要するいろいろな費用もございますけれども、中小企業の場合と大企業の場合、こういうように分けて、同じルートでこれは金融を指導されるのですか、別々に指導されるのですか、その金額の点については、必要な施設の全額を建前にしているのですか、一部を建前にしているのですか、その場合の利息等についてはどういうふうになっているのですか、これを一つ教えていただきたいと思います。
  145. 佐橋滋

    ○佐橋政府委員 大企業につきましては、開銀でそれに必要な融資ワクを設定していきたいと考えております。それから中小企業につきましては、中小企業振興資金助成法で資金ワクを確保いたしておりまして、との面で大体所要施設の半額は無利子で貸し付ける、それから残りの分につきましては中小企業金融公庫で、その方の金利は多分九分になると思います。
  146. 島本虎三

    島本委員 それは設置の場合も改善の場合も含みますか。
  147. 佐橋滋

    ○佐橋政府委員 御指摘のように、設置の場合も改善の場合も同様に考えております。
  148. 島本虎三

    島本委員 大企業の場合の開銀利用の場合は全額じゃないですか。これも半額ですか。
  149. 佐橋滋

    ○佐橋政府委員 大企業は、大体一般的にいいまして、この程度の社会的責任を負うのが当然だと考えておりますので、その施設については中小企業ほど潤沢には参らないかと思いますが、状況を勘案した上、そのうちの何割かを開銀で見るということになるわけであります。
  150. 島本虎三

    島本委員 心配なのはやはり中小企業であって、中小企業金融公庫ともう一つ何とかいう今おっしゃったような、そっちの方で半額ずつ、一方は無利子、一方は低利でこれを貸してやる、こういうような考えのようですが、これは、やはり国民の健康を守るために必要なこういう金融については、将来は国民年金の還元触資等の面でもこれを考えられるようにしてやった方がどうかとも思うのですが、こういうような点は全然手をつける意思はございませんか。
  151. 森田重次郎

    森田政府委員 この問題につきましては、十分検討をいたしまして善処したいと思っております。
  152. 島本虎三

    島本委員 それから同じ国の援助の中の期限が七年とある、これは十年ぐらい見てやるということは、もうみんなが渇望して待っておる期限の限度じゃないかと思うのです。これは、五年が七年になったことはいいのですが、やはり皆さんが将来ともに公害から健全な人体を守る、こういうような意味では、中小企業を含めた企業が、進んでこういうものが何も遠慮なしに作れるような、こういう施設を促進してやらなければならない。そのためには、七年といわないで、やはり十年ぐらいの返済期間をもって考えてやってもいいと思うのですが、この点、将来ともに検討する御用意はございませんか。
  153. 佐橋滋

    ○佐橋政府委員 御指摘のように、振興資金助成法は原則が五年でありまして、従来のこういった社会的な責任の問題に関連させまして、強制的に施設を命ずるというふうなものにつきましては、七年というのが最高限になっております。ただ先生が御指摘のように、今後につきましては、できるだけこの七年を十年というような線で努力して参りたいと考えております。
  154. 島本虎三

    島本委員 これは最後です。ちょうど二時にもなりましたから、本会議ですからこれで終わりますが、こういうような法律が四月十日に本会議で趣旨説明されて、それで初めて委員会審議に入ったわけです。四月十一日委員会説明をやって、きょう始めて、午後から連合審査にかかる、こういうような段階になって、この法律の成立ということは、やはり国民が、関係市町村を含めて、刮目して待っているところだろうと思うのです。この条文の最後ですけれども、この中に「研究の推進」というのがあるのです。これは今警察の方からも参りましたし、そのほかいろいろ来ておりましても、また佐藤通産大臣のいろいろな答弁をよく聞いておりましても、まだその方面の研究が不十分だという答弁のために、対策が進まない点がずいぶんあるわけです。この三十一条による技術的な研究の促進のほかに、この関係方面の人員の強化予算の確保と機関の整備、こういうものは、法律に活を入れるためにも、画龍点睛のためにもぜひ必要な一つのやり方なんです。この点だけは十分考えて実施させる決意を持っていなければ、この法律が死んでしまうと思う。これに対する高邁なる御所見を最後に承りたいと思います。
  155. 森田重次郎

