○五島
委員 村上局長の今の答弁は、御不幸があったそうで、私よく
理解ができます。それで、できるだけすみやかに淺沼
委員の質問の内容を尊重されて、堅実にこれが伸びるように、そうしてできるならばそれがもっと拡大されるように願いたい。私は江東
職業訓練所を見たのですけれ
ども、裏に五百坪以上のあき地があります。これは東京都の敷地だそうです。そういうようなことで、東京都とよく話し合うならば、もっともっとあそこは活用できるのじゃないかというように考えてきました。それから
三治局長が説明された江東を再訓練の訓練所にするというようなことで、その
条件が、東京都と話をし合って小平に敷地をあれするから、交換的に洋裁や洋服も廃科しなければならない。そうしてあそこを再訓練の訓練所にするのだ、こういうことですけれ
ども、
三治局長の政治的な、技術的な、そうして東京小平
職業訓練所を総訓に拡大しようという気持はわかります。しかし、
婦人の職場に考慮をされていないのじゃないか。廃科したり組織を改変しようというようなことについては、
雇用促進事業団の中で協議会があるわけです。十二月にこれが発足されて、一月二十六日に協議会が行なわれて、翌日は
雇用促進事業団の団長の方から江東
職業訓練所の方に廃科するようにしたのだからと、たった一日間のうちに通達をやった。
ところが、その協議会の
委員である総評の事務局長の岩井さんは、二十六日に出席しておったけれ
ども、その話は何も出なかった、こういうようなことである。そうすると、
労働省の方針
通りに、協議会に何も議題を出さないで、了解をされないで、方針
通りにやらされているのじゃないか。協議会は何をする
ところか、こういうようなことを考えます。私はそれを明らかにせよとかなんとか言うのじゃございませんよ。従って、まあこれを残し、あるいは拡大する、そのために訓練局長も
努力すると習われるから、その誠意――村上局長ははなはだ誠意の人だと私は思う。ですから、私はその誠意を尊重したい。おまけに
労働大臣の基本的な考え方もある。
ところが、何か
職業訓練の予算やら方針を見ますと、オートメーション化に関する
ところの近代生産事業に対する
ところの
職業訓練に重点を注いでおって、何か弱い
立場における、あるいはそういうような高度の訓練を受け得ない国民に対する
ところの考慮が非常に少ないのじゃないかというように考えておる。昭和三十四年に発表された
ところの
職業訓練長期基本
計画、これを見ましても、再訓練、事業内
職業訓練あるいはその高度な
職業訓練というようなことで、仕事を持たないあるいは失業者でなかなか再
雇用ができないというような人、あるいは高度の訓練を受け得ない国民がたくさんいる。こういう
ところにやはり幾%かのウエートをもって配意する必要があるだろう。従って、村上局長が言われましたように、東京一般
職業訓練所には牛込の女性の洋裁部とか洋服部とかいうのがある。
大臣が言われましたように、東京都は
全国の十分の一以上の人口を擁する
ところです。江東から牛込まで通うわけにはいきません。そういうことがあるならば、石炭合理化
対策のように失業者に交通費を出す、あるいは訓練費等をも考慮しなければならないというような問題が出てくるのではないかと思う。そうする現在の
職業訓練の方針が十カ年
計画で行なわれているわけですけれ
ども、その生産、再生産の
方向に重点を注ぐということ、それから北海道のように広範囲にわたっている
ところは、地域が広大ですから、四カ所作られても五カ所作られても異議はございません。私たちは、
職業訓練の施設そのものが
全国的に少ないと思う。そしてまた、
職業訓練の訓練所に収容する訓練生も、はなはだ少ないと思っている。この十カ年間で失業者あるいは
近代化に即した訓練が行き届くだろうかどうだろうかということが考えられるわけです。われわれ社会党は、もっともっと施設に重点をかけて、費用もうんと出して、その
職業訓練に万全を期せなければならないと思う。これは
完全雇用達成の大きな一手段ですから、私はそう考える。従いまして、淺沼
委員の質問されたことは江東訓練所の廃科の問題ですけれ
ども、これをゆるがせにしておいたら、将来は女の洋裁あるいは洋服を問わず、女の
職業訓練というようなものは、
全国的になくなるのではないかというふうに考える。従って、私は頂門の一針をここに置いて言っておきますから、今後この点についても大きなウエートをもって考慮していただきたい、こう思うわけです。決してその
職業内の再訓練とかあるいは高度の再訓練とか、それから長期の訓練とか、そういうような訓練に反対するものではありません。もっともっと徹底的にやらなければならぬと思います。しかし、それには忘れるものがあるから、さいぜん申しましたように、局長の答弁を尊重し、
労働大臣の基本的な考え方を尊重して、私たちは期待しております。従って、四月一日からは何らかの姿で江東にも置ける、こういうように思います。