○小林(進)
委員 確かにそれは
局長の言われるように、生活保護の方はいろいろの所得の制限がございますから、そういうものを厳格にやった所得と比較をされれば失対の方がいささかいいかもしれませんけれ
ども、しかし、数字や理論の形の上
において、四人以上の家族の者が、生活扶助の賃金よりもむしろ低下をしているなどというようなことは、実情はあなたがおっしゃった
通りでしょうが、実に恥ずべきことだと思う。いよいよ
日本の賃金が国際的に問題になるさなかのときには——私は賃金問題に一番
労働政策の重点を置いているのでありますけれ
ども、こういう失対賃金もあわせて外国へ報道されることになったときには、いかに
労働大臣や外務
大臣が、声を大にして
日本の賃金の国際的適応性、水準をしゃべられても問題にならないと私は思う。これは非公式ですから私も確信を持って言えることではありませんが、何か非公式に、聞くところによれば、総評も近く岩井
事務局長の名前で世界労連あるいは世界自由労連の両方へ招請を出して、
一つ君たちが
日本の賃金の実際を
調査に来てくれ、
日本では日経連やあるいは
労働者側で賃金の適正、不適正で議論がかわかない、そのかわかない反面に、アメリカやあるいはガット加入の
問題等に含めて
日本の低賃金がいつでも非公式に問題になってくる、けれ
ども、
国会やこういう社労
委員会なんかの公式の場になると、
政府は自信満々で、賃金はちっとも国際的に恥ずべきところはない、こういうことを言われて水かけ論に終始しているから、少し第三者の立場で、
ほんとうに賃金が適正であるか適正でないか
調査に来てくれ、こういう招請を近く出すと聞いております。これはしかし公式のニュースではございませんので、あるいは間違っているかもしれませんが、そうなるとやはり
日本国民の一人として、こういう世界的な
調査の前に、失対賃金や、あるいはにせの業者間協定に基づく最低賃金の実態や、あるいは大
企業における社外工、臨時工あるいは日雇い等の賃金も白日の前に如実にせられて、二度とものもしゃべれないような恥をかくようなことになったら困るのではないかと、実は私は
労働大臣の立場に深く同情いたしますがゆえに、心配しながら今こういう
質問を申し上げている次第でございまして、単なるこういう
労働委員会におけるあなたと私との言葉のやりとりであなたが私を説得されて、それで事が済むという性格のものではないわけです。
日本の
政府のきめた
労働賃金が、生活扶助の賃金にも及ばないような低賃金にくぎづけしてあるなどというようなことを、世界労連やジュネーブのILO等に持ち出されてあなたは弁明ができますか。加藤政務次官が行ったって、そんなときには間に合いませんよ。そういうことを私は心から憂えるがゆえに御
質問しているわけでございますから、どうか
政府もこういうことは
一つ真剣に
考えていただいて、やはり賃金や
労働行政は、何といったって
労働省が本腰になって、あの老骨の保守党の頑迷な人々を説得していただく以外に道はないのであります。そうして
一つ皆様方に、やはり国際的な
日本の地位を高めるように
努力をしていただかなければならない。現に失対の扶養者は一二・六人平均ではありますけれ
ども、その中で、
現実に失対に働いて、なおかつ生活扶助を受けている者が三割近くいるじゃありませんか。こういうようなことは、私は実に恥ずべきことだと思うのでございます。でありまするから、先ほど私が言うように、
政府は、こういう賃金が高まったり求人難の世の中、いわゆる初任給が商い商いといわれているさなかにこういう低賃金をおきめになるのだから、どうしてもこれは、失対というものをいびり出しをして、事実上これを撲滅する政策を強行しているのではないかというひがみも出てくるわけです。この点は、
大臣も先ほど、ひがみではない、絶対的にそういうことは
考えていないとおっしゃいましたから、これは
大臣のお番葉を信頼いたしまして、私
どもはそのことに対する追及はやめにいたしますので、どうか
一つ十分お
考えをいただきたいと思うのであります。
次に、雇用奨励制度の問題です。やはり雇用の、安定のために、失対労務者を
一つ雇用促進という制度で安定をはかろうということで、四百二十五円の半分を国と県が負担して、六千名くらいを新しい
職場に送り込もうという案をお出しになっているのであります。そこでお伺いしますけれ
ども、一体雇用奨励制度で送り込まれた
労働者の新しい
職場における身分はどうなのですか、これをお聞かせを願いたい。