    森田政府委員 私も、厚生省の方へ参りまして、いろいろの問題にぶつかるのでありますが、こういう研究の点につきましては、実はどうも非常にもの足らなさを感じているような次第でございまして、研究所等も具体的に私視察をいたして、非常な責任を感じているようなわけでございます。従いまして、過般の予算の際にも、特にその点を重視して、幾らかふやしてもらったという程度であったのでありますが、とてもそんな程度では満足できるものではございません。本法においてはこういう点を特に摘出して規定しておりますので、この点は厚生省の覚悟のあるところを一つ御了察願いたいと思います。皆様方の御鞭撻等を得まして、予算の確保等につきましても十全の努力を重ねたいと存じております。
  156. 島本虎三

    島本委員 終わります。
  157. 藤本捨助

    藤本委員長代理 暫時休憩いたします。    午後二時三分休憩      ————◇—————    午後五時二十一分開議
  158. 藤本捨助

    藤本委員長代理 休憩前に引き続き会議を開きます。  質疑を続行します。本島百合子君。
  159. 本島百合子

    ○本島委員 午前中から引き続いて、多少ダブる点もあるかと思いますが、できるだけ省きましてお尋ねしてみたい点を二、三点申し上げたいと思います。  御質問の中にもたびたび出ておるようでございますが、指定地域の問題でございます。指定地域の指定に関しては、先ほども御質問があったようですが、地方条例でできておるものがあるわけですが、ただ地方条例でどのくらいできておるのか、それからその条例のできておるところで今回、先ほど小林ちづさんの御質問に答えられて、こういう地方を指定しようと思っておるという御発言があったのをお聞きいたしたわけですが、そうすると、そういう指定しようと考えていらっしゃる地域に地方条例を持っているところが現にあるのかどうか、この点をお尋ねいたします。
  160. 五十嵐義明

    五十嵐政府委員 従来地方公共団体の条例によりまして煤煙等の問題について規制をいたしておりますのは六都府県一市でございまして、東京都、神奈川県、静岡県、新潟県、大阪府、福岡県、川崎市でございます。この中でさしあたって指定地域として検討される対象になりますのは、東京都、神奈川県、大阪府、川崎市等を考えております。
  161. 本島百合子

    ○本島委員 そういたしますと、地方条例のある地域でも適用外になるというところはできるわけですね。そうしてそういう場合においては地方条例はそのまま存置できるのか、自治法によっては大体できないと私は考えておったのですが、その点はいかがでしょうか。
  162. 五十嵐義明

    五十嵐政府委員 御指摘指定地域にならない地域、たとえば、先ほど私申し落としましたが、福岡も一応指定地域の検討の対象になると思いますが、ここであげました静岡とかあるいは新潟とかがかりに指定地域となりません場合には、その地域の条例は有効となっております。
  163. 本島百合子

    ○本島委員 今条例のあるところは有効だと言われて安堵いたしましたが、現に条例を持たないところでも、作ろうという気配もあるわけなんです。そういう場合は従前の法規上に照らして作ってもいいということですか。それとも今後は作らせない、この法律一本で指定地域になるまで待てということになさるのかどうか。
  164. 五十嵐義明

    五十嵐政府委員 指定地域外の地域におきまして条例を作ることは、それは可能でございます。
  165. 本島百合子

    ○本島委員 そこで私は一昨年でございましたでしょうか、たしか朝日新聞だったと思いますが、飛行機に乗せていただきましてスモッグの状況を視察させていただいたことがあるわけです。そのときにしみじみと感じたことは、そのときに主催をして下すった方のお話では、数年前ロンドンでは一週間以上スモッグが動かなくて、四千人近い——はっきりした数字は忘れましたが、死亡者が出たということから、非常に問題になったということを聞かされ、なおかつ上空に上がってみまして全くおそろしいと思うほど——雲か霧かなんというような美しい言葉を使っておったのが、実はこういう煙であったということがわかったわけなのですが、そういう場合にたとえばそれを盛んに出す地域、これはこの法律ができますればある程度の規制をされていくわけですけれども、全く工場地帯でないところにずっとかかってくる。そしてそのために先ほどから言われておるような病気等もある。一番いい例が、戦後横浜の高台にアメリカ人が住宅を持って、そしてえたいの知れないぜんそくに非常にかかったというので、名前がアメリカぜんそくとついたそうですか、そういうことにぶつかるわけです。こうした場合にはこの法律を適用して、何らかの賠償とか医療に対する補償とかいうことはどこにも見当たらないように思うわけですが、考えていられるのかいられないのか。
  166. 五十嵐義明

    五十嵐政府委員 ただいま先生の御指摘になりました事件そのものにつきましては、この法律では賠償の対象というような規制の道は開いていないわけでございます。ただそういった問題につきましては、広く和解の仲介という制度で処理する道が開かれておるわけでございます。
  167. 本島百合子

