○
小林(進)
委員 従来の
厚生行政に非常に
改善すべき点が多いから、その
改善に
一つ重点を置いていくというお話でございますならば、自来これからは
改善大臣というお名前を呈上いたしまして、
灘尾厚生大臣別名
改善大臣ということで、私
どもは
灘尾厚生を御批判申し上げていきたいと思いますから、さよう御了承をいただきたいと思うのであります。
いろいろあなたのお書きになりました文章な
ども、目の届く限り私
どもはあさって歩いたのでありますが、「厚生」一月号の中にも「一九六二年の
厚生行政」
灘尾弘吉というものがございます。これを一生懸命に何回も読ましてもらったのでありますが、この中でもちょうど厚生白書を煮詰めて項目だけ並べたような、味もそっけもないものが載っているだけでございまして、
厚生大臣の所信としてはどうも血もなければ涙もない、味もなければそっけもないということで、
委員外発言がありました
通り、お粗末千万という感じを受けているわけであります。いささか私
どもは落胆をいたしたのであります。と申し上げますことは、歴代
厚生大臣はどうも伴食
大臣の傾向が強かったのであります。橋本
厚生大臣、さらにさかのぼればもっとそのさきにさかのぼりますけれ
ども、一々名前をあげては失礼千万と思われるぐらい、伴食が多かった。その中へ前任者の古井さんが出てこられて、やや
厚生行政に
一つの力点が置かれたのではないか、こういうような感じを持ってわれわれは期待を持ったのでありますが、これは中途にして倒れられた。倒れられたと言ったらいいのでございましょう。何事もなすことなくして、医師会等の猛烈な攻撃の前にうたかたのごとく消え去られた。かわってあなたが出てこられたわけでございますが、厚生官僚いわく、
厚生省、旧内務省出身ではあるけれ
ども、古井さんは地方育ち、
灘尾さんは本省育ちであって、
ほんとうの
厚生行政のオーソドックスの道を歩いた方だから、今度は期して待つべきものがございます。こういうことで非常にあなたに期待を寄せられていたようであります。これは
一般社会大衆はどうか知りませんけれ
ども、あなたが今掌握しておられるいわゆる官僚陣は、だいぶあなたに期待をしたようでありますが、今申し上げたごとく出て参りましたものは非常にお粗末でございまして、残念であります。残念でありますが、そのお粗末な点を、しからば
一つこれから御質問を申し上げたいと思うのであります。私の質問はかくのごとく膨大でありますから、きょうは
委員長に
一つ条件を出しました。それは
大臣が途中にして席をはずされるならば、私は質問はやりません。
厚生大臣と社労
委員会における
理事小林進の最初の問答でございますから、最低五時間は
大臣にここに落ちついていただいて、私の質問を受けていただかなければならない。これは
委員長も与党の
理事諸君ものんだのであります。これで私は質問に立ったのでございます。従って実のある質問はだんだんあとの方へ参りますから、
大臣もそのお
気持で
一つ腰を落ちつけて、私の質問に答えていただきたいと思います。
本論に入る前に私は序論として、簡単な問題から片づけておきたいと思う。その
意味において質問の重点は前後いたしますけれ
ども、まず簡単な問題から申し上げます。
第一問は、
厚生行政の問題ではございません。これは官僚の規律に関する問題でございます。これは前にも私は古井さんにお尋ねいたしました。古井さんにお尋ねいたしましたものは、三十三年度の衆議院選挙に関する官僚の選挙応援の姿に対する私の質問でございました。私
どもは行政法にはそう明るくはありませんけれ
ども、一
通りは私は勉強して参りました。官吏というものの身分がどうであり、官吏と称するものの地位がかくなければならないものであるということは、一応学んで参りました。いわゆる大衆に奉仕をして、時の
政府や時の政党には常に中立でなくちゃいけない。これがいわゆる官吏のあり方であります。それがどうも中立性が失なわれている。非常に中立性が乱れているのだ。それが選挙のときに現われる。今まで
厚生省の役人であった同僚諸君がおりますから、私はあまり具体的に申し上げませんけれ
ども、それが政党に所属して、きのうまでは役人だった、きょうからは政党の一員となって選挙に立候補するときに、一体各省の役人はそれに対してどういうふうな応援の仕方をしておるか。これが実に大きな弊害を流しておりますから、その
関係で今度の選挙法の改正にも、官吏をやめたる者、役人をやめたる者、官公吏をやめたる者は、一定の期間立候補することができないようにしなければならぬというような、そういう
措置を講じているのも、この官吏の中立性が乱れている、こういうことを防止しなければならないということで、こういう苦心が払われていることは、政党
内閣の閣僚として
大臣は十分了承せられているところと私は思うのであります。最近また参議院選挙が行なわれます。各省の有力な高等の官僚がその参議院選挙を目ざして、おやめになっておる。そして直ちに選挙の事前運動に入られる。これは私は否定できないと思うのです。
大臣、御
承知だと思う。しかし事前運動、けっこうです。勝つためにはあらゆる手段、方法を用いなければならないのでありますから、けっこうでしょう。法律の許す限りけっこうですが、それに対して今までの同僚であり、先輩であるからという、そういう
関係で政党に所属をして立候補をする。その自分たちの前歴の役人に対して
——現職ではありません。前歴のある役人に対して、国家の各省が
——国家権力ですよ。省の組織機構を利用いたしまして、あるいはわれわれに言わせれば悪用いたしまして、そして選挙に勝つための運動をすることが、一体許されているかどうかということです。これは私は
大臣にいろいろな証拠があって申し上げる。けれ
ども、これは何も
厚生省だけに限られた問題ではない。ほかの省にもありまするし、何も私は大ぜいの中でそういう証拠をあげて、
大臣を急場に追い込もうなんという
気持はありませんけれ
ども、またささいな点ならばわれわれは人間の世界でありまするから見のがしていいとは思いますけれ
ども、それをいろいろな国家
機関の下部末端の
機関を活用いたしまして、あるいは直接の
関係はありませんけれ
ども、たとえていえば都道府県の民生部あるいは衛生部あるいは本省の直接の
機関、そういうものを通じて巧妙な、いわゆる選挙の票を集めるような運動をせられることは、どう巧妙であろうとも、やはり今の役職を活用し、国家権力を活用した選挙運動ではないかと思うのでありまして、こういうことが
大臣、
現実に行われていない、
厚生省に関する限り行われていないと、一体あなたは明確に御否定になりますかどうか。もし行なわれている懸念があるとするならば、それに対してどういう処置をおとりになりましょうか、私はそれを
一つ承っておきたいと思います。