    ○本島委員 そこでその二十二条の和解の仲介というところで見て参りましても、私どもが今までに経験したことは、その地域でこの会社のものでやられた。たとえば東京都の場合で申しますと、北区で、紅がらを使ってワイシャツがまっかになる、洗濯したものが一日でだめになる、こういうことで問題が起こったわけです。あるいはまた下町の方でも工場地帯では、とにかくワイシャツが一日持たないということで、この工場から出たものによって自分たちの衣類がだめになったというような場合には、周囲の人たちがみな会社に押しかけて、損害賠償をとるということでやり合ったことがたびたびあるわけです。しかしその場合は何といいましょうか、お茶を濁すという程度で過ぎておって、今までこういう仲介の制度もなかったために、泣き寝入りがほとんどで、今日でも依然として続いているわけです。そういうふうにわかったところはいいが、わからない、何工場もでやられる場合が工場密集地帯には多いわけです。そうした場合には住民側からけんかをふっかける相手は、数会社にまたがるわけです。そうした際にこの仲介の制度ではどのように考えられるわけでありましょうか。都道府県知事におまかせになるそうですか、これはまかされた方も困難であろうと思うのです。ですからそういう意味合いでの基準というものは何かあるのかないのか、また何か政令とか規則等でお定めになる意思があるのかないのか。
  168. 五十嵐義明

    五十嵐政府委員 煤煙被害そのものが、先生のおっしゃいますように多数の施設から出たものが総合的に多数の健康人の集団に影響を及ぼすというようなことでございますので、御指摘のように直接どの施設から出た煙によって被害を受けたということが明確にならない場合が多いわけであります。それがまた煤煙規制一つの特色であるわけであります。そういうことのないようにこういった規制を設けまして、被害を防いで参りたいという趣旨でございます。
  169. 本島百合子

    ○本島委員 それはわかっておるわけですが、それが今一挙にできるわけではない。現にそういう争いが続いているわけです。しかも都道府県知事はそれにどういう手の下しようもなくて、今日過ごしておるというような状況なんです。ですから、そういう意味合いでは、やはりこの法律が施行されると同時に、そういう点のお考えも聞いておかないと、東京都のような場合は非常にこの苦情が多いわけです。そしてほとんど住民が泣き寝入り、こういう状態に置かれておるのです。従って法律が出れば、当然われわれはこれに対して何らかの要求ができる、こう思うのは至当だと思うのです。そういう点のお考えはどうか、こういうわけです。
  170. 五十嵐義明

    五十嵐政府委員 先生の御指摘のような問題は、結局この法律案では、和解の仲介の制度によるということに尽きると思います。この制度では、第二十五条にもございますように、紛争の実情を詳細に調べまして、事件が公正に解決されるように努力するわけでございます。その段階におきまして、原因がどこからきておるかというようなことを十分究明いたしまして、その結果原因を突きとめて、この仲介の処理に当たるという運びに相なるかと思います。
  171. 本島百合子

    ○本島委員 この法案の通過することを、私ども心から望んでいるわけです。今までは、今申し上げたようなことにぶつかっても、どこへも持っていきようがない。住宅を変えることもできない。そしてそのままに、着ておるものも、住んでいる家も、また身体もそこなわれながらも、がまんせざるを得なかったというのが現状でありますので、そういう点に対しては、非常に一歩進んだ新法であるということで賛成するものではありますが、ただその和解の仲介員という、この仲介員という人は、大体ここに規定されているような程度ではちょっとわかりづらいのですが、どういう専門家をお選びになろうとしているのか。そしてその地域に十五人ぐらいの候補者を置いておいて、委員は五人で構成する、こうなっておるのですが、どういう運営の仕方をなさろうとしておるのか、その点を承りたいと思います。
  172. 五十嵐義明

    五十嵐政府委員 この仲介員の構成につきましては、いろいろな考え方があるわけでございます。基本的には、その処理を公正妥当に、科学的にできるということを建前としているわけでございまして、予想されます構成としましては、この煤煙に関する学識経験を持っておられる方、それから関係の行政機関の職員並びに一般市民を代表する方々というような立場から構成されることが予想されるわけでございます。
  173. 本島百合子

    ○本島委員 その五名で構成するということになると、非常に限られてくるのですね。今の構成のメンバーを考えてみても、非常に限られてくる。その中で、特定な専門家というのが一人なんでしょうか、二人なんでしょうか。その比例はどういうふうになさるお気持ですか。
  174. 五十嵐義明

    五十嵐政府委員 的確な数については、今申し上げる準備がないわけでございますが、ただいま申し上げましたように学識経験者の中には、健康問題に関する医師の立場、あるいはこの設備を運用する事業関係の側の立場というようなことが考えられます。行政官庁でも、この問題については検討いたしておりますので、その立場からもある程度専門的な意見が出せると思います。また被害を受けます一般市民の側からも意見が出られる。それらの方々を組み合わせまして、適正な判断ができますようにして参りたいという考え方でございます。
  175. 本島百合子

    ○本島委員 先ほど五島委員もここのところを指摘されておったわけですが、国でそういう研究機関もあるということでありますので、そういう科学的調査を十二分になさって、その知識を体得しておる人が、こういう紛争の場合には——えてして住民が不利になるというのが従前の例でありますので、そういうことの起こらないように、この新法を生かしてお考えを願いたいと要望するわけであります。  次に、先ほども五島委員が言われましたが、問題が起こっている地域、その行政官庁の長、こういう人たちが今までは手がけて参りましても、問題解決がなかなかむずかしかったというのが現状なんです。そこで、こういう点において、たとえば指定地域の——地域はわかったわけなんですが、その権限の持ち方の問題です。たとえば先ほども修正という言葉が出ておったようでありますが、私どももそういう気持を持っておるとしても、結局どの程度のものを地方の行政官に与えれば円滑にいくかということであります。これは都道府県知事が権限を持っております場合、住民は非常に不便であるわけです。そうしてかけ込んでいく場合にも、遠いところまで行かなければならぬ。それでは郵便で出すか。郵便で出したものがなかなか返事がこない。調査をしてもらえない、これが今までのいわゆる行政官庁のあり方であった。こういうような観点でもう一度、そういう点をどういうふうにお考えになるかということを聞かせていただきたいわけなんです。
  176. 五十嵐義明

    五十嵐政府委員 この法律の建前から出て参ります知事の権限等につきましては、再三申し上げた通りでございますが、御指摘のように地方公共団体の知事の立場あるいは市の立場で、最も能率的にこの法律の運用に当たるということは、私ども決して否定しておるわけではございませんので、従来とも一部の市におきましては、実情の調査その他非常な成果を上げておるところもあるわけでございまして、その地区の実情に応じましてその能力に応じまして、最も能率的な運営をはかっていくということにつきましては、決して反対をするものではないわけでございます。
  177. 本島百合子

    ○本島委員 その効果が上がっていなかったというのは、条例等を持たなかったので上がっていなかったのか、あるいは条例等を持っていながらもそれに熱意がなかったのか、そういう点はどういうふうにお考えになりましょうか。
  178. 五十嵐義明

    五十嵐政府委員 地方公共団体におきまして、先ほども申し上げましたように、ある団体では条例を持ち、規制をいたしております。ある団体では、規制条例は持ちませんが、審議会の条例を持っておる。ある団体では、両方の条例を持っていませんが、指導していくというふうに、それぞれいろいろな段階があるわけでございますが、それぞれ力の入れ方によりましてある程度の成果を上げておるわけでございまして、条例があってもそれの運用が悪いから、非常に成績が上がっていないのだというふうにきめつけるわけには参らないと私ども考えております。
  179. 本島百合子

    ○本島委員 もう一点お尋ねいたしますが、私ども聞きますところによりますと、川崎地区の点ですが、一応この法律に照らして措置を変えていくというようになれば、大体三十七億円ぐらいかかるそうだ、こういうようなことが言われておるわけです。そうしますと東京都の工業地帯を勘案いたしますときには、もっとかかるのじゃないか。そうすると一会社に融資をお考えいただく場合でも、よほどのことで予算を計上して下さらない限りは、この問題解決はできないし、新法ができてもすぐにこれがうまくいって、一ぺんに煤煙の出る率が減ってしまうなんということは考えられないことなんです。そういう点はどのくらいの年月で解決をされようと思っているのか。
  180. 佐橋滋

    ○佐橋政府委員 法律にもうたってありますように、既設の工場の処理施設というのは最高限二年、できるだけ早い機会にそういう処理施設を整えさせまして、大気の汚染の防止に資したい、こういうように考えております。
  181. 本島百合子

    ○本島委員 できるだけ早い期間ではちょっとわからないのですが、目途として三年後には大体この法律が適用されて、そういうところの煤煙は今より半減するとか、こういうふうになるというような計算の土で、この法律が出されておると思うのですが、その点はどうなんですか。
  182. 佐橋滋

    ○佐橋政府委員 地域が指定されまして、それから施設ごとに基準がきまるわけでございまして、ただいま先生の言われましたように、何年後には現在の状況が半減するとか三分の一になるということは、われわれの方もまだちょっと計算ができないわけでありますが、できるだけ早い機会と申し上げましたのは、一番長くても二年だ、二年以内の早い期間に施設を完了させたい、こういうように考えておるわけであります。
  183. 本島百合子

    ○本島委員 その点でよほど融資の点、あるいは予算の裏づけをお考えいただかないことには、二年以内といってもむずかしいだろうと思うわけです。そうして役所で考えられていられる以上の費用がかかるということは、今申し上げた点から考えても言われるわけなんです。特段の予算措置ということを私は要望したいと思うわけです。そこで一つこの新法が通りました暁において、たとえば一斉に二年以内、こう言われておるのですが、どのくらいの融資金を出して解決しよう、本年度におきますお考え方はどの程度であるか。そうすると私ども地域的に割ってみることもできますものですから……。
  184. 佐橋滋

    ○佐橋政府委員 ことしは本法がかりに採決にたりまして施行されましても、後半になりますので、本格的な予算措置というのは来年度になると思いますが、大企業につきましては、先ほど来申し上げておりますように、企業自身も社会的な責任を感じてこういうことをやるように教育もいたしておりますので、これは資金の面ではあまり大した金額は要らないのじゃないか、自己資金でまかなえるのじゃないかと考えております。足らない部分につきましては開銀その他からの融資、こういうふうに考えておりますので、現在のところわれわれとしましては的確にどれだけの金が要るかということにつきましては、法施行後厳密に計算して参りたい、こういうように考えます。
  185. 本島百合子

    ○本島委員 最後に要望しておきますが、この法律が通ってから、それから厳密に計算しても、これでは法律が通ってもことし一年はあまり動かないということを考えるわけです。二年以内といって来年の予算でというと、なかなかこの問題解決はむずかしいと考えられるわけなんで、大臣はいらっしゃいませんので、両方の政務次官の方々に、こうした面の予算というものをよほど裏づけをしてやる、そうして一日も早くこのスモッグによる被害、あるいはまたその特定の工場から出す人体に影響のあるもの、こういうものを分類していただいて至急に手を打っていく、こういうような考え方を立てていただきたいことを要望し、その点の御決意をちょっと、ほんとうにやるのかやらないのか聞かしてもらって、私の質問を終わりたいと思います。
  186. 森清

    ○森(清)政府委員 私たちもこれは長い間の懸案でございまして、ようやく本日皆さん方の御決裁を得られるような形にまで運んできたわけでありますが、成立いたしましたからには一日も早くこれが実行に移されるように、最善の努力を傾け尽くしたいと思います。
  187. 藤本捨助

    藤本委員長代理 小沢君。
  188. 小沢辰男

    ○小沢(辰)委員 私はほんの一、二分ちょうだいいたしまして、二、三点要望をかねて御質問をしたいと思います。  まず第一点は、私ども大気の汚染による生活環境の保全ということにつきましては、重大な関心を持っております。またこの法案の趣旨については、全く賛成でございます。ただこの法律が出ますと、厚生省、通産省でいろいろ御研究になりまして、排出基準というのを定めるということになっておるわけでございますが、しかしながら一方この基準決定いたしました場合には、当然技術的に見てこれが防止が可能だと考えられるようなものでないと、私は実際の行政上のいろいろな問題の起こる可能性を考えてみまして、どうしても排出基準というものはもちろんだんだん進んでいくに従って高度のものができるかもしれませんが、当面この法律を製造事業場等に適用します場合には、その技術的防止策があるのだというような、その可能であるというような面を特に考えて基準をお作りになる必要があろうかと思うのですが、この点、お前の言う通りであるというのか、あるいはそういうこととは別に、一応大気汚染という観点からあくまでも科学的にこの基準というものを考えていくのか、その辺のところを御答弁いただきたい。
  189. 森田重次郎

    森田政府委員 全然同感でございます。むろんこの法律を徹底させるために、基準のこの具体的なものはどう出てくるかということは、今のところ明瞭ではないわけでございますけれども、しかしあなたのおっしゃるような目的達成のための最低基準は、絶対に守っていかなければならぬ。つまり目的としてあなたの御意見に一致するような線で、それを定めることにいたしたいと考えております。
  190. 小沢辰男

    ○小沢(辰)委員 実際には担当局でいろいろ検討されると思いますので、局長でけっこうでございますが、私の趣旨は、技術的に防止対策が可能であるということを十分考えていただいて、いわば排出基準をお作りになる際には、実情に即した一つ基準というものを、逐次もちろん高度化していくことはいいと思いますけれども、当面そういうような考慮を払うというようなお考えがおありになるかどうか、この点をもう少しはっきりお伺いしたいと思う。
  191. 五十嵐義明

    五十嵐政府委員 私から御説明申し上げるまでもなく、この法律の目的が健康の保持と産業の健全な育成との調和の上に立ったものでございますので、従いまして健康の面でも、あるいは産業の発達の上でも、現実的な可能な範囲でなければもちろんならないわけでございます。そういう意味で現在の技術水準におきまして、この目的を達成する上に最も実質的な可能な範囲でこれをきめて参りたいというふうに考えておるわけであります。
  192. 小沢辰男

    ○小沢(辰)委員 よくわかりました。  それから第二点として、私はこの排出基準をおきめになる際に、たとえばそれぞれの工場、事業場が所属するいろいろな経済団体があると思いますが、こういういわば経済界といいますか、団体といいますか、そういうところの意見を十分あらかじめお聞きになりますかどうか、この点を確かめておきたいと思う。これは企業局長からでもけっこうでございます。
  193. 佐橋滋

    ○佐橋政府委員 御指摘通り排出基準を策定する場合には、業界の団体にも十分連絡をとるつもりでおります。
  194. 小沢辰男

    ○小沢(辰)委員 それでは次にこの規定によりますと、まず新しく設置しようとする場合等につきまして、いろいろと届出の義務がございます。これに関連しまして一部工場、事業場等におきましては、非常に手続が煩瑣になるのじゃないか、あるいは特にこのために必要以上の過重な負担がかかってくるのじゃないかということを、心配している向きもあるように思うのでございます。これは希望を申し上げておきますけれども、とにかくできるだけ煩瑣にならぬように、この点の考慮を払っていただきたいということと、それからいろいろ紛争が生じました場合に、この法律によりますと、学識経験者を入れました専門の委員を仲介員として、あらかじめきめておかれるということでございますが、先ほど五島委員からも、その点について非常に関心を持った御質問があったようでございますが、とにかく科学的な、たとえばどの程度危害を及ぼすかということ、あるいはその量がどうであるかというような点についての、いろいろな科学的な審査というものを必ず和解の場合にはやるというとと。この届出についての手続をなるべく簡素にしていただきたいということと、和解の仲介にあたって科学的な審査を十分にやる。これを基礎にして、いやしくも両者の主張を足して二で割って、まあまあこの辺でどうじゃということのないように、特に配慮をしていただきたいという希望をいたしておきますが、これにつきまして政務次官から通産行政、いわゆる企業の健全な発展との調和の面で、どういうふうに考えておられるかをお尋ねしたいと思います。
  195. 森清

    ○森(清)政府委員 いわゆる通産行政の面から言いますと、こういう法律を作って、たとえば集塵装置や何かを作らなければならぬということになりますと、なかなかむずかしい問題がたくさん出てくると思うのです。ことに資金の問題あるいは生産制限の問題、いろいろ問題が出てくると思います。私どもはあくまでもこの法案の趣旨にのっとりまして、許容量の問題にいたしましても、人体に及ぼす影響、その他ここにうたわれておる趣旨を十分生かして今後やっていきたいと思います。
  196. 藤本捨助

    藤本委員長代理 これにて本案に対する質疑を終局するに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  197. 藤本捨助

    藤本委員長代理 御異議なしと認め、そのように決しました、
  198. 藤本捨助

    藤本委員長代理 ただいま委員長の手元に中山マサ君、五島虎雄君及び本島百合子君より、ばい煙排出規制等に関する法律案に対する修正案が提出されております。
  199. 藤本捨助

    藤本委員長代理 修正案の趣旨の説明を聴取いたします。中山マサ君。
  200. 中山マサ

    ○中山(マ)委員     ばい煙排出規制等に関する法律案に対する修正案   ばい煙排出規制等に関する法律案の一部を次のように修正する。   目次中「第三十一条」を「第三十二条」に、「第三十二条」を「第三十三条」に、「第三十六条」を「第三十七条」に改める。   第三十六条を第三十七条とし、第三十二条から第三十五条までを一条ずつ繰り下げ、第六章中第三十一条の次に次の一条を加える。   (事務の委任)  第三十二条 都道府県知事は、この法律の規定によりその権限に属する事務で政令で定めるものを、政令で定める市の長に委任することができる。  趣旨の説明。大気汚染に関する行政が、従来相当数の市で自発的に積極的に取り上げられてきた経緯にかんがみ、この法律の実効を期するために、大気汚染状況の監視、事故時の措置等、この法律に規定する都道府県知事の権限に属する事務の一部を、これらの大気汚染行政に関する熱意と能力を有する市の長に行なわせることとする必要がある。以上の理由に基づき、政令で関係市の長に事務を委任できる根拠規定を設けるものである。以上。
  201. 藤本捨助

    藤本委員長代理 本修正案に対し、質疑の申出がありますので、これを許します。五島虎雄君。
  202. 五島虎雄

    ○五島委員 ただいまわれわれ三党共同の修正によってこれを修正せんとするものでございますが、さいぜんの私の質問の中でも述べたように、この法律自体の規制の監督その他の権限が都道府県知事にあるということは、これを排除するものではないけれども、指定をされる地域の大部分は工場都市であろう、こういうところから、国民の健康を保持し、環境の衛生を守り、そうして大気の浄化を行なうには、あらゆる機関が協力して行なわなければ、この点については万全を期しがたいであろう、こういうように勘案いたしますと、地方自治法の百五十三条には、県知事が市町村長に事務を委任する条項もございますが、しかし、われわれがこういうように特別に修正をしようということは、ただいま中山委員からその趣旨の必要性を述べられた通りでございますが、この修正案とても明快ではございません。それは事務は政令にまかせられます。そうして今度はその指定される市も、政令によって指定されるわけでございますから、政令委任が二重に行なわれるわけでございます。われわれはこの法律案そのものに、明快に今中山委員から言われましたようなことを修正したかったのでございますけれども、それもいろいろな諸事情の中から、こういうような政令委任ということにしなければならないわけであります。地方自治法の百五十三条から見れば、知事が委任をするわけでございますから、国から言わせれば間接委任の形態をとるものと思います。しかし、今回修正されることがもしも決定いたしますと、これは政令の委任でございますから、従って、市長の権限その他も法律に頭を出したものと解釈されるわけであります。そこでこの事務を政令できめ、そうして各市を政令できめられて、そうして当該市の長に権限を委任するということにおいては、政令の内容を若干明らかにしておく必要はなかろうかと思いますから、特に質問をしておきたいと思います。  われわれがその政令において事務を明確化するのには、七条における大気汚染状況の監視の問題がございます。この大気汚染の状況は、出先で監視しなければなりません。当然保健所等の手をかりなければ、この状況の監視ということはできかねます。従って、ただいま説明されました修正案の政令の市長に委任すべきであろうと思います。  それから今度は二十六条、二十七条の立入検査等の規定の問題でございますが、この煤煙の源の状況を個々に監視する仕事は、この行政の実質上の中心になる仕事でございます。ですから、この仕事の裏づけになるのが、ただいま申し上げました二十六条、二十七条の立入検査及び報告の徴収でなければならないと思います。二十六条は立入検査、二十七条は報告の徴収でございますから、これらの問題についても、政令を作られる場合は明らかにしてもらう必要があるのじゃないかと考えます。  それから第三点といたしましては、この条文が修正されれば三十七条及び附則になるわけですが、その三十七条の中に各種届出の事務がございますが、この届出の経由事務というものは、これはすなわち政令で指定される市の長に与える必要があろうと思うわけです。  それから第二十条、二十一条、すなわち事故の場合及び緊急時の措置権の問題がございます。これらの措置権は勧告及び協力態勢でございまして、法律の規定がなければできないという性質のものではございません。しかし、かつその被害の範囲が比較的局限されて、しかも緊急措置を要する場合も考えられます。このような場合は、知事のみならず、市、長の措置権を認めてしかるべきではないかと考えるわけであります。従って、この項目についても、政令を作られる場合留意してやらなければならない問題であろうとわれわれは考えます。  それから計画変更命令権及び改善命令権がございます。この問題については、いろいろ問題がございましょう。計画命令変更が一県において数市に及ぶ場合、半端な問題でなかなか公平を欠く場合もございましょう。しかし、これらの命令権は伝家の宝刀でございまして、大多数の場合はこのような強制権でなく、話し合いで結論を出すべきであると思います。そこで、こういう十一条及び十六条に関する計画変更命令及び改善命令権等々については、政令で設けられる場合、こういうことは、この項目の件についてはよく留意をしてもらいたいということです。そこでこの十一条と十六条の問題についても、市長にもこの権限を与えるというようにしていただきたい、こういうように考えるわけであります。  ですから、ただいま委員長から、中山委員が説明されました三党出同の修正案に対して質問の通告があると言われたようでございますけれども、質問ではなくて、これは政府に対する注文でございますから、そこで両省から、この件について態度をここで明らかにしていただきたいと思います。明らかということは、非常に具体的には困難ではあるかもしれません。しかし、私が申し上げたことは、決して無理ではないというように自信を持っておりますから、その点について一つ態度、考え方をここで明らかにしていただきたいということでございます。わかりましたか、ごてごてと言いましたが……。
  203. 五十嵐義明

    五十嵐政府委員 修正案につきまして、条文事項をあげましての御意見、御要望でございますが、この法律案の建前、知事の権限並びに地方自治法の運用から参ります法律的な施行の面につきましては、再三申し上げた通りでございまして、その点では決してこの市と県との協力関係を否定するものではないわけでございますが、この修正案が可決せられました上は、ただいま御指摘になりました御意見を十分尊重いたしまして、政令の上でその実施に遺憾のないように、十分検討して参りたいと存じている次第でございます。
  204. 佐橋滋

    ○佐橋政府委員 突然の御意見でございますので、ただいま五十嵐局長の方から話がありましたが、十一条、十六条の公益命令等につきましては、どうかという感じがいたしますが、できるだけ御趣旨に沿うような線で考えて参りたいと考えております。     —————————————
  205. 藤本捨助

    藤本委員長代理 次に、ばい煙排出規制等に関する法律案及びこれに対する修正案を一括して討論に付するのでありますが、別に討論の申し出がありませんので、直ちに採決するに御異議ありませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  206. 藤本捨助

    藤本委員長代理 御異議なしと認め、そのように決しました。  これよりばい煙排出規制等に関する法律案及びこれに対する修正案の採決に入ります。  まず中山マサ君外二名提出の修正案について採決いたします。  本修正案に賛成の諸君の起立を求めます。    〔賛成者起立〕
  207. 藤本捨助

    藤本委員長代理 起立総員。よって、本修正案は可決いたしました。  次に、ただいまの修正部分を除く原案について採決いたします。  これに賛成の諸君の起立を求めます。    〔賛成者起立〕
  208. 藤本捨助

    藤本委員長代理 起立総員。よって、ばい煙排出規制等に関する法律案は、中山マサ君外二名提出の修正案の通り修正議決すべきものと決しました。
  209. 藤本捨助

    藤本委員長代理 この際、浦野幸男君、小林進君及び本島百合子君より、本案に対し附帯決議を付すべしとの動議が提出されておりますので、その趣旨説明を求めます。浦野幸男君。
  210. 浦野幸男

    ○浦野委員 私は、自由民主党、日本社会党、民主社会党を代表しまして、ただいま議決になりましたばい煙排出規制第に関する法律案について、附帯決議を付したいと思います。  案文を朗読して説明にかえさせていただきます。    ばい煙排出規制等に関する法律案に対する附帯決議  一、政府は、工場及び事業場等におけるばい煙処理施設等の整備を促進するため、将来、必要に応じ、中小企業振興資金の償還期間をさらに有利にすることを検討するとともに融資その他の助成措置の整備拡充に努めること。  二、政府は将来、自動車から排出される排ガス、騒音振動悪臭等の公害問題に対処するため、技術的研究を強力に推進し、その対策の確立につき努めること。 以上でございます。何とぞ御賛成あらんことをお願い申し上げます。
  211. 藤本捨助

    藤本委員長代理 本動議について採決いたします。  本動議のごとく決するに賛成の諸君の起立を求めます。    〔賛成者起立〕
  212. 藤本捨助

    藤本委員長代理 起立総員。よって、本案には浦野幸男君外二名提出の動議のごとく附帯決議を付することに決しました。  この際、厚生大臣より発言を求められておりますので、これを許します。灘尾厚生大臣
  213. 灘尾弘吉

    灘尾国務大臣 ただいま可決せられました附帯決議につきましては、政府は、その御趣旨を尊重いたしまして、努力いたしたいと考えます。
  214. 藤本捨助

    藤本委員長代理 ただいま議決いたしました本案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  215. 藤本捨助

    藤本委員長代理 御異議なしと認め、そのように決しました。  本日は、これにて散会いたします。    午後六時九分散会